文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針について
当社グループでは、「世界をワクワクでINCLUSIVEする。」というミッションを掲げ、当社グループが実現していく世界観を明確にするとともに、当社クライアントとのコミュニケーション・ブランディングのパートナーとしてのあり方を明確にする目的で、「DXと企画の力で新しい価値を生み出す。」という企業ビジョンを制定しております。また、このミッションならびにビジョンを達成するために求められる事業のあり方ならびに施策を明確化する目的で、今期より事業セグメントを再整理し、中長期的な戦略目標をそれぞれのセグメントで規定し事業を推進してまいります。
メディア&コンテンツ事業
これまでメディアマネジメントサービス、クリエイターエージェンシーサービス、個人課金サービス、ゴルフテックサービスとしていた各サービスを統合し、メディア&コンテンツ事業としてセグメントを設定しました。メディア&コンテンツ事業は、メディア、漫画、ニュースレターなど多岐に渡る情報発信フォーマットを通して、インターネット上でユーザーを集客し、広告による法人クライアントからの収益獲得、もしくは個人ユーザーに対するコンテンツ・サービス販売による課金を行う事業領域です。まず、デジタルメディア領域においてはレガシー地域メディアとの事業連携の強化を通したサービス拡大を図ってまいります。また、漫画領域については、デジタル配信冊数を更に増加させていくとともに、ウェブ特化型漫画であるウェブトゥーンにおけるオリジナルIPの開発に着手し、収益構造の更なる多角化を図ってまいります。
企画&プロデュース事業
これまで広告運用サービス、プロモーション企画・PRサービス、エンジニアリングサービスとしていた各サービス、ならびに、オレンジグループのうち株式会社オレンジ・アンド・パートナーズ、株式会社ジョージクリエイティブカンパニーを統合し、企画&プロデュース事業としてセグメントを設定しています。当セグメントにおいては、主に法人をクライアントとし、企業や団体ブランディングに関連する企画の提供、プロモーション関連サービスの提供、空間デザイン、施工サービスの提供、あるいはシステム開発の支援等を行っております。当該事業領域については、まず企業ブランディングとデジタル上のプロモーション、あるいはSNSの運用等、企画から広告、認知施策を一気通貫で提供するサービスラインを立ち上げることで、収益性の最大化を図ってまいります。また、メディア&コンテンツ事業領域とも連携し、地域に関連するプロモーション機会を獲得、パッケージ化されたサービスを提供していくことで、コストを抑制しつつプロモーション効果の高いサービスを提供していく予定です。将来的には、これらのサービスを更に型化し、SaaS的なサービス提供機会も検討してまいります。
食関連事業
食関連事業には、2022年4月に関連会社化した株式会社下鴨茶寮が含まれます。当セグメントは、安政三年(1856年)創業の下鴨茶寮というブランドを基盤として、現在は食に関連する各種サービスを提供しています。具体的には、料亭におけるサービスの向上を通して下鴨茶寮のブランド価値を高め、オンライン、ふるさと納税ならびに百貨店等のチャネルを通したコマース関連サービスと、レストランや通販運営会社に対するブランド提供によるライセンス収入を最大化していくビジネスモデルを展開しています。当該領域については、短期的には現在の戦略を踏襲し、オンラインコマースの強化と、ふるさと納税に関連する事業領域の強化、ならびに地域産品に下鴨茶寮のブランドを付加した商品のプロデュースを強化してまいります。中長期的には、下鴨茶寮のブランド展開で得た知見をその他の料亭、ホテル運営等に横展開し、地域産業の復興をレストラン運営、オンラインコマース、商品プロデュース、誘客強化等、様々な形で支援する事業を強化していく方針です。
宇宙事業をはじめとしたその他新規事業
既存事業領域で得たノウハウや、クライアントコネクションを活用した新規事業の開発を行っていきます。宇宙関連領域においては、新たに設立された戦略子会社INCLUSIVE SPACE CONSULTING株式会社の事業展開を強化し、衛星データ利活用に関連する実証実験の実施や、当社グループの出資先でもあるインターステラテクノロジズ株式会社、あるいは北海道スペースポートを運営するSPACE COTAN株式会社とも連携し、発射場に関連するプロモーション支援等を行っていきます。将来的には、地域自治体との連携を強化し、農林水産業、あるいは土木関連データの利活用を強化することで、これらの産業の活動効率の最大化を支援するサービスを強化していく方針です。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、収益規模を持続的に拡大させていくことと、効果的なリソース配分がなされている事の両面を担保していく観点から、売上高ならびに営業利益を重視しております。また、今後の成長に向けた新規サービス等の開発投資が重要との認識から調整後EBITDA(=営業利益+減価償却費及びのれん償却費+株式報酬費用+寄付金)についても、当社グループの経常的な事業収益力を測る指標として重視しております。これまで、サービス毎の業務内容を明確に規定し、それぞれのプロセスごとにKPIを設定して業務の型化と効率化を進めたことで、特にメディアマネジメントサービスにおける利益率の改善を実現しましたが、今後は、これまでの取組みに加え、提供するサービスをシステム化して行くことで、事業構造の更なる効率化を図っていく方針です。また、当社グループの事業成長の進捗は、前出の通りウェブサービスの拡大状況から把握できることから、運営インターネットサービス数や、それらのサービスから創出される売上高推移を主なKPIとしております。
(3)経営環境について
当連結会計年度におけるわが国の経済は、ウクライナ危機等地政学リスクの上昇に端を発した国際情勢の緊迫化の影響が一部あり、また、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の停滞の影響を受け、景況感が悪化し不透明な状況が続いております。そういったマクロ環境下で、当社グループが属するインターネット広告領域においては、引続き一部広告主による出稿控えなども見られましたが、全体的には過去数年にわたる成長基調が継続しており、当社グループにとって重要な市場でもあるマスメディア媒体のデジタル化が更に進行するなど、事業機会の拡大につながる展開も見受けられました。
