当社グループの本書提出日現在における「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」は以下のとおりです。また、本文中における将来に関する事項は、提出日現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであります。
何を期待され、何をなすべきか、考え行動し、お客様と社会に貢献する。
● 高い専門性を発揮し、率先励行を心掛けお客様の価値創造をご支援します
● 市場を開拓・創造する強い意志と誠実かつ公明正大な事業展開により、社会の進歩発展に貢献します
この経営理念に基づき、国内の対面決済市場において率先励行を心掛けキャッシュレス化を牽引する事業者として、安心安全かつ利便性の高い決済インフラを構築・提供し事業展開をすることでお客様と社会に貢献いたします。
やがて、世界に新しい価値を示す会社へと成長することを目指してまいります。
当社グループの目標とする経営指標は、GMV(決済処理金額)及び営業利益成長率になります。当社グループは、これら経営指標の拡大を通じ、対面キャッシュレス決済インフラを担う企業として、より安全で便利な決済インフラを提供し、日本のキャッシュレス決済比率向上に貢献してまいります。
また、当社グループは、持続的な企業価値向上に向けて、資本コストを上回る資本効率(ROE、ROIC等)の維持・向上を重要な経営指標の一つとしております。
当社グループのビジネスが立脚する対面キャッシュレス決済市場においては、キャッシュレス化の拡大や、キャッシュレス決済におけるセキュリティの強化が国家レベルの課題(注1)となり、政治・行政・業界団体が一体となって、具体的対処の期限を定めて推進されております。
また、政府は、2025年6月までにキャッシュレス決済比率を倍増し4割程度とすることを目指すとの目標を掲げており、2024年のキャッシュレス決済比率は42.8%と、当該政府目標は前倒しで達成されています(注2)。さらに、将来的には世界最高水準の80%を目指す方針が示されています(注3)。
このような環境の中、セキュリティの強化を最重要課題として捉え、人的・物理的な情報管理体制を構築・運用しております。その上で、テクノロジーの進化や競争環境の変化に対応するべく、決済アプリケーション開発や決済センター機能開発のための技術力の向上並びに更なるお客様満足度の向上を追求したサービスの拡充に努めてまいります。
(注) 1.2023年 クレジット取引セキュリティ対策協議会
「クレジットカード・セキュリティーガイドライン4.0版」
2.2019年 内閣官房「成長戦略フォローアップ」(2019年6月21日閣議決定)、
2024年 経済産業省「2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました」
3.2023年 経済産業省「キャッシュレス決済の普及に向けた取組について」
当社グループの決済端末は、1台の決済端末にクレジットカード決済や電子マネー決済、QRコード決済、Visa、Mastercard、JCB等のブランドが推奨する非接触決済、プリンター機能などを搭載しております。さらに、訪日外国人の決済ニーズに対応するため、銀聯、Alipay、WeChatPay、免税機能などのアプリケーションを搭載し、オールインワン端末として展開しております。また、従来の決済端末OS専用アプリケーションに加え、これまで培った経験を活かし、大手クレジットカード会社、国内メーカー、海外FinTech企業との共同事業として、より利便性の高いAndroid OSやiPhone(iOS)上に決済アプリケーションを開発し次世代マルチ決済端末として展開してまいります。
当社グループは、ポイントサービス事業者やプリペイドカードサービス事業者など、加盟店開拓とサービス提供をコアビジネスとする複数企業との提携を進めております。クレジットカード決済機能や電子マネー決済機能だけでなくポイントカードやプリペイドカード、QRコード決済機能も搭載し、決済端末としての付加価値を高めるとともに、これらサービス事業者の加盟店開拓力による決済端末の設置拡大を進めております。
また、金融機関がアクワイアリング事業者(注1)としてビジネス展開される中で、当社グループの決済端末アプリケーションを採用いただき、独自QRコード決済、ウォレット決済アプリケーションを提供するなど、金融機関とのアライアンスによる加盟店開拓についても拡大してまいります。
(注) 1.国際ブランドからライセンスを取得し、クレジットカード等を受付ける加盟店の開拓、審査、管理を行う事業者
対面キャッシュレス決済市場において、安心・安全な決済インフラを提供すべく、決済端末と決済情報処理センターを結ぶネットワークセキュリティを強化することで、大手加盟店のPOS機能との連携をセキュアな環境で提供するなど、加盟店ニーズに対応した機能の拡充に加え、インバウンド需要の獲得を目指しモビリティ領域における決済センター機能を拡充し、実証実験の実施やサービスの構築に取組んでまいります。
また、大手加盟店向けの取引照会機能の拡充や、売上管理、販促データなど加盟店向け販促機能に加え、GMOインターネットグループが提供するEC決済事業と融合し、O2O(注1)やオムニチャネル展開(注2)に寄与する決済データ還元(取引照会WEBサービス)を拡充してまいります。
(注) 1.on-line to off-lineの略で、ネット決済からリアル店舗決済へ、又はその逆
2.Web、TV通販、ダイレクトメールやリアル店舗など複数のチャネルからのお客様へのアプローチのこと
2017年9月期より無人販売機領域で新たなキャッシュレス決済サービスとしてIoTサービスの提供を開始しております。IoTサービスは、当社グループの組込型端末の競争力を武器に、関連事業者とアライアンスを組んで下記2点のサービスを展開しております。
a.現金決済が主流であった無人販売機領域にキャッシュレス決済に代表されるクレジットカード決済、電子マネー決済、QRコード決済、ポイント決済、社員証決済、学生証決済、などを1台の決済端末で実現するサービス
b.業務データ(商品別売上・在庫データ並びに社員証決済における購入者データ)と決済データ(決済種別及び決済金額・利用時間帯等)を融合し配信するデータ還元サービス
上記IoTサービスについては、ホテル、アミューズメント施設の精算機、大手小売業のセルフレジ、コインパーキングの自動精算機へ展開しております。
無人販売機又はセルフレジなどにおける顧客操作型決済サービスは、昨今の要員の採用難により省人化の需要が見込まれており、クレジットカード業界においては開拓余地の大きい市場であります。対象機器として、セルフレジ、飲料自動販売機、コインランドリー、レンタル自転車、オフィススペース設置のコンビニ商品自動販売機、コーヒーマシン、駐車場など多岐にわたります。これらの無人販売機領域には継続的な商品補充・材料補充などが必須のため、IoT化による売上データ把握をベースにした効率的な商品補充ニーズが高まると考えております。
加盟店数とGMV(決済処理金額)の拡大による成長曲線を計画する中で、早払いサービスを提供しております。今後においては、当社グループとGMOインターネットグループの金融事業におけるシナジーと、関連事業者との業務提携を通じて加盟店へのレンディング、ファクタリングなどマネーサービスの拡充を検討しております。これにより、加盟店のキャッシュ・フロー改善と更なる売上向上に寄与しwin-winの関係性を強化してまいります。
