第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、「解き尽くす。未来を引きよせる。」というミッションのもと、テクノロジーを活かしながら既存のビジネスを柔軟に組み合わせ、新しいサービスを生み出すことで、新しい価値を提供し続けていくとともに、成果を積み重ねていくことの連鎖でより大きな課題に立ち向かい、未来を引きよせたいと考えております。

 このようなミッションのもと、データドリブンな事業開発の連鎖で多様な産業領域の変革を推進しております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、より高い成長性及び収益性を確保する視点から、売上高成長率及び営業利益率を重要な経営指標と捉えております。

 

(3)経営戦略等

(基本戦略)

 当社グループは、次の2つの活動に注力することを基本的な戦略としております。

① 事業発展による単価・収益性向上

 顧客企業のデータ資産を収集・統合を行った上で分析を行い、そのデータを利活用するサービスを複数提供することで、顧客企業の成果を最大化し、これによって単価を高め・収益性向上に努めます。また、この活動を通じて、データの利活用に関する専門的なノウハウの獲得・蓄積を進めます。

② 事業開発による顧客数増加

 前項を通じて得たノウハウを元に、バリューチェーンの非効率が取り残されやすい状態になっている、産業としての歴史が長い領域に対して、デジタル化やデータの利活用によって業務のデジタル置換を推進し、業界全体の生産性を高めつつユーザーへの提供価値の向上を進めております。X-Tech事業のサービス群はこのような取り組みに該当するものであります。またあわせて、次世代の収益の柱となる事業の育成をめざし、Data Platform事業等新たな事業領域の開拓・投資を行っております。

 

(当社グループの強み)

 当社グループの強みは、①事業開発全体へのデータの活用、②人材及び組織、③事業開発フローを強力にサポートする独自システム、であります。

① 事業開発全体へのデータの活用

 当社グループでは、事業の運営を通じて以下のようなデータ蓄積を行っております。

ⅰ.MarTech事業において、マーケティング関連プロジェクトを通じた、検索データやサイトのコンテンツに関するデータの蓄積

ⅱ.X-Tech事業において、不動産売買仲介・リフォーム契約の仲介を通じた、査定仲介データや見込み顧客データの蓄積

ⅲ.その他において、インドネシア共和国の求職サイトを通じた、サイトへのアクセスデータの蓄積

 

これらのデータを用いることで、施策成果の事前予測や自動最適化プログラムを構築し、マッチングアルゴリズムの精度向上等によって事業価値・生産性向上につなげるとともに、独自データを用いることで、新たな市場機会の発見にもつなげております。

 

② 人材及び組織

 当社グループでは、データドリブンな事業開発フローを実現するために、人材の増強、組織体制の充実に注力しております。バックオフィスを除く正社員のうち、約3分の1がプロダクト開発に関わる専門職種、約3分の1がデータ分析・利活用に関わる専門職種、約3分の1がビジネス系職種となっております。当社グループでは、データ分析と利活用、分析を元に得た知見や企画のプロダクト(サービス)化、そしてサービスを顧客に届ける活動までを一貫してバランスよく行うことが重要であると考えており、これらの比率の維持、及び各職種の専門性の深化に注力してまいります。

 

③ 事業開発フローを強力にサポートする独自システム

 事業間で共通の基盤をベースに、領域ごとの用途に特化させた独自システムを構築しており、これによって、顧客満足度をあげるとともに、オペレーションを最適化させることで工数負担の軽減を実現しております。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 優秀な人材の採用と育成・活用

 グローバル展開を含めた今後の成長を推進するにあたり、優秀で熱意のある人材を適時に採用することが重要な課題と認識しているため、採用の強化及び従業員が高いモチベーションをもって働ける環境や仕組みの整備・運用を進めてまいります。今後も優秀な人材の採用とさらなる育成に投資を行っていく方針であります。

 

② 高い専門性を有する人材の確保

 当社グループの継続的な事業拡大には、当社グループの経営理念に合致した志向性を持ち、かつビッグデータ解析のアルゴリズムを開発できる工学博士クラスの高い専門性を有する人材の確保と育成が重要であると認識しております。特にエンジニアやデータ・サイエンティストなどの採用においては、獲得競争が激化し、今後も人材確保には厳しい状況が続くものと予想されます。当社グループでは、採用方法の多様化をはじめ、教育や人材育成制度の確立などにより、人材の採用から定着に至るまでの体制準備を進めてまいります。

 

