当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「for Startups」という経営ビジョンを掲げ、挑戦者に対し必要な支援を行う成長産業支援インフラとなることを目指しております。企業成長を支える原動力は「人材」と「資金」であり、イノベーションを担うスタートアップ企業の成長やスタートアップエコシステムの継続的な発展には、人材と資金の確保がなければ成り立たたないことから、当社グループは、主に人材と資金の側面から成長企業を支援することで、成長スピードと成長確度を高め、社会に貢献してまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、持続的な事業拡大と企業価値向上のため、経営の効率化を図るとともに、売上高及び営業利益を重要指標としてとらえ、各種経営課題への対応を図っております。
(3)経営環境及び中長期的な経営戦略
・経営環境
近年、AI、IoT、ロボット、ビッグデータ、ブロックチェーン等、第4次産業革命と呼ばれるデジタル技術の発展を背景に、新産業が創出され、「GAFAM(Google Apple Facebook Amazon Microsoftの総称)」と呼ばれるような巨大新興企業が世界で台頭しております。また、米国・中国を中心に世界では新たな産業やユニコーン企業(注1)が続々と誕生しており、国際競争力及び平均賃金水準の上昇において新興企業は大変重要な存在となっております。
国際競争力において日本は、1990年代初頭には世界1位であったところ、直近の2022年では世界34位まで低下しております(注2)。また、主要国の平均賃金が上昇していることに対して、日本の平均賃金は約30年間横ばいの状況が続いております(注3)。国際競争力の低下や平均賃金の上昇停滞には、様々な要因がありますが、一つの要因としてスタートアップエコシステム(注4)の構築が発展途上であることが挙げられます。スタートアップは、社会課題の解決と経済成長を担うキープレイヤーであり、雇用創出・所得拡大・国の財政を支える成長ドライバーになる可能性があります。グローバリゼーションを勝ち抜く国際的な競争力を有した成長企業を生み出すには、如何にイノベーションを創出できるかが重要であり、イノベーションの創出にはスタートアップエコシステムの構築・発展が必要不可欠と当社グループは考えております。
我が国においても、政府の成長戦略において、産業競争力強化の観点からスタートアップ企業の支援及びスタートアップエコシステム強化の重要性が提唱されております。政府は2022年を「スタートアップ創出元年」と定め、2022年11月に公表された令和4年度補正予算案において、スタートアップ関連事業に約1兆円の補正予算が閣議決定され、2022年11月末には『スタートアップ育成5か年計画』が公表されました。この『スタートアップ育成5か年計画』においては、5年後の2027年度に、スタートアップへの投資額を10倍超(10兆円規模)とすることを目標に掲げ、日本がアジア最大のスタートアップハブとして世界有数のスタートアップの集積地になることを目指す方針が打ち出されました。また、①スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築、②スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化、③オープンイノベーションの推進、の大きな3本柱の取り組みを一体として推進することも併せて公表され、官民を挙げた取り組みが実行されつつあります。
当連結会計年度末現在における我が国のスタートアップ・成長企業を取り巻く環境は、マクロ環境の変化(国内外の地政学リスクや金融資本市場の変動)を受け、注視が必要な状態が続いております。
考えうるリスク要因としては、アセットオーナーのベンチャーキャピタルへの資金配分の減少、未上場企業の評価額低下によるスタートアップ企業側の調達額の規模の減少、並びにそれらに伴う人材採用活動の停滞が挙げられます。また、IPOの延期やランウェイ(企業がキャッシュ不足に陥るまでの残存期間)を引き延ばすためのコスト抑制等の景気後退を見据えた動きがみられており、リスクが顕在化しつつある状況であります。
・経営戦略
上記経営環境の中、当社グループは、当初想定していた事業環境から大きく変化している状況をふまえ、公表しておりました2025年3月期連結売上高50億円の目標値を繰り延べ、2025年3月期に連結売上高40~45億円、2026年3月期に50億円~55億円を目指します。また、営業利益率については、短期的には厳しい環境下でありながら、中長期的には大きな拡大余地が見込めることから、中長期視点での投資を重視し、2024年3月期は10%、2025年3月期以降は15%を基準とし、上振れ分については翌年度以降の売上高拡大に向けた再投資に充当する方針といたします。タレントエージェンシーサービスにおいては、既存顧客における支援人数の増加を図るだけでなく、支援領域及び顧客の拡大を実行してまいります。従来、Pre-IPOスタートアップにおいては、社内リソースの観点から主としてレイターステージの厳選顧客を中心とした営業活動を行っておりましたが、人員が大きく増加したこと及び事業環境を踏まえ、ミドル・アーリーステージのスタートアップへの支援強化を進め、後のユニコーン企業候補の支援を拡充してまいります。オープンイノベーションサービスにおいては、引き続き高い売上高成長率を維持しつつも、オープンイノベーションサービス全体のシナジー創出を実現するための投資を実行してまいります。国内のスタートアップ19,000社以上(本有価証券報告書提出日現在)を掲載する成長産業データベース「STARTUP DB」においては、ユーザー数拡大を目指し投資を進めてまいります。Public Affairsにおいては、規模を徐々に拡大していくために、人材の採用を強化し社内リソースの充実化を図ります。これらオープンイノベーションサービスの拡大により大手企業や官公庁・自治体などと協力体制を築いてまいります。加えて、タレントエージェンシーサービスのクライアント等に対して資金支援を開始することで、スタートアップ企業の更なる成長を加速させ、「成長産業支援」のインフラとなることを目指してまいります。
具体的な経営戦略については以下のとおりです。
① 成長産業支援インフラとしてのポジショニング確立
我が国のスタートアップ企業への投資は増加傾向にありますが、ベンチャーキャピタル投資額の対GDP比は0.03%(注5)と諸外国と比較して未だ小さく、人材がスタートアップ企業へ流入する潮流も未だ発展途上であることから、当社グループが属するマーケットは成長余地が大きいと認識しております。このような中、日本を代表するグローバル企業を生み出すためには、人材と資金を質・量ともに提供する企業の存在が不可欠であると考えております。
