第2 【事業の状況】

  文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、以下の経営理念のもと、長年培ってきた開発力・技術力を基盤として、優れた品質の製品を安定供給することにより、顧客満足度の向上を図るとともに、取引先・協力会社・地域社会・投資家の皆様方及び従業員からの信頼と期待に応えられる企業を目指しております。

  〔経営理念〕

Safety & Medical Healthcareを通して科学技術の向上を図り人類に貢献する。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等を、売上高及び営業利益としております。将来的には、運転資本の圧縮と合わせ営業キャッシュ・フローの拡大を図り、その範囲内で成長のための投資を実現することで、資本効率を着実に向上させていく所存です。常に付加価値の高い製品・サービスを提供できるよう努めるとともに、営業利益の絶対額を高めるべく事業規模を拡大していくことで、企業価値の最大化を図ってまいります。

 

(3)経営戦略等

当社グループは、縫製工程の自動化に取り組む縫製自動機事業と自社の縫製自動機を導入した製造ラインを用いて縫製品を製造する縫製品事業を展開しております。中長期的には、縫製自動機事業において、あらゆる縫製自動化のニーズに応えるべく、高機能な縫製自動機の開発により、顧客の縫製工程の自動化に貢献していくこと、縫製品事業においては、血圧計腕帯のほか、カーシートカバー及びエアバッグの事業拡大を重点課題とし、将来の成長に向けて取り組んで参ります。当社グループの今後の更なる成長と発展のため、「(4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載した事項の対応が経営戦略上、重要であると認識しております。

 

(4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

我が国経済は、新型コロナウィルスの感染症が世界規模で拡大しており、国内においても緊急事態宣言により経済活動が大きく停滞しました。現状、緊急事態宣言は全面解除されましたが、先行き不透明感は拭えず厳しい環境が続くと思われます。

このような状況の中、財務面においては不測の事態に備えるため手元資金を充実させ、厚めの資金量を確保しました。

また、縫製にまつわる業界においては人手不足を背景に縫製機器の自動化への需要が高まっております。工程の自動化技術が日々進化していく中で、裁断から縫製までの工程を揃える技術と特許を生かした当社グループ製品は顧客の生産力向上に貢献できるものと考えております。

当社グループは事業環境の変化に柔軟に対応し、事業基盤を一層拡大していくため、以下の課題に取り組んでまいります。

 

①研究開発力の強化

当社グループ各事業の持続的発展のためには、技術競争力に裏打ちされた様々な研究開発が必須であります。当社グループが縫製品の自動化に携わること30年以上、様々な顧客(メーカー等)のニーズに対応するべく、3D縫製用の双腕ロボットによる縫製自動機、エアバッグ用2ヘッド自動縫製ステーション及びエアバッグ用新型リニア式レーザー裁断機等の高い水準の技術及び知識の蓄積を行ってきました。これまで培った技術競争力を活かすとともに、新たに設置したMATSUYA INNOVATION CENTER(MIC)が中心となって自動化、省力化のための縫製技術を備えた製品開発を推し進め、さらには次世代技術(AI搭載の縫製自動機等)の研究開発も進めてまいります。

 

②生産体制・生産能力の強化

当社グループの属する市場は日々変化しております。こうした市場環境の変化に柔軟に対応した製品を常に供給できるよう、開発パートナーの開拓と協力関係の強化や、積極的な採用活動と社内教育体制の強化などを行い、生産体制の構築・強化を進めてまいります。また、製造工程における新たな縫製自動機などの導入も順次検討し、更なる生産能力の強化を図ってまいります。

 

③品質の向上

当社グループが掲げている経営理念「Safety & Medical Healthcareを通して科学技術の向上を図り人類に貢献する。」のもと、当社グループによって生産された製品は最終ユーザーである個人の人命に係わる製品が多くあります。

