当社は、当社の存在意義、存在価値、社会的使命を示したものとして経営理念を掲げ、その実現に全社を挙げて取り組んでおります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、経営理念に続く経営ビジョンを経営の基本方針の柱として、事業活動を行っております。
①経営理念
「世界の人々の人生に健康と美しさをもたらす。卵殻膜とバイオテクノロジーで。」
②経営ビジョン
・先進諸国に到来する高齢化社会において、人々の健康、若さ、そして美しさの維持・向上による“生活の質”の向上という根源的なニーズに、“卵殻膜”を通じて貢献する。
・卵殻膜の多機能な効果及び効能を科学的に解明し、常にユニークで最高品質の商品開発にこだわり、それを世界に提供する。
・“卵殻膜”で、美容と健康分野において、新しい価値観を浸透させる。
また、当社は主に化粧品・健康食品の販売を行っておりますが、化粧品は塗布により一時的に外見を整えるものにはとどまらず、肌(細胞)自体を美しくするものであり、健康食品は病気になってから使用する薬とは異なり、未病の改善に貢献するものと定義しており、これらを通じて世界の人々の人生に健康、若さ、美しさをもたらすことを使命としております。
(2)経営戦略等
当社事業の根幹を成す卵殻膜の市場は未だ成長過程にあると当社は認識しております。当社としましては既存販路でのシェアの拡大と、新たな成長の柱づくりとして新たな販路開拓、既存ブランドに続く新たな柱となる商品の開発の強化を行い、卵殻膜市場の拡大牽引を図ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、成長性及び効率性をもって収益に結びつけ、継続的に成長していくことを経営上の目標としております。収益性及び成長性などの各経営指標のバランスを重視し、外部環境やトレンドに左右されることの無い財務基盤を構築することで、企業価値の向上を図ってまいります。具体的には、売上高、売上総利益、営業利益を重要な指標と考えております。
(4)経営環境
国内化粧品市場は、消費者の外出機会が増加し身だしなみへの意識も高まったことで、需要が増加しました。株式会社矢野経済研究所の国内化粧品市場の調査結果(化粧品市場に関する調査を実施 2024年9月18日発表)によると、2023年度の国内化粧品市場規模はメーカー出荷金額ベースで2兆4,780億円(前年度比4.6%増)、2024年度は2兆5,840億円(同4.3%増)を見込んでおります。
健康食品市場は、外出機会の増加により、ドラッグストアやコンビニエンスストアなどの店頭ルートの販売が伸長しました。一方、2024年3月に発覚した紅麹問題が大きな逆風となり、2024年度は縮小に転じる見込みです。株式会社矢野経済研究所の健康食品市場の調査結果(健康食品市場に関する調査を実施 2025年3月28日発表)によると、2023年度の健康食品市場規模はメーカー出荷金額ベースで9,050億2,000万円(前年度比2.1%増)、2024年度は8,945億1,000万円(同1.2%減)を見込んでおります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記経営戦略に基づき対処すべき課題は以下のとおりです。
①直販チャネルを通じた売上及び利益の拡大
TVCM等の広告手法を積極的に採用するなど顧客獲得施策を継続的に実施し、顧客獲得効率の向上と顧客獲得数の増加を両立させ、売上規模の拡大を目指してまいります。また、獲得した顧客とのリレーションシップを強固にすることにより、定期購入顧客の継続率の向上及びクロスセル単価の向上を実現し、利益率向上を目指してまいります。
また、当社ブランドイメージの確立のため、ウェブデザイン、商品パッケージリニューアルなどのビジュアル面の最適化についても注力し、イメージ形成を推進してまいります。
②新たな柱となる商品の開発
大学等の外部の研究機関と共同研究を継続することにより、より機能性の高い商品の開発を進めてまいります。
また、化粧品・健康食品等の既存商品について、卵殻膜の配合量、使い心地、香り等の継続的な改善・開発活動を行い、当社ビジネスの柱となる商品ラインナップの拡充を図ってまいります。
③新たな販路の開拓
新規の顧客獲得のために中華圏を中心とするアジア及び欧米を中心に販路拡大を目指してまいります。
国内においても当社商品の更なる認知度向上を図るべく、実店舗販売についても拡大を目指してまいります。
また、OEMビジネスについても新たな販路開拓を進めてまいります。
④内部統制システムの強化
売上・利益の拡大を志向するのみならず、会社全体の業務プロセスの見直しを継続的に図り、内部統制をより一層充実させコーポレート・ガバナンスを強化することで、社会やステークホルダーの皆様から信頼を得られる企業を目指してまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は経営会議及び取締役会において、地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理など、サステナビリティを巡る課題への対応は、リスクの減少のみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識し、中長期的な企業価値の向上の観点から、これらの課題に積極的・能動的に取り組むよう検討しております。
(2)戦略
当社では、従業員が企業の成長を支える重要な存在であるとの認識に立ち、多様な人材が仕事と家庭を両立し、最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでおります。
