文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営方針
当社の経営理念である「ALL HAPPY BY DESIGN」は、デザインの力で世界にHAPPYの循環を作り出し、これによって社会に貢献することを意図しており、建築物を中心とした空間の創造を通じて経営理念を実現すべく事業を展開しております。
例えば図書館にいると自然と小声となるように、空間には私たちの思考や行動を変える大きな力があると考えております。空間をその空間の目的に沿って適切にデザインし、加えてその空間を共有する人々に心地よい、幸せな時間を過ごしてほしい。これが私たちの考える「ALL HAPPY BY DESIGN」です。
また、当社グループは、企業としての活動の全てが社会に何らかの価値をもたらすものであるべきと考えます。収益事業を通じてHAPPYを循環させるだけではなく、収益事業以外の活動、いわゆるCSR活動にも注力し、ESGを意識した経営を目指しております。当社グループは、収益事業から生み出される強みや資産を活用したCSR活動に取り組んでおりますが、CSR活動の成果は常に収益事業にフィードバックしており、収益事業と収益事業以外の活動を一体のものとして捉え、社会に貢献したいと考えております。
当連結会計年度までのCSR活動としては、当社連結子会社の所在地であるフィリピン・セブ州において、現地の子供を対象とした内装デザインコンテストを実施いたしました。
このイベントでは、親にプレゼントしたい家を子供達にデザインしてもらい(画像1)、これを3Dスキャナーの取り込みデータ及び3D画像製作システムを使って仮想空間に実現する(画像2)というものです。
現地の子供達にはデザインの素晴らしさと創ることの喜びを伝え、この活動に関わった当社従業員については、社会貢献意識の醸成と勉強会(画像3)や実践を通じての3D関連スキルの向上を目指しました。
(画像1) (画像2) (画像3)

(2)目標とする経営指標
当社グループは、事業拡大、企業価値向上を目指し、売上高及び売上高経常利益率を経営における重要な指標としております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、デザインによる付加価値を有した空間の創造(企画、デザイン、設計及び施工)を事業の中心としており、創業以来、当社グループの強みであるデザイン力を継続して強化してまいりました。当社グループが目指すデザインは、建築物の表面的な見栄えではなく、デザインをツールとした課題解決力を指し、創造力と言い換えることができるものです。
当社グループは、「人が人生の少なくない時間を過ごすオフィスという空間は、もっと人にとって心地良いものであるべき」という問題意識の下、オフィスの内装デザイン・施工から事業をスタートいたしました。
オフィスは固定費であり、オフィスに係るコストは極力抑制するべきという考え方が多い中で、オフィスを単なるコストの対象としてみるのではなく、そこで働くワーカーが気持ちよく働くための投資、その会社のブランドを体現するための投資と考え、人々を幸せにするだけでなく、空間の目的を実現する付加価値を持ったオフィスのデザインを目指してきました。昨今の働き方改革の流れは、当社グループの考えに一致するものであります。
一方、新型コロナウイルス感染症の拡大は、テレワークを含めた働く場所の分散化をもたらすものと考えます。既存オフィスだけでなく自宅を含めた働く場所の在り方をデザインするのは当社グループの役割であると認識しております。当社グループは、このような変化・時流を的確に捉えて空間のデザインにおける当社グループの地位を一層高めてまいります。
また、当社グループの知名度が上がったことで、大手不動産会社・大手商社・大手IT企業等、新規のクライアントからの引き合いが増え、事業の規模と領域が拡大してまいりました。具体的には、大規模オフィス(大手町・渋谷・福岡の再開発ビル等)の内装デザインを受注した他、都内駅周辺開発計画のグランドデザイン及び設計・施工を受注する等、案件の大型化が進んでおります。海外での知名度の向上に伴い、海外展開、特に環太平洋地域への進出が視野に入りつつあること等、当社グループの事業は新しいステージに入ってきたと考えております。
このような状況を受け、当社グループは、2019年度からの3年間で次の成長へ向けた企業基盤の強化に取り組むことを予定しております。
具体的には、これまで実施してきた利益率向上施策・人材教育施策の継続の他、次の項目へ優先的に取り組んでまいります。
① 事業拡大及び適切な経営管理のための従業員数確保と環境整備
当社グループは成長の途上にあり、継続して従業員数を拡大する必要があると考えております。現業部門の従業員については、一人当たり売上高等の指標を考慮しつつ、管理部門の従業員については内部統制の状況を踏まえて従業員数の拡大を行う計画です。
また、これら従業員が快適に働ける環境を整えることは、従業員のモチベーションの向上、ひいては「ドラフト」というブランドの維持に大きな役割を果たしております。ショールームを兼ねた現在のオフィスは手狭となっており、オフィス移転又は改修による働く環境の再整備を進めてまいります。
