第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営理念、グループスローガン及び経営方針

① 経営理念

当社グループは、以下の文章をグループ経営理念として掲げております。

私たちは「人との出会い」を大切にし、

共に過ごす時間の中で、共に学び、共に成長しながら

豊かな社会の創造に邁進し、

「笑顔が溢れる社会づくり」に貢献する。

 

② グループスローガン

当社グループは「Rise for it」というグループスローガンの下、これまで主として製造請負・製造派遣事業、技術者派遣事業といったモノづくりに関わる労働サービスの提供を行い、また、ITサポート事業、受託製造事業、電子部品卸売業、修理サービス事業といったメーカー等の顧客支援事業へも進出してきました。

このグループスローガンには、人々の毎日がより豊かなものとなるように、”モノづくりを支援する会社”として地球環境、お客様、従業員など、さまざまな「it」を向上させられる存在でありたいという思いが込められております。

 

③ 経営方針

当社グループは、以下の文章をグループ経営方針として掲げております。

千変万化

私たちは変化し続ける社会環境に対して

常に新たな挑戦を行い、お客様に感動を与える事を

使命として活動し続ける

 

(2) 経営戦略

当社グループは、2022年3月期から2025年3月期までの4か年を計画期間とする以下の中期経営計画を策定し、その実現と新たな企業価値創造に取り組んでおります。

 

『2022-2025中期経営計画』

① 基本方針

 「事業規模の拡大」「新たな技術の取り込み」「高付加価値化による収益性向上」「成長を支える財務戦略」

 

② 成長戦略

 1.効率的な営業拠点の拡大

 既存拠点の機能をコンパクト化しつつ拠点統合を進めるとともに、グループ拠点を相互活用しながら効率的に未進出エリア、戦略的エリアに対しエリア拡大を推進。

 2.スマートものづくりの推進

 賃借型工場による汎用性のある生産体制提案やロボット導入による自動化オペレーション提案など、市場や顧客ニーズに臨機応変に対応できるものづくり体制を推進。

 3.サービス事業の拡大

 修理サービス事業で培ってきたノウハウを活かし、今後ますますニーズが高まるエネルギー周辺事業やリサイクル関連事業をターゲットとして事業拡大を目指す。

 4.高度人財教育の拡充

 企業ОBによる実践的な教育を強化するとともに、これらの教育ノウハウをコンテンツ化し、一般企業に対し教育受託サービスとして展開。

 5.ASEAN地域での人財DBの拡充

 海外現地での有力大学や教育機関との提携を進め、日本語及び日本文化教育を展開するとともに、日本での就職を希望する海外人材と日本企業を繋ぐサイト運営を推進。

 6.M&Aの活用・推進

 当社グループが保有する技術・ノウハウが活かせる新領域に進出することで各領域でのシナジーを創出し事業ポートフォリオの整備を進めながら事業価値の向上を図る

(3) 目標とする経営指標

 当社グループは、『2022-2025中期経営計画』の実行期間を「確立した事業ポートフォリオの強化・拡張により成長を加速」させる期間と捉え、2025年3月末で売上高600億円、EBITDA40億円を目標としております。また、高付加価値サービスの提供とともに業務の効率化を図り、高収益な経営体制を確立すべく、売上高経常利益率の改善を経営上の重要課題として捉えております。

 

(4) 経営環境

 新型コロナウイルス感染症の経済への影響については、コロナワクチン接種の促進とともに日本政府もウィズコロナ政策に舵を切り始め、国内経済ではDX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)など新たな需要の創出により製造業の景気動向は改善傾向にありますが、一方で世界的な半導体不足が製造業界全体の回復を鈍らせ、十分な正常化までには依然として時間を要するものと予測されます。このような環境下において、当社グループの主要顧客であるIoT及び5G関連企業がDX化の進展等を背景に旺盛な需要に対応した結果、当連結会計年度は引き続き増収を確保することができました。

