(1) 経営方針
人間と物があらゆる情報とつながり始めたこの世界において、高機能汎用技術である半導体レーザ技術の有用性はますます高まってきております。当社は「人の可能性を照らせ。」という経営理念のもとに、世界の人々の生活を安全で豊かなものにし、幸福と平和に貢献する企業を目指すことを経営方針としております。
経営方針に基づく重点施策として下記の5点を掲げております。
● 業界をリードする新製品の開発と安定量産化
● 納期遵守による顧客満足度の向上
● 顧客要求を充足する信頼性の確立
● 製品検査レベルでの品質向上
● 従業員の継続的スキル向上
当社の属する「半導体レーザ」業界の経営環境は、世界的にもニーズが高まり光通信・インターコネクト、ディスプレイ、バイオセンサ、スマートフォン顔認証、自動運転レーダ、精密加工、プリンタ、照明等、順調に市場は伸長しております。その市場の中でシェアを獲得するために以下のような経営戦略を立案し、推進しております。
自社内においては半導体レーザの最も要となるデバイス設計、結晶成長と完成品の評価のみを行い、それ以外の工程は協力会社の生産ラインにて行っております。このため、生産設備保有による固定費や資金流出が抑えられるとともに、需要の変動に柔軟に対応した生産を行うことが可能となり、低コストで顧客満足度の高い生産体制を実現しております。
532nmから1064nm、1310nmまでの幅広い波長領域をカバーする製品をラインナップしております。これにより、通信機器、精密加工装置、生命科学機器、計測センサ機器、ディスプレイ機器等の多様なアプリケーションに対応する製品を開発、量産することが可能となっております。
光通信とインターコネクトに用いられる波長1300nmにおいて、量子ドットレーザの量産技術を有しております。この量子ドットは、高温度動作(摂氏200度以上)、温度安定動作(-40度から125度)、極低ノイズ特性(既存光通信デバイスと比較して)によって、シリコンフォトニクス光源として適しており、シリコンフォトニクスによる高速光デバイスの超小型化・低消費電力化が期待されます。現時点で、世界のシリコンフォトニクスベンダー各社とシリコン融合量子ドットレーザの共同開発を進めております。
5G時代の到来で世界規模のデータ量増加とそれに伴う消費電力の増加が見込まれ、世界のデータ総量は2018年33ZBが2025年175ZB、消費電力は2016年1,170TWhが2030年42,300TWhと予測されていることが、シリコンフォトニクスが求められる背景です。(IDC「Worldwide Global DataSphere IoT Device and Data Forecast」、国立研究開発法人科学技術振興機構低炭素社会戦略センター「情報化社会の進展がエネルギー消費に与える影響」より抜粋)
「人の可能性を照らせ。」を具現化するため、従来の部品事業にとどまらず、半導体レーザの可能性を具現化する消費者向け製品事業を展開しております。そのひとつが、網膜走査型レーザアイウェアであります。この装置は人間の水晶体のピント調整能力に依らず、またピント調整位置に依らず、鮮明な画像を網膜に描画できる、フリーフォーカスと拡張現実という画期的な特徴を有しております。現在、消費者向け網膜走査型レーザアイウェアの生産販売を開始しており、今後も世の中に光の可能性を提案する製品開発を行ってまいります。
網膜走査型レーザアイウェアのピント合わせ不要という画期的な特徴を眼科医療機器に展開し、ロービジョンの方の生活の質の向上と就学、就業機会を実現する視覚型ロービジョン支援機と、眼疾患の早期発見が可能な新しい検眼器を目指して製品開発を進めております。視覚型ロービジョン支援機では、日本における医療機器としての臨床試験は2018年10月に終了し、2019年2月に製造販売承認申請を行い、2020年1月に国内医療機器製造販売承認を得ました。また、視野検査と眼底撮影を一台の装置で同時に、簡便に自己診断できる新しい検眼器を、国内医療機器メーカと受託型での共同開発を進めております。
網膜走査型レーザアイウェアの民生品展開は、網膜走査技術の市場認知と普及、製品低コスト化の両面で医療機器への波及効果が期待できるとともに、民生品自体も作業支援やエンターテインメント等の分野において大きな潜在需要を見込んでおります。
企業価値を継続的に向上させるためには利益の確保が重要であることから、当社は売上高総利益率を最も重要な経営指標として採用しております。現時点では数値目標を定めておりませんが、今後、業界動向及び当社の業績の推移等を勘案し、早期に数値目標を決定する予定です。事業別の指標としては、レーザデバイス事業は認定顧客数の毎年20%増加とし、レーザアイウェア事業は累計販売10万台・年間生産5万台と定めております。
当社が開発した網膜走査型レーザアイウェアは、これまで世の中に無い製品であるため市場の形成、拡大が課題であると考えております。民生品と医療機器双方の事業展開を推進し、累計販売10万台を達成するための市場形成の課題として以下の3点が挙げられます。
a.生産性向上・高度化(製造体制構築、製品と顧客の検証、コア領域要素技術高度化)
b.各種認証取得(国内:福祉用具制度適用、海外:医療機器製造販売承認、保険適用(欧州CE認証(製品をEU加盟国へ輸出する際に、安全基準条件を満たすことを証明する制度)、米国食品医薬品局認証))
c.商流構築
上記の3点の課題を解決するために、国内外大学病院・教育機関・有力眼鏡店等と密に連携し、機能・デザイン・ユーザインタフェース、知的財産参入障壁構築、安全性を追求してまいります。これを足がかりに、視覚補助用アイウェアの新市場を形成し、事業モデル(設計・製造・販売)を確立いたします。
当社では売上増大、利益確保のため、定期的な顧客訪問、展示会の有効活用、代理店との密な連携に加え、簡便で有効な製品説明資料の拡充を行っておりますが、今後、売上の更なる増大のため、案件管理・分析、販売戦略策定、広報活動、プロモーション、価格戦略等、営業体制の強化が課題と考えております。
レーザデバイス事業では、認定顧客数20%増加を達成するため、年間売上計画をもとに早いタイミングでの重要顧客訪問を行い、北米、ヨーロッパでの売上を拡大させていく方針です。更に、中国やインド、ロシア等潜在力のある市場への顧客訪問、展示会への出展、現地代理店との密な連携を進めてまいります。
