第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは「私たちの使命」として以下の二つを掲げています。

・教育を通じて社会に貢献する。

・未来に輝く子どもたちを育てる。

この使命を果たすにあたり、「私たちの約束」として「共に育つ」を掲げております。

これは職員・保護者・子どもたちが共に育つ環境を整え、実践していくことが「私たちの使命」の達成に不可欠であると考えるからです。

 

当社グループの企業ビジョンは以下の二つです。

① 教育を通じて社会に貢献し、「世界中の人々から最も必要とされる教育関連企業グループ」を目指します。

数多くある園の中で利用者が一番に選びたくなる園を目指します。海外においても当社の幼児教育サービスを提供することを目指していきます。

② 一人一人に寄り添うサービスを通じて、未来に輝く子どもたちを育てていきます。

この実現に向け、最先端の教育理論とテクノロジーに、上質なデザインを重ね合わせて、最も優れたサービスモデルを構築します。

具体的には実際に施設を利用・使用する子どもたち、保護者、職員の機能性に加え、感性に寄り添うデザインを施しております。従来の保育施設に比べ彩り豊かなライティングや壁紙、また施設内の照度を高めに設定した照明計画により明るさと暖かさを兼ね備え、子どもに加え大人たちも穏やかな気持ちで過ごすことのできる空間を目指しております。

また認可外保育施設においては、前日正午まで新規予約・変更を行うことのできる仕組みをはじめ、保護者の利便性という点からも優れた選ばれるサービスモデルを追求してまいります。

またレッジョ・エミリア・アプローチや非認知能力育成のプログラム開発等常に最新の幼児教育理論を導入してまいりましたが、今後もその研究・実践を継続してまいります。保育現場の安全性・保育の質の向上、利用者様にとっての利便性向上、保育士の働き方改革等を目的に業務支援ICTツールをはじめ最新テクノロジーも積極的に導入してまいります。

上質なデザインは園児の成長のみならず、保護者・保育者の満足度、当社や園のブランディングにも寄与していくものと考え丁寧に取り組んでまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、企業価値の増大を図っていくための成長性・収益性の経営指標として、以下の項目を重視しております。

施設数

売上高

EBITDA

営業利益

経常利益

事業活動の全体の成長の指標となる施設数及び売上高、また事業活動の成果及び収益性を示すEBITDA(営業利益+減価償却費) 、営業利益及び経常利益を重視する指標としております。

 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループが属する保育市場は、共働き世帯は年々増加しており、内閣府の「令和5年版男女共同参画白書」によると2022年の共働き世帯数(妻64歳以下)は1,191万世帯となり、女性の社会進出を背景とした保育需要は、引き続き堅調に推移しております。政府は保育所利用の待機児童の解消に向けて、認可保育施設の新設整備を進めた結果、保育施設数、利用定員ともに毎年増加しており、待機児童数も減少傾向となりました。2020年12月には、厚生労働省は「新子育て安心プラン」を公表し、2021年度から2024年度末までの4年間で約14万人の保育の受け皿を整備する方針を打ち出しています。一方で2019年10月には幼児教育・保育の無償化がスタートし、対象家庭の可処分所得の増加にも直接つながることから、利用者の拡大が期待されます。また政府は、子どもを取り巻く行政分野のうち、内閣府や厚生労働省が担っていた事務の一元化を目的に「こども家庭庁」を2023年4月1日に発足し、少子化対策として、児童手当の拡充や、保護者の就労要件を問わず柔軟に保育施設を利用できる制度の導入などの方針を打ち出すなど、国をあげて子ども・子育て重視の政策が進められています。

上記の見通しを踏まえ、当社グループでは、持続的な成長のために中長期的に以下の基本戦略に取り組んでまいります。

 

<基本戦略>

① 待機児童数が減少するなど、認可保育所を取り巻く環境が変化していく中で、保護者が選びたくなる園である為に、幼児教育に力を入れた園づくりに取り組んでまいります。

東京都を中心とした新規開園戦略により、幼児教育を提供する場としての認可保育所の開設を継続するとともに、保護者が選びたくなる園として、当社グループオリジナル教育プログラム「KID'S PREP. PROGRAM」の提供など保育サービス内容の充実により定員充足率の向上を図ってまいります。

 

