第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社は、LSBMで開発された蛋白質発現技術、及びファージ抗体ライブラリを用いた抗体スクリーニング技術、並びにシーズ探索技術を駆使して、がん及びその他の疾患の治療用抗体医薬品の研究開発を進めることで、世界の医療に貢献していくことを基本方針としております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社における導出時の契約一時金とその後の継続的なマイルストーン等の収入は、当社又は導出先における研究開発の進捗に大きく左右されます。

そのため、当社では、ROA(総資産利益率)やROE(自己資本利益率)といった数値的な目標となる経営指標は用いておりませんが、経営指標として、将来の売上に繋がるパイプラインの開発の進捗、パイプラインの拡充及び売上高を重要な目標と考え、事業活動を推進しております。

 

(3) 中長期的な経営戦略

当社の中長期における重要課題は、継続的に新規抗体を創出することであり、そのために開発パイプライン充実に向けた探索研究を継続的に実施するとともに早期臨床開発を実施してまいります。当社の開発パイプラインは、PPMX-T001及びPPMX-T002が臨床試験段階であり、導出先企業において日本国内や欧米等、各地域での承認を取得していくとの説明を受けております。また、PPMX-T003は、本書提出日現在、第Ⅰ相試験を進めております。

創薬ベンチャーである当社は、これらの研究開発を継続して行っていくために、研究開発体制の強化と研究開発資金の調達が不可欠であります。そのために、新規提携先の確保、研究開発助成金の獲得とともに、必要に応じて、投資家からの資金調達を行いながら研究開発を推進してまいります。 

 

(4) 経営環境

当社の事業である抗体医薬はバイオ医薬品に属します。世界におけるバイオ医薬品市場の推移を見ると、年々バイオ医薬品の売上高は増加しており、2019年には約2,660億ドル(バイオ医薬品比率29%)に達しました。今後も売上の増加が見込まれており、2026年には約5,050億ドル(バイオ医薬品比率35%)に達するとも予測されています(出典:EvaluatePharma® World Preview 2020, Outlook to 2026)。また、2019年度の世界の医薬品の売上高上位10品目のうち、抗体医薬品は1位も含めて4品目を占めております(出典:日経BP社 「日経バイオテク」の調査データ)。このように当社の事業環境は成長基調にあり、その中にあって、当社は医療ニーズの高い抗体医薬品を継続的に開発することにより、事業の成長が見込まれると考えています。

新型コロナウイルス感染症は、当社の医薬品開発において治験の中断などの影響を及ぼし、パイプラインPPMX-T003の健常人の第Ⅰ相試験においても約4カ月の遅れで終了しました。また、世界の研究者に向けて販売している抗体試薬販売は、世界の大学等の研究機関における研究活動等が停滞した影響を受け、その売上が減少しました。これについては回復傾向がみられるので、2023年3月期には概ね回復すると予想しています。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社は、LSBMで開発された蛋白質発現技術、及びファージ抗体ライブラリを用いた抗体スクリーニング技術、並びにシーズ探索技術を駆使して、世界の医療に貢献していくことを使命として、がん及びその他の疾患の治療用抗体医薬品の研究開発を進めております。このような経営環境のもとで、当社は、次の対処すべき課題に取り組んでまいります。

① 開発パイプラインの拡充

新規抗体医薬品を開発パイプラインに載せられる段階まで研究開発を進めるためには、抗体作製技術力の向上や世界最先端のサイエンス(新規に判明した疾患原因、新規標的の情報、分析技術の進歩、新しい抗体製造技術や精製技術等、LSBM及びそのネットワーク等も活用)と医療ニーズを有する臨床医との交流を通じたアカデミアとの連携が課題となります。

・ PPMX-T003の開発

PPMX-T003の開発は当社の重要課題であり、これに研究開発資源を重点配分します。2019年に治験薬製造を完了し、真性多血症治療薬としての第Ⅰ相試験(健常人対象)を開始しました。今後、0.25mg/Kg以上の投与量での第Ⅰ相試験(真性多血症の患者さん対象)を行う計画で準備しています。併せて、他の血液がん及び固形がんへも展開するため大学と共同で臨床効果に関する基礎研究を推進いたします。

・ 次期抗体の探索研究

複数の次期開発候補抗体の基礎データを取得し、次の開発候補を明確にいたします。また、開発候補を創出するため、新規抗体の取得も継続的に進めてまいります。新規テーマについては、積極的に全国の大学研究機関との共同研究を行っております。さらに、共同研究の中で、技術的な討論をすることで、抗体研究支援の受注も推進していきます。

② 抗体研究支援及び抗体・試薬販売の拡大

研究受託の売上増を図るため、大学や企業研究機関等からの新規研究受託を推進してまいります。また、抗体・試薬販売は、学術論文に記載されている使用実績が研究者の抗体選択に影響を及ぼすため、当社ホームページ上に、当社抗体の論文記載例を掲載し、訴求することにより売上増を図ってまいります。

③ 財務体質の強化

当社は、多額の研究開発費用が先行して必要となるビジネスモデルのため、財務体質の強化が課題になります。そのため、ライセンス契約の締結を始めとした国内外のパートナーとの提携や、株式市場からの資金調達等により、財務体質の強化に努めてまいります。

④ 優秀な人材の確保

医薬品の開発には、多額の資金と長期にわたる研究開発活動が必要となります。また、研究開発活動が当初の計画どおりに進む保証はなく、開発品の製造販売承認取得、上市までには、様々な不確実性が存在します。そのため、当社では、優秀な人材を積極的に採用し、効率的に研究成果をあげることができるような組織的な研究開発体制の構築を図ってまいります。また、研究開発活動における不確実性を低減させるために、他企業との業務提携等についても、引き続き積極的に推進してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社の事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。中には当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項も含まれておりますが、投資判断上、もしくは当社の事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資家や株主に対する積極的な情報開示の観点からリスク要因として挙げております。

当社はこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針であり、当社におけるリスク管理の体制として、問題があると認められる行為等については、コンプライアンス責任者から取締役会に適宜報告される体制としています。他方で、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項以外の記載もあわせて、慎重に検討した上で行っていただく必要があると考えます。また、以下では投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなく、更にこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意いただく必要があると考えます。

当社は、医薬品等の開発を行っていますが、医薬品等の開発には長い年月と多額の研究費用を要し、各パイプラインの開発が必ずしも成功するとは限りません。特に研究開発段階のパイプラインを有する製品開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資者が投資対象とするにあたり相対的にリスクが高い対象と考えられており、当社への投資はこれに該当します。

なお、文中の将来に関する記載は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 医薬品の研究開発、医薬品業界に関するリスク