レーザアイウェア事業においては、製品知名度向上のため、各種展示会への出展、体験会の実施に加え、製品のブランドサイトを開設しました。販売チャネルとしてメガネ店、ネットストアへの卸し、企業向の直販ルートを確立し、限定品であるパイロットプロジェクトモデル「RETISSA® Display」に続く後継モデル「RETISSA® Display II」を2019年12月より販売しています。今後は市場への更なる認知度向上に向け網膜走査型レーザアイウェアの活用シーンが多い各種障害者団体、学校等への体験活動や作業支援用途等での企業向けプロモーションの推進を行うとともに、自社ブランドサイトや広告代理店を使った広告活動の強化を行ってまいります。加えて、営業人員の増強を行い、海外を含めた販売ルートの開拓を行ってまいります。
当社はファブレス製造の方針を採用しているため、半導体チップの製造、組み立て企業との連携は当社の重要な経営課題の1つであります。日々の開発・生産活動でビジネス上の信頼を醸成するとともに、新規の協力企業の開拓を進め、垂直統合企業群に対抗する新しい水平分業の協業体制を構築し、常に将来ビジョンを共有した連携に努めてまいります。
当社が開発している量子ドットレーザ技術を応用して、市場のニーズにある製品を開発することが重要だと考えております。当社は、東京大学を研究開発のパートナーとしております。今後もこの共同研究開発体制を維持・発展させ、当社の基盤を強化してまいります。
グローバル市場で真に必要とされる製品を継続提供できるように、開発とマーケティングを連動させ、社内・外の有機的な連携の仕組みを作ってまいります。既存製品の高性能化(高光出力化、高速化)及び新規波長ラインナップの拡充を行い、企業価値向上に努めてまいります。
具体的な一例として、シリコンフォトニクス新市場開拓と、国内主要顧客との連携を更に強め、売上拡大に努めてまいります。
当社は、ISOに準拠した製品開発を行い、高品質、高性能な製品を市場に供給し、顧客満足度を継続して高める努力をしてまいります。また、お客様の性能、品質、価格、納期へのご要求に常に耳を傾け、開発・生産・営業が一体となり、スピーディーに対応できる体制の継続的改善を行ってまいります。
品質トラブルに関しては、情報入手から状況把握、対策実施等最優先にて対応し、お客様より信頼されうる半導体レーザメーカになるべく努力を継続して行っております。
⑥ 医療機器販売許可取得
当社は、日本国内において、網膜走査レーザアイウェアを医療機器として展開するために医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律に基づき、医療機器として製造販売承認を取得しておりますが、今後は医療保険等の早期適用を目指します。
また、医療機器販売の世界展開を確立するため、米国でのFDA承認の取得、欧州でのCEマークの取得を目指しております。
⑦ 経営管理体制の強化及び人材の育成
当社は、グローバル展開に対応するための経営管理体制の強化及び次世代の人材育成を進める必要があります。内部統制システムの強化が重要な課題と考えており、今後の事業拡大に合わせて、十分な経営管理体制を維持するため、高度で幅広い専門知識や経験を有する人材の育成を進めております。
当社を取り巻く市場環境及び事業の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下の通りであります。なお、以下の各事項は、本書提出日現在において、当社が把握している情報等から判断可能なものについて記載したものであります。
(1) 事業環境に関するリスク
当社が参入しているレーザ関連市場は、既存技術の代替や新分野への活用等にて今後の成長、拡大が大きく見込める市場でありますが、今後の更なる技術革新、最先端技術の変化により、レーザに代わる廉価且つ大量生産可能な代替品が市場投入された場合、レーザ関連市場が縮小する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社が参入しているレーザ関連市場は、精密加工装置やバイオ系検査装置等の産業用、医療用機器向けを中心に成長傾向は継続するものと見込んでおりますが、国内外の経済情勢や景気動向、それに伴う設備投資意欲の減退等の理由により、市場の成長が鈍化する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
③ 開発受託業務について
当社が展開している開発受託業務は、当社の先端基盤技術に基づくもので、開発費と利益の獲得、基盤技術の高度化、知財の蓄積、新規発想の具現化、新アプリケーション創造と市場の開拓、受託先の量産展開力の活用等、当社の利益に資する重要なビジネスモデルであり、今後も幅広く展開していく方針ですが、受託先の経営方針の変更や経営状態の悪化等により、受注が減少する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ レーザアイウェア販売における他社との提携について
レーザアイウェア事業における民生機器は、直販に加え、眼鏡店等との販売代理店を経由しエンドユーザーに販売、または当社からモジュールを提供し、各企業が製品化して販売いたします。
具体的には株式会社シード、株式会社東京メガネ、カシオ計算機株式会社及び富士通エレクトロニクス株式会社等、国内外販売代理店とは、各社の製品、サービスと当社製品をタイアップしたプロモーション活動を図ってまいります。また、医療機器は参天製薬株式会社と販売支援に関する契約を締結し、普及に努めてまいります。