当社グループが属するインターネット広告領域においては、我が国におけるインターネット利用者数が前年に引き続き増加を続けており、総務省が発表した「令和2年通信利用動向調査の結果」によると、2019年にインターネットの人口普及率は83.4%に達しました。その中でも、20代から30代では、スマートフォン利用率が全国で9割、13歳~19歳、40代、50代で8割を超えてきており、これにより室内だけでなく、外出先でインターネットを利用することが日常的に行われていることが見て取れます。また、10代後半から50代のインターネットの利用率が9割を超える結果となっており、利用率の増加に伴い利用用途も多様化していることが想定され、検索以外の手段で情報を取得する人々が増加していることが示唆されています。
広告業界におきましては、2021年(暦年)の「2021年 日本の広告費」(株式会社電通)によると、日本の総広告費は6兆7,998億円(前年比10.4%減)と、上半期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたものの、下半期はワクチン接種が進んだことによる消費者心理の変容、景況感の回復を受けて、前年実績を上回りました。従来からの主力媒体であるマスコミ四媒体の広告費は2兆4,538億円と微増となった一方で、インターネット広告費(媒体費+広告制作費)は、2兆7,052億円(前年比21.4%増)となり、マスコミ四媒体の広告費を初めて上回りました。また、インターネット広告媒体費は2兆1,571億円(前年比22.8%増)と、引き続き市場が拡大しております。
また、広告形態としては、運用型広告の市場は1兆8,382億円(前年比26.3%増)と成長しており、新型コロナウイルス感染症の影響によるオフラインの販促施策の制限が続いていることによって、さらに運用型広告の需要が高まったものと想定されます。また、前年に引き続きブランドセーフティへの関心が高まり、アドフラウド問題への対処なども注目されており、各メディアやプラットフォーマー側ではその対応策が進んでおります。Appleのプライバシーポリシーの変更や、Googleが予定しているサードパーティークッキーの規制など、クッキーフリー時代の到来に向けて、各種プラットフォーマーのルール整備が進みつつあります。
こうした市場環境のもと、コミュニケーション領域全般、あるいは事業会社におけるプロモーション活動等のデジタル化ニーズの拡大に伴い、当社グループのサービス提供機会も今後拡大していくことが想定されます。今後については、漫画のデジタル配信を中心とした個人課金事業も事業ポートフォリオに加わったことにより、広告市場に依存しない収益の獲得も見込んでおります。加えて、新たにグループ傘下となった株式会社オレンジの企画・プロデュースサービスや、ブランディングサービスとメディア関連サービスとのシナジーを創出することにより、グループ間企業の連携を軸にした新たな売上創出にも取り組んでいく方針です。
(4)対処すべき課題
①業界動向について
個人および法人のインターネット活用の場面が拡大したことに伴い、インターネット広告市場も拡大しております。しかし、インターネット広告業界は、広告領域の他の事業同様に景気変動の影響を直接的に受ける性格を有しております。そのため当社は、新たな業界動向を察知し、外部環境の変化に対応できる臨機応変な組織構築を行ってまいります。
また、インターネット広告業界の中で、予約型広告の市場成長をしのぐスピードで運用型広告市場の成長が顕著となっております。かかる事業環境の中、当社は子会社であるData Tailor株式会社とも連携し、広告枠の効果的な配置による収益機会最大化と、収益性の高いメディアの制作・運用ノウハウの強化や改善を行っていく方針です。
②競合環境の変化について
当社収益の大半は、広告主によるインターネット媒体出稿費用に直接あるいは間接的に依存する比率が高いのが現状です。昨今のインターネットメディアの増加により、メディア間での競合が激化し当社の広告受注単価あるいは受注数に影響が出る場合には、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。そのため当社グループは、継続した広告メニューの改善・開発を、広告主や媒体社との意見交換を頻繁に実施しつつ継続していくとともに、サービス間で連携しSNSやオウンドメディアの運用、コンテンツマーケティングやEC関連ソリューションの提供など、広告獲得以外の価値をクライアントに提供する活動にも注力してまいります。
③ブランドセーフティへの対応について
インターネット広告を行う際には、数多くの広告配信ネットワークやメディアから広告が配信される事から、適切なコントロールがなされていない場合、広告主が表示を想定していない、コンテンツの質が低いメディアに広告が表示される可能性があります。かかる事象が発生する事で、広告を実施した事によって広告主のブランド毀損が発生する可能性があるため、このようなブランド価値毀損が発生しうる広告掲載を防止する、ブランドセーフティが意識されるようになってきており、広告主が不適切な広告媒体を避けたり、アドネットワークを配信ネットワークとしての質に注目し選別するなどの動きが注目されつつあります。その中で、当社グループはコンテンツ制作体制を強化し、コンテンツに対する社内レビュー体制の強化や、専門家の監修強化を通して、コンテンツの質向上に取り組んでいます。
④特定の経営陣への依存緩和について
当社グループの代表取締役社長である藤田誠は、2007年の創業以来当社の代表を務めております。同氏は、インターネットサービス事業に関連する豊富な経験と知識を有しており、当社の事業戦略の決定に重要な役割を果たしております。当社では、取締役会や、事業運営に必要な定例会議の実施を通した情報共有や幹部の育成、組織の強化を行う事や、適宜権限の委譲を行っていく事で、同氏に過度に依存する体制を緩和していく方針です。
⑤内部管理体制について
