文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、経営理念及び行動規範を次のとおり制定し、これらの実践をとおして、一層の業績向上を目指してまいります。
① 創業の精神
役に立つ。
社会にとって役に立つ自分を形成し、
全員営業全員製造の精神で社会に貢献する。
② 経営理念
われわれは、
お客様に喜ばれる仕事を通じて、
世の中の発展と繁栄に貢献し、
あわせて全員の成長をこいねがう、
運命共同体としての同志と、
1.お客様第一主義
2.我が社の成長と安定に全力をつくし
3.全員の物と心の向上に努力する
4.「出来る」を「出来た」
以上、4つの理念を行動指針とし、広く社会に奉仕する。
③ 重点行動
準備、実行、後始末。
(2) 中長期的な経営戦略
当社は、経営者及び従業員等の「人的経営資源」、設備及び資金等の「物的経営資源」、並びに情報、ノウハウ等の「情報的経営資源」の展開を、当社グループの事業ドメインである「物流サービスを中心とした事業活動の改善サービスの提供」に集中的に展開する「集中戦略」を採用しております。
当社は、持続的な成長の観点から、物流サービスの一層の市場開拓を図り、これらの改善や省人化活動をとおして獲得したノウハウ等を、ソフトウエアや新たなサービスとして商品化し、お客様の声を改善に活かして品質向上を推進することにより、より多くのお客様を獲得し、またより多くのサービスをご利用いただくことによって、事業の拡大を図ってまいります。
今後においても、「物流サービスを中心とした事業活動の改善サービスの提供」に経営資源を集中することにより、新しい経営資源の獲得を効率的に行うことが可能になり、また新たに獲得した経営資源を有効に活用することによって、既存サービスとの相乗効果によるサービスの提供機会の増加を図り、異業種への事業多角化を図るよりも低リスクで利益貢献の可能性が高い事業展開を推進してまいります。
(3) 経営環境
当社は、物流サービスの提供を主たる事業とし、物流サービスの中でも、主にEコマース及び通信販売事業を営む企業様向けの配送センター代行サービス「EC・通販物流支援サービス」の提供に係る事業を展開しております。
経済産業省がまとめた「平成30年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書」によりますと、2018年のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は18.0兆円(前年16.5兆円、前年比8.96%増)、EC化率(注)はBtoC-ECで6.22%(前年比0.43ポイント増)となっており、物販系分野におけるBtoCのEC市場規模は2017年の8.6兆円から2018年には9.2兆円(伸び率8.12%)と推移しており、国内GDPの実質成長率を上回る伸び率となっております。
(注)EC化率とは、電話、FAX、Eメール、相対(対面)等も含めた全ての商取引金額(商取引市場規模)に対するEコマースによる商取引の市場規模の割合をいいます。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社は、長年にわたる物流事業で蓄積したノウハウを活かし、今後においても持続的な成長を遂げるため、次の事項を対処すべき課題と認識しております。
① 人材の獲得及び育成
当社の事業拡大には、優秀な人材の獲得が欠かせず、また品質の維持向上には人材の育成が欠かせません。人材の獲得にあたっては、高校及び大学の卒業生を対象とした新卒採用に継続的に取組むことで、現場スタッフの人材確保及び本社機能の充実を図っており、引続き新卒採用を中心とした人材獲得に取組む方針です。
また、人材の育成面では、経営理念、会社の各種方針、及びルール等を記載した手帳型「経営計画書」を従業員に配布し、これに基づく勉強会を開催する等して会社の基礎となる事項の徹底を図るほか、長年の物流サービス事業で培ったノウハウを活用した当社独自の教育プログラムを計画的に実施しております。
人事評価制度においては毎月の上司との面談等を通じて従業員の達成意欲の向上を促進するほか、パート従業員を含め、働きやすい労働環境の整備に努め、効率的に業務に取組んでいただく環境を整え、その戦力化に努めております。
物流品質の維持向上には、教育プログラムを更新し、また評価制度の充実を図ることで、高度化する顧客ニーズに対応した人材育成に取組む方針です。
② 物流事業を中心とした新しいサービスの創出
BtoB及びBtoC市場ともに、物流業務の見直しを行う顧客が継続して存在する一方で、競合他社との競争環境は厳しさを増すことが予想されます。当社は、とりわけBtoC市場向けのニーズに対応したサービスを創出し、また当社がこれまでのEC・通販物流支援サービスの提供で培った物流ノウハウ、作業ミスの予防や生産性の向上のために取り組んだ改善ノウハウから生まれた倉庫管理システム「クラウドトーマス」及びチェックリストシステム「アニー」等のソフトウエアの提供を組合せる等により、新しい顧客獲得を推進しております。また、物流サービス事業における人材獲得、人材教育から獲得したノウハウを活用し、ミャンマーから日本への技能実習希望者等に対する日本語教育及び職業訓練のサービスを提供しており、今後も当該サービスの強化を図る方針です。