各企業の販売目標を目安に製品の製造、販売計画を作成しておりますが、当初の目標台数よりも販売できない場合、各社の事業方針に変更等があった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社は、国内だけでなく、海外とも仕入及び販売取引を行っております。為替の変動については、十分なリスクヘッジ策を行っておりますが、今後、想定外の為替変動が発生した場合、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社の事業に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレーム等の問題が発生した事実はなく、現時点において、当社の事業に関し、他社が保有する特許権等への侵害により、事業に重大な支障をきたす可能性は低いものと認識しております。また、技術調査等を継続的に行い、侵害事件を回避するよう努めております。しかしながら、当社の様な研究開発型企業にとって、知的財産侵害問題の発生を完全に回避することは困難であり、今後第三者との法的紛争に巻き込まれた場合には、弁護士や弁理士と協議の上、個別具体的に対応策を検討してまいります。当社の技術が侵害されるケース及び当社が第三者の技術を侵害していると指摘されるケースのどちらとしても、解決に際しては、時間及び多額の費用を要する可能性があり、その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社の様々な事業活動において、国内外を問わず、当社が関与する技術・製品・サービス等について知的財産権に関する係争や製造物責任問題、薬事、商取引税務等その他事業に関連する法令、慣行を巡って予期しない問題が提起される可能性があります。特に、当社が扱う網膜走査型レーザアイウェア製品は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律により定められた医療機器であり、有効性、安全性に問題が生じた場合には、承認が取り消される可能性があります。その場合には経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社ではファブレス製造の方針を採用しておりますので、外部の協力企業に製造を委託しております。それぞれの企業の特性等を考慮し、当社製品の製造能力に応じて、各社への製造委託品目を決めております。
各社に対しては、当社にて品質検査、経営状態の確認等を実施しております。仮に委託先の経営悪化、品質事故等が発生した場合、容易に委託先の変更は可能ではありますが、新たな生産体制が再構築されるまでの期間、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社は、生産活動や研究開発活動に必要な部品・部材を外部の取引先から調達しております。それらの調達先からの供給が当社の製造に影響が出る様な供給の不安定化、また、価格の高騰、供給部材の品質劣化等が発生した場合、製品の品質や納期を守る事ができなくなる可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社は継続的な成長のために、新製品又は新技術の開発のための必要な研究開発活動を継続する必要があると考えており、これまで積極的に研究開発費に係るコストに投下しており、今後も継続して研究開発活動を促進していく方針であります。
しかしながら、その結果として2019年3月期及び2020年3月期においては営業損失を計上しており、累積損失を抱えており、営業キャッシュ・フローもマイナスとなっております。また、2021年3月期においても営業損失を計上し、営業キャッシュ・フローもマイナスとなる見込みであります。今後の研究開発活動については、その費用対効果を勘案しながら慎重に行っていく方針ではありますが、研究開発活動の効果が十分に得られない場合や、開発コストの増加等が生じた場合、想定以上の投資に係る費用が発生することが想定され、中期経営計画が達成できない可能性や営業損益等の黒字化に時間を要する可能性があり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、ISO9001の基準に加えて、外注管理規程、研究開発管理規程及び生産管理規程を設け、当該規程に則り、各種製品の製造、品質の保持向上に努めております。
信頼性には万全の配慮をしてまいりますが、想定していない理由により、製品の欠陥が発生した場合には、その欠陥内容によっては多額のコスト発生や信用の失墜を招き、当社の経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社では、引き続き製品の品質向上に努め、特に不具合に対する継続的な改良、不具合の起きにくい製品設計の推進、完成試験の信頼性向上試験の導入を含め、開発時、出荷時の試験を強化し、製品への非常時対策の機能開発の継続、顧客クレーム、故障等の処理プロセス等について強化してまいります。
当社は最先端のレーザ技術を既存製品に流用し、生活を豊かにする研究開発に取り組んでおりますが、当社が業界と市場の変化を十分に予測できず、また、間違った判断をすることで、顧客や市場からの支持を得られる新製品、新技術を提供できない可能性があります。その場合、将来の成長と収益性を低下させ、当社の事業活動、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 国際情勢について
当社が製造する製品は、国内外に販売しており、2020年3月期における国外販売比率は58%を占めております。アメリカ、欧州、アジア等特定の地域に偏重せずに各地域にバランスよく展開しておりますが、各国・地域の法的規制、慣習、国際情勢の変化等に起因する事態が発生する場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社は、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、販売した製品の不具合等、予期せぬトラブルが発生した場合、それに起因した損害賠償の請求、訴訟を提起される可能性があります。その場合、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社の事業活動、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は顧客の個人情報を取得する必要のある事業形態ではありませんが、顧客と秘密保持契約を締結した上で技術情報や営業情報を取り扱う業務があり、想定していない理由により、これらの情報の漏洩が発生した場合には当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、会計、販売管理等コンピュータによる業務処理を実施しており、地震・火災等の災害によるハードウェアやネットワークの損傷、外部からのコンピュータウイルス攻撃におけるシステムトラブルやデータ破壊、情報の盗難、漏洩等が発生した場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑯ 感染症等の影響(新型コロナウイルス感染症問題)について
