文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
(1)経営方針
日本国内のエンジニア人材市場は、高齢化と人口減少を背景とした構造的な人材不足に直面しております。一方で、2020年に施行された改正労働者派遣法、所謂「同一労働同一賃金」や、新型コロナウイルス感染症拡大による景況感の悪化により、中小派遣事業者の淘汰の可能性が増すなど、国内エンジニア人材関連サービス業界は転換期を迎えているというのが当社の基本的な環境認識です。
このような認識のもと、当社は「エンジニア人材の流動性の向上」が求職人材と求人企業双方のニーズを満たす鍵となると考え、当社のビジョンとして「エンジニア人材流動プラットフォームの構築」と「テクノロジーによる求職人材・求人企業マッチング自動化の実現」の2つを掲げております。
(2)経営戦略等
当社は、上述のビジョンの実現を目指して、長期的な視点に立ってICTへの先行投資を行ってまいりました。その成果がAIを活用した独自のスキルマッチング機能を有するプラットフォーム「コグナビ」であり、2020年3月期にエンジニア人材の全ての流動局面を捕捉できる5つの「コグナビ」サービスが出揃いました(第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容 ご参照)。今後当社は、顧客企業に対してこれらの「コグナビ」サービスを提供することを通じて、エンジニア人材不足に悩む顧客企業のニーズを充足し、当社収益基盤の拡充に努める方針です。
従来当社は高い収益性と安定した需要の存在の双方を兼ね備えた機電系エンジニア人材サービスに焦点を当ててまいりましたが、今後は機電系エンジニアと同様に樹形図によってスキルを可視化できるITエンジニア人材セグメントの開拓も進めてまいります。
また、テレビCMを中心としたメディアミックスによる「コグナビ」ブランドの認知向上施策を展開し、広告やサービスブランドの認知向上とそれに伴う「コグナビ」サービス登録会員数の増強に取り組んでまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、収益性を判断する指標として売上高や売上総利益・営業利益及びそれぞれが売上高に占める比率を重視しております。
また、当社の売上高と売上総利益の大半を占めるエンジニア派遣サービスの売上高に大きく影響する稼働人数を、収益目標の達成度を判断する指標として重視しております。
(4)経営環境
当社が特化する機電系エンジニアの需要は、新型コロナウイルス感染症拡大を契機に在宅勤務が増えたため、派遣エンジニアの所定外稼働時間は減少し、景気の先行き不透明感から顧客企業の機電系エンジニア人材採用意欲は弱含んでおりました。
しかしながら、わが国の15~64才までの労働力人口約6,000万人(出典:総務省統計局 2022年3月 労働力調査)の中で、機電系エンジニアは概ね64万人(出典:2015年国勢調査、当社が元データの「電気・電子・電気通信技術者(通信ネットワーク技術者を除く)、機械技術者、輸送機器技術者」合計人数から65歳以上の人数を除いて算出)であり、機電系エンジニアが労働力人口に占める割合は低い状況にあります。
さらに、少子化に伴う就労人口の減少や学生の理系離れなどを背景として、機電系エンジニアは正社員、非正規社員共に構造的な不足状態が続いております。
一方、世界的にカーボンニュートラルをはじめとした新たな技術的課題への対応が求められる中、当社はエンジニアに対するニーズが今後も拡大するものと見込んでおります。
このような環境のもと、近年機電系エンジニアの派遣単価は継続的な上昇傾向が続きました。2020年4月の所謂「同一労働同一賃金」の導入もその傾向を後押ししております。
また、一連の労働者派遣法の改正に伴い、人材派遣業界では中小派遣事業者の淘汰の可能性が増す一方で、近年のHRテック企業の台頭により、人材紹介サービスを取り巻く環境に変化が表れる可能性がございます。
当社は、国内エンジニア派遣業界大手の一角を占めておりますが、このような経営環境の動きを的確に捉えて事業機会を見出し、当社ビジョンの達成と持続的成長の実現を図ってまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上述の経営方針、経営戦略等、経営環境を踏まえ、今後当社は主に以下の課題に対処いたします。
①エンジニア人材の確保
日本国内のエンジニア人材市場は社会の高齢化と人口減少を背景とした構造的な人材不足に直面していることから、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ人材需要は、短期的には回復基調が続くものの、中長期的にはエンジニア人材の確保が難しい状況が継続するものと予想されます。
従って、エンジニア人材採用力を強化することは当社の重要な経営課題であると考えております。
このような環境下において、当社は、AIを活用したスキルマッチング機能を有するプラットフォーム「コグナビ」を基盤として、全ての機電系及びITエンジニア人材の流動局面を捕捉し得るサービスラインアップを有しております。今後当社が持続的に成長するためには、「コグナビ」ブランドの認知度を高めて「コグナビ」各サービスへの会員数を増やしていくことが最も重要であると考えております。
②テクノロジーとビジネスモデルによる競合優位性の確立
所謂「同一労働同一賃金」の実現を目的とした2020年4月の労働者派遣法の改正や近年のHRテック企業の台頭、新型コロナウイルス感染症の影響等を背景として人材紹介サービスを取り巻く環境にも変化が表れております。一方で、様々なHRテックが登場しているものの、まだ業界に根本的な変化を起こして市場を制覇するテクノロジーやビジネスモデルが見当たらないことも事実です。