当社グループは現在、成長段階であり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であります。そのため、当社グループは経営の公正性・透明性を確保するための更なる内部管理体制強化に取り組んでおり、従前より実施している定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の更なる強化などを行っていく方針です。
⑥人材の確保及び育成について
当社グループは、今後想定される事業拡大や新規事業の展開に伴い、継続した人材の確保が必要であると考えております。特に、新規事業を立ち上げ、拡大・成長させていくための事業開発力・マネジメント能力を有する人材や、コンテンツ制作のスキルを有する人材の確保に努めるとともに、人事・教育体制の整備を進め人材の定着と能力の底上げに努めております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。
当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応を行っていく方針ですが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の記載事項全般を網羅的に検討した上で行ってください。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1)景気動向の変動について
当社グループが提供するサービスは、インターネット上で展開される広告市場に深く連動しており、係る市場環境の変動に影響を受けます。企業の広告宣伝・広報関連予算は企業の景況に応じて調整されやすく、景気動向に影響を受けやすい傾向にあり、景況感が悪化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)インターネット広告市場について
日本の総広告費は、2021年は6兆7,998億円(前年比10.4%減)と、上半期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたものの、下半期はワクチン接種が進んだことによる消費者心理の変容、景況感の回復を受けて、前年実績を上回りました。このうち当社の事業が属するインターネット広告市場は、2021年においても2兆7,052億円(前年比21.4%増)となり、社会のデジタル化加速が追い風となり、プラス成長が続きました(出典:株式会社電通「2021年 日本の広告費」)。
このようにインターネット広告市場は拡大しておりますが、インターネット広告市場の環境整備や新たな法的規制の導入等、何らかの要因によってインターネット広告市場の発展が阻害される場合には、当社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また当社は、メディアのコンテンツとの親和性が高いネイティブ広告に注力した広告プロダクトを展開しておりますが、インターネット広告市場においては、広告配信手法や販売メニューが多様化し、競争が激化する傾向にあり、インターネット広告において革新的な販売メニューや広告配信技術が出現した場合、ネイティブ広告への需要が縮小することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)技術革新について
インターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が早く、それに基づく新サービスが常に生み出されております。また、インターネット広告業界においても、新しい広告手法やテクノロジーが次々と開発されております。当社グループが、これらの変化へ適切に対応できない場合、当社グループの業界における競争力が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)競合環境が激化するリスク
当社グループの事業領域は規制業種ではなく、また、デジタル広告領域については参入障壁も低い事から、広告関連領域においては参画企業の増加による競合激化リスクが存在します。また、当社が主にサービスを提供するインターネットサービスは、ユーザーの可処分時間確保の観点からはキュレーションアプリ(注)、あるいは各種SNS等と競合環境にあり、これら競合となり得るサービスはこれからも増加する事が想定されます。
当社グループでは、当社が運営を支援するインターネットサービスをネットワーク化し、オペレーショナルシナジーを創出する事で優位性を創出したり、データマーケティングや広告配信面の確保の観点から優位性を確保したりする事で対応してまいります。また、ユーザーの認知確保の観点からは、当社においてもオウンドメディアや各種SNSの運用支援など、サービス提供領域を拡張させることで対策していく方針ですが、これらの戦略がうまく進行しない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(注)キュレーションアプリとは、ウェブ上のコンテンツを収集・集約し、利用者の興味・関心事項に応じたコンテンツを提供していくタイプのニュース配信アプリを指します。
(5)新規事業、業務提携や買収等について
当社グループは、新規事業への挑戦、他社との業務提携や企業買収等が、将来の成長性、収益性等を確保するために必要不可欠な要素であると認識しております。しかしながら、当初想定した成果を得ることができず、のれんの減損や、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う費用等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)クライアントの離反リスクについて
当社収益の多くが、当社がコンサルティングサービスあるいはインターネットサービス制作・運営支援サービスを提供するクライアント企業との業務委託契約から発生しております。現時点においては特定のクライアント企業への収益の依存度は高くはなく、業績に大きな影響を与える事業運営状況の変化は想定しておりません。しかしながら、特定のクライアントに対する依存度が増加する状況において、景況の変化やクライアント企業の業績悪化景況が課題になる場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(7)自然災害等について