現在は、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を社内の業務改善に導入し、新しい倉庫管理システムでは、主に物流ロボットや他のシステムとの連携機能の追加を図り、ロボティクス時代の到来に、そのノウハウ蓄積に努めております。
③ 継続した改善活動による物流品質の維持向上及び新しいノウハウの蓄積
当社は、業務の効率化、品質の向上を目的とした環境整備活動(注)を継続して実践しております。今後においても、これらの環境整備活動を継続し、新しい概念を取り入れた活動の高度化を図り、また当社独自の、若しくは産学連携等による外部の知見に基づく効率化のための新しい設備の導入や改善活動等、持続的なコスト最適化、品質の向上及び新しいノウハウの蓄積に取組む方針です。
(注)環境整備活動とは、「仕事をやりやすくする環境を整えて備える活動」であり、当社の教育・企業文化形成の柱としております。毎日決まった時間に全従業員が30分の時間を使って実施します。整理、整頓、清掃等を基本として、仕事とそのやり方を学び、気付く感性を育て、円滑なコミュニケーションを図る機会を生み出だすものです。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)公的規制強化のリスクについて
当社は、物流事業を中心とする3PL(企業物流の包括的受託)企業として、物流事業に関する各種事業法の規制を受けています。そのような中、当社は、法令遵守の徹底を図るため、代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、事業活動の適法性の確保に努めておりますが、環境対策及び安全対策の規制強化などを遵守するために一層の費用負担を求められるリスクや、法令等違反した場合に事業の停止、許認可の取消等を受けるリスクがあります。したがって、これらの事象は、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
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セグメント区分 |
許認可 事業 |
法律 |
監督官庁 |
許認可等 の内容 |
有効期限 |
取消事由 |
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物流サービス事業 |
倉庫業 |
倉庫業法 |
国土交通省 |
登録 |
なし |
同法第21条 |
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第一種貨物 利用運送事業 |
貨物利用運送事業法 |
国土交通省 |
登録 |
なし |
同法第16条 |
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その他の事業 |
外国人技能 実習事業 |
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律 |
法務省・ 厚生労働省 |
認定 |
なし |
同法第16条 |
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指定障害児 通所支援事業 |
児童福祉法 |
厚生労働省 |
指定 |
6年 |
同法第21条の5の24第1項又は第33条の18第6項 |
(2)設備投資に関するリスクについて
当社は、3PLを主たる事業としており、顧客から物流業務を受託する際に、物流センター、設備機器及び情報システムなどについて先行的に設備投資を実施することがあります。投資に際しては、事業収支計画を策定するとともに、慎重に投資判断を行っていますが、国内の経済状況の悪化などにより、顧客の業績悪化や支払停止などが生じれば、投資資金の回収に支障が生じ、将来の成長と収益性を低下させる可能性があります。したがって、これらの事象は、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)コスト上昇リスクについて
当社は、物流業務において輸配送サービスを外部の専門業者に委託しておりますが、原油価格や為替レートの変動により燃料費が高騰した場合や、車両・ドライバー不足等により庸車費用が上昇した場合は、輸配送コストが上昇する可能性があります。輸配送コストの上昇分は、お客様にご理解いただき、値上げ対応させていただく方針であり、また輸配送サービスの委託先については、佐川急便㈱やヤマト運輸㈱の占める割合が相対的に大きいため、他の輸配送サービス業者との関係構築等に努めております。加えて、物流センター運営等にかかわる従業員の賃金、及び労働力の確保のためのコストが上昇する可能性があり、残業の削減、リフレッシュ休暇(注)の取得促進、社員教育等をとおして働きやすい環境の構築に努めるとともに、新しい物流設備の導入等による生産性の向上に取組んでおります。しかしながら、これらの対策が奏功しない場合は、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(注)リフレッシュ休暇とは、社員若しくはパート社員として半年以上勤務した者が、半年に1度の頻度で5から6連休の休暇を取得できる制度です。