② 民間教育サービスへの投資を強化し、対象年齢の拡大に取り組みます。

未就学児を対象とする認可保育所・幼稚園以外の民間教育サービスについては、2018年4月からの保育所保育指針の改訂や、2019年10月からの幼児教育無償化に伴い、対象家庭の可処分所得の増加にも直接つながることから、需要は益々高まるものと思われ、利用者の拡大が期待されます。当社グループでは、既存のプレスクール一体型保育所のノウハウを活かし、英語やモンテッソーリ、体操、受験対策に力を入れた幼児教室の新展開や、就学児を対象とするハイエンドの学童・アフタースクールの展開等に重点投資し、対象年齢層の拡大等を進め、事業における民間教育サービスのシェアを高めていきます。

既に展開し人気を博しているキッズガーデンプレップスクール(認可外保育施設)が、よりプログラム内容を充実させ、1歳~9歳までの一貫教育を実現する保育・幼児教育・学童が一体となったフラッグシップとして、当社の教育プログラム・コンテンツの開発拠点としての役割りも担う「キッズガーデン南青山(2021年10月オープン」はオープン以来多くのお問合せをいただいており、2023年4月に開校の当社初のバイリンガルスクールであるキッズガーデングローバルスクール錦糸町(バイリンガル教育を通じて英語と日本語を基礎から身につけ、将来グローバル社会で活躍できるように育む3歳から6歳までの幼児を対象とした教育保育施設。)の開発に繋がっております。

教育プログラム・コンテンツ開発の取り組みとしては、南青山スイミングスクール開校にあたり、株式会社IMPRINTと「スポーツ科学×幼児教育」のノウハウで水泳を通して、子どもたちの「非認知能力」を育むことを目指して、金メダリスト北島康介氏が監修する「KITAJIMAQUATICS」のオリジナルプログラムを採用しました。

また2023年3月に株式会社リソー教育及び同社の子会社である株式会社伸芽会と、当社及び当社子会社である株式会社 Kids Smile Projectとの4社で、それぞれのサービスの相互支援を実効的に行うとともに、提携活動をより円滑化させ強化を図るため、当社及び株式会社リソー教育の普通株式の相互持合い(資本提携)をする資本業務提携契約を締結しております。

具体的には、当社子会社である株式会社 Kids Smile Projectと株式会社伸芽会とで相互に取締役を派遣することで更に関係を強化するとともに、共同開発したオリジナル教育プログラム「「KID'S PREP. PROGRAM」及び構築する事業スキームの全国の保育園や認定こども園等への展開、採用システム・研修制度の確立によって優秀な人材の確保をおこなうこと、ならびにコンテンツ力、ブランド力、集客力の強化を図り今後の成長戦略の基盤を築いていくことなど包括的に業務提携をおこなっております。

民間教育サービス事業においては、東京都中心部からエリアを広げて、地域ニーズに沿ったサービス内容、通いやすい料金設定のサービスモデルによるセカンドラインの開発に取り組んでまいります。

また地方展開を視野に入れた既存事業のフランチャイズ化による提供サービスの拡大、海外展開、同業のみならずインターナショナルスクール・学童・幼児教室・シッター派遣等の関連業種とのアライアンスやM&Aも検討してまいります。

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

当社グループはさらなる事業拡大に向けた重要課題として以下の点に取り組んでまいります。

 

① 人材の確保・労働環境整備の取り組み

質の高い保育・教育サービスを提供し、保育施設等を継続して開設していくためには、保育士資格等を有する優秀な人材の確保が不可欠です。

 当社グループでは、通年で採用活動を行うとともに、従業員の給与の改善や人事評価制度の構築・改善、各運営施設に対する本部運営機能・管理体制の強化による現場職員へのケア、安全管理体制、働き方改革等の徹底を推進する等、働きやすい環境づくりに注力しております。

 

② 提供サービスの質の向上

各分野の専門家集団との連携を構築し、「KID'S PREP.PROGRAM」やモンテッソーリをはじめとする教育プログラムの導入や、教育研修制度の充実を図り、提供サービスの質の向上に向けて取り組んでまいります。

 

③ コンプライアンスへの取り組み

当社では、多くの子どもを預かる事業を行っており、認可保育事業は許認可事業です。従って、児童福祉法等の関連法令の遵守が事業継続の大前提です。またサービス利用者の個人情報を有しており、当該情報を取り扱うことも多いことから、個人情報の管理は重要なものであると認識しております。コンプライアンスの徹底が求められる中で、当社グループでは、適宜改正される法令に対応すべく、諸規定等のルールや社内管理体制を整備・徹底し、役職員全員に対する研修等により、日常的にコンプライアンスに対する意識を高め、適正に業務を遂行してまいります

 