地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の拡大、国際紛争等が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの主要な事業拠点である日本の首都圏において大規模な自然災害等が発生した場合には、サービスの提供等が止むを得ず一時的に停止する可能性もあり、かかる場合当社の信頼性やブランドイメージを毀損するだけでなく、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、自然災害等が発生した場合に備え、事業継続計画の策定等有事の際の対応策検討と準備を推進しておりますが、各種災害等の発生による影響を完全に防止できる保証はなく、各種災害等による物的、人的損害が甚大である場合には事業の継続自体が困難又は不可能となる可能性があります。
地震、台風、津波等の自然災害、火災、停電、未知の感染症の拡大、国際紛争等が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
(8)システム障害について
当社のサービスは24時間稼働での運用を前提に提供されております。システムに障害が発生することはサービスの停止を意味するため、システムの安定性、安全性には細心の注意を払っております。また、インプレッション数(広告の表示回数)の増加を考慮したサーバー設備の強化や、アクセスが集中した際のサーバー負荷分散を施すために、サーバーを分散したり代替機能を強化するなどを行う事で、冗長化を実現しております。
当社はAmazon Web Services,Inc.が提供するデーターセンターであるAmazon Web Services(AWS)を利用し、大量のデータを安全かつ迅速に処理することができ、かつ一時的な過負荷や部分停止にもトラブルを回避できるようなサーバー構成を施しております。
しかしながら、災害のほか、コンピューターウィルスやハッキングなどの外的攻撃やソフトウエアの不具合、その他予測できない重大な事象の発生により、万一当社設備やネットワークが利用できなくなった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)法的規制等の適用について
当社では広告主による広告(提供物・サービスそのものだけでなく広告宣伝の文言を含みます。)、メディア(広告媒体)について、法令に則ったものであること、公序良俗に反しないものであることが重要であると考えております。
当社に関連する領域としては、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)、「著作権法」、「商標法」等の法律の他、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が定める「インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン」等があります。当社では、これらの法令に抵触しない様、管理体制を構築しておりますが、当社が取り扱うコンテンツや広告、メディアが法令や公序良俗に反し、あるいは法令違反に該当する事象が発生した場合、当社の信用が低下し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)当社グループ制作人員ならびに社外の著作者が執筆・制作する制作物について
当社グループが運営するメディアにおいて掲載するコンテンツ(記事・図版)の多くは、当社グループ制作人員が執筆・制作するほか、社外の著作者に執筆・制作を依頼しております。それらコンテンツが第三者の著作権に抵触していないことについて、当社グループと社外の著作者との間で契約を締結し確認しております。また、当社グループにおいて、著作権等に関する教育や当社グループ役職員によるコンテンツのチェックを行なうことで、執筆・制作されるコンテンツの第三者の権利問題や名誉棄損、事実誤認等を防いでおります。
しかし、何らかの理由により、そのコンテンツが第三者の権利に抵触していた場合、当社グループ内の編集または社外の著作者の違法行為に関連して当社グループが起訴され、訴訟費用が発生した場合には、当社グループの事業及び業績や社会的な信用に影響を与える可能性があります。
また、当社グループが掲載した記事の内容について、特定の企業や個人から損害賠償・クレーム等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績、社会的な信用に影響を与える可能性があります。
(11)個人情報等の取扱について
当社グループの事業は、個人情報及び個人のプライバシー権を尊重しつつ、インターネットユーザーのCookie情報(注)や独自の識別子を用いた情報等を使用し、ユーザーに有益なターゲティング広告及び情報等の提供を実現しております。当該情報の漏洩を回避するため、「プライバシーマーク」認証の取得、社内規程、業務マニュアル等のルールの整備、社員教育の徹底等により、個人情報を保護する体制の維持に努めておりますが、万一、個人情報の流出が発生した場合、社会的信用の失墜や当該事象に起因する多額の経費発生等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
なお、本書提出日現在では当社グループの事業の阻害要因とはなっておりませんが、今後、欧州での規制をはじめとして、国内でも検討が進められている、大手ウェブサービス提供者による情報の収集と利用について、情報の安全管理や利用目的の明示あるいは第三者提供に対する制限等、個人情報をはじめとしたユーザーデータ利用について規制が行われる可能性があります。この場合インターネット業界全般として、ユーザーに対する広告配信方法が変更となるなど、影響を受ける可能性があります。これらの事象が発生する場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(注)Cookie情報とは、Webサイト提供者が、Webブラウザーを通じて訪問者のインターネットデバイス等に一時的に書き込み保存させるデータのことをいいます。保存されたCookie情報を用いることで、同一のWebブラウザーからの訪問であること、訪問日時、訪問回数、Webサイト内での行動履歴などを記録することができます。
