文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「つながりを常によろこびに(Delight in Every Connection)」をミッションに掲げ、「As In Your Hometown」というビジョンの実現を目指してサービスの開発及び提供をしております。
① つながりを常によろこびに
ソーシャルメディアやコミュニケーションサービス等の多様化・発展によってもたらされた「つながり」は、人と人がつながるからこそ起きる新たな問題を生み、ときには社会問題のような大きな課題に発展することもあります。「つながり」から生じる課題を解決することを通じて、「つながり」が「よろこび」であり続けられる世の中の実現を目指しております。
② As In Your Hometown
情報技術の発展により、人と人とのやりとり、生活、コミュニティや社会のあり方が大きく変化しております。一方で、個人がアクセスできる情報の質や種類、量は立場や経験により大きく異なっており、同じ情報であっても、皆が同じようにアクセスでき、同じように感じるわけではありません。このような時代において、インターネットを通じた社会が、利用者にとって健全で心地よい「居場所」となるよう貢献していきたいと考えております。
このミッション及びビジョンのもと、当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループが提供するカスタマーリレーション事業は、ストック型ビジネスモデルであると認識しております。このため、契約獲得数の増加及び契約保有数に対する解約率を意識しております。その上で、企業価値の増大を目指すため「売上高」「経常利益」を重要な経営指標としております。
(3)経営環境
当社グループが提供するカスタマーリレーション事業は、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)(注1)市場に属しており、2022年度の国内非IT系BPO市場は1兆8,021億円(事業者売上高ベース)に達すると予測されております(注2)。このうち、当社グループのカスタマーリレーション事業においてサービスを提供している主な事業領域は、ソーシャルメディア領域、ソーシャルアプリ領域、シェアリングエコノミー領域、Fintech領域、MaaS領域であります。当社グループの顧客企業が属するシェアリングエコノミー領域では、国内シェアリングエコノミー市場規模(資産・サービス提供者と利用者の間の取引金額ベース)が2018年度において1兆8,874億円と推計されており、現状のペースで成長した場合は、2025年度には3兆6,833億円に到達すると予測されております(注3)。またFintech領域においても大きな成長が見込まれ、2022年度の国内Fintech市場規模(Fintech系ベンチャー企業売上高ベース)は1兆2,102億円に達すると予測されております(注4)。加えて、当社グループが注視しているMaaS領域においては、国内MaaS市場規模は2025年には2兆1,042億円に達すると予測されております(注5)。このように当社グループがサービスを提供し得意としている事業領域においては、今後も顧客企業の属する市場のさらなる拡大が見込まれており、市場拡大とともにカスタマーリレーション事業の需要拡大が見込まれる経営環境となっております。
(4)経営戦略
当社グループは、創業間もないスタートアップ企業から時価総額1,000億円を超える大手企業まで幅広くサービスを提供し安定的な成長を続けております。今後のさらなる成長に向け、当社の得意とする事業領域に引き続き重点を置き、各事業領域におけるサービス提供ノウハウを集約することで、顧客企業に対しより最適かつ最新のサービスを提供してまいります。
又、重点事業領域において事業を展開している顧客企業に対し、顧客企業のサービスの初期段階からカスタマーリレーションにおけるパートナー企業として当社グループのサービスを提供することで、顧客企業のサービス成長に寄与し、当社グループの付加価値をより一層高めてまいります。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
今後当社グループが成長を成し遂げていくために、対処すべき主な課題は以下のとおりであります。
① 市場環境の変化に対応した価値提供
インターネット上では次々と新しいサービスが提供されており、それらに対応した新しい価値を提供しつづけることが当社グループの成長において重要であると考えております。当社グループはインターネット上で新たに発生する課題を随時リサーチしながら、サービス開発を進めてまいります。
② 人材の獲得
当社グループの継続的な成長には、当社グループの企業理念に共感し高い意欲を持った人材の確保、並びにその育成が重要であると認識しております。そのため、社員の紹介による採用の促進や採用PR活動を通して当社グループの認知を高めるとともに、社員ひとりひとりがそれぞれのキャリア構築ができることを目的としたタレントマネジメントに取り組んでまいります。又、当社グループでは、各サービスを提供していく上で、多数のオペレータースタッフを雇用しておりますが、労働人口の減少に伴い人材獲得における競争が激化しております。採用活動のさらなる高度化を図るとともに、従業員が働きやすい環境基盤の整備を一層強化してまいります。
③ 技術の革新
当社グループは、人の目による精度の高いサービス提供を中心に行ってまいりましたが、昨今のAI(注6)やRPA(注7)等による自動化が広がりつつあり、これらを活用した業務プロセスの効率化が求められております。当社グループはそのための技術研究開発を行っており、継続して推進してまいります。
④ 内部管理体制の強化