(4)甚大な災害発生のリスクについて
当社は、物流センターを運営し、顧客の商品やそれらの管理にかかわる情報を取り扱っていることから、BCPや災害発生時のマニュアル整備など、事前対策の推進に取り組んでいます。しかしながら、地震・風水害などの天災地変により、停電・輸送経路の遮断などの事態が発生した場合、物流業務の停滞を招く恐れがあります。したがって、これらの事象は、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)情報漏洩のリスクについて
当社は、物流業務受託に際し、顧客などの情報を取り扱っています。コンプライアンスや個人情報管理の徹底など、内部監査や社内研修等を通じて適切な情報資産管理に努めていますが、情報の外部漏洩やデータ喪失などの事態が生じた場合、当社の社会的信用の低下を招くだけでなく、顧客からの損害賠償請求を受ける可能性があります。したがって、これらの事象は、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)M&A及び資本業務提携等のリスクについて
当社は、持続的な成長のため、M&Aや資本業務提携等を行うことがあります。これらの実施にあたっては、事前に対象企業の財務内容や契約内容等審査を十分行い、リスクを検討したうえで決定していますが、実施後の事業環境の変化等により、当初想定していた成果が得られないと判断した場合や、資本業務提携等を解消・変更する場合、のれんや持分法で会計処理されている投資の減損損失等、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)金利変動のリスクについて
当社は、物流センターの新設や事業展開に必要な資金を借入等により調達しています。変動金利の借入金は、金利の変動リスクに晒されているため、固定・変動調達比率の調整を、主に可能な範囲での低金利による固定化等でリスク管理していますが、リスクを完全に回避できるものではなく、予測を上回る金利の上昇等があった場合、調達コストが増加し、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)人材確保のリスクについて
当社の展開する物流事業は労働集約型産業の一面があり、人材の確保や管理職強化が重要となります。当社の事業計画を遂行する上で必要な人材を継続的に採用し、労働環境の整備や教育体制の充実等により人材の定着を図ることが、当社の持続的な成長にとって必要となります。これらが達成できなかった場合、また、達成のために人件費等増加が生じた場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)システムダウンによるリスクについて
当社では、物流センター業務の生産性向上のため、倉庫管理システム「クラウドトーマス」等を使用しております。被害を防御し、または最小限に抑えるべく、ウイルス対策やデータのバックアップ等の予防策を講じております。しかしながら、万が一、災害やコンピューターウイルス等によりシステムがダウンまたは破壊された場合、業務に多大な被害を受ける可能性があり、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)取引関係の大幅な変動に対するリスクについて
当社は、アパレル、化粧品、日用雑貨、食品を取り扱うインターネット通販事業者が主要顧客となります。EC市場は大手企業による自動倉庫、無人倉庫の展開や協業等、現在も拡大基調にありますが、国内景気の大幅な落ち込み等によりEC市場の競争激化や成長の停滞若しくは縮小局面へと入った場合、当社の取扱業務が減少し、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)業績変動のリスクについて
当社が得意とするインターネット通販事業者向けのEC・通販物流支援サービスでは、お客様が開催する各種セールや、入学や進級等のライフイベントに伴う季節的な時期において、需要が増加し売上が集中する傾向にあります。そのため、当該時期における人材や資材等の確保が必要となり、また、それに伴う売上高及び営業利益の増加を見込んでおり、それらは当社の季節要因として経営成績に影響を与える傾向にあります。経済や業界の動向、取引先の業況による景気変動などにより、季節要因等影響が計画通り進捗しない場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)創業者への依存リスクについて