(12)内部管理体制について
当社グループは、グループ企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけ、多様な施策を実施しております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(13)特定の人物に対する依存について
当社グループの創業者は、代表取締役社長である藤田 誠であります。同氏は、専門的な知識、技術及び経験を数多く有しており、当社設立以来、経営方針や経営戦略の決定等の事業運営において重要な役割を果たしております。
当社グループとしては、特定の役職員に依存しない組織的な経営体制の構築に努めておりますが、専門的な知識、技術及び経験を有する同氏に、何らかの理由によって不測の事態が生じた場合、又は、同氏が早期に退任するような事態が発生した場合には、当社グループの事業展開及び業績等に影響を与える可能性があります。
(14)有能な人材の確保・育成について
当社グループの事業においては、システムを構築及び維持する技術者のほか、各事業分野において専門性を有する人材が必要であり、今後とも業容拡大に応じて継続した人材の確保が必要であると考えております。現時点では人材獲得について重大な支障が生じる状況にはないものと認識しておりますが、今後、各事業分野及び地域における人材獲得競争の激化や市場ニーズの変化等により、優秀な人材の獲得が困難となる場合又は現在在職する人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(15)配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題であると認識しております。しかしながら、現在当社は成長拡大の過程にあると考えており、経営環境の変化に対応するため財務体質を強化し、事業拡大の為の内部留保の充実等を図ることが株主に対する最大の利益還元に繋がるものと考えております。このことから過去において当事業年度を含めて配当を実施しておりません。
将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主への利益還元を検討していく基本的な方針でありますが、現時点において、配当実施の可能性及び、その実施時期等については未定であります。
(16)新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社では、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、役員及び従業員に対して新株予約権を付与しております。本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は721,600株であり、発行済株式総数の7.5%に相当します。
権利行使についての条件が満たされ、これらの新株予約権が行使された場合には、株式価値の希薄化や株式売買需給への影響をもたらし、当社株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
(17)新型コロナウイルス感染症の感染拡大について
世界的に流行している新型コロナウイルス感染症に対して、当社グループでは、従業員、顧客、及び取引先の安全を第一に考え、また、さらなる感染拡大を防ぐために、社内外イベントの自粛・縮小、国・地方自治体の要請に則した在宅勤務の実施とそれを可能とするウェブ会議や社内チャットツールの活用促進に努めております。しかしながら、今後、事態が長期化した場合、世界的な経済活動の停滞に伴い売上が減少する等、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループの事業は、デジタルコミュニケーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
①財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,801,995千円となり、前連結会計年度末に比べ164,389千円減少いたしました。これは主に売掛金及び契約資産が226,499千円増加し、現金及び預金が404,208千円減少したこと等によるものであります。固定資産は1,322,785千円となり、前連結会計年度末に比べ944,870千円増加いたしました。これは主に有形固定資産が13,150千円、無形固定資産が640,109千円、投資その他の資産が291,609千円増加したこと等によるものであります。
この結果、総資産は、3,125,628千円となり、前連結会計年度末に比べ780,292千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は870,875千円となり、前連結会計年度末に比べ365,203千円増加いたしました。これは主に買掛金が199,710千円、1年内返済予定の長期借入金が33,508千円、未払法人税等が12,516千円増加した等によるものであります。固定負債は333,322千円となり、前連結会計年度末に比べ6,822千円減少いたしました。これは主に社債が17,000千円、長期借入金が13,728千円減少したこと等によるものであります。
この結果、負債合計は、1,204,198千円となり、前連結会計年度末に比べ358,381千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,921,429千円となり、前連結会計年度末に比べ421,911千円増加いたしました。これは、主に資本金が244,433千円、資本剰余金244,433千円、非支配株主持分が38,649千円増加した一方で、利益剰余金が115,423千円減少したことによるものです。
②経営成績の状況