① 新薬開発の不確実性

当社は、抗体医薬品開発を行っておりますが、一般に医薬品開発の成功確率は、他産業と比較して極めて低いものとされています。また、一般的に、医薬品開発の研究開発期間は多額の研究開発投資と基礎研究段階から承認取得に至るまで長期間を要すると考えられています。

そのため、基礎研究及び非臨床試験において高い効果が期待される新規抗体医薬品候補が見つかったとしても、その後の臨床試験において、期待した効果が得られなかった場合、重篤な副作用が生じた場合、当局の審査において承認が得られなかった場合などには、研究開発に遅れを生じたり、研究開発計画が延期あるいは中止されたりする可能性があります。当社では、そのようなリスクを低減するために、当社で治験を実施する場合は、医師等の専門家の指導を受けて治験デザインの策定等を行っておりますが、医薬品の研究開発には多くの不確実性が伴い、当社の現在及び将来の開発品についても以上と同様の不確実性のリスクが内在しております。研究開発が遅れた場合や追加試験が必要となった場合には、計画外の追加資金が必要となり、追加資金確保のために新たな資金調達が必要となる可能性があり、その資金調達の実現自体にも不確実性があります。また仮に開発に成功し、ライセンス契約の締結に至っても、その存続期間を特許権の有効期間が終了するまでの期間としているものも有り、ライセンス契約中にマイルストーンを達成できずに、当初想定した投資回収額を回収できないリスクもあります。このようなリスクが顕在化した場合には、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 法的規制及び医療保険制度について

医薬品業界は、各国において薬事法をはじめとする事業規制法、医療保険制度並びにその他関係法令等により様々な規制を受けております。当社においては、現行の医薬品に関する日本をはじめとした先進国での承認基準や薬事規制を前提として事業計画を策定しておりますが、これらの基準及び規制は、技術の発展や市場の動向等に応じて適宜改定がなされる性質であります。

上述したとおり医薬品開発においては開発に長期間を要し、その期間内にこれらの基準及び規制、制度等が改定・変更される可能性があります。当社では、法令や制度等の変更に係る情報を収集し、適切に対応する方針ですが、それら制度等の改定・変更により既存の研究開発の体制(組織的な体制、製造方法、開発手法、臨床試験の進め方、追加試験を行う必要性の発生等)の変更が必要となり、それにも拘わらず速やかに対処できず研究開発が遅延・中止となるリスクが存在するだけでなく、人員確保や設備投資に計画外の追加資金が必要となり、追加資金確保のために新たな資金調達が必要となるリスクがあり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 抗体医薬品市場について

当社は、主に抗体医薬品の開発を行っております。当社は、医薬品業界動向を示すデータや予測などから抗体医薬品市場が安定的に成長すると見込んでおり、今後も継続的に業界動向の情報収集に努め、経営環境の変化に応じた事業運営を行う方針ですが、抗体医薬品と競合する低分子医薬品、中分子医薬品、核酸医薬品及び再生・細胞医療の開発・発展等により想定どおりに抗体医薬品市場が拡大しなかった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 技術革新について

当社が属する医薬品業界は、技術革新が著しく速いため、当社も創薬基盤技術を継続的に発展させるべく、研究開発を積極的に実施しております。

しかしながら、急激な技術革新等により新技術への対応に遅れが生じた場合、当社が保有する技術・ノウハウが陳腐化した場合、また、必要な技術進歩の常なる追求に伴い、想定を超える費用と時間を要した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 競合について

当社が携わる研究開発領域は、急激な市場規模の拡大が見込まれており、欧米を中心にベンチャー企業を含む多くの企業が参入する可能性があります。

当社では、早期の上市に向けた研究開発活動を続けており、特許の取得等によって競争優位性の確保に努めておりますが、競合他社の有する医薬品候補物質の研究開発が、当社の有する医薬品候補物質と同じ疾患領域で先行した場合、当社の事業の優位性は低下する可能性があります。競合他社による新薬の登場により、当社の臨床試験において被験者の登録が停滞し臨床試験が遅延する可能性、目標被験者数に届かず臨床試験が中止となる可能性があります。そうした場合、当社の事業において多額の資金が必要となる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、競合する新薬の開発が先行し、又は競合新薬が上市されたことにより、事業性が大きく毀損されたと導出先製薬企業が判断する場合は、開発スケジュールが遅延する可能性があるだけでなく、ライセンス契約そのものの解消に至る可能性があります。上市に至った場合においても、他社が同様の効果や、より安全性のある製品を販売した場合、適切な薬価が付かず、当初想定したロイヤリティが得られない等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 医療費の抑制政策に伴う価格引き下げについて

日本政府は、今後の人口の高齢化及びそれに伴うさらなる医療費の増加を抑制するため、薬価の引き下げ、ジェネリック医薬品の使用推進等の施策を行っております。また、日本のみならず米国や諸外国においても、同様の傾向がみられます。当社は、引き続き政策動向を注視し、経営環境の変化に応じた事業運営を行う方針ですが、今後の医療費抑制の政策に関する動向によっては、上市した医薬品に想定した適切な薬価が付かず、想定したロイヤリティが得られないなどにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 副作用について

当社が研究開発を実施した治験薬及び上市後の医薬品で、臨床試験段階から製品上市後にかけて、予期せぬ重篤な副作用が発現する可能性があります。万が一重篤な副作用が発現した場合、製造物責任等を追求されることに伴い損害賠償リスクが発生する可能性があることから、保険の加入等により財政的な影響を回避又は最小限にしていくよう対応しております。

しかしながら、保険金の支払が、最終的に当社が負担すべきとされた損害賠償額の全額に満たない、又は保険金が支払われない可能性もあります。その場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これ以外にも、最終的に当社への損害賠償が認められなかった場合であっても、また、損害賠償額の全額が保険で補てんされた場合であっても、損害賠償請求がなされたという事実により、当社に対してネガティブなイメージをステークホルダーが持ち、その結果、研究開発中の医薬品候補物質及び上市後の医薬品に対する信頼性が損なわれるならば、その後の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 研究開発施設等における事故等の発生について

当社は、東京本社と名古屋ラボに研究開発施設を有しております。当社では、実験室安全委員会を設け、研究開発施設における危険物の管理、教育訓練等を実施し、事故防止のための対応を徹底しておりますが、不可抗力を含めた何らかの原因により火災や環境汚染事故、感染等が発生した場合、研究開発活動の中断、停止、又は、損害賠償や風評被害等重大な損失を招く可能性があり、その場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、以下の⑨に記載のとおり、当社は、当社の研究開発業務の一部を専門機関である外部委託先(CRO-医薬品開発業務受託機関、治験実施施設、原薬・製剤の製造業者等)に委託しており、これら外部委託先において不可抗力を含めた何らかの原因により火災や環境汚染事故等が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社及び外部委託先において地震、水害等の自然災害・その他の避けることの困難な事態の発生により、設備・インフラが支障をきたし稼働できない状況、従業員等が出社できない状況等、一時的又は長期にわたり業務が停止し、臨床開発を一時的又は長期にわたり休止せざるを得ない状況が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 外部委託先との連携について