当社は、数年間にわたる時間をかけて先行投資を行い、独自のAIを活用したスキルマッチング機能を有するプラットフォーム「コグナビ」を構築し、この「コグナビ」テクノロジーを基盤として全ての機電系及びITエンジニア人材の流動局面を捕捉し得るサービスラインアップを2021年3月期までに整備いたしました。「コグナビ」テクノロジーを基盤として全ての機電系及びITエンジニア人材の流動局面を捕捉するという当社のビジネスモデルは類例を見ない革新的なものであり、国内エンジニア派遣企業他社のそれと明確に異なっております。当社独自のスキルマッチング機能を前面に営業活動を展開し、ターゲット顧客である大手機電系製造業やIT企業との取引拡大を目指してまいります。
このように、「コグナビ」テクノロジー及び「コグナビ」ビジネスモデルは当社の差異化の源泉であり、これらを活用したテクノロジーとビジネスモデルで競合優位性を確立することは重要な経営課題であると考えております。
③財務体質の強化と流動性資金の確保
当社は健全な財務体質の維持に努めておりますが、新型コロナウイルス感染症の影響による環境変化に対応するべく、手許資金額・借入枠を積み増しております。
今後も取引金融機関からの高い信用力を維持し、流動性資金を適宜確保することは当社の重要な経営課題であると考えております。
④リスク管理の強化
当社はリスクを事前に回避すること及び万一リスクが顕在化した場合の被害最小化を図ることが重要であると考えております。
事業を進める上での様々なリスクの特定、リスク低減に向けた適切な対策の構築を目的に、リスクマネジメントの基本方針及び推進体制に関する基本的事項を定めたリスクマネジメント規程を定めています。
事業活動及びその他付随するリスク要因のうち、特に発生の可能性が高いと想定されたリスクについては、コンプライアンス委員会においてモニタリングを行うとともに、リスクとなる事象が発生した際には、総務担当部門、内部監査担当部門等の関係部門が連携・協議し、再発防止策等の対応を行います。
自然災害、新興感染症、サイバー攻撃等、経営資源に損害を与え、業務の停止・機能低下をもたらしかねない事象や緊急事態に迅速かつ一貫して対応するために、対策本部等の組織を設置し、危機管理体制の確立に努めています。
具体的な施策として、自然災害等不測の事態に備えたBCP(事業継続計画)の策定や情報セキュリティ基本規程等を定めるとともに、社内教育や訓練の実施、備えるべきリスク項目の見直しやその対応策を検討する等、リスク管理を継続的に強化していくことは当社の重要な経営課題であると考えております。
⑤新型コロナウイルス感染症への取り組み
当社は新型コロナウイルス感染症拡大を受け、当社従業員とその家族、顧客企業や取引先等、ステークホルダーの安全確保、感染拡大防止を最優先に考え、在宅勤務や時差出勤、オンラインでの面接や商談等の基本対策を実施しながら事業活動に引き続き取り組んでおります。
(6)対処すべき課題に対する具体的な取組状況等
①エンジニア人材の確保のための取り組み
当社のエンジニア派遣サービスにおいては、上述のとおり、顧客となる大手製造業からの需要が存在するものの、エンジニアの確保が難しい市場構造ができております。
このような環境下において、当社は、AIを活用した独自のスキルマッチング機能を有するプラットフォーム「コグナビ」を基盤として、全ての機電系及びITエンジニア人材の流動局面を捕捉し得るサービスラインアップを2021年3月期までに整備し、理工系新卒学生の就職支援から転職、人材派遣、教育、社内人材配置まで、エンジニアの全てのキャリアシーンを支援することが可能となりました。
今後当社がエンジニア人材を持続的に確保するためには、「コグナビ」ブランドの認知度を高めて「コグナビ」各サービスに登録しそれらを利用する人材の数を増やしていくことが最も重要であると考えております。このため、当社は2020年4月、5月及び2021年3月にテレビCMを中心としたメディアミックス型認知度向上施策の展開を開始し、「コグナビ」ブランド認知度の向上と「コグナビ」各サービス登録会員数の増強に取り組んでおります。
②テクノロジーとビジネスモデルによる競合優位性の確立のための取り組み
当社は、これまで製造業のうち収益性の高い「主要8業種(自動車、輸送用機械、産業用機械、精密機器、電気機器、家電、電子部品、情報通信)」に集中し、同時にICTの活用による営業活動の効率化に取り組むことで、エンジニア派遣他社よりも高い売上高総利益率を実現してまいりました。
さらに当社は、数年間にわたる時間をかけて先行投資を行い、独自のAIを活用した独自のスキルマッチング機能を有するプラットフォーム「コグナビ」を構築し、この「コグナビ」テクノロジーを基盤として全ての機電系及びITエンジニア人材の流動局面を捕捉し得るサービスラインアップを2021年3月期までに整備いたしました。「コグナビ」テクノロジーを基盤として全ての機電系及びITエンジニア人材の流動局面を捕捉するという当社のビジネスモデルは、あまり類例を見ない革新的なものであり、国内エンジニア派遣企業他社のそれと明確に異なっております。従って、「コグナビ」テクノロジー及び「コグナビ」ビジネスモデルは当社の差異化・競合優位性の源泉であり、当社が求人企業・求職人材双方に対して独自の付加価値を提供する基盤となります。
今後当社は、「コグナビ」各サービスを本格展開することを通じて、競合優位性を顕在化させていく方針です。