当連結会計年度における売上高は1,743,880千円(前年同期比26.7%増)、売上総利益は816,798千円(前年同期比19.9%増)、調整後EBITDAは71,431千円(前年同期比17.4%増)、営業損失は42,388千円(前年同期は営業利益31,820千円)、経常損失は30,745千円(前年同期は経常利益42,504千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は115,423千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益22,829千円)となりました。
当連結会計年度における経営成績の詳細は次のとおりであります。
なお、調整後EBITDAは、減価償却費、のれん償却費や株式報酬費用の非現金支出項目、ならびに寄付金支出を控除した収益指標であり、当社グループの経常的な事業収益力を測る指標として今後モニタリングしていく方針です。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は1,743,880千円(前年同期比26.7%増)となりました。これは主に、広告運用サービスにおける広告単価の減少の影響が継続した一方で、メディアマネジメントサービスにおけるクライアント獲得が順調に推移したこと、また、プロモーション企画・PRサービスにおいて新規クライアントの獲得が進捗したことや株式会社OGS及び株式会社ナンバーナインを子会社化したことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は927,082千円(前年同期比33.3%増)となりました。これは主に、広告運用サービスにおける広告配信費用が減少した一方で、メディアマネジメントサービスにおいて、人員強化に伴う人件費が増加したこと、また、プロモーション企画・PRサービスにおける外注費用ならびに業務委託費が増加したことや、株式会社ナンバーナインにおける印税支払い等が増加したことによるものです。この結果、当連結会計年度の売上総利益は816,798千円(前年同期比19.9%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は859,187千円(前年同期比32.3%増)となりました。これは主に、採用関連費用やオフィス関連費用等を削減した一方で、企業版ふるさと納税の寄付を実施したこと、新規の株式取得や事業買収に伴うのれん償却費が発生したことや、新たにグループに加わった株式会社ナンバーナインの販売費及び一般管理費が計上されたことによるものです。この結果、当連結会計年度の営業損失は42,388千円(前年同期は営業利益31,820千円)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常損失)
当連結会計年度における営業外収益は15,921千円、営業外費用は4,279千円となりました。これは主に、助成金収入12,388千円、支払利息3,501千円によるものです。この結果、当連結会計年度の経常損失は30,745千円(前年同期は経常利益42,504千円)となりました。
(特別損失、親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は115,423千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益22,829千円)となりました。これは株式会社morondoならびにSuMiKaに関連するのれんを減損処理したこと、また、投資有価証券評価損を計上したことによるものや、法人税、住民税及び事業税27,661千円、法人税等調整額△8,464千円を計上したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,247,627千円となり、前連結会計年度末に比べ404,108千円減少いたしました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は113,892千円(前年同期は27,082千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が89,058千円、売上債権の増加額が53,329千円、法人税等の支払額が11,707千円あった一方で、のれん償却額が71,482千円、減損損失が39,324千円、仕入債務の増加額が12,007千円、助成金の受取額が12,388千円あったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は839,341千円(前年同期は248,297千円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出が250,913千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が531,584千円、事業譲受による支出が40,000千円、関係会社株式の取得による支出が10,500千円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は321,303千円(前年同期は740,759千円の獲得)となりました。これは、長期借入金の返済による支出が145,667千円、社債の償還による支出が27,000千円あった一方で、株式の発行による収入が67,592千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入が417,918千円、新株予約権の発行による収入が8,146千円あったこと等によるものであります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
⑤生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの主たる業務は、インターネットに関する事業であるため、生産に該当する事項はありません。
b.受注実績
当社グループの事業は、受注確定から売上計上の期間は最短5日程度から2.5ヶ月程度であります。
よって、当連結会計年度末日現在の受注残高は、年間売上高に対して僅かであるため、その記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはデジタルコミュニケーション事業の単一セグメントであります。