現在ISO9001及びIATF16949を取得し、品質の管理・徹底を継続的に図っておりますが、今後は更なる製品品質の向上と顧客満足度の向上を保証する品質管理体制の強化を継続するとともに、当社グループ各部門の連携をより強化することで、当社グループ全体の品質レベルを向上してまいります。

 

④新しい販路及び取引先の拡大

当社グループは、これまで特定の取引先との取引の依存度が高い状態にありましたが、当該状況を解消すべく取引先の増加に取り組んでまいりました。その結果、一定の成果を得るに至りましたが、更なる基盤の構築に向けて新規案件・新規顧客を獲得していくことが課題と認識しております。そのため、当社グループでは、既存取引先との取引拡大に加え、人材採用・育成体制の整備等により営業体制の強化を進め、新しい販路の開拓等、様々な取引先増加に向けた施策を実行してまいります。

 

⑤営業力の強化

日々変化する市場環境に対応するために、適切な判断と迅速な行動を兼ね備えた営業力の強化が必要であると考えております。今後、海外市場で大きな需要が見込まれることから、優秀な人材の継続的な採用活動を行うとともに、社内教育・育成を進め、海外での営業力の強化にも努めてまいります。

 

⑥収益力の強化

収益力の強化のためには、各種コストの低減が重要課題の一つであると認識しており、最適な調達体制・生産体制を構築する必要があります。そのために、生産技術力の向上による生産効率の良い生産体制を構築し、各種コストの低減に取り組んでまいります。

 

⑦人材確保・育成

現在、当社グループの保有する生産技術を次の世代に確実に継承するだけでなく、今後の当社グループの事業の中核を担う人材の確保と育成が急務であると考えております。それに合わせて、従業員の実績を適切に評価できる人事評価体制を整備し、経営環境の変化に対応できる人材育成体制の構築に取り組んでまいります。

 

⑧財務基盤の強化

当社グループは、事業の拡大に伴う設備投資資金を、主として金融機関からの借入により調達してきたことから、有利子負債が増加傾向にあります。このため、経営基盤の強化を図るべく、財務体質の改善が急務であると認識しておりますが、有利子負債の圧縮と自己資本比率の向上に努めることで、より健全性の高い企業経営を目指してまいります。

 

⑨内部管理体制の強化

当社グループは、企業価値向上のためにはコンプライアンスの徹底が必要不可欠であると考えております。

このため、会社法、金融商品取引法及びその他法令を遵守するコンプライアンス体制を継続して強化していくとともに、内部牽制が機能する管理体制を構築することで、株主や取引先など、全てのステークホルダーの信頼に応える組織を目指してまいります。

また、これらの管理体制を継続的に維持するため、毎年全役職員を対象にコンプライアンス研修を実施してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書内の本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

尚、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)顧客の属する業界について

当社グループ製品の売上は、主な得意先であるヘルスケア業界及び自動車業界の景況による影響を大きく受けるため、当該業界を取り巻く事業環境等が、当社企業グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。ヘルスケア部品及び自動車部品の生産はグローバル化が進んでおり、海外生産品の品質、価格、納期などの変化、産業の生産方針の変更及び技術革新等により、当社グループ製品・技術がそのニーズを満たさない、あるいは市場から認められない場合には、当社グループの販売戦略及び事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)特定顧客への取引依存について

当社グループにおいて、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ 生産、受注及び販売の実績 ハ.販売実績」に記載のとおり、特定顧客への取引依存度が高い状況にあります。

特に当社グループはオムロングループに対して、第37期連結会計年度において2,024,194千円(連結売上高の26.9%)の売上高が、第38期連結会計年度においては2,339,970千円(連結売上高の27.1%)の売上高があります。また、当社グループは高力科技発展(大連)有限公司へオムロングループ向けの半製品を供給しており(第37期連結会計年度で売上高983,645千円、第38期連結会計年度で売上高901,449千円)、当該取引を含めた合計の売上高は第37期連結会計年度において3,007,840千円(連結売上高の40.0%)、第38期連結会計年度において3,241,419千円(連結売上高の37.6%)となります。