当社の代表取締役である達城久裕は、当社設立以来の代表取締役であります。同氏は経営方針や経営戦略等、当社の事業活動において重要な役割を果たしており、同氏に対する当社の依存度は高くなっております。当社においては、同氏に過度な依存をしない経営体制を構築すべく、担当役員や本部長等に権限委譲を進めておりますが、何らかの理由で同氏の業務遂行が困難になった場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)減損リスクについて
当社が物流サービスを提供する倉庫物件については、自社所有は本社物流センター南館及び主管センターとなっております。これらは固定資産の減損に係る会計基準および適用指針を適用し、所有する固定資産に減損損失が発生した場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)投資成果に関するリスクについて
当社は、今後も、生産性向上や顧客ニーズに対応した物流拠点の整備、取得等にかかる設備資金、並びに事業拡大に伴う運転資金へ資金を充当していく予定であります。しかしながら、予定どおりの使途に充当された場合でも、計画した通りの物量や取扱高が見込めず、設備にかかる投資効果が得られない場合には、想定どおりの効果を上げることができず、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15)資金調達にかかるリスクについて
当社は、顧客ニーズの高まり等を背景に物流センターの増設などの設備投資を持続的に行っておりますが、それらは主に金融機関からの借入金により資金調達を行っており、2020年2月29日時点の有利子負債は46億70百万円(総資産に対する比率は72.75%)となっております。現時点では金融機関との関係が良好であることから必要な資金の新規調達に懸念はございませんが、将来、経営成績の急激な悪化や社会環境及び金融情勢の大きな変動等、何らかの理由により金融機関との関係が悪化して資金調達に支障が生じた場合、これらの事象は当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(16)配当方針にかかるリスクについて
当社は、創業以来、配当を実施しておりませんが、株主に対する利益還元を経営上の重要な課題と認識しており、剰余金の配当については、将来の事業展開及び財務体質の強化のために必要な内部留保金を確保しつつ、安定した剰余金の配当を実施していく方針であります。しかしながら、現時点では、当社は当面の間、長期的な視野に立った事業展開の中で、設備投資資金の確保及び財務体質の強化のための内部留保の充実を優先する考えであります。当事業年度末現在では2021年2月期に係る配当は実施しない方針であり、また2022年2月期以降の配当の実施は未定ですが、今後、当社の業績及び財務状況を勘案し、一定の利益を配当することを検討いたします。
(17)競合リスクについて
当社は、EC・通販物流支援サービスを中心とした物流サービス事業を展開し、主にインターネット通販事業者の配送センター業務を受託しており、同種のサービスを提供する企業と競合しております。当社は、お客様のご要望に応じたサービスを提供し、またお客様の成長に応じたご提案を行い、生産性の向上に努める等により、競合他社との差別化を図っておりますが、これらの取組みが奏功せず、将来にわたって競争優位を維持できなくなる可能性があり、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(18)賃借している物流サービス拠点の賃貸借契約を継続できないリスクについて
当社は、EC・通販物流支援サービスの提供に当たって、その物流サービス拠点を主に貸主と賃貸借契約を締結し賃借しております。普通賃貸借契約においては、一定の解約予告期間が設けられておりますが、貸主の都合によって中途解約が可能となっております。また定期建物賃貸借契約においては、当該賃貸借契約期間は解約できない旨が定められておりますが、当該賃貸借契約期間満了後は、当社に契約更新の意思があっても貸主の意思によって必ずしも更新できるとは限りません。普通賃貸借契約においては、何らかの要因で貸主から解約通知を受ける等により、物流サービス拠点の賃貸借契約が継続できない状況となった場合、及び定期建物賃貸借契約においては、何らかの要因で契約が更新できない状況となった場合は、新拠点の開設や既存他拠点を活用し、サービス提供の継続を図る方針です。しかしながら、これらの対策が奏功せず、賃貸借契約の終了に当たって適当な代替拠点が見つからなかった場合や顧客との契約を継続できないこと等により、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(19)賃借料上昇のリスクについて
当社は、(18)に記載の通り、EC・通販物流支援サービスの提供に当たって、その物流サービス拠点を主に貸主と賃貸借契約を締結し賃借しております。普通賃貸借契約においては契約期間中に、定期建物賃貸借契約においては契約更新時に、近隣相場の上昇等を背景として、物流サービス拠点の賃借料が引き上げられる可能性があります。賃借料の引上げに当たっては、その妥当性を検証して貸主と適正な賃借料の設定を協議し、また、顧客には賃借料の上昇分の負担についてご理解を求める方針です。しかしながら、これらの対策が奏功せず、賃借料が上昇したことを契機に顧客との契約を継続できないこととなった場合は、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(20)訴訟・クレームのリスクについて