当社は、経営の機動性・効率性の観点、コスト低減や専門性の高い分野における協業等の観点から主に以下の業務の一部を専門機関に委託しております。

・原薬・製剤(治験薬)の製造・評価試験

・薬理効果試験・毒性試験等の非臨床試験

・臨床試験のモニタリング・データマネジメント・統計解析

・治験実施施設における臨床試験

現在、委託先との関係は良好であり、今後も取引を継続してまいりますが、委託先における自然災害及び重大な感染症の流行等の不測の事態等により、原薬の安定供給に支障が生じる、適時なサービス業務を受けられなくなる、治験を含む研究開発活動が遅れる等の可能性があります。この場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

上述した委託及びそれ以外の業務に関する委託について、予期せぬ契約の終了や契約内容の変更が行われないよう、委託先の経営状況の把握と、良好な関係の維持に努めておりますが、当社にとって不利な内容で契約の改定が行われた場合又は予期せぬ事情により契約が終了した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、外部委託先は日本国内のみならず海外の企業にも及んでおります。今後も国内外を問わず、研究開発において最善かつ最適な企業・医療機関等を選択して業務の委託を行う予定であります。

海外の企業に業務を委託するに際して、国内外のコンサルタントを利用し、コミュニケーションを密にして情報収集に努めるなどトラブルを回避するための措置を講じておりますが、当該国における法令等及びその解釈等に伴い問題を生じる可能性、商取引慣行や買収等により現地の委託先と問題を生じる可能性、国際税務上の問題又は戦争・紛争等に伴う治安不安等により事業運営に制約を受ける可能性があります。この場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業遂行上のリスク

① 経営上の重要な契約等について

当社の経営上重要な契約の概要は、「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等」に記載しております。現在、これら重要な契約の継続に支障はなく、当社としては予期せぬ契約の終了や契約内容の変更が行われないよう、委託先の経営状況の把握と、良好な関係の維持に努めておりますが、当該契約が期間満了、又は契約の相手方の経営状態の悪化や経営方針の変更に基づく契約解除その他の理由による終了、もしくは当社にとって不利な内容で改定が行われた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 大学との共同研究に係る費用負担について

当社は、医薬品シーズの探索を目的として、藤田医科大学をはじめとする複数の大学との共同研究を行っておりますが、共同研究に係る費用の一部については当社が負担しております。また、共同研究の進捗状況に応じて、追加的な費用を負担する場合もあります。

当社は、今後も大学との共同研究に積極的に取り組む方針であり、相応の共同研究費を負担する予定であります。共同研究費については、大学との話し合いの上決定しておりますが、共同研究に係るテーマ等の状況により、当社が予定していない費用負担が発生することになった場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 会社組織について

当社は、本書提出日現在、取締役10名及び従業員22名の小規模な組織であり、内部管理体制も当該規模に応じたものであります。今後の事業拡大に伴い、内部管理体制の充実を図る方針でありますが、必要な人員を確保できない場合、当社の今後の組織的な事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 人材育成・確保について

当社が成長を続けていくために不可欠な要素の一つが、優秀な人材の確保育成であります。今後も、特に研究開発分野における専門的な知識・技能をもった優秀な人材の確保育成が必要であると考えております。今後も優秀な人材の確保育成を進めていく方針ですが、当社の想定する人材の確保に支障が生じた場合、又は優秀な人材が社外に流出した場合には、当社の事業、業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 特許について

当社は、様々な知的財産権を実施しており、これらは当社の保有する権利であるか、又は権利者から適法に使用許諾を受けた権利であると認識しております。また、これらの知的財産権については登録済みとなっているものと出願・審査中のものがあります。

本書提出日現在、当社としては権利化されることを念頭に出願しておりますが、出願済みの発明について、その全てにつき特許が成立するとは限らないだけでなく、出願中の特許全てが権利化に至らない可能性があります。また、優れた技術が出現した場合には、当社が実施する特許権に包含される技術が陳腐化する可能性があります。これらの結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、特許の出願は、発明の内容、対象国等について費用対効果を考慮して行いますので、研究開発で得られたすべての発明につき出願するものではありません。また、出願費用・維持費用等のコストを回収できない可能性があります。

他社において優れた特許発明がなされ、権利化される可能性は常に存在していることから、当社の特許が成立しても、他社の特許発明により、当社の特許が無力化される可能性は潜在的に存在します。天然物に関連する特許については、日本・米国・欧州の特許庁において共通したガイドライン等が合意され、運用されておりますが、これとは別のガイドライン等に基づき運用している国があり、国によって法令・ガイドラインが異なり複雑な状況となる場合があります。また国によってその法令・ガイダンス等が同一でも解釈や事実認定の方法・解釈が異なる場合があり、他国において当社が出願した特許が事前の想定どおりに取得・登録されない可能性があります。日本を含め他国においても、解釈等の違いに基づいて、第三者が当社に通知・補償・支払いをすることなく当社の特許及びそれに関連すると考えられている技術を利用し、研究開発、医薬品・薬剤の製造販売をする可能性があります。

なお、現在、当社のパイプラインにおいて、その実施に支障となる、又は支障をきたす可能性のある特許権等は、調査した限りにおいて確認されておりません。

また、当社が実施許諾を受けた権利の契約が期間満了、又は契約の相手方の経営状態の悪化や経営方針の変更に伴い契約解除その他の理由による終了、もしくは当社にとって不利な内容での改定が行われる可能性があり、それらは当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 訴訟及び請求について

当社は、その事業が第三者の特許権等に抵触することを未然に防止するため、特許事務所と連携の上、特許調査を適時実施しております。また、本書提出日現在において、当社の事業に関する特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟係属を含め、何らかの請求・主張を受けている事実はありません。

しかしながら、万が一、第三者との法的紛争が生じた場合には、この解決に時間及び多大な費用を要する可能性があります。特に第三者の特許権等に抵触する形で事業を行っていた場合、当該第三者からの差止請求や損害賠償請求、高額な実施料の請求等により、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、製造物関連、環境関連、労務関連その他に関する訴訟が提起された場合には、その結果、当社の社会的信用が失墜を招き、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 職務発明について