当社グループは、今後もサービス開発を行っていくことで事業の拡大を見込んでおりますが、事業の拡大及び継続的な成長を実現していくためには、コーポレート・ガバナンスの更なる強化が重要であります。内部統制及び管理部門を強化し、より一層のコーポレート・ガバナンスの強化に努めてまいります。
⑤ 財務体質の強化
当社グループは、安定した財務基盤のもと、手元資金の充実を図ることで財務健全性を確保し、成長への計画的な投資及び機動的な投資等に対応できる体制を整えるとともに、原価及び販売費及び一般管理費のコントロール等によるフリーキャッシュ・フローの確保に取り組み、財務体質の強化に努めてまいります。
(注)1.「ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)」とは、業務プロセスの効率化を目的として、企業が社
内の業務の一部を外部に委託することを表す言葉であります。
2.出典:BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場の実態と展望 2018-2019(矢野経済研究所調
べ)
3.出典:シェアリングエコノミー市場調査 2018年版(情報通信総合研究所調べ)
4.出典:2019 FinTech市場の実態と展望(矢野経済研究所調べ)
5.出典:2019年度版 MaaS市場の実態と将来予測 -サービス化する自動車産業1 市場分析編-(矢野経済研究所調べ)
6.「AI」とは、Artificial Intelligenceの略で人工知能を指し、人間の知的ふるまいの一部をソフトウエアを用いて人工的に再現したものであります。
7.「RPA」とは、Robotic Process Automationの略で、ロボットによるホワイトカラーの業務の効率化・自動化の取り組みを表す言葉であります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。又、必ずしもリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)事業の環境、外部環境
① 市場の動向について
当社グループは、インターネット関連サービス市場を主たる事業領域としており、当社グループの事業はこれらの市場動向の影響を受けております。インターネット関連サービス市場には、当社設立後も、シェアリングエコノミー、Fintech、MaaSといった新たな事業領域が生まれており、その利用者も急激に増えておりますが、将来においてインターネットに代わる新たなサービスが提供され、インターネットを利用する機会が減少した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 競合について
当社グループが提供するカスタマーリレーション事業における主な事業領域は、今後も成長が期待されている市場であるため、新たに参入してくる競合企業が出現する可能性があり、当社グループの提供するサービスと比較して低コスト・高品質となった場合に、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。又、新たな技術等を利用したサービスあるいは新たなビジネスモデルが登場し、当社グループの対応が遅れた場合に、当社グループのサービスが不適応化する恐れがあります。その場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 新サービスの開発
当社グループは、インターネット関連サービス市場を主たる事業領域として、新たなインターネット関連サービスが急激に拡大した際に生じる課題に対して、カスタマーリレーション事業の提供及び新しいサービスを提供していく予定であります。新サービスの開発にあたっては、市場のニーズ及び技術の動向を注視しながら慎重に検討を重ねたうえで取り組んでまいりますが、当該サービスを取り巻く環境の変化等により、計画どおりの成果が得られない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 教育予算の動向について
当社グループの一部の事業は、各都道府県等教育委員会または公立学校、私立学校法人にサービスを提供しているため、政府及び地方自治体の教育予算の動向により影響を受けます。政府及び地方自治体の教育予算の方針変更あるいは財政状況の悪化により教育予算が削減された場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業上のリスク
① データの取得について
当社グループは、インターネットモニタリングにおいて、ソーシャルメディア上で生成されたデータをAPI連携により自動的に収集しております。しかしながら、ソーシャルメディアの運営方針の変更により制限が加えられた場合や禁止された場合に、データの取得が困難になることから、サービスの提供内容及び品質に影響する恐れがあります。又、データを取得するための新たな手段を構築するための対応コストが発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② ネットワークトラブルについて
当社グループは、顧客企業及び利用者のニーズに対応するため、24時間365日のサービス提供体制を構築しておりますが、その業務環境は通信ネットワークに依存しており、サーバー等の自社設備や第三者の通信設備等のインターネット接続環境が良好に稼働することが前提であります。そのため、サーバーの停止、コンピュータウィルスによる被害、外部からの不正侵入、システムの不具合、災害や停電等による通信ネットワークの切断等が生じた場合には、サービスの提供に支障をきたし、又、ネットワークトラブルの障害や不具合の原因が当社グループにあった場合には、顧客企業からの信用が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報漏洩について