当社は、事業運営において、サービス品質等のトラブルや問題が生じた場合、当社の瑕疵の有無にかかわらず、サービス品質等のトラブルや問題に起因する損害の賠償請求、訴訟(以下「訴訟等」といいます。)の提起を受ける可能性があります。当社は事前に取引基本契約書を締結する等により訴訟等のリスクを低減し、またトラブルや問題等が発生した場合は可能な限り迅速に対応する等して訴訟等のリスクに対する対策を講じていますが、万が一訴訟等が生じた場合は、訴訟等の内容や損害賠償請求額によっては、社会的信用が低下また当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(21)サービス品質の低下リスクについて
当社は、主にEC・通販物流支援サービスの提供に当たって、環境整備活動、従業員教育による社内ルールの徹底、物流業務に係る作業ミスに関する報告アセスメント(注)による改善の横展開等によるサービス品質の維持・向上を図り、お客様満足度の向上に努めております。しかしながら、これらの取組みが奏功せず、サービス品質の低下を招く等、お客様満足度が低下することがあった場合は、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(注)物流業務に係る作業ミスに関する報告アセスメントとは、当社では「事故報告アセスメント」と呼んでおり、物流業務の改善や対策を共有するため、定期的に開催する教育機会です。当社では誤出荷等のお客様からクレームをいただいた業務上のミスの再発防止のため、同じミスが起こらないように真因を理解し、その改善や対策を社長が直接従業員へ教育することにより、全社で共有しております。
(22)国際展開のリスクについて
当社は、外国人技能実習生教育サービスや受注管理業務代行サービスの一部を、ミャンマー等に所在する外注先の施設等を利用して提供しております。ミャンマー等の諸外国における法規制の強化、テロ、紛争その他予期し得ない政治または社会情勢の変動、景気動向及び為替等の経済情勢の変化、言語、文化及び商慣習の違いによるトラブル等業務上の非効率が生じた場合には、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(23)ストックオプションのリスクについて
当社は、取締役及び従業員に対して、業績向上への意欲と士気を一層高めることを目的として、新株予約権を発行しております。これらの新株予約権が権利行使された場合には、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末現在、新株予約権による潜在株式数は189,500株であり、発行済株式総数2,275,000株の8.33%に相当しております。
(24)公募増資による資金使途のリスクについて
当社は、資本市場から調達する公募増資による資金について、2020年2月13日付で近畿財務局長宛提出しました有価証券届出書(その後の訂正有価証券届出書を含む。)「第一部 証券情報 第1 募集要項 5 新規発行による手取金の使途 (2)手取金の使途」に記載のとおり、設備資金に充当する予定としております。当社は、設備の導入に当たっては、その投資効果を慎重に検討する方針でありますが、新技術を用いた新しい設備等の登場、新規顧客の獲得動向、既存顧客の出荷数量の大幅な増減等、ソフトウエア販売・利用サービスにおけるお客様ニーズの大幅な変動等の影響を受け、これらの予定と異なる設備の購入、若しくはその他の使途に、手取金を充当する可能性があります。また、現在計画している設備資金に充当した場合においても、想定どおりの投資効果が得られない可能性があります。
(25)楽天株式会社との資本・業務提携のリスクについて
当社と楽天株式会社は、物流分野においてそれぞれのアセットを活用した連携を図ることを目的として、2019年1月に資本・業務提携に係る契約を締結しました。当社は、楽天株式会社が主に楽天市場の出店者向けに提供する物流サービスである「楽天スーパーロジスティクス」の業務を受託し、これまでのEC・通販物流支援サービスで培ったノウハウを活用し、同サービスの提供拡大を図っております。しかしながら、当社と楽天株式会社のいずれか若しくは両者によって、それぞれの強みを生かすための適切な施策が実行されない場合、法規制の強化や深刻な人材不足等外部環境の変化により資本・業務提携において予定した便益を享受することができないと判断された場合、その他当該資本・業務提携に係る契約締結当初に予期していなかった事業上の問題の発生や物流サービス提供に係る方針変更による資本・業務提携の解消等が生じた場合は、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(26)大株主のリスクについて
