第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本書提出日現在における経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社は、「『出会えて良かった!』のために」を経営理念とし、社会で必要とされる存在であり続けるためお客様には「心から頼んで良かった」と思っていただき、従業員には「心から働いて良かった」と誇りを持って働ける会社であることを目指しています。そのために、お客様に嘘をつかない、お客様をがっかりさせないことを何より大切な信条とし、安心と納得のサービスの提供を第一としております。

 

(2) 経営戦略

   当社は、住宅設備機器の故障や劣化などによる機器交換時のニーズに対して、「透明性のある料金体系を提示し安心施工を約束すること」を事業コンセプトに住宅設備機器と工事のセットを販売するeコマース事業を展開してまいりました。

そして、集客の要である「交換できるくん」Web媒体において、商品紹介、施工事例及びユーザーレビューといった情報を蓄積し、ユーザーに有益なコンテンツを提供しています。コンテンツ力が強化されることでサイト流入が増加し、それがユーザーからの見積り依頼の増加に繋がるという循環が当社の成長サイクルとなっています。その成長サイクルにより、当社がこれまでに培ってきたWebマーケティングのノウハウや実績をもとに、検索エンジンへのインターネット広告(リスティング広告)の出稿とWebサイトを検索エンジン上位に表示させるための検索エンジン最適化(SEO※)に取組み、経年劣化により概ね7~15年程度で訪れる住宅設備機器の交換需要により顕在化される新規顧客の獲得を積極的に展開してまいります。

(注) SEOとは、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略称で、GoogleやYahoo!の検索結果で自社Webサイトを上位に表示させるために様々なアプローチでWebサイトを最適化するマーケティングの手法です。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループでは、事業を継続的に発展させていくためには、収益力を高め、適正な利益確保を図ることが重要と認識し、客観的な経営指標として、売上高、営業利益を重視しており、その向上を図る経営に努めてまいります。また、当社の事業モデルを勘案したうえでのKPIは、売上高を構成する指標として工事件数と平均単価となっておりますが、平均単価は毎期大きな変動がないため、その中でも工事件数を重要な指標としております。

 

(4) 経営環境

インターネット上にてサービスを展開している当社グループにおきましては、BtoCのEC市場規模が毎年堅調に推移しており、2024年の市場規模は26.1兆円(前年24.8兆円)となっており、EC化率は9.8%(前年比0.4%増)と引続き増加傾向にあるため、当社の事業機会の増加にも繋がっております(出所:経済産業省「令和6年度 デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」)。

一方、リフォーム市場におきましては、物価上昇等の影響によりリフォームマインドが低下したことなどから工事件数が減少傾向に推移しました。一方で建築資材費や人件費などのリフォーム工事原価の上昇や高付加価値リフォーム需要の増加を背景に1件あたりのリフォーム工事単価が上昇し、需要の減少分を単価の上昇で補ったことで、同市場規模は前年比横ばいから微減となり、2024年度の市場規模は7.3兆円(前年度比0.5%減)となっております(出所:㈱矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2025年)」)。

 

 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

今後更なる事業の安定性の確保と拡大、そしてリスク低減のため、特に下記の5点を重要課題として取組んでおります。

① 低コスト集客の実現

売上拡大には集客数の増加が必要であり、集客数の増加には集客コストがかかってまいります。低コストで多数の集客を実現するためには、インターネット広告出稿に頼らない検索エンジンからの自然流入の更なる上昇が必要不可欠になります。そのためには検索結果の順位の上位獲得が重要であり、SEO内部施策、コンテンツマーケティング施策、モバイルフレンドリー対応、SNSなどを活用した良質な外部リンク獲得対策などの各種SEO対策に取組んでまいります。また、サイト流入者の集客歩留まりを向上させるためスマートフォン/PC向けサイトの読込み速度の改善やUI/UX(※)の改善に取組んでまいります。

(注) UI/UXとは、User Interface/User Experienceの略称で、UIとはデザイン、フォントや外観などユーザーの視覚に触れるすべての情報のことであり、UXとはユーザーがこれらのUIを実装したサービスを通じて得られる体験を指します。

 

② サービスの知名度の向上とユーザー数の拡大

持続的に成長するためには、新規ユーザーを継続的に獲得していくことが必要不可欠であると認識しております。そのために、効果的な広告宣伝やメディア活動等により、「交換できるくん」の知名度を向上させ、ユーザー数の拡大に取組んでまいります。

 