当社における職務発明の取扱いに関しては、発明・考案に関する規程を制定・運用し、当該規程に従い発明者に対して相当の対価を支払うこととしております。また、本書提出日現在、当社において職務発明の対価の請求・主張を受けている事実はありません。

しかしながら、発明者との間で職務発明の対価の相当性についての係争やトラブル等が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑧ 風評上の問題の発生について

当社は、開発における安全性の確保、法令遵守、知的財産権管理、個人情報管理等に努めており、本書提出日現在、以上に関して第三者から請求・主張を受けている事実はありません。しかしながら、当社に関してマスコミ報道等において事実と異なる何らかの風評上の問題が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社では、主にホームページでのタイムリーな発表等により、適時に適切な情報の提供をすることとして、こうした風評の発生の予防に努めております。

⑨ 災害、感染症等の発生に関する不確実性について

当社が事業活動を行っている地域において、自然災害や火災等の事故災害等が発生した場合、当社の設備等に大きな被害を受け、その一部又は全部の稼働が中断し、研究開発が遅延する可能性があり、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生したならば、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、重大な感染症の流行等が発生した場合や、研究所の一時閉鎖等の不測の事態が発生した場合には、研究開発が遅延する可能性があり、その遅延の結果、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。本書提出日現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行拡大により、世界経済は大きな影響を受けております。当社におきましては、『緊急コロナウイルス対策方針』を定め、在宅勤務や休業、全従業員へのマスクの配布、及び衛生管理の徹底等の対策を行い、当該リスクの発生防止に努めておりますが、社員又は社員の家族等に当該感染症の感染者が発生し、当社全体に及んだ場合、研究開発や試薬販売等、事業の推進が困難になり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑩ ITセキュリティ及び情報管理について

当社は、ITセキュリティ及び情報管理について、情報セキュリティ管理規程、個人情報保護方針に沿って運用を行っておりますが、役職員、外部委託先の不注意又は故意の行為、又は第三者による意図的な攻撃(サイバーアタック)などにより、当社のシステムの停止、中断などセキュリティ上の問題や、秘密情報や個人情報の漏洩が発生する可能性があります。当社は、研究開発を目的の中心に据えていることから、こうした問題点に対応し、できる限りリスクを低減するべく規程や手続を整備するとともに、内部監査、監査や必要に応じた外部専門家の関与により、セキュリティの強化に努めておりますが、システムの停止やセキュリティ上の問題が発生した場合、当社の研究開発への悪影響、個人情報や知的財産等にかかる重大な機密情報の流出・漏洩が、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑪ コンプライアンスについて

当社の事業遂行にあたっては、薬事法の規制、製造物責任、環境に関する規制など、各種の法令の規制の適用下にあります。当社は、内部統制評価基本方針、コンプライアンス管理規程等に基づき、全社において事業活動が法令及び内規を遵守して実施されるよう、コンプライアンス責任者の活動、内部監査、監査等を通じて検証しておりますが、当社の役職員、外部委託先等の第三者が、これらの法令等に違反した場合や、仮に法令違反に該当しなくとも社会的に不適切とみなされる行為に及んだ場合には、法令による処分、処罰などの制裁、訴訟の提起を受ける可能性があり、当社の社会的信頼・名誉が毀損するだけでなく、金銭的損害を被ることにより、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑫ 配当政策について

当社は創業以来、株主に対する剰余金の分配を実施しておりません。

株主への利益還元については、重要な経営課題と認識しており、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しつつ剰余金の分配を検討する所存でありますが、当面は研究開発活動の継続的な実施に備えた資金の確保を優先し、配当は行わない方針であります。

⑬ ベンチャーキャピタル及び投資事業組合の株式保有比率について

当事業年度末現在、当社の発行済株式のうちベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下総称して「VC等」という。)が保有している株式の所有割合は52.3%であります。一般的に、VC等が未公開株式に投資を行う目的は、株式公開後に当該株式を売却してキャピタルゲインを得ることであり、VC等は当社の株式公開後に、それまで保有していた株式の一部又は全部を売却すると考えられるため、現在VC等の保有している株式も、今後売却することが想定されます。当該株式売却により、短期的な需給のバランスの悪化が生じる可能性があり、当社株式の市場価格が低下する可能性があります。

⑭ 新株予約権について

当社は、優秀な人材を確保するため、また当社事業及び研究開発活動へのモチベーションの維持・向上を目的として、新株予約権(ストック・オプション)を役員及び社員に付与しております。今後においても上述した目的のため新たに新株予約権を付与していく予定であります。これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

なお、当事業年度末現在、当社が発行した新株予約権にかかる潜在株式の数は838,600株であり、発行済株式総数8,386,400株に対する潜在株式数の割合は10.0%であります。新株予約権の状況及び内容につきましては、「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況」をご参照ください。

⑮ 資金使途について

当社が今回の株式上場において公募増資により調達する資金の使途につきましては、主として既存パイプラインの研究開発費用に充当するほか、新規のパイプラインの研究開発・導入にも充当していく方針であります。ただし、急激な外部環境の変化等を生じた場合、それに対応するために現時点における資金使途以外の使途に充当する、又は資金使途の充当時期が変更される可能性があります。また、当社の計画どおりに使用したとしても、計画どおりの効果を上げられない可能性もあります。

 

(3) パイプラインに関するリスク

当社の開発するパイプラインは、上市までに数多くの開発課題を解決していく必要があります。各パイプラインが抱えるリスクは以下のとおりです。

① PPMX-T001について

PPMX-T001については、中外製薬株式会社に抗GPC3抗体の特許を受ける権利等を譲渡し、研究開発の成果が将来実現(マイルストーンイベント)した等により対価を得られる契約を締結しており、譲渡後の研究開発は中外製薬株式会社が実施しております。このため、当社は研究開発に関与しておらず、費用も負担しておりません。また、契約上定められた中外製薬株式会社からの情報連絡は、マイルストーンイベントの発生及び開発中止の決定がなされた場合のみであり、その他の開発状況に係る、当社の情報取得は公開情報に限定されます。

単剤での開発は、第Ⅱ相試験で主要評価項目が未達となり、その後の研究開発の予定は公表されておりません。一方、アテゾリズマブとの併用で行った第Ⅰ相試験では、患者さんでの有効性が確認されたことが学会発表されております。さらに、バイスペシフィック抗体ERY974(抗GPC3-抗CD3)の米国での第Ⅰ相試験が、2019年8月に終了し、国内での第Ⅰ相試験を実施中でありますが、上市までに長期間を要すると考えられます。

