(1) 会社の経営の基本方針
(2) 目標とする経営指標
CLOMOの導入社数(CLOMOを導入している企業などの法人や、学校や官公庁などの公的機関の組織数)、ライセンス継続率を指標としております。
(3) 経営環境と経営戦略
当社の主軸事業であるCLOMO事業は、モバイル端末管理市場に属しており、B to BのSaaS事業を提供しております。今後のマーケット動向としては、法人のスマートフォン導入加速と、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)からのスマートフォンへの変更、PHSのサービス終了に伴う医療機関でのスマートフォンの導入により、スマートフォン・タブレット等のモバイル端末の出荷数の増加が見込まれております。スマートフォン・タブレット等のモバイル利用の普及に伴い、モバイル端末の管理や、モバイル端末を利用しての業務効率化のニーズが増加すると期待されています。
さらに、当社のビジネスモデルであるサブスクリプションビジネス(ソフトウェアの購入ではなく、利用期間に応じて料金を支払う契約形態のビジネス)は、従来のプロダクト販売型ビジネスとは違い、物の所有から必要に応じて利用することへの大きな変革を生み出し、多額の設備投資や煩雑な事務処理を少額の利用料と簡易的な事務処理へ変化させることにより、そのニーズは世界的に広まっております。
また、昨今の働き方改革や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、企業におけるテレワークへの関心が高まっていることから、当社に対する問い合わせが増加しております。このような状況から、企業等でも、新しい生活様式に適合したインフラの構築や、働き方改革の動きが加速されると見込まれております。さらに、モバイル端末管理市場はPCのSIM対応(常時ネット接続対応)によるMDMのPC管理市場への進出やIoT市場でのセキュリティ強化により市場の拡大の可能性があります。

① 統合的な一貫体制(競争力の源泉)
当社は、ソフトウェア開発・ライセンス販売・サービスの運用・プラットフォームの管理・カスタマーサポートの全ての業務を自社でコントロールし、統合的な一貫体制が構築されております。したがって、サービスの運用やカスタマーサポートで得た知見や顧客の要望を、新たなソフトウェアの開発や既存のソフトウェアの改善に速やかに生かすことが可能であり、それが当社の競争力の源泉となっております。
現在の主軸サービスであるCLOMO事業はもちろん、IoTなどの新たな技術対応や新サービスの提供も、この確立された体制により、効率的に収益性の高いサービスを提供することが可能であると考えております。

※1 ライセンス数の増加、高付加価値商品への転換による売上増
※2 機能追加による売上増
② 独立的で制限のない販売戦略
当社は、携帯電話販売会社のいずれとも資本提携並びにOEM化(相手先ブランド名での提供)を行わず、多くの携帯電話販売会社やIT流通商社との広範囲な連携による販売協力体制が構築されており、独立的で制限のない販売戦略を展開しております。
③ 低コストの収益構造
当社のCLOMOサービスは、クラウドを利用したSaaS事業であるため、クラウド上のソフトウェア管理コストだけで多くの顧客の対応が可能であり、ビジネス規模の拡大によるスケールメリットを享受することができます。
④ サブスクリプションビジネスによる収益の安定性
当社のCLOMOサービスは、継続的な売上が見込めるサブスクリプションビジネスであり、かつ半数以上の契約は年間契約であるため、当事業年度に獲得した新規注文のうち、当事業年度中に収益認識されるものは一部であり、残りは契約期間によって翌事業年度以降の収益となります。また、CLOMO MDM解約率(Churn Rate)は0.14%(注)となります。
(注)2020年6月期の月次解約率の平均値。月次解約率は、当月に解約されたライセンス数を、前月末時点で契約済みのライセンス数で除した値です。
月次解約率=(ある月の解約ライセンス数)÷(ある月の前月末時点の利用ライセンス数)

当社サービスは、毎月の新たな受注により積み上げ式のストックビジネスであるため、受注が解約を超過していれば、上記の図のとおりライセンス数が増加していきます。
(一般的なサブスクリプションビジネスのイメージ図)
⑤ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による経営環境と経営戦略への影響につきましては、以下のような影響がありましたが、中期的にはテレワークなどの新たな働き方が加速し、CLOMO事業へのニーズ拡大が想定されております。また当社社内でも、ウィズコロナ時代の新たな働き方を模索するべくテレワークを継続しております。
a スマートフォンの生産縮小に関する影響
主に中華人民共和国におけるスマートフォンの生産が一時的に縮小したことにより、感染拡大以前に見込まれていた受注の一部が延期されるなどの影響はありましたが、当事業年度の経営成績や、当社が目標とする経営指標への影響は極めて軽微でありました。なお、延期した案件においては、数ヶ月程度の延期に留まる見込みであります。
b 緊急事態宣言に伴う販売代理店の対面営業自粛による影響
日本政府による緊急事態宣言が発出以後は、対面営業を当社では自粛しており、複数の販売代理店でも同様に自粛の動きがありましたが、当社及び販売代理店では、営業活動にテレビ会議システムを用いたリモート営業を取り入れる等、対面営業からの切り替えが進められており、営業活動への影響は軽微なものとなっております。また、当社は販売代理店に向けにリモートで当社サービスに関する勉強会を複数回開催し、日本政府による緊急事態宣言発出後に延べ1,200名を超える参加がある等、新たな営業手段として拡大を図っております。リモート営業は、移動時間が発生せず、立地や距離の制約が無いことから、マーケットの更なる掘り起こしに繋がっております。
c 経済の停滞・後退に伴う当社サービスの拡販機会に関する影響