 一方で、当社グループの主要サービスである人材アウトソーシング業界においては、少子高齢化の潮流や経済活動の回復に伴い、多くの産業で若年就業者を中心とした人材需要が急激に高まり、コロナ禍による海外人材の入国制限なども影響し、人材確保競争の激化に伴う採用コストの高騰が懸念されております。

 しかしながらウィズコロナ・アフターコロナの社会において、これら経営環境及び人材需要のパラダイムシフトをチャンスと捉え、長年培ってきた海外人材事業を当社グループの強みと認識し、より積極的に採用強化を推し進め、新市場・新規顧客開拓及び利益確保に努めてまいります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 経営環境の変化への対応

 新型コロナウイルス感染症に対しては、近時、経済活動は回復基調にあるものの、先行きについては未だ不透明であり、ウィズコロナを基本にさらなる経営基盤の強化に努めてまいります。当社グループでは、「人財」が未来を拓く原動力であり持続的な成長に繋げる資源であると考え、現在の生活や将来のキャリアプランに対する安心・充実した労働環境作りを最優先事項として制度及び財務の両面で対策を講じております。

 制度面につきましては、「働き甲斐をもって働ける」体制整備を進めております。その一環として待機休業中においても一定の給与保障を行うほか、高度人材を育成するテクニカルセンターなどの拠点拡充により、従業員の新たな高度技能習得を促し、自律的成長意識の醸成と更なる定着率の向上に努めております。

 また、財務面では、今後の積極的な事業展開の資金需要に備えたコミットメントラインを契約するなど、より機動的・安定的な運営が可能となるよう、財務体制の強化を進めております。

 

② 人材の確保と育成

 現在、我が国では少子高齢化による労働人口の減少により、多くの産業で労働力不足が常態化しています。また、経済活動の回復とともに今後も多くの産業で人材需要が高まり、採用コストの上昇と人材確保競争が激化する状況が続くものと予想されます。

 このような市場変化に対応すべく、当社グループでは業容の拡大とともに十分な人材の確保とキャリア形成を重要課題と認識し、採用システムの改善とともに、採用後も段階的、継続的にキャリアアップが可能な教育体制の強化を進めております。

 人材の確保については、自社求人サイトをはじめとした多様な採用チャネルの効果的活用により、応募数の増加とエントリーから採用までの迅速化による採用機会損失の減少及び採用コスト低減に注力してまいります。加えて、当社グループが長年培ってきた「ASEAN地域での人財データベース」の拡充により、海外人材の雇用に関する体制及び環境作りを進めてまいります。

 人材の育成については、採用後のフォロー体制として、資格を持ったキャリアコンサルタントによるキャリアアップサポートを充実させ、また、グループ内での職種転換を可能にするジョブポスティング制度の浸透により個々の価値観に沿った多様なキャリアプランに対応するなど、継続して最適な人材育成体制の構築と研鑽に努めてまいります。

 

 

③ 顧客業種の拡大

 2022年3月期の連結売上高構成比は、マニュファクチャリングサポート事業が62.3%、コンストラクションサポート事業が13.3%、ITサポート事業が9.0%、EMS事業が13.7%であります。中核であるマニュファクチャリングサポート事業においては、特定業界の景気変動による業績への影響を抑制するため、新規顧客開拓及び未進出地域へのエリア開拓に努め、また、GX(グリーントランスフォーメーション)に関連する事業強化などにより、経営の更なる安定性を高めてまいります。

 また、その他主要3事業においては、コンストラクションサポート事業及びITサポート事業については、継続的に技術者の需要が見込まれることから、市場ニーズを捉えた教育プログラムを構築し、高付加価値人材の育成と積極的な営業展開を進めてまいります。EMS事業については、世界的な半導体不足に対処すべく、新規ベンダー開拓により部品等の調達力強化を図り、顧客ニーズに迅速に対応していくことで営業を強化してまいります。

 今後も時代の変化に合わせ、グループ全従業員や各事業相互の有機的な連携によるグループシナジーを創出し、一層の事業基盤の強化と業績向上に努めてまいります。

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態に関する事項につき、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項は、以下の通りであります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(特に重要と認識しているリスク)