当社創業者の代表取締役社長であり、支配株主である達城久裕の当事業年度末現在での議決権所有割合は、直接所有分として21.98%であります。また、達城久裕の資産管理会社であるロジ・エステート株式会社、達城久裕の二親等内の血族である達城利卓、達城利元、達城裕佳、達城太貴の議決権を合算した所有割合は63.75%となっております。達城久裕は引続き当社の支配株主となる見通しでありますが、議決権の行使に当たっては、株主共同利益を追求するとともに少数株主の利益にも配慮する方針であります。しかしながら、何らかの事情によって、達城久裕が当社株式をやむを得ず売却することとなった場合、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態の分析については当該会計基準等を遡って適用した後の前事業年度末の数値で比較を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、個人消費が持ち直しの傾向を維持した一方で、企業収益は高い水準にあるものの、製造業を中心に弱含み、通商問題をめぐる動向、中国経済の先行きが懸念され、また年度末には新型コロナウィルスの感染拡大が実体経済に影響を与え始める等、景気の先行きは不透明な状況で推移しました。
当社事業とかかわりの深い物流業界におきましては、宅配業界を中心とした働き方改革の動きは活発なものの、運賃の値上げや総量規制等には緩和の動きがみられ、またEC市場は堅調に推移しました。
当社におきましては、引続き既存のお客様に対する物流サービスの生産性向上への取組み等の効率化を推進し、新規のお客様獲得にあたっては、毎月開催する学べる倉庫見学会等への参加者増加のための誘導強化等、インターネットを通じた効果的なお客様の獲得に取組みました。
これらの結果、当事業年度の経営成績は、売上高7,301,709千円(前事業年度比12.9%増)、営業利益291,422千円(前事業年度比129.9%増)、経常利益255,515千円(前事業年度比145.8%増)、当期純利益は170,505千円(前事業年度比117.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、各セグメントの売上高は外部顧客への売上高を表示し、セグメント損益は損益計算書における営業利益をベースとしております。
(物流サービス事業)
物流サービス事業におきましては、環境整備活動及びABC分析による改善、並びにRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用等を通じて、EC・通販物流支援サービス及び受注管理業務代行サービスの業務を中心に、継続した生産性の向上のための改善活動を推進し、また既存のお客様との接点強化によるお客様満足度の向上を図る一方で、増床した物流センターにおけるお客様の新規導入に取組みました。
この結果、物流サービス事業に係る当事業年度の売上高は7,215,332千円(前事業年度比12.6%増)、セグメント利益は325,834千円(前事業年度比112.4%増)となりました。
(その他の事業)
その他の事業におきましては、外国人技能実習生教育サービスでは主に関連セミナーの内容充実による新規のお客様の獲得を強化し、その他教育サービスにおいては、幼児教育教室を閉鎖した一方で、企業主導型保育園を開設しました。
この結果、その他の事業に係る当事業年度の売上高は86,376千円(前事業年度比36.8%増)、セグメント損失は34,411千円(前事業年度は26,648千円のセグメント損失)となりました。
[2020年2月期 セグメント別経営成績] (単位:千円,%)
|
セグメント区分 |
売上高 |
セグメント損益(営業損益) |
|||||
|
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サービス区分 |
実績 |
百分比 |
前年同期 増減率 |
実績 |
売上高営業利益率 |
前年同期 増減率 |
|
|
EC・通販物流支援サービス |
6,679,922 |
91.5 |
11.3 |
- |
||
|
|
受注管理業務代行サービス |
100,094 |
1.4 |
△15.0 |
- |
||
|
|
ソフトウエア販売・利用サービス |
202,224 |
2.8 |
77.0 |
- |
||
|
|
その他 |
233,091 |
3.2 |
37.1 |
- |
||
|
物流サービス事業 |
7,215,332 |
98.8 |
12.6 |
325,834 |
4.5 |
112.4 |
|
|
その他の事業 |
86,376 |
1.2 |
36.8 |
△34,411 |
- |
- |
|
|
セグメント合計 |
7,301,709 |
100.0 |
12.9 |
291,422 |
4.0 |
129.9 |
|
(注)楽天スーパーロジスティクスサービスの売上高は、EC・通販物流支援サービスの売上高に含めて記載しております。
② 財政状態の分析
当事業年度末における総資産は6,420,488千円(前事業年度末比1,110,115千円増加)、負債は5,794,392千円(前事業年度末比950,808千円増加)、純資産は626,096千円(前事業年度末比159,307千円増加)となりました。