④ 収益基盤の多様化

当社グループの運営する認可保育園の多くは、国や自治体からの補助金を基盤として運営されており、事業は安定的に推移いたしますが、政策や制度変更の影響を受け易い傾向があります。一方、幼児教育無償化により可処分所得の増加による影響も伴い民間教育サービスの市場は拡大すると見込んでおります。このような環境を踏まえ当社グループでは、補助金に頼らない民間教育サービスの展開に重点を置き、既存のプレスクール一体型保育所のノウハウやブランド力・知名度を活かし、学童保育等の新サービスの展開・海外展開・フランチャイズ化・他社とのアライアンス等収益基盤の多様化に取り組んでまいります

 

⑤ 保育所・教育施設開園用不動産の確保

当社グループが開園する保育所・教育施設は、不動産所有者から土地や建物を賃借します。自治体のニーズや保護者の期待に応えられる候補地を短期間で探し出すために、当社グループでは金融機関や不動産開発業者等と常に必要な不動産情報が交換できる関係を構築しており、金融機関は取引実績によるものから、不動産開発業者とは過去の成約実績からその関係を強固なものにしております。今後におきましても、広域での不動産情報の入手のため、関係強化に努めるとともに、適切な開設候補地の開発に取り組んでまいります

 

 

◇ 新型コロナウイルス感染症の影響及び対応

新型コロナウイルス感染症の拡大の波がくり返す中で、当社グループは運営する認可保育所、プレスクール一体型保育所及び幼児教室等において、より良いサービスの提供とともに、社会福祉の重要な拠点としてその事業を確実に継続することができるよう、子どもたち及び保護者の安全を第一に考え、また従業員が安心して働けるよう、対策とその実行に取り組んでおります。政府の基本的対処方針の変更、「マスク着用の考え方の見直し等について」(2023年2月10日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)を受け、2023年2月17日付厚生労働省子ども家庭局保育課事務連絡「保育所等における新型コロナウイルスへの対応にかかるQ&Aについて」を参考に感染拡大防止の措置を講じ感染の予防に努めるとともに、感染者が発生した場合は、各自治体とも連携して臨時休園または規模を縮小しての開園を実施する一方、本部においては在宅勤務や時差出勤を実施するとともにオフィス内での感染防止対策を講じてまいります。

なお、認可保育所は毎月月初の在籍園児数に応じて補助金が交付される制度となっており業績に与える影響は軽微でありますが、当社グループでは財務の健全性を図りつつ、保育所等の開設に必要な資金についても安定的に調達をするために財務基盤の安定性確保に努めております。

当面、「ウィズコロナ」の取り組みは継続することが想定されます。安全・安心志向、リモートワークなどの働き方改革、デジタルシフト等、生活様式にも大きな変化が起こっています。また緊急時においては特に医療・交通・金融・警察・消防・社会福祉等の社会生活を維持する上で必要なサービスに従事している保護者の方に保育・幼児教育等を提供することについても、ますます重要になってまいります。

当社グループは、お子様、保護者様、取引先、従業員の安全・安心確保の取り組みの徹底、働き方改革の推進による従業員の雇用の安定を図ると共に、オンラインコミュニケーションツール等を活用した保育・幼児教育サービスの提供等、新しい生活様式に対応した事業展開により企業価値の向上に取り組んでまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ関連のリスク及び機会に対するガバナンス体制

当社グループは保育・幼児教育サービス事業を通じて、持続可能でよりよい社会の実現に向けて取り組んでいます。保護者の出産・子育てを支援し、育児に積極的に取り組める環境づくりに携わることで、少子化のリスクに対応し、次世代の育成に貢献します。今の日本において強く求められている事業領域であり当社グループにとっては機会でもあります。

グループを挙げての取り組みとしていくために、サステナビリティプロジェクトチームを発足し、社内横断的な視点から、施策を検討してまいります。

 

SDGsターゲット

 

事業を通じて解決する社会課題

主な取り組み


質の高い幼児教育の提供

 

 

●最先端の教育プログラムの実践

●教育の専門家集団と連携したプログラムの開発

●外部へのプログラム提供

 

 


子育て支援の拡充・質的向上

 

●保育・教育施設の新規開設

●子どもの安心・安全に配慮した施設運営

●民間教育サービス事業のノウハウを活かした保育の質の向上

●子どもの成長を支える給食の提供

 


保育・幼児教育を通じた社会貢献

 

●働きながら子育てが出来る社会の実現

●オンラインを活用した保育の提供

●子どもや保護者と地域との交流機会の創出

●災害時の避難場所としての施設活用

●雇用機会の創出

 

 

 

① ガバナンス

当社グループでは、事業そのものが社会のサステナビリティにつながるものであり、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、定例取締役会において質の高い保育・幼児教育サービスの提供状況をチェックし、更に提供するサービスの拡大の状況を把握しております。