当社グループでは、出資等をはじめとする各種有価証券や事業の取得を仲間づくりと表現しております。上記の戦略を推進するため、当社グループと事業上の協業が見込める有望企業、あるいはその可能性が高い企業等との資本提携や出資等により、事業上の戦略優位性の獲得を目指してまいります。
当社グループは、決済処理サービスにおいてクレジットカード情報を取り扱うため、クレジット業界特化のPCISSC(Payment Card Industry Security Standards Council)というグローバル規模の業界団体が定めたセキュリティ基準PCIDSSに準拠し、認定を受けています。この認定は、毎年更新が求められ、QSA(Qualified Security Accessor)というPCISSCが認めた専門機関によって、サーバー設置場所でのセキュリティ・レベルの確認と外部からのネットを介した攻撃対応力がチェックされます。
また、当社グループでは、一般財団法人日本情報経済社会推進協会の「プライバシーマーク」を2014年4月に取得し、その後定期的に更新することで個人情報の保護に努めています。
加えて、リスク管理委員会を定期的に開催し、セキュリティに関する課題、リスク認識、対応策、その進捗について経営幹部が情報共有し、経営の重要テーマと認識し意思決定を行っています。
当社グループの対面決済サービス事業分野には、クレジットカード、デビットカード、銀聯カード、電子マネー、ポイントカード、QRコード、社員証、学生証など、様々な決済手段が存在します。また、決済端末についても有人店舗に設置されるほか、自動精算機、自動販売機、券売機、オフィス内コンビニ、コーヒーマシンなど、様々なカテゴリーの機器に組込まれて設置されています。当社グループが今後も持続的に成長するためには、新たな決済手段に対応して、新たな販売形態にいち早く進出することが重要な課題であると認識しております。
利用者と加盟店が安心・安全な環境で決済を実行するためには、決済システムが安定的に稼働しており、問題が発生した場合には適時に解決される必要があります。当社グループは、業容を拡大しながらも決済システムを安定的に稼働させるために必要な投資や人材育成を行うことが重要な課題であると認識しております。
決済処理サービス分野には、クレジットカード会社、金融機関、決済端末の取扱企業、決済端末を設置する加盟店、電子マネー決済事業者、通信会社、ポイント決済事業者、QRコード決済事業者、プリペイド・ウォレット決済事業者など様々な関連事業者が存在しております。当社グループが今後も持続的な成長を達成するためには、様々な関連事業者とアライアンスを推進し、効率的な加盟店獲得やサービスレベルの向上を図っていくとともに、サービスラインナップの拡充や収益機会の拡大を狙った積極的なM&Aや投資活動が重要な課題であると認識しております。
当社グループは現在、成長途上にあり、今後もより一層の事業拡大を見込んでおります。そのため、人材の採用と育成を継続的に行う必要があるとともに、事業規模の拡大に合わせて事務処理能力の充実、業務運営の効率化、加盟店管理体制の強化といった組織体制を整備し充実させること及びコーポレート・ガバナンスにおいてリスク管理体制、コンプライアンス遵守体制といった内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。当社は本項目において「企業は人なり」の考え方に基づき、従業員を「人財」と表現しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
当社はGMOインターネットグループで共有する「GMOイズム(注1)」のもと、「決済に変革 社会を変えるNo.1キャッシュレスプラットフォーマーへ」というコーポレート・ミッションを掲げ、対面決済市場におけるキャッシュレス化推進を通じ、環境負荷の低い社会の実現、労働人口減少への対応、地域社会の活性化、消費者の多様な決済スタイルの創造等、社会課題の解決に対する継続的な貢献と当社の企業価値向上の両立を目指します。
(注) 1.GMOイズムとは、GMOインターネットグループにおける不変の目標である「スピリットベンチャー宣言」、「55ヵ年計画」のほか、「幹部の心得」、「勝利の法則」を表現した社是・社訓の総称
SASBスタンダード(注1)、GRIスタンダード(注2)、SDGs等の国際的な指標を参照しつつ、当社事業との関連性の高い社会課題を抽出いたしました。ステークホルダーと当社事業の両視点から重要性を評価し、社外役員を含めた経営陣による議論を経て取締役会決議を行い、マテリアリティ(重要課題)を特定いたしました。
(注) 1.サステナビリティ会計基準審議会(Sustainability Accounting Standards Board)が2018年に公開した非財務情報公開の標準化に向けた基準
2.Global Reporting Initiativeにより定められた国際基準。組織が経済、環境、社会に与える影響を一般に報告する際に用いられる
GMOフィナンシャルゲートにおけるマテリアリティ(重要課題)

当社は、増加するステークホルダーの期待に応えるために、経営の透明性と健全性を高めるべくコーポレート・ガバナンスコードに沿った体制構築を推進しており、独立社外取締役の補強に加え、リスク管理体制強化に資する任意の特別委員会等の設置を通じ、公明正大なガバナンス体制の構築に取組みます。また、サステナビリティ関連のリスク及び機会に対するガバナンスの一環としてISO14001を参考にした環境マネジメントシステム(Environment Management System 以下、EMS)を導入し、環境方針・目標・KPIを設定の上、EMS事務局である経営企画部が全社の実行・評価を担っています。気候関連の統括責任者は取締役(コーポレートサポート本部本部長)であり、取締役会に半期ごとに直接報告し、取締役会はこれに基づき気候関連課題の進捗と経営戦略・目標との整合性をモニタリングしております。あわせて、社内表彰等の短期インセンティブにより、気候変動対応に資する取り組みを評価します。
当社は、安心・安全な対面キャッシュレス決済インフラを安定的に提供するには、それを支える優秀な人財が必要不可欠と考えております。GMOインターネットグループの一員として行動指針とする「スピリットベンチャー宣言」では、「人種・国籍・性別・学歴・言葉・宗教、すべての差別を排除する。実力本位。」を掲げ、高い専門性を有した多様な人財を迎え入れることでダイバーシティを推進し、多様な人財が即戦力として活躍できるよう、各種社内制度と研修制度を整備し、機会均等の実現とインクルーシブな企業運営の実現に努めてまいります。成長の源泉であるパートナー一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境作りを目指し、360度評価や上長との継続的な1on1を通じたオープンなフィードバック文化の醸成、管理職研修やリーダー研修など各階層に応じた研修やスキルアップ・リスキリングを企図した外部のeラーニングを導入、ストレスチェックやエンゲージメント調査などの第三者の知見を活用したリスクの発見とその解決を行っております。
