当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「Make Things Intelligent」をミッションに掲げ、「あらゆるモノのインテリジェント化を目指し、スマート社会の安全や快適、効率に貢献する」という経営理念のもと、実用性に優れ、かつ高性能なソフトウェアを提供することを通じて、企業価値の最大化を図ります。この企業活動を支えるフィーチャグループ行動規範は、以下のとおりであります。
①社会に対する行動
②誠実・健全な企業活動
当社グループは、上記の行動規範を経営の基本理念として、事業展開を行っております。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高、営業利益及びROE(株主資本利益率)を重要指標と位置づけ、持続的な事業拡大と企業価値向上を図ってまいります。
(3) 経営環境
当社グループの属する画像認識ソフトウェア業界においては、高齢化に伴う安全運転と事故防止への意識向上に伴い、ADAS(先進運転支援システム)の普及や自動運転技術の実用化に向けて、自動車関連企業各社がこれらの取り組みを強化しております。そこで当社グループは、2030年に1.8兆円規模まで成長すると見込まれているADAS/自動運転用カメラ市場(出所:矢野経済研究所「ADAS/自動運転用センサ世界市場に関する調査(2023年)」)を主なターゲットとすることで、持続的な収益の拡大を図ってまいります。
また、スマートインフラ市場においては、AI技術の活用が大きく期待される分野であり、公共インフラの安全性に関するニーズは年々増加しております。DX市場においては、昨今の労働力不足・人材不足を背景として、働き方改革やDXの推進を通じた業務変革に取り組む企業が急増し、RPAとの連携により、様々なサービスと組み合わせて利用するニーズが拡大しております。さらに、生成AIの登場により、技術革新が加速し、企業におけるAI活用ニーズは高まっております。
これらのように、今後も当社グループのターゲットとする市場の成長は、持続するものと予測しております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 開発体制の強化
安定的かつ着実な事業拡大を図る上では、既存顧客の契約を継続することや案件数等が増加した場合においても、収益率を高水準に維持し、かつ顧客に提供するサービスのパフォーマンスを維持・向上することが重要であると考えております。
そのためには、さらなる優秀な人材の確保及び開発プロセスの改善、社内におけるノウハウの共有や教育訓練等が不可欠であるため、優秀な人材を積極的に採用するとともに、開発プロセスを継続的に見直し、社内におけるノウハウの共有や教育訓練等を実施し、より強固な開発体制の構築に努めてまいります。
② 営業体制の強化
当社グループは、主軸事業のMobility Solutionsに加え、DX-AI Solutionsの拡大を成長の柱とし、生成AI・大規模言語モデル(LLM)の潮流を取り込みつつ、市場における提供価値を高めてまいります。他方、競合の増加に伴い、差別化ならびに営業力の強化が不可欠であると認識しております。
そこで当社グループは、モビリティ分野で培ったAI技術を横展開し、他業種への展開スピードを加速させるとともに、業界特化型AIのパッケージ化、既存顧客へのクロスセル、パートナー協業の拡大を通じて、持続的な売上拡大を実現してまいります。
③ 内部管理体制の強化
当社グループは成長段階にあり、企業価値の向上、業務運営の効率化、リスク管理のために内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。そこで当社グループは、コーポレート・ガバナンスの充実、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するため、より強固な内部管理体制の構築に取り組んでまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループは、中長期的な企業価値の向上のため、今後、サステナビリティに関する取組みを拡充・充実させていく必要があると認識しており、特に、人的資本への投資等が非常に重要であると考えております。また、当社グループのサステナビリティに関する基本方針やその具体的な取組については、取締役会やその他の社内会議で報告・検証し、改善を図りつつ、方針を実行する経営体制を構築しております。
(2)戦略
当社グループは、サステナビリティに関する取組のうち、特に人材確保・定着に関する取組みを経営上重要であると捉え、従業員は事業の成長を支える重要な存在であるとの認識のもと、性別、年齢、性的指向、性同一性と性表現、国籍、宗教等を問わず、多様な人材が活躍できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでおります。また、働きがいのある環境づくりのため、従業員が自己を磨き、人生や仕事を充実させ、利他の精神をもって働ける組織を目指しております。また、従業員個人の意思を尊重し、適材適所の配属や勤務時間のモニタリングによる業務量の可視化による長時間労働の防止、
(3)リスク管理
当社グループでは、取締役会やその他の社内会議等を通じて、リスクの識別、優先的に対処すべきリスクの絞り込みについて協議し、経営戦略及び計画に反映しております。また、必要に応じて弁護士、公認会計士、弁理士、税理士、社会保険労務士等の外部専門家からアドバイスを受けられる体制を構築するとともに、内部監査及び監査役による監査を通じて、潜在的なリスクの早期発見に努めております。
(4)指標及び目標
当社グループでは、小規模な組織体制であるため、重要性も加味したうえで、年齢、国籍、性別等の区分で管理職の構成割合や人数の目標値等は定めておりません。しかしながら、当社グループが掲げるミッションを実現し、事業成長を加速するためには、様々な局面において多様な意見を反映することが重要であるという認識のもと、女性や中途採用者の管理職への登用を推進しております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきまして、投資者に対する積極的な情報開示の観点から、以下のとおり記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅することを保証するものではありません。
(1) 市場動向について
当社グループは、車載カメラ及びドライブレコーダー用画像認識ソフトウェアの開発を主力事業としております。今後、新たな法的規制や業界団体による規制の導入、その他予期せぬ要因等により、顧客企業におけるソフトウェア開発の外部委託の縮小や内製化若しくはニーズの変化、新車販売動向の低迷等、市場規模が縮小する動きがみられた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループは、常に市場動向を把握し、市場動向に応じた柔軟な対応を行うとともに、他市場への展開を積極的に進めることでリスクの低減を図ってまいります。
(2) 自然災害等のリスクについて
当社グループが事業活動を展開する国や地域において、地震、台風、洪水等の自然災害または感染症の流行等が発生し、当社グループや顧客の事業活動に支障が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 技術動向について
