文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「信頼とともに」という経営理念の下、旧サイバートラスト㈱の認証技術と旧商号ミラクル・リナックス㈱のLinux/OSS技術を組み合わせ、ITインフラに関わる専門性・中立性の高い技術で、安心・安全な社会を実現します。
(2) 経営環境及び経営戦略
世界的に広がる新型コロナウイルス感染症の影響により、内外経済に対する先行きの不透明な状況が続くものと見込まれます。
このような経営環境の中で、当社グループは、「ヒト」「モノ」「コト」の正しさを証明し、デジタル社会においてさまざまなサービスの安心・安全な利用を支援するトラストサービスプロバイダーとして、日本のみならずアジア・欧米に展開するグローバル企業を目指し、具体的には以下の施策を展開してまいります。
①SSL/TLS証明書:SureServer
当社グループは、国内のEV SSL/TLS証明書(以下、EV 証明書)市場において枚数シェアでNo.1(Netcraft Ltd.社の「SSL Survey」グローバルでの調査データをもとに2020年10月に算出)となっております。EV証明書を含むSSL/TLS証明書の市場規模については、株式会社富士キメラ総研「2019ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」では、堅調な拡大が見込まれる市場として位置付けられております。また当社グループでは、以下の要因により、今後は従来以上の成長が見込めると当社グループでは予測しております。
・Webサイト閲覧の安全性向上を目的に、Googleなどを中心に常時SSL化推進と警告表示強化
・通信プロトコルのバージョンアップ(HTTP/2)により、SSL化ページの表示速度高速化
・Webサイトの常時SSL化・HTTP/2の普及により、企業が導入するサーバー証明書数が増大
・証明書ライセンスと証明書管理のコストが上昇
このような中、当社グループはSureServerの基本戦略として、既存のDV(Domain Validation:ドメイン認証)/OV(Organization Validation:企業認証)が占めている市場に、SureServerを中心として最も信頼性の高いEV証明書を浸透させる施策を講じてまいります。
②デバイス証明書管理サービス:サイバートラスト デバイスID
デバイス認証市場で、当社グループが主要市場の再販売業者との提携を強化し、その販売実績も拡大している状況であること等と比較した競合先の販売推進の動向等から、現在の市場シェアは当社グループがほぼ独占している状態であると考えております。またデバイス認証市場規模については、以下の要因により、今後は従来以上の成長が見込めると当社グループでは予測しております。
・企業でのクラウド型サービスの利用増加に伴い、クラウドアクセス時の認証ニーズ増加
・セキュリティ強化を目的に、パスワードなどの“知識情報”と物理トークンなどの“所持情報”、指紋などの“生体情報”から二つ以上の要素を必要とする多要素認証の導入増加
さらに電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した2019年度の国内パソコン(ノートPC)出荷台数は、前年度比23.3%増の690万3000台であり、オフィスの外で働く「テレワーク」が普及していることなどを背景に、内訳ではノート型が29.8%増の524万7000台で2年連続前年度比増、薄型軽量で持ち運びのしやすいモバイルノートは6.2%増の165万6000台で3年連続前年度比増と大きく伸長しています。
当社グループは、このテレワークの普及などによるパソコン(ノートPC)出荷台数が今後も引き続き増加していくと予想しており、これがデバイス認証市場の大幅な成長につながっていくと考えております。このような中、当社グループはデバイス証明書管理サービス「サイバートラスト デバイスID」の基本戦略として、ネットワーク機器ベンダーやセキュリティツールベンダーと技術協業し、主要市場の再販売業者に対してさらなる優位性強化を図ります。
③本人確認・電子署名サービス:iTrust
「iTrust」は、当社グループが提供する本人確認・電子署名サービスのための認証基盤です。本人確認・電子署名サービスとは電子取引の信頼性を高めるための電子署名、eシール、タイムスタンプなどを含む包括的な電子認証サービスのことを指します。
マイナンバーカードに格納された電子証明書等を活用する公的個人認証サービスが総務大臣の認定を受けることを前提に民間事業者の利用が可能となり電子的な本人確認が可能となりました。また、従来、書面での手続きが必要とされていた手続きのオンライン化に関する検討・法整備が進む中で、ターゲット市場として以下の3つのセクターを設定し、各々のセクターに強みを持つパートナー企業と提携して、電子認証サービスを提供します。
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セクター |
サービス対象業務 |
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ファイナンシャルセクター |
銀行 口座開設・法人融資契約 保険 保険契約・控除証明書 証券 口座開設 クレジットカード申込み 銀行 住宅ローン契約 金融 金銭消費貸借契約 不動産 売買契約・賃貸契約 その他 民間企業間契約など |
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パブリックセクター |
自治体 ワンストップサービス 自治体 行政サービス 自治体 情報連携サービス その他 本人確認 |
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ニュービジネスセクター |
シェアサービス 新規登録 フィンテック 新規登録 仮想通貨取引所 口座開設 その他 民間企業間契約、本人確認 |
④組込みシステム向けソリューション:EM+PLS
日本国内の組込みソリューション市場は、ボードコンピューター(*1)や、それらを組み込んだコンポーネントを中心とするハードウエア関連市場と、ミドルウェアや開発ツールなどのソフトウエア関連市場及びアプリケーションや保守、コンサルティングなどのサービス関連市場で構成されていますが、当社グループは、どの市場も堅調に推移していると考えております。このような中、当社グループは、長期間使用できるIoT・組込み機器専用のLinuxと、ライフサイクルを通してIoT機器の真正性を担保するプラットフォーム、IoT機器の脆弱性を検査するツールをメニュー化し、IoT製品の継続的な開発と長期利用を支援するサービス「EM+PLS(イーエムプラス)」を提供しています。開発者を支援する国際団体Eclipse FoundationのIoT開発者調査(2020年版)によると、IoT機器で採用されるLinuxの採用傾向は43%でトップであるため、今後市場ではLinux採用がデファクトとなり、従来のRTOSから移行する組込み機器の脆弱性対策の機運が高まるものと予測しており、フォーカスセグメントとして日本企業に国際競争力があり、出荷台数が多い車載/FA(*2)/MFP(*3)をターゲットに、EM+PLSを中心に組込み機器のセキュアなIoT化及び高機能化を支援してまいります。
⑤IoT機器のライフサイクル管理:セキュア IoT プラットフォーム
IoT機器を製造・販売するにあたって、以下のような法規制の動きに注意し対応する必要があります。
・ハードウエア(IoT機器)のチップに鍵を入れる指針(総務省、アメリカ国土安全保障省)
IoT機器、デバイスの保護と完全性を強化するためにハードウエアの設計段階でチップに鍵を埋め込みセキュリティ実装することを米国国土安全保障省が「Strategic Principles for Securing the Internet of Things」で提唱しています。日本政府についても総務省が「IoTセキュリティ総合対策プログレスレポート 2018」で、IC チップ内に電子証明書を格納することに言及しています。
・契約不適合責任(瑕疵担保責任)の時効を10年に変更
民法改正により瑕疵担保、契約不適合責任の消滅時効期間が最長で引き渡しから10年に変更されました。これにより機器、デバイスのソフトウエアについても、引き渡しから10年間は適切なアップデートによって品質を担保する必要があります。
・法定リコール(道路運送車両法、消費生活用製品安全法など)
機器、デバイスの種類によっては法律によりリコールの義務を負います。
スマートホームやコネクテッドカーにスマート家電、そしてスマート工場、スマートインフラなど、IoT化は、わたしたちの暮らしや仕事に、新しい価値や豊かさをもたらします。その一方で、あらゆるモノがインターネットにつながる社会は、悪意のあるハッカーや犯罪組織などから、国境を越えて狙われる危険性もはらんでいます。こうした脅威を防ぎ、安全で信頼できるIoT機器やスマートデバイスを開発し、廃棄まで管理していくために、当社グループは高信頼の公開鍵基盤(PKI)技術を用いたセキュアIoTプラットフォーム(Secure IoT Platform)を提唱しています。当社グループは、PKIの認証局を20年以上運営する実績を有している点に優位性があるものと考えております。
