文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社グループは「夢・目標を共に実現し続ける組織に」という経営理念のもと、「革新的なマーケティングにより、世界を牽引する企業になる。」ことをビジョンとし、商品やサービスの魅力を正しくかつ的確に消費者に届けるため、テクノロジーを活用して、マーケティングの課題に新たなソリューションを提供するとともに、社会に溢れる様々なマーケティングの問題を解決するための企業づくりにチャレンジしております。
当社グループでは、売上高、営業利益を重視しており、その向上を図る経営に努めてまいります。
国内インターネット関連市場におきましては、スマートフォンやタブレット端末をはじめとするインターネット利用端末の多様化等や消費者の利用時間の拡大とともに、関連サービスは更なる市場拡大が期待されております。
こうした環境のもと、当社グループでは、コア事業の持続的成長による経営基盤のさらなる強化を図り、インターネット業界特有の事業環境の変化にも柔軟に対応できる強い企業体質を目指しております。将来にわたって確実に利益を出し続ける企業づくりに専念し、その先のさらなる飛躍につなげてまいる所存であります。その推進に当たり、下記の事項を対処すべき課題としてとらえ、対応に取り組んでおります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、消費者のオンライン利用機会が一気に増大し、企業は持続的な収益の確保にむけてサービスの提供形式やマーケティングの主戦場をオンラインへとシフトしており、インターネット広告市場及びマーケティングテクノロジー市場は引き続き成長が見込まれます。
そのような環境の中、広告主にとっては競争環境の激化により、新規ユーザーの獲得コストは高まっているためマーケティングコストのROI向上及びLTVの向上ニーズは高まっており収束後においても、底堅い需要を見込んでおります。
当社グループはLTVマーケティングを軸に、成果報酬型マーケティング市場において事業展開を行っており、同市場における豊富なノウハウを有しておりますが、拡大する成果報酬型マーケティング市場において、メディアのあり方が多様化していることから、従来の「人」を介在させたコンサルティングに加え、テクノロジーを駆使した効率的な管理、データの解析・分析のオートメーション化をさらに加速させる必要があります。当社グループにおいては、市場動向やクライアントニーズを的確に把握し、迅速に対応することにより、成長著しい成果報酬型マーケティング市場におけるリーディングカンパニーになることを目指してまいります。そのため、効率的な管理を進めることにより収益構造の改善を図りつつ、新たなプロダクトの開発と既存プロダクトの改善を継続することにより、当社グループ全体の収益性の向上に取り組んでおります。
※ サブスクリプション…利用期間に対して対価を支払う、定額制のビジネスモデルのこと。
③ 与信管理体制の強化
当社グループの主力事業であるLTVマーケティング事業において、過去に取引先に対する貸付金の取立遅延が発生したことや、広告費分割払いの付帯機能提供等に伴う未収入金を計上している現状を踏まえ、与信管理体制を含めた債権管理の強化が課題であると認識しております。
管理部門と営業部門の一層の連携強化や取引先に対するモニタリングの強化を図るなどの対応を行っております。
当社グループは、持続的な事業収益の拡大をしていくためには人材開発・育成が不可欠との認識のもと、優秀な人材を確保し、教育の充実等により組織の活性化を図ってまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものです。
当社は「夢・目標を共に実現し続ける組織に」という企業理念のもと、事業環境の変化にも柔軟に対応し、より一層、ESGと事業戦略とを結び付けた、透明性・客観性の高いESG経営を推進していきます。ESG経営を推進する上で、社会課題を解決するだけではなく、事業活動としての経済性の確保は非常に重要な要素であると考えています。私たちは、ESGに関する活動を社会貢献活動の延長線ではなく、当社グループの企業価値を高める活動であると位置づけることで、全社一丸で取り組む風土を醸成していきます。
また当社は、ESGを含む重要な経営課題については経営会議において検討し、必要に応じて取締役会に報告を行うこととしております。当社のコーポレート・ガバナンス体制は、「
当社のリスク管理体制は、「リスク管理規程」を制定し、その全社的な推進や必要な情報の共有化等を検討する体制の強化を図っております。役員を中心とするメンバーにより構成されるリスク管理委員会を設置し、原則として半期に一度以上の頻度に開催し、サステナビリティ関連のリスクを含むリスクの評価、対策等、広範なリスクに関し協議を行い、具体的な対応を検討し、必要に応じて経営層や関連部署に報告しております。さらに、大地震などの突発的なリスクが発生し、全社的な対応が重要である場合には、代表取締役をリスク管理統括責任者とする緊急事態対応体制をとることを規定し、不測の事態に備えております。また、必要に応じて弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士等の外部専門家の助言を受けられる体制を整えており、リスクの未然防止と早期発見に努めております。
(3) 戦略
(人的資本)
人的資本においては、人権に対する配慮は経営の基盤であると考え、性別、年齢、性的指向、性同一性と性表現、国籍、宗教などを問わず、多様な人材が活躍できる環境創りに取り組んでおります。また、人材の育成や働きやすい職場づくりに注力しており、従業員が自己を磨き、人生や仕事を充実させ、利他の精神をもって働ける組織を目指しています。従業員との対話を大事にし、個々の意思を尊重し、適材適所の配属や勤務時間のモニタリングによる業務量の可視化による長時間労働の防止、メンタルヘルスケアなど、健康的な働き方を推進する様々な施策を実施しています。
(気候変動)
気候変動は、当社の財務的価値に重大な影響を及ぼす可能性のある重点課題の一つであると考え、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づき、当社の事業に関連する気候変動リスク・機会を特定し、対応策の検討を実施しました。
・気候変動リスク