当社グループの事業分野においては、技術革新が急速に進んでおり、特にディープラーニング技術の分野においては、技術革新の速度は顕著であります。当社グループでは、優秀な人材の採用や開発に取り組んでおります。しかしながら、当社グループの技術革新が想定どおりに進まない場合や、予想以上の急速な技術革新や代替技術・競合商品の出現、依存する技術標準・基盤の変化等により、当社グループの製品が十分な競争力や付加価値を確保できない場合等には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 知的財産について
当社グループによる第三者の知的財産権侵害の可能性につきましては、調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社グループの事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社グループが認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できません。このような場合には、第三者からの損害賠償請求等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 品質管理について
当社グループは、開発業務においてプロジェクト管理やソフトウェア解析ツールの導入等により、品質管理を行っております。しかしながら、関連する製品及び技術の複雑化等の理由で品質問題を起こし、損害賠償責任等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 情報管理について
当社グループは、事業を通じて顧客の機密情報や個人情報を保有しております。これらの情報の取扱いについては、規程の整備及び運用並びに社員教育を徹底するとともに、情報セキュリティ機器の導入等の対策を実施しております。しかしながら、これらの対策にも関わらず当社グループの人的オペレーションのミス、システム障害、サイバー攻撃、その他予期せぬ要因等により、情報漏洩が発生し、当社グループの社会的信用の失墜や損害賠償責任等が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 人材の確保・育成について
当社グループは、今後の事業展開に応じて、積極的にエンジニアの育成及び採用を進めていく方針であります。しかしながら、人材の確保が思うように進まない場合や、人材の社外流出等何らかの事由によりこれらの施策が計画どおりに進行できなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) コンプライアンス体制について
当社グループは、今後企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制を有効に機能させることが重要であると考えております。そのため、コンプライアンスに関する社内規程を策定するとともに適宜研修を実施し、周知徹底を図っております。しかしながら、これらの取り組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社グループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 特定人物への依存について
当社グループの代表取締役社長CEO兼CTO 曹暉は、経営戦略、開発戦略等当社の業務に関して専門的な知識・技術を有し、重要な役割を果たしております。当社グループでは、取締役会等において役員及び社員への情報共有や権限委譲を進める等、組織体制の強化を図りながら、経営体制の整備を進めており、また、役員の異動がある場合は入念な引継ぎ、権限委譲を行うことで、経営に関するリスクを低減しております。しかしながら、現状では同氏が当社グループを退任した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)小規模組織であることについて
当社グループは、小規模な組織であり、現在の人員構成における最適と考えられる内部管理体制や業務執行体制を構築しております。今後におきましても、業容拡大及び業務内容の多様化に対応するため、人員の増強及び内部管理体制及び業務執行体制の一層の充実を図っていく方針であります。しかしながら、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(11)海外での事業展開について
当社グループは、海外に開発拠点を設置する等、海外での事業拡大を積極的に進めております。しかしながら、それらの国で予期しない法律や制度の改正、政治及び経済情勢の変化、急激な為替変動等の事象が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)ライセンス収入の変動について
当社グループのライセンス収入は、当社ソフトウェアが搭載された製品の製造、販売または使用に伴い認識されます。しかしながら、製品の製造、販売または使用は、顧客の販売計画や営業活動に依存するため、顧客の販売計画が変更等された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(13)特定顧客への依存度について
当社グループの売上高は、特定の主要顧客に依存しており、2025年6月期においては、売上高上位3社に対する売上高が売上高全体の67.0%を占めております。また、主要顧客は、自動車及び自動車関連企業であり、当社グループの売上高は同業界の設備投資動向や生産計画の影響を受けやすくなっており、これら主要顧客との取引関係や自動車業界の動向に変化が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループは、主要顧客との良好な関係の維持に努めるとともに、他市場を含めた新規顧客の獲得を積極的に進めることでリスクの低減を図ってまいります。
(14)売上計上時期の期ずれについて
当社グループの受託開発取引においては、大幅な仕様変更や予期せぬトラブルの発生等に伴う納入時期の変更や検収遅延により、売上の計上時期が当初の予定から翌四半期あるいは翌連結会計年度にずれる場合があります。そのため、それらの期ずれが発生した場合には、各四半期あるいは連結会計年度における当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)受託開発案件の中断について
当社グループは、主に量産が見込まれる案件の受託開発を行っておりますが、顧客の販売計画の変更等により開発が中断され、当初想定した受託開発収入やライセンス収入を得られない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(16)受託開発案件の採算について
当社グループの受託開発取引においては、想定される工数、難易度、リスク等を考慮の上で受注金額を決定し、策定されたプロジェクト計画から乖離が生じないよう工数管理を行っております。しかしながら、顧客が要求する仕様の大幅な変更や不具合の発生等により、開発工数が当初計画を大幅に超過し、プロジェクトの採算が悪化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(17)配当政策について