③ 技術革新への対応

 当社グループは、ビッグデータ解析技術を基盤として事業を展開しておりますが、新たなインターネット関連の技術革新やデータ分析技術の進歩に対してタイムリーに対応することが、今後の事業展開上重要な要素であると認識しております。そのために、Google LLCなどインターネット・サービス事業者の動向を把握し、その技術情報(動画広告技術やAI応用技術など)をいち早く入手すると同時に、それに対抗する独自の技術を開発することで、自社サービスの先進性やユニーク性を確保してまいります。

 

④ 内部管理体制の強化

 当社グループは、急速な事業環境の変化に適応し、継続的な成長を維持していくために、内部管理体制の強化が重要であると認識しております。このため、事業規模や成長ステージに合わせバックオフィス機能を拡充していくとともに、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、社外役員の登用、内部統制システムを活用した監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等を行ってまいります。

 

⑤ 情報セキュリティのリスク対応の強化

 当社グループは、ウィルスや不正な手段による外部からのシステムへの侵入、システムの障害及び役職員・パートナー事業者の過誤による損害を防止するために、引き続き優秀な技術者の確保や、職場環境の整備及び社内教育による情報セキュリティの強化を図ってまいります。

2【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針であります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅したものではありません。

 

(1)事業環境に関するリスク

① インターネット広告・関連市場について

 日本の総広告費は2019年には、8年連続で前年実績を上回り、前年比106.2%の6兆9,381億円となりました。このうちインターネット広告市場は、2019年において前年比119.7%の2兆1,048億円となり、広告市場全体の伸びを上回る成長が続きました(出典:株式会社電通「2019年 日本の広告費」)。

 このようにインターネット広告市場は拡大しておりますが、景気の動向や広告主の広告戦略の動向に左右されるため、当社グループにおける業績もこれらの要因に影響を受け、当社グループが想定しない業績の変動が生ずる可能性があります。
 また、インターネット広告市場が何らかの要因によって、市場成長が阻害されるような状況が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新について

 当社グループが属する複数の市場において、急速な技術変化に伴い、クライアントのニーズも著しく変化しております。当社グループではこれらに対応すべく新しい技術習得に対し人的・資本的投資を継続しておりますが、新たな技術やサービスへの対応が遅れた場合や、競合する他社において革新的な技術が開発された場合、当社グループの競争力が低下する要因となり、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 競合他社について

 当社グループは、MarTech事業及びX-Tech事業を主たる事業領域としておりますが、当該分野は歴史が浅く、参入企業が増加する傾向にあります。今後、当社グループのサービスが十分な差別化や機能向上等ができなかった場合や、さらなる新規参入により競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 法的規制について

 現在のところ当社グループの事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、インターネットを規制する国内の法律として「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「個人情報の保護に関する法律」等が存在しております。また、インターネット上のプライバシー保護の観点からクッキー(ウェブサイト閲覧者のコンピュータにインストールされ、ユーザーのウェブ閲覧履歴を監視するテキストファイル)に対する規制など、インターネット利用の普及に伴って法的規制の在り方等については検討が引き続き行われている状況にあります。

このため、今後、インターネット関連分野において新たな法令等の制定や、既存法令等の改正等により規制強化等がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 自然災害等の発生について

 当社グループでは、自然災害や大規模な事故に備え、Amazon Web Services等のクラウドサービスの利用、定期的なバックアップ及び稼働状況の監視によりシステムトラブルの事前防止又は回避に努めておりますが、当社グループの本社は東京都内にあり、当地域内における地震、津波等の大規模災害の発生や事故により本社及びデータセンターが被害を受けた場合、事業を円滑に運営できなくなる可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大による経済的影響について

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、当社グループではリモートワークを推奨し、柔軟に事業を継続できる体制の整備に努めておりますが、国内及び海外主要各国において終息に向かわず、拡大が長期間にわたり続いた場合は、深刻な経済的影響が生じ、広告市場の縮小や個人消費の冷え込みに繋がることが予想されます。今後、事態がさらに深刻化、長期化した場合には、当社グループの事業活動等に支障をきたす恐れがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業に関するリスク

① 海外展開について

 当社グループは、海外子会社であるPT.SPEEE RECRUITMENT NUSANTARAを通じてインドネシア共和国に進出し、現地の求職メディア運営事業を行っており、今後他国への事業展開に取り組むことを検討しております。

 海外事業展開を行っていく上で、各国の法令、制度・規制、政治・社会情勢、為替等をはじめとした潜在的リスクに対処できないこと等により、事業を推進していくことが困難となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 新規事業について