外食をはじめとしたサービス業やアパレル業等の、実店舗の運営を伴う一部の業種に属する企業向けの営業活動については、アップセル・クロスセルの機会を中心に一部延期される等の影響があったものの、全体的にはテレワークの需要拡大により、拡販の機会は増加しております。特に中堅規模の企業等の、これまで訴求が充分ではなかった企業に対して訴求できる機会が増加しており、当社サービスの拡販と価格安定に繋がっております
d 製品開発や運用及びカスタマーサクセス業務のフルリモート化
製品開発や運用及びカスタマーサクセス業務をフルリモート化(オフィスに出社せず自宅等から業務)しております。また、新入社員への教育もすべてリモートで行っており、今後は人材採用においても、エンジニアやカスタマーサクセスを中心に、拠点(福岡・東京・大阪)での就業を条件とせず、優秀な人材の獲得にも繋げていきます。
e 基幹システムのテレワーク対応促進
経理や人事等の管理系業務について、クラウド等を活用することにより、テレワークへの対応を進めております。書類の押印や荷物の受取り、発送等の業務を除いて、テレワークでの管理系業務の実施を実現しております。
f テレワークに適応するための手当の新設と安全衛生の確保のための取り組み
各社員に自宅での業務を指示することについて、増加すると見込まれる光熱費や通信費等の負担を軽減するために、在宅勤務手当を新設しております。また、当社はコアタイムのあるフレックスタイム制をとっておりましたが、就業場所が自宅となったことにより、業績評価の観点を時間より成果を重視すべきと考え、コアタイムを廃止しております。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束が見込みづらい状況から、テレワークの長期化・定常化に向けて、様々な制度の新設や見直し、施策を実施しております。
① 売上の拡大
当社が属するEMM(MDM)の市場は、スマートフォンのビジネス利用の増加により成長を遂げており、当社も導入社数・ライセンス数の増加により、収益基盤が拡大しております。一方で海外からの参入も含め、国内市場においては競合他社も増えてきています。これまでは、国内の大企業が主な取引先でしたが、今後は中小企業や公共法人・自治体・学校や、これまでとは違った業種・業態への展開により国内シェアを拡大し収益を確保すると共に、海外も視野に入れた積極的な事業展開を実施してまいります。
② 組織人員体制(開発体制)
③ 研究開発
④ 品質保証体制の強化
ただし、当社の事業は、国内外の経済情勢や、顧客企業動向に左右されるうえ、技術進化が著しく、顧客ニーズも多様化していくことから、それらへの対応が遅れた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応策として、技術進化に追従するべく研究開発を継続し、優秀なエンジニアを採用・定着できる環境を作ることにより、開発力の強化を行ってまいります。
当社の販売チャネルとしては、携帯電話販売会社や携帯電話販売代理店を通じての取引が多く、販売先の上位5社による売上が売上高の74.5%(2020年6月期実績)を占めています。当社はこれらの会社と良好な関係を築いておりますが、販売先の予期せぬ販売方針の変更や当社の原因となる重大な不具合の発生等により、良好な関係を毀損する事態となった場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の収益は、「CLOMO事業」とその関連サービスによるライセンス販売事業の単一事業です。当社が属するモバイル端末管理市場(MDM市場)の成長が想定通り進まない場合、または、当社が事業環境の変化に適切に対応できない場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。一方で、当社のサービスを提供するモバイル端末は、スマートフォンやタブレット端末に加え、新たにSIM対応(常時ネット接続対応)PC等にも広がっているため、新たな販売網の構築を進めてまいります。
当社はEMM(MDM)を主たる事業としていますが、収益源の多様化のため、当社のリスクを慎重に検討しつつ、新規事業を展開する方針です。新規事業の開発あるいは収益化が計画通りに進まない場合、減損損失の計上が必要になる等、投資を回収できなくなる場合があります。また、新規事業の内容によっては、事業固有のリスクが加わる場合があります。これらの新規事業の内容あるいは進捗状況によっては、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、携帯電話販売会社や携帯電話販売代理店によるモバイル端末販売と合わせて、顧客企業であるエンドユーザーと契約を行うため、エンドユーザーと携帯電話販売会社や携帯電話販売代理店の関係が悪化等の要因により、エンドユーザーが他社の販売するモバイル端末に切り替える場合に、当社による関与が及ばない状態で、当社との契約を解約される可能性があります。予算及び経営計画において、将来の解約を見込んでおりますが、当社の想定を超える解約が発生した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
当該リスクの対応策として、主要プラットフォームに向けた機能をそれぞれ強化することで、エンドユーザーがモバイル端末を切り替えた場合においても、当社の製品を継続して利用して頂けるよう対策してまいります。
当社の属するEMM(MDM)の業界は、新規参入や他社との競合により、価格競争が激化し、想定した単価で契約ができない場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社はApple Inc.やGoogle LLC、Microsoft Corporation等といった、いわゆるプラットフォーマーの提供するOSやインフラを利用して、CLOMOサービスを提供しています。これらのプラットフォーマーは自社でも、EMM(MDM)サービスを提供していますが、当社に対する料金体系や利用上の制約を変更した場合、あるいは当社に対するサービス提供を停止した場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、業務に関連して多数の顧客企業の情報資産を取り扱っております。当社は、情報システム管理規程を策定し、役員及び従業員に対して情報セキュリティに関する教育研修を実施するなど、情報管理の徹底に努めております。また、ファイアーウォールだけでなく、統合脅威管理機能を持つシステムも導入し、さらに社外専門家からのチェックを受ける等の施策を実施することにより、情報セキュリティ体制の強化を行っております。