このセキュアIoTプラットフォームのターゲット市場については、当社グループは以下のとおり考えており、これらの市場に向けた施策を展開してまいります。・1stターゲット:産業用途・コンシューマー
・2ndターゲット:自動車・医療・軍事/航空/宇宙
・3rdターゲット:通信・コンピューター
⑥IoT向け認証局
今後、5G(第5世代移動通信システム)による同時多数接続の実現により、スマートフォンを含むIoT機器の出荷台数は、英国の調査会社IHSマークイットが2019年7月に公開した「世界の分野別IoT機器出荷実績と予測」によると2025年には200億台、累計で800億台に達する見込みで、管理すべき機器の数は飛躍的に増加することが予想されます。
当社グループは、現行の証明書発行枚数の機能を拡張し、発行枚数:1,000万枚~2,000万枚、管理枚数:1億枚、平均発行枚数:100枚/秒、発行までの時間:1秒以下とするとともに、規模に応じてさらにスケール可能なIoT向け認証局サービスを開発しており、経済産業省の補助金事業を活用して、2020年11月より実際のIoT機器を利用した実証事業を実施し、その有効性を確認しました。これにより、IoT機器を対象とした場合においても、「モノ」がインターネットに接続される際の4大リスク、すなわち、盗聴、改ざん、なりすまし、事後否認を防ぎ、対象を正しく認証・特定することができる機能を提供することが可能となります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、デジタル社会においてさまざまなサービスの安心・安全な利用を支援するトラストサービスプロバイダーを目指しています。認証・セキュリティサービス、OSSサービス、IoTサービスの3つの領域に注力し、トラストサービス事業の拡大を推進してまいります。
現時点におきましては、これら戦略の進捗として「売上高」及び事業のサービス化の進捗として本業の収益性を図る「営業利益及び営業利益率」を経営の最重要指標と考えております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは主に以下の4つを対処すべき課題と考えております。
・新型コロナウイルスの感染拡大の影響に対する対策
・当社グループ事業を支える人材の獲得と育成
・合併会社と被合併会社の経営資源統合を通じたシナジー発揮
・事業機会をとらえた新規事業の立ち上げと育成
①新型コロナウイルスの感染拡大の影響に対する対策
新型コロナウイルスの世界的感染拡大の影響により、内外経済の先行きにつきましては、感染症の収束時期の見通しが立たず、厳しい状況が続くと見込まれ、感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクに十分注意する必要があります。
当社は、需要増の見込まれるテレワークに必要となるデバイス認証サービスに注力しつつ、その他の製品・サービスについても、顧客の需要の変化に対応した事業戦略、販売戦略の見直しを図ってまいります。
また、テレワークの導入など、継続的に安定した事業活動ができるよう役職員への感染拡大防止に向け最大限の配慮を行ってまいります。
②当社グループ事業を支える人材の獲得と育成
IT人材の需要が高まる中、当社の求める水準を満たす人材の確保が難しくなってきており、今後もこの傾向は続くものと考えています。
当社は、合併前より当社グループに多数在籍している独自性と高い技術力を有する技術者に加えて、合併により、新たな技術者も加わり、さまざまな分野で高い専門性を有する技術者を多数擁することとなりました。さらに、2020年5月にリネオソリューションズ株式会社が完全子会社となったことで、当社グループ従業員におけるオープンソースソフトウエアのエンジニアは100名の規模に至りました、また認証・セキュリティに関するエンジニアを40名擁しております(2021年2月28日現在)。今後、それぞれの専門性を発揮しつつ相互に刺激を与えあう環境をさらに整えていくことで、技術者の成長を促し、必要な人材の確保に当たってまいります。一方で、当社グループが属する情報サービス業界は、常に革新的な技術・サービスが求められ、既存製品の機能向上はもとより、市場の技術革新に速やかに対応しながら、より先進的な技術を創出する必要があります。そのためには、高度かつ専門的な知識・技術を有した人材の育成及び定着を図ることが重要と認識しております。
今後も、新規事業領域への展開を含めて当該領域技術・業界動向に精通した専門知識及びスキルを有した優秀な人材の育成を進めてまいります。
③合併会社と被合併会社の経営資源統合を通じたシナジー発揮
合併により、組織文化・風土、経営資源、意思決定方式が異なる企業が統合されることになり、またその統合対象は、当社及び当社グループを構成するすべての要素になることから、内部統制システムの再構築が必要であると認識しています。経営戦略、人事・評価制度、会計制度、予算・実績管理、意思決定及び決裁権限などの経営統合(マネジメントフレーム)に関する各種社内規程などの整備をするとともに、社内管理体制の強化を継続して進めてまいります。また、合併初年度は物理的にオフィスが離れておりましたが、2018年8月に本社移転し、オフィスを統合したことで経営資源(人材、技術、情報、業務インフラ、設備等)の有効活用、組織的一体感による組織基盤の強化が進んでおります。引き続き、経営効率化及び財務体質の強化を目指すとともに、社内管理体制については、四半期決算を中心とする会計制度や体制の充実、内部監査体制の整備などにより、強化を図ってまいります。
④事業機会をとらえた新規事業の立ち上げと育成
IoT化は、わたしたちの暮らしや仕事に、新しい価値や豊かさをもたらします。センサーの小型軽量化、低廉化が進み、すべてのモノがネットワークにつながるIoTの爆発的な普及が進んでおり、冷蔵庫やテレビといった家電、自動車、ロボット、スマートメーター等のモノの活用だけでなく、IoT機器で得られるデータを利活用した新たなビジネスやサービスが創出されつつあります。
2020年4月にIDC Japanは自社サイト内の公開記事で、国内IoT市場におけるユーザー支出額は2019年の実績(見込値)は7兆1,537億円であり、その後、2019年~2024年の年間平均成長率12.1%で成長し、2024年には12兆6,363億円に達すると発表しており、今後もIoT市場の成長が予測されています。他方、IoT機器が普及する一方で、IoT機器を狙ったサイバー攻撃は近年増加傾向にあります。センサーやウェブカメラなどのIoT機器は、機器の性能が限定されている、管理が行き届きにくい、ライフサイクルが長いなど、サイバー攻撃に狙われやすい特徴を持っています。こうした脅威を防ぎ、安全で信頼できる高品質のセキュリティソリューションの提供、組込みIoT機器の真正性を担保しセキュリティ脅威から守る共通プラットフォームの提供など、事業機会をとらえて当社の独自能力を発揮し、独自の価値を提供することで事業規模の拡大を図ってまいります。
(*1)ボードコンピューター
一枚の基板の上にCPU、メモリをはじめ様々な機能やインタフェースを搭載している小型のコンピューター
(*2)FA
Factory Automationの略で、コンピューター制御技術を用いて工場を自動化すること、または自動化に使われる機器のこと
(*3)MFP
Multi Function Peripheral/Product/Printerの略で、プリンター、複写機、スキャナー、ファクシミリなど複数の機能を一つの筐体(きょうたい)にまとめた機器の総称
本書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、リスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下のとおり記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 当社グループの事業の特長等について
①認証・セキュリティサービスについて
当社グループが提供するSSL/TLS証明書は、2019年9月にDigiCert社のルート認証局を用いたサーバー証明書事業に関わる契約を終了し、自社ルート認証局を用いたサーバー証明書事業を推進する方針に転換しております。
一方、ルート認証局の普及には数年を要するため、それまでの間、セコムトラストシステムズ社とパブリックCA署名サービス契約を締結し、一時的にセコムトラストシステムズ社のルート認証局を用いてサーバー証明書事業を展開しております。
当社はセコムトラストシステムズ社との同契約に基づいて、今後も良好な関係を維持してまいりますが、同社との関係に大きな変化が生じるなどして、該当期間内に同社からのサービス提供が損なわれた場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②OSSサービスについて