③ システムの安定稼働と強化

当社グループは、インターネット上にてサービスを提供していることから、安定した事業運営を行うにあたりシステムの安定的な稼働が重要であると認識しております。そのために、継続的なシステム投資及び人材補強等によりシステム強化に取組んでまいります。

 

④ 経営管理体制の強化

当社グループは、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンスの徹底等に取組むことが企業価値の向上につながるものと認識しております。そのために、事業規模拡大の基礎となる経営管理体制をより強化してまいります。

 

⑤ 集客チャネル・販路拡大

当社グループは、インターネット経由での受注獲得は事業拡大に不可欠であるものの、中長期的な成長のためにはインターネット以外の集客チャネル・販路拡大も必要と認識しております。そのために、住宅設備メーカーや住宅設備関連企業などとのBtoBの取引強化を進めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 


 

(1) ガバナンス

国際情勢や社会環境が大きく変化し、これまでにも増して環境への意識が高まり、当社を取り巻く環境も変化しております。このような急速に変化し続ける事業環境に即応し、安定的な成長を実現するため、多様性に対応した取締役会を中心に体制を構築しております。経営基盤を強化し、事業機会の拡大と課題の解決を図ってまいります。

長期的な社会・環境の変化に伴うサステナビリティに関する取り組みについても、課題を考慮した経営を行うため、重要な課題については取締役会の中で活動内容の報告を行い、活動の推進を行っております。

当社サービスはサステナビリティへの貢献が大きい事業であると自負しておりますが、まだネット販売に不安を覚えるお客様も少なからずいらっしゃいます。より多くのお客様に安心して当社をご利用いただけるよう、ガバナンスのさらなる徹底も推進してまいります。くらしに密着した事業であるからこそ、社会に貢献・共存しながら成長する企業を目指していきます。

 

(2) 戦略

当社は、2023年5月にSDGs宣言書(https://www.dekirukun.co.jp/co/sust/decl/)を掲げ、住宅設備機器の単品交換という新しい市場を創造し、そこにITをかけあわせることで、「まだ使えるところはそのままに、必要な部分だけを交換する。昨日よりもすこしだけ人にも地球にも優しい住まいに。」という理念のもと、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。具体的には、以下の取組みを実施していく予定です。

 

①カーボンニュートラルへの取組み

当社グループの主事業である住宅設備機器の交換事業は、省エネ効果の高い機器に交換することにより各家庭において手軽に環境への負荷を軽減させるとともに、節水型の商品に交換することで水資源の節約になり、また、ガスではなく電気を使用した給湯器に交換することで二酸化炭素の排出量を軽減し温室効果ガスの削減となります。当社では、エコな製品を取り扱うだけでなく、それらの機器の節電、節水、節ガスを促進する使い方や利用上のポイントについてもHP上で発信し、環境負荷を下げるライフスタイルの啓蒙活動を継続しております。

 

②廃棄物削減への貢献

一般的にリフォーム工事は、キッチンや浴室全体をまるごと交換する工事となりますが、当社グループでは老朽化した設備だけを交換することにより、大量の廃棄物を発生させる大規模な工事を削減し、コストを抑えつつも長期にわたって住居を持続可能な状態に保つことに繋がっております。回収した古い機器は資源リサイクル可能な物を分別し、廃棄物削減・資源の再利用に貢献しています。また、「全品無料10年保証」により交換サイクルを最低10年にまで引き伸ばし、利用可能な状態を最大限持続可能となっております。

 

 

③職人育成への貢献

工事を施工する職人不足の社会課題解決に向け、パートナーシップ推進を構築しております。職人一人ひとりの技術力、商品知識向上等を目標とし、電気、ガス、給排水、内装等の複数の資格技能を有するジェネラリストの育成を行います。

 

(3) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

少子高齢化に伴う労働人口の減少や有効求人倍率の増加による採用の競争化により、人材確保はますます難しくなってきており、採用活動と人材育成は引き続き重要な課題と認識しております。当社グループでは、中途採用による中枢人材の登用と新卒者の定期採用を組み合わせ、多様な人材の確保を意識し、積極的に採用活動を行っております。

賃金ベースアップや人事制度の見直し、働き方改革による残業時間の削減、日々やりがいを感じられる企業文化の醸成など、働く環境と働きがいの両面の向上を図り、人材の確保と従業員の定着に努めております。