上記の考えのもと、当社では、管理職及びそれに準ずる役職者への登用等に当たっては、性別、国籍、社歴等では区分せず、意欲と能力のある従業員が平等に機会を得られるような人事評価制度を整備しております。また、人材育成についても、キャリア開発・能力開発に関する多様なニーズに対応し、従業員が自らの成果について組織への貢献とのつながりを実感できるよう、個人の成長に向けた各種支援等を実施していく方針であります。
(3)リスク管理
当社では、コンプライアンス委員会において、全社での重要リスクを特定しリスク管理を実施しており、事業へ重大な影響を及ぼすリスクに対しての対応課題の検討及び優先度の決定を行い、対応方針を定めております。重要性の高い案件については、リスク管理委員会で審議のうえ、取締役会に報告・提言を行うフローも構築されております。
(4)指標及び目標
当社では、人的資本の重要性を認識し、多様性・働きがい・健康維持等の観点から、以下の指標を設定し、定期的に状況を把握・開示しております。特に、管理職における女性比率の向上や、男性の育児参加の促進、健康経営の一環としての健康診断やストレスチェック受診率向上に注力しており、目標達成に向けた具体的な施策も進めております。
今後もこれらの指標に基づき、継続的なモニタリングと改善活動を通じて、人的資本の価値最大化に取り組んでまいります。
人的資本に関する主な指標と実績
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実績(当年度) |
目標値 |
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本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)仕入、在庫に関するリスク
①商品の製造委託についてのリスク
当社は、経営資源を研究開発及び営業活動に集中させて経営効率化を図るため、商品の製造を外部委託しており、また一部商品につきましては製造委託先からさらに再委託先に製造が委託されております。
製造委託先が製造した商品の品質に問題が生じた場合には当社も販売者責任を問われることになり、当社商品に対する顧客からの信頼の毀損に発展する可能性があります。また、商品の製造委託先もしくは製造再委託先との急な契約の解消や天災等による生産設備への被害など不測の事態が生じた際には、当社製品の円滑な供給に支障を来すことが考えられ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクは当社のリスク施策によって完全に排除できる性格のものではないことから、顕在化の時期・影響度について確定的な予測を行うことは困難であると認識しております。
当社といたしましては、定期的に各製造委託先、製造再委託先への監査を実施すると同時に、製造委託先、製造再委託先の所在地を分散させ、さらに各商品の商品検査記録の提出の義務付けを行う等、製造委託先、製造再委託先の品質管理には万全を期してリスクの低減を図っており、また、当社は委託先に対して計画的に発注を行うことや、委託先との良好な関係を保つことにより、商品を安定的に供給できるよう努めております。
②原材料の調達に関するリスク
当社は、当社商品の主原材料である「卵殻膜」の仕入の大部分を特定の取引先に依存しております。当該仕入先における事業継続不能な不測の事態の発生、原料不足や経済環境の激変等何らかの理由により、必要な原材料等の適正な価格での適正な量の確保が困難になった場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。今後とも安定的に原材料を仕入れることは可能だと考えており当該リスクの顕在化する程度につきましては想定しておらず、当該リスクが顕在化する可能性、時期については現時点で認識しておりませんが、当該仕入先とは良好な関係の構築、維持に努めております。
また、当社は、一部の原材料の外注加工に関して特定の取引先に依存しているものがあり、今後何らかの事情により取引を継続できない事態が生じるなどにより、今後の安定的な外注先の確保に問題が発生した場合には、他の外注先の確保に時間を要する、内製化を行うなどの対策を講じるための必要な人員確保に時間を要する、他の仕入先に対し費用が先行するなどの事態が想定され、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。こちらも今後とも安定的に原材料を仕入れることは可能だと考えており当該リスクの顕在化する程度につきましては想定しておらず、当該リスクが顕在化する可能性、時期については現時点で認識しておりませんが、当該仕入先とは良好な関係の構築、維持に努めております。
③在庫の滞留又は欠品に関するリスク
当社は、綿密な需要予測を立て商品の製造依頼を行い、調達した商品を販売しております。しかしながら、需要動向を見誤ったことによる欠品、ないし滞留在庫が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。かかるリスクは当社のリスク施策によって完全に排除できる性格のものではないことから、顕在化の時期・影響度について確定的な予測を行うことは困難であると認識しております。当社は、在庫の保有状況をモニタリングしながら発注数量の調整を毎月実施し、滞留が予測される商品について販売施策を追加で立案することで在庫リスクの最小化を図っております。
(2)直販部門(自社ECサイト)に関するリスク
①直販部門での拡販施策が奏功しないリスク
当社は、主として自社直接販売の拡大のため、認知度、信頼度を向上させることにより、より多くのユーザを獲得し、また既存のユーザを維持していくことが必要であると考え、積極的に広告宣伝等にコストを投下してきており、今後も継続して広告宣伝等を進めていく方針であります。