(1) 許認可及び法的規制について

当社グループのマニュファクチャリングサポート事業、コンストラクションサポート事業及びITサポート事業は、主として製造請負・製造派遣事業、技術者派遣事業にて構成されております。製造請負事業については、管轄省庁の許認可を必要としておらず、製造派遣との区分が明記された「厚生労働省告示第518号(旧労働省告知第37号)」に則り、事業を運営しております。製造派遣事業及び技術者派遣事業は、労働者派遣法に準拠して厚生労働大臣からの「労働者派遣事業許可」を受けて事業を運営しております。当該許可は5年ごとの更新を行っております。

当社グループはコンプライアンスの徹底を図っており、関係法令の教育、周知に努めているため、本書提出日現在で当社グループが認識している限り、これら許認可等の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、万が一法令違反等が発生し、許可欠格事由に該当した場合、付された許可条件に違反した場合、労働者派遣法若しくは職業安定法の規定又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反した場合(労働者派遣法第14条)には、監督官庁による許認可の取消し等の処罰により、当社グループの事業及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループの許可・届出状況

会社名

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の番号

取得年月

有効期限

株式会社ウイルテック

労働者派遣事業許可

厚生労働省

派 27-180027

2003年8月

2026年7月31日

株式会社ワット・コンサルティング

労働者派遣事業許可

厚生労働省

派 13-304593

2009年11月

2022年10月31日

株式会社パートナー

労働者派遣事業許可

厚生労働省

派 13-315106

2020年12月

2023年11月30日

 

(2) 情報セキュリティについて

 当社グループの個人情報や顧客情報は主にファイルサーバーに保管されておりますが、アクセス権限の適切な設定により閲覧者を制限することで、セキュリティを確保しております。個人情報につきましては、適切に管理するため、個人情報の保護に関する法律を遵守するとともに、個人情報管理基本規程等に則り社内管理体制を整備しております。顧客情報につきましては、当社グループの従業員が、取引先企業の生産計画や製品の製造に関する機密情報に接する場合があります。これらの取引先情報が第三者に漏洩しないように、情報セキュリティ管理規程等に則り、従業員に適切な教育を施し、社内管理体制を整備しております。しかし、万が一これらの情報が漏洩した場合には、損害賠償等の法的責任を追及される可能性があり、当社グループの事業及び経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(重要と認識しているリスク)

(1) 人材投資について

 当社グループは、長期的な成長を目指して経営をしており、そのための新規事業開拓に注力しております。新規事業を推進するための人材投資を先行して強化しており、短期的な財務成果より投資を優先することがあります。採用人材の多様性、育成機会を担保する等、人材投資の効果向上を図っておりますが、人材の確保や能力開発が計画通りに進まない等の場合、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 社員の定着について

 当社グループは、製造請負・製造派遣事業、技術者派遣事業など主として人材サービスを展開しており、事業の発展のためには、当社グループへの人材の採用と定着が重要な位置を占めております。当社グループでは、Web面接を導入する等採用力向上の取組みを行い、また自社の研修センターを設け、研修を強化することで定着率の向上を図っております。しかし、労働市場の状況によっては、当社グループが必要とする人材を当社グループが計画通りに採用または定着が進まず、十分な人材を確保できない可能性があります。このような場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 無期雇用社員について

 当社グループは、法令を遵守し派遣社員の無期雇用社員化を促進しております。顧客との派遣契約や請負契約が終了した場合、無期雇用社員には職場異動等により働く場所を確保します。しかしながら、就業場所の確保ができない場合には、無期雇用社員の雇用維持費用が発生し、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 業界の競争激化について

 当社グループが属する製造請負・製造派遣事業、技術者派遣事業は、多数の競合が存在し、またM&Aも積極的に行われる業界であります。そのため、営業面においても経営面においても事業規模の拡大を目指し、競争が激化することが予想されます。当社グループも、既存顧客のシェア拡大、新規顧客の開拓、事業計画に応じたM&Aを展開してまいります。しかしながら、競争の影響を受け、事業が想定通りに進まず、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 労働者派遣法等の改正について