現在、当社グループは、OSSサービスを主とする製品・サービスの開発及び運用にあたり、当社以外の第三者がその著作権等を有するオープンソースソフトウエア(OSS)を利用しております。当社グループでは、外部ライセンス取扱いの担当チームにより利用パテントのチェック作業などを実施し、製品・サービスにOSSを組み込む場合、各OSSライセンスに則って組み込んでおります。また、OSSコミュニティなどの社外交流を行いOSS環境の動向を注視しております。しかしながら、当該ライセンス内容が大幅に変更された場合やかかるOSSが第三者の権利を侵害するものであることが発見された場合などは、当該プログラム製品の交換・修正・かかる第三者との対応などにより、提供・販売・流通などに影響した結果、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③「Cybertrust」ブランド及び電子認証局ソフトウエアの使用について
当社グループは、日本国内において、企業及び製品名称の一部にVerizon Australia Pty Limitedが保有する「Cybertrust」ブランドを利用し、また同社より電子認証局ソフトウエアUniCERTのライセンスを受けております。同社とは長年に亘り、緊密かつ良好な関係にあり、今後もこれまでの取引関係を維持してまいりますが、同社との関係に大きな変化が生じるなどしてこれらのブランドや当該ソフトウエアが使用できなくなった場合は、例えば新社名と現ブランドでの実績とが同一であることを理解頂くことに想定していない工数が掛かることや当該ソフトウエアを使用できなくなることでその代替品を開発するために新たな投資が必要となる可能性があります。
④当社グループのサービスに係る特有の制約条件等について
当社グループが提供している認証サービスでは、グローバル・スタンダードなセキュリティ監査である「WebTrust」に毎年合格し、堅牢な運用を行っております。また、当社はWebTrust監査に対応する事務局を認証局内に設置し自主監査も行っております。しかしながら、信頼性が重要な要素である証明書市場では、独立した監査によりWebTrust指針もしくはそれと同等の認定の一部を満たした認証局のみがEV証明書の発行を許されており、万が一、監査機関より、当社の情報システムや電子商取引の信頼性等について、WebTrust及びWebTrust EVプログラムに適合の保証が受けられない場合には、証明書発行業務に制約を受け、当社グループの経営成績その他に重大な影響を及ぼすおそれがあります。
(「WebTrust」とは、主にインターネットビジネスにおける利用者保護のために、米国公認会計士協会とカナダ勅許会計士協会により策定されたプログラム)
⑤業界規制について
当社グループが提供しているサーバー証明書については、様々な団体やブラウザベンダによる自主規制ルール等による規制を受けております。当社グループはこれらのルール等の策定または改定等に対しては早期の情報収集と、規制に適合したサービスの速やかな提供に努めております。しかしながら、規制により当社グループのサービス提供に大きな制約や変更を余儀なくされた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、目下の業界規制の動向からDigiCertルート下にDigiCertとサイバートラストの中間認証局が併存している状態に関して発生し得る当社のお客様の証明書の急な失効というリスクを回避するため、DigiCert社と当社はDigiCertルート認証局につながる特定のサイバートラスト中間認証局につき2021年5月をもって閉局することに合意いたしました。当社グループは当該閉局にあたりお客様に対してセコムトラストシステムズ社のルート下の当社の発行する証明書へ差し替えを提案しております。しかしながら提案に応じて頂けないお客様との取引については、当社としては業績への影響は限定的と考えておりますが、2022年3月期の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥システム開発について
当社グループのシステム開発を伴う案件においては、開発したシステムの不具合の発生や、顧客の仕様変更などによって開発が長期化し、利益率が悪化するリスクがあります。当社グループでは、適切なプロジェクトマネジメントの実行による工程管理、品質向上や、顧客都合による仕様変更に対しては適切な対価の交渉等に努めております。しかしながら、当社グループのプロジェクトマネジメントが十分でない場合、交渉しても十分な結果が得られない場合、利益率が悪化し当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑦業績の季節変動性について
当社グループが提供するサービスの一部は、企業システムの業務処理やネットワークなどに関するシステムのコンサルティング、設計・構築及び保守・運用などを支援する総合的なサービスの提供であり、主として顧客企業による情報関連投資及び設備投資が対象になります。取引先企業の多くは決算期が3月であることから、当該サービスの売上高及び利益は、期末(3月)にかけて集中する傾向があるため、当社グループでは案件管理や納期管理を徹底しております。しかしながら、経済環境の変化等による失注や、顧客の都合等により検収時期が遅延し、計画通りに売上計上ができない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 情報セキュリティ対策について
当社グループは、電子証明書サービスを提供する事業者として厳重な情報セキュリティ管理体制において自社内の機密情報を管理するとともに、監査機関より、当社の情報システムや電子商取引の信頼性等について、WebTrust 及び WebTrust EV プログラムに適合している保証を受けています。また、セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格である「ISO/IEC 27001」及び国内規格である「JIS Q 27001」の認証を取得し、従業員研修を繰り返し実施する等、これらの情報管理には万全な方策を講じております。また、機密情報を含むデータベースへのアクセス可能者を限定し、アクセス履歴を記録するセキュリティシステムの導入などにより防衛策を講じるとともに、従業員のモラル教育を徹底し、当社グループ従業員による情報漏洩への関与を未然に防ぐ措置を講じております。このような対策にもかかわらず、当社グループが情報を漏洩又は誤用した場合には、損害賠償責任を負う可能性があるほか、当社グループが企業としての社会的信用を喪失し、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 技術革新への対応について
当社グループが属する情報サービス業界は技術革新が激しいことから、当社グループが現在保有する技術・ノウハウなどが陳腐化する可能性があります。当社グループは技術革新のスピードに対処するために、常に新しい技術・ノウハウを組織的に習得し、従業員全体の能力を高め、事業の推進に必要な人材を適切に確保・育成し活用することにより、顧客のニーズに対して的確に対応していく能力を備えるなどの方針を採っております。
今後、これらの技術革新や顧客ニーズの変化に対し、当社グループが適切かつ迅速に対応できなかった場合には、業務の継続関係や業務委託に関する契約が変更又は解消されることなどにより、当社グループの事業展開、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 人材の育成・確保について
当社グループが、今後更なる事業拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保・育成が重要な課題となります。現在も採用による人材の獲得に加え、入社後の社内における研修、各種勉強会の開催、福利厚生の充実など、社員の育成及び人材の流出に対応した各種施策を推進し、状況に応じて外部への業務委託も実施しております。しかし、新規の採用や社内における人材の育成が計画どおりに進まず、適正な人員配置が困難になった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 特定取引先への収益依存について
当社の親会社は、ソフトバンクグループ㈱、ソフトバンクグループジャパン㈱、ソフトバンク㈱及びSBテクノロジー㈱です。ソフトバンクグループ㈱は、「持株会社投資事業」「ソフトバンク・ビジョン・ファンド1等SBIAの運営するファンド事業」「ソフトバンク事業」「アーム事業」を展開しており、そのうち「ソフトバンク事業」を営むソフトバンク㈱は、国内通信事業を展開しております。また、ソフトバンクグループジャパン㈱は中間持株会社であります。SBテクノロジー㈱は、国内の法人及び官公庁を中心にICTサービス事業を展開しております。同社は当社の議決権の71.92%(本書提出日現在)を保有する筆頭株主です。当社グループは、ソフトバンクグループ㈱を中心とした企業集団において、「認証・セキュリティサービス」「OSSサービス」「IoTサービス」の3つのサービスを展開し、「ヒト」「モノ」「コト」の正しさを証明し、お客様のサービスの信頼性を支えるトラストサービス事業を営んでおります。