しかしながら、広告宣伝効果が十分に得られない場合やコスト上昇等が生じた場合、投資が想定よりも長期に及ぶことにより計画通りの収益が得られない場合等には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクは当社のリスク施策によって完全に排除できる性格のものではないことから、顕在化の時期・影響度について確定的な予測を行うことは困難であると認識しております。拡販施策の効果については適時に確認を行い施策内容について検討継続を進めております。
②情報システムに関するリスク
当社は、特に自社直接販売においてパソコンやコンピューターシステムを結ぶ通信ネットワークに強く依存しており、自然災害や事故等により通信ネットワークが切断された場合、サイトへの急激なアクセス増加や電力供給の停止等、予測不能な要因によりコンピューターシステムがダウンした場合、あるいは、コンピューターウィルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合には、自社直接販売活動が一時的に困難となる可能性があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクは当社独自のリスク管理施策のみをもって軽減・回避できるものではなく、顕在化した場合には、リスク顕在の頻度、顕在リスクの規模等に応じた影響を蒙る可能性がありますが、その影響度について確定的な見積りを行うことは困難であると認識しております。
当社といたしましては情報システムに関する戦略を定め、情報システムの強化に努めております。
③個人情報保護に関するリスク
当社では、特に自社直接販売において顧客の個人情報を取得しているため、個人情報が蓄積されております。万が一、個人情報が外部に漏洩した場合は、顧客からの信用失墜による売上減少や顧客に対する損害賠償金の支払いなどにより当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。当社は、個人情報管理体制の適切な運用に努めており、かかるリスクが顕在化する可能性は低いものと認識しております。個人情報の取り扱いについては、情報セキュリティポリシーを規程として定め、また、Pマークの取得や情報セキュリティに関する社員教育を徹底しております。
(3)直販部門以外の販売全般に関するリスク
①大口販売先への依存に関するリスク
当社の販売先の中で売上構成比が15%~20%程度を占める大口販売先として、TVショッピング販売における株式会社QVCジャパン、OEM商品販売における株式会社オージオの2社がございます。当該販売先の業績の悪化や在庫の滞留、2社の商品政策の大きな転換が発生した場合、納品時期が次期にずれ込んだ場合等には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。今後安定的に商品を販売することは可能だと考えておりリスクの顕在化する程度につきましては想定しておらず、当該リスクが顕在化する可能性、時期については現時点で認識しておりません。今後とも当該販売先とは良好な関係を構築してまいります。
また株式会社QVCジャパンへの売上は、同社が提供しているTVショッピング専門チャンネルを通じた当社商品の販売となりますが、TVショッピング専門チャンネルにおける売上高は、番組ゲストの知名度や人気(パーソナリティー)、放映時間等に影響を受ける傾向があります。当社は元当社代表取締役である鈴江由美氏と顧問契約(契約期間:2025年4月~2026年3月)を締結しておりますが、同氏がなんらかの理由により業務遂行困難となった場合には、株式会社QVCジャパンにおける売上高に影響を及ぼす恐れがあり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
同氏を通じた番組における販売実績に大きな変動がないことから、今後とも安定的に商品を販売することは可能だと考えておりリスクの顕在化する程度につきましては想定しておらず、当該リスクが顕在化する可能性、時期については現時点で認識しておりません。今後とも番組出演について同氏との良好な関係を構築してまいります。
②競合環境の変化に関するリスク
当社は、卵殻膜原料を活用した化粧品・健康食品の製造販売を主要事業としております。当社が属する化粧品・健康食品業界において、現時点において競合他社、OEM先が卵殻膜を主成分とした有力な商品を発売している事例は多くありませんが、今後卵殻膜の認知度が向上し、その素材としての可能性が広く着目され競合他社、OEM先が卵殻膜配合商品を多数発売した場合には、競争環境の悪化により当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
かかるリスクは当社のリスク施策によって完全に排除できる性格のものではないことから、顕在化の時期・影響度について確定的な予測を行うことは困難であると認識しております。
卵殻膜に関する研究や当社商品、原料の改良を進め他社の類似商品との差別化を図り永くご愛顧いただけるよう努めております。
(4)消費者とのトラブル及び風評のリスク
当社では化粧品・健康食品を取扱っており、当社の取扱商品や原材料と同一又は類似した商材において、一般市場にて安全性に疑義が生じるような事態が発生した場合、風評被害が発生する可能性があります。
消費者とのトラブルや風評リスクは常時起こる可能性がありますが、顕在化の時期・影響度について確定的な予測を行うことは困難であると認識しております。その安全性や広告表現については関連法規を遵守し、独自の基準を設け厳しく管理すると同時に卵殻膜に関する研究や当社商品、原料の改良に努めております。
(5)法的規制等に関するリスク