今後、以下に記載する理由により、開発が遅延又は中止となる可能性があります。 

・臨床試験実施中に疾患領域において競合する新薬が上市されるなどの理由により、必要となる被験者数を適時に獲得できない場合

・主に安全性等に起因する理由に基づく規制当局による当該試験の中断又は中止命令が出た場合

・中外製薬株式会社が当該臨床試験の方針を変更した場合

・中外製薬株式会社が医薬品候補物質の有効性及び安全性が認められる臨床試験成績が得られなかったと判断した場合

・外部環境の変化 

この場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、追加の資金調達の必要性が生じる可能性があります。

また、中外製薬株式会社との契約の存続期間は、対象となる抗GPC3抗体の特許権の存続期間であり、当該特許権の存続期間が2022年です。このため、契約期間中にマイルストーンが達成できずに、想定した回収額を得られない可能性があります。

② PPMX-T002について

当社及び富士フイルムRIファーマ株式会社(現 富士フイルム富山化学株式会社)は、PPMX-T002に関する権利を富士フイルム株式会社に使用許諾しており、富士フイルム株式会社が使用許諾後の研究開発費を負担しております。

現在、富士フイルム株式会社が米国で第Ⅰ相試験を拡大し、日本の厚生労働省が定める第Ⅱ相試験相当を、富士フイルム富山化学株式会社が日本で第Ⅰ相試験を、それぞれ実施しておりますが、上市までには長期間を要すると考えられます。

今後、以下に記載する理由により、開発が遅延又は中止となる可能性があります。 

・臨床試験実施中に疾患領域において競合する新薬が上市されるなどの理由により、必要となる被験者数を適時に獲得できなかった場合

・主に安全性等に起因する理由に基づく規制当局による当該試験の中断又は中止命令が出た場合

・富士フイルム株式会社が当該臨床試験の方針を変更した場合

・富士フイルム株式会社が医薬品候補物質の有効性及び安全性が認められる臨床試験成績が得られなかったと判断した場合

・外部環境の変化 

この場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、追加の資金調達の必要性が生じる可能性があります。

③ PPMX-T003について

PPMX-T003は、当社が研究開発費を負担し、真性多血症治療薬としての第Ⅰ相試験を日本で実施中です。第Ⅰ相試験完了後、製薬企業へ導出し、開発を委ねる予定です。現時点で導出の臨床試験のフェーズ、導出先及び契約内容は未定であり、上市までに長期間を要すると考えられます。

今後、以下に記載する理由により、開発が遅延又は中止となる可能性があります。

・臨床試験実施中に疾患領域において競合する新薬が上市されるなどの理由により、必要となる被験者数を適時に獲得できない場合

・主に安全性等に起因する理由に基づき、規制当局による当該試験の中断又は中止命令が出た場合

・臨床試験において期待する有効性及び安全性を示すデータが得られなかった場合

・研究開発の後期を担う導出先が見つかるまでに想定を大幅に越える時間がかかった場合、又は見つからなかった場合

・外部環境の変化

この場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、追加の資金調達の必要性が生じる可能性があります。

 

(4) 業績等に関するリスク

① 収益の変動及びその不確実性について

当社の収入は、主に抗体研究支援及び抗体・試薬販売に伴う比較的安定した収入と、当社の導出した抗体の医薬開発に向けた製薬企業等との契約に基づく契約一時金等の収入の2つに分かれております。製薬企業からの収入は、研究や開発の進捗に大きく左右されることから、当社又は導出先における研究開発の進捗に遅れが生じた場合や、導出先の研究開発方針に変更等が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、抗体研究支援における研究受託について、過年度においては、富士フイルムグループからの研究受託を実施しておりましたが、今後は富士フイルムグループからの大型の受託は見込まれず、研究受託による売上高も減少しております。このため、当社では、受託研究の新規依頼先の確保に努めております。

また、当社の期間損益は、製薬企業への導出契約に基づく契約一時金及び研究開発の進捗に伴うマイルストーン等により大きく変動する可能性があります。 

② 資金繰りについて

当社のような研究開発型の企業においては、開発期間において継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなる傾向があります。当社においても営業キャッシュ・フローのマイナスが続いているため、増資による調達のほか、研究開発の進捗に合わせて提携先からの一時金やマイルストーンの形などで資金の確保に努める方針でありますが、何らかの理由によりこうした資金の確保が進まなかった場合においては、今後の事業展開に重大な影響を及ぼす可能性があります。

③ 税務上の繰越欠損金について

当社は当事業年度末現在において、税務上の繰越欠損金を有しており、現在は所得を課税標準とする法人税、住民税及び事業税が課されておりません。しかしながら、当社の業績が順調に推移することで繰越欠損金を上回る課税所得が発生した場合、あるいは税制改正に伴い所得を課税標準とする法人税、住民税及び事業税が発生した場合には、計画している当期純利益又は当期純損失並びにキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

④ 為替レートの変動について

当社は、抗体・試薬の海外への販売及び治験薬の製造等の海外への委託を実施しており、海外の取引先との間で外貨建取引を行っております。当社の今後の事業規模の拡大に伴い、外貨建取引の規模が大きくなった場合や支払サイトの長い外貨建取引を行う場合には、為替レートの変動により当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 特定の取引先への依存について

富士フイルム株式会社(以下、「同社」という。)は、2006年1月の当社への出資に始まり、2009年1月には当社議決権の76.7%を所有する親会社となりました。その後、2018年3月の当社第三者割当増資の結果、同社の当社議決権の保有割合は、48.6%となり、大株主ではありますものの、その他の関係会社になり、その後2020年11月の当社第三者割当増資の結果、同社の当社議決権の保有割合は、当事業年度末現在35.6%になっております。

a.当社役員の同社の役職員との兼任

当社は、同社より、1名(取締役 伴寿一)を役員として招聘しております。伴寿一の招聘については、医薬品業界における豊富な知識と経験を当社の経営に活かしていただくことを目的としたものであります。

b.同社グループとの取引関係

2021年3月期における同社グループとの取引関係は以下のとおりであります。

取引先

取引内容

金額(千円)

取引条件等の決定方法

富士フイルム株式会社

特許維持費の立替

14,340

パイプラインの導出時に、当該特許維持費を請求することを協議の上決定しております。

FUJIFILM Diosynth

Biotechnologies

U.S.A., Inc.