当社グループは、2020年3月期における総売上高に占めるSBテクノロジー㈱に対する売上高の合計の割合が9.2%であり、顧客の中で上位2番目の位置づけとなっております。また、2020年3月期における総売上高に占めるソフトバンク㈱に対する売上高の合計の割合が11.7%であり、顧客の中で上位1番目の位置づけとなっております。
両社とは現在良好な関係を維持しておりますが、何らかの事情によりこれら販売先との取引が大きく変動した場合などには当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
しかしながら両社との取引は、それぞれ売上全体の10%前後にとどまり、売上構造の比率として特定の取引先として偏り過ぎた構造ではないと考えております。ただし、今後も両社と現状の良好な取引関係を継続していく方針は変わりませんので、結果として取引量が多くなっていく可能性はあります。取引の内容については、「(7)親会社との関係について ⑤親会社グループとの取引関係について」に記載しているとおりです。なお、親会社との間において、販売価格、マージン、支払条件などの取引条件は、当社グループ向けのグループ仕切り又は販売パートナー向けのパートナー仕切り、又は通常の取引条件によって決定しております。
なお、関連当事者取引等の実施につきましては、その取引が当社グループの経営の健全性を損なっていないか、その取引が合理的判断に照らし合わせて有効であるか、また取引条件は、他の関連を有しない第三者との取引と比較して同等の条件であるか等に留意して、その取引の合理性(事業上の必要性)及び取引条件の妥当性を、職務権限規程において定める決裁権限者及び執行役員会議、取締役会等の会議体により検証し、意思決定しております。
(6) 事業継続性について
当社グループは、サービスの継続稼働のため、セキュリティ対策、設備投資、自然災害等を想定したデータセンター及び事業所でのシステム運用を行っております。万が一の災害などに備えて、業務継続のため、システムやインフラの災害対策強化やサービスの冗長化などの設備面での体制と、サポート業務などを遠隔拠点で冗長化する人的リソース面での体制の強化を図っております。また、迅速に適切な危機管理を実施するため、危機発生時の緊急連絡先、及び危機対策本部を設置する体制を備え、リスク管理規程に定めております。しかしながら、当社グループが提供する各種サービスは、インターネットを始めとした通信ネットワーク及びコンピュータシステムにより提供されており、想定を上回るサービスへのアクセスに伴うシステム障害や、地震・津波などの自然災害及び火災・事故・停電・感染症の拡大等の予期せぬ事象の発生、またその長期化などによりサーバーがダウンした場合などには、事業を円滑に運営できなくなる可能性があります。
(7) 親会社との関係について
①親会社が支配権を有することに伴うリスク
当社は、SBテクノロジー㈱(東京証券取引所市場第1部に上場)が当社発行済普通株式の過半数(本書提出日現在で当社の議決権の71.92%)を所有しており、同社の子会社であります。同社は、当社の株式上場後においても、連結関係を維持するために必要となる当社株式数を継続的に所有する方針です。そのため、当社取締役の選任・解任、合併その他組織再編の承認、重要な事業の譲渡、当社定款の変更及び剰余金の配当などの基本的事項決定権又は拒否権に関して、他株主の意向にかかわらず同社が影響を与える可能性があります。また当社の経営及びその他事項のうち、同社が影響力又は支配力を有するものに関して、いわゆる利益相反取引のように、同社の利害は、当社の他株主の利害とは異なる可能性があります。これに対しては、当社は社外取締役を2名選任しており、他株主の利益保護の視点から監督の実効性を確保しております。
なお、当社が同社に対し事前承認を必要とする事項はなく、当社は独立性をもって経営の意思決定を行っております。
また、SBテクノロジー㈱との良好な関係は当社グループの事業にとって重要であり、何らかの理由により関係が悪化した場合又は悪化したと受け取られた場合には、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②役員の兼任について
当社の取締役のうち、1名がSBテクノロジー㈱からの派遣役員です。これは、経営陣を強化することを目的としています。同社の従業員1名が取締役を務めておりますが、当社取締役7名の中の1名にすぎず、当社独自の経営判断が行える状況にあると考えております。また経営の独立性を一層高める観点から、社外取締役が2名就任しております。これにより、当社の独立性は十分に確保されているものと考えております。
また、当社の監査役のうち、1名がSBテクノロジー㈱からの派遣役員です。これは、監査経験が豊富な者を監査役とすることを目的としています。
③従業員の出向及び兼任について
当社グループでは、業務の効率性、事業上の必要性、人材育成及び各職員の将来像を踏まえたキャリアパス形成の観点から、積極的な親会社との人材交流が行われており、2021年2月28日時点で親会社から当社へ出向している社員は3名います。2019年9月1日時点で親会社からの独立性及び安定性の観点から、業務分掌を受けた組織体の組織長以上の人事については、出向関係を解消しております。当社から親会社への出向については、事業上必要と判断するもののみ実施しており、その範囲において、今後も継続する予定です。
④親会社グループ内の他社との競合について
当社の親会社は、ソフトバンクグループ㈱、ソフトバンクグループジャパン㈱、ソフトバンク㈱及びSBテクノロジー㈱です。ソフトバンクグループ㈱は、「持株会社投資事業」「ソフトバンク・ビジョン・ファンド1等SBIAの運営するファンド事業」「ソフトバンク事業」「アーム事業」を展開しており、そのうち「ソフトバンク事業」を営むソフトバンク㈱は、国内通信事業を展開しております。また、ソフトバンクグループジャパン㈱は中間持株会社であります。SBテクノロジー㈱は、国内の法人及び官公庁を中心にICTサービス事業を展開しております。同社は当社の議決権の71.92%(本書提出日現在)を保有する筆頭株主です。当社グループは、ソフトバンクグループ㈱を中心とした企業集団において、「認証・セキュリティサービス」「OSSサービス」「IoTサービス」の3つのサービスを展開し、「ヒト」「モノ」「コト」の正しさを証明し、お客様のサービスの信頼性を支えるトラストサービス事業を営んでおります。なお、当社は、上場しているSBテクノロジー㈱の子会社であるため親子上場というかたちとなりますが、当社がITインフラやセキュリティサービスを提供するにあたっては上場により中立性を高め、親会社グループ外の企業との連携を加速させることが当社の成長に欠かせないとの考えに基づくものであります。
ソフトバンクグループ㈱グループに属することにより、IoTなどに関する最新技術情報の共有や先進的な取り組みなど、ソフトバンクグループ㈱グループとしての関係性を活かすことが当社グループの成長戦略の実現可能性を高め、当社グループの企業価値の一層の向上につながるものと考えております。
現在当社グループの方針及び事業の展開については、当社グループ独自に決定しています。当社グループのPKI認証技術とLinuxコア技術は、親会社等の企業グループが保有している技術要素とは大きく異なります。各社の技術・サービス自体が競合することはなく、当社の事業分野は固有の事業領域を有しており、親会社等と事業棲み分けができております。ソフトバンクグループ㈱グループ内の他社との競合関係はありません。しかし、ソフトバンクグループ㈱及びその子会社はさまざまな事業の運営に関わり、新たな事業展開の検討を日々行っていることから、将来的に、当社グループは投資の機会にあたってグループ内他社と競合する可能性があります。当社グループとしては、それらの会社と連携を検討するなど対応を行っていきますが、当社グループの事業に何らかの影響を及ぼす可能性があります。
⑤親会社グループとの取引関係について
当社グループは、ソフトバンクグループ㈱グループ各社と取引を行っています。2020年3月に終了した事業年度における主な取引は次のとおりです。なお、親会社からの債務保証は受けておりません。
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取引の内容 |
取引先 |
取引金額(百万円) |
取引条件等の決定方法 |
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製品の販売 |
ソフトバンク㈱ |
515 |
当社と関連を有しない他社との取引条件を勘案して決定しております。(注)1 |
|
賃借料の支払 |
ソフトバンク㈱ |
186 |
近隣の取引実勢に基づいて、交渉の上決定しております。(注)2 |
|
リース債務の返済 |
ソフトバンク㈱ |
16 |
当社と関連を有しない他社との取引条件を勘案して決定しております。 |
|
支払利息 |
ソフトバンク㈱ |
2 |
当社と関連を有しない他社との取引条件を勘案して決定しております。 |
|
取引の内容 |
取引先 |
取引金額(百万円) |
取引条件等の決定方法 |
|
製品の販売 |
SBテクノロジー㈱ |
405 |
当社と関連を有しない他社との取引条件を勘案して決定しております。(注)1 |
|
製品の仕入高 |
SBテクノロジー㈱ |
23 |