 

② リスク管理

「コーポレート・ガバナンス」、「リスクマネジメント」、「コンプライアンス」を重点テーマに掲げ、コンプライアンス規程、反社会的勢力に対する基本方針、個人情報管理規程、情報セキュリティ基本方針、ソーシャルメディア利用規程、リスク管理規程、内部通報規程、特定個人情報取扱規程を制定し研修などを通じてグループ社員へ周知を図っています。

また、代表取締役を委員長とした「コンプライアンス委員会」及び「リスク管理委員会」を設置し、リスクマネジメントを推進しております。

 

 

(2) 戦略

当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針としては、事業の特性上保育士等の資格保有者の採用を主に、性別、年齢、経験年数、障害の有無、国籍にとらわれず幅広く採用育成しております。また、職員の研修の機会を作り、スキルと意識の向上を図るよう成長を支援し、職員のやりがいと満足度を高めるとともに、利用者に対するサービスの向上を実現することが、高水準の人材を安定的に確保し続けることにつながると考えております。 

採用においては募集ルートの多様化などを進めるとともに、入社時研修、主任・園長研修、キャリアアップ研修、保育指針研修、施設運営研修、保健衛生研修、防災・安全研修などの階層別研修、目的別研修体制の構築と整備を図ってまいります。

また、海外の最新の教育事情などの情報収集や専門的な知見を高めるとともに、海外で実際に体験し理解を深めるための海外研修を行っております。

社内環境整備方針としては、ワーク・ライフ・バランスを整えながら働ける環境を整備し、社員一人ひとりが生き生きと活躍でき、ライフステージに合わせて仕事ができる施策として、出産前後や育児における休暇・休業、介護休業、時短勤務、フレックスタイム、在宅勤務の制度を整備しております。

社内研修、スキルアップのためのeラーニングやその他福利厚生支援のための総合型福利厚生サービスの導入など、より働きやすい職場環境の整備に積極的に取り組んでいます。

 

(3) リスク管理

当社グループにおいては、施設運営を適切に安定して行うことが最も重要な事項となります。

運営施設の監査体制を整備し、SVの巡回指導を基本として、社内の検査指導グループによる検査、内部監査、行政監査や第三者評価への対応を進めて、問題が発生する前に改善に努めております。また内部通報窓口を整備し、外部通報を含め、リスク管理委員会で迅速に対応できるように体制を整備しております。また全体的なリスク管理状況については取締役メンバーによるリスク管理委員会を適宜開催し、事業のリスク、施設運営リスク等について把握、対策検討を行っております。

 

(4) 指標及び目標

当社グループでは、上記「(2) 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

70%以上を維持

74.4%

労働者の男女の賃金の格差(正規雇用労働者)(注1)

2028年3月までに92%超

88.9%

男性労働者の育児休業取得率(正規雇用労働者)

2028年3月までに67%

40.0%

 

(注1) 男性賃金を100としたときの女性賃金の割合

 

 

3 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開等に関するリスク要因となる可能性がある主要な事項を記載しております。また必ずしも事業展開上のリスクに該当しないと考えられる事項についても、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

なお、以下の記載事項は特に断りがない限り、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 子育て支援における国や自治体の方針変更や関連法令等の改正等について

2000年に認可保育所の運営に株式会社を含む多様な運営形態が認められて以降、様々な事業者がその運営に乗り出しました。子ども・子育て支援制度において、国や自治体は待機児童解消に向けて多様な支援策を講じ、各事業者は業容を拡大しております。

また当社グループが現在運営する事業は、児童福祉法、子ども・子育て支援法、こども基本法及び食品衛生法等の法規制が存在します。

当社グループは今後も国の方針に基づき、各自治体との連携を深め業容拡大に邁進してまいりますが、国や自治体の方針が変更され、補助金の削減や株式会社による保育所の開設が制限される場合、又は、関連法令の制定・改廃が行われた場合、当社グループの事業活動が制約を受け、業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 認可事業であることについて

当社グループが運営する保育所の多くは、児童福祉法に基づき施設ごとに所轄する自治体宛に保育所開設の申請を行い、審査を経て許可等を受け運営されております。当社グループの運営保育所において、過去に認可等の取消事例はありませんが、今後、何らかの事由により認可等が取り消される場合や、新規施設の認可等が得られない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 子ども・子育て支援事業の依存について

当社グループの事業は、認可等を受けた保育所の運営を主体とする子ども・子育て支援に関する事業であります。従って、子ども・子育て支援に関する政策や市場の動向が、グループ全体の業績に大きな影響を与える可能性があります。