当社グループとしては、特定顧客への取引依存度を引き下げるべく顧客基盤の拡大に努めておりますが、売上比率が高い顧客の事業環境が大幅に悪化した場合や、当該顧客が事業から撤退した場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)生産拠点の集中について

当社グループは縫製品事業の生産の大半を子会社であるMatsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.が行っており、生産拠点が集中しております。

政治的要因による法的規制や商慣習等の違いから予測不能な事態が生じた場合や、感染症、地震等の自然災害などにより工場の操業の中断を余儀なくされた場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)海外の事業活動について

現在、当社グループは、販売の大半を海外市場に依存しておりますが、工業用ミシンを使用する縫製産業は、労働集約型産業の典型であることから、賃金水準の低い国・地域がその主要な生産地となっており、各国の縫製産業に対する政策の違いや物流面の条件などにより、生産拠点が特定の国・地域に集中する傾向も見られます。当社グループの販売先であるこのような国々の中には政治的、地政学的、経済的に不安定な国もあり、労働争議、テロ、戦争、内戦、通貨危機、感染症等の疫病の流行、地震等の自然災害などによっては、為替取引の凍結、債務不履行、投資資産の接収などにより、事業継続や海外拠点経営が困難になる可能性があります。

更に、各国の繊維製品の輸出入に関する規制の強化、あるいは急激な規制緩和が実施されることにより、工業用ミシン市場の需給関係が崩れ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、移転価格税制等をはじめとする規制・税制等の変更のような、予測できない事態の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

尚、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大により、当社グループの生産拠点であるMatsuya R&D(Myanmar)Co.,Ltd.において一時的に操業を停止(現在は再開)する対応をとりました。

また、当社グループの縫製自動機及び各縫製品についても海外展開していることから、今後さらに新型コロナウイルス感染症の影響が深刻化・長期化し、仕入先、納入先、当社グループの工場などのサプライチェーンに影響が生じた場合には、当社グループの事業活動及び収益確保に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5)品質管理について

当社グループの主な得意先はヘルスケア業界及び自動車業界に属しており、品質については国際標準化機構(ISO)などの品質管理手法を活用するなど管理を徹底し、品質管理に万全を期しておりますが、万が一、提供した製品が顧客の要求する水準に満たない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

尚、下記の認証等については当社グループの主要な事業活動となる血圧計腕帯を納品しているオムロングループとの取引開始及び継続にあたっての前提となります。今後、当該認証等について、各認証機関の定める取消事由に該当する場合は当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。本書提出日現在、当該認証の継続に支障を来す要因は発生しておりませんが、当該認証の継続に支障を来す要因が発生した場合には、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。

認証等の名称

会社

認証機関

認証番号

有効期限

ISO9001

株式会社松屋アールアンドディ

株式会社NQA-Japan

20106

2021年6月1日

Matsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.

SGS United Kingdom Ltd.

VN19/00404

2022年12月17日

Matsuya R&D(Myanmar)Co.,Ltd.

Bureau Veritas Certification(

Thailand)Ltd.

TH010863

2020年11月19日

ISO14001

株式会社松屋アールアンドディ

株式会社NQA-Japan

E1098

2021年6月1日

Matsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.

SGS United Kingdom Ltd.

VN19/00405

2022年12月17日

Matsuya R&D(Myanmar)Co.,Ltd.

Bureau Veritas Certification(

Thailand)Ltd.