当社は、キャッシュレス決済の普及に伴い社会インフラとなったキャッシュレスプラットフォームを安定的に運営するとともに、セキュリティ面にも配慮した事業運営、高い専門性と安心・安全な対面決済インフラを提供しております。消費者・加盟店双方における犯罪リスクなどの安全面、効率性や管理コストの業務面、現金決済対比で環境負荷低減が図れる環境面などにおいて大きな安心と高い利便性を提供してまいります。また、EMSではコーポレートサポート本部本部長を責任者、経営企画部を事務局として環境に関するリスク及び機会を識別し評価及び管理を行い、取締役会がその取組みをモニタリングしております。
当社は、「③戦略」において記載したダイバーシティの推進や機会均等、インクルーシブな企業運営の実現に向けて、以下に掲げる指標のモニタリングと評価を行い、課題が確認された場合は適宜対策を講じております。当社は、多様で優秀な人財が企業価値の源泉と考えており、継続的な人財の確保と育成投資に取組んでおります。今後においても、各指標の継続的な改善を目指し、人的資本の充実を図ります。具体的には、パートナー全員が自分自身の中期的なキャリアについて考え、配属・異動・ジョブローテーションの希望を年に一度申請できる「キャリアデザイン制度」の整備をしております。また、結婚・育児など各ライフステージに応じた資金給付や、産休・育休取得の促進や育児短時間勤務体制の奨励等、長期的なキャリア形成を創出できる環境を作るなど、積極的な女性の管理職登用や女性労働者の平均勤続年数の伸長等を目指す取組みが評価され、「えるぼし認定(2つ星)」を取得いたしました。男性育児休業取得率については2024年9月期以降100%となっており、引き続き育児への参画を啓蒙し、高い取得率を継続していきたいと考えております。
(注) 1.提出会社(単体)の指標を記載しております。
当社は、サステナビリティ関連のリスク及び機会に対するガバナンスの一環としてISO 14001を参考とした環境マネジメントシステム(Environment Management System 以下、EMS)を導入し、環境方針・目標・KPIを設定の上、EMS事務局である経営企画部が全社の実行・評価を担っています。気候関連の統括責任者は取締役(コーポレートサポート本部本部長)であり、取締役会に半期ごとに直接報告し、取締役会はこれに基づき気候関連課題の進捗と経営戦略・目標との整合性をモニタリングしております。
当社は、対面キャッシュレス決済プラットフォーム領域を展開して、現金や紙の使用を削減するキャッシュレス化の推進のもと、券売機・受付機等の無人決済ソリューションの展開を通じて、社会全体の環境負荷低減に寄与しています。また、自社オフィス及び決済データを処理するデータセンターの使用電力に実質的に再生可能エネルギーを導入するとともに、サプライヤーエンゲージメント(取引先パートナー企業との協働)を推進し、事業活動及びバリューチェーン全体の温室効果ガス(Greenhouse Gas以下、GHG)排出量削減に取組んでいます。
これらの取組みを国際的な科学的基準に基づき推進するため、2025年8月にSBTイニシアチブより、短期目標の「1.5℃目標」及び長期目標の「ネットゼロ」について公式認定を取得しました。SBT認定を踏まえ、当社は自社の脱炭素化のみならず、端末を起点とした顧客企業のGHG削減にも貢献する戦略を加速しています。さらに、サステナビリティ関連のリスク及び機会に対するガバナンス強化のため、EMSを導入し、取締役会が定期的に取組状況の報告を受け、モニタリングを実施しています。
当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース, Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言が推奨するシナリオ分析手法を活用し、将来の気候変動が当社事業に及ぼし得るリスク及び機会の特定を行っています。IPCC及びIEAが公表するシナリオを参考に、当社を取り巻く自然環境及び社会環境の変化を想定した気候変動シナリオを設定し、それに基づいて影響を分析しています。
当社のシナリオ分析は、1.5℃=移行リスク中心(IEA NZE等)、4℃=物理リスク中心(IPCC RCP8.5/SSP5-8.5等)を参照にして、定性・定量の両面で評価しております。対象範囲は組織全体、時間軸は主に2030年・2050年で、再生可能エネルギー調達と端末ライフサイクル起点の排出削減(サプライヤー協働・LCA活用)を主要な示唆として整理しています。
(1.5℃シナリオ)
・デジタルインフラ及び金融サービス業界における規制強化・カーボンプライシング導入・情報開示義務が拡大し、決済プラットフォーム事業者にも高水準の脱炭素対応の要請
・再生可能エネルギー比率の上昇と電力価格の変動により、データセンター等のエネルギーマネジメントの効率化や再エネ導入が競争優位性を左右する局面
・顧客企業の脱炭素経営ニーズが高まり、サプライヤーと協働した端末ライフサイクル排出の可視化・削減が加速し、環境配慮型の決済端末・クラウド・データ管理サービス需要の拡大
(4℃シナリオ)
・猛暑・豪雨・洪水等の気象災害が常態化し、加盟店の店舗や端末設置環境へのダメージ、通信障害リスク、データセンター運用の処理能力の低下・停止リスクの増大。冷房需要の急増に伴う電力制限の可能性も想定され、サービス継続性への影響が拡大
・気温上昇や感染症拡大により対面店舗型ビジネスが縮小し、非接触・無人化対応への急速な転換
・海外製端末部品の調達停滞等によるサプライチェーン毀損、供給リスク・物流コスト上昇及び端末更新サイクル遅延の懸念
③気候変動に関するリスク管理
当社は、キャッシュレス決済の普及に伴い社会インフラとなったキャッシュレスプラットフォームを安定的に運営するとともに、消費者・加盟店双方における現金決済対比で環境負荷低減が図れる環境面などにおいて大きな安心と高い利便性を提供してまいります。前掲のガバナンス体制の下、環境に関するリスク・機会を識別し評価・管理を行い、リスク管理委員会において「発生頻度×影響度」で定量評価し、全社リスクマネジメントにも組み込んでおります。重大性が一定基準を超える項目は優先施策として設定し、その進捗を取締役会がモニタリングいたします。加えて、KPIはEMSの年次計画に組み込み、年複数回レビューを実施し、必要に応じて施策の優先度や資源配分を見直すことで、リスク低減と機会の最大化を継続的に取組んでおります。
気候変動に関するリスクと機会
当社は、持続可能な社会の実現に貢献すべく、GHG排出量削減に向けた取組みを推進しており、2023年9月期までに自社オペレーションにおけるGHG排出量(Scope1及びScope2)の実質ゼロを達成しました。今後もScope1及びScope2の実質ゼロ状態を維持、継続する計画です。直近期の温室効果ガス排出量(2024年9月期)は、Scope1:0t-CO₂、Scope2(マーケット基準):0t-CO₂、Scope3:17,616t-CO₂です。Scope3の主構成は、カテゴリ1(購入した製品・サービス)13,384t-CO₂、カテゴリ11(販売製品の使用)3,514t-CO₂となります。また、Scope1〜3の排出データについては、ISO 14064-3に準拠した第三者保証を年1回取得しており、開示の信頼性向上に努めています。
