文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針について
当社グループでは、当社クライアントとのコミュニケーション・ブランディングのパートナーとしてのあり方を明確にする目的で、「必要なヒトに、必要なコトを。」という企業ビジョンを制定しております。また、このビジョンを達成するために求められる事業上の施策を明確化する目的で、中長期経営戦略を定めております。当社グループの中長期経営戦略では、それぞれのインターネットサービスをユーザー接点強化の「場」として展開したうえで、親和性の高いビジネスモデルを掛け合わせることで収益構成を多角化し、それらのビジネスモデル同士を掛け合わせていく事でインターネットサービスの枠を超えた事業展開を行っていく事を計画しています。これらの事業展開のフェーズを3つのフェーズに分けて設定しています。
①場の創出
特定の興味・関心事項に関する情報配信に特化したインターネットサービスやSNSメディアという“場”を創出する事で、単なるユーザー規模拡大ではなく特定の興味・関心事をもったユーザーリーチの網羅性と独自性を強化していきます。現在は出版社や東京に本社を置くメディア企業に加え、地方テレビ局など地域のメディア企業への展開を進めております。今後は、当社グループが中長期的な注力領域とする地域サービスの拡大に加え、SNSやIoTなど、新たな情報発信手法にも対応してまいります。また、効率性や収益性を優先し自社によるサービス展開のみならず、他社とのアライアンスや他社のサービス支援を通してサービスネットワークの展開を推進してまいります。
②ビジネスモデルの多角化
インターネットサービス運営から得たユーザーやコンテンツ情報を活かして、広告ビジネスモデルのみならず、それぞれのサービスのユーザーと親和性の高い収益モデルを展開してまいります。消費者が商品に対して感じる価値が、純粋な機能面から商品のイメージやブランド価値に移行している中で、当社グループのノウハウである商品の特性を多種多様なコンテンツを通して表現する力を活用したサービスを展開してまいります。例えば購買興味の強い領域が特定できているサービス上では、ウェブコンテンツの発信に加えて関連する領域におけるECサービス展開を開始しております。
③事業間シナジーの創出
それぞれのインターネットサービスに紐付いたビジネスモデルを連携させていく事で、ユーザーの生活機会にあわせたサービスを展開していく事を計画しています。また、情報を発信する人を育成していく施策の展開や、それらの連携を地域産業や自治体と連携して進める事で、収益機会を最大化する事も実施してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、収益規模を持続的に拡大させていく事と、効果的なリソース配分がなされている事の両面を担保していく観点から、売上高や売上総利益ならびに営業利益を特に重視しております。これまで、サービス毎の業務内容を明確に規定し、それぞれのプロセスごとにKPIを設定して業務の型化と効率化を進めたことで、特にメディアマネジメントサービスにおける利益率の改善を達成しましたが、今後は、これまでの取組みに加え、提供するサービスをシステム化して行く事で、事業構造の更なる効率化を図っていく方針です。また、当社グループの事業成長の進捗は、前出の通りウェブサービスの拡大状況から把握できることから、運営インターネットサービス数や、それらのサービスから創出される売上高推移を主なKPIとしております。
(3)経営環境について
当連結会計年度におけるわが国の経済は、貿易摩擦や地政学リスクの上昇に端を発した国際情勢の緊迫化の影響が一部あり、また、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の停滞の影響が発生したものの、会計年度を通しての影響は限定的であり、経済環境全般としては前期と大きな変動はありませんでした。
当社グループが属するインターネット広告領域においては、我が国におけるインターネット利用者数は前年に引き続き増加を続けており、総務省が発表した「平成30年通信利用動向調査の結果」によると、2018年にインターネットの人口普及率は79.8%に達しました。その中でも、20代から40代では、スマートフォン利用率が全国で8割を超えてきており、これにより室内だけでなく、外出先でインターネットを利用することが日常的に行われている事が見て取れます。また、10代から50代のインターネットの利用率が9割を超える結果となっており、利用率の増加に伴い利用用途も多様化している事が想定され、検索以外の手段で情報取得をする人々が増加していることが示唆されています。
広告業界におきましては、2019年(暦年)の「2019年 日本の広告費」(株式会社電通)によると、日本の総広告費は6兆6,514億円(前年比1.9%増)と、8年連続で前年実績を上回りました。従来からの主力媒体であるマスコミ四媒体の広告費は2兆6,094億円と5年連続減となった一方で、インターネット広告費(媒体費+広告制作費)は、2兆1,048億円(前年比19.7%増)となり、また、インターネット広告媒体費は1兆6,630億円(前年比14.8%増)と、引き続き市場が拡大しております。特に、前年に引き続き、動画広告市場の拡大が、市場の伸びを牽引しました。
また、広告形態としては、運用型広告の市場は1兆3,267億円(前年比15.2%増)と予約型広告の市場以上に成長しており、総広告費の約5分の1(19.1%)を占めるに至りました。また、前年に引き続きブランドセーフティへの関心が高まり、アドフラウド問題への対処なども注目されており、各メディアやプラットフォーマー側ではその対応策が進んでおります。