既存のタレントエージェンシーサービスのより一層の規模拡大により、人材支援企業としてのポジショニング確立を図ります。また、前連結会計年度から開始したベンチャーキャピタル事業を通じた資金支援企業としてのポジショニングの確立にも努め、今後の収益機会の拡大を目指してまいります。
② 持続的な競争優位の確保
当社グループは、事業運営を通じて、スタートアップ企業に関する定量・定性情報を蓄積しております。当該情報は、独自アルゴリズムを用いた「数値化されたスタートアップ企業情報」として可視化され、当社グループの競争優位の源泉となっております。スタートアップ業界は日々目まぐるしく変化していることから一般的に情報が陳腐化しやすく、参入障壁が低い人材紹介やコンサルティングビジネスにおいて、当該「数値化されたスタートアップ企業情報」は障壁として有効に機能するものと考えております。今後も、ベンチャーキャピタル・起業家等イノベーションに関わるプレイヤーとのより緊密な連携により、当該競争優位性の維持・確保に努めてまいります。
③ スタートアップエコシステムの形成による自律的成長サイクルの構築
スタートアップエコシステムの形成においては、①起業家人材の創出、②資金の供給、③優秀人材の確保、④大手企業や研究機関の協力、⑤会計・法務・知財等の専門知識のサポート、⑥起業文化の醸成、⑦EXIT環境の整備等が必要と当社グループは考えております。当社グループは「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載のとおり、独自のアルゴリズムを用いて各スタートアップ企業を数値化し、当社グループが成長性の高いと考えるスタートアップ企業(有力スタートアップ企業)を選定し、優先的にサービスを提供する仕組みを構築しております。これは、有力スタートアップ企業を優先的に支援することが、結果的に次のユニコーン企業を生み出し、新産業の創出につながると当社グループが考えていることに因ります。また、人材と資金の両側面から支援をすることで、更なる企業成長を促進し、その結果、新たな需要(人材・サービス)を生み出す、自律的な成長サイクルの構築を目指してまいります。
④ バリューを体現した人材採用及び育成
当社グループの最も重要な資産は「人」であり、企業成長には人材成長が欠かせないと認識しております。当社グループは、経営ビジョンである「for Startups」を実現するために、従業員の目指すべきバリュー(価値観)として、以下の3つを重視しております。
・「Startups First」
全ては日本の成長のために。スタートアップスのために。
※スタートアップス=『進化の中心』にいることを選択する挑戦者達
・「Be a Talent」
スタートアップスの最たる友人であり、パートナーであり、自らも最たる挑戦者たれ。そして、自らの生き様を社会に発信せよ。
・「The Team」
成長産業支援という業は、Teamでしか成し得られない。仲間のプロデュースが、日本を、スタートアップスを熱くする。
当社グループは、当該バリューを体現した「強い個人」を一人でも多く輩出することが、組織成長に寄与すると考えていることから、従業員に対し、社内外において様々な成長機会の提供を行っております。今後も、社内外での様々な教育研修機会の提供を通じて、人材の採用・育成を強化してまいります。
⑤ コアコンピタンスを活用した事業領域の拡大
当社グループは、創業以来一貫してスタートアップ企業のサポートに特化した事業運営をしており、当該事業アセットを活用し、事業領域の拡大を図ってまいります。
・データベースを活かした収益機会の拡大
我が国のスタートアップマーケットに関する情報は網羅的に一元化されていないことが課題と当社グループは考えております。当社グループが運営する「STARTUP DB」はスタートアップ企業に関するデータベースとして19,000社(本有価証券報告書提出日現在)以上を収録しているほか、独自のアルゴリズムを背景に「数値化されたスタートアップ企業情報」を有しております。当社グループが有するタレントデータベースとスタートアップデータベースの双方を活かし、収益機会の拡大を図ってまいります。
・当社グループブランドの確立による収益機会の拡大
当社グループは、成長産業支援を事業目標としており、当社グループとスタートアップ企業、ベンチャーキャピタル、大企業、大学・研究機関、政府・自治体、メディア、専門組織等との連携を強めていくことで、スタートアップエコシステムの中心的存在になることを目指しております。成長産業支援の中核的企業としてのブランドを確立させ、収益機会の拡大を図ってまいります。
[脚注、用語の説明]
注1.ユニコーン企業
企業価値または時価総額10億ドル以上で、設立10年未満の未公開企業
2.出典:IMD World Competitiveness ranking 2022
(IMD:International Institute for Management Development)
3.出典:OECD Average annual wages
4.スタートアップエコシステム
起業家・人材・投資家・大手企業・研究機関・起業風土等の社会的な環境が有機的に連携し、スタートアップ企業が自律的・持続的に創出される環境
5.出典:内閣官房成長戦略会議第8回(令和3年3月17日開催)配布資料「基礎資料」
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの対処すべき課題としては、既存事業の拡大、収益性の向上、内部管理体制の整備が重要であると認識しております。
① 優秀な人材の確保と人材育成の強化
当社グループは、今後も事業領域を拡大しつつ、各事業の成長を目指し、ミッション・ビジョンに共感する優秀な人材を積極的に採用し続けることが必要不可欠だと考えています。そのため、積極的な採用活動を継続してまいります。また、急激な組織の拡大に伴い、今後は人的資本投資やエンゲージメントの強化がより一層必要になると認識しています。そのため、組織拡大に合わせた人事制度の進化や、教育・研修の拡充などを進め、社員が自己実現できる環境を整備することで、中長期的な成長を目指してまいります。
② 収益源の多様化
当社グループは、各サービスが順調に成長している一方で、事業ポートフォリオ上、タレントエージェンシーサービスへの依存度が高い状態にあります。長期的な会社の発展及び成長産業支援の事業規模拡大のためにも、オープンイノベーションサービスの拡大や新規事業の創出に取り組んでまいります。
③ 認知度の向上