また、サプライチェーン由来のGHG排出量(Scope3)については、2030年9月期までに決済端末新規稼動1台当たりのGHG排出量(カテゴリ1及びカテゴリ11)を2021年9月期比で55%削減する目標を掲げており、このScope3削減目標値は親会社であるGMOペイメントゲートウェイ株式会社と同一水準で設定しています。本目標は、パリ協定が掲げる「1.5℃目標」と整合した水準です。なお、当社も2025年8月に、SBTイニシアチブより、当該短期目標の「1.5℃目標」認定及び2050年ネットゼロに向けた長期目標の「ネットゼロ認定」を取得しています。
(単位:t-CO2)
(注) 1.Scope1:企業が自ら排出するGHG排出量
Scope2:購入した電力・熱等の間接的なGHG排出量
2.2023年9月期及び2024年9月期の実績は、GHG排出量の報告内容に対する信頼性確保のため、第三者保証を受けております。
事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項につきましても、投資者の投資判断上重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、本文中における将来に関する事項は、提出日現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが合理的であると判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合は迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
■リスクの目安
当社グループの事業は、対面決済、すなわち消費者が商品やサービスの提供を受ける現場において、対価をキャッシュレスで支払う行為を対象としているため、各種店舗や施設、イベント会場等に向けた決済端末の販売を行っております。決済端末を設置する加盟店は多種多様に及び、リスクの分散が図られていると考えておりますが、景気悪化のほか紛争・事件・事故・災害・異常気象・感染症のまん延等の要因により、大規模な店舗や施設の開発計画が変更になり、また大規模イベントが中止になるなど、大口の販売計画を見直す必要が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、対面キャッシュレス決済市場においては、加盟店の投資抑制や、端末を介さない決済手段・マーケティング手法の普及等により、決済端末そのものの導入・更新需要が想定よりも伸びない、又は減少する可能性があります。このような場合、イニシャル売上の伸長が想定を下回り、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、決済代行サービスは、経済環境の変化及び雇用情勢の悪化に起因する個人消費の低迷に影響を受けます。消費税増税、所得税率や固定資産税等の引上げ及び社会保険料の負担増等のほか、上記の経済環境悪化要因によって、個人の消費に対する抑制心理が働いた場合、クレジットカード決済等の取扱高減少により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、このような場合でも影響を最小限にすべく、販売計画の進捗管理を徹底し、代替案を含む新規の案件積上げに注力するとともに、決済処理件数やGMV(決済処理金額)に連動したリカーリング型売上の拡大により収益基盤の安定化を図っております。
近年、キャッシュレス決済市場においては、各国際ブランドのクレジットカード決済にとどまらず、多様な決済手段(デビット、各種電子マネー、各種ポイントカード、銀聯)に加え、スマートフォン等を用いたコード決済や非接触型決済など新たな決済手段が登場しております。さらに、訪日外国人のニーズに対応した新たな決済手段(Apple Pay、QRコード決済)、中国系決済手段(AliPay、WeChatPay)も普及しており、キャッシュレス決済を巡る競争環境は一層激化しています。
競争の激化に伴い、当社の施策が想定どおりに奏功しない場合に加え、加盟店向けの手数料率やスプレッド水準に対する競争圧力が強まった場合には、収益を確保できず、優良取引先との取引状況に変化を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、このような状況の中、お客様のニーズに合致した端末やサービスの開発・提供等を通じて、日常生活領域を含む多様な業種・業態の加盟店に対して価値を提供し、競合会社との差別化を実現し、成長性と収益性を確保する方針です。
提出日現在において、当社グループが国内において対面決済サービス事業を行うにあたり、専用の業法ライセンス等による直接的な規制は受けておりませんが、会社法をはじめとする会社経営に関わる一般的な法令諸規制や個人情報保護法の適用を受けております。決済代行サービスにおいては、2018年6月1日に「割賦販売法の一部を改正する法律」(「改正割賦販売法」)が施行され、本改正に伴う加盟店に対する管理等が強化されました。現状、本改正が当社グループの業績に直接影響を及ぼすものではありませんが、同法がさらに改正され加盟店管理に対する更なる強化が実施された場合、その内容によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社の重要な契約の締結先であるクレジットカード会社は、犯罪収益移転防止法の適用を受けており、当社の加盟店の中には特定商取引法の適用を受ける先があります。これらの法律の適用を受ける当社グループの取引先が法令に違反した場合や行政の指示・指導により事業に制約を受けた場合、当社グループが取扱う決済処理件数やGMV(決済処理金額)の変動等を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。今後クレジットカード業界に関する規制、及び当社グループのお客様である加盟店の事業に関連する規制等の制定により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、現時点の法規制等に従って業務を遂行しており、また、弁護士や外部諸団体を通じて新たな法規制及び加盟店を含めた取引関係先の法規制改正の情報を直ちに入手できる体制を整えております。
④ 感染症の蔓延について(影響レベル:中、顕在化可能性:低)
新型コロナウイルス感染症の流行時には、海外において都市封鎖や経済活動の停止、国内において営業自粛要請や移動自粛要請が行われるなど、国民経済に大きな影響を及ぼす事態が発生しました。このような感染症の蔓延に伴う行動制限や経済活動の停滞は、前述「①経済環境の変化等について」及び後述「(2)①決済端末の調達、販売について」に記載のとおり、端末販売においてはメーカーにおける生産体制の変化や加盟店における店舗開発計画の変更を通じて、また手数料収入においては決済処理件数やGMV(決済処理金額)の減少を通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
今後も新型コロナウイルス感染症を含む新たな感染症の流行再拡大や感染防止対策の長期化により、メーカーや加盟店の稼働状況や個人消費の動向に及ぼす影響が増大した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