当社と関連を有しない他社との取引条件を勘案して決定しております。 |
|
出向社員給与 |
SBテクノロジー㈱ |
23 |
出向に関する契約に基づき、出向者に係る人件費相当額を支払っております。 |
|
SW開発委託 |
SBテクノロジー㈱ |
11 |
当社と関連を有しない他社との取引条件を勘案して決定しております。 |
|
売上 |
日本RA㈱ |
90 |
当社と関連を有しない他社との取引条件を勘案して決定しております。 |
|
売上 |
SB C&S㈱ |
102 |
当社と関連を有しない他社との取引条件を勘案して決定しております。 |
(注)1.他社と同一の価格体系に沿っており、割引についても他社と同一の条件で決定しております。
(注)2.利用面積の割合に応じて決定しております。
当社グループの独立性の観点を踏まえ、関連当事者との取引については、当該取引の事業上の必要性と取引条件の妥当性など取引内容について審議し、社内規程に定められた承認を得ることとし、取引の健全性及び適正性を確保する体制を築いています。
(8) 減損に関するリスクについて
当社グループは、新規事業であるセキュアIoTプラットフォームに関するソフトウエアなど、主に収益の獲得をするためにソフトウエアの開発を継続的に行っております。また、のれんに関しては、リネオホールディングス株式会社の株式を追加取得しリネオホールディングス株式会社及びリネオソリューションズ株式会社を子会社化した際に計上しております。
これらのソフトウエア及びのれんは、無形固定資産に計上しておりますが、これらの資産における将来キャッシュ・フロー創出能力について毎期測定し、減損の兆候の有無を把握しております。減損の兆候が認められた資産について、減損の認識の必要性に関して詳細な減損テストを実施し、かかるテストの結果、経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により十分な将来キャッシュ・フローが見込めない資産については、相当する減損損失を計上する可能性があり、その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このような影響が生じる可能性を低減させるため、当社グループでは投資実施時の計画の精査をし、将来キャッシュ・フローの獲得について確かな根拠を基にした投資を引き続き行っていくとともに、投資実行後も新規事業の収益獲得計画や出資先の事業計画の検証、定期的な収益のモニタリングを継続的に実施することで計画との乖離の有無を逐次確認し、減損の兆候の可能性がある資産の早期の把握及び適切な対応の実施をするよう努めております。
(9) 会計基準等の変更について
当社グループの取引内容が変わらない場合であっても、会計制度や会計基準の改正により会計方針を変更した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2018年3月に公表された「収益認識に関する会計基準」を適用することにより、当社の一部のサービスの売上高が一時点計上から一定期間計上に変更される等により2022年3月期の当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 新型コロナウイルス感染拡大の影響について
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、旅費交通費、通勤手当等のコスト削減効果が生じており、またテレワークの普及に伴うセキュリティ製品の需要増となる一方で、コロナ禍の予想以上の長期化、感染拡大により製造業への影響範囲が拡大し顧客によっては受注済案件も含めた凍結、縮小、時期見直しが発生する等の影響がIoTサービスのうち組込の受託案件の一部において発生しております。今後、感染症のさらなる流行拡大や長期化により、顧客の経営状態の悪化や事業環境への影響が増大した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11) ストック・オプション行使による株式価値の希薄化に伴うリスク
当社は、当社の役職員及び業務委託契約を締結している者に対するインセンティブを目的として、有限会社SPCトラストを受託者とする信託に割当てられた発行済株式総数の10.93%に相当する新株予約権を発行しており、交付基準日に当社が指定した役職員等に交付されます。これらの新株予約権が行使された場合は、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、株価形成に影響を与える可能性があります。
(12) 配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つと認識しております。しかしながら、当社は成長拡大の過程にあるため、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保の確保を優先し、最近5期間の配当状況は無配であります。現在におきましても、内部留保の充実を優先しておりますが、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への配当を目指していく方針であります。ただし、配当の実施及びその時期については未定であります。
(13) 資金使途について
当社が計画している公募増資による調達資金については、サービス・システム開発などの費用に充当する予定であります。しかしながら、当社が属するセキュリティ、OSS市場においては、業界としてエンジニアが不足しており、サービス開発が計画どおりに進まなかった場合には、調達資金を上記以外の目的で使用する可能性があります。また、当初の計画に沿って調達資金を使用した場合でも、想定していた投資効果を上げられない可能性があります。
(14) 旧サイバートラスト㈱の株式について
当社は2017年10月1日に、旧サイバートラスト㈱を吸収合併したところ(詳しくは、「第二部 企業情報 第1 企業の概況 2 沿革」をご参照ください)、旧サイバートラスト㈱の株式について、以下の問題になり得る事例を認識しております。
まず、旧サイバートラスト㈱の株式について、①同社元役員がその保有する同社の株式を第三者に譲渡した後、これを転得したブローカーが、1998年頃から2010年頃までの間に、同社の株式が上場予定であるとの虚偽の事実を告げて勧誘を行い、同社の株式を個人投資家に高値で譲渡した事例、及び②同社元役員が、第三者と共謀のうえ、2003年12月頃から2008年8月頃までの間に(その一部は同社元役員が同社に在籍していた時期と重なります。)、同社株式について同様の虚偽の事実を告げて同社の株式に投資する投資事業組合への出資の勧誘を行い、その結果個人投資家から金員を詐取した事例を認識しております。しかしながら、前者の事例についてはブローカーが詐欺の主体であり、後者の事例については同社が会社として関与した事実ないし知り得た事情は認められません。したがって、いずれの事例についても同社の関与は認められず、また不法行為に基づく損害賠償責任の消滅時効期間は既に経過しているため、仮に高値で同社株式を取得した個人投資家又は詐取の被害にあわれた個人投資家が、当社に損害賠償を請求したとしても、当社が損害賠償責任を負うことはなく、したがって、当社の財政状態に与える影響はないと考えております。
次に、2002年又は2003年頃から2005年にかけて、旧サイバートラスト㈱の当時の大株主であったBaltimore社は旧サイバートラスト㈱の株式を複数回に分けて譲渡し、その65%弱を特定の投資家が取得しております。もっとも、当該投資家がその株式をBaltimore社から直接取得したのか、又は第三者を経由して取得したのかが明らかではなく、結果として当該株式の譲渡に必要であった旧サイバートラスト㈱の取締役会の譲渡承認を欠いていた可能性があります。しかしながら、①当該株式譲渡の無効を主張する可能性のある者は限定されていること、②(株式譲渡の経緯と正確には一致していない可能性はあるものの)当該投資家が株式を取得すること自体についての旧サイバートラスト㈱の取締役会の承認はあること、③当該株式譲渡からは既に相当長期間(約15~17年)が経過しているにもかかわらず当該株式譲渡の無効を主張されたことはないため、仮に当該主張がなされたとしてもこれが認められる可能性は低いこと、④上記のとおり2017年10月1日に当社と旧サイバートラスト㈱との間の吸収合併が行われ、当該吸収合併に関する合併無効の訴えの提訴期間が経過していること、及びその他の諸般の事情を考慮いたしますと、上記の旧サイバートラスト㈱の取締役会の譲渡承認を欠いていた可能性がある株式譲渡について、当社の過去の株主又はその他の者から、その無効が主張されるリスク及び当該主張が認められるリスクは低いと考えており、したがって、当社の株式の帰属が争われるリスクもまた低いと考えております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、世界的に広がる新型コロナウイルス感染症の影響により、経済に対する先行きの不透明感が高まっております。当社グループの事業活動に与える影響は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」や「2 事業等のリスク (10) 新型コロナウイルス感染拡大の影響について」にも記載のとおりです。本書提出日現在、当社グループの足元の経営成績等に与える影響は限定的ではありますが、今後影響を及ぼす事項の発生に留意し、引き続き経営成績等に注視してまいります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態の状況