 2015年9月30日施行の改正労働者派遣法については、キャリア形成支援や教育訓練が義務付けられるとともに、雇用安定措置が明記されました。雇用の安定と、派遣事業の健全な発展へ向けての法改正と認識しており、無期雇用の派遣社員は期間制限なしでの雇用が可能となったことから、当社グループにとって事業機会が拡大するものと考えております。しかしながら、競争激化等により、当社グループの想定通りに需要が拡大せず、事業が進まない可能性があります。

 

(6) 製造物責任(PL)について

 当社グループの製品には、製造物責任法(PL法)に基づくリスクが内在しております。製品の欠陥に起因して製品回収や損害賠償につながるリスクが現実化し、これを保険により補填できない事態が生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 取引先業種の景況による影響について

 当社グループの取引先企業は、電子部品、電気機器、情報通信機器関連のメーカーが中心であり、連結売上高の約42%を占めております。当社グループは当該分野で製造請負・製造派遣のノウハウを培ってまいりましたが、現状では特定業種に売上が偏った状態となっております。取引先企業の増産減産といった生産変動に対応することで取引先企業のコスト構造をより変動費化する役割を担っているため、電子部品、電気機器、情報通信機器関連分野の景気の影響を受けやすく、これらの顧客業種の市況が悪化した場合には当社グループの売上が急激に変動する等、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 製造拠点の海外移転について

 取引先企業であるメーカーが製造拠点を海外に移転し、国内における製造拠点が減少、あるいは生産量が減少した場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)製造請負の請負事業者責任について

 当社グループが営む製造請負事業は、取引先企業の工場構内の設備等を賃借し、事業所を設け、製品を製造する事業であります。そのため、賃借した設備の管理や製品の生産管理、在庫管理に責任を負うことになります。当社グループは製造請負事業改善推進協議会から「製造請負優良適正事業者」の認定を受ける等製造請負事業の適正運営に努めておりますが、製造請負事業における取引先企業の設備の破損、不良品の発生等が生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)労働災害等について

 当社グループが営む製造請負、製造派遣、EMSでは、取引先企業の工場構内あるいは自社工場において当社グループの従業員が従事しております。製造派遣は法律上、人材を取引先企業に派遣し、派遣された労働者は派遣先の指揮命令等に従うこととなり、労務管理が派遣先に委ねられます。一方、製造請負は法律上、請負事業者の指揮命令等に従いますので、労働者の労務管理は請負事業者である当社グループがその責任を負うこととなります。このように製造派遣と製造請負では労務管理の責任主体が異なり、当社グループは製造請負と自社工場にて営むEMSにおいて責任を負うこととなります。

 労働災害に関しては、基本的に労働保険の適用範囲内で解決されるものと考えておりますが、当社グループの瑕疵が原因で発生した労働災害において、当社グループが労働保険の適用を超えて補償を要求される等、訴訟問題に発展した場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)自然災害・感染症について

 当社グループの従業員が就業している場所は主として工場であり日本各地に点在しておりますが、その地域において大規模な自然災害・感染症が発生した場合、工場の被災、就業維持困難、物流の停止等による工場稼働停止が発生する可能性があります。このような場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)為替変動について

 当社グループはベトナムとミャンマーに海外連結子会社を有しております。為替相場の変動は、連結決算における海外連結子会社財務諸表の円貨換算額に影響を与えるため、為替相場に著しい変動が生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)カントリーリスクについて

当社グループはベトナム、ミャンマーに在外連結子会社を有していることから海外各国の独自のビジネス環境を前提として事業を展開しております。海外でのビジネスには、各国の政治、経済の諸条件の変更、各種法制度の見直し等、ビジネスに大きな変動が生じる恐れがあります。当社グループは、こうした事業遂行上の環境変化に対して各国の行政窓口、取引先、各種専門家等から常に最新の情報を収集するよう努めておりますが、予期できない政治、経済の変化や自然災害、紛争の勃発などが生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)M&Aについて