② デジタルテクノロジーの積極的取り込みによる新領域事業の開発と業務効率化の推進
デジタルテクノロジーの積極的な活用は早急に対応すべき重要課題であると認識しております。
当社グループでは、D-RAWRITE INC.の設立及び育成を通じて、デジタル領域の機能強化を図ってきました。また、3Dスキャナーを購入し、CSR活動に活用しつつ設計のデジタル化に取り組むとともに、BIM(注1)による業務全体の効率化を進める等、デザインとテクノロジーの相乗効果による事業拡大を探索しております。通常の設計では、平面図等の図面関係資料と3D画像等はそれぞれ独立したデータとして個別に作成する必要があります。一方、BIMを活用した設計では、一元的に管理された詳細な設計情報(画像1)から様々な図面やパース(画像2)を容易に作成できる等、特に設計業務の効率化に大きな効果があります。
(画像1) (画像2)

また、当社グループはデザイン力・企画力が強みであり、価格競争に巻き込まれにくい事業モデルであると考えておりますが、施工業務の適切な管理も利益の安定的かつ効率的な確保には重要であると考えます。このため、かねてよりプロジェクトマネジメント及びコンストラクションマネジメントの強化を推進しております。施工業務の適切な管理は、無駄な外注費・材料費の発生を抑え、適正な利益の確保につながります。この結果として、直接外注費及び材料費を売上高から控除した利益の率は過去より着実に改善しておりますが(注2)、RPA(注3)の導入等を通じて、一層の生産性の向上を実現したいと考えます。
このようなテクノロジーを積極的に取り込んで現在の事業の業務効率化を図りつつ、これらテクノロジーを活用した新しい事業への取り組みを進めてまいります。
③ 活動拠点の拡大(地方中核都市、海外等)
当社グループは、現在、東京及び大阪を中心に事業を行っておりますが、付加価値の高いオフィス等を求める需要は地方中核都市にも広がっております。これら地方中核都市の需要を確実に取り込み、高品質かつ利益率の高い事業を行うため、名古屋・福岡といった大都市での拠点開発を検討してまいります。
海外拠点の開発については現時点で具体的な計画はないものの、海外における度々の受賞等で当社グループの知名度は高まっており、海外のオフィスデザイン業務が発生しております。このため、将来への備えとして、海外子会社であるD-RAWRITE INC.の機能拡充及び連携強化並びに当社従業員の語学教育の充実は引き続き実施していく計画です。

D-RAWRITE INC.のオフィス(左)及びテレビ電話を介した当社との協業の様子(右)
(4)経営環境及び会社の優先的に対処すべき課題
働き方改革、健康経営オフィスの普及啓発活動(経済産業省)等、当社グループの主力事業領域であるオフィスへの関心はかつてないほど高まっております。また、オフィス供給の逼迫による中古オフィスビルのリデザイン需要も当社グループにとってのビジネス機会拡大につながるものと考えております。一方で、新型コロナウイルス感染症の拡大は、働き方やオフィスの在り方について新たな課題を提示しております。
このような中、当社グループは当面の課題を次の4点と考え、事業基盤の強化及び事業の拡大を進めてまいります。
① テレワーク等新しい働き方への対応
昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大は、テレワーク等新しい働き方への対応が企業活動の継続にとって必須であることを明示しております。オフィスという働く空間のデザインを事業の主軸とする当社グループは、この変化に的確に対応し、新しいオフィスの在り方を提示するだけでなく、自宅を含めた働く場所全体を再定義し直す必要があるものと考えます。
このような変化をチャンスと捉え、世の中に新しい価値を提供するための事業展開を積極的に推進してまいります。
② 優秀な人材の確保及び育成
当社グループの事業の性質上、事業の拡大には一定規模の人員拡大及び適切な人材育成が不可欠であると考えております。一人当たり生産性の向上に努めつつも、採用の強化及び従業員が高いモチベーションを保って働くことができる環境・体制の整備を進めてまいります。
③ 業務実施体制の高度化
当社グループの事業は拡大しており、業務内容の高度化と業務規模の大型化が進んでおります。これに対応するため、個人に蓄積されていたスキル・ノウハウを組織として共有し、組織として業務を実施する体制の構築を進めております。今後も業務インフラのIT化などを行いつつ、業務実施体制の高度化に努めてまいります。
④ 内部管理体制の拡充及びコンプライアンスの徹底
当社グループは、社会的責任を果たしつつ、持続的な成長とこれによる企業価値の向上を目指してまいります。
当社グループの成長には、成長ステージに見合った管理機能とコンプライアンスの精神が深く浸透した企業風土の醸成が必須であると考えております。内部監査・人事・法務・経理等、それぞれの分野で高い専門性や豊富な経験を有している人材を採用することに加え、従業員に対する継続的な啓蒙及び研修等を実施することで、内部管理体制の一層の強化を図るとともにコンプライアンスの徹底に努めてまいります。
※ 用語解説