③財務体質の強化と流動性資金の確保への取り組み
当社は、これまでも健全な財務体質の構築に取り組んでまいりましたが、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大による環境の変化を踏まえて、銀行借入による手許資金の積み増しを行いました。この結果、現時点で6ヶ月分以上の月間支出額に相当する手許資金(銀行借入枠を含む)を確保しております。
当社は、今後も引き続き取引金融機関からの高い信用力を維持し、適時に流動性資金を確保できる状況を整備する方針です。
④リスク管理の強化への取り組み
当社は、これまでもリスクを事前に回避すること及び万一リスクが顕在化した場合の被害最小化を図ることに取り組んでまいりましたが、外部機関を利用したリスクの洗い出しを実施し、定期的な社内教育の実施や、BCPに基づいた訓練や情報セキュリティに関する社内教育を継続的に実施するなど、リスク管理の体制を強化してまいります。
⑤新型コロナウイルス感染症への取り組み
当社は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続する状況において、業務プロセスの見直しを積極的に行い、在宅勤務や労働時間の弾力的な運用にも耐えられる業務システムを構築するため、新たなシステムの導入検討などを積極的に進めてまいります。
当社の事業活動及びその他に係るリスク要因について、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には例えば以下のようなものが挙げられます。但し、これらは当社の事業活動全てのリスクを網羅したものではなく、従って当社業績に影響を与え得るリスク要因はこれらに限定されるものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。
(1)人材採用
エンジニア派遣サービスが売上高の大半を占めている当社にとって、十分な数のエンジニアを採用しこれを維持することは業容拡大の必須事項であります。当社は、機電系及びITエンジニア人材市場全体を網羅し、AIを活用したマッチング機能を有するプラットフォーム「コグナビ」により、派遣社員・正社員・理工系学生と、全ての求職者との直接的な接点を持つサービスを展開しており、今後も当社のブランドや当社のエンジニア派遣サービスの知名度を高めるための施策等を実施し、エンジニアの確保に努めていく予定です。
しかしながら、日本社会全体の人口減少による国内におけるエンジニア人材数の減少、派遣労働者としての就職を希望するエンジニア人材の減少、メーカーによるエンジニアの直接雇用の拡大や、同業者による採用競争の激化、当社の知名度を高めるための施策等が奏功しないこと、エンジニア業界における当社のレピュテーションの低下等によりエンジニアの確保が困難となった場合や、エンジニアの採用競争の激化や、それに伴うエンジニア人材の給与上昇等に対し、これに応じた派遣料金を設定できない場合などにおいて、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
さらに、日本国内における人口減少等に伴い、エンジニア人材市場の規模は今後縮小傾向にあるため、それを克服する施策が不十分である場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、十分な数のエンジニア人材を採用し、在籍エンジニア数を維持・拡大することが重要であると認識しており、独自のAIを活用したエンジニア人材のスキルをベースにしたダイレクトマッチングシステム「コグナビ」ブランドの知名度を高めるための施策等を実施し、エンジニア人材の確保に努めていく方針です。
(2)マクロ経済動向
大規模な自然災害等の事象、感染症の影響、金融危機、世界的な貿易摩擦、地政学的リスクの顕在化などを契機として経済活動が長期間にわたって低迷し国内外の景気が悪化した場合、特に当社の主要顧客企業である機電系8業種の製造業の業績や景況感に悪影響を与える事象が発生した場合には、顧客企業における経費の削減や人事方針の転換、採用需要の減少等により、エンジニア派遣サービスにおける派遣エンジニア数の減少及び稼働率の低下、稼働時間の減少、契約条件の悪化、エンジニア紹介サービスにおける成約数の低迷や利用企業数の減少等が起こる可能性がございます。また、当社のエンジニア派遣に係る契約期間は多くの場合3ヶ月であるため、景気が急激に悪化した場合には比較的短期間のうちに多数の契約が終了する可能性がございます。これらの状況が起こった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、「コグナビ」のスキルマッチングの仕組みを活用し、顧客企業のニーズに即したエンジニア人材を抽出し、また、求職人材のニーズに即した就業先企業を抽出しております。当社は「コグナビ」のスキルマッチングを駆使することにより、厳しい外部環境の下でもその影響を最小限に留め、業績回復に努めてまいります。
(3)当社事業に関する許認可及び法的規制等
当社は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(労働者派遣法)、職業安定法に基づき、下記のとおり厚生労働大臣より労働者派遣事業、有料職業紹介事業の許可を取得しております。
|
許可事業 |
届出官庁 |
事業許可番号 |
許可年月日 |
有効期限 |
|
労働者派遣事業 |
厚生労働省 |
派13-304405 |
2009年7月1日 |
2022年6月30日 |
|
有料職業紹介事業 |
厚生労働省 |