従業員のキャリアアップ支援として、入社時から定期的に階層別・部門別の研修を実施しております。また、社内に施工エンジニア向けの研修専用施設を設置する等、より体系的かつ実践的な人材育成を推進しております。

さらに、「健康経営優良法人認定」を取得し、仕事と生活の両立を重視し、従業員が育休・産休後に復帰しやすい環境整備や、健康増進支援など福利厚生の充実を図ってまいりました。今後も引き続き、従業員一人ひとりが安心して働ける環境づくりに取り組んでまいります。

 

(4) リスク管理

当社は、リスク・コンプライアンス委員会を設置しており、リスクマネジメント体制を構築し、リスクの特定、分析、評価、対応等のERMプロセスを円滑に実施することにより、リスクの低減、未然防止等を図っています。リスク管理の詳細は「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。

 

(5) 指標及び目標

当社グループでは、戦略にも記載の通りサステナビリティに貢献してまいりますが、本報告書提出日現在においては、指標および目標は検討中でございます。

 

(6) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標

当社グループでは、人材の育成方針及び社内環境整備に関する方針に関する数値目標等は定めておりませんが、一人ひとりが個々の能力を最大限に発揮し多様な人材が活躍できる職場環境の整備を進めております。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況等に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び万が一発生した場合には適切な対応に努め、事業活動に支障をきたさないよう努力してまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 事業内容

① EC市場やリフォーム市場における競争について

インターネットでリフォームの情報を収集するユーザーを効率的なインターネット広告の運用、検索エンジン上位に表示させるための検索エンジン最適化(SEO)及び効果的な広告宣伝やメディア活動等により、「交換できるくん」の知名度を向上させ、当社ECサイトへ効果的に誘導を図っておりますが、リフォーム市場の規模拡大が予測される中、不動産や家具家電など、リフォーム業界と近しい異業種からの参入があります。さらにその一部はeコマースを主力販路としているため、今後競争が激化し、インターネット上にてサービスを展開している当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② サイトへの集客における外部検索エンジンについて

当社が運営する「交換できるくん」への集客は、検索サイトを経由したものが大半を占めております。当社は、SEO(検索エンジン最適化)対策を実施することにより、検索結果において上位に表示されるような対策を講じておりますが、今後、検索エンジン運営者が検索結果を表示するロジックを変更するなどして、それまで有効であったSEO対策が十分に機能しなくなった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ レピュテーションリスクについて

当社や当社のサービスについて何らかの否定的な風評が広まった場合、当社や当社のサービスの信用や信頼が低下する可能性があります。当社はコンプライアンス規程、リスク管理規程、クレーム・インシデント対応規程に基づきリスク発生の未然防止やリスク発生時の対応を行いますが、それらにも関わらず否定的な風評が広まった場合には、顧客離れが生じるなどし、当社の業績等に影響を与える可能性があります。

 

④ 物流拠点の集中について

当社では、自社運営による商品センターを構えており、商品の入荷から出荷に至るまでを主に神奈川県横浜市の商品センターにて行っております。当商品センターが自然災害又は火事などにより操業できなくなった場合、当社在庫に対する保険は適用されるものの、在庫の損失やサービスの遅延又は一時停止などといった事態の発生により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 特定の仕入先への依存について

当社の主要な仕入先は、パナソニックリビング株式会社、株式会社ヨコヤマ、橋本総業株式会社であり、2026年3月期における当社の総仕入実績に対する割合は21.56%、14.72%及び14.47%となっております。当社では安定度の高い仕入先として認識しておりますが、今後、取引の継続が困難となった場合や主要仕入先の製品供給の動向によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑥ システム障害について

当社は、Webサイトの管理を始め、受注、発注、仕入、在庫管理、発送、売上までの大半の業務を業務管理システムに依存しております。そのため、これらのシステムではそれぞれ予備系統やバックアップ対策による可用性向上やウイルスチェック等外部からの攻撃を回避するためのセキュリティ対策を講じております。

しかしながら、万一、システム障害が発生した場合には復旧に要する期間等によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 情報セキュリティについて

当社では、日々高度化するサイバー攻撃などの脅威に備え、ファイアウォールやWebアプリケーションファイアウォールの導入、PCやスマートフォンなどのデバイスとWebサーバー間の通信データを暗号化、接続元IPアドレス制限、アクセス権管理など必要な対策に努めています。

しかしながら、想定以上にサイバー攻撃などの脅威が高度化し発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 個人情報の取扱いについて