第20期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(単位:百万円)
|
|
2019年3月期 |
2020年3月期 |
|
総資産 |
4,402 |
4,906 |
|
純資産 |
3,094 |
3,444 |
|
自己資本比率 |
70.3% |
70.2% |
(資産)
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末より504百万円増加して4,906百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末より174百万円増加し2,822百万円となりました。これは売上の入金などで現金及び預金が109百万円、売上増加に伴い売掛金が115百万円それぞれ増加し、期間の経過により前払費用が51百万円減少したことによります。
固定資産は、前連結会計年度末より329百万円増加し2,083百万円となりました。これは2019年7月にリネオホールディングス株式会社の株式を35%取得したことにより、投資有価証券が123百万円増加したことに加え、自社開発ソフトの増加により、ソフトウエアが70百万円、ソフトウエア仮勘定が145百万円それぞれ増加したことによります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末より153百万円増加して1,461百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末より122百万円増加し1,112百万円となりました。これは売上増加に紐づいて費用も発生したことで買掛金が60百万円、顧客から収受したリカーリングサービスの前受収益が53百万円それぞれ増加したことによります。
固定負債は、前連結会計年度末より30百万円増加し349百万円となりました。これは主として長期のリカーリングサービス提供により長期前受収益の47百万円の増加、支払が滞りなく実施されたリース債務の17百万円の減少によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益350百万円の計上などにより、前連結会計年度末より350百万円増加して3,444百万円となりました。
第21期第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
(単位:百万円)
|
|
2020年3月期 |
2021年3月期第3四半期連結会計期間 |
|
総資産額 |
4,906 |
5,194 |
|
純資産額 |
3,444 |
3,589 |
|
自己資本比率 |
70.2% |
69.1% |
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末より288百万円増加して5,194百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末より84百万円減少し2,738百万円となりました。これは主に、売上の入金などで現金及び預金が44百万円増加した一方で、売上債権回収のタイミングによる受取手形及び売掛金が187百万円減少したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末より372百万円増加し2,456百万円となりました。これは主に、リネオホールディングス株式会社及びリネオソリューションズ株式会社の子会社化による119百万円ののれんの増加と、自社開発ソフトの開発が継続して実施されたことでソフトウエアが253百万円増加したことによるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末より143百万円増加して1,605百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末より143百万円増加し1,255百万円となりました。これは主に、税金納付のタイミングにより未払法人税等が85百万円、未払消費税等が3百万円減少した一方で、サポート更新のタイミングにより顧客から収受する前受収益が254百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末より144百万円増加して3,589百万円となりました。これは主に、当第3四半期連結累計期間に親会社株主に帰属する四半期純利益を144百万円計上したことにより利益剰余金が増加したことによるものです。
②経営成績の状況
第20期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
|
|
売上高 (百万円) |
営業利益 及び営業利益率 (百万円、%) |
経常利益 (百万円) |
親会社株主に帰属する 当期純利益 (百万円) |
1株当たり 当期純利益金額 (円) |
|
2020年3月期 |
4,421 |
537(12.1) |
535 |
350 |
95.82 |
|
2019年3月期 |
4,168 |
430(10.3) |
440 |
207 |
57.34 |
|
増減率(%) |
6.1 |
24.7 |
21.6 |
68.8 |
67.1 |
(注)当社は、2019年11月26日開催の取締役会決議により、2019年12月18日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っております。第19期(2019年3月期)の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益金額を算定しております。
認証・セキュリティサービスにおいては、サーバー証明書販売の堅調な推移に加えて、マネージドPKI導入、SI/コンサルにおける主要顧客に対する大口受託案件を獲得いたしました。サーバー証明書のルート認証局に関するDigiCert社との関係については2019年9月末に契約を終了し、自社のルート構築に向けてセコムトラストシステムズ社との協業体制を強化いたしました結果、変動利益率が向上し、増益に寄与いたしました。また、ビジネスプロセスのデジタル化を実現する電子的な本人確認、電子文書の真正性を担保する電子署名などデジタル化社会の信頼を支えるトラストサービス「iTrust」に取り組んでおります。
OSSサービスにおいては、サーバー関連では、MIRACLE LINUXのライセンス及び、CentOSなどの他社OSを合わせたサポートと、運用監視ソリューションZBXのライセンス、サポートとOSS向けアンチマルウェアモジュールなどその他OSS関連ミドルウェアを中心に、安定した収益を計上しています。
IoTサービスにおいては、組込みLinux関連で、自動車関連の受託開発、技術コンサル関連案件は想定以下で推移しましたが、産業機器向け顧客の受託開発、技術コンサル案件が増加いたしました。また、デジタルサイネージ製品のライセンス及び構築案件が伸長しました。2019年7月には、組込みLinux分野での有力企業であるリネオソリューションズ社と資本業務提携を発表し、技術・開発力の強化を行うなど、業界での存在感を高めています。また、IoT 機器の「設計・開発」から「生産・保守・保全」、「廃棄・再利用」の段階に至るまで、ライフサイクルを通した IoT 機器の信頼性の担保と継続的開発が可能な環境を実現する長期サポートLinux と製品のセキュアな長期利用・運用を支援するトラストサービス「EM+PLS」を2019年10月よりサービス提供開始し、一部スマートビルディング分野でのセキュリティ強化ソリューションとしての採用が決定し、開発が進捗しており、IEC62443などの産業セキュリティ標準、SP800やFIPS140-3など国際規制/標準化が進み、益々重要性が高まるIoTセキュリティ分野での採用拡大を目指して強力に推進しています。
(a)売上高
以上の結果、売上高は4,421百万円となり、対前年比で252百万円(6.1%)増加しました。
(b)営業利益
営業利益は537百万円となり、前年同期と比較して106百万円(24.7%)増益となりました。
上記のとおり売上高が堅調に推移し、他方で主として本社移転に伴う地代家賃の増加、人員増加に伴う人件費の増加により費用は増加傾向にあります。
(c)経常利益
経常利益は535百万円となり、前年同期と比較して95百万円(21.6%)増益となりました。
これは上記(b)及び、営業外損益として1百万円の損失が発生したことによるものです。主として、補助金による収益の増加、為替差損益の影響、本社移転に伴うリース資産の支払利息、上場関連費用が発生したことによります。
(d)税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は521百万円となり、前年同期と比較して203百万円(63.9%)増加となりました。