当社グループではこうした市場環境のもと、メディア企業や地域における情報流通のデジタルトランスフォーメーションを支援しており、情報価値の高いインターネットサービスの運営、収益化支援に努めております。また、関連サービス領域としてアドテクノロジーを活用した広告配信サービスの提供や広告プランニングサービスなどを提供する事で、多様化するクライアントのコミュニケーションニーズに対応してまいりました。
(4)対処すべき課題
①業界動向について
個人および法人のインターネット活用の場面が拡大したことに伴い、インターネット広告市場も拡大しております。しかし、インターネット広告業界は、広告領域の他の事業同様に景気変動の影響を直接的に受ける性格を有しております。そのため当社は、新たな業界動向を察知し、外部環境の変化に対応できる臨機応変な組織構築を行ってまいります。
また、インターネット広告業界の中で、予約型広告の市場成長をしのぐスピードで運用型広告市場の成長が顕著となっております。かかる事業環境の中、当社は子会社であるData Tailor株式会社とも連携し、広告枠の効果的な配置による収益機会最大化と、収益性の高いメディアの制作・運用ノウハウの強化や改善を行っていく方針です。
②競合環境の変化について
当社収益の大半は、広告主によるインターネット媒体出稿費用に直接あるいは間接的に依存する比率が高いのが現状です。昨今のインターネットメディアの増加により、メディア間での競合が激化し当社の広告受注単価あるいは受注数に影響が出る場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため当社グループは、継続した広告メニューの改善・開発を、広告主や媒体社との意見交換を頻繁に実施しつつ継続していくとともに、サービス間で連携しSNSやオウンドメディアの運用、コンテンツマーケティングやEC関連ソリューションの提供など、広告獲得以外の価値をクライアントに提供する活動にも注力してまいります。
③ブランドセーフティへの対応について
インターネット広告を行う際には、数多くの広告配信ネットワークやメディアから広告が配信される事から、適切なコントロールがなされていない場合、広告主が表示を想定していない、コンテンツの質が低いメディアに広告が表示される可能性があります。かかる事象が発生する事で、広告を実施した事によって広告主のブランド毀損が発生する可能性があるため、このようなブランド価値毀損が発生しうる広告掲載を防止する、ブランドセーフティが意識されるようになってきており、広告主が不適切な広告媒体を避けたり、アドネットワークを配信ネットワークとしての質に注目し選別するなどの動きが注目されつつあります。その中で、当社グループはコンテンツ制作体制を強化し、コンテンツに対する社内レビュー体制の強化や、専門家の監修強化を通して、コンテンツの質向上に取り組んでいます。
④特定の経営陣への依存緩和について
当社グループの代表取締役社長である藤田誠は、2007年の創業以来当社の代表を務めております。同氏は、インターネットサービス事業に関連する豊富な経験と知識を有しており、当社の事業戦略の決定に重要な役割を果たしております。当社では、取締役会や、事業運営に必要な定例会議の実施を通した情報共有や幹部の育成、組織の強化を行う事や、適宜権限の委譲を行っていく事で、同氏に過度に依存する体制を緩和していく方針です。
⑤内部管理体制について
当社グループは現在、成長段階であり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であります。そのため、当社グループは経営の公正性・透明性を確保するための更なる内部管理体制強化に取り組んでおり、定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化などを行っていく方針です。
⑥人材の確保及び育成について
当社グループは、今後想定される事業拡大や新規事業の展開に伴い、継続した人材の確保が必要であると考えております。特に、新規事業を立ち上げ、拡大・成長させていくための事業開発力・マネジメント能力を有する人材や、コンテンツ制作のスキルを有する人材の確保に努めるとともに、人事・教育体制の整備を進め人材の定着と能力の底上げに努めております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応を行っていく方針ですが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の記載事項全般を網羅的に検討した上で行ってください。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)景気動向の変動について
当社グループが提供するサービスは、インターネット上で展開される広告市場に深く連動しており、係る市場環境の変動に影響を受けます。企業の広告宣伝・広報関連予算は企業の景況に応じて調整されやすく、景気動向に影響を受けやすい傾向にあり、景況感が悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)インターネット広告市場について
日本の総広告費は2019年には、8年連続で前年実績を上回り、前年比101.9%の6兆6,514億円となりました。このうち当社の事業が属するインターネット広告市場は、2019年においても前年比119.7%の2兆1,048億円となり、広告市場全体の伸びを上回る成長が続きました(出典:株式会社電通「2019年 日本の広告費」)。