当社においてはテレワークの実施、要出社者のオフピーク通勤の実施、出張の原則禁止等、新型コロナウイルス感染症に対する諸対策を講じておりますが、当社事業所に感染症等が蔓延した場合、人的・物的被害や業務停止及び遅延、注文の減少等が生じる可能性があります。さらに、当社の顧客に感染症等が蔓延した場合、顧客への出荷停止や遅延等が生じる可能性があります。また、当社の仕入先や外注先に感染症等が蔓延した場合、資材調達及び製品製造の停止や遅延等が生じる可能性があります。これら諸要因の動向によっては、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業体制に関するリスク
当社は、従業員50名の小規模組織であり、内部管理体制も現状の組織規模に応じたものとなっております。今後の事業拡大と事務量の増加に備え、従業員の育成、人員の増強及び内部管理体制の一層の充実を図る方針でありますが、人材の増強及び内部管理体制の充実が円滑に進まなかった場合には、適切な組織的対応ができず、当社の業務効率や事業拡大に支障をきたす可能性があります。
現在、日本経済全体として労働人口の減少等による人手不足や人件費の高騰が大きな問題となっております。当社では、関連会社からの出向を含め、当社の欲する人材を採用してきましたが、今後において、人材の供給が当社の要望にかなわずスキルの不一致、賃金の不一致等で安定的に適正な人件費で人材確保ができなくなった場合、当社の業務効率や事業拡大に支障をきたす可能性があります。
当社のレーザ関連技術について、特許等によりコアとなる技術は保護されている状態を保っておりますが、退職者によって、当社技術と異なるも近しいレーザ関連技術が他社により開発された場合や、独自性が失われ市場への訴求力が低下するような事態となった場合には、当社の事業活動、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の創業者である代表取締役社長菅原充は、経営方針や経営戦略の決定をはじめ、当社の主要技術であるレーザ技術に精通しており、事業活動全般において重要な役割を果たしております。
当社はノウハウの共有、人材の獲得及び育成等により組織体制の強化を図り、菅原に過度に依存しない経営体制の構築を務めておりますが、予測を超えた事態が生じた場合には、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(3) 富士通グループとの関係について
当社は、自らの経営責任を負って独立した事業経営を行っておりますが、当社のその他関係会社である富士通株式会社は本書提出日現在、当社株式の29.9%を保有しており、当社は同社の関連会社となっております。当社の株式公開後においては、同社の関連会社から外れる方針でありますが、同社は当社の株主総会における取締役の任免等の議決権行使を通じて、当社の経営判断に影響を及ぼし得る立場にあることから、議決権の行使にあたり、同社の利益が当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。
② 富士通株式会社の知的財産権等の実施許諾について
当社は富士通株式会社が保有する技術情報及び知的財産権(以下、「知的財産権等」という。)を使用してレーザデバイス事業の一部の製品を製造しております。富士通株式会社との間では知的財産権等を使用した製品の販売に応じて実施料を支払うこと等を定めた実施許諾契約を締結しております。
当該契約は富士通株式会社が当社の筆頭株主でなくなるまで有効でありますが、富士通株式会社が筆頭株主でなくなった場合でも、その時点で許諾されている知的財産権等は別途契約を締結することにより、当該知的財産権等に含まれる全ての特許権が失効するまで使用可能となる旨が定められております。また、当該契約の解除条項として、当社と富士通株式会社のいずれかにおいて租税滞納処分、会社更生手続等の倒産手続開始の申し立て、解散、債務の不履行等が発生した場合等が定められております。
本書提出日現在において、当該条項に抵触する事案は発生しておりませんが、何らかの理由により当該条項に抵触した結果、契約が解除された場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社は富士通グループとの関係を有しております。富士通株式会社とは資材購買業務の業務委託契約を締結しております。富士通グループとの関係性が悪化し、協力体制が解かれた場合、当社の経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
本書提出日現在、当社の取締役6名のうち富士通株式会社の取締役を兼任している者はおりません。
当社の経営及びその他事項のうち富士通株式会社が影響力を有するものに関し、富士通株式会社の利害は、当社の他の株主の利害とは異なる可能性があります。
なお、第14期事業年度における富士通グループとの主な取引は以下の通りとなります。
(単位:百万円)
富士通グループ各社との取引については、当社の独立性確保の観点を踏まえ、通常の商取引の仕入等を除き、取引の解消を進めてまいります。また、重要な取引については、取締役会に対して定期的に報告を行うとともに管理部による取引開始時のチェック等を行い、健全性及び適正性確保の仕組みを整備し、今後も更に強化してまいります。
当社の取締役6名のうち谷口洋一氏は、富士通株式会社の従業員を兼任しております。これは、富士通グループでの長年の経験、経営的視点、知見を当社経営に活かすためです。
本書提出日現在における富士通株式会社から当社へ出向している一般社員は1名おります。これらの社員については引き続き富士通株式会社の雇用とし、役職者へ昇進が検討された場合には転籍を基本とし、又は、本人の選択により出向解除を行い、出向元へ帰還させる予定です。上記の通り、今後、役職予定者は当社へ転籍させることを基本方針とし、当社独自の採用を進めることで、業務を安定的に遂行できる体制を構築する予定です。