 当社グループは今後も引き続き、積極的に新サービスないしは新規事業に取り組んで参りますが、これによりシステムへの先行投資や、人件費等の追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、当初の予測とは異なる状況が発生し、新サービス、新規事業の展開が計画通りに進まない場合、減損損失の計上が必要になる等、投資を回収できなくなる可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 継続的な事業投資について

 当社グループは、継続的な成長のため、事業に対する投資を積極的に実施していくことが必要であると考え、今後も事業成長のための投資を進めていく方針であります。

 Data Platform事業については、ブロックチェーン技術自体が黎明期であるため、積極的に投資を強化しつつ協業や業務提携等についても検討を実施していく方針であります。

 しかしながら、投資期間が想定よりも長期に及ぶ場合や計画通りの収益が得られない場合等には、減損損失の計上が必要になる等、投資を回収できなくなる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ システムについて

 当社グループは、システムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を徹底しており、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できるような体制を整えております。

 しかしながら、システムへの一時的な過負荷や電力供給の停止、ソフトウエアの不具合、コンピュータウィルスや外部からの不正な手段によるコンピュータへの侵入、自然災害、事故など、当社グループの予測不可能な様々な要因によってシステムがダウンした場合、当社グループの信頼が失墜し取引停止等に至る場合や、当社グループに対する損害賠償請求等が発生する場合も想定され、このような場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 広告及びメディアに対する審査について

 当社グループでは広告主による広告(提供物・サービスそのものだけでなく広告宣伝の文言を含みます。)、メディア(広告媒体)について、法令に則ったものであり、公序良俗に反しないものであることが重要であると考えております。

 このため当社グループでは、ネイティブ広告配信サービスを提供する際に、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)等の法律の他、一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)が定める「インターネット広告倫理綱領及び掲載基準ガイドライン」、当社グループ独自のガイドライン等に則って審査をすることにより、法令や公序良俗に反する広告やメディアに掲載されているコンテンツを排除するよう管理をしております。しかしながら、当社グループが取り扱う広告や掲載メディアが法令や公序良俗に反し、速やかに改善がなされないなどの事態が頻繁に発生した場合には、当社グループの信用が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)会社組織に関するリスク

① 人材の確保及び育成について

 当社グループは、今後想定される事業拡大や新規事業の展開に伴い、継続した人材の確保が必要であると考えております。特に、新規事業を立ち上げ、拡大・成長させていくための事業開発力・マネジメント能力を有する人材や、システム技術分野のスキルを有する人材、及び高度な専門性を持つコーポレート人材の確保に努めるとともに、教育体制の整備を進め人材の定着と能力の底上げに努めております。

 しかしながら、当社グループの求める人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合や人材の流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び新規事業の拡大等に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 事業体制及び内部管理体制について

 当社グループは成長途上にあり、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、当社グループの事業体制及び内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。事業規模に適した事業体制及び内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは法令に基づき財務報告の適正性確保のために内部統制システムを構築し、運用しておりますが、内部統制システムの下で当社グループの財務報告に重大な欠陥が発見される可能性は否定できず、また、将来に渡って常に有効な内部統制システムを構築及び運用できる保証はありません。

 さらに、内部統制システムに本質的に内在する固有の限界があるため、今後、当社グループの財務報告に係る内部統制システムが有効に機能しなかった場合や財務報告に係る内部統制システムに重大な不備が発生した場合には、当社グループの財務報告の信頼性に影響が及ぶ可能性があります。

 

③ 個人情報の管理について

 当社グループが運営する各サービスにおいては、氏名、電話番号、メールアドレス等の利用者個人を特定できる情報を取得しております。これらの個人情報については、「個人情報保護方針」に基づき適切に管理するとともに、社内規程として「個人情報取扱規程」を定め、社内教育の徹底と管理体制の構築を行っております。

 当社グループは、利用者の個人情報の保護に最大限の注意を払い、適切な情報管理を行っておりますが、何らかの理由で利用者の個人情報が漏えいする可能性や不正アクセス等による情報の外部への漏えいやこれらに伴う悪用等の可能性は皆無とは言えず、そのような事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループが事業を運営する各領域における利用者の個人情報の保護に係る法規制に改正等があった場合にも、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 特定の人物への依存について

 当社グループの代表取締役大塚英樹及び当社創業者である取締役久田哲史は、経営戦略、事業戦略の決定及び新規事業開発において、重要な役割を果たしております。当社グループでは取締役会等において役員及び社員への情報共有や権限委譲を進めるなど組織体制の強化を図りながら、経営体制の整備を進めており、経営に対するリスクを最小限にすることを努めております。