13-ユ-304168 |
2009年7月1日 |
2022年6月30日 |
当社は、取得した事業許可に従い、エンジニア派遣及び有料職業紹介を行っておりますが、禁止業務への派遣や当局による是正指導に従わない等、関係諸法令に違反した場合には、事業の許可取消、事業停止等の処分を受け、又は違反の事実が公表されるなどのリスクがありますが、現時点でそのような問題はございません。当社では、社内規程の整備、運用の徹底により法令遵守の体制を構築しておりますが、関連諸法令に抵触する行為が発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
また、労働者派遣法をはじめとする関係諸法令は、経済環境、社会情勢の変化に伴い、その内容の見直しが行われており、当社事業に著しく不利な改正が実施された場合には、当該改正に対応するための追加的な支出が必要となり、また、顧客企業の派遣エンジニアに対する需要自体が減少する可能性もあり、これらの場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
労働者派遣法の改正により、2020年4月から、正規労働者と非正規労働者の待遇格差を是正するための所謂「同一労働同一賃金」が導入されました。「同一労働同一賃金」に係る規制を遵守するために、派遣元事業主において労働者の過半数代表者又は労働者の過半数により組織された労働組合との間で、派遣労働者の待遇に関し法令の要件を満たす労使協定を締結することが認められておりますが、当該労使協定においては、派遣エンジニアに支払う給与の金額が「同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金の額」と同等以上となることを定める必要があります。これにより、平均的な賃金の額が上昇した場合には、当社が支払う給与の金額がその分増加することになり、この増加に応じた派遣料金の改定を実施できない場合や派遣料金の改定により顧客企業の派遣エンジニアに対する需要自体が減少した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、社内規程の整備と適切な運用に努め、関連諸法令を遵守する体制を構築しております。今後も関連諸法令の改正動向を注視しながら、事業許可の維持と関連諸法令の遵守に注力する方針です。また「同一労働同一賃金」の導入に伴う派遣料金改定が完了していない顧客企業との交渉を継続し、適切な単価改定の実現に取り組む方針です。
(4)競争環境
当社が属するエンジニア派遣・紹介市場は、激しい競争にさらされており、その競争は近年激化しております。
エンジニア派遣サービスにおける競合企業は、規模、派遣料金、資金力、営業力、マーケティング力、顧客基盤、エンジニアへのアクセス及び技術力等の点において当社より優れている場合がございます。また、当社は、エンジニア紹介サービスにおいて、オンラインで求人情報を提供する企業とも競合しております。これらの競合企業が「コグナビ」と類似のマッチング機能を使用したサービスを導入する可能性もございます。さらに、労働者派遣法の改正による「同一労働同一賃金」の導入に伴う派遣エンジニアの人件費増加や市場成長の鈍化を背景として今後エンジニア派遣・紹介業界において寡占化や再編が起こる可能性がございます。
当社が競合企業やその他の競合するサービスに対する競争力を維持することができなかった場合、あるいはエンジニア派遣・紹介業界における寡占化や再編の動きに対応できなかった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は「コグナビ」の技術的優位性の維持・向上、サービス認知度向上などによる人材獲得の強化、顧客企業のサービス利用度向上などによって競争力の維持・向上に努める方針です。また、業界動向を注視し、寡占化や再編の動きを当社にとって有利な形で活用するよう努めてまいります。
(5)技術革新
当社はAIを始めとする様々なICTを活用して事業を展開しておりますが、ICTに関する技術革新のスピードは極めて速く、また当社が属するエンジニア派遣・紹介市場における顧客ニーズも技術革新と連動しつつ様々に変化しております。
今後、技術革新や顧客ニーズの変化が世間一般の想定を超えたスピードと範囲で進んでいく可能性が考えられます。こういった動きに対する当社の対応が遅れた場合は、当社の技術的優位性が低下したり、あるいはその対応に多額の投資・費用が必要となったりする可能性がございます。これらの状況が起こった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社のスキルをベースにしたダイレクトマッチングシステム「コグナビ」は、ツリー構造によるスキルの構造的・体系的記述方式、AIに蓄積されている技術用語(約159,000語)、AIによる自然言語処理(文献の自動読み込み、技術用語の自動抽出、技術用語を相互に関連付ける「関係線」の自動設定など)、「スキルツリー」「テクニカルツリー」に基づくマッチングアルゴリズム、「マッチングスコア」の算出など、様々な付加価値の源泉の多重構造をその基盤としており、他社には容易に模倣されない知的財産であると自負しております。
(6)新規事業の成否
当社は、従来からの主業であり、現在の当社の売上高の大半を占めるエンジニア派遣サービス「コグナビ 派遣」に加えて、スキルをベースにしたダイレクトマッチングシステムを駆使した下記4つのサービスを提供しております。(詳細につきましては前記「第1 企業の概況 3 事業の内容」の記載をご参照ください。)