しかしながら、コンピューターウイルスの混入、外部からの不正な手段による当社コンピューター内への侵入、従業員の過失による重要データの消去や従業員による不正取得の可能性のほか、何らかの理由により重要な情報資産が外部に漏洩するような場合には、当社の社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、新規技術等については、国内だけではなく、シンガポールや米国など海外の特許も出願してきました。今後も、特許の取得により当社技術を確保していく方針ですが、第三者の特許が先に成立した場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社による第三者の知的財産権侵害の可能性については、調査可能な範囲で対応を行なっておりますが、当社の業務に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社が認識せず他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、知的財産権侵害として損害賠償請求等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、Apple Inc.やGoogle LLC、Microsoft Corporation等のクラウドサービスを利用してインターネット上でサービスを提供しています。したがって、自然災害や事故によるインターネット通信網の損傷や予期せぬアクセス急増に伴うサーバーダウンに起因して、当社のサービス提供に支障が生じる場合があります。そのような事態となった場合、エンドユーザーへの補償等の追加費用が発生し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応策として、分散バックアップデータを元に、早急に障害等から復旧する体制の強化を行ってまいります。
当社は、業務の適正性、財務諸表の信頼性確保のため、内部統制システムの適切な運用を行っております。また、2020年8月より、新たな組織として内部監査室を設置する計画であり、コンプライアンスに関する規程を整備・充実するとともに、従業員への研修など啓蒙活動を継続的に実施し、法令遵守に取り組んでおります。しかし、故意あるいは想定し得ない重大なコンプライアンス違反や法令違反があった場合、当社の社会的信用が低下し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、従業員が73名(2020年6月30日現在)と小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものになっております。当社は今後の事業拡大に応じて従業員の育成、人員の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、急激な社員増加に対応しきれない場合や、退職が続出するような場合には、事業計画が想定通り進捗せず、長期的な競争力の低下あるいは機会損失が発生し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の創業者であり、代表取締役社長である佐々木勉は、会社設立以来、経営方針や戦略の立案・実行、システム開発を推進し、会社を強いリーダーシップで牽引してきました。当社の保有する知的財産権のほとんどは同氏が手がけたものです。当社は各部門のリーダーに権限委譲し、安定的な経営体制を構築しておりますが、同氏に不測の事態が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当社役員及び従業員に対するインセンティブを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、当事業年度末現在におけるこれらの新株予約権による潜在株式数は172,200株であり、発行済株式総数5,011,350株の3.44%に相当しております。
当社は、成長過程にあるため、財務体質の強化に努めるとともに、優秀な人材を確保し、競争力を強化することが重要課題であると認識しております。その為、当面の間は、事業の効率化及び拡大を目的とした投資を優先する方針です。将来的には経営成績を勘案しながら、株主への利益還元を検討していく方針でありますが、現時点において、配当実施の可能性及びその時期は未定であります。
当社の発行済株式総数に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の当社株式の所有割合は、当事業年度末日現在26.61%であります。当社株式の株価推移によっては、ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部を売却する可能性が考えられ、その場合、株式市場における当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応策として、一般の株主の方向けの決算説明会(ビデオ)や機関投資家等との継続的な面談など、健全な株価形成のためのIR活動と、中長期的な視点での株主作りを行ってまいります。
当社は、単なる受託開発ではなく、自社で開発した技術をライセンス提供するというビジネスモデルを展開しており、その根幹を支える研究開発に多くの予算を投入していく予定であります。研究開発は、調査やレポートをもとに、利用者のニーズや競合他社の動向等を予測の上、方針を決定しておりますが、予測が大きく外れた場合や、研究開発に係る方針を転換しなければならない場合には、投下した資金を回収できず、また事業の展開が遅延することにより、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(17) 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大について