こうした状況に対し、当社グループでは先々の端末需要を勘案した安全在庫の確保や、多業種加盟店の確保による特定業種への依存度低減等を通じて、当社グループ業績への影響を最小化すべく対応しております。また、対人接触機会を減少させる自動精算機等の無人決済機については、感染拡大防止策として需要の増加も期待できると考えております。
経済安全保障(注1)、地政学的リスク(注2)の顕在化、自然災害や感染症等の要因によりメーカーにおいて決済端末の生産体制に支障を来たすような事態が発生した場合のほか、当該メーカーの事業撤退、又は他社に買収され、これまでの事業戦略が見直しされるなど予期せぬ事象が発生した場合は、決済端末の調達が困難になり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、国内及び海外双方のメーカーに対して、品質・セキュリティの観点で精査・管理を行った上で端末を仕入れており、複数のメーカーと調達契約を締結することで、購買ルートの分散を図っております。
(注) 1.経済上の措置を講じ、国の平和と安全や経済的な繁栄等の国益を確保すること。
2.国際情勢の複雑化、社会構造の変化等に伴う企業の経済活動を害するリスク。
当社グループは、実際に端末を利用する加盟店に対して直接営業活動を行う場合もあるものの、主にはアクワイアリング事業者や代理店等のパートナーを通じて加盟店開拓を行っております。従って、当社グループの加盟店開拓はこれらパートナーの加盟店開拓力や営業戦略に一定程度依存しております。そのため、アクワイアリング事業者や代理店等における加盟店獲得活動に遅れ等が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、アクワイアリング事業者や代理店等のパートナーと日頃から密に連携し、加盟店の動向や市場環境を把握した上で、加盟店の多様なニーズに応じた端末・サービスを柔軟に提供しております。このように、パートナー各社との長期的な信頼関係の維持・向上を図るとともに、日常生活領域をはじめとした各業種・業態に応じたソリューション提案を通じて、加盟店開拓を進めてまいります。
当社グループの事業は、コンピュータシステムに高度に依存しており、各種データ処理等を行うデータセンターは、システム事業者に業務委託しております。そのデータセンターは、耐震・防災設備を施され、入出館管理でのセキュリティ対策も実施されております。また、システムは、フォルトトレラントと呼ばれる無停止システムを採用するとともに、バックアップ・データを確保して、適宜復元テストを行っております。定期的にマネジメントレベルでの会議を開催して、課題を共有して、運用の安全性を確保しております。しかしながら、想定を超えた災害等が発生した場合又は悪意のある攻撃を受けた場合には、システムに重大な支障が生じる可能性があり、システムの信頼性低下や、決済業務への支障を招く可能性があります。また、不正な手段を用いて決済が成立してしまう等の事象が発生した場合、加盟店やクレジットカード会社等から補償を求められる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではこのようなリスクへ対応するため、保全策を講じるとともに、不正を検知した場合には速やかに対応を行い、必要に応じて遠隔で端末に対して修正を行う事も可能な体制を取っております。
三井住友カード株式会社が、GMOペイメントゲートウェイ株式会社、ビザ・ワールドワイド・ジャパン株式会社及び当社と協働し、決済プラットフォーム「stera」を構築して積極的な営業展開を行ってきた結果、三井住友カード株式会社の売上は当期売上の39.4%を占めております。万が一、同社との協働体制に変化があった場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、三井住友カード株式会社との協働体制を維持・強化するとともに、その他のアクワイアリング事業者や代理店等との取引拡大を通じて取引先の分散を図っております。多様なパートナーとの長期的な信頼関係の維持・向上により、特定の取引先への依存度の低減と安定的な収益基盤の確保に努めてまいります。
大規模災害やテロ活動等が発生した場合には、当社グループの事業運営又は事業継続に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、災害やテロ活動等の発生を想定し、顧客及び社会に対する責務を最大限円滑に遂行するため、業務継続体制に関連する規程及び業務継続計画(BCP)を制定し、教育・訓練を実施しております。
当社グループは、クレジットカード決済において株式会社エヌ・ティ・ティ・データが運営するCAFIS、株式会社日本カードネットワークが運営するCARDNET、及び国際ブランドのVisaが提供するVisaNetを利用することにより、決済処理サービスを提供しています。万が一、これらのネットワークの一つにおいて利用が困難になり、決済処理サービスに問題が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況への対処として、利用可能な他のネットワークに接続することが可能ですが、切り替えの際に仕様変更に迅速に対応できない場合や多額の対応費用が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループのビジネスを支えている最大の資産は人材であり、各種サービスの品質向上、新規サービスの企画・開発のためには、優秀な人材の採用・育成・モチベーションアップが欠かせません。しかしながら、人材獲得競争の激化により、優秀な人材の獲得が困難となった場合、又は在職する人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組み」に記載のとおり、パートナー一人ひとりが能力を最大限発揮できる環境を作ることにより人材の流出を防ぐとともに、専門的な知識を有する人材の獲得を継続してまいります。
当社グループの事業の急速な拡大に伴う事務量の増加により、事務手続きのミスが起こる可能性があり、当該手続きのミスに起因し取引先から訴訟等が提起された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事務手続きの標準化及び文書化を推進するとともに、社内規範の整備や業務プロセスの改善を進めております。またAIや外部専門企業の知見を活用することで、作業負担の軽減及びデジタル・トランスフォーメーション(DX)の促進に取組み、事務手続きの効率化とミスの防止に努めてまいります。
当社グループは、クレジットカード会社と加盟店間の加盟店契約において、加盟店代理契約を各クレジットカード会社と締結しております。万一、クレジットカード会社から契約解除の申し出や条件変更等の接続制限がなされた場合は、加盟店の新規獲得や取扱高が制約されることで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、主要クレジットカード会社との定期的な協議や情報共有を通じて緊密な連携を図り、契約条件の動向把握及び取引先の分散等により、当該リスクの低減に努めております。