●コグナビ 転職(機電系エンジニア人材紹介サービス、2018年7月開始、ITエンジニア人材紹介サービス「コグナビ 転職IT」は2020年7月開始)
●コグナビ 新卒(理工系新卒学生向け就職紹介サービス、2019年7月開始)
●コグナビ タレントマネジメント(企業内エンジニア配置最適化サービス、2019年10月開始)
●コグナビ カレッジ(企業内エンジニア向け研修仲介サービス、2019年2月開始)
しかしながら、これらのサービスで予定どおりの機能が実現できないなどにより計画どおりサービスを提供できない状況となった場合や、新規サービスの知名度を高めることを目的とした広告等がエンジニア人材や顧客の十分な獲得につながらなかった場合、サービスの開始に遅延又は障害が生じた場合などには、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
また、サービスに係る各分野における当社の経験不足や競合企業の存在、当社及び「コグナビ」の知名度や評判の低迷、その他、本「事業等のリスク」に記載のリスク要因の顕在化等により、サービスが計画どおりに普及しない場合やシステム利用料の徴収等当社の意図する料金体系を導入できない場合などには、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、これら各種サービス共通のブランドである「コグナビ」の認知度を高めることを目的として、2020年4月、5月及び2021年3月にテレビCMの放映を実施いたしました。当社は、大手広告代理店の支援を受けてこれらのプロモーションの効果を確認した上で、今後もエンジニア人材獲得のため、テレビCMを含めたプロモーション施策を展開していく方針です。
(7)エンジニア正社員雇用・労務
当社は2022年3月31日現在で3,870名の技術社員を正社員として雇用しております。
技術社員の解雇は法令上容易でなく、また、顧客企業に派遣されていない技術社員についても法令上一定割合の給与を支払う必要があります。そのため、エンジニア需要の減少、紛争、法規制の変化、経済危機などの急激な社会情勢の変化、他社との競合激化等によってエンジニアの派遣者数の減少、エンジニア派遣に係る契約期間の短縮、稼働率・稼働時間・稼働日数の低下などが発生した場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
また、給与や就業時間をはじめとした雇用条件等に関して、当社技術社員やその他従業員との間で紛争が発生する可能性がございます。このような場合、当社の社会的信用が失われ、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、「コグナビ」のスキルをベースにしたダイレクトマッチングシステムを活用して、顧客企業のニーズに即したエンジニア人材と求職人材のニーズに即した就業先企業をそれぞれ抽出することで、常に当社技術社員の稼働率を最大化しながら最適な雇用条件を設定するように努めております。さらに、当社は、社員の労働環境に配慮した労務管理を実施しており、eラーニングを活用して各自の経験や技術に応じた教育研修を実施し、技術社員のスキルアップに努めております。
(8)コンプライアンス
当社が派遣する技術社員は一般的に顧客企業事業所内で業務に従事しておりますが、彼らが各種法規制や、顧客企業の規程、当社の規程等に違反して業務遂行の過程で取得した機密情報を漏洩するなどした場合、顧客企業との間に紛争等が発生する可能性がございます。
さらに、これらの紛争等が訴訟に発展すると、その推移によっては損害賠償義務が発生したり、社会的信用が失われたりする可能性があり、そのような場合には当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
また、コンプライアンスに反する行為が当社役職員により行われた場合、直接的な損害への賠償に加え、当社の社会的評価の悪化等によって顧客企業との取引が停止になったりエンジニア人材の採用が困難になったりするなどして、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、コンプライアンス規程を定め、社員に対して定期的に研修を行って、コンプライアンスの徹底を図っております。また、当社は、顧客企業に対しても、契約に基づく労働時間の管理や必要な手続きの徹底を要請し、法令遵守を働きかけております。
(9)情報の管理及びセキュリティ
①顧客情報の管理
当社は、技術社員である多数のエンジニアを顧客企業に派遣しております。当社が派遣したエンジニアは、当社の事業に係る情報のほか、顧客企業の機密情報に触れる機会が多く存在し、また、顧客企業の組織に関する情報も取り扱っております。特に開発部門等は機密性の高い業務に従事する事が多く、就業規則やマニュアル等で機密情報の管理を周知徹底しておりますが、これらの情報について漏洩が発生した場合には、顧客企業からの信用を損なうリスクや法的責任を負う重大なリスクが発生することを認識しております。
②個人情報の管理
また当社は、エンジニア派遣・紹介事業を主たる事業としており、エンジニア人材及び理工系学生を始めとした多くの個人情報を取り扱っております。これらの情報(当社の機密情報、個人情報等)を適正に管理・保管し、利用することが、特に重要であると考えております。
また、当社はプライバシーマークを取得し、個人情報の管理に関しては常に細心の注意を払っております。