このようにインターネット広告市場は拡大しておりますが、インターネット広告市場の環境整備や新たな法的規制の導入等、何らかの要因によってインターネット広告市場の発展が阻害される場合には、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また当社は、メディアのコンテンツとの親和性が高いネイティブ広告に注力した広告プロダクトを展開しておりますが、インターネット広告市場においては、広告配信手法や販売メニューが多様化し、競争が激化する傾向にあり、インターネット広告において革新的な販売メニューや広告配信技術が出現した場合、ネイティブ広告への需要が縮小することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)技術革新について
インターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が早く、それに基づく新サービスが常に生み出されております。また、インターネット広告業界においても、新しい広告手法やテクノロジーが次々と開発されております。当社グループが、これらの変化へ適切に対応できない場合、当社グループの業界における競争力が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)競合環境が激化するリスク
当社グループの事業領域は規制業種ではなく、また、デジタル広告領域については参入障壁も低い事から、広告関連領域においては参画企業の増加による競合激化リスクが存在します。また、当社が主にサービスを提供するインターネットサービスは、ユーザーの可処分時間確保の観点からはキュレーションアプリ(注)、あるいは各種SNS等と競合環境にあり、これら競合となり得るサービスはこれからも増加する事が想定されます。
当社グループでは、当社が運営を支援するインターネットサービスをネットワーク化し、オペレーショナルシナジーを創出する事で優位性を創出したり、データマーケティングや広告配信面の確保の観点から優位性を確保したりする事で対応してまいります。また、ユーザーの認知確保の観点からは、当社においてもオウンドメディアや各種SNSの運用支援など、サービス提供領域を拡張させることで対策していく方針ですが、これらの戦略がうまく進行しない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(注)キュレーションアプリとは、ウェブ上のコンテンツを収集・集約し、利用者の興味・関心事項に応じたコンテンツを提供していくタイプのニュース配信アプリを指します。
(5)新規事業、業務提携や買収等について
当社グループは、新規事業への挑戦、他社との業務提携や企業買収等が、将来の成長性、収益性等を確保するために必要不可欠な要素であると認識しております。しかしながら、当初想定した成果を得ることができず、のれんの減損や、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う費用等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)クライアントの離反リスクについて
当社収益の多くが、当社がコンサルティングサービスあるいはインターネットサービス制作・運営支援サービスを提供するクライアント企業との業務委託契約から発生しております。現時点においては特定のクライアント企業への収益の依存度は高くはなく、業績に大きな影響を与える事業運営状況の変化は想定しておりません。しかしながら、特定のクライアントに対する依存度が増加する状況において、景況の変化やクライアント企業の業績悪化景況が課題になる場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(7)自然災害等について
地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の拡大、国際紛争等が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの主要な事業拠点である日本の首都圏において大規模な自然災害等が発生した場合には、サービスの提供等が止むを得ず一時的に停止する可能性もあり、かかる場合当社の信頼性やブランドイメージを毀損するだけでなく、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、自然災害等が発生した場合に備え、事業継続計画の策定等有事の際の対応策検討と準備を推進しておりますが、各種災害等の発生による影響を完全に防止できる保証はなく、各種災害等による物的、人的損害が甚大である場合には事業の継続自体が困難又は不可能となる可能性があります。
地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の拡大、国際紛争等が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
(8)システム障害について
当社のサービスは24時間稼働での運用を前提に提供されております。システムに障害が発生することはサービスの停止を意味するため、システムの安定性、安全性には細心の注意を払っております。また、インプレッション数(広告の表示回数)の増加を考慮したサーバー設備の強化や、アクセスが集中した際のサーバー負荷分散を施すために、サーバーを分散したり代替機能を強化するなどを行う事で、冗長化を実現しております。
当社はAmazon Web Services,Inc.が提供するデーターセンターであるAmazon Web Services(AWS)を利用し、大量のデータを安全かつ迅速に処理することができ、かつ一時的な過負荷や部分停止にもトラブルを回避できるようなサーバー構成を施しております。