・気候変動機会
(4) 指標及び目標
当社では、「(3)戦略(人的資本)」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備や、気候変動に係る指標について、関連する指標の管理とともに具体的な取り組みを行っているものの、グループが多角化しており、画一的な目標を定めることが困難なため具体的な目標を設定しておりません。そのため当社として管理している指標についての実績を記載しております。
(人的資本)
(気候変動)
(注)株式会社Macbee Planet及び株式会社All Adsのオフィスを対象としております。
以下では、事業の状況及び経理の状況に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社は、これらのリスク発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社グループが属する成果報酬型マーケティング市場は、着実に成長を続けており、同市場が引き続き拡大することが、成長のための基本的な前提として考えております。また、同市場においては、複数の競合企業が存在し、厳しい競争環境にありますが、当社グループは豊富なノウハウに加え、テクノロジーを駆使することにより、差別化を図ることで、市場での認知を得ております。
しかしながら、同市場における新たな規制の導入や何らかの予期せぬ要因により、市場規模が想定したほど拡大しない場合、もしくは豊富な資金力を有する企業が新規に参入し、競争が激化した場合には、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、LTVマーケティング事業においては、メディアのあり方が多様化しているため、市場動向やクライアントニーズを的確に把握できずに、対応が遅れた場合には、収益性が低下し、利益を圧迫する可能性があります。そのため、当社では、効率的な管理、新規プロダクトの開発、及び既存プロダクトの改善を継続し、収益性の向上に取り組んでおりますが、それらの取り組みが想定通りに進展しなかった場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、一部のクライアントに対する売上高が大きくなっております。今後、新規クライアントの開拓及び提供サービスの差別化を図ることにより、売上高の維持拡大に努めてまいりますが、競合企業が付加価値のあるサービス提供を行う等によって、新規クライアント開拓が思うように進まなかった場合には、特定クライアントへの依存は軽減されず、取引先の業績及び取引先との取引条件等により、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度の主要な取引先は、合同会社DMM.com及びSBIホールディングス株式会社(グループ会社含む)を中心に上位2社の総取引実績に占める割合が全体の4割弱を占める状況となっております。また、株式会社All Adsは、人材、医療等のクライアントに対する売上高が大きくなっております。そのため、上記リスクが顕在化した場合においては、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
広告のメディア出稿において、一部の有力メディアとの取引が大きな割合を占めております。今後も有力メディア各社と良好な関係を構築してまいりますが、メディアの方針変更や、当社グループのサービスの陳腐化に起因し競合企業に対する競争力が低下すること等により、メディアとの関係性が変化する場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
LTVマーケティングにおいて、その効果が把握し易く、費用対効果も高いことから、これまで高い成長率を維持してまいりました。しかしながら、新しい広告モデルが開拓され、それが市場に受け入れられ、当社の対応が遅れた場合には、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
インターネットを規制する国内の法令として「個人情報の保護に関する法律」があり、当社グループでは、Cookie(クッキー)技術を利用し、当社グループと提携するWebサイトを閲覧したユーザーの行動履歴(アクセスしたURL、コンテンツ、参照順等)等を取得する可能性があります。現在のところ、当社グループの事業の阻害要因になっておりませんが、今後、インターネット広告に関するサービスを提供する上で新たな法令の制定や既存の法令が改正されたり、自主規制が求められたりした場合には、サービスの提供に制約を受け、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業においては景品表示法、薬機法、医療広告ガイドライン等の法令規則及び諸規制の適用を受けております。今後、適用を受けている法令の改正や新たな法令の制定等が行われ、又は既存の法令等の解釈に変化が生じたり、もしくは、法令等に準ずる効力を持つ業界内の自主規制ルールが制定されその遵守を求められたりするような状況が生じた場合には、当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。
当社グループのサービスは、Amazon Web Services(AWS)等のクラウド・サービスのサーバー等を利用し、インターネット上での広告配信、成果の管理等をシステム化しておりますが、使用するハードウエア、ソフトウエア、通信回線等の不具合、人為的なミス、さらにはコンピュータウイルス、停電、自然災害等によってサービスが中断し、当社グループ側の対応が適切に行われなかった場合には、信用低下や損害賠償請求等により、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、知的財産の保護のため、原則的には、すべての知的財産権の取得を目指す方針でおりますが、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用がかかるなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループによる第三者の知的財産権の侵害については、顧問弁護士又は弁理士等と連携をとって、可能な範囲で調査を行い対応しております。しかしながら、当社グループの事業領域における第三者の知的財産権を完全に把握することは困難であり、当社グループが認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できず、この場合には当社グループに対する損害賠償請求や、ロイヤリティの支払要求等が行われること等により、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 与信管理について