これらの施策にも関わらず、顧客企業の機密情報や個人情報の外部流出が発生した場合やそれらの情報を違法又は不適切に管理又は利用したものとみなされた場合には、当社の社会的信用が失われるほか、損害賠償請求等により当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。また、当社の情報システムにおけるデータ損失や漏洩により、当社の業務運営に支障が生じる可能性がございます。
さらに、将来的に機密情報や個人情報の取扱いに係る規制又はその運用が厳格化された場合、当社の提供するサービスの質や利便性の低下等をもたらし、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、当社が派遣したエンジニアが機密情報に触れる機会が存在し得る業務に関与することが多いことを踏まえて、就業規則やマニュアル等で情報管理の重要性の周知徹底に努めております。また、当社はプライバシーマークを取得し、個人情報の管理に関して常に細心の注意を払うように努めております。加えて、監視ソフトウェアを導入して情報漏洩の抑制にも取り組んでおります。
(10)ICTシステム障害
当社は、「コグナビ」の各サービスでICTを駆使したビジネスモデルを構築し、効率的に事業を推進しております。従って、情報システムの停止、ネットワークのトラブルや大規模な自然災害等によるシステム障害が発生した場合、それらの復旧作業による直接・間接コストの発生や業務の停滞、当社の社会的信用の低下や法的責任が生じる可能性がございます。当社は、システム障害リスクを検討し、障害を未然に防ぐ体制を整備しております。
しかしながら、当社の想定を超えた事態により、システム障害が発生した場合には、事業活動が停滞し、又は情報システムの整備に係る費用が増加することにより、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
また、当社は、「コグナビ」によるマッチング機能の開発及び管理の一部について、第三者が提供するシステムやソフトウェアを利用しております。そのほか、当社は、当社のサービスに関するデータの保存について、第三者が提供するクラウド等のサービスに依存しております。
従って、ネットワークのトラブルや自然災害等による情報システムの障害・停止などが発生した場合、それらの復旧・整備作業に伴う直接・間接コストの発生、当社業務の遅延・停滞、当社の社会的信用の低下、これらに関する法的責任などが生じる可能性がございます。また、当社が当該第三者のサービスを利用できなくなった場合には、当社のサービスの運営が困難となり、他の代替サービスを利用するための費用が生じるため、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
さらに、当社の情報システムにおいてデータの損失や漏洩が発生した場合、当社の業務運営に支障が生じる可能性や当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、これらのシステム障害リスクを検討し、障害の未然防止と損害の最小化に取り組む体制を整備しております。例えば、社内システムで保存しているデータについては、一定の頻度でバックアップ保存を行っております。また、第三者サービスの利用にあたっては当該サービス及び提供事業者の評価を行い、セキュリティの確保に努めております。
(11)知的財産権
当社は、「コグナビ」の基盤となっている技術等に関連した複数の特許を既に出願しておりますが、また今後も必要に応じて知的財産権の出願・登録などを行っていく方針です。但し、それらによって競合他社による当社の知的財産権の不適切な使用を完全に防止できる保証はなく、また、競合他社が独自に類似の技術を開発する可能性もございます。また、万一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合、当該第三者から訴訟等を提起され補償等の支出が必要となる可能性があるほか、社会的信用の低下や当該知的財産権を利用したサービスの停止等により、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、「コグナビ」の基盤技術等は他に例を見ないものであると自負しております。また、特許出願にあたって関連特許の調査を行っており、今のところ第三者特許侵害の可能性はございません。
出願済み特許は、他社による当社知的財産権の不適切利用に対する一定の抑制効果を有しており、さらに当社の知的財産が長年にわたって構築された重層的構造を有していることから、当社の知的財産は総体として他社が容易に模倣しにくいものであると考えております。
(12)自然災害・事故
当社は、国内に複数の事業拠点を有しておりますが、自然災害や事故については、全役職員の安否確認システムを導入するほか、損害保険等による被害の補填対策を講じております。
しかしながら、地震や風水害等の自然災害や予期せぬ事故等により、当社あるいは顧客企業の施設や設備が損壊する等の被害が発生した場合には、サービスの提供を継続することができなくなる等の可能性があり、そのような場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
(13)疫病、感染症等の蔓延
新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大のような感染症や疫病の蔓延に対処するために、緊急事態宣言等の措置が取られることで、人や物の流れが滞って経済活動が停滞し、当社顧客企業の事業所が雇用調整や休業を余儀なくされる等の状況が発生した場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