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等疾病の蔓延やその他天災等により、販売先が事業活動を縮小または休止、あるいはモバイル端末の生産と出荷が縮小される事態が発生した場合は、一時的に当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの対応策として、すべての従業員をテレワークによる勤務に切り替え、対面営業を原則控える等、安全衛生と業務効率を確保できるよう業務環境を整える等の対応を行っております。当社では従来から、より柔軟な働き方を実現するべく、クラウド等を活用した業務環境の整備を進めていたことから、テレワークに移行したことによる事業環境への影響は軽微であります。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大への対応等詳細につきましては、1.「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の(3) 経営環境と経営戦略、⑤ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響をご参照ください。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、現在の当事業年度末において判断したものであります。
当事業年度の経済環境は、前半は米中貿易摩擦の長期化や消費増税の影響などがありながら、国内では緩やかな景気回復基調で推移しましたが、後半は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大により、各国は感染拡大を断ち切るべく国を挙げて対策を実施しているものの、まだ収束には至っておらず、我が国においても2020年4月7日に日本政府による緊急事態宣言が発出され、移動の自粛要請に伴う企業活動の収縮など、経済に深刻な影響が発生しております。今後、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響は徐々に収束することが予想されますが、人々の生活が以前の状態に戻るまでには多くの月日を要することが見込まれており、いわゆる新しい生活様式を取り入れた生活に順応していくことが求められています。
このような市場環境の中、当社は2010年から提供を開始した、モバイル端末管理サービス「CLOMO MDM」及びモバイル端末向けアプリサービス「CLOMO SECURED APPs」を事業の主軸として、クラウドを利用したB to BのSaaS事業をサブスクリプションの形で提供しております。当事業年度は、組織力や体制強化を目的として、ソフトウェアエンジニアや管理系の人材を中心に人材採用を積極的に行ったほか、社内のソフトウェアエンジニアがより重要な機能開発等に注力できるよう、複数の外部企業に開発業務の一部であるソフトウェアの検証業務等の委託を進め、生産性の向上を図ってまいりました。
また、昨今の働き方改革や、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、企業におけるテレワークへの関心が高まっていることから、当社に対する問い合わせが増加しております。このような状況から、企業等でも、新しい生活様式に適合したインフラの構築や、働き方改革の動きが加速されると見込まれ、PCやスマートフォン等、モバイル端末の管理や活用を支援するという点で、CLOMO事業が大きく貢献できると考えております。
当事業年度は、そのような需要に応えるべく、特に携帯電話販売会社との販売面での協力関係を強化し、その結果、導入社数は2,526社(前事業年度末比31.6%増)に達しております。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による当社事業及び経営成績への影響については、主に中華人民共和国におけるスマートフォンの生産が縮小したことと、携帯電話販売会社が対面営業を自粛したことにより、感染拡大以前に見込まれていた受注の一部が延期される等影響はありましたが、元に戻りつつあり、当事業年度の経営成績や、当社が目標とする経営指標(CLOMOの導入社数の増加、ライセンス継続率)への影響は極めて軽微でありました。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高1,641,309千円(前期比17.3%増)、営業利益412,140千円(同64.3%増)、経常利益401,960千円(同62.5%増)、当期純利益318,042千円(同43.8%増)となりました。
なお、当社の事業はライセンス販売事業のみの単一事業であるため、セグメントごとの記載を省略しておりますが、サービス別の内訳は次のとおりであります。
CLOMO MDM 売上高 1,369,736千円
SECURED APPs 売上高 224,889千円
その他 売上高 46,684千円
(2) 財政状態の状況
当事業年度末における財政状態については次のとおりであります。
① 資産
総資産は1,336,489千円となり、前事業年度末に比べ253,367千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が214,974千円、ソフトウエアが92,632千円増加し、繰延税金資産が60,179千円減少したことによるものです。
② 負債
負債は631,970千円となり、前事業年度末に比べ64,674千円の減少となりました。これは主に、未払金が33,844千円増加し、1年内返済予定の長期借入金が40,224千円、長期借入金が40,152千円、役員退職慰労引当金が60,768千円減少したことによるものです。