当社グループは、加盟店のクレジットカード決済業務に係る事務を代行することを目的として、各クレジットカード会社と包括加盟に関する契約を締結しております。決済代行サービスにおいては、クレジットカード会社が加盟店に対して行う売上代金支払いを当社が代行して、当社グループの責任範囲で行います。当社グループと包括加盟店契約を締結している加盟店が不適切な販売等を行ったことが露見して、消費者がクレジットカード会社に対して債権買戻請求を行い、クレジットカード会社が請求額を消費者へ返還した場合、クレジットカード会社は当社グループとの加盟店契約に基づき、当社グループに対して債権買戻額を求償することとなります。この場合、当社グループはその額を加盟店へ求償しますが、加盟店の倒産等により、資金が回収できない場合には、その損害を被る可能性があります。
また、特定継続的役務を提供する加盟店では、未消化役務残に関連するリスクが存在します。サービス提供完了前に加盟店が倒産等に陥った場合、未消化役務に対する返金請求がクレジットカード会社経由で当社に求償される可能性があります。
このようなリスクを回避するために、当社では加盟店の入会時にクレジットカード会社の審査とは別に、電話による本人確認、登記簿謄本・納税証明書の徴求、営業許可証の確認等を行うとともに、月毎に滞留債権管理を実施しております。あわせて、クレジットカード会社から債権買戻請求発生の可能性ありとの連絡を受けた場合は、直ちに加盟店の状況を調査し、売上金を留保するなど必要な措置を講じております。
当社グループの親会社であるGMOペイメントゲートウェイ株式会社(以下、「GMO-PG」と言う。)は、当社の発行済株式総数の56.9%(2025年9月末現在)を保有する筆頭株主であり、オンラインショッピングによるクレジットカード等の決済代行事業、金融関連事業及び決済活性化事業を行っております。また、GMO-PGの親会社であるGMOインターネットグループ株式会社は「すべての人にインターネット」というコーポレートキャッチのもと、インターネットインフラ事業、インターネットセキュリティ事業、インターネット広告・メディア事業、インターネット金融事業、暗号資産事業、インキュベーション事業を行っております。
当社は、独自に経営方針・政策決定及び事業展開についての意思決定を行っております。しかしながら、同社は、当社の筆頭株主として基本事項に関する決定権又は拒否権を保有しているため、当社の意思決定に対して同社が影響を与える可能性があります。
(影響レベル:中、顕在化可能性:低)
親会社であるGMOインターネットグループ株式会社及びGMO-PGが、経営方針及び事業展開方針を変更した場合には、将来的に競合する可能性があり、当社の事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、GMOインターネットグループ各社において、キャッシュレス決済市場における唯一の対面決済サービス事業を担う会社と位置付けられており、GMOインターネットグループ各社とは事業の棲み分けがなされております。
決済のキャッシュレス化・オンライン化の進行に伴い、当社グループが関わる決済ビジネスは、対面決済領域(当社グループ)と非対面決済領域(GMO-PG)が連携しながら大きな変化を遂げてきており、それに伴って事業機会も益々増大しております。お互いが強みを発揮し事業成長を目指すことに加えグループシナジーの実現に最大限の努力をすることが親会社を含むグループ全体の成長、そして当社グループの成長率及び成功確度を高めることができるものと考えております。
2025年9月期における、当社グループのGMOインターネットグループ各社との取引について、当社の連結収益に係る取引総額は678,303千円、費用に係る取引総額は380,478千円であります。親会社との取引については、一般株主との間に利益相反リスクが存在しますが、当社グループは実効的なガバナンス体制を構築することによって、一般株主の利益に十分配慮した対応を実施しております。また、親会社及び同一の親会社を持つ会社との取引のうち、取引金額が1百万円以上の取引内容は、以下のとおりであります。
(GMOインターネットグループ各社との主な取引)(2025年9月期)
(注) 1.受入出向者の給与、実費負担分になります。
2.「GMO」商標権・ブランド使用料。
当社が親会社等のグループ会社と営業取引を行う場合には、少数株主の保護の観点から、その他第三者との取引条件との比較の上、取引条件等の内容の適正性を慎重に検討して実施しております。
具体的には、第三者との取引条件と総合的に比較検討し、適正な条件であることを、親会社等から独立した立場の社外取締役も参加する取締役会にて確認した上で決議することとしております。また、親会社等のグループ会社とのその他の取引については、実費のものを除いて、原則として行わない方針であります。なお、支配株主と少数株主との利益が相反する重要な取引・行為については、社外取締役で構成された特別委員会にて審議・検討を行った上で、取締役会に答申され、決定されます。
当社グループは、2017年1月よりGMOインターネットグループ株式会社と「GMO商標権・ブランド」使用許諾契約を締結しております。当該契約は、当社及び当社子会社であるGMOカードシステム株式会社、GMOデータ株式会社がGMOインターネットグループ株式会社とそれぞれ締結しております。
2025年9月30日現在における当社の役員9名(取締役5名、社外取締役(監査等委員)4名)のうち、GMOインターネットグループ各社の役職者を兼ねる者は1名であり、豊富な営業経験と営業のリーダーを育成した経験と知識から、当社事業に関する助言を得ることを目的として招聘したものであります。なお、当社における役職、氏名及びGMO-PGにおける役職は以下のとおりであります。
当社グループの事業展開にあたっては、親会社等の指示に基づいて行うのではなく、一般株主と利益相反が生じる恐れのない独立役員、及び過半数を占める専任役員を中心とする経営陣の判断のもと、独自に意思決定して実行しております。
当社グループは、現時点において、係争中の訴訟を有してはおりません。しかしながら、今後、当社の事業分野において、第三者が当社より先に特許権・著作権・その他知的財産権を取得しており、当社が高額の対価、損害賠償又は使用差止等の請求を受けた場合や予期せぬトラブルの発生等により訴訟を提起された場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このような事実が判明したときは直ちに、事例に応じて、弁護士・弁理士等と連携し解決に努める体制が整っております。
当社は、2016年9月にグローバルカードシステム株式会社(現GMOカードシステム株式会社)のすべての株式を取得しており、のれん及び顧客関連資産を計上しております。なお、顧客関連資産については償却が終了しております。当該のれんについては、将来の収益力を適切に反映しているものと判断しておりますが、同社の将来の収益性が低下した場合には、当該のれんについて減損損失を計上する必要が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社としては、引き続きGMOカードシステム株式会社と連携し、売上・利益の向上を目指してまいります。
③ 流通株式比率について(影響レベル:中、顕在化可能性:低)