当社グループでは、取引先の選定にあたり事前の与信調査を可能な範囲で行った上で取引先に対して与信限度額を設定し、管理しておりますが、予測しえない取引先の財務状況の悪化により債権回収不能となった場合、経済的損失が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 付帯機能について
当社グループにおいて、広告費分割払いを付帯機能として提供しております。この広告費分割払いは、特定の当社の得意先グループに対する広告費を対象に手数料を徴収して分割払いを許容するものであり、当社グループではリスクから解放された部分を段階的に手数料収益として計上するとともに、入金期限が到来していない債権については未収入金として計上しております。なお、当連結会計期間末時点において広告費分割払いに係る未収入金は27億50百万円計上しております。提供先グループの社会的信用及び財務状況の継続的なモニタリング並びに複数の保証人による連帯保証がなされておりますため、追加的な与信リスクは僅少と捉えておりますが、機能提供先の経営破綻等が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、広告商材や広告表示に関して、「広告表示チェックリスト」等の運用ルールを設けており、その徹底した運用を図ることで法令遵守、公序良俗の維持に努めております。一例として、アダルト関連やギャンブル関連、霊感商法・悪徳商法とみなされるもの、風紀を乱し犯罪を誘発する恐れのある商材の取り扱いはいたしません。また、優良誤認や有利誤認、誇大表示が見受けられるような表示についても、チェックリストにより排除いたしております。しかしながら、当社グループの運用が徹底されず、これに違反するような広告の取り扱いが行われた場合には、レピュテーション等の影響も含めて、当社グループの事業展開及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業は、業務の拡大に応じて、各分野における専門スキルを持った優秀な人材を確保し、維持する必要があります。しかし、適切な人材を十分に確保できず、あるいは従業員の流出が生じた場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、テクノロジーを活用したマーケティングを軸に、クライアントの売上を伸ばすためのコンサルティングを提供しており、当連結会計年度末現在、従業員数(正社員のみ)182名と少数精鋭で事業を展開しております。クライアントのニーズに適時に対応できる柔軟な規模でありますが、一方で、技術者の退職、長期病欠等の予期せぬ事態が起こった場合には、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、現在の事業規模に応じた内部管理体制を整備・運用しており、今後は事業規模の拡大に合わせ、内部管理体制も強化させていく方針であります。しかしながら、事業規模の拡大及び人員の増加に合わせ、適時に内部管理体制の強化ができなかった場合、適切な事業運営が行えず、当社グループの事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、業務上クライアント等の情報を入手しているため、「情報システム管理運用規程」を定め、業務又はセキュリティ上必要なアクセス権限を設けて管理しております。また、個人情報保護法に対応するため、個人情報の適正な取扱と厳格な管理を的確に行っております。しかし、何らかの事情で顧客情報が漏洩した場合には、当社グループの信頼失墜又は損害賠償による損失が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、取締役及び従業員に対して、業績向上に対する貢献意欲及び士気を高めるため、新株予約権を付与しております。当連結会計年度末現在において、新株予約権は存在しませんが今後新たに新株予約権や株式等が発行された場合は、既存の株主が有する株式の価値及び議決権の割合が希薄化する可能性があります。
当社は、株主還元と同時に、財務体質の強化や事業拡大及び競争力の確保を経営の重要課題として位置付けており、株主の皆様に対する利益還元を重要な経営課題と認識しつつ、業績の推移、財務状況、事業計画に基づく資金需要等を総合的に勘案し、内部留保とのバランスを取りながら、経営成績に合わせた利益配分を基本方針としております。当事業年度において中間配当18円、期末配当18円の合計36円の配当を行うとともに、次期配当も55円の期末配当を予定しておりますが、事業環境の急激な変化等により配当政策に影響を及ぼす可能性があります。
当社の取締役である松本将和(同氏の資産管理会社であるMG合同会社を含む)及び創業者である小嶋雄介の所有株式数は、当連結会計年度末現在で発行済株式総数の40%超を占めております。
両氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、両氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である両氏の持分比率が低下した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 企業買収に関するリスク
当社は、事業基盤強化及び新たな事業展開を推進するため、2023年3月6日に株式会社ネットマーケティング(現株式会社All Ads)を完全子会社化するなど、M&Aを実施しております。M&A実施後に事業の統合作業が計画どおり進捗しない場合、統合後の事業が期待されたシナジーや利益を実現できない場合、のれんの減損により当社グループの業績が一時的に影響を受ける場合や、偶発債務や未認識債務等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、M&Aの実施にあたっては、対象案件について各種デューデリジェンスを綿密に行い、経営会議や取締役会において十分な検討をしております。