しかしながら、災害のほか、コンピューターウィルスやハッキングなどの外的攻撃やソフトウエアの不具合、その他予測できない重大な事象の発生により、万一当社設備やネットワークが利用できなくなった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)法的規制等の適用について
当社では広告主による広告(提供物・サービスそのものだけでなく広告宣伝の文言を含みます。)、メディア(広告媒体)について、法令に則ったものであること、公序良俗に反しないものであることが重要であると考えております。
当社に関連する領域としては、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)、「著作権法」、「商標法」等の法律の他、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が定める「インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン」等があります。当社では、これらの法令に抵触しない様、管理体制を構築しておりますが、当社が取り扱うコンテンツや広告、メディアが法令や公序良俗に反し、あるいは法令違反に該当する事象が発生した場合、当社の信用が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)当社グループ制作人員ならびに社外の著作者が執筆・制作する制作物について
当社グループが運営するメディアにおいて掲載するコンテンツ(記事・図版)の多くは、当社グループ制作人員が執筆・制作するほか、社外の著作者に執筆・制作を依頼しております。それらコンテンツが第三者の著作権に抵触していないことについて、当社グループと社外の著作者との間で契約を締結し確認しております。また、当社グループにおいて、著作権等に関する教育や当社グループ役職員によるコンテンツのチェックを行なうことで、執筆・制作されるコンテンツの第三者の権利問題や名誉棄損、事実誤認等を防いでおります。
しかし、何らかの理由により、そのコンテンツが第三者の権利に抵触していた場合、当社グループ内の編集または社外の著作者の違法行為に関連して当社グループが起訴され、訴訟費用が発生した場合には、当社グループの事業及び業績や社会的な信用に影響を与える可能性があります。
また、当社グループが掲載した記事の内容について、特定の企業や個人から損害賠償・クレーム等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績、社会的な信用に影響を与える可能性があります。
(11)個人情報等の取扱について
当社グループの事業は、個人情報及び個人のプライバシー権を尊重しつつ、インターネットユーザーのCookie情報(注)や独自の識別子を用いた情報等を使用し、ユーザーに有益なターゲティング広告及び情報等の提供を実現しております。当該情報の漏洩を回避するため、「プライバシーマーク」認証の取得、社内規程、業務マニュアル等のルールの整備、社員教育の徹底等により、個人情報を保護する体制の維持に努めておりますが、万一、個人情報の流出が発生した場合、社会的信用の失墜や当該事象に起因する多額の経費発生等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
なお、本書提出日現在では当社グループの事業の阻害要因とはなっておりませんが、今後、欧州での規制をはじめとして、国内でも検討が進められている、大手ウェブサービス提供者による情報の収集と利用について、情報の安全管理や利用目的の明示あるいは第三者提供に対する制限等、個人情報をはじめとしたユーザーデータ利用について規制が行われる可能性があります。この場合インターネット業界全般として、ユーザーに対する広告配信方法が変更となるなど、影響を受ける可能性があります。これらの事象が発生する場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)Cookie情報とは、Webサイト提供者が、Webブラウザーを通じて訪問者のインターネットデバイス等に一時的に書き込み保存させるデータのことをいいます。保存されたCookie情報を用いることで、同一のWebブラウザーからの訪問であること、訪問日時、訪問回数、Webサイト内での行動履歴などを記録することができます。
(12)内部管理体制について
当社グループは、グループ企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(13)特定の人物に対する依存について
当社グループの創業者は、代表取締役社長である藤田 誠であります。同氏は、専門的な知識、技術及び経験を数多く有しており、当社設立以来、経営方針や経営戦略の決定等の事業運営において重要な役割を果たしております。
当社グループとしては、特定の役職員に依存しない組織的な経営体制の構築に努めておりますが、専門的な知識、技術及び経験を有する同氏に、何らかの理由によって不測の事態が生じた場合、又は、同氏が早期に退任するような事態が発生した場合には、当社グループの事業展開及び業績等に影響を与える可能性があります。
(14)有能な人材の確保・育成について