保管料

32

当社が希望価格を提示し、価格交渉の上で決定しております。

FUJIFILM Diosynth

Biotechnologies

UK Limited

保管料

立替金の支払

1,413

1,364

当社が希望価格を提示し、価格交渉の上で決定しております。

富士フイルム和光純薬株式会社

抗体販売

1,285

当社が希望価格を提示し、価格交渉の上で決定しております。

富士フイルムテクノプロダクツ株式会社

研究受託

2,176

当社が希望価格を提示し、価格交渉の上で決定しております。

富士ゼロックス東京株式会社

(現 富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社)

使用料

329

当社が希望価格を提示し、価格交渉の上で決定しております。

富士フイルムイメージングシステムズ株式会社

使用料

384

当社が希望価格を提示し、価格交渉の上で決定しております。

 

また、当社の経営上の重要な意思決定において、同社グループの事前承認事項や事前報告事項は存在せず、同社からの独立性の確保という点で、同社との関係によって当社の自由な事業活動を阻害される状況にないと考えております。

 

なお、上述したリスクは、当社が事業を行う上で予想される主たるリスクであり、既に述べましたとおり、リスクがこれらに限定されるものではありません。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要、及び経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度における世界経済は、引き続き新型コロナウイルス感染症の拡大によって大きな影響を受けました。ワクチンの接種も進んでおりますが、変異株による感染症の拡大も懸念されております。

当社が属する医薬品業界におきましては、こうした新たな感染症への対策とともに、がんや認知症等、世界的に患者数が増えている疾患の治療法の確立が、継続的な重要課題になっております。当社事業におきましても、新型コロナウイルス感染症の拡大により、抗体・試薬の売上高の減少や抗体研究機関における研究開発の遅延などの影響を受けましたが、徐々に改善する兆しが見られました。

各領域における当事業年度の成果は次のとおりです。

a.創薬

当社の効率的な抗体取得プラットフォームを活用し、アンメット・メディカル・ニーズを満たすべく、主にがん領域で抗体開発を進めております。シーズ探索で得られた候補抗体のうち、多面的な検討から先ず選別されたGPC3, CDH3, トランスフェリン受容体という3つの抗体の開発を進めているほか、これに続く多くの候補抗体が研究開発段階にあります。当社のパイプラインの開発状況は次のとおりです。
(a)  PPMX-T002

PPMX-T002は細胞間接着因子と考えられているCDH3を標的としています。2011年に当社と実施許諾契約を締結した富士フイルム株式会社(以下富士フイルム社)によって、放射性同位体(RI)を標識した抗がん剤として開発が進められています。進行性固形がん患者さんに対して、富士フイルム社が米国にて行った第Ⅰ相試験では、PPMX-T002の抗体が、投与された患者さんのがん組織に集積することが認められたほか、一部症例においては腫瘍の縮小が確認されました。2019年より第Ⅰ相試験を拡大し、最大耐容用量で症例数を増やして、日本の厚生労働省の定める第II相試験相当が実施されています。

さらに、2020年4月からは富士フイルム富山化学株式会社により、国内での第I相試験も進められています。

(b) PPMX-T003

PPMX-T003は、当社独自のスクリーニング技術であるICOS法により取得したユニークな完全ヒト抗体であり、トランスフェリン受容体(TfR)を標的とします。TfRは細胞内への鉄の取り込みに関与しており、増殖が盛んながん細胞に多く発現しています。本抗体がTfRに結合すると、がん細胞内への鉄の取り込みを阻害し、それによってがん細胞の増殖を抑制する抗腫瘍効果が得られます。当社は国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究成果最適展開支援プログラムの支援を得て、2018年にサルを用いた非臨床毒性試験を完了し、その後自社での対応に切り替えました。PPMX-T003は、その抑制効果から様々ながんに対する治療効果を期待できると考えており、まず血液がんの一種である真性多血症の治療薬開発を目指して、2019年11月に国内で第I相試験を開始しました。2021年3月には、健常人での安全性が確認できたことから、次のステップとして真性多血症患者さんに投与して第I相試験を完了するため、2021年5月31日に独立行政法人医薬品医療機器総合機構に治験計画届を提出いたしました。

さらに、真性多血症、急性骨髄性白血病、悪性リンパ腫等の血液がん及び固形がんに対する治療薬としての作用機序を明確化するため、名古屋大学、藤田医科大学、群馬大学と共同で臨床効果に関する創薬研究を推進しております。

(c) PPMX-T004

PPMX-T004は、PPMX-T002と同じCDH3を標的としており、薬物を標識した抗体薬物複合体(ADC)をコンセプトとしています。ADCは抗体に標識した薬物を細胞内に取り込ませることで、対象とした細胞を特異的に殺傷することができるため、患者さん自身の免疫機能の状態に関わらず高い臨床効果が期待できます。また、RIを使用していないため、使用する設備の制約も受けません。なお、導出先との契約により、開発状況は開示しておりません。

 

(d) PPMX-T001

PPMX-T001は、肝臓がんで高い発現率が見られるGPC3を標的としています。2006年に特許を受ける権利等を譲渡した中外製薬株式会社によって、肝臓がん等治療薬として「GC33」及び「ERY974」という2種類の異なった形態での薬剤開発が進められています。GC33は、単剤は第Ⅰ相試験で患者さんでの有効性が確認されましたが、第Ⅱ相試験は、主要評価項目が未達となり、現在、試験は実施されておりません。一方、免疫療法薬のアテゾリズマブとの併用による第Ⅰ相試験では、患者さんでの有効性が確認されたことが学会で発表されております。また、ERY974(抗GPC3-抗CD3)は、2つの標的に同時に結合することができるバイスペシフィック抗体で、米国及び欧州での第Ⅰ相試験が2019年8月に終了し、現在は国内で第I相試験が進められております。

b.抗体研究支援

当事業年度には、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、前事業年度より売上高は減少しました。

c.抗体・試薬販売

研究用抗体の販売は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて落ち込みましたが、徐々に回復しております。また、PTX3測定キット(血管炎症マーカー)を用いた、新型コロナウイルス感染症による肺炎重症化予測診断キットの開発も進めております。

 

以上の結果、当事業年度の売上高は、67,947千円(前事業年度85,759千円、前年同期比20.8%減)となりました。当事業年度は、創薬の売上はなく、また、新型コロナウイルス感染症の影響により、抗体・試薬販売、抗体研究支援共に業績は落ちこみ、売上高は減少となりました。

損益につきましては、営業損失411,749千円(前事業年度は営業損失812,394千円)、経常損失410,107千円(前事業年度は経常損失834,362千円)となり、当期純損失は413,216千円(前事業年度は当期純損失841,731千円)となりました。損失額の減少は、主にPPMX-T003の研究開発費減少によるものであります。

なお、当社は医薬品事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

財政状態については、次のとおりであります。

(資産)

当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ570,736千円増加し、1,118,626千円となりました。

主な要因は、2020年11月に実施された1,008,000千円の第三者割当増資による現金及び預金586,835千円の増加、及び前事業年度に計上した研究開発委託業務に係る前渡金の委託業務完了による10,770千円の減少によるものであります。