(注1)BIMとは、Building Information Modelingの略で、一般には建築物を構成する材料や設備機器等の各種情報(製品情報、位置情報、価格情報等)を建築物の3次元モデルに紐付けて管理し、これを建築設計、施工、維持管理といったあらゆる工程で活用する仕組みです。建築物の質の向上や業務効率化に大きく貢献するものと期待されております。
(注2)売上高から直接外注費及び材料費を除いた利益(直接外注費及び材料費が発生しない又は僅少な設計業務・設計監理業務を単独で行う案件を除く)の利益率は、2015年3月期の18.2%から2020年3月期の29.6%へ改善しております。
(注3)RPAとは、Robotic Process Automationの略で、定型的作業をルールエンジンや人工知能等の技術を備えたソフトウエアのロボットに代行させる概念を指しております。
以下において、本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項を記載しております。また、当社グループとして必ずしも重要な事業上のリスクに該当しないと考える事項につきましても、投資者の判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解するうえで重要であると考えられるものについては、投資者に対する積極開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)建設・不動産市場の動向に関するリスク
当社グループの事業は、都市開発やビルリノベーション等において建設・不動産市場の動向に影響を受ける場合があると考えております。経済情勢の悪化や不測の事態の発生により、建設・不動産市場の急激な縮小や競争環境の激化が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)業績の季節変動に関するリスク
当社グループの中核事業はオフィス等を中心とした内装のデザイン・設計及び施工であることから、多くの会社の年度末である3月は、1年の中で最も引き渡しが集中する月となる傾向にあります。
従って、景気動向・自然災害等の要因により3月の引き渡しに支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)外注管理に関するリスク
当社グループは、施工業務においては工事監理業務(クライアントから業務の委託を受け、設計図面どおりに施工されるかを監督する業務)及び工事管理業務(工程管理、コスト管理等工事の進行管理を行う業務)を行い、大工工事・左官工事・電気工事・水道工事等は専門の業者へ外注しております。
施工工事の大部分を外注に依存しているため、受注案件数の増加や営業エリアの拡大に伴い外注先を確保できない場合、又は外注先の経営不振や繁忙等により工期が遅延した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制に関するリスク
当社グループは、事業を行う上で、建設業法、建築基準法、建築士法及び消防法等の法令の他、関連する条例等多岐にわたる規制の適用を受けております。これらの法規制が改廃された場合又は新たな規制が導入された場合は、対応に要するコストの増加や受注できない業務の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの事業を行うにあたって、当社は以下の免許及び許認可等を取得しております。当連結会計年度末現在、当該免許及び許認可等が取消しとなる事由は発生しておりませんが、今後、何らかの理由によりこれらの免許及び許認可等が取消された場合、当社の主要な事業活動に重要な支障が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
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許認可等の名称 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
許認可等取消事由 |
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特定建設業許可 |
東京都知事許可 (特-28)第134448号 |
2022年2月23日 |
建設業法第29条に定められております。 |
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一級建築士事務所登録 |
東京都知事登録 第61133号 |
2021年9月30日 |
建築士法第26条に定められております。 |
(5)設計・施工に関するリスク
当社グループは、高いデザイン性を実現しつつも、常に安全性と品質にこだわった設計・施工を心がけております。
しかしながら当社グループが設計・施工した物件に不具合が生じる可能性は否定できず、その際の手直しに要する追加の施工費、重大な瑕疵による損害賠償等は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、人身や施工物等にかかわる重大な事故の発生も損害賠償金の支払い等により当社グループの信用が著しく毀損した場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)製造責任に関するリスク