当社グループは事業の成長及び領域拡大を目指しておりますが、その中でM&Aを有効な手段のひとつとして位置付けており、今後も必要に応じて実施する方針であります。

M&Aに際しては、対象企業のビジネス、財務及び法務等について詳細なデューデリジェンスを実施したうえで、取締役会において細心の注意を払って判断を行い実施しております。

M&Aに伴い取得したのれん及び無形資産等は、適切に評価を行い買収した事業から得られる将来の収益力を適切に反映しているものと考えておりますが、想定されなかった事象がM&Aの実行後に発生又は判明した場合や事業環境の悪化等により、当初の予想どおりの収益が得られないと判断され減損を認識した場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)税務について

当社グループは、各国租税法、租税条約及び関連諸規定等を遵守し、適切に納税することを基本理念としております。租税回避を企図した取引は行わず、租税制度の定めに則り、誠実な態度で税務業務に取組んでおります。

しかしながら、繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合には、当社グループの事業及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ482百万円減少し11,809百万円(前期末比3.9%減)となりました。これは主に、現金及び預金の減少846百万円、売上債権の増加314百万円、棚卸資産の増加108百万円によるものであります。

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ434百万円減少し4,979百万円(前期末比8.0%減)となりました。これは主に、短期借入金の減少494百万円、未払法人税等の減少216百万円、買掛金及び電子記録債務の増加141百万円、人件費の増加による未払費用の増加137百万円によるものであります。

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ47百万円減少し6,830百万円(前期末比0.7%減)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益292百万円及び配当金の支払い237百万円に伴う利益剰余金の増加54百万円、自己株式の増加124百万円、新株予約権の行使に伴う資本金の増加10百万円及び資本剰余金の増加10百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は57.8%(前連結会計年度末は56.0%)となりました。

 

② 経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が順調に進み経済活動の正常化に期待が高まる一方で、新たなオミクロン株の出現による感染者の急増や、ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源価格の上昇などの影響を受け、個人消費や企業活動の状況は依然として先行き不透明な状況が続いております。

 こうした経済情勢にあって、当社グループを取り巻く事業環境は、企業や学校におけるリモート化の推進により新たな需要が創出される一方で、世界的な半導体の供給不足により自動車産業を中心として生産計画の見直しが発生しております。また、海外からの入国制限による海外人材の減少や経済活動の一斉再稼働により、市場全体で採用競争が激化傾向にあります。

 このような状況の下、当社グループでは、生産計画に即した人員配置や採用による人材確保、EMS事業においては電子部品等の調達に注力し、経営成績の確保に努めてまいりました。

 その結果、当連結会計年度における売上高は29,971百万円(前期比18.6%増)、営業利益は384百万円(同12.6%減)、経常利益は648百万円(同48.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は292百万円(同62.6%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績(内部売上を含む)は、次のとおりであります。

 

〔マニュファクチャリングサポート事業〕

 当セグメントにおいては、当社が、製造請負・製造派遣事業、機電系技術者派遣事業及び修理サービス事業を営んでおります。

 製造請負・製造派遣事業及び機電系技術者派遣事業においては、電子部品・デバイス関連分野は世界的な半導体不足を危惧した各メーカーにおける在庫の積み増し需要もあり堅調に推移いたしました。情報通信機械器具分野は企業や教育機関のDX化の流れを受けIoT及び5G関連製品の需要は旺盛に推移いたしました。電気機械器具分野でもDX及びGX(グリーントランスフォーメーション)の推進による関連製品の好調や、ゲーム機やスマート家電の需要に支えられました。一方で製造業全体において半導体を中心とした部材不足が生産計画に影響を及ぼしております。また、業界全体での求人増加に伴う採用競争激化の中、積極的に採用活動を行ったことから採用コストが増加いたしました。その結果、売上高は18,674百万円(前期比8.7%増)となり、セグメント利益は49百万円(同87.3%減)となりました。連結売上高に占める当セグメントの売上高(内部売上を除く)の比率は62.3%となり、前期に比べ5.7ポイント低下いたしました。

 