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事業の名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
デジタルコミュニケーション事業 |
1,743,880 |
26.7 |
|
合計 |
1,743,880 |
26.7 |
(注)1.当社グループはデジタルコミュニケーション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
popIn株式会社 |
181,397 |
13.2 |
134,606 |
7.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用とともに、資産及び負債または損益の状況に影響を与える見積りを用いております。これらの見積りについては、過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
当社の連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
当連結会計年度におけるわが国の経済は、ウクライナ危機等地政学リスクの上昇に端を発した国際情勢の緊迫化の影響が一部あり、また、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の停滞の影響を受け、景況感が悪化し不透明な状況が続いております。そういったマクロ環境下で、当社グループが属するインターネット広告領域においては、引続き一部広告主による出稿控えなども見られましたが、全体的には過去数年にわたる成長基調が継続しており、当社グループにとって重要な市場でもあるマスメディア媒体のデジタル化が更に進行するなど、事業機会の拡大につながる展開も見受けられました。
当社グループでは、メディアマネジメントサービスにおける既存取引先との関係強化とデジタルトランスフォーメーションの推進支援による運営メディアの獲得や、既存メディアの収益力強化に注力しております。当連結会計年度につきましては、2021年5月に開示した事業戦略の骨子に従い、事業を展開いたしました。まず、非連続成長領域への投資につきましては、2021年6月にECソリューションを開発・展開していくSTOKK株式会社を合弁会社として設立し、メディアECソリューションの研究開発を実施しております。また、2021年7月にはNewsletter Asia株式会社がオンラインサロン事業『田端大学』を譲り受けました。当社グループが今期注力していく領域の一つである、個人課金ビジネス領域を強化していくための施策の一つとして展開してまいります。個人課金ビジネス領域については、「クリエイターエコノミー構想」を掲げ、個人の発信者が主体となり、持続的な活動が担保されるエコシステムを構築してまいります。本領域においては、既存のメルマガ事業の展開に加え、『田端大学』の展開を強化してまいります。これらの事業に対して、当社グループがこれまで培ってきた事業開発ノウハウや、事業のスケール拡大に有効な制作・編集効率化ノウハウを活用することで、個人の情報発信を支援し、ニュースレターサービスとして事業をさらに拡大させていく方針です。さらに、2021年10月には派遣業界で最大級のeラーニングサービス等を展開するHRテック企業である株式会社manebiに出資するとともに、「大蔵ゴルフスタジオ」の屋号にてゴルフクラブフィッティングサービスを展開する株式会社OGSの全株式を取得いたしました。また、インターステラテクノロジズ株式会社との資本提携を実施するなど、宇宙関連領域に対する投資も強化いたしました。宇宙領域については、宇宙事業開発室を設立した後、それを発展させる形で2022年4月にINCLUSIVE SPACE CONSULTING株式会社を設立し、衛星データ活用プラットフォーム「Tellus」を活用した衛星データ利活用事業の展開を開始しました。直近では、経済産業省「SERVISプロジェクト」における地域課題解決のための提案募集に、北海道大樹町と共同応募を実施しました。
2022年1月には株式会社ナンバーナインを子会社し、電子コミック領域へと展開し、クリエイターエージェンシーサービスの展開を開始しました。クリエイターエージェンシーサービスにおいては、デジタルプラットフォームでの漫画の配信を支援するだけでなく、メディアミックス展開や確定申告の支援まで、漫画家のビジネスニーズに対してワンストップでサービスを提供することが特徴です。今後についてはニュースレター、サロン、漫画の三軸から、「クリエイターエコノミー構想」の実現に向けて事業展開を強化いたします。さらには、2022年4月にはクリエイターである小山薫堂氏と軽部政治氏が共同代表を務め、企画・プロデュースサービスや、ブランディングサービスを手掛ける株式会社オレンジを子会社化しました。当社グループは、これまでウェブメディアの立ち上げや運営を軸として、広告媒体としての展開、システム開発など関連領域を拡張させることで事業を展開しており、ユーザーがインターネット上に集う場である媒体を構築、運営し、事業として持続的に成長させるための包括的なノウハウを有しています。株式会社オレンジのグループ化により、ウェブメディア展開能力に、トレンドを生み出す企画力が掛け合わさることで、世の中の変革のきっかけとなるコンテクストとコンテンツをゼロからつくり、メディアの力で数多くのユーザーに拡大していくまでの事業開発をグループ内で完結させることが可能となります。今後については、一連の買収で獲得してきた新たな事業領域間のシナジー機会を創出し、実現していくことで、事業ポートフォリオの中長期的な成長を計っていく方針です。