 しかしながら、現状では両氏が当社グループの業務を継続することが困難となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)その他のリスク

① 投資に関するリスクについて

 当社グループでは、投資事業有限責任組合への出資を通してインターネット関連の企業に対して投資を実施しております。これらの投資は、それぞれの投資先企業と当社グループとの事業上のシナジー効果等を期待して実行しておりますが、投資先企業の今後の業績の如何によっては、これらの投資が回収できなくなること及び減損会計適用による評価損が発生することにより、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 税務上の繰越欠損金について

 当社グループは事業の選択と集中を図るため事業再編を行ってきたことから、当連結会計年度末には、当社グループに税務上の繰越欠損金が存在しております。しかしながら、当社グループの事業が当社の想定通りに推移した場合には、繰越欠損金が解消されることにより、法人税、住民税及び事業税の金額が増加することとなり、当期純損益及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 配当政策について

 当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けておりますが、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することが株主に対する最大の利益還元につながるものと考えております。

 このことから創業以来配当は実施しておらず、今後においても当面は内部留保の充実を図る方針であります。

 内部留保資金については、財務体質の強化と人員の拡充・育成をはじめとした収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に活用する方針であります。

 将来的には、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案した上で、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。

 

④ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

 当社グループでは、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、当社の役職員に対して新株予約権を付与しております。

 2020年9月30日現在における新株予約権による潜在株式数は780,000株であり、発行済株式総数9,901,900株の7.9%に相当いたします。

 これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、当社の株価に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当社グループは「解き尽くす。未来を引きよせる。」をミッションとし、分散したデータを活用可能な形に整理・統合することで価値に変換するデータインテリジェンス能力をもとに複数産業の課題解決に注力しております。

具体的にはデータの利活用によって企業のマーケティングを高度化することを目指すMarTech事業、デジタル化が進んでこなかった市場において生活者(消費者)と事業者を、デジタル化を通じて最適な形でマッチングすることを目指すX-Tech事業を運営しております。
 当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う緊急事態宣言発令による外出自粛により、新規顧客開拓に対して一時的な影響が生じた一方、ビジネスにおけるオンライン活用の重要性が増したことでデジタル化の加速が生じ、当社グループの事業機会が拡大しております。

この結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高9,347,734千円(前年同期比26.0%増)、営業利益777,786千円(前年同期比291.8%増)、経常利益674,814千円(前年同期比255.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益407,714千円(前年同期比1,765.7%増)となりました。

 

セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。また、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。

 

①MarTech事業

MarTech事業は、顧客企業のデータ資産を利活用し、マーケティング活動を高度化することを目指しており、「コンサルティングサービス」「プロダクト」の2形態からなるサービスを提供しております。「コンサルティングサービス」においては、国内企業におけるWebマーケティングの強化及びデータ活用意欲の高まりにより、案件獲得が堅調に推移しました。「プロダクト」においては、ネイティブアド配信プラットフォーム「UZOU」のアルゴリズム開発に注力し、広告主の広告効果最大化及び媒体社の満足度向上に向け取り組みました。

この結果、売上高は5,775,650千円(前年同期比61.8%増)、セグメント利益は1,667,928千円(前年同期比20.4%増)となりました。

 

②X-Tech事業

X-Tech事業は、デジタル化が進んでこなかった市場において、生活者(消費者)と事業者を、デジタル化を通じて最適な形でマッチングすることを目指しており、主に「イエウール」「ヌリカエ」が属しております。

営業活動が堅調であることに加え、MarTech事業で培ったWebアナリティクス技術を「イエウール」及び「ヌリカエ」に活用した結果、売上獲得に対する広告宣伝費の割合を低減させることにより、利益率の向上を達成しました。また今後の持続的な成長のため、「イエウール」「ヌリカエ」ともに、新規事業の展開へ向けて、ソフトウエア開発に関する投資を強化しております。

この結果、売上高は3,544,608千円(前年同期比41.3%増)、セグメント利益は745,551千円(前年同期比123.9%増)となりました。

 