〔コンストラクションサポート事業〕

 当セグメントにおいては、株式会社ワット・コンサルティングが、建設系技術者派遣事業及び請負・受託事業を営んでおります。

 建設系技術者派遣事業においては、継続的な人材の需要に対応するため採用活動と人材の教育活動に注力しつつ、待機者の配属を積極的に推進するなど原価率の改善に努めました。しかし、建設系技術者のニーズに対して採用競争が激化するなど、人材の供給力に課題を残しました。請負・受託事業においては、商業施設などのリニューアル工事を中心に受注活動を展開し大型のリニューアル工事の請負契約の受注を実現しましたが、流通網の混乱によって建設資材の到着が遅れたことなどにより、工事に延長が発生いたしました。その結果、売上高は3,978百万円(前期比9.1%増)、セグメント利益は154百万円(同15.0%減)となりました。連結売上高に占める当セグメントの売上高(内部売上を除く)の比率は13.3%となり、前期に比べ1.1ポイント低下いたしました。

 

〔ITサポート事業〕

 当セグメントにおいては、株式会社パートナーが、IT技術者派遣事業を営んでおります。

 IT技術者派遣事業においては、新型コロナウイルス感染症による影響は比較的少なく、感染拡大の中で延期されていたプロジェクトも徐々に始動しております。ITシステムに付帯するサービスも継続的に需要があることから安定した受注を確保することができました。その結果、売上高は2,709百万円(前期比196.2%増)となり、セグメント利益は86百万円(同239.1%増)となりました。連結売上高に占める当セグメントの売上高(内部売上を除く)の比率は9.0%となり、前期に比べ5.4ポイント上昇いたしました。

 

〔EMS事業〕

 当セグメントにおいては、デバイス販売テクノ株式会社が、受託製造事業及び電子部品卸売事業を営んでおります。

 受託製造事業及び電子部品卸売事業においては、工作機械や半導体製造装置を中心に旺盛な需要に支えられ、受注は好調に推移しました。一方で、半導体等の電子部品は入手困難な状況が続いており、ユニットの納品が滞るなど受注残も増加傾向となっております。また、原材料高騰による顧客への価格調整等を行い製造原価の抑制にも努めました。その結果、売上高は4,111百万円(前期比32.1%増)となり、セグメント利益は118百万円(同1,300.8%増)となりました。連結売上高に占める当セグメントの売上高(内部売上を除く)の比率は13.7%となり、前期に比べ1.4ポイント上昇いたしました。

 

〔その他〕

 報告セグメントに含まれない事業として、OA機器の買取・販売事業、障がい者支援事業及び海外事業を営んでおります。

 売上高は721百万円(前期比14.2%増)、セグメント損失は23百万円(前期は50百万円のセグメント損失)となりました。連結売上高に占めるその他の売上高(内部売上を除く)の比率は1.7%となり、前期に比べ横ばいとなりました。

 

 

セグメント

売上高

前期比増減

前連結会計年度

当連結会計年度

金額

増減率

マニュファクチャリングサポート事業

百万円

17,174

百万円

18,674

百万円

1,499

8.7

コンストラクションサポート事業

3,647

3,978

331

9.1

ITサポート事業

914

2,709

1,794

196.2

EMS事業

3,110

4,111

1,000

32.1

その他(注)1

631

721

89

14.2

調整額(注)2

△200

△222

△22

25,277

29,971

4,693

18.6

(注)1.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、OA機器の買取・販売事業、障がい者支援事業、畜産業及び海外事業を含んでおります。

2.調整額は、セグメント間取引であります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ906百万円減少し3,148百万円(前期末比22.4%減)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は167百万円(前期は1,373百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益639百万円増加要因があった一方で、法人税等の支払額527百万円の減少要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は148百万円(前期は1,531百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の増加60百万円、有形固定資産の取得による支出78百万円の減少要因があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により使用した資金は929百万円(前期は108百万円の調達)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出621百万円、配当金の支払額237百万円及び自己株式の取得による支出124百万円の減少要因があったことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