※当社グループは当連結会計年度(2024年5月1日から2025年4月30日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えて比較分析を行っております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、経済活動の正常化が進み、円安によるインバウンド需要の増加や雇用・所得環境の改善が見られたものの、総じて緩やかな回復に留まりました。企業収益は改善し設備投資も持ち直しましたが、原材料・エネルギー価格の高騰や物価上昇が継続したこと等により、個人消費は力強さを欠き、消費者マインドの本格的な改善には至っておらず、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの主力事業が属するインターネット広告市場におきましては、世界全体としてDⅩ(デジタルトランスフォーメーション)推進の波が押し寄せ、本格的なデジタル時代が到来しようとしており、インターネット広告市場は2024年に前年比9.6%増の3兆6,517億円(*)となりました。世界的にもオフライン媒体と比較してデジタル媒体費の費用効率が良いこともあり、全広告費の約半分を占める傾向にあり、わが国においてもその形に推移しつつあり、当社グループにとって追い風となっております。
* 株式会社電通「2024年日本の広告費」より
こうした環境のもと、当社グループは、インターネット広告をより進化させたLTVマーケティングを提唱し、独自のテクノロジーの開発に力を入れ、事業拡大に向けた取り組みを進め、当社グループの経営成績は次のとおりとなりました。
当連結会計年度の経営成績につきましては、売上収益は51,675百万円(前年同期比31.1%増)、営業利益は5,171百万円(前年同期比27.7%増)、税引前当期利益は5,072百万円(前年同期比25.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は3,443百万円(前年同期比26.1%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(LTVマーケティング事業)
当セグメントにおきましては昨年から引き続き既存案件の拡大、新規案件の受注が堅調に推移したことに加え、独自のデータ取得技術を活用した施策が奏功した結果、売上収益は50,717百万円(前年同期比29.4%増)、セグメント利益は7,201百万円(前年同期比25.1%増)となりました。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較して1,800百万円増加し、23,068百万円となりました。その主な要因は、営業債権及びその他の債権が4,105百万円、のれんが665百万円、その他の金融資産が499百万円増加した一方で、現金及び現金同等物が3,820百万円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末と比較して149百万円増加し、10,839百万円となりました。その主な要因は、営業債務及びその他の債務が1,187百万円増加した一方で、未払法人所得税が654百万円、借入金が365百万円減少したことによるものです。
(資本)
当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末と比較して1,651百万円増加し、12,229百万円となりました。その主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益3,443百万円の計上があった一方で配当金の支払250百万円及び自己株式の増加1,438百万円等によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ3,820百万円減少し、7,506百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって使用した資金は341百万円となりました(前連結会計年度は4,902百万円の獲得)。その主な内訳は、営業債権及びその他の債権の増加額4,014百万円、法人所得税の支払額2,563百万円があった一方で、税引前当期利益5,072百万円の計上、営業債務及びその他の債務の増加額1,138百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によって使用した資金は1,037百万円となりました(前連結会計年度は1,704百万円の支出)。その主な内訳は、子会社の取得による支出661百万円及び貸付けによる支出297百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によって使用した資金は2,442百万円となりました(前連結会計年度は1,533百万円の支出)。その主な内訳は、自己株式の取得による支出1,622百万円及び長期借入金の返済による支出455百万円であります。
生産を行っておりませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注)前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、総販売実績に対する割合が100分の10未満の場合は記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 3.重要性がある会計方針」に記載しております。
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
当社グループの主な資金需要は、既存事業の安定的な成長にかかるコストと新規事業への投資コストとなります。財政状態と投資のバランスを重視しつつ、事業活動に必要な運転資金及び新規事業等に対する投資コストは、主として手元の自己資金、金融機関からの借入及び新株発行により調達いたします。