TH013656

2022年5月15日

 

 

(6)顧客からの受託生産について

当社グループの縫製品事業の取引では、血圧計腕帯、カーシートカバー及びエアバッグ等の縫製を顧客から受託しております。当社グループとしては顧客とのコミュニケーションを密にし、先方からの内示に基づき生産数を管理しておりますが、予期せぬ仕様変更や顧客動向の変化により想定どおりの生産数を確保できなかった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)売上計上時期による経営成績への影響について

当社グループの縫製自動機事業の取引では、顧客との契約条件に従い主に検収基準にて売上計上を行っており、大型で高額な装置は納入後、検収までに1か月以上の期間を要する場合があります。このような案件が増加した場合には、その検収時期によって、四半期毎の経営成績が大きく変動する可能性があります。また顧客の都合による設計変更や検収時期の変更が発生した場合、売上計上時期が当初予定していた時期からずれることがあり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)個別受注案件の内容による利益率の変動について

当社グループの縫製自動機事業の取引では、受注案件毎の利益率は一定ではありません。従いまして、個別受注案件の積み上がり状況によって当社グループの四半期毎の利益率が変動する可能性があります。

また、戦略的に不採算案件を受注する場合や、案件によっては顧客への納期変更や大幅な仕様変更などにより当初の見積り以上にコストが増加する場合があります。

当社グループにおきましては案件ごとに採算性を管理しており、低採算及び採算割れが継続する場合は受注額の交渉等を行ってまいります。想定以上に不採算案件が積み重なった場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

更に、当社グループが販売している国・地域・顧客は多岐にわたっているため、それらにおいて、固有の規制や規格の解釈、それらの適用に関する相違等が生じた場合にも、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)研究開発について

当社グループとしては縫製自動機事業において、研究開発部門への重点的な資源配分を実施することで、付加価値と特長ある製品を開発し、市場投入していきます。しかしながら、研究開発への資源配分及び研究開発のための人材確保の努力を継続する一方、技術革新に追い付き顧客や市場の需要を満たす魅力的な新製品を開発できなかった場合又は研究開発の成果である新製品の市場投入もしくは市場浸透が遅れた場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)調達資金の使途について

当社の公募増資により調達しました資金の使途は、連結子会社への投融資として、研究開発資金、研究開発人員の人件費及び設備資金並びに当社の運転資金として人件費及び人材採用費や借入金返済への充当を計画したものであります。しかしながら、当社を取り巻く外部環境や経営環境の変化に柔軟に対応するため、上記計画以外の使途に充当する可能性があります。また、計画どおりに資金を使用したとしても、期待どおりの効果を上げられない可能性があります。そのような場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)為替リスクについて

当社グループは数多くの海外顧客と取引をしております。海外顧客との取引は外貨建て取引を採用しておりますが、現時点では為替リスク対策をとっていないことから急激な為替変動による為替リスクが生じる可能性があり、為替損失等が発生した場合には当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、為替予約をとることについては、引き続き検討してまいります。

 

(12)人材の確保・育成について

当社グループは、重要ポストへの人材登用、業務内容に応じた適切な人員配置を行っており、現時点の規模においては、適切かつ組織的な対応に十分な人員であると考えております。また、今後は事業の拡大にあわせて、人材の育成、人員の増強及び内部管理体制の一層の充実を図る予定であります。

しかしながら、何らかの事情により相当数の従業員が短期間のうちに退職する場合や、人材の確保・育成が予定どおり進まない場合には、業務運営の効率性が低下するおそれがあり、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)取引先の信用リスクについて

当社グループは、顧客に対して与信限度額を定めるとともに、回収方法として前受金の取得を取り入れることなどでリスク対策を実施しております。

しかしながら、このような管理により取引先の信用リスクを十分に回避できる保証はありません。

また、一定の前提、見積り及び評価が正しいとは限らず、経済状況が悪化する場合やその他の予期せぬ要因により悪影響を被る場合等においては、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)固定資産の減損損失について

当社グループの資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、減損会計の適用により資産について減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)知的財産権について

当社グループは、他社と差別化できる技術とノウハウの蓄積に努めており、自社が保有する技術等については特許権の取得により保護を図るとともに、他社の知的財産権を侵害することのないようリスク管理に取り組んでおります。