当社グループの事業においては、システムを構築及び維持する技術者のほか、各事業分野において専門性を有する人材が必要であり、今後とも業容拡大に応じて継続した人材の確保が必要であると考えております。現時点では人材獲得について重大な支障が生じる状況にはないものと認識しておりますが、今後、各事業分野及び地域における人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、優秀な人材の獲得が困難となる場合又は現在在職する人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15)配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題であると認識しております。しかしながら、現在当社は成長拡大の過程にあると考えており、経営環境の変化に対応するため財務体質を強化し、事業拡大の為の内部留保の充実等を図ることが株主に対する最大の利益還元に繋がるものと考えております。このことから過去において当事業年度を含めて配当を実施しておりません。
将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主への利益還元を検討していく基本的な方針でありますが、現時点において、配当実施の可能性及び、その実施時期等については未定であります。
(16)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社では、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、役員及び従業員に対して新株予約権を付与しております。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は131,400株であり、発行済株式総数の5.4%に相当します。
権利行使についての条件が満たされ、これらの新株予約権が行使された場合には、株式価値の希薄化や株式売買需給への影響をもたらし、当社株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
(17)新型コロナウイルス感染症の感染拡大について
世界的に流行している新型コロナウイルス感染症に対して、当社グループでは、従業員、顧客、及び取引先の安全を第一に考え、また、さらなる感染拡大を防ぐために、社内外イベントの自粛・縮小、国・地方自治体の要請に則した在宅勤務の実施とそれを可能とするウェブ会議や社内チャットツールの活用促進に努めております。しかしながら、今後、事態が長期化した場合、世界的な経済活動の停滞に伴い売上が減少する等、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループの事業は、デジタルコミュニケーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,479,733千円となり、前連結会計年度末に比べ651,378千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が680,466千円増加し、受取手形及び売掛金が50,784千円減少したこと等によるものであります。固定資産は108,922千円となり、前連結会計年度末に比べ7,250千円増加いたしました。これは主に投資その他の資産が8,253千円増加したこと等によるものであります。
この結果、総資産は、1,588,666千円となり、前連結会計年度末に比べ658,023千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は276,673千円となり、前連結会計年度末に比べ1,864千円減少いたしました。これは主に買掛金が5,451千円、未払法人税等が5,831千円増加した一方で、その他の流動負債が11,599千円減少したこと等によるものであります。固定負債は36,405千円となり、前連結会計年度末に比べ19,234千円減少いたしました。これは主に社債が17,000千円減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は、313,079千円となり、前連結会計年度末に比べ21,098千円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,275,586千円となり、前連結会計年度末に比べ679,122千円増加いたしました。これは、新株式を発行したことにより資本金及び資本剰余金がそれぞれ255,947千円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益を167,228千円計上したことによるものです。
②経営成績の状況
当連結会計年度における売上高は1,504,519千円(前年同期比9.9%減)、売上総利益は824,834千円(前年同期比0.2%減)、営業利益は266,751千円(前年同期比13.4%減)、経常利益は258,259千円(前年同期比16.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は167,228千円(前年同期比8.5%増)となりました。
当連結会計年度における経営成績の詳細は次のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は1,504,519千円(前年同期比9.9%減)となりました。これは主に、メディアマネジメントサービスにおけるクライアント獲得や、既存クライアントの収益化支援が順調に推移した一方で、広告運用サービスにおいて案件の受注に一部遅れが発生したこと、また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により年度末にかけて一部のプロモーション活動やイベントが延期あるいは中止となったこと等から、広告運用サービスの受注実績が計画を下回ったことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は679,684千円(前年同期比19.3%減)となりました。これは主に、メディア