(負債)

当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ27,086千円減少し、34,912千円となりました。

主な要因は、PPMX-T003の健常者の第Ⅰ相試験に係る前事業年度の病院費用の未払金23,259千円を当事業年度に支払ったこと等による未払金24,758千円の減少、及び資本金等の額が減少したことに伴う事業税(外形標準課税)の減少による未払法人税等4,291千円の減少によるものであります。

(純資産)

当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ597,823千円増加し、1,083,713千円となりました。

2020年9月に欠損填補のための減資を行い、資本金が699,970千円、資本剰余金が671,280千円それぞれ減少しましたが、2020年11月に第三者割当増資を行い、資本金が504,000千円、資本剰余金が504,000千円それぞれ増加し、その結果、資本金が604,000千円、資本剰余金が889,889千円となりました。利益剰余金は、2020年9月の減資により1,371,250千円の欠損を填補し、△413,216千円となりました。また、2020年10月及び12月に有償新株予約権を発行し、新株予約権が3,040千円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ586,835千円増加し、1,069,300千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、422,836千円の支出(前事業年度は608,524千円の支出)となりました。

主な要因は、前事業年度の研究開発委託業務に係る前渡金が、委託業務完了により10,770千円減少したことによる営業キャッシュ・フローの増加があった一方、税引前当期純損失411,289千円の計上、及びPPMX-T003の健常者第Ⅰ相試験に係る前事業年度の未払病院費用を当事業年度に支払ったこと等による未払金の減少23,171千円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、2,824千円の支出(前事業年度は3,409千円の支出)となりました。

これは研究開発用の有形固定資産の取得による支出2,824千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,011,040千円の収入(前事業年度は発生しておりません)となりました。

これは第三者割当増資による株式の発行による収入1,008,000千円と新株予約権の発行による収入3,040千円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

b.受注実績

当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

c.販売実績

当社は医薬品事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。当事業年度における販売実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

 前年同期比(%)

医薬品事業

67,947

79.2

合計

67,947

79.2

 

(注) 1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

 第20期事業年度
(自 2019年4月1日
 至 2020年3月31日)

 第21期事業年度
(自 2020年4月1日
 至 2021年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

R&D Systems, Inc.

27,457

32.0

17,242

25.4

Abcam plc

14,426

16.8

12,707

18.7

Pierce

Biotechnology, Inc.

14,021

16.3

12,057

17.7

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。また、財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。

特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

(固定資産の減損処理)

当社は、固定資産のうち営業活動から生ずる損益が継続してマイナスになっている資産について、回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

(繰延税金資産)

繰延税金資産の回収可能性の判断については、将来の課税所得を合理的に見積り、将来の税金負担を軽減する効果を有すると考えられる範囲内で繰延税金資産を計上することになります。当社は、税務上の欠損金が継続しており、繰延税金資産の回収可能性を合理的に見積もることは困難と判断し、繰延税金資産を計上していません。

② 財政状態の分析

財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

③ 経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は、67,947千円(前事業年度85,759千円、前年同期比20.8%減)となりました。これは、新型コロナウイルス感染症の影響により研究機関の研究活動が停滞したためと考えております。

(売上原価、売上総利益)

当事業年度の売上原価は、抗体研究支援における研究受託の減少及び研究用抗体・試薬販売の減少により3,847千円(前年同期比39.7%減)となりました

この結果、当事業年度の売上総利益は、64,099千円(前年同期比19.2%減)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業損失)

当事業年度の販売費及び一般管理費は、475,849千円(前年同期比46.6%減)となりました。

販売費及び一般管理費の減少の主な要因は、研究開発費を押し上げる要因であったPPMX-T003の治験薬の製造が前年度で終了したことであり、研究開発費は313,398千円(前事業年度713,651千円、前年同期比56.1%減)となりました。

この結果、営業損失は411,749千円(前事業年度は営業損失812,394千円)となりました。

(営業外収益、営業外費用、経常損失)

当事業年度の営業外収益は、13,040千円(前年同期比3,520.8%増)となりました。主なものは、新型コロナウイルス感染症関連の助成金収入11,140千円であります。

当事業年度の営業外費用は、11,397千円(前年同期比49.0%減)となりました。主なものは、第三者割当増資に係る支払手数料4,433千円及び租税公課3,527千円であります。

この結果、経常損失は、410,107千円(前事業年度は経常損失834,362千円)となりました。

(特別利益、特別損失、当期純損失)

当事業年度の特別利益の計上はありません。

当事業年度の特別損失は、1,182千円(前年同期比78.3%減)となりました。当社の事業の特性上、現段階では、将来の収入の不確実性が高いことから、医薬品事業に係る資産の帳簿価額の回収可能額をゼロとし、帳簿価額と備忘価額との差額1,182千円を減損損失として特別損失に計上しました。

これらの結果を受け、当事業年度の当期純損失は、413,216千円(前事業年度は当期純損失841,731千円)となりました。

(パイプライン)

PPMX-T002については、米国において、日本の厚生労働省の定める第II相試験相当が行われています。さらに、2020年4月には富士フイルム富山化学株式会社により、国内での第Ⅰ相試験も開始されました。

PPMX-T003については、国内における第Ⅰ相試験が一時的に中断されましたが、その後再開され、健常人への投与が終了し、安全性が確認できました。

パイプラインの状況については、「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 当社の開発品」をご参照ください。

また、真性多血症、急性骨髄性白血病、悪性リンパ腫等の血液がん及び固形がんの治療薬としての作用機序を明確化するため、名古屋大学、藤田医科大学、群馬大学と共同で臨床効果に関する創薬研究を推進しております。「第1 企業の概況 3 事業の内容 (3) 当社の開発品」をご参照ください。

④ キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「2 事業等のリスク」に記載したとおり、外部環境、事業内容、組織体制等の様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に業界の動向を注視しつつ、優秀な人材の確保と適切な教育を実施するとともに、内部管理体制の強化と整備を進めることで、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を図ってまいります。

⑥ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の主な資金需要は、PPMX-T003の開発及び創薬研究に係る研究開発費、並びに事業運営費等であります。これらの費用は、当期は自己資金で賄い、自己資金は、すべて銀行預金とし、資金の流動性を確保しております。当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、422,836千円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローは、2,824千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは、1,011,040千円の収入となり、現金及び現金同等物の期末残高は、1,069,300千円となりました。

⑦ 経営者の問題意識と課題について

当社は、「最先端の抗体技術で世界の医療に貢献する」ことを企業理念としております。この企業理念実現のために、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の課題に対して取り組んでまいります。