当社の2025年9月期末における流通株式比率は39.46%となっており、東京証券取引所が定めるプライム市場の上場維持基準を充足しております。ただし、今後の株主構成の変動、自己株式の取得等の資本政策、または市場環境の変化により、流通株式比率が低下し、当該基準を下回る可能性があります。
流通株式比率が基準を下回った場合には、東京証券取引所より改善要請や一定期間の猶予措置が講じられ、改善が進まない場合には上場市場の変更を求められる可能性があります。その際には、当社株式の流動性や投資家層の拡大に影響が生じ、株価に悪影響が及ぶ恐れがあります。また、改善措置として新株式の発行や自己株式の処分等を実施する場合、既存株主の持分比率が相対的に低下する(いわゆる希薄化)可能性があります。
当社は、株主構成の推移及び資本政策を適切に管理し、流通株式比率が適正な水準を維持できるよう継続的にモニタリングしてまいります。
文中の将来に関する事項は、提出日において当社グループが判断したものであります。
当社グループ(当社及び連結子会社)の業績等の概要、財政状態の状況、キャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」と言う。)の概要は次のとおりです。
当連結会計年度におけるわが国の経済環境は、断続的な自然災害、円安進行、食料品や電気料金を中心とした物価高騰など不安定な状況に陥りつつも、政府主導による積極的な賃上げ促進や、日経平均株価の史上最高値更新などが景気を下支えしました。また円安進行に加え、他国比で物価が低いことを背景とし、海外から日本へのインバウンド旅行客数が継続的に拡大し国内経済の活性化に貢献しました。一方、イスラエル・パレスチナ情勢が悪化するなど不安要素も新たに顕在化し、全面的な景気動向の好転には至らない状況が続きました。
そのような状況がありつつも、当社グループが立脚する対面キャッシュレス決済市場は当連結会計年度も順調に拡大しました。背景としては、政府主導によるキャッシュレス決済の導入促進、労働人口不足や人件費高騰に起因する省人化ニーズの高まり、先述したインバウンド旅行客数の拡大等を受けキャッシュレス決済を導入する加盟店は順調に増加しております。
対面キャッシュレス決済市場の大部分を占めるクレジットカード決済の動向についても、調査対象企業の2024年度クレジットカード決済額は約117兆円、年率約11%(出典:経済産業省「2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました」)となり、着実な市場成長を遂げております。
当社グループは、対面決済市場におけるシェア拡大を目指し、クレジットカード会社や銀行、並びにPOSサービス事業者、精算機・自動販売機・券売機製造メーカーなどのアライアンスパートナーとともに、新規加盟店の獲得及び対面キャッシュレスプラットフォームの導入に注力し、当連結会計年度においても業績を拡大させることができました。具体的には、当社グループが重要KPIとして位置付ける①「アクティブID数」は前連結会計年度第4四半期比17%増、②「決済処理件数」は前連結会計年度比41%増、③「GMV(決済処理金額)」は同30%増となり、着実に拡大しております。
当社グループ会社のGMOカードシステム株式会社においては、営業強化による新規アライアンス企業数の拡大及び成約率向上に注力し、順調に成果を上げることができました。新規参入事業者の増加に伴う競争環境の変化がありつつも、新規アライアンス企業数を継続的かつ飛躍的に伸ばすことに成功し、加盟店向けにコスト削減ソリューションを提供するなど、新たな収益基盤の拡充を図り順調な業績拡大を遂げております。
また、三井住友カード株式会社と共同で運営する次世代プラットフォーム「stera」は、当連結会計年度においても順調に拡大しました。同プラットフォーム「stera」の決済処理センター機能は当社グループ会社のGMOデータ株式会社にて担っており、当社グループの収益性向上に大きく寄与しております。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は17,927,780千円(前年同期比4.2%減)、営業利益は2,230,646千円(前年同期比45.6%増)、税引前利益は2,223,045千円(前年同期比46.9%増)、当期利益は1,607,562千円(前年同期比49.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,632,030千円(前年同期比61.0%増)となりました。なお、当社グループは対面決済サービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は10,852,651千円となり、前連結会計年度末に比べ779,081千円減少いたしました。これは主にその他の流動資産が662,916千円増加した一方で、現金及び現金同等物が803,182千円、営業債権及びその他の債権が682,163千円減少したこと等によるものです。非流動資産は2,979,832千円となり、前連結会計年度末に比べ404,881千円増加いたしました。これは主にのれん及び無形資産が244,333千円、有形固定資産が115,656千円増加したこと等によるものです。
この結果、資産合計は13,832,483千円となり、前連結会計年度末に比べ374,200千円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は5,286,476千円となり、前連結会計年度末に比べ947,326千円減少いたしました。これは主に引当金が233,973千円増加した一方で、その他の流動負債が535,011千円、営業債務及びその他の債務が478,978千円、未払法人所得税等が228,885千円減少したこと等によるものです。非流動負債は2,051,659千円となり、前連結会計年度末に比べ30,581千円減少いたしました。これは主に引当金が18,768千円増加した一方で、その他の金融負債が51,532千円減少したこと等によるものです。
この結果、負債合計は7,338,136千円となり、前連結会計年度末に比べ977,907千円減少いたしました。
(資本)
当連結会計年度末における資本合計は6,494,347千円となり、前連結会計年度末に比べ603,707千円増加いたしました。これは主に剰余金の配当により515,856千円、自己株式の取得により500,663千円減少した一方で、当期利益1,607,562千円を計上し増加したこと等によるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」と言う。)は前連結会計年度末に比べ803,182千円減少し4,257,275千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果、獲得した資金は1,227,440千円(前年同期は1,712,139千円の獲得)となりました。これは主に法人所得税の支払額843,821千円、その他の資産の増加672,046千円、その他の負債の減少534,203千円、営業債務及びその他の債務の減少497,051千円等により資金が減少した一方で、税引前利益の計上2,223,045千円、営業債権及びその他の債権の減少682,163千円、減価償却費及び償却費の計上631,596千円等により資金が増加したものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果、使用した資金は898,862千円(前年同期は719,173千円の使用)となりました。これは主に無形資産の取得による支出721,945千円等により資金が減少したものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果、使用した資金は1,131,759千円(前年同期は63,809千円の獲得)となりました。これは主に配当金の支払額516,567千円、自己株式の取得による支出500,663千円等により資金が減少したものです。