当社は化粧品・健康食品の製造販売事業者として、主に以下の法的規制の遵守を徹底しております。万が一これらの法的規制に抵触する事態に陥った場合には行政処分の対象となることがあり、その場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性がありますがその程度につきましては想定しておりません。なお、当該リスクが顕在化する可能性、時期については現時点で認識しておりませんが当社は外部専門家及び有識者の活用並びに関連各部署による情報収集に努めております。
①特定商取引法
特定商取引法は、訪問販売や通信販売等の事業者を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定めております。
②医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律では、医薬品の他医療機器、医薬部外品、化粧品についても規定されており、その中で化粧品を市場に出荷する企業(「製造販売業者」といいます。)に対して様々な責務を定め、安全性の確保を図らせるようにしております。
国内において医薬部外品及び化粧品を製造販売するためには、製造販売業の許可を必要とし、当社はその許可を取得しております。これらの許可は、5年毎に更新を行うこととなっておりますが、法令違反等があった場合には、許可の更新を拒否され、または許可を取り消されることがあり、外注先等の製造設備においても厚生労働省令で定める基準に適合しない場合等には、その使用を禁止されることがあります。
また、化粧品及び医薬部外品は、本法において広告に関する規定があり、虚偽又は誤解を招く恐れのある事項や承認を受けていない効能又は効果を宣伝することは禁止されていることから、社内の広告ガイドライン等の審査ルールを定め事前確認を行うこととしております。
なお、当社は本法を遵守しており、違反はございません。
(化粧品・医薬部外品の製造及び販売事業に係る主要な許可の取得状況等)
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許可の名称 |
有効期間 |
取消事由及び該当状況 |
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化粧品製造販売業許可 |
2027年12月26日まで (5年毎の更新) |
(許可の取消) 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」第75条に定められる事由 に該当した場合 (該当状況) 上記取消事由に該当する事項は ありません。 |
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医薬部外品製造販売業許可 |
2027年12月26日まで (5年毎の更新) |
③不当景品類及び不当表示防止法(景表法)
本法は、消費者の利益を保護するため、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽ったり、消費者に誤認されたりする表示を行うことを規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額、総額を制限するものであります。
④健康増進法
国民の栄養の改善その他の国民の健康増進を図るための措置を講じ、国民の健康向上を図ることを目的として、国民の健康増進の総合的な推進に関して基本的な事項が定められております。健康状態の改善又は維持の効果に関して、著しく人を誤認させるような広告を禁止するなどの規制があります。
⑤食品衛生法
飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もって国民の健康の保護を図ることを目的としております。公衆衛生に危害を及ぼす恐れのある虚偽又は誇大な表示や広告の禁止などが定められております。
⑥消費者契約法
事業者が重要事項について事実と異なることを告げ(不実告知)、消費者が誤認した場合の取り消し、消費者が支払う損害賠償額の予定条項等の無効等が定められております。
⑦知的財産権に関するリスク
当社が行う事業は、商標権、特許権等の知的財産権が関係しております。第三者の権利が成立した場合や認識していない権利が既に成立している場合、第三者より損害賠償及び使用差し止め等の訴えを起こされる可能性及び権利に関する使用料等の対価の支払いが発生する可能性があります。この場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性がありその程度につきましては想定しておりません。なお、当該リスクが顕在化する可能性、時期については現時点で認識しておりませんが当社は、商品に使用する商標権を登録する際には、事前に類似したものが存在しないことを調査しており、また特許権については商品の開発を行う際に、必ず製造委託先に特許情報調査を依頼して他社の権利を侵害しないよう努めております。
(6)その他のリスク
①小規模組織に関するリスク
当社の人員は、当事業年度の末日現在、取締役4名、監査役3名及び従業員81名(臨時従業員含む)の小規模組織であります。
このうち、管理部門の人員は、取締役1名及び従業員8名であり、現在の内部管理体制は現在の組織規模に応じたものとなっております。
今後も人員の拡充による体制強化を図ってまいりますが、計画通りに採用が進まない場合、または、人材が流出する場合においては、内部管理体制に支障が生じ、又は業容拡大に支障が生じ、今後の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。当社は、採用活動を通じて、安定して人材確保できるよう努めており、現状の体制に特記すべき問題は認めていないことから、かかるリスクが顕在化する可能性は低いものと認識しております。今後も採用活動を通じて、安定して人材確保できるよう努めてまいります。
②国内景況感に関するリスク