当社グループにおけるサービス提供において、一部個人情報を含む機密情報や、顧客企業のサービス提供における機密情報を扱っており、これらの情報に関しては高い水準の情報管理体制の構築及び運用が求められております。当社グループにおいては、ISMSの認証取得及びプライバシーマークの認定取得に加えて、顧客企業の機密情報が外部に漏洩することのないよう、当社グループ関係者等との間で秘密保持契約を締結するとともに、設備面においてもアカウント管理システム、入退室管理システム及び監視カメラ設置等の諸施策を講じております。しかしながら、当社グループにおいて、業務上知り得た機密情報等について何らかの要因により外部への流出等が生じた場合には、顧客企業からの信頼を著しく低下させ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 人材の獲得及び育成について
当社グループは、顧客企業に価値を提供し続けるためには、事業を築いていける人材の確保とその育成が重要な課題と認識しており、社内コミュニケーションの強化、人材育成と抜擢及び外部からの人材登用に努めております。しかしながら、当社グループが属する業界での人材獲得競争が激化することにより、当社グループの人材が外部に流出することや、人材の確保に支障をきたす場合があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
又、当社グループのサービス提供における実務は、臨時従業員(アルバイト)に拠っております。臨時従業員の確保、受け入れ体制の充実及び育成には取り組んでおりますが、採用市場の急激な変化等により臨時従業員の確保が困難になった場合、サービスの提供及び販売活動が阻害される恐れがあり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 大規模な自然災害・感染症について
当社グループは、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害及び新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症等の感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行した場合、当社グループまたは当社グループの取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 減損損失について
当社グループは、国内およびフィリピン共和国に子会社を有しております。子会社における事業環境の悪化により、これらの子会社の収益性が著しく低下した場合、当該子会社の固定資産について減損処理を行うことがあります。減損処理を実施した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法的規制に関するリスク
① 労働者派遣法について
当社は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備に関する法律」(以下、「労働者派遣法」という。)に基づく厚生労働大臣の「一般労働者派遣事業」の許可を取得しております。労働者派遣法に基づく規制を受けており、法令を遵守して人材の確保及び事業の運営をしておりますが、法令違反に該当するような事態が生じた場合、又は今後において関連法令や解釈が変更された場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② インターネットに関連する法的規制等について
当社グループが遵守しなければならないインターネット関連法令はごく限られておりますが、当社グループが受注する顧客企業が遵守する必要がある法令として「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」及び「EU一般データ保護規則」等の各種法令や、各法令の監督官庁が定める省令・指針・ガイドライン等があります。
これらの法的規制は、当社グループの事業活動自体を規制するものではなく、今後において新たな法令制定等が生じた場合には、顧客企業における対応のための新たなサービス需要等が生じる可能性がありますが、一方で顧客企業の事業が何らかの制限を受けることとなった場合又は当社グループの事業が法的規制を受けることとなった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ フィリピン共和国のカントリーリスクについて
連結子会社であるadish International Corporationは、フィリピン共和国において事業を展開しております。フィリピン共和国は、法改正等が頻繁になされる特徴があり、今後、新たな法令の制定等が生じ、当社グループの事業が法的規制を受けることとなった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。又、台風等の自然災害により通信システムの障害等の発生、従業員の通勤手段の断絶あるいは都市機能が麻痺する場合や、テロ活動が拡大する場合等により、サービスの提供に支障が生じる場合は、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)当社グループの事業体制について
① 特定人物への依存について
当社グループの創業者であり、代表取締役である江戸浩樹は、当社グループの事業及び関連市場に関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定など、当社の事業活動全般において重要な役割を果たしております。現在、当社では、同氏に過度に依存しないよう、体制の整備、人材の登用及び育成を行う等、取り組んでおりますが、何らかの理由により同氏による業務の遂行が困難となった場合、現状においては当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② ガバナンス体制の強化について