当社は、設立以来配当を実施した実績はありませんが、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、当社は現在、成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、将来の事業展開及び経営体質の強化のための投資等に充当し、なお一層の事業拡大を目指すことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えております。
将来的には、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら、株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
(18)繰延税金資産の回収可能性について
当社グループの繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断して計上しておりますが、今後将来の課税所得の見積り等に変動が生じ、繰延税金資産計上額の見直しが必要となった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(19)業務提携先との関係について
当社グループは、提携先との契約を遵守し、友好的な関係を維持するよう努めるとともに、特定の提携先に過度に依存しないよう、提携先やサービスのポートフォリオバランスを考慮した経営を心掛けております。しかしながら、提携先の方針又は事業戦略の変化又は提携解消等が生じた場合には、当社グループの業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(20)固定資産の減損について
当社グループは、固定資産の減損に係る会計処理を適用しております。今後、保有する固定資産について減損処理が必要になった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは画像認識ソフトウェア開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は689,096千円(前連結会計年度末比9,128千円減)となりました。これは主に、現金及び預金が15,752千円増加したものの、売掛金及び契約資産が14,157千円及び前払費用が5,937千円減少したことによるものであります。
また、固定資産は30,938千円(同38,939千円減)となりました。これは主に、減損損失の計上等により有形固定資産が20,753千円減少したこと及び投資その他の資産が17,055千円減少したことによるものであります。
以上の結果、資産合計は720,034千円(同48,067千円減)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は30,231千円(前連結会計年度末比7,990千円減)となりました。これは主に、未払法人税等が3,289千円及び未払金が2,861千円減少したことによるものであります。
以上の結果、負債合計は30,231千円(同7,990千円減)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は689,803千円(前連結会計年度末比40,076千円減)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が38,585千円減少したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当社グループは、「Make Things Intelligent」をミッションに掲げ、画像認識ソフトウェアの開発を行っております。
当社グループが属する画像認識ソフトウェア業界におきましては、あおり運転や高齢運転者による交通事故が社会課題となる中、自動車向け先進運転支援システム(ADAS)、ドライバー監視システム(DMS)の普及や自動運転技術の実用化に向けて、自動車関連企業各社がこれらの取り組みを強化しております。また、社会的なデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が加速しており、少子高齢化や人口減少といった労働力の課題をAIにより解決する取り組みも様々な分野で積極的に行われております。
こうした環境の中で、当社グループは、主力事業であるモビリティ事業において、量産案件を中心とした新規案件の獲得及びディープラーニングをはじめとした画像認識技術の研究開発を積極的に進め、当社ライセンス製品の量産台数は累計で290万台を突破しました。また、スマートインフラ事業、DX事業へとサービス分野を拡大してまいりました。さらに、2023年6月に資本業務提携契約を締結したボッシュ株式会社との案件の深耕にも努めました。広告・宣伝活動としては、展示会への出展、「AI-OCR」公式サイトのリニューアル、図面解析AIのリリース等、幅広く認知されるような活動にも取り組んでまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高497,614千円(前連結会計年度比0.7%増)、営業損失9,374千円(前連結会計年度は営業損失3,567千円)、経常損失10,772千円(前連結会計年度は経常損失2,956千円)、親会社株主に帰属する当期純損失38,585千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失7,884千円)となりました。
売上高の収入形態別の内訳は、以下のとおりであります。
|
|
前連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
前期実績比 増減率 |
|
売上高 |
494,209千円 |
497,614千円 |
0.7% |
|
うち、受託開発収入 |
316,995千円 |
339,879千円 |
7.2% |
|
うち、ライセンス収入 |
177,214千円 |
157,734千円 |
△11.0% |
受託開発収入に関しては、主に大手自動車メーカーとの共同開発案件の開始により、339,879千円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。また、ライセンス収入に関しては、一部、契約上の累計量産台数に応じたボリュームディスカウント(単価引き下げ)の適用により、157,734千円(同11.0%減)となりました。
なお、当社グループは「画像認識ソフトウェア開発事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15,752千円増加し、594,196千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は22,056千円(前連結会計年度は18,776千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上37,386千円による資金の減少があったものの、減損損失の計上26,613千円、減価償却費の計上11,892千円、敷金償却5,749千円、売上債権及び契約資産の減少14,157千円による資金の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は5,316千円(前連結会計年度は9,273千円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出5,316千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の増減はありませんでした(前連結会計年度は186,854千円の獲得)。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