当社が販売する商品の販売動向は景況感に左右される可能性が高いため、今後企業業績の悪化等に伴い我が国の景況感が大幅に悪化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性がありますが、その程度につきましては想定しておりません。なお、当該リスクが顕在化する可能性、時期については現時点で認識しておりません。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に加え、各種政策の効果もあり緩やかな回復基調で推移しております。一方で、原材料価格の高騰や物価の上昇、不安定な世界情勢の長期化により、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況において、当社は3つの経営ビジョンの下(※1)、卵殻膜商品の更なる認知度向上を狙った広告運用強化等により、直販(EC)は新規顧客獲得において過去最高数を更新し、定期会員が増加したことで売上高は前年同期比で増加しました。また、外販(一般流通)では、チェルラー商品の導入店舗数の拡大が好調であったことにより売上高は前年同期比で増加しました。一方、外販(OEM販売)では、OEM先への出荷数量が前期を下回ったため、売上高は前年同期比で減少しました。また、TV通販においても、節約志向の流れを受け一部大型番組が予算未達に終わったことで、売上高は前年同期比で減少しました。営業利益については、直販(EC)での新規顧客獲得数の増加に伴う広告宣伝費の積極的運用により、前年同期比で減少しました。
その結果、当事業年度の経営成績は、売上高8,477,456千円(前年同期比12.5%増)、営業利益946,454千円(前年同期比1.5%減)、経常利益936,687千円(前年同期比2.8%減)、当期純利益650,413千円(前年同期比6.5%減)となりました。
※1・先進諸国に到来する高齢化社会において、人々の健康、若さ、そして美しさの維持・向上による“生活の質”の向上という根源的なニーズに、“卵殻膜”を通じて貢献する。
・卵殻膜の多機能な効果及び効能を科学的に解明し、常にユニークで最高品質の商品開発にこだわり、それを世界に提供する。
・“卵殻膜”で、美容と健康分野において、新しい価値観を浸透させる。
なお、当社は卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っておりませんが、売上高の販売チャネル別の内訳は、以下のとおりであります。
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区分 |
第24期事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
第25期事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
増減額 (千円) |
前年同期比 (%) |
||
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金額 (千円) |
構成比 (%) |
金額 (千円) |
構成比 (%) |
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TV通販 |
1,368,947 |
18.2 |
1,190,750 |
14.0 |
△178,197 |
87.0 |
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外販 (一般流通) |
364,132 |
4.8 |
472,058 |
5.6 |
107,925 |
129.6 |
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外販 (OEM販売)※2 |
1,653,407 |
21.9 |
1,559,081 |
18.4 |
△94,326 |
94.3 |
|
直販(EC) |
4,152,288 |
55.1 |
5,255,567 |
62.0 |
1,103,279 |
126.6 |
|
合計 |
7,538,775 |
100.0 |
8,477,456 |
100.0 |
938,680 |
112.5 |
※2 OEM販売額のうち、インターネット販売を主としているOEM先への売上高
②財政状態の状況
(資産)
当事業年度の流動資産は4,429,546千円となり、前事業年度末と比較して756,019千円増加しました。これは主に、現金及び預金が57,685千円、電子記録債権が271,241千円、商品が386,499千円増加し、貯蔵品が54,381千円減少したことによるものです。固定資産は292,133千円となり、前事業年度末と比較して135,248千円増加しました。これは主に、建物(純額)が22,351千円、工具、器具及び備品(純額)が11,173千円、長期前払費用が43,410千円、敷金が36,064千円、繰延税金資産が11,262千円増加したことによるものです。
以上の結果、総資産は4,721,680千円となり、前事業年度末と比較して891,267千円増加しました。
(負債)
当事業年度の流動負債は2,789,595千円となり、前事業年度末と比較して885,458千円増加しました。これは主に、短期借入金が1,100,000千円増加し、買掛金が173,212千円、未払消費税等が62,703千円減少したことによるものです。固定負債は58,258千円となり、前事業年度末と比較して16,018千円増加しました。これは、リース債務が4,378千円、退職給付引当金が11,640千円増加したことによるものです。
以上の結果、負債合計は2,847,853千円となり、前事業年度末と比較して901,476千円増加しました。
(純資産)