(4) その他について
当社は、創業以来配当を実施しておらず、本書提出日現在においても、会社法の規定上、配当可能な状態にありません。当面は、内部留保による財務体質の強化及び研究開発活動への再投資を優先させる方針であります。一方、株主への利益還元は重要な経営課題の一つととらえており、経営成績及び財政状態を勘案しつつ、配当の実施を検討してまいります。しかしながら、利益計画が予想通りに進捗せず、今後も安定的な利益計上ができない場合には、配当による株主への利益還元が困難になる可能性があります。
当社は、研究開発活動の進捗に伴い、先行して多額の研究開発費が計上されております。今後も事業の進捗に伴って運転資金、研究開発投資及び設備投資等の資金需要の増加が見込まれます。今後、継続的に財務体質の強化を図ってまいりますが、収益確保または資金調達の状況によっては、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社の公募による資金調達の使途に関しましては、網膜走査型レーザアイウェアの製造費用に充当する予定でありますが、急激な事業環境の変化等により、当初予定した資金使途以外に利用する場合があり、投資効果が期待通りにあげられない可能性があります。
当社の本書提出日における発行済株式数は25,132,380株であり、そのうちベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合が所有している株式は18,311,700株であり、その所有割合は約72.8%であります。
一般的にベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合が未上場株式に投資を行う目的は、上場後に当該株式を売却してキャピタルゲインを得ることであるため、今後所有する当社株式の一部、又は全部を売却することが想定されます。このことから当社株式売却により、需給バランスの悪化が生じる可能性があり、当社株価形成に影響を与える可能性があります。
ベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合の名称と保有株数は以下のとおりです。
当社では、取締役、従業員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存株主が有する保有株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は3,068,000株であり、発行済株式総数の12.2%に相当しております。
当社は製造委託先の製造拠点を国内外に分散しております。また、地震等の災害について事業継続計画に準拠して、非常事態に対応する体制を構築しております。今後も地震等の自然災害が発生した場合、その規模及び地域によって経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は以下の通りであります。
当事業年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の長期化等により世界経済の減速懸念が高まる中、消費増税による物価上昇懸念の高まりや自然災害等の影響も重なり、消費者心理の冷え込みは想定以上となり、消費増税後の景気指標は下振れする状況となりました。さらに、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行の影響もあり、予期せぬ社会不安が増大し、先行き不透明感の高まりとともに景気が急速に悪化する状況となってまいりました。
このような状況の中、当社では「人の可能性を照らせ。」のスローガンのもと、レーザダイオード製品の新規顧客開拓と米中貿易摩擦の影響による受注減少を補填するための受託開発需要の掘り起こし、網膜走査型レーザアイウェア『RETISSA® Display』の市場投入を進めてまいりました。
精密加工用1064nm帯レーザにおきましては、米中貿易摩擦の影響を受けて北米を中心に受注数が減少いたしました。
生命科学検査装置であるフローサイトメータや蛍光顕微鏡に採用されているセンサ用緑・黄緑・橙レーザにおきましては、主要顧客の在庫調整にともなって受注が減少いたしました。
センサ用赤色レーザにおきましては、640nmから785nmの波長帯で、主に産業用途向けのマシンビジョン、パーティクルカウンター、光電センサ、水準器、距離計用光源等、ニッチからマスまで広範なニーズに対応してビジネス展開をしてまいりました。
通信、光インターコネクト用量子ドットレーザにおきましては、シリコンフォトニクス用光源として有望で、日本・北米・中国・欧州の顧客からの受注が継続しました。
受託開発は当社の先端基盤技術に基づくもので、基盤技術の高度化、知財の蓄積、新規発想の具現化、新アプリケーション創造と市場の開拓、受託先の量産展開力の活用等、当社の利益に資する重要なビジネスモデルであります。受託開発におきましては、国内企業を中心に案件を獲得いたしましたが、新型コロナウイルスの影響で中国関連案件が停滞しました。
網膜走査型レーザアイウェアにおきましては、民生用機器「RETISSA® Display」の後継機種である「RETISSA® DisplayⅡ」を発売し、251台を出荷しました。また、弱視者支援用製品の医療機器製造販売承認を取得し、医療機器の販売へ大きく前進しました。
以上の結果、レーザダイオード製品の販売が減少したため、前事業年度より売上高減少となり、レーザアイウェア事業立ち上げ途上のために開発費を中心に固定費負担が依然大きく、営業損失、経常損失、当期純損失を計上しており、売上高は756,633千円(前事業年度比21.3%減)、売上総利益は204,847千円(前事業年度比65.1%減)、営業損失1,207,239千円(前事業年度は営業損失976,172千円)、経常損失1,225,739千円(前事業年度は経常損失996,094千円)、当期純損失1,240,167千円(前事業年度は当期純損失1,040,521千円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次の通りであります。
