第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。なお、当社は、前第1四半期累計期間については四半期財務諸表を作成していないため、前年同四半期累計期間との比較分析は行っておりません。

 

(1)財政状態の状況

(資産)

当第1四半期会計期間末における総資産は前事業年度末より3,339,758千円増加し、5,388,282千円となりました。これは、新株式の発行等により現金及び預金が3,179,199千円、仕掛品が108,538千円及び製品が54,655千円増加し、一方で売掛金が46,583千円減少したことが主な要因であります。

 

(負債)

当第1四半期会計期間末における負債は前事業年度末より39,392千円減少し、1,778,412千円となりました。これは、長期借入金が40,002千円減少したことが主な要因であります。

 

(純資産)

当第1四半期会計期間末における純資産は前事業年度末より3,379,151千円増加し、3,609,869千円となりました。これは、新株式の発行等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,800,925千円増加し、一方で四半期純損失222,698千円を計上したことが主な要因であります。

 

(2)経営成績の状況

当第1四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を抑制するため、同感染症

に対するワクチン接種が進み、経済活動の正常化の兆しが期待されつつあるものの、変異型ウイルスによる感染拡大の懸念や度重なる緊急事態宣言の発出により国内景気の先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。

一方、世界経済においては、ワクチン接種率の高い国は経済活動の正常化が進みつつあるものの、新興国の一部

では同感染症の感染拡大に歯止めがかかっておらず、依然として予断を許さない状況となっております。

また、国内の医薬品業界につきましては少子高齢化による人口減少に歯止めがかからず、膨張する社会保障費への対策のために医療費抑制政策の方針が継続するなど医薬品業界の事業環境も厳しいものとなることが予想されます。

このような環境のもと、当社は、BNCT※1の認知度向上とさらなる事業の拡大に向けて取り組んでまいりました。また、2021年4月には、東京証券取引所マザーズに上場いたしました。

以上の結果、当第1四半期累計期間の売上高は7,699千円、営業損失は183,905千円、経常損失は221,791千円、四半期純損失は222,698千円となりました。

なお、当社は医薬品開発事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

<創薬パイプラインの状況>

① SPM-011[対象疾患:再発悪性神経膠腫※2

日本国内において、2015年12月に治験届を提出し、2017年4月には厚生労働省の「先駆け審査指定制度」※3の対象品目に指定され、2020年7月に治験終了届を提出いたしました。

その後、独立行政法人医薬品医療機器総合機構と一部変更申請に向けた協議を行っており、追加の臨床試験の実施の可能性も視野に入れながら、早期の一部変更申請に向けて準備を進めております。

 

② SPM-011[対象疾患:再発高悪性度髄膜腫※4

大阪医科薬科大学附属病院において、医師主導治験※5として第Ⅱ相臨床試験を実施しており、本試験で使用される治験薬は当社が提供しております。

 

③ SPM-011[対象疾患:悪性黒色腫※6及び血管肉腫※7

日本国内において、2019年9月に治験届を提出し、第Ⅰ相臨床試験を実施しつつ、第Ⅱ相臨床試験に向けた計画案の作成を進めております。

なお、本試験は株式会社CICSが開発した加速器中性子捕捉療法装置「CICS-1」を用い、国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院において実施しております。

 

<語句説明>

※1「BNCT」……Boron Neutron Capture Therapyの略称。

BNCTとは、放射線治療の一種であり、新しいがんの治療法です。ホウ素の安定同位体であるB-10(天然ホウ素に約20%含まれる)の原子核はエネルギーの低い低速の中性子(熱中性子)をよく吸収し、直ちにヘリウム原子核(He核(α粒子))とリチウム原子核(Li核)に分裂します。これら原子核は細胞を破壊する能力が非常に大きい一方で、影響を及ぼす範囲が4~9ミクロン(μm)と極めて短いことが特徴です。また、熱中性子自体の細胞破壊能力は小さいため、B-10を含む物質ががん細胞に選択的に集積し、そこに熱中性子が照射されると、そのがん細胞は選択的に破壊されます。この原理に基づいて考案された医療技術がBNCTです。

 

※2「悪性神経膠腫」

神経膠腫とは、脳に発生する悪性腫瘍で原発性脳腫瘍の約30%を占めます。神経膠腫は、その悪性度によって4段階(グレードⅠ~Ⅳ)に分類され、中でもグレードⅢ~Ⅳに分類される悪性度が高い神経膠腫を悪性神経膠腫と呼び、さらにグレードⅣの神経膠腫を膠芽腫と呼びます。膠芽腫を含む悪性神経膠腫は、現在なお治療が困難な疾患とされています。

 

※3「先駆け審査指定制度」

一定の要件を満たす新薬等について、厚生労働省が、開発の比較的早期の段階から薬事承認に係る相談・審査等において優先的な取扱いを行う制度です。具体的には、「①治療薬の画期性、②対象疾患の重篤性、③対象疾患にかかる極めて高い有効性、④世界に先駆けて日本で早期開発・申請する意思」の4つの要件を満たす画期的な新薬等を開発段階で対象品目に指定し、新たに整備された相談の枠組みを優先的に適用し、かつ優先審査を適用することにより、審査期間を6ヶ月(通常は12ヶ月)まで短縮することを目指すものとされています。なお、先駆け審査指定制度においては、対象品目の指定時に予定される効能又は効果も指定されることから、製造販売承認取得後に適応疾患を拡大する際には同制度の対象外となります。当社は、提出日現在、再発悪性神経膠腫と切除不能な局所再発頭頸部癌並びに局所進行頭頸部癌(非扁平上皮癌)について、対象品目の指定を受けています。

 

※4「高悪性度髄膜

髄膜とは、脳と脊髄を保護している薄い組織層で、髄膜腫とはその内側の層の一つにできるがんのことです。髄膜腫は良性であることが多く、高悪性度髄膜腫は希少疾患である一方で、再発や転移を起こしやすい、治りにくい腫瘍の一つです。

 

※5「医師主導治験」

医師主導治験とは、製薬企業等と同様に医師自ら治験を企画・立案し、治験計画届を提出して実施する治験を指します。大阪医科薬科大学附属病院において実施している再発高悪性度髄膜腫の医師主導治験に使用される治験薬は、当社から提供しております。

 

※6「悪性黒色腫」

悪性黒色腫は皮膚がんの一つで、単に黒色腫又はメラノーマと呼ばれることもあります。皮膚の色と関係するメラニン色素を産生する皮膚の細胞で、表皮の基底層に分布しているメラノサイト又は母斑細胞が悪性化した腫瘍と考えられています。

 

※7「血管肉腫」

血管肉腫とは、血管の内皮細胞から発生するがんのことです。体のいたるところにできる可能性があり、皮膚に生じることが多いがんです。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当第1四半期累計期間における研究開発活動の金額は、53,046千円であります。

なお、当第1四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第1四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。