厚生労働省より、2013年4月に、待機児童解消に向けた「待機児童解消加速化プラン」が公表され、多数の事業者が新規参入し保育所を開設しております。厚生労働省が発表した「保育所等関連状況取りまとめ(2022年4月1日)」によると、2022年4月1日現在における待機児童数は2,944人で前年比2,690人の減少となっています。減少傾向ではあるものの、待機児童の解消に向けた国や自治体の取り組みは当面は継続していくと考えられます。

 一方で、少子化が進んでいることも事実であり、想定した園児数を確保できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 人材の確保及びその育成について

当社グループでは、運営施設数の増加に伴い、認可保育所運営の為の保育士資格を有する保育士や指導員・スタッフ及びグローバルスクールの開校に合わせた本部要員、バイリンガル講師、保育士その他職員の確保と育成が重要となっております。このため、当社グループでは、採用活動を強化しており、人事部門の強化、社員紹介制度の構築、専門の人材紹介会社からの紹介強化等の施策を実施しております。また教育研修制度や人事評価制度の充実を進め、人材確保と離職率の低下に向けた取り組みを行っております。

しかしながら、予定した職員数が確保できない場合、新規施設開校計画の遅延や既存施設の運営計画に支障が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(5) 施設開設場所の確保について

当社グループは、プレミアム教育サービス事業のグローバルスクールを成長の軸として全国展開を計画しております。そのためには、不動産開発業者や不動産所有者とのネットワークが重要となってまいります。当社グループでは金融機関や不動産開発業者等と常に必要な不動産情報が交換できる関係を構築しており、その確保に全力を尽くしております。

しかしながら、候補地選定の難航、近隣住民の反対運動の発生による開園遅延あるいは開園を断念するに至った場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 食の安全性について

当社グループは、各施設の園児に対して、必要な栄養量が確保できるように献立を作成し、各施設にて調理・提供しております。そのために、食品衛生法に基づき、厳選した食材管理及び衛生管理を実施し、食中毒や賞味期限切れ食材の使用、異物混入等の事故を起こさないよう努力しております。しかしながら、何らかの理由により食の安全に関する重大な事故が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 感染症について

当社グループは、安全な保育環境を確保し、保育の質を向上するため、施設全体について定期的に消毒を実施しており、感染症に対するマニュアルに基づいた対策を実施しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症、インフルエンザやノロウィルス等の感染症が発生し、当該施設に従事する保育士やスタッフ・児童が多数感染した場合、施設運営に支障が出る可能性があります。このような場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 運営施設における事故のリスクについて

当社グループは、施設の運営に関し事故等が起こらないよう万全の体制で臨んでおります。しかしながら、万が一重大な事故やトラブルが発生した場合には、行政処分による営業停止や園児の転園等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 大規模災害について

当社グループの運営する施設は東京都・神奈川県・愛知県に集中しております。このため、これらの地域において大規模な地震や火災・集中豪雨等による水害等の発生により、児童や従業員、施設の建物が被害を受けた場合、当該施設の運営が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 個人情報保護について

当社グループでは、児童及びその保護者の氏名や住所等多くの個人情報を保持しております。これら個人情報の保管・取扱いについては規程に基づく管理体制を構築することに努めております。しかしながら、万が一漏洩事故が発生した場合、顧客からだけではなく、広く社会的な信用失墜を招き、施設の運営に支障が生じる等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(11) 資金調達について

当社グループでは、施設の新規開園に関する設備資金を金融機関からの借入により調達しており、総資産に対する有利子負債合計の割合は、2022年3月期34.9%、2023年3月期28.3%と高い比率で推移しております。従って、借入金利の上昇等の金融情勢の変化、又は取引金融機関の方針変更等により予定必要資金の調達が困難となり、新規施設の開園が遅延又は中止となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(12) 創業者への依存について

当社の代表取締役社長である中西正文は、株式会社Kids Smile Projectの創業者及び創業以来最高経営責任者であり、中西正文の資産管理会社である株式会社エーエムカンパニーとあわせて、当連結会計年度末現在、当社株式を70.9%所有する大株主であります。また同氏の配偶者である取締役副社長土居亜由美(戸籍名:中西亜由美)についても創業以来当社グループの施設開園及び運営に携わり、副社長としての任を担っております。

両氏ともに保育業界に精通しており、施設や教育プログラム開発・経営方針・経営戦略において重要な役割を果たしております。

当社グループでは、他の取締役や、幹部社員に対する権限移譲を進めることにより、両氏に依存しない経営体制を早期に構築していく所存でありますが、何らかの影響により両氏ともに、あるいは一方でも当社グループの経営を継続することが出来なくなった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(13) 固定資産の減損について