当社は、EC等による役務の提供に際し、お客様の氏名、住所等の申し出を受け、多くの個人情報を保有するため、「個人情報の保護に関する法律」に規定する個人情報取扱事業者に該当します。当社は、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、個人情報の外部漏洩、不適切な利用等の防止を徹底すべく、社内規程を策定し、内部管理体制を徹底するとともに、システムやセキュリティの強化などに取組むことで厳重に管理しております。

しかしながら、当該施策に関わらず当社のお客様の個人情報が社外に漏洩した場合には、損害賠償や信用失墜等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 法的規制について

当社の事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制等はありませんが、特定商取引に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法、水道法及び電気工事法等の法令による規制を受けております。当社では、これらの法令等を遵守するための管理体制及び従業員教育を徹底し、コンプライアンス体制の整備に努めております。

しかしながら、新たな法的規制の制定や既存法令等の改正又は解釈変更等がなされた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 自然災害等について

当社は、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、自然災害及び感染症が想定を大きく上回る規模で発生及び流行した場合には、当社又は当社の取引先の事業活動に影響を及ぼし、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業体制

① 特定人物への依存について

当社創業者である代表取締役社長栗原将は、当社の経営方針や経営戦略等の事業活動全般において重要な役割を果たしております。

当社においては、同氏に過度に依存しない経営体制を構築すべく、他の取締役や幹部社員への権限移譲等を進めておりますが、何らかの理由により同氏の業務遂行が困難となった場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② 人材の確保や育成について

当社において、主力事業である住宅設備機器の交換工事サービスを拡大していくうえで、今後、施工協力パートナーを増やしていく方針でありますが、そのためには施工品質の維持向上に資する技術力とサービス力を兼ね備えた社員人材の確保及びその育成を行うことが重要な課題となります。当社では優秀な人材の確保に努めておりますが、万一、当社が求める人材が必要な時期に十分に確保できない場合は、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) その他

① 配当政策について

当社は設立以来、業績向上のための人的投資やシステム投資の強化並びに財務基盤を強固にすることが重要であると考え、配当を実施しておりません。

株主への利益還元については、重要な経営課題の一つであると認識しており、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、配当を検討する所存でありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期については未定であります。

 

② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループは、当社グループの役員、執行役員及び従業員の業績向上へのインセンティブを高めることを狙いとして、ストックオプション制度を採用しております。会社法の規定に基づき、株主総会の承認を受け、当社取締役及び監査役並びに従業員に対して新株予約権の発行と付与を行いました。

本書提出日現在における当社の発行済株式総数は7,469,100株であり、これら新株予約権の権利が行使された場合は、新たに126,600株の新株式が発行され、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

  ③ 大株主について

 当社の代表取締役社長である栗原将は、当社の大株主であり、自身の資産管理会社である株式会社CRESCUNT及び親族の所有株式数を含めると本書提出日現在で発行済株式総数の59.97%を所有しております。同人は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同人は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同人の株式の多くが減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済活動は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要により緩やかな景気回復が見られる一方で、中東情勢の悪化による原燃料価格の高騰や物価上昇、国内外の金融政策の見直しに伴う為替変動リスク、国際的な情勢不安は長期化しており、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

このような経済環境下におきまして、キッチン・トイレ・洗面室・浴室まわりといった日常生活に欠かせない住宅設備機器の交換サービスをインターネット上で展開している当社では、「交換できるくん」Web媒体において、これまで培ってきたWebマーケティングのノウハウや実績をもとに、Webサイトを検索エンジン上位に表示させるための検索エンジン最適化(SEO※)に取組むとともに、テレビCM、動画及びSNSを活用することにより、サービスの魅力や特性を波及させてまいりました。また、継続してテレビCM放映を行うことでブランド認知度向上にも努めております。

その他にも将来的な事業拡大に向けて2025年8月に住宅設備保証事業に参入するために株式会社IMIの株式を取得し、2025年11月にシステムキッチンやユニットバスリフォーム等のリフォームサービスを広げることを目的として株式会社キッチンワークスの株式取得を実施しております。

また、2025年12月に株式会社カインズとの間で資本業務提携を結び、当社が有するノウハウをソリューション化した「リプラフォーム」を活用した現調レスモデルのリフォームサービスの提供や「交換技能アカデミー」によるマルチ職人の育成を行ってまいります。

以上の結果、当連結会計年度の売上高は12,600,874千円(前期比22.4%増)、営業利益は176,089千円(前期比7.8%増)、経常利益は182,987千円(前期比4.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は91,971千円(前期比1.3%増)となりました。