しかしながら、当社グループが販売している製品や、今後販売する製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性を完全に排除することができず、訴訟を起こされる可能性もあります。

これらの要因が当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)訴訟リスクについて

当社グループは、法令及び契約等の遵守に努めておりますが、事業活動を進めていく上で顧客等から訴訟を受ける可能性や、訴訟に至らないまでも紛争に発展して請求等を受ける可能性があります。また、それらの訴訟等で当社グループが勝訴するという保証はなく、それらの訴訟等が当社グループの将来的な事業活動に悪影響を与える可能性があることは否定できません。

そのような場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)情報管理について

当社グループは、顧客、個人情報及び受託業務に係る情報を厳格に管理しておりますが、万一このような情報が外部に流出した場合、当社グループの信用が失墜し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)法的規制等について

当社グループの事業に関する許認可等の直接的な法的規制はありませんが、当社グループは、製造分野における特許関連法規、工場運営における環境関連法規、人事労務における労務関連法規、その他の法的規制を受けております。当社グループが各種の法的規制を遵守できなかった場合、又は、各種の法的規制等の変更や新たな法的規制の制定が想定を超える範囲で実施された場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)作業者の安全について

当社グループのうち、当社は、ISOが定める品質管理基準に基づいて縫製自動機の製造を行っており、当該設備を使用する作業者の安全面についても、配慮に努めております。しかし、機械の誤操作や誤作動等により、作業者の安全を完全には確保しきれない恐れがあり、瑕疵担保責任を追及される可能性を排除しきれません。

尚、当社は生産物賠償責任保険に加入しておりますが、事故の内容等によっては賠償額を十分に支払えない可能性があります。その結果として、製造物責任訴訟等の訴訟発生の可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)災害等による影響について

当社グループは、福井県大野市、ベトナム社会主義共和国ドンナイ省、ミャンマー連邦共和国ヤンゴン市、宮城県栗原市に工場を有しておりますが、同地域で想定を超える地震等の自然災害が発生し、工場の生産能力が減少もしくは無くなった場合には、当社グループの事業の推進及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態
(資産の部)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて575,644千円増加し、4,004,243千円となりました。これは主として原材料及び貯蔵品38,102千円減少したことに対して、現金及び預金203,053千円受取手形及び売掛金281,340千円商品及び製品38,606千円仕掛品70,646千円がそれぞれ増加したことなどによります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて387,276千円増加し、1,049,778千円となりました。これは主として繰延税金資産29,648千円減少したことに対して、在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」を適用した影響等により有形固定資産が411,412千円増加したことによります。

この結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて962,920千円増加し、5,054,022千円となりました。

 

(負債の部)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて375,262千円増加し、2,354,766千円となりました。これは主として支払手形及び買掛金32,902千円短期借入金154,841千円、在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」を適用した影響等によりリース債務160,885千円がそれぞれ増加したことなどによります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて362,967千円増加し、696,728千円となりました。これは主として繰延税金負債36,590千円、在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」を適用した影響等により、リース債務336,879千円が増加したことによるものであります。

この結果、当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて738,230千円増加し、3,051,494千円となりました。

 

(純資産の部)

当連結会計年度末における純資産は2,002,527千円と、前連結会計年度末に比べ224,690千円の増加となりました。これは、為替換算調整勘定1,649千円、利益剰余金223,041千円がそれぞれ増加したことなどによるものであります。

 

ロ.経営成績

当連結会計年度における我が国経済は、米中貿易摩擦やアジアでの輸出低迷等により不安定な状況で推移し、消費増税等の影響で個人消費が低迷しました。また、年度終盤には新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により先行き不透明な状況となっております。