当社グループは、起業家やベンチャーキャピタルの方々をはじめスタートアップ業界において多くの支持を受け、業界内で注目を集めております。しかしながら、社会全体においては、まだまだ知名度が低く、認知度を向上させることが課題となっております。2022年に「スタートアップ育成5カ年計画」が発表され、スタートアップ企業への認知拡大が進むなか、今後は、社会全体に向けたスタートアップ関連の積極的な情報発信等、認知度を向上させる取り組みを行ってまいります。
④ 内部管理体制の強化
当社グループは、ビジネス上、個人情報や企業情報を含め、機密性の高い情報を有しております。定期的な社内教育の実施や管理体制の強化に取り組んでおりますが、内部統制の整備と実効性ある運用を通じて、組織の健全なる発展に努めてまいります。
⑤ データベース運営会社との契約を遵守した運用体制の構築と再発防止策の実行
当社グループは、2023年1月20日付「過年度決算の訂正に関するお知らせ」に記載のとおり、売上原価の一部に誤謬による計上漏れがあることが判明し、2018年3月期以降の決算を訂正いたしました。
本件の原因は、各運営会社との契約に基づいて支払先を特定するプロセスが不十分であったことに加え、人材データベースごとに契約に記載されている支払条件が異なるなか、それらの網羅的な理解や事業運営上のリスク評価と見直しが十分でなかったことと考えております。
当社グループは、下記のとおり再発防止策を取締役会で決定しております。また、再発防止策の実効性について引き続き検証を行ってまいります。
・リスク評価委員会の定期的な開催
・各人材データベースの利用ルールの周知徹底を図るための教育体制の再整備
・各運営会社とのコミュニケーションを行う専門チームの組成
・追加的な管理システム導入を含めた適切な管理体制の整備
なお、2023年2月14日付「内部統制報告書の訂正報告書の提出に関するお知らせについて」に記載のとおり、上記、売上原価の誤謬による計上漏れの直接的な原因は各運営会社との契約に基づいて支払先を特定するプロセスが不十分であったことと認識しており、この直接的な原因については2023年1月以降より改善を図り、当連結会計年度末時点では適切に売上原価を計上することが可能な体制となっております。
当社グループにとってのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
① ガバナンス
当社グループでは、世界で勝てる成長産業・成長企業を日本から生み出すために、「for Startups」という経営ビジョンを掲げております。この経営理念に基づいて、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図るとともに、ユーザー、クライアント、株主、従業員、取引先、社会等のステークホルダーに対する社会的責任を果たすため、経営のさらなる効率化と透明性の向上、業務執行の監督機能の強化等のコーポレート・ガバナンスを重視しております。このため、株主総会、取締役会及び監査等委員会並びに経営会議等の各機関の運営を徹底するほか、内部統制システムの整備・運用を充実させることによって、コーポレート・ガバナンスの強化に取り組むとともに、株主、投資家の皆様に公正な経営情報の開示の適正性を確保してまいります。詳細は、「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等」をご覧ください。
② リスク管理
当社グループは、リスクの発生防止及び適切な対応による損失の最小化を図るため、組織的・計画的に取り組むことを目的として、代表取締役社長を委員長とし、取締役を中心に構成するリスク評価委員会を設置しております。
リスク評価委員会は、少なくとも四半期に1回定例開催するほか、必要に応じて臨時開催し、リスクの調査、網羅的な認識及び重要度の分析、各種リスクへの対応策の検討及び決定、対策の実施状況の監督及び再発防止策の検討等を行っております。詳細は、「
(2)重要なサステナビリティ項目
当社グループにとってのサステナビリティとは、事業を通して社会課題の解決に寄与することであり、当社グループの持続的な成長が、社会の持続的な発展につながるものと認識しております。その実現に向けて、顧客、取引先、従業員、株主はもちろん、環境や社会とのエンゲージメントも非常に重要であると考えておりますが、特に「ヒトの無限大の可能性」を信じるという大きな方針のもと、人的資本への投資を最重要視しております。
① 気候変動対応
当社グループは、成長産業支援事業を主な事業として行っており、気候変動問題が当社事業に重要な影響を及ぼすことは想定されないために、TCFDに基づく開示等は、現時点では行っておりません。しかしながら、あらゆるグローバル課題の中でも、特に気候変動をはじめとする環境問題に関する認識は、この数年間だけでも劇的に変化しております。ビジネス面及び事業者としての取り組みが今後重要になるものと認識しております。
② 人的資本、多様性への対応
(人材育成方針)
当社グループは、成長産業を活性化させ、日本の成長に貢献するために最も重要な考え方として、「(共に)進化の中心へ」をミッションに、「for Startups」をビジョンに、下記3つのバリューを制定しております。ミッション・ビジョンに共感する人材を採用し、バリューを体現する人材へ育成することが、当社グループの持続的な成長及び当社が目指す日本の成長を実現するうえで欠かせないものと考えております。
<バリュー>
・「Startups First」
全ては日本の成長のために。スタートアップスのために。
※スタートアップス=『進化の中心』にいることを選択する挑戦者たち
・「Be a Talent」
スタートアップスの最たる友人であり、パートナーであり、自らも最たる挑戦者たれ。
そして、自らの生き様を社会に発信せよ。
・「The Team」
成長産業支援という業は、TEAMでしか成し得られない。
仲間のプロデュースが、日本を、スタートアップスを熱くする。
スタートアップス(『進化の中心』にいることを選択する挑戦者達)は高い志をもっていることから、当社グループの社員も同様に、高い志をもって挑戦することが、成長産業支援事業において重要であると考え、社員それぞれの「志を育む」ことを人材育成のキーワードとしております。
フォースタートアップス人材育成方針:『Kokorozashi』~志を育み体現する~
この志を育み体現するという人材育成方針を『Kokorozashi』と決定いたしました。また、社員の志が育まれていることを「Kokorozashi指数」として可視化・定量化し、継続的にモニタリングする体制を構築いたします。具体的な開始時期は2024年3月期以降を予定しております。
『Kokorozashi』の意義とねらい
① 社員の志が高まることで、野心的な目標を掲げる
② 野心的な目標達成のために、学びによる能力開発や人的ネットワーク構築などの能動的行動を生む