当事業年度の純資産は1,873,826千円となり、前事業年度末と比較して10,208千円減少しました。これは主に、その他資本剰余金が13,524千円、繰越利益剰余金が3,363千円(配当金支払647,049千円、当期純利益650,413千円)増加し、自己株式が27,097千円増加したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ57,685千円増加し、1,570,538千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益936,687千円、売上債権の増加額322,901千円、棚卸資産の増加額332,117千円、法人税等の支払額258,195千円等により189,093千円の支出となりました(前事業年度は846,273千円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出54,888千円、無形固定資産の取得による支出16,000千円、敷金及び差入保証金の差入による支出41,870千円等により108,059千円の支出となりました(前事業年度は1,576千円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる収入2,200,000千円、短期借入金の返済による支出1,100,000千円、自己株式の取得による支出100,017千円、配当金の支払647,049千円等により354,838千円の収入となりました(前事業年度は720,187千円の支出)。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.仕入実績
当事業年度における仕入実績は、次のとおりであります。
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区分 |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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完成品(千円) |
2,342,936 |
124.6 |
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部材(千円) |
607,747 |
87.6 |
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合計(千円) |
2,950,683 |
114.6 |
(注)1.当社は、卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、仕入実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
2.金額は仕入価格によっております。
c.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
d.販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
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販売チャネル別 |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
前年同期比(%) |
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TV通販(千円) |
1,190,750 |
87.0 |
|
外販(一般流通)(千円) |
472,058 |
129.6 |
|
外販(OEM販売)※(千円) |
1,559,081 |
94.3 |
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直販(EC)(千円) |
5,255,567 |
126.6 |
|
合計(千円) |
8,477,456 |
112.5 |
※OEM販売額のうち、インターネット販売を主としているOEM先への売上高
(注)1.当社は、卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、販売実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社オージオ |
1,600,971 |
21.2 |
1,497,315 |
17.7 |
|
株式会社QVCジャパン |
1,368,180 |
18.1 |
1,188,876 |
14.0 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これら財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。
当社は、特に以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。
商品の収益性の低下による帳簿価額の切下げ
商品の収益性の低下による帳簿価額の切下げに際して用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態の分析
当事業年度末における財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。