このような環境の中、縫製自動機事業においては、製造業の設備投資費用が削減されることも予想されますが、当社グループを取り巻く縫製にまつわる業界においては、人手不足を背景に縫製機器の自動化への需要が高まっており、縫製自動機事業における主力のレーザー裁断機やエアバッグメーカー向けの縫製自動機の開発、販売を強化してまいりました。また、縫製品事業においては、血圧計腕帯について健康志向の高まりを背景として安定的な生産量を増やしてまいりました。カーシートカバーやエアバッグの属する自動車業界では上記の環境から今後の業界動向としては不透明な状況であるものの、当社グループでは海外での生産拠点を活用するほか、当社製の縫製自動機を工程に活用することによりコストを抑えることで、当社グループへの生産委託を促し、カーシートカバーやエアバッグの縫製品の生産拡大に繋げてまいりました。

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高8,631,168千円(前年同期比14.8%増)と、増収となりました。また、利益につきましては、営業利益407,791千円(前年同期比126.0%増)、経常利益380,826千円(前年同期比70.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益223,041千円(前年同期比96.2%増)となりました。

尚、当連結会計年度における各セグメントの概況は、次のとおりです。

 

 

(縫製自動機事業)

縫製自動機事業につきましては、アメリカを中心とした貿易摩擦により中国、メキシコにおいて投資需要が一時的に停滞したことを背景に売上が減少したほか、ヨーロッパのエアバッグメーカー向け縫製自動機で新規開発品の受注があり、開発費用が増加した結果、売上高は868,551千円(前年同期比26.1%減)となり、セグメント損失は115,302千円となりました。

 

(縫製品事業)

縫製品事業につきましては、血圧計腕帯について健康志向の高まりを背景とした受注が堅調に推移したほか、カーシートカバーにおいては北米向けの車種を中心に生産量が増加し、エアバッグについても顧客からの生産移管が進み、生産量が大きく増加しました。その結果、売上高は7,762,616千円(前年同期比22.4%増)、セグメント利益は736,990千円(前年同期比74.4%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は738,856千円と、前連結会計年度末に比べ210,050千円の増加となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は219,770千円(前連結会計年度は8,615千円の獲得)となりました。

これは主として、売上債権の増加額281,867千円、たな卸資産の増加額73,098千円、法人税等の支払額89,460千円があったことに対して、税金等調整前当期純利益が380,826千円、減価償却費205,193千円、仕入債務の増加額36,690千円、その他資産・負債の増減額37,619千円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、支出した資金は41,933千円(前連結会計年度は119,838千円の支出)となりました。

これは主として、定期預金の払戻による収入58,235千円があったことに対して、定期預金の預入による支出41,237千円、有形固定資産の取得による支出41,133千円、差入保証金の差入による支出17,080千円があったことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、獲得した資金は35,916千円(前連結会計年度は330,599千円の獲得)となりました。

これは主として、長期借入金の返済による支出86,744千円リース債務の返済による支出102,180千円があったことに対して、短期借入金の増加154,841千円、長期借入れによる収入70,000千円があったことなどによるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

縫製自動機事業

698,024

67.8

縫製品事業

6,764,735

116.5

合計

7,462,759

109.2

 

  (注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

  2.金額は製造原価によっております。

  3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ロ.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

縫製自動機事業

815,535

66.9

62,294

53.3

縫製品事業

7,860,200

118.8

555,498

123.7

合計

8,675,736

110.7

617,793

109.2

 

  (注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。

  2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ハ. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

縫製自動機事業

868,551

73.9

縫製品事業

7,762,616

122.4

 血圧計腕帯

3,186,160

105.9

 カーシートカバー

3,190,041

114.3

 エアバッグ

1,307,995

277.6

  その他

78,419

109.9

合計

8,631,168

114.8

 

  (注) 1. セグメント間取引については相殺消去しております。

 

   2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

  至 2020年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

OMRON Healthcare Manufacturing

Vietnam CO.,LTD.