当社グループが運営する施設の業績が悪化し、その回復の見込みがない場合、あるいは新規開設から一定期間を経過しても業績改善の見込みがない場合、有形固定資産の減損処理が必要となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(14) 新たに保育所等を開設した場合の経営成績に与える影響について

新たに保育所等の施設を開設した場合の当社グループの経営成績に与える影響を個々の施設ごとに見ると、一般的に以下のような特徴があります。

営業損益・・・・

開設時には3歳~5歳児等が必ずしも定員を満たさない場合があるため、開設初年度から数年間は営業赤字になる可能性がありますが、児童年齢の持ち上がりとともに年々、改善され、概ね3年目で単年度黒字化になる傾向があります。

また、新規開設資金のうち費用処理されたものは営業費用に計上されます。

営業外収益・・・

新規開設資金のうち内装工事費等に対して自治体より補助金が交付された場合、営業外収益の「補助金収入」に計上されます。

 

このため、新規開設施設の件数増加等により、一時的に営業損益の悪化要因になる傾向がありますが、補助金収入(営業外収益)の増加要因となります。一方、新規開設施設の件数減少等は営業損益の改善となりますが、補助金収入(営業外収益)は減少いたします。

当社グループはこれまで積極的に新規開設を行っており、経営成績における新規開設の影響が大きくなっております。しかしながら、運営施設数に対する新規開設施設数の割合が減少するに伴い、今後は3歳~5歳児が定員を満たさないことによる営業損益の悪化等の影響が徐々に緩和するものと考えられます。

 

(15) 補助金により固定資産を取得した場合の会計処理について

自治体からの補助金により固定資産を取得した場合、税務上、固定資産の取得価額から補助金の額を控除する圧縮記帳を行うことが認められております。財務会計において圧縮記帳の方法は、補助金の額を控除した残額を固定資産に計上し毎期の減価償却も控除後の額をもとに計上する直接減額方式と、補助金を収益計上し、固定資産を取得価額で計上する剰余金処分方式とがあります。

当社グループは剰余金処分方式を採用しており、直接減額方式と比較して、新たに保育所を開設した事業年度においては補助金収入が計上されるものの、その後の減価償却費は多額に計上されることになります。当社グループでは保育所等の減価償却費を売上原価に計上し、補助金収入を営業外収益に計上しているため、減価償却費の負担等により営業損失を計上し、営業外収益の補助金収入等にて経常利益を計上しております。

なお、剰余金処分方式においても、利益剰余金と税額の計算により、税務上の効果は直接減額方式と同様となります。

 

 

(16) 四半期別業績変動要因について

当社グループにおける保育所等は4月に新規開設されるものが大部分となっております。そのため、第1四半期連結会計期間(4月~6月)において、多額の新規開設費用、補助金収入が計上される傾向にあります。

 

(17) 新型コロナウイルス感染症に関するリスクについて

新型コロナウイルス感染症が拡大した場合、自治体からの登園自粛の再要請等に伴う認可外保育施設、幼児教室、スイミングスクールなど民間教育施設の利用率低下による売上減少、また、当社グループの保育士等の関係者が感染した場合、保育士の必要人数を確保するための対応費用の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断しているものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績等の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が残る中で社会経済活動の正常化が進む一方、長期化するウクライナ情勢による社会的不安などにより物価上昇や外国為替相場の変動等により原材料価格及びエネルギー価格が上昇し、消費者物価も上昇傾向にあります。

当社グループが属する保育・幼児教育市場においては、出生児数が80万人を割り込み過去最少となり、政府の予測よりも早いペースで少子化が進み歯止めがかからない状況にあります。

このような状況下、これまで厚生労働省や内閣府などにまたがってきた少子化対策や子育て支援を一体で担うこども家庭庁が2023年4月1日に発足いたしました。

生まれる前からの切れ目のない支援を目指し政府が掲げる「こどもまんなか社会」実現に向けて、「異次元の少子化対策」のたたき台が示され、出産、子育て世帯や育児の様々なサポート施策が実施されてくものと思われます。

このような環境の中、当社グループは、子ども達が安心して園生活を送ることができるよう新型コロナウイルス感染症対策をはじめとした安全対策管理を徹底するとともに、モンテッソーリ教育や、資本業務提携先である伸芽会と当社が共同開発したオリジナル教育プログラム「KID’S PREP. PROGRAM」を実践し、保護者から「選びたくなる園」作りを推進してまいりました。