主な増減要因は、次のとおりであります。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は3,526,884千円(前事業年度末比711,678千円増加)となりました。
主な要因は、電子記録債権が72,760千円減少した一方で、長期借入金の増加等により現金及び預金が543,864千円、売上高の増加により売掛金が228,977千円、それぞれ増加したことによるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高はは2,893,604千円(前事業年度末比398,436千円増加)となりました。
主な要因は、ゲート式仕分けシステム及び自動梱包機等の導入により機械及び装置が76,657千円、中量ラック及び高層ラック等の導入により工具、器具及び備品が57,948千円、倉庫管理システムの開発により無形固定資産が58,827千円、物流センターの増床及び新設により敷金及び保証金が129,981千円、それぞれ増加したほか、物流ロジック協同組合への長期貸付金50,000千円を計上したことによるものです。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は1,659,931千円(前事業年度末比323,498千円増加)となりました。
主な要因は、売上原価の増加により買掛金が122,904千円、未払金が81,150千円、長期借入金からの振替えにより1年内返済予定長期借入金が80,233千円、それぞれ増加したことによるものです。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は4,134,461千円(前事業年度末比627,309千円増加)となりました。
主な要因は、長期借入金による調達資金により長期借入金が573,100千円増加したことよるものです。
(純資産)
当事業年度末における純資産の部の残高は626,096千円(前事業年度末比159,307千円増加)となりました。
主な要因は、当期純利益の計上により利益剰余金が170,505千円増加したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ649,842千円増加し、2,188,148千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は398,196千円(前事業年度は150,031千円の資金の獲得)となりました。主な要因は、売上債権の増加額159,685千円があった一方で、税引前当期純利益を254,236千円計上し、また減価償却費173,214千円、仕入債務の増加額122,904千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は401,650千円(前事業年度は1,338,633千円の資金の使用)となりました。主な要因は、定期預金の払戻による収入219,827千円があった一方で、定期預金の預入による支出113,812千円、有形固定資産の取得による支出265,651千円、無形固定資産の取得による支出98,550千円、敷金及び保証金の差入による支出151,981千円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は653,333千円(前事業年度は1,198,364千円の資金の獲得)となりました。これは、長期借入金の返済による支出766,667千円があった一方で、長期借入れによる収入1,420,000千円があったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社のサービス提供の実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当事業年度 (自 2019年3月1日 至 2020年2月29日) |
前年同期比(%) |
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物流サービス事業(千円) |
7,215,332 |
112.6 |
|
報告セグメント計(千円) |
7,215,332 |
112.6 |
|
その他の事業(千円) |
86,376 |
136.8 |
|
合計(千円) |
7,301,709 |
112.9 |
(注)1.セグメント間の取引については該当事項ありません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 2018年3月1日 至 2019年2月28日) |
当事業年度 (自 2019年3月1日 至 2020年2月29日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
クックデリ株式会社 |
763,584 |
11.8 |
- |
- |
|
株式会社グァルダ |
680,202 |