これは上記(c)及び、特別損益として13百万円の損失が発生したことによるもので、当該損失額は前年同期と比較して108百万円(88.6%)減少しました。主として、前期は本社移転に伴う損失により本社移転費用の発生額が大きくなりましたが、当期においてデジサートジャパン合同会社との契約終了に伴う関連ソフトウエアの除却による減損損失などが発生したものの、前期の本社移転費用に比して少額であったことによるものです。
(e)親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は350百万円となり、前年同期と比較して143百万円(68.8%)増加となりました。
これは上記(d)及び、法人税等合計が170百万円となったことによるものです。法人税等合計は前年同期と比較して60百万円(54.5%)増加となりました。
なお、当社グループはトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
<主なサービス内容>
・認証・セキュリティサービス
SSL/TLSサーバー証明書やクライアント証明書、端末認証用証明書発行管理サービス、ウェブセキュリティサービス、脆弱性診断サービスなど情報セキュリティサービスを提供しています。
・OSSサービス
Linux OS「MIRACLE LINUX」や統合システム監視ソリューション「MIRACLE ZBX」、バックアップソフトやカーネル技術を活かしたLinuxソリューションなど、オープンソースソフトウエアに関わるサービスを提供しています。
・IoTサービス
組込みLinuxと電子認証の技術を融合し、機器の製造段階から脆弱性の低減や脅威への対策を考慮してセキュリティを実装する仕組みや、更新ソフトウエアが安全に配信される仕組みなど、IoTデバイスの安全・安心な利用を実現する認証基盤を提供しています。
<当サービスのサービス概況>
認証・セキュリティサービスではプロフェッショナルサービスでの大口受託案件の獲得、既存顧客におけるリカーリングサービスの取引高増加により大幅に増収となりました。OSSサービスでは対前年比でプロフェッショナルサービスの自動車関連の組込み案件が低調となっております。IoTサービスでは全体として微増となり、全社として、3サービス全てにおいてライセンス販売の新規取引高が増加した結果、当連結会計年度での増収に貢献したと考えております。
(単位:百万円)
|
サービス |
サービス提供分類 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
増減率 |
|
認証・セキュリティ サービス |
ライセンス |
183 |
251 |
283 |
11.2% |
|
プロフェッショナルサービス |
330 |
480 |
|||
|
リカーリングサービス |
2,020 |
2,086 |
|||
|
OSSサービス |
ライセンス |
249 |
274 |
△45 |
△4.4% |
|
プロフェッショナルサービス |
171 |
135 |
|||
|
リカーリングサービス |
626 |
592 |
|||
|
IoTサービス |
ライセンス |
59 |
117 |
14 |
2.4% |
|
プロフェッショナルサービス |
506 |
475 |
|||
|
リカーリングサービス |
20 |
8 |
|||
|
売上合計 |
4,168 |
4,421 |
252 |
6.1% |
|
|
全社 |
ライセンス |
493 |
642 |
149 |
30.4% |
|
プロフェッショナルサービス |
1,008 |
1,090 |
82 |
8.2% |
|
|
リカーリングサービス |
2,667 |
2,688 |
20 |
0.8% |
|
・ライセンス
主に自社の製品(Linux/OSS製品など)を提供
・プロフェッショナルサービス
製品のカスタマイズや導入支援、セキュリティコンサルティングなどを提供
・リカーリングサービス(契約が更新されることで継続した収益が見込まれるもの)
電子証明書サービスや自社製品のサポートサービスなどを提供
第21期第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
|
|
売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
親会社株主に帰属する 四半期(当期)純利益 (百万円) |
1株当たり 四半期(当期) 純利益金額 (円) |
|
2021年3月期第3四半期連結累計期間 |
3,358 |
320 |
326 |
144 |
39.51 |
|
(参考)2020年3月期 |
4,421 |
537 |
535 |
350 |
95.82 |
(a)売上高
売上高は3,358百万円となりました。認証・セキュリティサービスのデバイスID(端末認証用証明書発行管理サービス)、OSSサービスにおけるLinux関連の開発案件、IoTサービスにおいては第1四半期連結会計期間(みなし取得日:2020年6月30日)から連結対象となった子会社のリネオソリューションズ株式会社の売上が寄与いたしました。
(b)営業利益
営業利益は320百万円となりました。
上記(a)のとおり売上高が貢献し、他方で期首より人員増加に伴う人件費の増加、収益獲得を目的としたソフトウエアなど無形・有形固定資産取得に伴う償却費の増加により費用全体は増加傾向にありますが、コロナ禍の影響により旅費交通費などの業務活動費は発生が抑えられております。
(c)経常利益
経常利益は326百万円となりました。
これは上記(b)及び、営業外損益として6百万円の収益が発生したことによるもので、主として、持分法による投資利益の影響、上場関連費用が発生したことによるものです。
(d)税金等調整前四半期純利益
税金等調整前四半期純利益は241百万円となりました。
これは上記(c)及び、将来の収益が見込めないと判断したため計上した53百万円の固定資産除却損及び出資先の財政状態が悪化したため計上した29百万円の投資有価証券評価損による影響となります。
(e)親会社株主に帰属する四半期純利益
親会社株主に帰属する四半期純利益は144百万円となりました。
これは上記(d)及び、法人税等合計が96百万円となったことによるものです。
なお、当社グループはトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
<主なサービス内容>
・認証・セキュリティサービス
SSL/TLSサーバー証明書やクライアント証明書、端末認証用証明書発行管理サービス、ウェブセキュリティサービス、脆弱性診断サービスなど情報セキュリティサービスを提供しています。
・OSSサービス
Linux OS「MIRACLE LINUX」や統合システム監視ソリューション「MIRACLE ZBX」、バックアップソフトやカーネル技術を活かしたLinuxソリューションなど、オープンソフトウエアに関わるサービスを提供しています。
・IoTサービス
組込みLinuxと電子認証の技術を融合し、機器の製造段階から脆弱性の低減や脅威への対策を考慮してセキュリティを実装する仕組みや、更新ソフトウエアが安全に配信される仕組みなど、IoTデバイスの安全・安心な利用を実現する認証基盤を提供しています。
(単位:百万円)
|
サービス |
サービス提供分類 |
当第3四半期 連結累計期間 |
|
認証・セキュリティ サービス |
ライセンス |
99 |
|
プロフェッショナルサービス |
359 |
|
|
リカーリングサービス |
1,621 |
|
|
OSSサービス |
ライセンス |
182 |
|
プロフェッショナルサービス |
111 |
|
|
リカーリングサービス |
434 |
|
|
IoTサービス |
ライセンス |
61 |
|
プロフェッショナルサービス |
464 |
|
|
リカーリングサービス |
22 |
|
|
売上合計 |
3,358 |
|
|
全社 |
ライセンス |
344 |
|
プロフェッショナルサービス |
935 |
|
|
リカーリングサービス |
2,078 |
|
・ライセンス
主に自社の製品(Linux/OSS製品など)を提供
・プロフェッショナルサービス
製品のカスタマイズや導入支援、セキュリティコンサルティングなどを提供
・リカーリングサービス(契約が更新されることで継続した収益が見込まれるもの)
電子証明書サービスや自社製品のサポートサービスなどを提供
③キャッシュ・フローの状況
第20期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より109百万円増加して1,913百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
|
2020年3月期 |
(参考) 2019年3月期 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
811 |
487 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△684 |