当事業年度におきましては精密加工用1064nm帯レーザとセンサ用緑・黄緑・橙レーザを中心に受注が減少し、減収減益となりました。
この結果、当事業年度の売上高は679,614千円(前事業年度比30.2%減)、売上総利益は262,785千円(前事業年度比54.6%減)、セグメント利益は18,704千円(前事業年度比90.3%減)となりました。
当事業年度におきましては民生用網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA® DisplayⅡ」の販売を開始し、増収となりましたが、製品開発の加速に合わせて開発費や人件費等販売管理費の増加により減益となりました。
この結果、当事業年度の売上高は87,739千円(前事業年度比30.0%増)、売上総利益は△57,938千円(前事業年度は売上総利益9,367千円)、セグメント損失は999,766千円(前事業年度はセグメント損失976,932千円)となりました。
当第2四半期累計期間におけるわが国経済は、世界規模での新型コロナウイルス蔓延の影響で、いまだ国内企業の業績は全く見通せず、先行きは今まで経験したことのない不透明感が続いております。
当社に関連する主な市場の状況について、レーザデバイス事業の分野では精密加工用、センサ用ともに比較的堅調に推移しました。レーザアイウェア事業の分野では眼鏡店が新型コロナウイルス感染症対策に伴う休業等の影響を受け、需要が低迷しました。
このような状況の中、当社ではテレワークやオフピーク出社の積極的な活用により、新型コロナウイルス感染症対策と生産性の維持の両立を図り、「人の可能性を照らせ。」のコーポレートスローガンのもと、製品の開発・販売を進めてまいりました。
この結果、当第2四半期累計期間の売上高は339,894千円、レーザアイウェア事業立ち上げ途上のために開発を中心に固定費負担が依然大きく、営業損失は392,334千円、経常損失は419,872千円、四半期純損失は581,707千円となりました。
(資産)
当事業年度末における総資産は2,919,364千円となり、前事業年度末と比較して80,042千円の減少となりました。流動資産は2,404,125千円となり、前事業年度と比較して159,391千円減少しております。これは主に当期純損失の計上により現金及び預金が258,509千円、売上高の減少により売掛金が93,863千円減少した一方で、消費税率上昇に伴う未収消費税の増加により未収入金が39,534千円、レーザアイウェア事業の立ち上がりにより棚卸資産が172,285千円増加したこと等によるものであります。固定資産は515,238千円となり、前事業年度と比較して79,348千円増加しております。これは主にレーザアイウェア事業の立ち上がりによる生産設備を中心に有形固定資産が79,987千円増加したこと等によるものであります。
当事業年度末における負債は1,189,664千円となり、前事業年度末と比較して321,210千円の増加となりました。流動負債は750,735千円となり、前事業年度と比較して40,258千円減少しております。これは主に株式への転換により1年以内償還予定の社債が299,988千円減少した一方で、運転資金の調達により短期借入金が100,000千円、1年以内返済予定の長期借入金が174,644千円増加したこと等によるものであります。固定負債は438,929千円となり、前事業年度と比較して361,469千円増加しております。これは主に運転資金の調達により長期借入金が365,356千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産は1,729,699千円となり、前事業年度末と比較して401,253千円の減少となりました。これは第三者割当増資と転換社債の株式転換により資本金が419,458千円、資本準備金が419,458千円増加した一方で、当期純損失の計上により剰余金が1,240,170千円減少したことによるものであります。
(資産)
当第2四半期会計期間末における総資産は前事業年度末から786,328千円減少し、2,133,036千円となりました。流動資産は1,816,219千円となり、前事業年度末から587,906千円減少しております。これは主に四半期純損失の計上により現金及び預金が629,378千円減少したこと等によるものであります。固定資産は316,817千円となり、前事業年度末から198,421千円減少しております。これは主に減価償却及び減損損失により有形固定資産が189,479千円減少したこと等によるものであります。
(負債)
当第2四半期会計期間末における負債は前事業年度末から204,620千円減少し、985,044千円となりました。流動負債は678,283千円となり、前事業年度末から72,452千円減少しております。これは主に仕入代金決済により買掛金が18,112千円、試作用外注費等決済により未払金が133,755千円減少した一方、1年内返済予定の長期借入金が83,320千円増加したこと等によるものであります。固定負債は306,761千円となり、前事業年度末から132,168千円減少しております。これは主に、長期借入金が1年内返済予定の長期借入金への振替により128,982千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当第2四半期会計期間末における純資産は前事業年度末から581,707千円減少し、1,147,992千円となりました。これは利益剰余金が四半期純損失の計上により581,707千円減少したことによるものであります。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は前事業年度末と比較して258,509千円減少し、1,464,175千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