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画像認識ソフトウェア開発事業 |
497,614 |
100.7% |
|
合計 |
497,614 |
100.7% |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年7月1日 至 2024年6月30日) |
当連結会計年度 (自 2024年7月1日 至 2025年6月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
ボッシュ株式会社 |
171,000 |
34.6 |
139,000 |
27.9 |
|
本田技研工業株式会社 |
88,581 |
17.9 |
114,118 |
22.9 |
|
フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社 |
92,164 |
18.6 |
80,162 |
16.1 |
|
加賀FEI株式会社 |
58,429 |
11.8 |
63,585 |
12.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
当連結会計年度の売上高は、497,614千円(前連結会計年度比0.7%増)となりました。これは主に、ライセンス収入に関して、一部、契約上の累計量産台数に応じたボリュームディスカウント(単価引き下げ)の適用により減少したものの、受託開発収入に関して、大手自動車メーカーとの共同開発案件の開始により増加したことによるものであります。
b. 売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、180,284千円(前連結会計年度比10.4%増)となりました。これは主に、売上高のうち、受託開発収入が増加したこと及び従業員の増加に伴う人件費の増加によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の売上総利益は、317,329千円(同4.1%減)となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業損益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、326,704千円(前連結会計年度比2.3%減)となりました。これは主に、従業員の減少に伴い人件費が減少したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の営業損失は、9,374千円(前連結会計年度は営業損失3,567千円)となりました。
d. 営業外損益、経常損益
当連結会計年度の営業外収益は、339千円(前連結会計年度比71.5%減)となりました。これは主に、為替市場が円高へ進行したことに伴い為替差益から為替差損に転じたことによるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は、1,737千円(前連結会計年度比199.4%増)となりました。これは主に、為替差損を計上したことによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の経常損失は、10,772千円(前連結会計年度は経常損失2,956千円)となりました。
e. 特別損益、親会社株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度において、特別利益は発生しておりません。
当連結会計年度の特別損失は、26,613千円(前連結会計年度は発生しておりません)となりました。これは、減損損失によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は、37,386千円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失2,956千円)となり、法人税、住民税及び事業税を1,198千円計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は、38,585千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失7,884千円)となりました。
③ キャッシュ・フローの分析
各キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の財源を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金や自社サーバー購入等を目的とした資金需要は、自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて多様な調達手段を検討してまいります。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は594,196千円であります。
⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、重要な経営指標として売上高、営業利益及びROEを掲げております。
当連結会計年度を含む、直近2連結会計年度の各指標の推移は、以下のとおりであります。
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2024年6月期実績 |
2025年6月期実績 |
2026年6月期予想 |
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売上高(千円) |
494,209 |
497,614 |
540,894 |
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営業利益又は営業損失(△)(千円) |
△3,567 |
△9,374 |
17,421 |
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ROE(%) |
△1.2 |
△5.4 |
- |
2024年4月1日前に締結された契約については、「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」附則第3条第4項により記載を省略しております。
当社グループは、認識精度と認識速度を両立した画像認識ソフトウェアにより安全で安心な社会を実現するため、ディープラーニング技術等の先端技術分野の研究開発を進めております。
現在の研究開発は、当社の開発部及び連結子会社において推進されております。研究開発メンバーは、博士号取得者をはじめとした高度な知識を有するメンバーにより構成されております。
当連結会計年度においては、主に生成AI及びLLMの開発、図面解析技術の開発を行いました。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
なお、当社グループは画像認識ソフトウェア開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。