③ 志の高い社員が集い、刺激し合うことで相乗効果を生む
④ ①~③が循環し続けることで、組織としての生産性が向上し、企業成長に繋がる
なお、Kokorozashi指数は、下記の4つのステップを実現していくための評価指標として機能するべく設計を行ってまいります。
ステップ1:個人の志をもつ
ステップ2:個人の志を体現する
ステップ3:ステークホルダーの志を支援する
ステップ4:個人及びステークホルダーの志が社会に影響を与える
(社内環境整備方針)
当社では、自社の人的ネットワークを活かした学び・対話の場を積極的に設けております。
・フォースタートアップス最大の強みであり文化である『社内勉強会』
日本を代表する起業家及びその企業に投資をしている投資家の皆様をお招きした勉強会を実施しております。起業を志すまでのストーリーや今後の事業展開・経営課題等のインプットを通じて、目指しているビジョンへの共感、視野・視座・視点の高い業務アウトプットに繋がっており、フォースタートアップスが掲げる「(共に)進化の中心へ」のミッションの実現に必要不可欠であると考えております。勉強会は創業当時から大事にしており、2022年度は174回開催いたしました。
・ビジネスの真髄をプロフェッショナルから吸収する『進化塾』
自己の枠組みを超えて、新しい価値観や視点を取り入れることで、社員が進化する場として進化塾を開催しております。「Go Action」「心の繋げ方」「スタンス」など様々なテーマで、株式会社dof 代表取締役社長 齋藤太郎氏、A.T.カーニー日本法人会長 梅澤高明氏、学校法人グロービス経営大学院 常務理事 田久保善彦氏ら有識者の方々を講師としてお招きしています。テーマについて事前に勉強し当日はQ&Aの時間を長く設けることで、一方通行の講義ではなく対話形式としています。2021年から、現在年間5回のペースで開催しており、今後も同じペースでの開催を計画しております。
・社員同士のコミュニケーションを通じて結束力を高める『CAMP』
日常業務から離れて、社員同士が対話する場としてCAMPと称したオフサイトミーティングを定期的に行っております。本部単位、役職単位等、規模やメンバーは様々で、ミッション・ビジョン・バリューをテーマとしたワークや、課題図書の内容をチームで議論して理解を深め自身のアウトプットにつなげるなど、企画する社員自身の問題意識やアイディアからCAMPの内容が決定されます。社員交流を目的とする場合もあり、仲間の志を知り、更にはチームとしての結束力を高める機会として機能しています。
・その他の取り組み
対象期間に最もバリューの3項目を体現した社員それぞれに贈られるMVT(Most Valuable Talent)表彰制度を設けております。仲間を称えるとともに、自身も鼓舞されるという相乗効果を生み出し、組織力・チーム力の向上を図っております。
(多様性への対応)
人種、国籍、性別、年齢、障がいの有無、宗教、性的指向、価値観、キャリアや経験、職歴、働き方に関わらず、多様な人材が志を育み、挑戦し続けられる環境を整備します。
2023年3月末日時点において、当社社員の平均年齢は30.0歳であり、男女ともにライフイベント等を迎える社員が増加傾向にあります。
そのため、社員のライフスタイルの変化にともなう多様性への対応は必須であると考えております。その一歩として、妊娠中・育児中の社員の働き方支援、女性社員のキャリア形成を重要視し、対応を進めております。
・妊娠中の社員への支援
母体にかかる身体的負担を軽減するため、前後2時間の時差勤務、最大2時間の短縮勤務及び在宅勤務等の制度を通して、個人の状況に合わせた支援を行っております。
・男性育児休業の取得推奨・支援
子の出生予定がある男性社員に対し、育児休業の制度説明及び取得した社員のフィードバックを含めた制度利用実績の紹介などを行っております。2023年3月期においては、男性育児休業取得率は85.7%となっており、今後も男性育児休業の取得を推奨・支援してまいります。
・育児休業中のサポートプログラム
数か月〜1年単位で休業を要する社員にとって、復職後に、市場・組織の変化のスピードに即座に対応することは困難であると考えており、心理的な不安のケアも必要であることから、以下の2点を軸にしたプログラムの提供を予定しております。
① 情報ブランクを軽減するためのトピックス共有
② 出産・育児を経験した社員をメンターとした相談会
・育児中の社員への支援
当社は、固定労働時間制、出社勤務を基本形としていますが、家庭事情に応じて働く時間や場所を選択できる制度を整備しております。
・キャリア形成
当社社員には、性別・年齢・経験に関わらず、多様な仕事や役割に挑戦できる機会を常に提供し、中長期的なキャリア形成を支援しております。多様な人材に挑戦機会があることを測る指標として、女性管理職比率にフォーカスしております。2023年3月末日時点において、女性管理職比率は24.0%(女性社員比率は25.3%)であり、2025年3月末日時点で25.0%以上に引き上げることを目標としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)当社グループのリスクマネジメント体制
当社グループは、リスクの発生防止及び適切な対応による損失の最小化を図るため、組織的・計画的に取り組むことを目的として、代表取締役社長を委員長とし、取締役を中心に構成するリスク評価委員会を設置しております。
(2)当社グループのリスクマネジメント体制の運用状況
リスク評価委員会は、少なくとも四半期に1回定例開催するほか、必要に応じて臨時開催し、リスクの調査、網羅的な認識及び重要度の分析、各種リスクへの対応策の検討及び決定、対策の実施状況の監督及び再発防止策の検討等を行っております。
(3)事業環境に関するリスク
① 市場環境について
当社グループは国内のスタートアップ企業向けまたはそれに関連したサービスを提供しており、潜在的に国内におけるスタートアップ企業の企業動向・求人需要等に影響を受けております。特に、当社グループの主力サービスであるタレントエージェンシーは、スタートアップ企業の求人ニーズに影響を受ける可能性があり、国内外の経済情勢や景気動向の悪化、地政学リスク、金融資本市場の変動の影響等により、スタートアップ企業数やスタートアップ企業に対する資金供給が著しく減少した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合について
当社グループの主力サービスであるタレントエージェンシーは、「有料職業紹介事業」に該当しております。「有料職業紹介事業」は許可事業ではあるものの、参入障壁が低く各分野にて多数の同業他社が存在し、厚生労働省の調査によれば、有料職業紹介事業の民営職業紹介事業所数は継続的に増加傾向にあります。当社グループは、既存の人材紹介サービスの多くを占める総合人材紹介型や業界特化型、広告型とは異なり、スタートアップ・成長企業に特化したサービスを展開しておりますが、今後、同業他社が同様のサービスを展開し、競争が激化した場合等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)事業内容に関するリスク