当事業年度における営業活動による資金の減少は1,208,362千円(前事業年度は1,184,162千円の減少)となりました。これは主に増加要因としては減価償却費119,439千円(前事業年度は減価償却費110,643千円)、売上債権の減少額110,270千円(前事業年度は売上債権の増加額173,408千円)があった一方で、減少要因としては、税引前当期純損失1,236,869千円(前事業年度は税引前当期純損失1,045,580千円)、たな卸資産の増加額163,195千円(前事業年度はたな卸資産の増加額88,586千円)があったこと等によるものです。
当事業年度における投資活動による資金の減少は204,730千円(前事業年度は112,880千円の減少)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出199,888千円(前事業年度は有形固定資産の取得による支出97,940千円)、無形固定資産の取得による支出4,157千円(前事業年度は無形固定資産の取得による支出14,221千円)があったこと等によるものであります。
当事業年度における財務活動による資金の増加は1,161,374千円(前事業年度は2,897,541千円の増加)となりました。これは主に増加要因としては、株式の発行による収入532,625千円(前事業年度は株式の発行による収入2,916,268千円)、短期借入金借入による収入100,000千円(前事業年度は短期借入金借入による収入無し)、長期借入金借入による収入540,000千円(前事業年度は長期借入金借入による収入無し)があった一方で、減少要因としてはリース債務の返済による支出6,475千円(前事業年度はリース債務の返済による支出18,727千円)があったこと等によるものあります。
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、834,797千円(前事業年度末比629,378千円の減少)となりました。
当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間における営業活動の結果減少した資金は529,163千円となりました。主な資金増加要因は減損損失161,282千円、売上債権の減少額49,262千円、減価償却費47,837千円、その他の流動資産の減少額73,381千円であり、主な資金減少要因は税引前四半期純損失581,155千円、たな卸資産の増加額173,272千円、その他の流動負債の減少102,115千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間における投資活動の結果減少した資金は33,064千円となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出32,711千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期累計期間における財務活動の結果減少した資金は50,088千円となりました。主な資金減少要因は長期借入金返済による支出45,662千円であります。
第14期事業年度及び第15期第2四半期累計期間における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(a) 生産実績
(注) 1.金額は製造原価によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(b) 仕入実績
第14期事業年度及び第15期第2四半期累計期間における仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1.金額は仕入価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(c) 受注実績
第14期事業年度及び第15期第2四半期累計期間における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(d) 販売実績
第14期事業年度及び第15期第2四半期累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.第13期事業年度の販売実績は、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項」の「追加情報 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについて」に記載の通りであります。
当事業年度における売上高は756,633千円(前事業年度比204,352千円の減少)となりました。これは主に、精密加工用1064nm帯レーザとセンサ用緑・黄緑・橙レーザにおいて米中貿易摩擦や顧客の在庫調整により、特に海外の顧客からの受注が減少したことによるものであります。
当事業年度における売上原価は551,786千円(前事業年度比178,379千円の増加)となりました。これは主に、レーザアイウェアの民生用初号機『RETISSA® Display』の在庫評価減によるものであります。この結果、売上総利益は204,847千円(前事業年度比382,731千円の減少)、売上総利益率は27.1%(前事業年度は61.1%)となりました。利益率の減少はレーザアイウェアの民生用初号機『RETISSA® Display』の在庫評価減を行ったためです。
当事業年度における販売費及び一般管理費は1,412,087千円(前事業年度比151,664千円の減少)となりました。これは主に、網膜走査型レーザアイウェアの商品化が完了したために開発費が減少したことと、医療機器認証のための治験および申請の完了により認証費が減少したことによるものであります。この結果、営業損失は1,207,239千円(前事業年度は営業損失976,172千円)となりました。なお、臨時職員を含めた当事業年度末の従業員数は前事業年度末から2名増加しております。
当事業年度において医療機器認証に伴う補助金収入等により営業外収益が10,899千円(前事業年度比7,698千円の増加)、円高による為替差損等により、営業外費用が29,399千円(前事業年度比6,275千円の増加)発生しております。この結果、経常損失は1,225,739千円(前事業年度は経常損失996,094千円)となりました。