さらに、感染症や疫病の感染を防止するため、在宅勤務等の勤務形態の多様化が進んだ場合、顧客企業への訪問機会が減少したり当社のエンジニア人材採用活動や業務活動に制約が発生したりする等、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がございます。
当社は、ICTの活用による顧客企業向けの営業活動やエンジニア人材採用活動の効率化に取り組んでまいりました。また、新型コロナウイルス感染症の感染防止の観点から、エンジニア人材との面接や社内会議をリモート形式で実施するため、オンラインシステムを活用しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(2021年4月1日~2022年3月31日)におけるわが国の経済は、景気は持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による影響を受けた一年となりました。当社の主要顧客である大手製造業においては、原材料価格の高騰や半導体不足等の影響を受けており、更にウクライナ情勢によって、先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の下、当社は当事業年度において、業績の早期回復に向けての準備に取り組んでまいりました。主力のエンジニア派遣サービスでは、稼働人員数は期初より継続して増加し、10月以降の稼働人員数は6ヶ月連続で前年同月を上回り、稼働率はコロナ前の高水準を維持いたしました。また、期初より待機者の改善に注力し、当事業年度末の待機者数は前年同期末に比べ大幅に減少いたしました。新型コロナウイルス感染症の影響を受け減少したエンジニア派遣サービスの案件数は、派遣エンジニアの需要も回復基調にあり、当事業年度末にはコロナ前の水準まで戻ってまいりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は26,914百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益は1,834百万円(同21.9%減)、経常利益は1,816百万円(同20.2%減)、当期純利益は1,248百万円(同7.1%減)となりました。
なお、当社はエンジニア派遣・紹介事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(資産)
当事業年度末における流動資産は17,359百万円となり、前事業年度末に比べ742百万円減少いたしました。これは、主に投資有価証券の取得や自己株式の取得により現金及び預金が607百万円減少したことによるものであります。固定資産は3,408百万円となり、前事業年度末に比べ617百万円の増加となりました。これは、主にERPシステムが608百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は20,768百万円となり、前事業年度末に比べ125百万円減少いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は8,793百万円となり、前事業年度末に比べ29百万円減少いたしました。これは、主に課税所得の減少により未払法人税等が184百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は8,793百万円となり、前事業年度末に比べ29百万円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は11,974百万円となり、前事業年度末に比べ95百万円減少しました。これは、株式報酬制度の導入による自己株式を189百万円取得したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は57.7%(前事業年度末は57.8%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ787百万円減少し13,690百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,456百万円(前年同期は2,695百万円の獲得)となりました。
これは主に、法人税等の支払額が716百万円あった一方で税引前当期純利益1,816百万円計上されたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は838百万円(前年同期は373百万円の使用)となりました。
これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出615百万円や投資有価証券の取得による支出200百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,405百万円(前年同期は2,806百万円の獲得)となりました。
これは主に、配当金の支払額1,237百万円や自己株式の取得による支出205百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は、エンジニア派遣を中心とするサービスを提供しているため、該当事項はありません。
b.受注実績
当社は、エンジニア派遣を中心とするサービスを提供しているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当社はエンジニア派遣・紹介事業の単一セグメントでありますが、エンジニア派遣とその他の二つのサービスがあります。当事業年度における販売実績は、次のとおりです。