イ.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

EMS事業

1,742

116.5

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

ロ.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比(%)

EMS事業

6,057

166.6

2,940

257.4

(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

ハ.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

マニュファクチャリングサポート事業

18,671

108.7

コンストラクションサポート事業

3,976

109.0

ITサポート事業

2,709

296.2

EMS事業

4,111

132.1

報告セグメント計

29,468

118.6

その他

503

116.7

合計

29,971

118.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額

(百万円)

割合(%)

金額

(百万円)

割合(%)

スカイワークスフィルターソリューションズジャパン株式会社

4,323

17.1

5,121

17.1

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

イ.財政状態の分析

 当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

ロ.経営成績の分析

売上高

 当連結会計年度における売上高は29,971百万円となり、前連結会計年度比で4,693百万円増加いたしました。セグメントごとの売上高の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

売上原価

 当連結会計年度における売上原価は26,079百万円となり、主に人件費の増加により前連結会計年度比で4,423百万円増加いたしました。売上原価の売上高に対する比率は87.0%と前連結会計年度比で1.3ポイント上昇しております。

 なお、売上総利益は3,892百万円となり、前連結会計年度比で270百万円増加いたしました。

 

販売費及び一般管理費

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は3,507百万円となり、主に人件費の増加により前連結会計年度比で326百万円増加いたしました。販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は11.7%と前連結会計年度比で0.9ポイント低下しております。

 なお、営業利益は384百万円となり、前連結会計年度比で55百万円減少いたしました。

 

営業外損益

 当連結会計年度における営業外収益は274百万円となり、主に雇用調整助成金等の助成金収入の減少により前連結会計年度比で545百万円減少いたしました。営業外費用は10百万円となり、主に持分法による投資損失が増加した一方、支払利息が減少したことにより前連結会計年度比で1百万円減少いたしました。

 なお、経常利益は648百万円となり、前連結会計年度比で599百万円減少いたしました。

 

売上高経常利益率

 当連結会計年度における売上高経常利益率は2.2%となり、主に雇用維持と育成への取り組みに伴い人件費が増加した一方で、雇用調整助成金等の助成金収入が減少したことにより前連結会計年度比で2.8ポイント低下いたしました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金及び設備資金は内部資金または借入により資金調達することとしております。短期運転資金の調達につきましては自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては金融機関からの長期借入を基本としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。重要な会計方針は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 

(のれん)

 当社グループは、企業結合等により発生したのれんについては、対象となる子会社の将来の超過収益力等に基づき認識し、その効果が発現されると見込まれる期間で均等償却するとともに、継続して減損の兆候の有無を検討しております。当該検討にあたっては、被取得企業の取得時点及び当連結会計年度末の事業計画等を基礎に、回収可能性について合理的に判断をしております。

 株式会社パートナーの取得にあたり発生したのれんの評価は、同社及び当社の経営者による理解や予測に基づいて作成した同社のITサポート事業の将来性及びIT技術者の増員等を前提とした事業計画を基礎としております。

 株式会社サザンプランの取得にあたり発生したのれんの評価は、同社及び当社の経営者による理解や予測に基づいて作成した同社のOA機器の買取・販売事業の将来性及び新商材の販売等を前提とした事業計画を基礎としております。

 見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、被取得企業の業績が悪化した場合等には当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(繰延税金資産)

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、繰延税金資産が減額され評価性引当額を設定した場合等には当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(販売代理店契約)

 契約の名称:販売代理店契約

 契約期間 :2012年4月から1年間(以降1年ごと自動更新)

 相手先  :パナソニックインダストリアルマーケティング&セールス株式会社(日本)

 契約の概要:パナソニック製制御部品及びFAコンポーネント並びにパナソニックインダストリアルマーケティング&セールス株式会社が取り扱う関連商品の日本国内における販売に関する事項を定めております。

 

5【研究開発活動】

 当期における研究開発費は2百万円であります。これはマニュファクチャリングサポート事業における研究開発費であり、同事業では主に製造ラインにおける人と製造ロボットとの協働についての研究開発を行っております。