マネジメントサービスにおいて、新規サービスの構築に関連してサイト開発費や、サービス支援強化に伴いコンテ
ンツ制作に関連する業務委託費等が発生したものの、広告運用サービスにおける広告配信費用が減少したことによ
るものです。この結果、当連結会計年度の売上総利益は824,834千円(前年同期比0.2%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は558,082千円(前年同期比7.6%増)となりました。これは主
に、業容拡大に伴い採用を強化したことに伴う採用研修費の増加や、管理体制の強化を目的とした業務委託費の増
加が発生したことによるものです。この結果、当連結会計年度の営業利益は266,751千円(前年同期比13.4%減)
となりました。
(営業外収益、営業外損失、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は2,106千円、営業外費用は10,599千円となりました。これは主に、株式公
開費用6,526千円、株式交付費2,814千円によるものです。この結果、当連結会計年度の経常利益は258,259千円
(前年同期比16.1%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、法人税、住民税及び事業税88,327千円、法人税等調整額2,703千円を計上した結果、
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は167,228千円(前年同期比8.5%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,186,356千円となり、前連結
会計年度末に比べ680,466千円増加いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれら
の要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は218,183千円(前年同期は281,214千円の獲得)となりました。これは主に、税金
等調整前当期純利益が258,259千円、売上債権の減少額が50,784千円あった一方で、法人税等の支払額が96,565千
円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は18,149千円(前年同期は21,154千円の使用)となりました。これは主に、有形固
定資産の取得による支出が5,817千円、敷金及び保証金の差入による支出が3,820千円あったこと等によるものであ
ります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は480,432千円(前年同期は18,556千円の使用)となりました。これは、株式の発
行による収入が509,080千円あった一方で、社債の償還による支出が17,000千円、株式公開費用の支出が6,526千
円、長期借入金の返済による支出が5,121千円あったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの主たる業務は、インターネットに関する事業であるため、生産に該当する事項はありません。
b.受注実績
当社グループの事業は、受注確定から売上計上の期間は最短5日程度から2.5ヶ月程度であります。
よって、当連結会計年度末日現在の受注残高は、年間売上高に対して僅かであるため、その記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはデジタルコミュニケーション事業の単一セグメントであります。
|
事業の名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
デジタルコミュニケーション事業 |
1,504,519 |
△9.9 |
|
合計 |
1,504,519 |
△9.9 |
(注)1.当社グループはデジタルコミュニケーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社わかさ生活 |
337,767 |
20.2 |
93,503 |
6.2 |
|
popIn株式会社 |
199,030 |
11.9 |
195,791 |
13.0 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債または損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
当社の連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
当連結会計年度におけるわが国の経済は、貿易摩擦や地政学リスクの上昇に端を発した国際情勢の緊迫化の影響が一部あり、また、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の停滞の影響が発生したものの、会計年度を通しての影響は限定的であり、経済環境全般としては前期と大きな変動はありませんでした。当社グループが属するインターネット広告領域においては、過去数年にわたり成長基調が継続しており、当期についてもその傾向に変化はございませんでした。