子会社を含む当社グループの継続的な成長のためには、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識しており、業務の適正性及び財務報告の信頼性の確保、各社内規程及び法令遵守の徹底、従業員の教育に取り組んでまいります。又、コーポレート・ガバナンスを強化していくために、独立社外取締役を2名体制とすることで、モニタリングをさらに強化していく方針です。なお、利益相反取引が生じる場合には、取締役会において少数株主の利益保護の観点から議論する方針を定めております。さらに、内部監査や監査役監査によるモニタリングを強化することで、ガバナンス体制の実効性を図ってまいりますが、事業が急速に拡大すること等により、コーポレート・ガバナンスあるいは管理体制が有効に機能しなかった場合には、当社の事業に何らかの影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他
① 新株予約権について
当社グループは、取締役、監査役及び従業員に対するインセンティブを目的として、ストック・オプションを付与しております。本書提出日現在、ストック・オプションによる潜在株式は214,900株であり、発行済株式総数1,676,500株の12.8%に相当しております。当社グループの株価が行使価格を上回り、かつ、権利行使についての条件が満たされ、同ストック・オプションが行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化することになります。
② 配当政策について
当社グループは、株主に対して利益を還元していくために、カスタマーリレーション事業における競争力を高め、事業を拡大していくことを経営の重要課題として位置づけております。このことから、創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面の間は内部留保の充実及び事業への投資を推進する方針であります。各事業年度の経営成績を勘案しながら、将来的には株主への利益還元を検討していく方針ですが、現時点において、配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
③ 主要株主の存在について
本書提出日現在における当社の発行済株式総数は、普通株式1,676,500株であります。このうち、株式会社ガイアックス(以下、「ガイアックス」という。)は、641,300株を所有(所有割合38.3%)しております。
イ.当社グループとガイアックスの関係について
当社グループは、ガイアックスより独立した企業集団であります。当社は、ガイアックスからの新設分割にて2014年10月1日に設立された後、2017年11月10日付で当社役職員に対する第三者割当増資を実施し、2018年1月17日付でガイアックスが所有する当社株式の一部譲渡が行われ、又、2018年1月18日付でベンチャーキャピタル等に対する第三者割当増資を実施しております。これによりガイアックスの所有割合は2018年1月18日付で65.5%となりました。又、当社代表取締役である江戸浩樹、当該第三者割当増資の引受人及びガイアックスとの間で、ガイアックスにおける当社株式の保有目的を純投資とする旨の株主間契約を締結いたしました。ガイアックスは当社について、企業会計基準適用指針第22号第16項の要件を満たしており、当社グループの財務及び経営等の方針に対し重要な影響を与えることができなくなったことから、当社グループは、ガイアックスにおける2018年12月期第1四半期連結会計期間より連結の範囲から除外され(注)、又、ガイアックスの属性は親会社から主要株主に変更となっております。当該株主間契約は上場時に終了いたしましたが、本書提出日現在におけるガイアックスの所有割合は38.3%となっており、本書提出日現在においても、ガイアックスは当社について、企業会計基準適用指針第22号第24項の要件を満たしていることから、当社は、ガイアックスにおける連結の範囲から除外されております。
ガイアックスが方針を転換し、ガイアックスの連結グループへ再編成されるリスクがあります。これについてはガイアックスが経営方針に基づき当社株式を段階的に売却していくことを開示しており、同時に当社とガイアックスの間で、ガイアックスが将来にわたり当社の財務及び営業、又は事業の方針の決定に対して、直接又は間接的に重要な影響をあたえることができないことが明らかであると認識し、当社をガイアックスの連結対象とする計画がないことを表明した文書を取り交わしております。なお今後におきましてもガイアックスは、数年かけて保有している当社株式のすべてを売却していく方針であります。
当社とガイアックスの関係性について重大な変化は生じないものと認識しておりますが、ガイアックスの方針変更等により当社の独立性に影響を及ぼす可能性があります。
ロ.株式の売却について
ガイアックスは、グループ外における投資育成支援及びグループ内で創設される新規事業から構成されるインキュベーション事業を展開しておりますが、当社グループは、インキュベーションセグメントに位置づけられ、当社株式は営業投資有価証券として保有されております。そのため、将来において、株式が売却される可能性があり、そのような場合には、短期的に需給が悪化することにより当社の株価が下落する可能性があります。
ハ.取引関係について
当社グループとガイアックスとの取引については、他の企業の取引条件との比較等により取引条件の適正性等を確保できており、今後も、僅少ではありますが、取引の合理性及び取引条件の妥当性が認められる範囲で、当社のカスタマーリレーションサービスの提供等の取引関係を継続していく方針です。尚、事業上の関係以外の資金、経営指導料や貸借等の取引及び人的関係は解消しており、当社グループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、現状、ガイアックスに対して事前承認を要する事項等はなく、独立性・自立性は保たれていると認識しております。