当社グループでは、オフィス家具(ブランド名「201°」)の企画・販売を行っております。当社グループでは製造を直接行っておりませんが、製品の不具合による事故等が発生した場合には当社グループが責任を問われる可能性があり、この結果として当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)取引先の信用リスク
発注者、協力会社等の取引先が信用不安に陥った場合に発生する資金の回収不能や施工遅延等は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)訴訟等のリスク
当社グループでは、当連結会計年度末において、業績に影響を及ぼす訴訟等を提起されている事実はありません。
しかしながら、当社グループが事業を継続していくうえでは、知的財産権等多種多様な訴訟リスクが継続的に存在します。当社グループでは今後も各種専門家を積極的に活用してリスク管理を行ってまいりますが、当社グループが何らかの訴訟等の対象となった場合、ブランドの毀損や損害賠償金の支払等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)デザインの模倣又は陳腐化のリスク
当社グループは、デザイン力を競争力として事業を拡大しております。建設におけるデザインは権利の保護が難しく、模倣されて安価に提供される可能性があります。また、当社グループの提供するデザインが、時流にそぐわず陳腐化する可能性もあります。当社グループでは、常にデザインの先端企業であるべく不断の努力を行い、また、施工実施力との相乗効果で模倣を許さないビジネスモデルを構築してまいりますが、模倣・陳腐化といった事象は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)災害及び感染症の拡大等によるリスク
地震、風水害といった大規模自然災害、または新型コロナウイルスをはじめとした感染症の拡大等が発生した場合には、工事の中止や延期、または人身や施工物等にかかわる重大な事故の発生による損害賠償金の支払い等の発生
により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)特定人物への依存について
当社グループ設立の中心人物であり、設立以来当社グループの事業を牽引してきた代表取締役社長山下泰樹は、経営方針や事業戦略の立案・実施において、極めて重要な役割を果たしております。当社グループでは、過度に同氏へ依存しないよう、経営幹部の拡充・育成、権限委譲による組織的業務執行体制の構築を行っておりますが、何らかの理由により同氏による当社グループの業務遂行が困難となった場合、現状においては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)人材の確保について
当社グループの持続的な成長を実現するためには、優秀な人材を十分に確保し、育成することが重要であると考えております。しかしながら、当社グループが求める優秀な人材を計画通りに確保できなかった場合、事業実施体制の弱体化等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)海外事業に関するリスク
当社グループは、フィリピンに海外子会社を有しており、当該子会社は、3Dイメージパースの製作等当社グループの事業展開において重要な機能の一部を担っております。
仮にフィリピンにおいて政変、経済情勢の急激な変動、外交関係の悪化、テロ、大規模自然災害等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)事業実施体制及び経営管理体制について
当社グループは急速に事業を拡大しております。これまでも事業実施体制及び経営管理体制の強化に取り組んでまいりましたが、今後の事業規模拡大を考慮した時には、なお一層の充実が必要と考えております。
前項に記載した人材確保の遅れ等の要因により、事業規模に見合った事業実施体制及び経営管理体制を構築できなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)新株予約権による希薄化について
当社では、役員及び従業員に対して、モチベーションの向上を目的としたストック・オプションを付与しております。今後新株予約権の行使が行われた場合、既存株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
(16)反社会的勢力との取引について