「3 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループは、インターネット関連市場の変化や他社との競争力、取引先の動向、コンプライアンスと内部管理体制、関連する法的規制、自然災害等の様々なリスク要因が当社グループの経営成績に影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループにおいてはサービスの拡張、優秀な人材の採用等を行うとともに、リスクマネジメントを行い、リスク要因を分散し、リスクの発生を抑えて適切に対応してまいります。
「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループの経営陣は、今後更なる業績拡大と成長を遂げるには、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。そのためには、収益性のさらなる向上、特定の商材やクライアントへの偏りの解消といった事業面と、内部管理体制の強化といった組織面の双方の強化を図り、事業展開を行ってまいります。
当社グループが事業展開を行う国内インターネット関連市場は、スマートフォンやタブレット端末の普及等によるデバイスの多様化、FacebookやX(旧Twitter)、LINEに代表されるソーシャルメディアの普及等、ビジネス環境の変化は世界規模で進展しており、さらなる市場拡大が期待されております。
このような状況の中、当社グループは、データ拡大及び解析技術を生かして、「LTVマーケティングの進化(深化)」を目指し、①応用可能なデータ、技術基盤確立を推進し、②データ技術を活用し新たなLTVマーケティング領域へと事業拡大を図るとともに、③LTVマーケティングの一気通貫提供を目指してまいります。また、引き続き、新規取引先の獲得、既存取引先との取引規模の拡大にも注力してまいります。
加えて、データ解析プラットフォームである「ハニカム」のデータ拡大を重視するとともに、マーケティングテクノロジー事業においては、Webホスピタリティツールである「Robee」の機能強化を積極的に行い、特に既存顧客との関係維持に着目した施策(リテンションマーケティング)の強化を図ってまいります。また、両事業を掛け合わせることによって、社会に新しい価値を提供し続け、投資と収益のバランスを考慮しつつ、さらなる成長をとげたいと考えております。
「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(第3編から第6編までを除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表、要約連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更は、次のとおりであります。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
また、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、百万円未満を切り捨てて表示しております。
① 要約連結貸借対照表
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書
前連結会計年度(自 2023年5月1日 至 2024年4月30日)
当連結会計年度(自 2024年5月1日 至 2025年4月30日)
前連結会計年度(自 2023年5月1日 至 2024年4月30日)
(連結の範囲の変更)
新規設立により3社、株式取得により1社を連結の範囲に含めております。また、吸収合併により1社を連結の範囲から除いております。
当連結会計年度(自 2024年5月1日 至 2025年4月30日)
(連結の範囲の変更)
新規設立により1社、新設分割により1社、株式取得により2社を連結の範囲に含めております。
前連結会計年度(自 2023年5月1日 至 2024年4月30日)
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「37.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2024年5月1日 至 2025年4月30日)
(のれんの償却)
日本基準では、合理的に見積られたのれんの効果が及ぶ期間にわたって、定額法により、「販売費及び一般管理費」としてのれんを償却しておりましたが、IFRSでは、IFRS移行日以降は非償却としております。
この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が563百万円減少しております。
(リース)
日本基準ではオペレーティング・リース取引については、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理しておりましたが、IFRSでは「使用権資産」及び「リース負債」を計上しております。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、使用権資産及びリース負債がそれぞれ466百万円及び502百万円増加しております。
(資本性金融商品)
日本基準では、投資有価証券に係る売却損益を純損益として認識しておりましたが、IFRS会計基準では、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定した資本性金融商品に係る公正価値の変動額をその他の包括利益として認識しております。
この影響により、IFRS会計基準では日本基準に比べて、税引前利益が205百万円増加しております。
(財務上の特約の付された金銭消費貸借契約の概要)
2024年4月1日前に締結された金銭消費貸借契約については、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」附則第3条第4項により記載を省略しております。
当社グループは、企業におけるマーケティングの課題を、データの解析を基盤とした戦略立案を提供することで解決するべく、最新の分析技術を研究しております。近年は、人工知能や機械学習・深層学習に代表されるように、国内外で技術革新が進んでおり、当社においても、最先端の技術を研究することにより、自社のプロダクトに取り入れるための活動を行っております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、各セグメントに配分できない全社共通の費用