メディアマネジメント領域、地域メディア展開領域については、2021年7月にHBC北海道放送の新規メディアサービスである『Sitakke』の運営支援を開始するなど、引続き新規メディア支援先の獲得に注力いたしました。また、2021年9月にはスポーツチームを通じた地域マーケティングサービスの企画・運営を行う株式会社スポーツネーションに出資し、地域企業との連携を強化しています。今後につきましても、地域メディア企業等との連携を通してメディアネットワークを拡大していくとともに、個人の情報発信領域の強化を継続してまいります。さらには、2022年2月には、エンタテインメント分野やライフスタイル分野におけるIPの企画・製作、メディアの運営を手掛けるカルチュア・エンタテインメント株式会社と資本提携を実施し、また、データインテリジェンスを強みとし、報道領域に特化したテックベンチャーである株式会社JX通信社に出資いたしました。これらの活動の結果として、当連結会計年度においては、新規支援先メディアの獲得は順調に進捗しました。メディアマネジメント領域においては、将来的なアップセル機会を獲得する目的で取引先拡大を推進した結果、2022年3月末でのメディアマネジメントサービスにおける運営・支援メディア数は85となりました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は1,743,880千円(前年同期比26.7%増)、売上総利益は816,798千円(前年同期比19.9%増)、調整後EBITDAは71,431千円(前年同期比17.4%増)、営業損失は42,388千円(前年同期は営業利益31,820千円)、経常損失は30,745千円(前年同期は経常利益42,504千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は115,423千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益22,829千円)となりました。なお、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する分析等は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの運転資金・設備資金等については、自己資金または金融機関からの借入等を基本としており、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,247,627千円となり、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しております。
c.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、景気動向、市場環境、人材採用・育成、法規制等様々なリスクが経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループでは、内部管理体制を強化しつつ、優秀な人材を確保・育成することによって、景気動向、市場環境に留意して市場ニーズにあったサービスを展開し、経営成績に重要な影響を与えるリスクを低減する対策を引き続き行ってまいります。
d.経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、「必要なヒトに、必要なコトを。」を企業ビジョンとして、インターネットを通して事業を展開する雑誌出版社やテレビ局などのメディア企業や、ネットを通したブランドコミュニケーション強化ニーズを持つ事業会社に対して、様々なソリューションを提供する事により、事業規模を拡大してまいります。具体的には、情報発信主体であるメディア企業のインターネットサービス事業の支援を行う事や、インターネット上で情報を発信したいと考える企業を支援する事でビジョンを実現してまいります。中長期的な戦略として、地域の情報発信者や個人の情報発信支援を強化しており、地域や個人の情報・サービスのデジタル上での支援展開も推進し、多様なビジネスモデルやソリューションを提供する事で、社会全般に価値を還元していける企業となる様、事業展開を行っております。
当社グループは、インターネットを通じた情報発信やサービスの展開支援を行っており、主にはメディア企業や事業会社に対するコンサルティングサービスの提供のほか、コンテンツ制作やインターネットサービスの広告収益に応じたレベニューシェア、あるいはアドネットワークの運営により収益を創出しています。現在の事業構造上、インターネット広告市場の推移が最も大きく業績に影響します。インターネット広告市場は株式会社電通が公表している「2021年 日本の広告費」によれば、2014年から2021年にかけて年間平均成長率は14.5%と過去継続して成長を続けており、今後も同様の成長が見込まれます。また、コミュニケーション領域全般、あるいは事業会社におけるプロモーション活動等のデジタル化ニーズの拡大に伴い、当社グループのサービス提供機会も今後拡大していくことが想定されます。今後については、2023年3月期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響が継続する仮定のもと、漫画のデジタル配信を中心とした個人課金事業も事業ポートフォリオに加わったことにより、広告市場に依存しない収益の獲得も見込んでおります。加えて、新たにグループ傘下となった株式会社オレンジの企画・プロデュースサービスや、ブランディングサービスとメディア関連サービスとのシナジーを創出することにより、グループ間企業の連携を軸にした新たな売上創出にも取り組んでいく方針です。
経営者は、事業を拡大し、持続的な企業価値の向上を実現するために様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するため、常に事業環境についての情報を入手し、戦略の策定、競合動向の把握、顧客ニーズの把握、提供するソリューションの強化、企業規模の拡大に応じた内部管理体制・組織の整備を進め、企業価値のさらなる向上を目指して取り組んでおります。
なお、経営者の問題認識と今後の方針についての具体的な内容は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当社は、2022年3月31日開催の取締役会において、株式会社オレンジ(以下「オレンジ」といいます。)の株式を取得して子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。当該株式譲渡契約に基づき、2022年4月21日付でオレンジの株式を取得し、子会社化をいたしました。また、オレンジの株式取得に際して、同取締役会において、第4回無担保社債の発行を決議し、2022年4月20日に払込が完了いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。
該当事項はありません。