b 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、8,477,456千円となり、前事業年度に比べ938,680千円増加しました。卵殻膜商品の更なる認知度向上を狙った広告運用強化等により直販(EC)の新規顧客獲得が好調に推移したこと及び外販(一般流通)が堅調に推移した結果、売上高は前事業年度を上回りました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、2,552,832千円となり、前事業年度に比べ85,104千円増加しました。売上高の増加に伴い、売上総利益は、5,924,624千円となり、前事業年度に比べ853,576千円増加しました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、4,978,169千円となり、前事業年度に比べ867,656千円増加しました。これは主に、直販の新規顧客獲得数増加に伴う広告宣伝費の増加及び積極的な人材投資を実行したことによる人件費の増加等の影響によるものであります。この結果、営業利益は946,454千円となり、前事業年度に比べ14,080千円減少しました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は雑収入14,740千円等により15,431千円、営業外費用は支払利息14,148千円及び事務所移転費用9,546千円等により25,198千円となりました。この結果、経常利益は936,687千円となり、前事業年度に比べ26,592千円減少しました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
特別利益、特別損失の発生はなく、この結果、税引前当期純利益は936,687千円となり、前事業年度に比べ26,592千円減少しました。
また、法人税等合計が286,274千円、当期純利益は650,413千円となり、当期純利益は前事業年度に比べ45,043千円減少しました。
c キャッシュ・フローの分析
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
④ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、商品及び原材料の仕入のほか、広告宣伝費、運送費等の販売費及び一般
管理費であります。当社は、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入やリースによる調達を基本としております。
なお、当事業年度末における有利子負債の残高(リース債務含む)は2,105,485千円、有利子負債依存度(リース債務含む)は44.59%であり、事業運営上、必要な資金を安定的に確保していると認識しております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,570,538千円となっており、事業運営上、必要な流動性を確保していると認識しております。
⑥経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、売上高、売上総利益及び営業利益を重要な経営指標として位置付けております。
前事業年度及び当事業年度の経営指標は、次の通りであります。売上高及び売上総利益については当事業年度に
おいては前事業年度を上回りましたが、広告宣伝費や人件費等の増加の影響を受け、営業利益は前事業年度をやや下回りました。今後も定期顧客会員数の拡大や新商品の開発、コスト削減等を図り、売上高、売上総利益及び営業利益の拡大に努めてまいります。
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前事業年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
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売上高 |
7,538,775 |
115.5 |
8,477,456 |
112.5 |
|
売上総利益 |
5,071,048 |
116.6 |
5,924,624 |
116.8 |
|
営業利益 |
960,534 |
115.5 |
946,454 |
98.5 |
該当事項はありません。
当社は当社製品の主原料である卵殻膜の素材としての可能性を究明すべく、複数の大学等研究機関との間で共同研究に関する契約を締結しております。また、当社企画・製造部にて大学等研究機関との共同研究を行っている他、取引先等に関する助言を受けるべく、当社創業者である長谷部由紀夫氏と業務委託契約(契約期間:2024年10月~2025年9月)を締結しております。卵殻膜の素材としての様々な可能性を究明することで、化粧品・健康食品分野での活用のみならず、それ以外の分野での用途を模索しております。当事業年度における当社の研究開発費の総額は
主要な研究内容は以下のとおりです。
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(単位:千円) |
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支出先 |
研究開発の概要 |
金額 |
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学校法人帝京大学 |
卵殻膜の細胞身体ダイナミクス健康効果 |
39,100 |
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国立大学法人東京大学 |
卵殻膜成分の健康効果に関する総合的研究 |
35,727 |
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学校法人東洋大学 |
卵殻膜摂取が骨代謝へ及ぼす影響 |
9,000 |
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独立行政法人国立高等専門学校機構 米子工業高等専門学校 |
卵殻膜成分を用いたメラニンに関わる毛髪の光劣化等を抑制する作用に関する研究 |
5,436 |