当社グループではこうした市場環境のもと、メディア企業や地域における情報流通のデジタルトランスフォーメーションを支援しており、情報価値の高いインターネットサービスの運営、収益化支援に努めております。また、関連サービス領域としてアドテクノロジーを活用した広告配信サービスの提供や広告プランニングサービスなどを提供することで、多様化するクライアントのコミュニケーションニーズに対応してまいりました。
特に当社グループでは、メディアマネジメントサービスにおける既存取引先との関係強化とデジタルトランスフォーメーションの推進支援による新規運営・支援サービスの獲得や、既存サービスの収益力強化に注力しております。また、当社グループが中長期的な注力領域とする地域サービスの展開に関しては、2019年12月に福岡放送の新規キュレーションメディアサービスである『ARNE』の立ち上げを支援し、2020年3月には北海道にフォーカスしたウェブメディア『北海道Likers』を譲り受けました。今後につきましても、地域メディア企業等との連携を通してメディアネットワークを拡大する戦略を継続してまいります。これらの活動の結果として、当連結会計年度においては、新規支援先メディアの獲得が順調に進捗した一方で、一部クライアントの予算縮小に伴う取引解消が発生した事から、2020年3月末でのメディアマネジメントサービスにおける運営・支援メディア数は38となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は1,504,519千円(前年同期比9.9%減)、売上総利益は824,834千円(前年同期比0.2%減)、営業利益は266,751千円(前年同期比13.4%減)、経常利益は258,259千円(前年同期比16.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は167,228千円(前年同期比8.5%増)となりました。なお、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析等は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金・設備資金については、主に自己資金により充当しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,186,356千円となり、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しており、金融機関からの借入は行っておりません。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、景気動向、市場環境、人材採用・育成、法規制等様々なリスクが経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループでは、内部管理体制を強化しつつ、優秀な人材を確保・育成することによって、景気動向、市場環境に留意して市場ニーズにあったサービスを展開し、経営成績に重要な影響を与えるリスクを低減する対策を引き続き行ってまいります。
d.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、「必要なヒトに、必要なコトを。」を企業ビジョンとして、インターネットを通して事業を展開する雑誌出版社やテレビ局などのメディア企業や、ネットを通したブランドコミュニケーション強化ニーズを持つ事業会社に対して、様々なソリューションを提供する事により、事業規模を拡大してまいります。具体的には、情報発信主体であるメディア企業のインターネットサービス事業の支援を行う事や、インターネット上で情報を発信したいと考える企業を支援する事でビジョンを実現してまいります。中長期的な戦略として、地域の情報発信者や個人の情報発信支援を強化しており、地域や個人の情報・サービスのデジタル上での支援展開も推進し、多様なビジネスモデルやソリューションを提供する事で、社会全般に価値を還元していける企業となる様、事業展開を行っております。
当社グループは、インターネットを通じた情報発信やサービスの展開支援を行っており、主にはメディア企業や事業会社に対するコンサルティングサービスの提供のほか、コンテンツ制作やインターネットサービスの広告収益に応じたレベニューシェア、あるいはアドネットワークの運営により収益を創出しています。現在の事業構造上、インターネット広告市場の推移が最も大きく業績に影響します。インターネット広告市場は株式会社電通が公表している「2019年 日本の広告費」によれば、2014年度から2019年度にかけて年間平均成長率は14.8%と過去継続して成長を続けており、今後も同様の成長が見込まれます。また、コミュニケーション領域全般、あるいは事業会社におけるプロモーション活動等のデジタル化ニーズの拡大に伴い、当社グループのサービス提供機会も今後拡大していく事が想定されます。
経営者は、事業を拡大し、持続的な企業価値の向上を実現するために様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するため、常に事業環境についての情報を入手し、戦略の策定、競合動向の把握、顧客ニーズの把握、提供するソリューションの強化、企業規模の拡大に応じた内部管理体制・組織の整備を進め、企業価値のさらなる向上を目指して取り組んでおります。
なお、経営者の問題認識と今後の方針についての具体的な内容は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
該当事項はありません。
該当事項はありません。