また、2023年3月20日付でリソー教育グループと今までの提携活動をより円滑化させ相互支援の強化を図るため、新たに資本業務提携契約を締結いたしました。

認可保育所事業は、積極的に「保育体験」、「入園前説明会」、「園内イベント」などを開催し、広報及び園児募集活動をしてまいりました結果、園児数は2023年3月月初3,888人と前年同月比108.1%となっております。

2022年4月、東京都杉並区に「キッズガーデン阿佐谷南」、東京都小金井市に「キッズガーデン小金井中町」、同年7月には東京都江戸川区に「キッズガーデン南小岩」を新規開設いたしました。

また、2023年4月1日東京都練馬区に「キッズガーデン練馬関町」を新規開設いたしました。

民間教育サービス事業は、子ども達のための安心安全な保育・教育環境の最新設備を整え、プロフェッショナルな一流の講師陣がモンテッソーリ、体操、水泳、英語、リトミックなどの多彩でプレミアムな教育プログラムを提供するとともに、SNSを活用した情報発信による認知向上、マーケティングの強化、利用者視点での質の高いサービス提供によるブランド力の強化に取り組んでまいりました。

2022年4月、キッズガーデンプレップスクール南青山幼稚部(4歳から6歳対象)、キッズガーデンアフタースクール南青山小学部(学童)(7歳から9歳対象)、南青山スイミングスクール(4歳から9歳対象)をそれぞれスタート及び開校いたしました。

また、当社初のバイリンガルスクールであるキッズガーデングローバルスクール錦糸町が、多くのお申込みをいただき2023年4月1日開校いたしました。

当キッズガーデングローバルスクールは、バイリンガル教育を通じて英語と日本語を基礎から身につけ、将来グローバル社会で活躍できるように小学校就学までの幼児期を育む教育保育施設となっております。

当連結会計年度における当社グループが運営する施設数は、認可保育所を東京都・神奈川県・愛知県に69施設、プレスクール一体型保育所(認可外保育施設)、幼児教室及び学童施設、スイミングスクールを東京都に9施設合計78施設を展開し運営しております。

(2023年4月1日現在の当社グループが運営する施設数は、認可保育所を東京都・神奈川県・愛知県に70施設、プレスクール一体型保育所(認可外保育施設)、幼児教室及び学童施設、スイミングスクールを東京都に10施設合計80施設となっております。)

 

以上により、当連結会計年度の当社グループの連結業績は、売上高は11,860百万円(前年同期比11.3%増)、営業損失は31百万円(前連結会計年度は営業損失214百万円)となりました。経常利益につきましては、営業外収益に計上しております認可保育所の開設数減少(当連結会計年度は3施設、前連結会計年度は9施設)に伴い補助金収入が前連結会計年度より999百万円減少し378百万円(前年同期比67.0%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、188百万円(前年同期比72.6%減)となりました

 

b.資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末の財政状態における総資産は、13,845百万円(前連結会計年度末は14,660百万円)となり、815百万円減少しました。その内訳は以下のとおりとなります。

 

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、4,277百万円(前連結会計年度末は4,549百万円)となり、272百万円減少しました。これは売掛金の増加(29百万円)、前払費用の増加(57百万円)及び未収入金の増加(32百万円)等があったものの、現金及び預金の減少(383百万円)等があったことによるものであります。

 

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、9,567百万円(前連結会計年度末は10,111百万円)となり、543百万円減少しました。これは投資有価証券の増加(54百万円)、敷金及び保証金の増加(36百万円)等があったものの、建物及び構築物(純額)の減少(42百万円)、工具、器具及び備品(純額)の減少(40百万円)及び建設仮勘定の減少(416百万円)、長期前払費用の減少(123百万円)等があったことによるものであります。

 

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は、3,320百万円(前連結会計年度末は3,665百万円)となり、344百万円減少しました。これは、未払金の増加(85百万円)、未払費用の増加(35百万円)並びに未払法人税等の増加(50百万円)、賞与引当金の増加(14百万円)等があったものの、短期借入金の減少(480百万円)、1年内返済予定の長期借入金の減少(92百万円)等があったことによるものであります。

 

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は、4,328百万円(前連結会計年度末は4,985百万円)となり、657百万円減少しました。これは資産除去債務の増加(48百万円)等があったものの、社債の減少(145百万円)、長期借入金の減少(473百万円)、並びに繰延税金負債の減少(73百万円)及び長期前受金の減少(32百万円)等があったことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、6,196百万円(前連結会計年度末は6,009百万円)となり、186百万円増加しました。これは新株式発行による資本金の増加(1百万円)及び資本剰余金の増加(1百万円)、並びに親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加(188百万円)、退職給付に係る調整累計額の減少(3百万円)等によるものであります。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ383百万円減少し、2,770百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、1,177百万円(前連結会計年度は2,276百万円の増加)となりました。