なお、ガイアックスグループと当社グループとの取引は減少傾向にあり、売上高に関しては当連結会計年度で当社グループ売上高全体の1.9%となっております。
ニ.競合関係について
当社グループは、インターネットの発展に伴って発生する課題に対してカスタマーリレーション事業を展開しております。一方、ガイアックスは、ソーシャルメディア領域におけるコンサルティング及びマーケティング支援等を提供するソーシャルメディアサービス事業、グループ外における投資育成支援及びグループ内で創設される新規事業から構成されるインキュベーション事業を展開しております。ともにインターネット関連産業においてサービスを提供しているものの、事業領域が異なるため、シナジー関係にはありません。
今後も、当社グループ及びガイアックスは、インターネット関連産業において新たな事業の可能性や投資の検討を日々行っていくことから、当社は、投資機会の追及にあたり、ガイアックスと競合する可能性があります。当社としては、引き続き、ガイアックスとの連携を検討するなどの対応を行ってまいりますが、ガイアックスの事業戦略が変更された場合には、当社の事業に何らかの影響を及ぼす可能性があります。
(注)ベンチャーキャピタル等の投資企業が売却等によるキャピタルゲイン獲得を目的として投資を行う場合等、他の会社等の意思決定機関を支配する要件に該当しても、実質的に支配していないことが明らかである時には、一定の要件を満たすことを前提として、子会社又は関連会社に該当しないこととすることが認められております。ガイアックスは当社グループの株式保有方針、取引関係及びシナジー効果等を勘案して、キャピタルゲイン獲得を目的とした営業投資有価証券として保有していると判断されたことから、当該根拠となる会計基準(企業会計基準適用指針第22号「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」第16項及び第24項)を適用し、子会社又は関連会社には該当しないものとして取り扱っております。
④ ベンチャーキャピタル等の株式保有割合について
本書提出日現在において、当社の発行済株式総数のうち、ベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「ベンチャーキャピタル等」という。)が325,800株を所有(所有割合19.4%)しております。
一般的にベンチャーキャピタル等が未上場会社の株式を取得する場合、上場後には保有する株式を売却し、キャピタルゲインを得ることがその目的のひとつであります。当社におきましても、上場後にベンチャーキャピタル等により株式が売却される可能性があります。そのような場合には、短期的に需給が悪化することにより当社の株価が下落する可能性があります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、継続的な事業成長の実現に向け、引き続き人材採用および開発投資に積極的に取り組んでまいりました。新規の取り組みとしては、「インターネットモニタリング」において、インターネットやソーシャルメディアのモニタリングで培ったリスク対策のノウハウを生かした、決済サービス提供事業者・決済サービス導入事業者向け「不正決済対策サービス」の提供を開始いたしました。又、カスタマーリレーション事業の各サービスを組み合わせ、シェアリングエコノミー事業を開始する企業向けに、ユーザーの投稿監視や出品監視、本人認証確認からカスタマーサポート、企業側の損害保険のサポートまでをまとめて行う「シェアエコ運用支援パッケージ」の提供を開始いたしました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高2,501,927千円(前年同期比15.8%増)、営業利益130,742千円(前年同期比175.9%増)、経常利益135,428千円(前年同期比203.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益92,289千円(前年同期比156.9%)となりました。
なお、当社グループはカスタマーリレーション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の増加、差入保証金の差入による支出などによる支出で相殺されたものの、税金等調整前当期純利益が132,532千円(前年同期比197.4%増)と増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ52,956千円増加し、当連結会計年度末には349,171千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は93,979千円(前年同期比125.6%増)となりました。これは主に売上債権の増加81,886千円等による資金の減少要因がありましたが、税金等調整前当期純利益132,532千円の計上及び未払費用の増加35,402千円等による増加要因があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は32,284千円(前年同期比123.1%増)となりました。これは主に預り保証金の受入による収入13,020千円の増加要因がありましたが、差入保証金の差入による支出28,063千円及び有形固定資産の取得による支出15,877千円等による減少要因があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は8,290千円(前年同期は33,000千円の収入)となりました。これは主に短期借入金の純増4,000千円及び長期借入れによる収入50,000千円の増加要因がありましたが、長期借入金の返済による支出62,290千円の減少要因があったことによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため記載を省略しております。