① 候補者の自己都合退職について
当社グループの主力サービスであるタレントエージェンシーでは、求人企業に候補者が入社後、一定期間内に自己都合退職した場合には成功報酬の一部を返金する契約を締結し、サービスを提供しております。当社グループは、クライアント企業との綿密な連携により、採用のミスマッチを防止する施策をとっておりますが、何らかの理由により、早期自己都合退職者が増加した場合には、収受した報酬の返金が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 株式会社ビズリーチとの関係について
当社グループの主力サービスであるタレントエージェンシーは、自社媒体を有して求職者を確保する登録型ではなく、他社が運営する媒体を利用して求職者を確保するハンティング型を採用しております。当連結会計年度末現在において、株式会社ビズリーチが運営する「ビズリーチ」経由での取引が高い比率を占めております(当連結会計年度における人材紹介売上高のうち、「ビズリーチ」経由での売上高は42.3%を占めております)。当社グループは、今後も同社との良好な関係を保ちつつ取引を行うことに加え、複数媒体の利用推進によるリスク低減を図っておりますが、将来的に同社との取引関係において変化が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 法的規制について
当社グループの主力サービスであるタレントエージェンシーは、職業安定法に基づき、「有料職業紹介事業」として厚生労働大臣から許可を受けております。当該許可は5年毎の更新が必要なほか、職業安定法第32条の9に欠格事由が定められております。当連結会計年度末現在において、当社グループは欠格事由(法人であって、その役員のうちに禁固以上の刑に処せられている、成年被後見人もしくは被保佐人または破産者で復権を得ないもの等に該当する者がある、届け出違反等)に該当しておりませんが、将来的に職業安定法第32条の9に定められた欠格事項等に該当した場合には、許可の取り消し、業務停止命令または業務改善命令の対象となるおそれがあります。その場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの許可番号及び許可期間は以下のとおりです。
|
許可番号 |
13-ユ-307946 |
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許可期間 |
2019年9月1日~2024年8月31日 |
④ 個人情報保護について
当社グループの主力サービスであるタレントエージェンシーでは、多数の個人情報を取り扱っているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報取扱事業者としての義務を課されております。当社グループは、個人情報の管理徹底を図るべく、「個人情報等管理規程」を制定するとともに、一般財団法人日本情報経済社会推進協会が発行するプライバシーマークを取得し、プライバシーマークの運用規程に準拠し、社内教育の徹底を図っております。このような取り組みにもかかわらず、外部からの不正アクセスや、当社グループ役職員の故意または過失により個人情報が流出した場合には、当社グループへの損害賠償請求やブランド価値の毀損、社会的信用力の低下により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ ファンドで保有する株式の評価減リスクについて
当社グループにおいて、ベンチャーキャピタル事業を行っておりますが、その中で、当社子会社を通じて組成したファンドが保有する株式の評価減により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)組織体制に関するリスク
① 人材確保及び育成について
当社グループ事業のさらなる拡大及び企業価値の継続的な向上のためには、人材の確保や人材育成が重要と認識しております。特にタレントエージェンシーにおいては人材の確保が必要不可欠であるとともに、期待通りの効果を発揮するまでに、一定の育成期間を要することがあります。当社グループは、全社を挙げて人材採用・育成に取り組んでおりますが、当社グループが求める人材が適時適切に確保されなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 内部管理体制について
当社グループは、企業価値を継続的に向上させていくためには適切な内部管理体制の構築が必要不可欠と判断しておりますが、当社グループは、設立からまだ間もなく、未だ発展途上にあると認識しております。内部統制システムの適切な整備・運用に努めておりますが、今後、事業の急激な拡大に応じた内部管理体制の整備・運用が行われなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定経営者への依存について
当社グループの代表取締役社長である志水雄一郎は、当社グループの前身である株式会社セントメディア(現 株式会社ウィルオブ・ワーク)のネットジンザイバンク事業部において事業部長を務め、分社化以降も継続して代表取締役を務めております。同氏は、当社グループの経営方針やブランディングにおいて重要な役割を果たしております。当社グループは、同氏に過度に依存しないよう、人員体制や権限委譲等の経営組織の強化等を適切に図っておりますが、今後、何らかの理由により、同氏の業務執行が困難な状況となった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)親会社に関するリスク
① 親会社が株主総会の決議事項に関する支配権または重大な影響力を有することについて
当連結会計年度末現在において、当社発行済株式総数のうち54.3%は株式会社ウィルグループが保有しております。従って、当社グループ取締役の選任・解任、合併その他組織再編の承認、重要な事業の譲渡、当社グループ定款の変更及び剰余金の配当等の基本的事項決定権または拒否権に関して、他株主の意向にかかわらず株式会社ウィルグループが影響を与える可能性があります。なお、当社グループが株式会社ウィルグループに対し事前承認を必要とする事項はなく、当社グループは独自に経営の意思決定を行っております。
② 取引関係について