△452 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△17 |
270 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
1,913 |
1,803 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は811百万円となりました。これは、上記「②経営成績の状況」に記載した要因による税金等調整前当期純利益が521百万円、減価償却費が303百万円あったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は684百万円となりました。これは主にリネオホールディングス株式会社の株式35%を取得した際の投資有価証券の取得による支出123百万円があったことに加え、自社開発ソフトウエアなどの無形固定資産の取得による支出423百万円があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は17百万円となりました。これは、全額リース債務の返済による支出であり、主に本社移転により生じたリース債務の返済となります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループの生産は、完成後ただちに顧客に引き渡しており、生産実績は販売実績とほぼ一致しているため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
トラストサービス事業 |
4,579 |
112.48 |
546 |
121.36 |
|
合計 |
4,579 |
112.48 |
546 |
121.36 |
(注)1.当社グループはトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
トラストサービス事業(百万円) |
4,421 |
106.1 |
|
合計(百万円) |
4,421 |
106.1 |
(注)1.当社グループはトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント情報の記載を省略しております。
2.最近2連結会計年度及び当第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当第3四半期連結累計期間 (自 2020年4月1日 至 2020年12月31日) |
|||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
ソフトバンク株式会社 |
343 |
8.2 |
515 |
11.7 |
309 |
9.2 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたり、会計基準の範囲内で、一定の見積りが行われている部分があり、資産及び負債又は損益の金額に反映されております。資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、のれんやソフトウエアといった固定資産の減損処理については事業計画の販売予測や受注見込といった内容やその達成状況、過去の実績等に基づいて将来キャッシュ・フローを予測し合理的に判断するなど、連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、将来キャッシュ・フローが想定を下回る等これらの見積りと異なる場合があります。
見積りと異なった場合には減損損失が計上されるなど連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの分析
前述の「(1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの主な資金需要となる、運転資金及び設備投資資金につきましては、金利コスト等を勘案しながら、自己資金又は増資により資金調達することを基本としております。
なお、当社は短期的な支払いに支障が生じないよう流動比率を150%以上に保つことを目標としており、当連結会計年度末において流動比率が253.8%とその水準を上回っていることから資金の流動性に問題はないと認識しております。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「信頼とともに」という経営理念の下、認証技術とLinux/OSS技術を組み合わせ、ITインフラに関わる専門性・中立性の高い技術で、安心・安全な社会を実現することを目指しております。
そのため、現在、重要な経営指標として「売上高」を設定しております。当連結会計年度における売上高は前期比で6.1%増加し4,421百万円となりました。
この原因としては、主に、認証・セキュリティサービスにおいて、プロフェッショナルサービスでの大口受託案件の獲得、既存顧客におけるリカーリングサービスの取引高が増加したためとなります。
また本業の収益性を図る「営業利益及び営業利益率」を経営の最重要指標と考えております。営業利益については前期比で24.7%増加し537百万円となっております。また営業利益率については12.1%となっており、前連結会計年度より1.8ポイント改善しております。この原因としては、主に、売上高の堅調な推移と事業拡大に対応するための継続した人員増加により費用が増加したためとなります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑥経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。
(1) サービス契約
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契約会社名 |
相手先 |
所在地 |
契約品目 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
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サイバートラスト㈱ (当社) |
セコムトラストシステムズ㈱ |
東京都 渋谷区 |
パブリックCA 署名サービス |
2019年7月18日 |
当社の認証局に対し同社のルート認証局から署名を受けることで、パブリック証明書を発行するもの |
自 2019年9月30日 至 2020年9月29日 (以降1年毎自動更新) |
(2) フランチャイズ及び販売契約
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契約会社名 |
相手先 |
所在地 |
契約品目 |
契約締結日 |
主な契約内容 |
契約期間 |
|
サイバートラスト㈱(当社) |
Verizon Australia Pty Limited |
オーストラリア連邦ニューサウスウェールズ州 |
同社製品のフランチャイズ契約 |
2005年6月13日 |
同社製品の日本国内での独占フランチャイジー及び販売代理店として当社を指名し、その販売等に関する独占的権利を付与 「Cybertrust」の名称を使用する非独占的権利を当社に付与 |
自 2005年6月13日 至 2025年6月12日 (以降5年毎自動更新) |
(3) 仕入契約
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契約会社名 |
相手先 |
所在地 |
契約品目 |
契約締結日 |
主な契約内容 |
契約期間 |
|
サイバートラスト㈱(当社) |
Rambus Inc. |
米国カリフォルニア州 |
ソースコードアクセス権、システム構築 |
2020年4月2日 |
IoT Security Softwareソースコードアクセス権(改変権を含む)およびシステム構築に関する契約 |
自 2020年4月2日 至 2030年4月1日 (以降1年毎自動更新) |
なお、契約期間満了により終了した契約は以下のとおりであります。
販売代理店契約
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契約会社名 |
相手先 |
所在地 |
契約品目 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
サイバートラスト㈱ (当社) |
デジサートジャパン合同会社 |
東京都 中央区 |
同社製品の販売代理店契約 |
2018年9月30日 |
同社製品の仕入契約 |
自 2018年9月30日 至 2019年9月29日 |
当社グループでは、技術部門が顧客のニーズを踏まえた上で、新規サービス等の開発を行っております。
なお、当社グループは、トラストサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
第20期連結会計年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
該当事項はありません。
第21期第3四半期連結累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
該当事項はありません。