当社グループでは、反社会的勢力とのあらゆる取引の発生を防止するため、社内体制を整備して対応を行っております。しかしながら、当社グループの厳格なチェックにもかかわらず反社会的勢力との取引を排除できない可能性があり、このような問題が認められた場合には、監督官庁等による処分、社会的信用の低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は4,571,602千円となり、前連結会計年度末に比べて2,399,949千円増加いたしました。これは、主に株式公開に伴う新株の発行等により現金及び預金が1,016,323千円増加したこと、業績の拡大により売掛金が1,394,261千円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は2,839,948千円となり、前連結会計年度末に比べて1,071,066千円増加いたしました。これは、主に買掛金が923,326千円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,731,654千円となり、前連結会計年度末に比べて1,328,882千円増加いたしました。これは、主に株式公開に伴う新株の発行等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ523,296千円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益297,513千円を計上したことによるものです。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、良好な企業業績や雇用環境を背景に緩やかな回復基調で推移した一方で、年度後半には新型コロナウイルス感染症の拡大により経済の不透明感が増大する等、先行き不透明感の強まる一年となりました。
このような環境下、当社グループは、デザイン性の高い設計力・企画提案力と、プロジェクトマネジメント及びコンストラクションマネジメントを通じたデザインの実現力を武器に事業活動を行ってまいりました。多くの企業の顔となるオフィスのデザイン及び大型ビル全体の環境デザイン、丸の内エリア・栄エリア・福岡エリアといった都市開発の企画等、幅広い分野で受注を獲得しております。
働き方改革や採用競争力をつけたい企業のニーズもあり、当社の設計するオフィスを人材確保又は企業ブランディング向上のための重要なインフラと考える企業が引き続き増加していることに加え、東京ビジネス地区のオフィス平均空室率が1.50%を記録する(出所:オフィスマーケットデータ/三鬼商事株式会社)等オフィス需給が逼迫しており、オフィスビルのリデザイン需要も高まっております。当社グループは、オフィスのデザイン分野や都市開発分野、そして築後年数を経たビルをリデザインし再生する事業等、新しいビジネスを生み出す時流を読んだ高い提案力が評価されております。
この結果、当連結会計年度の売上高は6,041,542千円(前連結会計年度比28.6%増)、営業利益は478,130千円(同25.5%増)、経常利益は464,043千円(同26.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は297,513千円(同14.1%増)といずれも過去最高となりました。
なお、当社グループは、企画・デザイン・設計・施工事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べて1,033,936千円増加し、1,862,012千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は107,192千円(前連結会計年度は106,344千円の使用)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益464,043千円及び仕入債務の増加額923,326千円から売上債権の増加額1,399,410千円を差し引いたことによるものです。当社グループは順調に事業を拡大しており、売上債権・仕入債務ともに前連結会計年度に比べ増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は10,525千円(前連結会計年度は112,769千円の使用)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出26,166千円及び新たに設置したサテライトオフィスの敷金の差入による支出16,770千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は1,151,682千円(前連結会計年度は453,314千円の獲得)となりました。これは、主に株式公開に伴う新株の発行による収入1,036,662千円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループでは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
|
|
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
受注実績 |
6,545,666 |
127.4 |
2,202,219 |
129.7 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.当社グループは企画・デザイン・設計・施工事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
c.販売実績