1,841,318

24.5

2,110,614

24.5

豊通マテックス株式会社 ※

1,883,855

21.8

豊田通商株式会社 ※

1,549,519

20.6

住商エアバッグ・システムズ株式会社

1,308,056

15.2

トヨタ紡織東北株式会社

1,295,915

17.2

1,278,314

14.8

高力科技発展(大連)有限公司

983,645

13.1

901,449

10.4

 

  ※豊田通商株式会社との取引は2019年4月1日より同社の子会社である豊通マテックス株式会社に移管されました。尚、具体的な商流等に変更はございません。

   3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。尚、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績等の分析・検討内容は以下のとおりであります。

 

(売上高)

当連結会計年度における売上高は8,631,168千円(前年同期比14.8%増)となり、前連結会計年度に比べて1,113,814千円増加いたしました。これは縫製自動機事業における売上高が前連結会計年度に比べ306,736千円減少した半面、縫製品事業におけるエアバッグ売上が前連結会計年度に比べ836,887千円、カーシートカバー売上が同398,249千円、血圧計腕帯売上が同178,319千円増加したことによるものです。

尚、セグメント別の売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(売上原価、売上総利益)

当連結会計年度における売上原価は7,424,153千円(前年同期比13.2%増)となり、前連結会計年度に比べて866,134千円増加いたしました。これは主に縫製品事業におけるカーシートカバー及びエアバッグの売上が前期比で増加したことによるものであります。以上の結果、売上総利益は1,207,015千円(前年同期比25.8%増)となり、前連結会計年度に比べて247,680千円増加いたしました。

 

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、799,224千円(前年同期比2.6%増)となり、前連結会計年度に比べて20,364千円増加いたしました。これは主に役員報酬が減少したのに対し、本社管理部門、営業部門の充実を図るため、追加採用をしたことによる給与手当の増加及び当社における監査証明業務に基づく監査報酬の増加や内部管理体制の充実を図るため、発生した各種コンサルティング費用の増加によるものであります。

以上の結果、当連結会計年度における営業利益は407,791千円(前年同期比126.0%増)となり、前連結会計年度に比べて227,316千円増加いたしました。

 

(営業外収益・営業外費用及び経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は25,357千円(前年同期比51.5%減)となり、前連結会計年度に比べ26,892千円減少いたしました。これは主に為替差益の減少によるものであります。また、営業外費用は52,322千円(前年同期比463.0%増)となり、前連結会計年度に比べ43,028千円増加いたしました。これは、一部在外連結子会社においてIFRS第16号「リース」を適用したことよる支払利息の計上や上場関連費の発生によるものであります。

以上の結果、経常利益は380,826千円(前年同期比70.4%増)となり、前連結会計年度に比べ157,394千円増加いたしました。

 

(特別利益・特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度において特別利益や特別損失の発生はありませんでした。また、法人税等合計は157,785千円(前年同期比44.9%増)となり、前連結会計年度より48,890千円増加いたしました。

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は223,041千円(前年同期比96.2%増)となり、前連結会計年度に比べ109,357千円増加いたしました。

 

  尚、当社グループの財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析等は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

③資本の財源及び資金の流動性

当社グループの通常の運転資金については、主に自己資金及び借入金により賄うことを基本方針としております。尚、銀行との当座貸越契約を締結しており、大型の縫製自動機の受注や国内・海外の工場における生産量の増加による資金需要への対応を図っております。これにより一定の資金水準を保つことができ、十分な資金の流動性を保持しているものと考えております。

また、Matsuya R&D(Vietnam)Co.,Ltd.における新たな設備投資への資金需要につきましては、上場による調達資金の活用を予定しております。

 

④経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

  経営上の重要な契約は以下のとおりです。

契約会社名

相手方の名称

契約締結日

契約内容

契約期間

株式会社

松屋アールアンドディ

オムロン株式会社

2017年4月3日

オムロン株式会社及びその一部の子会社との血圧計腕帯の支給に関する基本契約

2017年4月3日から

1年間

(1年毎の自動更新)

 

 

5 【研究開発活動】

   該当事項はありません。