当連結会計年度末現在において、株式会社ウィルグループ及びその子会社との継続的な取引はなく、今後も実行する予定はありませんが、関連当事者との取引については、当該取引の経済合理性について社内規程に定められた承認を得ることとし、取引の健全性及び適正性を確保する体制を構築しております。
③ 人材ビジネスにおける関係について
株式会社ウィルグループと当社グループは「人材ビジネス」という広義のビジネス領域では共通しますが、株式会社ウィルグループは派遣ビジネスを主要事業としており、有料職業紹介事業を行っている他のグループ会社は、製造業やセールスアシスタント等の業界・職種に特化したビジネスモデルで、当社グループのようにスタートアップ企業を対象にした有料職業紹介事業を営む会社はなく、競合関係はありません。しかし、今後、当社グループの経営方針及び事業展開を変更した場合、または、株式会社ウィルグループまたはその子会社が経営方針及び事業展開を変更した場合には、将来的に競合する可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)その他のリスク
① 訴訟について
当社グループは、当連結会計年度末現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、当社グループの事業運営上、提供サービスの不備や個人情報・機密情報の漏洩、契約違反等により、訴訟を提起された場合には、当社グループブランドの毀損や社会的信用力の低下により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 情報システムについて
当社グループの事業運営上、情報ネットワークやコンピューターシステムを多岐にわたり利用しており、データベースはクラウド上に保存しております。災害・事故等によるネットワーク障害やサーバーダウン等のシステム障害、第三者による不正アクセスが生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 新株予約権の行使による株式価値希薄化について
当社グループは、当社グループ役職員に対して業績向上に対するインセンティブ付与を目的として、新株予約権方式によるストックオプションを付与しております。当連結会計年度末現在、これらの新株予約権による潜在株式数は、164,200株であり、発行済株式総数に潜在株式数を加えた合計の3,711,000株の4.4%に相当しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合は、当社グループの1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。
④ 配当政策について
当社グループは、設立以降、配当実績がありません。株主に対する利益還元を経営上の重要課題の一つとして位置づけておりますが、財務体質の強化に加えて、事業拡大、収益力強化のための必要投資に充当し、企業価値を向上させることが当面の優先課題と考えております。現時点において、配当の実施及びその実施時期等については未定でありますが、将来的には、経営成績、財政状態及び内部留保とのバランス等を統合的に勘案しながら配当の実施を目指していく方針であります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(単位:千円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
対前期増減 |
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資産(※1) |
2,569,038 |
2,969,798 |
400,760 |
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負債(※2) |
1,083,493 |
779,327 |
△304,165 |
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(有利子負債) |
183,338 |
66,674 |
△116,664 |
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純資産(※3) |
1,485,544 |
2,190,470 |
704,925 |
主な対前期増減の内容
(※1)営業投資有価証券(308,723千円)、売掛金(59,160千円)、現金及び預金(27,509千円)
営業投資有価証券の増加はベンチャーキャピタル事業による株式の取得であります。
(※2)未払金(△187,948千円)、未払法人税等(△78,923千円)、長期借入金(△66,674千円)
(※3)利益剰余金(442,398千円)、非支配株主持分(239,941千円)
② 経営成績の状況
(全般的概況)
当連結会計年度におけるスタートアップ業界を取り巻く環境は、金融資本市場の変動に端を発する世界的な株価低迷により、グローバル市場におけるIPO件数及び資金調達金額が前年比で大きく減少したなかで、国内における2022年の資金調達額は、大企業から子会社への出資を除くと前年比で微増(参照:STARTUP DB)となりました。しかしながら、米国をはじめとする主要国において金融市場が引き締めに転じ、米国では大手企業による人員削減や銀行の経営破綻等の景気後退懸念が強まる動きがみられました。国内においても、急激な物価上昇による消費者マインドの悪化が懸念されており、スタートアップ企業においてはIPOの延期やランウェイ(企業がキャッシュ不足に陥るまでの残存期間)を引き延ばすためのコスト抑制等の景気後退を見据えた動きがみられました。
一方で、政府の成長戦略において、産業競争力強化の観点からスタートアップ企業の支援及びスタートアップエコシステム強化の重要性が提唱されております。政府は2022年を「スタートアップ創出元年」と定め、2022年11月に公表された令和4年度補正予算案において、スタートアップ関連事業に約1兆円の補正予算が閣議決定され、2022年11月末には『スタートアップ育成5か年計画』が公表されました。この『スタートアップ育成5か年計画』においては、5年後の2027年度に、スタートアップへの投資額を10倍超(10兆円規模)とすることを目標に掲げ、日本がアジア最大のスタートアップハブとして世界有数のスタートアップの集積地になることを目指す方針が打ち出されました。また、①スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築、②スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化、③オープンイノベーションの推進、の大きな3本柱の取り組みを一体として推進することも併せて公表され、官民を挙げた取り組みが実行されつつあります。