当事業年度において、固定資産の減損により特別損失が11,130千円(前事業年度比38,356千円の減少)発生しております。この結果、当期純損失は1,240,167千円(前事業年度は当期純損失1,040,521千円)となりました。
当第2四半期累計期間における売上高は339,894千円となりました。これは主に、精密加工用レーザ、センサ用緑・黄緑・橙レーザ、センサ用赤色レーザ、シリコンフォトニクス用レーザの販売が順調に推移したことによるものであります。
当第2四半期累計期間における売上原価は246,972千円となりました。これは主にLD事業の順調な販売によるものです。この結果、売上総利益は92,921千円、売上総利益率は27.3%となりました。
当第2四半期累計期間における販売費及び一般管理費は485,255千円となりました。これは主に、網膜走査型レーザアイウェアの商品化が完了したために開発費が減少したことと、医療機器認証のための治験および申請の完了により認証費が減少したことによるものであります。この結果、営業損失は392,334千円となりました。
当第2四半期累計期間においてスクラップ売却等により営業外収益が839千円、円高による為替差損等により営業外費用が28,378千円発生しております。この結果、経常損失は419,872千円となりました。
当第2四半期累計期間において、固定資産の減損により特別損失が161,282千円発生しております。この結果、四半期純損失は581,707千円となりました。
当社の運転資金需要のうち主なものは、材料仕入、外注費、人件費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要の主なものは測定装置等の機械と生産用金型等であります。
運転資金、投資資金ともに自己資金から確保することを基本方針としており、当事業年度末の現金及び現金同等物は1,465,175千円、第15期第2四半期会計期間末においては834,797千円であり、現状の事業運営に必要な運転資金、投資資金は十分であると考えておりますが、1,000,000千円の金融機関のコミットメントライン枠を有しているほか、必要に応じて銀行借入を中心とした調達手段を検討しております。
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は売上高総利益率であり、当事業年度の売上高総利益率は27.1%(前事業年度は61.1%)となりました。これは主にレーザデバイス事業が当事業年度より試作開発段階から量産段階に移行したものと位置づけ、前事業年度まで販売費及び一般管理費に計上していた生産設備等の減価償却費、生産場所の賃借料等を当事業年度より売上原価に計上したためであります。現時点では今後の売上総利益率について数値目標を定めておりませんが、今後、業界動向及び当社の業績の推移等を勘案し、早期に数値目標を決定する予定です。
レーザデバイス事業の指標としましては認定顧客数の20%増加としており、当事業年度末の認定顧客数は39社(前事業年度末は31社)で前事業年度末から25.8%増加となりました。これは主に精密加工用レーザとセンサ用レーザが新規で顧客に認定されたためであります。今後はバイオ系検査装置用レーザとシリコンフォトニクス用レーザを中心に認定顧客を増やしていく方針であります。
レーザアイウェア事業の指標としましては累計販売10万台・年間生産5万台と定めており、当事業年度末までの累計販売台数は約380台、当事業年度の生産台数は584台となりました。今後は国内外大学病院・教育機関・有力眼鏡店等と密に連携するとともに代理店を通した海外展開を推進し、販売拡大を進める方針であります。
当社の事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。
当社は、イノベーションの創出、顧客に提供する価値の向上、人類の能力向上と社会の進歩に貢献することを開発の目的とし、研究テーマは、事業計画立案時に社長より方向性が提示され、新製品の開発の他、既存製品のリニューアル時期やISOの一環であるCS調査の内容等も加味して決定しております。研究開発費用は、事業計画立案時にテーマごとに見積もっております。
当事業年度における当社が支出した研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと次の通りであります。
(レーザデバイス事業)
レーザデバイス事業では製品開発7名、ウェハ開発5名(うち出向者2名)、先端技術5名を構築しております。
また、東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構(2018年4月からは機構内に発足した量子イノベーション協創センター)と新しい価値創出のため共同で研究開発を進めております。
2019年3月までは富士通研究所とは毎年テーマを決めて研究を委託しており、東京大学とは2009年4月より共同研究開発契約締結して共同研究を実施しております。これまでに富士通研究所とは量子ドットDFBレーザ、緑色用DFB-SOAレーザ、量子ドットスポットサイズ変換レーザの研究委託を行いました。
東京大学とは2009年4月より共同研究開発契約締結して共同研究を実施しております。東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構とは、量子ドット結晶の改良(密度の増大、均一性の向上)を目的として研究開発を行っております。
2019年度より先端技術グループを設立し、当社の技術を用いて顧客の問題を解決する開発受託業務を請け負う中で、研究開発を行っております。
それぞれ、共同で発明された成果については共同保有とし、特許出願を行っております。
当事業年度の研究開発費は
研究開発の成果は、以下の通りであります。
第14期事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(レーザアイウェア事業)
レーザアイウェア事業では製品開発12名(うち出向者3名)体制を構築しております。
また、富士通アドバンストテクノロジ株式会社と新しい価値創出のため共同で研究開発を進めております。共同開発で生み出された成果については共同保有とし、当社が許認可取得を行っております。
当事業年度の研究開発費は
研究開発の成果は、以下の通りであります。