10.5 |
- |
- |
(注)当事業年度につきましては、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績等の状況に関する認識及び検討内容
当社は物流サービス事業を主たる事業としておりますが、これらのサービスにかかわる分野は競合他社との競争環境が厳しく、サービスレベル、サービス品質及び価格等の面において、お客様に常に新しい価値を提供することが求められます。当社は、新しい価値の創造のため、継続的な教育を通じた物流サービスの品質向上はもとより、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)への取組み、物流ロボットの導入、倉庫管理システム「クラウドトーマス」のバージョンアップ等の省人化を目的とした設備投資を積極的に推進し、人と物流ロボットとの組み合わせの最適化を推進し、当社の持続的な発展を図ってまいります。
② 重要な会計方針及び見積り
財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況」に記載しております。
③ 財政状態の分析
財政状態の分析に関する情報ついては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の分析」に記載のとおりです。
④ 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度比12.9%増の7,301,709千円となりました。これは主に、物流サービス事業における新規のお客様の獲得を中心として、売上高が前事業年度に比べ833,412千円増加したことによるものです。
(売上原価)
当事業年度の売上原価は、前事業年度比11.1%増の6,327,243千円となりました。これは主に、物流サービス事業における外部委託の減少により委託費が422,724千円減少した一方で、物流サービス事業の拡大により労務費が95,645千円、発送運賃及び運送費用が537,485千円、物流サービス事業における物流センターの新設及び増床により賃借料が388,245千円それぞれ増加したことによるものです。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、前事業年度比6.0%増の683,043千円となりました。これは主にコーポレート・ガバナンス及び内部統制の強化のために役員及び従業員を増員したことにより人件費が33,895千円増加したことによるものです。
(営業外収益)
当事業年度の営業外収益は、前事業年度比26.2%増の13,043千円となりました。これは主に受取地代家賃2,700千円を計上したことによるものです。
(営業外費用)
当事業年度の営業外費用は、前事業年度比47.6%増の48,949千円となりました。これは主に、支払利息が12,041千円増加し、また株式公開費用3,959千円を計上したことによるものです。
(特別利益)
当事業年度の特別利益は、前事業年度比80.0%減の12,633千円となりました。これは、企業主導型保育園事業に係る補助金収入12,633千円を計上しております。
(特別損失)
当事業年度の特別損失は、前事業年度比50.7%減の13,912千円となりました。主な内訳としましては、企業主導型保育園事業に係る固定資産圧縮損12,633千円を計上しております。
⑤ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析に関する情報ついては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性
当社の事業活動における運転資金の主なものは、発送運賃及び運送費用、賃借料等があります。また、設備投資需要としては、物流センターの新設または増床、ソフトウエア開発、及びマテハンの導入等があります。
当社は、これらの資金需要に機動的に対応するため、内部留保を蓄積すること、並びに金融機関からの借入を行うことで、流動性を確保することとしております。
(1) 資本提携に係る契約
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相手方の名称 |
契約名称 |
契約締結日 |
契約内容 |
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楽天株式会社 |
投資契約書 |
2019年1月31日 |
第三者割当増資の引受 |
(2) 業務提携に係る契約
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相手方の名称 |
契約名称 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
楽天株式会社 |
倉庫業務委託 基本契約書 |
2019年1月31日 |
主に同社が運営する楽天市場の出店企業から同社が受託する物流業務の再委託契約 |
2019年1月15日から 2020年1月14日まで 以後1年ごとの自動更新 |
該当事項はありません。