項目ごとの経営成績の状況は以下のとおりです。
(売上高)
タレントエージェンシーサービス及びオープンイノベーションサービスが好調に推移し、当連結会計年度の売上高は2,998,644千円(前期比27.7%増)となりました。タレントエージェンシーサービスは、前連結会計年度から一転し、採用ニーズの減少が確認されましたが、採用ニーズの強い企業や需要の高いポジションの支援強化、コンサルティングサービスの営業強化が功を奏しました。また、オープンイノベーションサービスは、前連結会計年度からスタートした「STARTUP DB」の有料会員獲得が堅調に推移したほか、「Public Affairs」やスタートアップ企業の資金調達を支援する「資金調達支援」等の営業を強化しました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は541,125千円(前期比14.1%増)となりました。これは主にタレントエージェンシーサービスにおける求人媒体への支払手数料及びオープンイノベーションサービスにおける外注費です。結果として、売上総利益は2,457,518千円(前期比31.1%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,872,223千円(前期比35.1%増)となりました。これは主に人件費、支払手数料及び地代家賃です。結果として、営業利益は585,295千円(前期比19.8%増)、経常利益は586,919千円(前期比19.2%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、442,398千円(前期比15.6%増)となりました。
各セグメント及びサービス別の経営成績は下記のとおりであります。
(タレントエージェンシー&オープンイノベーション事業)
・タレントエージェンシー
当連結会計年度においては、マクロ環境の不透明さを背景としたコスト抑制の動きから、一部のスタートアップ企業において採用ニーズの減少が確認されました。人材紹介サービスは、前期の好業績を支えたSaaS企業のインサイドセールス、カスタマーサクセスといったセールス部門の大量採用ニーズがなくなるなど、厳しい事業環境となった中、経営幹部層・エンジニアなどの需要・難易度の高いポジションのピンポイント支援に注力した戦略へ転換いたしました。その結果、紹介件数は減少したものの、単価が大きく上昇し、人材紹介サービスの売上高は計画通りに推移いたしました。また、難易度の高いポジションのニーズをより強力に支援するコンサルティングサービスの営業強化により、コンサルティングサービス売上高が計画を大きく上回る水準で推移いたしました。この結果、タレントエージェンシーサービスの売上高は2,664,246千円(前期比23.5%増)となりました。
タレントエージェンシー全体の主要な業績評価指標は以下のとおりです。
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期間 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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人材紹介取引数(人) |
685 |
651 |
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人材紹介平均単価(千円) |
2,816 |
3,440 |
(注)1.人材紹介取引数は、特定期間における人材紹介数であり、業務委託契約を除いております。
紹介した候補者が入社後一定期間内(早期)に自己都合退職した場合には紹介企業から収受した紹介手数料の一定割合を契約に基づき返金しますが、当該返金対象取引も取引数に含めております。
2.人材紹介平均単価は、特定期間における売上計上対象となった経営管理上の人材紹介売上高(業務委託契約を除く成功報酬型のコンサルティングフィー)のみを上記の人材紹介取引数で除した数値です。
紹介した候補者が入社後一定期間内(早期)に自己都合退職した場合には紹介企業から収受した報酬の一定割合を契約に基づき返金しますが、上記の経営管理上の人材紹介売上高では当該返金額を控除せず、集計しております。
3.成功報酬型以外のコンサルティングサービスは上表には含めておりません。
・オープンイノベーション
オープンイノベーションサービスは、当社グループが運営するデータベース「STARTUP DB」の大手企業向け有料会員サービス、官公庁・自治体におけるスタートアップ関連事業を受託して産学官の連携を支援する「Public Affairs」、大手企業とスタートアップ企業の提携を推進する「資金調達支援」といった、スタートアップエコシステムの構築を推進する各種サービスを提供しております。当連結会計年度においては、前期から開始した「STARTUP DB」の有料ユーザー数の増加や、Public Affairsが主に地方自治体からのスタートアップ関連事業を受託することで順調に規模を拡大した結果、オープンイノベーションサービスの売上高は334,397千円(前期比74.2%増)となりました。
また、当連結会計年度においては、社員数を前期末比50名増の増員目標を掲げ、成長産業支援を推進する体制を構築するために人材採用を強化してまいりました。結果として、新卒・中途含めて51名の増員を行い、当連結会計年度末日(2023年3月31日)時点の社員数は166名となりました。
以上の結果、セグメント売上高は2,998,644千円(前期比27.7%増)、セグメント利益は592,807千円(前期比20.3%増)となりました。
(ベンチャーキャピタル事業)
当連結会計年度においては、前連結会計年度に引き続き管理費用のみが発生していることから、セグメント損失は7,511千円(前期は4,318千円の損失)となりました。また、当連結会計年度において、READYFOR株式会社、ポケトーク株式会社、株式会社カケハシの3社へ投資を行い、投資先企業は5社となりました。
なお、当セグメントには、子会社であるフォースタートアップスキャピタル合同会社、及び同社を通じて組成したフォースタートアップス1号投資事業有限責任組合が含まれております。
③ キャッシュ・フローの状況
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(単位:千円) |
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前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