当社グループは、企画・デザイン・設計・施工事業の単一セグメントであります。当連結会計年度の同セグメントの販売実績をサービスの対象領域別に示すと、次のとおりであります。
|
対象領域 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
|
|
実績 |
前年同期比(%) |
|
|
オフィス(千円) |
4,016,694 |
126.5 |
|
商業施設(千円) |
326,421 |
69.2 |
|
都市開発・環境設計・その他(千円) |
1,698,425 |
161.7 |
|
合計(千円) |
6,041,542 |
128.6 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
サンフロンティア不動産株式会社 |
711,590 |
15.2 |
852,188 |
14.1 |
|
ラサール不動産投資顧問株式会社 |
- |
- |
639,397 |
10.6 |
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の分析については、前述の「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、次のとおりです。
a.売上高
売上高は、前連結会計年度に比べて1,344,853千円増加(前連結会計年度比28.6%増)いたしました。良好な事業環境を背景に受注が増加したことに加えて、1件の受注額が50百万円以上の案件が、前連結会計年度の20件(うち、100百万円以上の案件は7件)から28件(同12件)に増加する等、案件の大型化が寄与いたしました。
また、売上の対象領域別では、主力である企業オフィスのデザイン・設計(施工を含む)の「オフィス」が増加した他、ビル全体のリニューアル業務を含む「都市開発・環境設計・その他」が大きく伸びる結果となりました。
b.売上原価及び売上総利益
売上総利益は、前連結会計年度に比べて353,125千円増加(前連結会計年度比32.3%増)し、1,445,098千円となりました。これは、利益率が高い設計又は設計・PM(設計監理)のみを行う案件が増加したことや業務効率化等により、売上総利益率が0.7ポイント上昇したこと等によります。
c.販売費及び一般管理費並びに営業利益
販売費及び一般管理費は、人員増による人件費の増加、広告宣伝費の増加等により、前連結会計年度に比べて255,948千円増加(前連結会計年度比36.0%増)し、966,968千円となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べて97,176千円増加(前連結会計年度比25.5%増)し、478,130千円となりました。
d.営業外収益、営業外費用及び経常利益
営業外収益は、27,733千円と前連結会計年度に比べて25,380千円増加いたしました。これは、保険解約返戻金24,088千円を計上したこと等によります。また、営業外費用は、41,820千円と前連結会計年度に比べて24,268千円増加いたしました。これは、事業の拡大に伴う運転資金に充てるため銀行借入を増額したことによる支払利息の増加及び株式公開に伴う諸費用の計上によります。この結果、経常利益は464,043千円となり、前連結会計年度に比べて98,288千円の増加(前連結会計年度比26.9%増)となりました。
e.特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度において特別利益及び特別損失は計上しておりません。法人税等合計については、株式公開に伴う増資により税負担が増加いたしました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は297,513千円となり、前連結会計年度に比べて36,820千円の増加(前連結会計年度比14.1%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析については、前述の「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
なお、当社グループでは、継続して売上高が増加するとともに、受注案件の大型化が進んでおります。このため、売掛金の回収に先行して発生する外注費が増加しております。また、事業拡大に対応した人員の増強、一般的認知度を高めるための広告宣伝にも資金を投下する予定であります。必要な資金については、自己資金並びに銀行からの長期借入金及び短期借入金を活用して手当てしております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、見積り、判断並びに仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債の金額、開示期間の収益・費用の金額及び開示情報に影響を与えます。ただし、これらの見積り、判断並びに仮定は、実際の結果とは異なる場合があります。
当社の連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。