③その他

その他には、「Data Platform事業」「海外事業」「ヘルスケア事業」が属しており、サービス拡販に向けて取り組む一方、引き続きサービス開発に注力しました。

この結果、売上高は27,476千円(前年同期比31.1%減)、セグメント損失は428,410千円(前年同期は453,932千円のセグメント損失)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は6,590,437千円となり、前連結会計年度末に比べ3,826,454千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が3,403,173千円、受取手形及び売掛金が383,642千円増加したことによるものであります。固定資産は745,813千円となり、前連結会計年度末に比べ223,209千円増加いたしました。これは主に、ソフトウエアが68,677千円、繰延税金資産が75,017千円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は、7,336,251千円となり、前連結会計年度末に比べ4,049,664千円増加いたしました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は2,445,170千円となり、前連結会計年度末に比べ928,802千円増加いたしました。これは主に、買掛金が132,076千円、短期借入金が300,000千円、1年内返済予定の長期借入金が106,682千円、未払金が122,104千円増加したことによるものであります。固定負債は893,608千円となり、前連結会計年度末に比べ42,131千円増加いたしました。これは、長期借入金が50,059千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は、3,338,778千円となり、前連結会計年度末に比べ970,933千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産は3,997,472千円となり、前連結会計年度末に比べ3,078,730千円増加いたしました。これは主に、資本金が1,333,017千円、資本剰余金が1,333,017千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が407,714千円増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は54.5%(前連結会計年度末は27.9%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は4,979,609千円となり、前連結会計年度末に比べ3,403,173千円増加いたしました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、638,293千円(前年同期は192,148円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益630,663千円の計上によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、323,955千円(前年同期は152,238千円の使用)となりました。これは主に、敷金及び保証金の差入による支出226,961千円、無形固定資産の取得による支出89,991千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は、3,089,993千円(前年同期は54,212千円の獲得)となりました。これは主に、株式の発行による収入2,653,923千円、長期借入れによる収入650,000千円、短期借入れによる収入300,000千円、長期借入金の返済による支出493,259千円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績及び受注実績

 当社グループはインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また、受注生産形態をとらない事業も多いため、生産実績及び受注実績の記載を省略しております。

 

b.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自2019年10月1日

至2020年9月30日)

前年同期比(%)

MarTech事業(千円)

5,775,650

118.6

X-Tech事業(千円)

3,544,608

141.3

その他(千円)

27,476

68.9

合計(千円)

9,347,734

126.0

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 また、連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

 a.繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変動が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 b.固定資産の減損

 当社グループは、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、使用価値等の前提条件に基づき算出しております。従って、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、減損処理を行う可能性があります。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.売上高

 当連結会計年度における売上高は、9,347,734千円(前年同期比26.0%増)となりました。これはMarTech事業では取引社数等の増加により売上高が伸長し、X-Tech事業では加盟社数及び利用者数の増加に伴い売上高が伸長したことによるものであります。

b.売上原価

 当連結会計年度における売上原価は、4,255,861千円(前年同期比17.7%増)となりました。これは主にMarTech事業による広告配信量の増加に伴う配信原価増加によるものであります。

c.販売費及び一般管理費、営業利益

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、4,314,086千円(前年同期比19.6%増)となりました。これは主に人件費及び広告宣伝費の増加によるものであり、この結果、営業利益は777,786千円(前年同期比291.8%増)となりました。

d.営業外収益、営業外費用、経常利益

 当連結会計年度における営業外収益は3,263千円となりました。これは主に助成金収入によるものであります。一方で、営業外費用は106,236千円となりました。これは主に貸倒引当金繰入額、為替差損、上場関連費用、株式交付費によるものであります。この結果、経常利益は674,814千円(前年同期比255.2%増)となりました。

e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度において、減損損失44,150千円の計上があったため、税金等調整前当期純利益は630,663千円(前年同期比194.2%増)となりました。法人税等合計222,949千円の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は407,714千円(前年同期比1,765.7%増)となりました。

 

③キャッシュ・フローの分析

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

④資本の財源及び資金の流動性について

当社グループは、中長期的に持続的な成長を図るため、従業員等の採用にかかる費用、人件費及び広告宣伝費等の販売費及び一般管理費等の営業費用への資金需要があります。

当社グループの運転資金及び設備資金等の財源については、自己資金及び金融機関からの借入により賄っております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、4,979,609千円であり、充分な流動性を確保しております。

 

⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

具体的な指標として、売上高成長率、営業利益率を高い水準で確保していくことを目標としております。

当連結会計年度を含む、直近2連結会計年度の指標の推移は以下のとおりであります。

(単位:%)

 

2019年9月期

2020年9月期

売上高成長率

103.6

126.0

営業利益率

2.7

8.3

 

⑥経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「2 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑦経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。