c.販売実績
当社グループの事業は、カスタマーリレーション事業の単一セグメントであり、前連結会計年度及び当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
前年同期比 (%) |
金額(千円) |
前年同期比 (%) |
|
|
カスタマーリレーション事業 |
2,160,050 |
113.2 |
2,501,927 |
115.8 |
(注)最近2連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社バンダイナムコエンターテインメント |
224,323 |
10.4 |
- |
- |
1.当連結会計年度の株式会社バンダイナムコエンターテインメントに対する販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、次のとおりであります。
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ341,877千円増加し、2,501,927千円(前年同期比15.8%増)となりました。これは主に、新規顧客獲得による業務拡大によるものであります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ82,577千円増加の926,432千円(前年同期比9.8%増)となりました。また、売上総利益率は、原価率の抑制により、前連結会計年度に比べ2.0ポイント減少し、37.0%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、コスト削減策の実施により、前連結会計年度に比べ782千円減少し、795,689千円(前年同期比0.1%減)となりました。
この結果、当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ83,359千円増加し、130,742千円(前年同期比175.9%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、本社6階のスペース賃貸収入を計上したことにより、前連結会計年度に比べ18,306千円増加し、20,805千円(前年同期比732.3%増)となりました。
営業外費用は、本社6階のスペース賃貸に伴う賃貸費用を計上したことにより、前連結会計年度に比べ10,804千円増加し、16,119千円(前年同期比203.3%増)となりました。
この結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ90,861千円増加し、135,428千円(前年同期比203.9%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、在外子会社における固定資産の減損損失の計上があったものの、経常利益の増加により、前連結会計年度に比べ56,361千円増加し、92,289千円(前年同期比156.9%増)となりました。
b.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、808,885千円となり、前連結会計年度末に比べ178,712千円増加しました。これは主に売上高増加による売掛金の増加、差入保証金の増加によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、528,075千円となり、前連結会計年度末に比べ85,624千円増加しました。これは主に従業員の増加による未払費用の増加、未払法人税等の増加によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、280,810千円となり、前連結会計年度末に比べ93,088千円増加し、自己資本比率は34.7%(前連結会計年度末は29.8%)となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金需要のうち主なものは、サービス提供に伴う労務費及び人件費、外注費、地代家賃等の営業費用であります。運転資金につきましては、自己資金、金融機関からの借入、新株発行による調達資金により充当することとしております。
当社グループの資金の流動性につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり、当連結会計年末における現金及び現金同等物の残高は349,171千円となっており、当面事業を継続していく上で十分な流動性を確保しております。なお、重要な資本的支出の予定につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断及び過程を使用することが必要となります。当社グループの経営陣は、連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び過程を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
該当事項はありません。
研究開発活動は、既存サービスの付加価値向上と新しいサービスの開発による新たなビジネスチャンスの獲得を目的として、カスタマーリレーション事業のサービス提供における業務プロセスの効率化や自動化等の技術開発研究を行っております。
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)においては