第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

 当中間連結会計期間(2025年3月1日から2025年8月31日まで)における我が国経済は、緩やかな回復基調を維持する一方で、物流業界を取り巻く環境は引き続き厳しい状況にありました。燃料価格の高止まりに加え、深刻な人手不足に伴う人件費の上昇が常態化しており、物流コスト全体の上昇圧力は強まっています。

 このような状況下でも、EC市場の拡大は継続しており、物量の増加傾向は続いています。しかし、コスト上昇分を価格に転嫁することが難しい商習慣もあり、収益性の確保が大きな課題となっています。こうした課題に対し、物流事業者各社は、顧客との間で適正価格での取引を模索するとともに、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や自動化設備の導入などによる生産性向上に注力しています。また、社会全体で環境意識が高まる中、物流業界においてもカーボンニュートラルへの取り組みが加速しています。物流施設における省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入、輸送効率の改善などが、企業の競争力を高める重要な要素となっています。さらに、政府による「物流革新緊急パッケージ」などの支援策は、引き続き業界全体のDX化や労働環境改善を後押ししています。この流れを受け、当社も、EC物流センターの業務効率化と自動化を一層進め、人件費の上昇を抑制しつつ、高品質なサービスを安定的に提供することを目指しました。これらの取り組みを通じて、顧客企業の事業成長を支えるとともに、持続的な成長を実現できるよう努めております。

 これらの結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高が8,661,296千円(前年同期比14.3%増)、営業利益は72,615千円(前年同期比27.1%減)、経常利益は51,491千円(前年同期比34.3%減)親会社株主に帰属する中間純利益は61,991千円(前年同期比24.3%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 なお、各セグメントの売上高は外部顧客への売上高を表示し、セグメント損益は中間連結損益計算書における営業利益をベースとしております。

 

(物流サービス事業)

 物流サービス事業におきましては、EC・通販物流支援サービスを中心に、引続き品質及び生産性向上のための改善活動に取組み、お客様満足度の一層の向上を推進しました。また、本国内の賃金上昇の影響を受け、倉庫内で作業する人員のコストに対応するべく、お客様と密に価格交渉する等、利益率の改善に取り組んでまいりました。

 この結果、物流サービス事業に係る当中間連結会計期間の売上高は8,069,432千円(前年同期比12.1%増)、セグメント利益は22,003千円(前年同期は36,803千円のセグメント損失)となりました。

 

(ITオートメーション事業)

 ITオートメーション事業におきましては、倉庫管理システム「クラウドトーマスPro」はサイバー攻撃の影響で一部お客様の解約が発生しておりましたが、新たに大規模案件が決定したこと等により業績は徐々に回復にむかっております。

 この結果、ITオートメーション事業に係る当中間連結会計期間の売上高は523,633千円(前年同期比58.1%増)、セグメント利益は80,486千円(前年同期比50.2%減)となりました。

 

(その他の事業)

 その他の事業におきましては、障がい者のお子様向けの放課後等デイサービス及び障がい者の方向けの就労移行支援サービスが軟調となりました。

 この結果、その他の事業に係る当中間連結会計期間の売上高は68,231千円(前年同期比36.6%増)、セグメント損失は29,874千円(前年同期は25,290千円のセグメント損失)となりました。

 

[2026年2月期中間期 セグメント別経営成績]                                              (単位:千円,%)

セグメント区分

売上高

セグメント損益(営業損益)

 

サービス区分

実績

百分比

前年同期

増減率

実績

売上高営業利益率

前年同期

増減率

 

EC・通販物流支援サービス

7,995,838

92.3

12.6

 

受注管理業務代行サービス

73,593

0.9

△25.6

物流サービス事業

8,069,432

93.2

12.1

22,003

0.3

ITオートメーション事業

523,633

6.0

58.1

80,486

15.4

△50.2

その他の事業

68,231

0.8

36.6

△29,874

△43.8

セグメント合計

8,661,296

100.0

14.3

72,615

0.8

△27.1

 

② 財政状態の状況

 当中間連結会計期間末の総資産は12,163,303千円(前連結会計年度末比1,843,818千円の増加)、負債は10,110,245千円(前連結会計年度末比1,882,324千円の増加)、純資産は2,053,057千円(前連結会計年度末比38,505千円の減少)となりました。

 主な増減要因は、次のとおりであります。

 

(流動資産)

 当中間連結会計期間末における流動資産の残高は6,405,713千円(前連結会計年度末比1,463,781千円の増加)となりました。主な要因は、現金及び預金が1,203,962千円、売掛金が427,559千円増加した一方、その他流動資産が181,718千円減少したことによるものです。

 

(固定資産)

 当中間連結会計期間末における固定資産の残高は5,757,589千円(前連結会計年度末比380,037千円の増加)となりました。主な要因は、敷金及び保証金が215,979千円、投資有価証券が52,000千円増加したことによるものです。

 

(流動負債)

 当中間連結会計期間末における流動負債の残高は3,562,309千円(前連結会計年度末比1,018,264千円の増加)となりました。主な要因は、短期借入金が400,000千円、1年内返済予定の長期借入金が266,897千円増加したことによるものです。

 

(固定負債)

 当中間連結会計期間末における固定負債の残高は6,547,936千円(前連結会計年度末比864,060千円の増加)となりました。主な要因は、長期借入金が832,523千円増加したことによるものです。

 

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産の部の残高は2,053,057千円(前連結会計年度末比38,505千円の減少)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する中間純利益を61,991千円計上した一方で、配当金の支払額が

100,614千円あったことによるものです。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,204,178千円増加し、3,188,354千円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりです。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は388,626千円(前年同期は592,679千円の資金を獲得)となりました。主な要因は、仕入債務の増加額286,227千円、減価償却費156,418千円、税金等調整前中間純利益111,052千円があった一方で、売上債権の増加額457,670千円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は580,156千円(前年同期は493,301千円の資金を使用)となりました。主な要因は、敷金及び保証金の差入による支出216,174千円、無形固定資産の取得による支出58,188千円、有形固定資産の取得による支出121,564千円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は1,395,708千円(前年同期は377,091千円の資金を使用)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出1,350,580千円、配当金の支払額100,836千円があった一方で、長期借入れによる収入2,450,000千円、短期借入金の純増額400,000千円があったことによるものです。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの事業活動における運転資金の用途の主なものは、発送運賃費、運送費用及び賃借料等があります。また、設備投資にかかる資金需要としては、物流センターの新設または増床、ソフトウエア開発及びマテハンの導入等があります。

 当社グループは、これらの資金需要に機動的に対応するため、当面は資本市場からの資金調達は行わず、内部留保資金、並びに金融機関からの借入を行うことで、流動性を確保することとしております。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

  該当事項はありません。

 

(8)従業員数

 当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。

 

(9)生産、受注及び販売の実績

 該当事項はありません。

 

(10)設備の新設、除却等

 前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設のうち、当中間連結会計期間において完了したものは、以下のとおりです。

事業所名(所在地)

完成年月

当社関通MEGA物流センター

(兵庫県尼崎市)

2025年6月

 

 

3【経営上の重要な契約等】

(会社分割による持株会社体制への移行(再開)及び準備会社の設立)

 当社は、2025年9月12日開催の取締役会において、株主総会の承認及び必要な所定の手続き等の承認が得られることを前提として、会社分割による持株会社体制への移行(再開)及び事業承継を目的とした準備会社を設立することを決議しました。

 詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)(会社分割による持株会社体制への移行(再開)及び準備会社の設立)」をご参照ください。