⑧ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 目標とする経営指標」に記載のとおり、ROA(総資産利益率)やROE(自己資本利益率)といった数値的な目標となる経営指標は用いておりませんが、経営指標として、将来の売上に繋がるパイプラインの開発の進捗、パイプラインの拡充及び売上高を重要な目標と考え、事業活動を推進しております。なお、パイプラインの開発の進捗については、「③ 経営成績の分析」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 技術導出契約等

① PPMX-T001に係るライセンス契約

 

相手先の名称

相手先の所在地

契約の名称

契約締結日

契約期間

主な契約内容

中外製薬株式会社

 

 

 

日本

 

 

 

特許を受ける権利等の譲渡に関する契約書

 

 

2006年9月30日

 

 

 

特許の権利存続期間満了まで

存続期間満了日

2022年6月21日

抗グリピカン3抗体の治療用医薬品用途に関する権利を譲渡する契約

 

 

② PPMX-T002に係るライセンス契約

 

相手先の名称

相手先の所在地

契約の名称

契約締結日

契約期間

主な契約内容

富士フイルム
株式会社
富士フイルムRIファーマ株式会社(現 富士フイルム富山化学株式会社)

 

日本

 

 

 

 

 

 

 

実施許諾契約書

 

 

 

 

 

 

 

2011年1月12日

 

 

 

 

 

 

 

すべての「許諾特許」の権利存続期間満了から20年、もしくは2051年3月31日のいずれか短い時点

 

当社及び富士フイルムRIファーマ株式会社(現 富士フイルム富山化学株式会社)のPPMX-002に関する権利を富士フイルム株式会社に実施許諾する契約

 

 

③ PPMX-T004に係るライセンス契約

 

相手先の名称

相手先の所在地

契約の名称

契約締結日

契約期間

主な契約内容

富士フイルム
株式会社

 

 

日本

 

 

 

特許・ノウハウ実施許諾契約書

 

 

2015年9月24日

 

 

 

解約されるまで

 

 

 

当社のPPMX-004に関する権利を富士フイルム株式会社に実施許諾する契約

 

 

(2) 共同研究に関する契約

 

相手先の名称

相手先の所在地

契約の名称

契約締結日

契約期間

主な契約内容

学校法人
藤田学園

 

日本

 

 

共同研究契約書

 

 

2017年7月4日

 

 

2022年3月31日

 

 

ファージディスプレイ技術に関連した共同研究

学校法人
藤田学園

 

 

日本

 

 

 

共同研究契約書

 

 

 

2020年7月1日

 

 

 

2022年3月31日

 

 

 

造血器腫瘍におけるTfRの発現解析と薬効の評価に関する共同研究

国立大学法人

東海国立大学機構

(旧:国立大学法人 名古屋大学)

 

日本

 

 

 

 

共同研究契約書

 

 

 

 

2018年10月3日

(原契約)

2021年2月18日

変更契約書(期間延長)

2022年3月31日

 

 

 

 

血液がん治療法の研究に関する共同研究契約

 

 

国立大学法人

東海国立大学機構

(旧:国立大学法人 名古屋大学)

日本

 

 

 

共同研究契約書

 

 

 

2020年4月15日

 

 

 

2022年3月31日

 

 

 

抗体医薬品の開発に係る共同研究契約

 

 

国立大学法人
群馬大学

 

 

 

日本

 

 

 

 

共同研究契約書

 

 

 

 

2019年4月19日

(原契約)

2021年2月24日

変更契約書(期間延長)

2022年3月31日

 

 

 

 

抗体を利用した治療効果の共同研究契約

 

 

 

国立大学法人

宮崎大学

 

 

 

日本

 

 

 

 

共同研究契約書

 

 

 

 

2020年4月1日

(原契約)

2021年3月17日

変更契約書(期間延長)

2022年3月31日

 

 

 

 

血液がんの診断と治療に関する共同研究契約

 

 

 

 

相手先の名称

相手先の所在地

契約の名称

契約締結日

契約期間

主な契約内容

国立大学法人

新潟大学

 

 

 

日本

 

 

 

 

共同研究契約書

 

 

 

 

2020年6月10日

(原契約)

2021年2月19日

変更契約書(期間延長)

2022年3月31日

 

 

 

 

BAD患者のPTX3測定及び評価に関する共同研究契約

 

 

学校法人

中部大学

 

 

 

日本

 

 

 

 

共同研究契約書

 

 

 

 

2020年9月1日

(原契約)

2021年2月22日

変更契約書(期間延長)

2023年3月31日

 

 

 

 

FLT3及びTfRに対する抗体を用いた骨髄系腫瘍の治療薬・治療法を開発する共同研究契約

学校法人

愛知学院

愛知学院大学

 

 

日本

 

 

 

 

共同研究契約書

 

 

 

 

2020年9月17日

(原契約)

2021年2月15日

変更契約書(期間延長)

2022年3月31日

 

 

 

 

COVID-19肺炎重症化の予後予測

PTX3が予後予測に有用化の検証

 

学校法人

東邦大学

 

 

 

日本

 

 

 

 

共同研究契約書

 

 

 

 

2021年3月30日

 

 

 

 

2022年3月31日

 

 

 

 

血管炎症マーカーPTX3を用いた

COVID-19重症化の予後予測に関する共同研究契約

 

 

 

5 【研究開発活動】

(1) 研究開発体制

当社は、新規抗体を見出す経験とノウハウを有する専門家集団であり、当社独自のファージ抗体ライブラリを用いた抗体スクリーニング技術と、抗体技術(トランスクリプトームデータベースと抗原発現技術)を駆使して、がん及びその他疾患の治療用抗体の基礎研究、非臨床開発及び臨床開発を行っております。

当社は、本社ラボと名古屋ラボの2拠点により、研究開発体制を構築しております。本社ラボは、新規抗体創薬に関するあらゆる研究開発業務を行っております。また、これに関連した動物実験も行います。

名古屋ラボでは、ファージディスプレイ作製技術を維持発展させる研究及び、当社の抗体医薬品プロジェクトの研究開発推進と新規抗体の継続的創出のための基礎研究を重点化して実施しております。

 

(2) 開発品の状況

開発品に関する詳細は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載しておりますのでご参照ください。

 

当事業年度における当社の研究開発費の総額は313,398千円になりました。

研究開発費の主な内容は、薬剤候補であるPPMX-T003の健常人の第Ⅰ相試験とPV患者さんの第Ⅰ相試験開始に向けた準備と研究、及びArmed抗体を含む新規抗体のシーズ探索の費用であります。PPMX-T003に関しては、日本において健常人の第Ⅰ相試験を終了し、PV患者さんの第Ⅰ相試験の準備を開始しました。