主な内訳は、前受金の減少(8百万円)及び売上債権の増加(48百万円)等による資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益(330百万円)、減価償却費(861百万円)等による資金の増加等があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、347百万円(前連結会計年度は1,021百万円の減少)となりました。

主な内訳は、保育施設の新規開設に伴う有形固定資産の取得(291百万円)、投資有価証券の取得による支出(54百万円)等による資金の減少があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、1,213百万円(前連結会計年度は241百万円の減少)となりました。

主な内訳は、長期借入れによる収入(118百万円)、新株予約権の行使による株式の発行による収入(2百万円)等の資金の増加があったものの、短期借入金の純減額(480百万円)、長期借入金の返済による支出(684百万円)及び社債の償還による支出(145百万円)による資金の減少があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社グループは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b.  受注実績

当社グループは受注生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

c.  販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

なお、当社グループは幼児教育事業の単一セグメントであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

対前期増減率(%)

幼児教育事業

11,860,760

11.3

合計

11,860,760

11.3

 

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

 至 2023年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

品川区

1,588,612

14.9

1,529,189

12.9

 

 

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、一定の会計基準の範囲内で見積りが認められている部分があり、資産及び負債、並びに収益及び費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等の分析

(売上高)

当連結会計年度における売上高は11,860百万円(前連結会計年度は10,659百万円)となりました。これは、2022年4月に東京都内に認可保育所2園及びキッズガーデンプレップスクール南青山幼稚部(4歳から6歳対象)、キッズガーデンアフタースクール南青山小学部(学童)(7歳から9歳対象)、南青山スイミングスクール(4歳から9歳対象)をそれぞれスタート及び開校し、また、2022年7月に東京都内に認可保育所1園を開校したことにより、施設数が認可保育所69園、プレスクール一体型保育所、幼児教室及び学童施設、スイミングスクールが9施設となったことによるものであります。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度における売上原価は、認可保育所の施設数の増加及び新規開設等に伴い10,596百万円(前連結会計年度は9,629百万円)となりました。主な内訳は、給与及び手当3,707百万円、地代家賃1,623百万円等であります。この結果、売上総利益は1,264百万円(前連結会計年度は1,029百万円)となり、売上総利益率は10.7%(前連結会計年度は9.7%)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業損失)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、認可保育所の新規開設に伴う採用費及び本社人員等を増加させたことによる人件費等の計上に伴い1,295百万円(前連結会計年度は1,244百万円)となりました。主な内訳は、役員報酬148百万円、給与及び手当275百万円、採用費317百万円等であります。この結果、営業損失は31百万円(前連結会計年度は営業損失214百万円)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用及び経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は440百万円(前連結会計年度は1,425百万円)となり、主な内訳は補助金収入419百万円等であります。営業外費用は30百万円(前連結会計年度は63百万円)となり、主な内訳は支払利息19百万円及び社債利息3百万円等であります。この結果、経常利益は378百万円(前連結会計年度は1,147百万円)となり、売上高経常利益率は3.2%(前連結会計年度は10.8%)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

税金等調整前当期純利益は330百万円(前連結会計年度は1,065百万円)となりました。また法人税等合計(法人税等調整額を含む)は141百万円(前連結会計年度は379百万円)となり、この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は188百万円(前連結会計年度は686百万円)となりました。

 

 

 

b.資本の財源及び資金の流動性について

当社グループのキャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

また、今後の中長期的な成長に向けて、事業基盤強化のための投資等を推進していきたいと考えております。資金需要のうち短期運転資金につきましては、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、金融機関からの短期借入にて、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入等にて対応していくこととしております。

なお、資金の流動性については、金融情勢等を勘案しながら、現金及び現金同等物の残高が適正になるように努めてまいります。

 

c.経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 資本業務提携

契約会社名

相手先の名称

契約締結日

契約内容

株式会社Kids Smile Holdings(当社)

株式会社Kids Smile Project(連結子会社)

株式会社リソー教育

株式会社伸芽会

 

2023年3月20日

(1)株式会社Kids Smile Projectと株式会社伸芽会との間での相互の役員(取締役)の派遣

(2)株式会社Kids Smile Projectと株式会社伸芽会とで共同開発したオリジナル教育プログラム「KID'S PREP.PROGRAM」の全国の保育園や認可こども園等への展開

(3)採用システム・研修制度の確立による優秀な人材の確保

(4)それぞれの顧客に対する相互支援顧客サービスの向上

 

 

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。