③ 純資産
純資産は704,518千円となり、前事業年度末に比べ318,042千円の増加となりました。これは、当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は930,634千円となり、前事業年度末に比べ214,974千円の増加となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は435,866千円となり、前事業年度に比べ98,701千円の増加となりました。
主な内訳は、税引前当期純利益399,355千円及び減価償却費62,321千円であります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は133,953千円となり、前事業年度に比べ2,553千円の減少となりました。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出14,048千円、無形固定資産の取得による支出120,311千円であります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は86,937千円となり、前事業年度に比べ216,921千円の減少となりました。
主な内訳は、長期借入金の返済による支出80,376千円であります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載を省略しております。
② 受注実績
当社で行う事業は、受注から役務提供の開始までの期間が短く、受注状況には重要性がないため記載を省略しております。
③ 販売実績
当社のサービス別の当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当社の事業はライセンス販売事業の単一セグメントであるため、サービス別の販売実績を記載しております。
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5) 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りを行うにあたり、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。
なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による影響は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境と経営戦略 ⑤新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響」に記載のとおり、影響は軽微であります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a 繰延税金資産の回収可能性
当社は、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保でき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得の見積額が変動した場合、繰延税金資産が増額又は減額され、税金費用に影響を及ぼす可能性があります。
b 無形固定資産の減価償却の方法
自社利用ソフトウェアの償却については、社内における利用可能期間(5年以内)に基づく定額法によっております。当社製品の主要なバージョンアップ周期及び収益獲得の見込期間に基づいた利用可能期間(5年以内)により償却を行っております。
しかしながら、今後バージョンアップ周期及び収益獲得の見込期間に重要な変化が発生した場合には、利用可能期間の変更または減損損失を計上する可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績の状況」、「(2)財政状態の状況」、「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資本の財源及び資本の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。事業運営上必要な運転資金の需要のうち主なものは、当社サービスを安定的に運営し、また拡大していくための開発人員及び営業人員の人件費、研究開発に係る費用であります。
④ 目標とする経営指標
a CLOMOの導入社数
当事業年度末のCLOMOの導入社数は2,526社(前事業年度末比31.6%増)となりました。
主な原因は、株式会社NTTドコモを中心とした代理店によるライセンス販売が好調に推移したためです。
b ライセンス継続率
当事業年度のライセンス継続率は97.9%となりました。
主な原因は、カスタマーサクセス部門の様々な取り組みの成果が、顧客のロイヤルティ向上を後押ししたことと、Android Enterprise Recommended取得によりAndroid搭載モバイル端末を使用している顧客に対してCLOMOがAndroid搭載モバイル端末の管理に最適なモバイル端末管理サービスのひとつだという認知が広まったことと考えております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照下さい。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。
該当事項はありません。
当事業年度の研究開発活動として、翌期以降に新たなサービスを開発するための開発調査や、CLOMO事業の販売先の拡大を目的とした、追加機能開発を行うための開発調査を行いました。
当社の研究開発における社内体制としては、製品開発運用本部や情報システム戦略室に所属する、クラウドやEMM領域、生産性向上のためのシステム開発等に高い専門性を有するメンバーが活動しております。
これらの研究開発活動により、当事業年度における研究開発費は
なお、当社の事業はライセンス販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。