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名称 |
当事業年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
|
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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エンジニア派遣サービス |
26,772 |
96.9 |
|
その他 |
141 |
140.0 |
|
合 計 |
26,914 |
97.1 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等の分析
当社の当事業年度の経営環境としては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が一年を通して継続し、日本国内においても感染拡大防止が最優先となるなど、経済活動の一定の制限が続く状況となりました。
このような環境の下、我が国が現在直面している構造的なエンジニア不足の環境において、AIを駆使した当社独自のスキルマッチング技術「コグナビ」各サービスの浸透と拡充に取り組んでおります。
エンジニア派遣サービス「コグナビ 派遣」は、回復基調にある顧客企業の需要に確実に応えるべく、待機者数の減少が進んだ11月以降、中途採用の強化並びに翌事業年度に向けて新卒採用の拡大等による人材確保に取り組みました。
中途採用向けエンジニア紹介サービスである「コグナビ 転職/転職IT」は、企業の採用意欲が次第に回復している中、サービスのターゲットとなる事業所の求人需要を的確に把握することに注力し、求人獲得に向けたアプローチを強化いたしました。また、10月下旬から11月上旬にかけて首都圏のJRや東京メトロ各線等に交通広告を掲出し、会員数の増加を促しました。
理工系学生のための就職支援サービスである「コグナビ 新卒」は、サービスを利用して企業に採用された学生数は当事業年度末時点で前年度の年間採用者数の4倍以上に増加しました。
エンジニア育成の研修を大学で実施するために両者の連携をサポートするサービス「コグナビ カレッジ」は、当事業年度末時点において、研修受け入れ先として東西に亘る複数の大学と契約を締結しました。
企業内エンジニア配置最適化サービスである「コグナビ タレントマネジメント」では、利用契約を企業単位だけでなく技術部門など部署単位でもご利用いただけるサービス「部署マネ」を導入した結果、トライアル実施企業並びに導入企業が増加いたしました。
以上の結果、当事業年度の売上高は26,914百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益は1,834百万円(同21.9%減)、経常利益は1,816百万円(同20.2%減)、当期純利益は1,248百万円(同7.1%減)となりました。
なお、当社はエンジニア派遣・紹介事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの業績の記載は行っておりません。
また、財政状態及びキャッシュ・フローの分析については、(1)「経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
前記 2「事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金・設備資金については、主に自己資金により充当しております。当事業年度末の現金及び現金同等物は13,690百万円となり、将来に対して十分な財源及び流動性を確保しております。
また、不測の事態に備えた資金の流動性を確保する手段として、取引金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しております。
今後の重要な資本的支出としては、第3「設備の状況」3「設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり、基幹系情報システム(ERP)等の、ソフトウエア開発投資を予定しており、その調達源については、自己資金を予定しております。
d.経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営課題として、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による景気の落ち込みからの回復への対応が挙げられます。当社は、2022年3月期の売上高・利益が前事業年度より減少したことから、2023年3月期には次のような打ち手を実施いたします。
ワクチン接種による経済活動の正常化に伴うエンジニア需要の回復に合わせ、エンジニア派遣サービスでは、2022年3月期に就業していない技術社員の減少に注力し、稼働率がコロナ前の水準まで回復したことから、技術社員の新規採用並びに理工系新卒学生の採用に積極的に取り組んでまいります。
さらに、経済活動の正常化に合わせ、エンジニア紹介サービスなど当社が提供する各種「コグナビ」サービスの本格的な成長を目指してまいります。
なお、当社の中長期的経営課題とそれらへの取組状況につきましては「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しておりますので、ご参照ください。
該当事項はありません。
該当事項はありません。