対前期増減 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
605,502 |
△35,076 |
△640,578 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△168,161 |
△90,708 |
77,452 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
237,470 |
153,294 |
△84,176 |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
1,717,761 |
1,745,270 |
27,509 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は1,745,270千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は35,076千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益586,919千円を計上した一方で、売上債権の増加額59,160千円に加え、営業投資有価証券の増加額308,723千円、未払金の減少額105,180千円、法人税等の支払額257,774千円によるものであります。未払金の減少額105,180千円には、過年度の連結会計年度におけるデータベース運営会社への手数料の支払漏れ及びこれに伴い発生した違約金を当期に支払ったことによる未払金の減少額が含まれております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は90,708千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出84,135千円、投資有価証券の取得による支出10,110千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は153,294千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出116,664千円、非支配株主からの払込みによる収入266,000千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。また、受注から役務提供完了までの期間が短いため、受注実績に関する記載は省略しております。
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
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サービスの名称 |
前連結会計年度 (自2021年4月1日 至2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自2022年4月1日 至2023年3月31日) |
前年 同期比 (%) |
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タレントエージェンシー&オープンイノベーション事業 |
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タレントエージェンシーサービス(千円) |
2,156,780 |
2,664,246 |
23.5 |
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オープンイノベーションサービス(千円) |
191,907 |
334,397 |
74.2 |
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小計(千円) |
2,348,687 |
2,998,644 |
27.7 |
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ベンチャーキャピタル事業(千円) |
- |
- |
- |
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合計(千円) |
2,348,687 |
2,998,644 |
27.7 |
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(注)主な相手別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。また、経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に含めて記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
当社グループの資金需要は、人員規模拡大に伴う、人件費や採用費をはじめとする人材関連投資等が中心であります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と財源を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金は自己資金及び金融機関からの借入及び必要に応じてエクイティファイナンスによる資金調達を中心に考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たっては、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、過去の実績等を勘案して合理的な見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。なお、当社グループでは売上高及び営業利益を重要な指標としております。
求職者向けプラットフォーム運営事業者との契約
当社グループは、求職者獲得のため、複数のプラットフォーム運営事業者のサービス利用約款に同意して各事業者のサービスを利用しており、そのうち主要な事業者との契約を記載しております。
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相手方の名称 |
国名 |
契約の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
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株式会社ビズリーチ |
日本 |
サービス利用約款 |
株式会社ビズリーチが運営するハイクラス人材データベース、各種サービスの利用に関する規約 |
2016年9月1日~ 2016年12月31日 (以降6か月契約) |
該当事項はありません。