当社グループは対面決済サービス事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため記載を省略しております。
当社グループは、提供する対面決済サービスについて、サービス内容に従って「ストック」、「フィー」、「スプレッド」及び「イニシャル」の4つに売上を区分しております。
品目別売上収益は次のとおりであります。
なお、当社グループは対面決済サービス事業の単一セグメントのため、セグメントごとの記載はしておりません。
主要な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(注)上記相手先の数値は、当該会社の関係会社を含めたものを記載しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針」に記載しております。また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)①経営成績の状況」、「(1)②財政状態の状況」、「(1)③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。事業運営上必要な運転資金の需要のうち主なものは、キャッシュレス決済市場の拡大に伴い、多様化する顧客ニーズに対応するための営業人員の人件費、決済情報処理センターの安定的稼働のためのシステム人員の人件費及び、システム開発に係る費用であります。
④ 目標とする経営指標
当社グループの目標とする経営指標は、GMV(決済処理金額)及び営業利益成長率になります。当社グループは、これら経営指標の拡大を通じ、対面キャッシュレス決済インフラを担う企業として、より安全で便利な決済インフラを提供し、日本のキャッシュレス決済比率向上に貢献してまいります。
第27期連結会計年度(自 2024年10月1日 至 2025年9月30日)
(GMV(決済処理金額))
当連結会計年度におけるGMV(決済処理金額)は約8.2兆円(前年同期比1.3倍)になりました。主な要因は、アライアンスパートナーを通じた決済端末の販売及び稼働が着実に進展したことにあります。
(営業利益成長率)
当連結会計年度における営業利益成長率は45.6%になりました。主な要因は、決済処理件数及びGMV(決済処理金額)の拡大に伴い利益貢献度の高いリカーリング型売上が伸長したこと、今後導入を控える大口案件対応の進捗に伴い、利益率の高い開発売上が増加したこと、イニシャル売上の大部分を占める決済端末販売において利益率の高い端末の売上構成割合が上昇した等です。
当社グループは、多様化するキャッシュレス決済ニーズに対応し、消費者と加盟店のニーズに合致した決済端末やキャッシュレス決済関連サービスを提供し、成長性と収益性を確保する方針です。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑦ 経営成績の分析
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度におけるイニシャル売上の大口案件の影響や、SME(中小規模加盟店)向けを中心にイニシャル売上に貢献しない端末レスのマーケティングを強化したため、前連結会計年度を下回る水準で推移しました。一方で、アクティブID数の着実な積み上げが日常的に利用する業種・業態の加盟店において進み、キャッシュレス決済も利用が進んだことを背景に決済処理件数及びGMV(決済処理金額)が大きく拡大したことから、ストック・フィー・スプレッドで構成されるリカーリング型売上は前年を大きく上回り、売上構成比は前連結会計年度の36.3%から49.9%へと上昇いたしました。イニシャル売上については、SME(中小規模加盟店)領域におけるトレンド変化の影響から減収となったものの、当社としては中小案件を中心とした決済端末・ソリューションの導入を継続し、アクティブID数を計画どおり積み上げることができました。この結果、売上収益全体としては一時的なイニシャル売上の減少の影響を受けつつも、将来の安定的な収益成長につながるリカーリング型売上の拡大を着実に進めることができました。
以上の結果、売上収益は777,600千円減少し、17,927,780千円(前年同期比4.2%減)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、前連結会計年度に比べて1,339,032千円減少し、11,320,113千円(前年同期比10.6%減)となりました。当連結会計年度は、イニシャル売上と比べ原価率の低いリカーリング型売上がより伸長したことにより、売上原価率が改善いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べて561,431千円増加し、6,607,666千円(前年同期比9.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて163,637千円減少し、4,350,478千円(前年同期比3.6%減)となりました。この主な要因は、業務委託費が183,038千円、支払手数料が113,874千円増加した一方で、従業員給付費用が429,290千円、チャージバック引当金繰入額が103,054千円減少したこと等によるものです。
以上の結果、当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べて698,842千円増加し、2,230,646千円(前年同期比45.6%増)となりました。
(法人所得税費用、親会社の所有者に帰属する当期利益)
当連結会計年度における法人所得税費用は、前連結会計年度に比べて177,576千円増加し、615,483千円(前年同期比40.6%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べて618,641千円増加し、1,632,030千円(前年同期比61.0%増)となりました。
(1) 業務提携契約
(2) 販売に関する契約
(3) 吸収分割
当社は、2025年8月8日開催の取締役会において、TakeMe株式会社の飲食店オペレーション支援・モバイルオーダー事業を、同社より会社分割(簡易吸収分割)の方法により承継することを決議し、同日付で当該会社分割にかかる吸収分割契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記」の「39.後発事象」をご参照ください。
該当事項はありません。