セグメントの業績は次のとおりであります。

①住設DX事業

当連結会計年度における住設DX事業の売上高は、前連結会計年度より本格的に販売を開始した季節性商材であるエアコン等の受注獲得増やキッチンワークスの業績取込により11,278,719千円(前年同期比22.3%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は、ブランド広告宣伝費用等の先行投資等に伴い162,811千円(前年同期比5.8%減)となりました

②ソリューション事業

当連結会計年度におけるソリューション事業の売上高は1,443,766千円(前年同期比19.4%増)、セグメント利益(営業利益)は23,981千円(前年同期比17.7%増)となりました

 

(注) SEOとは、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略称で、GoogleやYahoo!の検索結果で自社Webサイトを上位に表示させるために様々なアプローチでWebサイトを最適化するマーケティングの手法です。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は3,262,235千円となり、前連結会計年度末に比べ1,141,209千円の増加となりました。これは主に運転資金調達及び第三者割当増資により現金及び預金が729,818千円、季節性商材の在庫確保により商品が164,385千円増加したことによるものです。

固定資産は2,428,740千円となり、前連結会計年度末に比べ574,047千円の増加となりました。これは主にIMI株式及びキッチンワークス株式の取得によりのれんが147,946千円、基幹システムの一部の開発完了によりソフトウエアが166,616千円、IMI社の連結開始に伴う前払保険料増加等により長期前払費用が177,700千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は2,736,205千円となり、前連結会計年度末に比べ852,412千円増加となりました。これは主に売上増加や繁忙期に向けた商材確保により買掛金が241,474千円、IMI社の前受保証債務の計上により契約負債が373,798千円増加したことによるものであります。

固定負債は879,157千円となり、前連結会計年度末に比べ477,843千円の増加となりました。これは主に運転資金の調達により長期借入金が372,104千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は2,075,612千円となり、前連結会計年度末に比べ385,000千円の増加となりました。これは主に、新株式発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ135,147千円増加したことによるものです。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度に比べ729,818千円増加し、1,562,473千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は、217,283千円となりました(前連結会計年度は51,717千円の増加)。これは主に、税金等調整前当期純利益183,018千円を計上したことにより資金が増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、減少した資金は、128,291千円となりました(前連結会計年度は526,239千円の減少)。これは主に、基幹システムの改修等の有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出300,145千円が発生したことにより資金が減少した一方で、保険積立金の解約により90,706千円資金が増加したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、増加した資金は、638,822千円となりました(前連結会計年度は331,811千円の増加)。これは主にカインズ社への第三者割当増資に伴う新株の発行による収入267,720千円により資金が増加したことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

a 生産実績

当社グループは、生産活動を行っておりませんので、記載を省略しております。

 

b 受注実績

当社グループは、受注生産を行っておりませんので、記載を省略しております。

 

c 販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

住設DX事業

11,278,719

22.3

ソリューション事業

1,443,766

19.4

合計

12,722,486

22.0

 

(注) 主な相手別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がいないため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

   a 財政状態

     財政状態の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

   b 経営成績

(売上高)

 当連結会計年度におきましては、ブランディング広告などを実施し、需要拡大とともに、株式会社IMI及び株式会社キッチンワークスの株式を取得したことにより当連結会計年度における売上高は12,600,874千円となりました。

 

 

(売上原価、売上総利益)

 当連結会計年度における売上原価は9,774,229千円となりました。売上原価を構成するものとしては、主に住宅設備機器の仕入れ及び経費でありますが、効率的な仕入れ戦略を行い、その結果、売上総利益は2,826,644千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は2,650,555千円となりました。販売費及び一般管理費を構成するものとしては、主に人件費及び広告宣伝費でありますが、当連結会計年度におきましては新CM関連費用や業務体制強化に伴うアウトソーシング費用等の一時的な費用が発生しております。その結果、営業利益は176,089千円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 当連結会計年度において、営業外収益が17,842千円、営業外費用が10,943千円発生しております。営業外収益につきましては、主に10年保証の保険金によるものであります。営業外費用につきましては、主に支払利息によるものであります。この結果、経常利益は182,987千円となりました。

 

(特別損失、法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における特別利益は187千円となりました。これは車両の売却によるものであります。特別損失は157千円となりました。これは、固定資産除却損によるものであります。また、法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額含む)につきましては91,046千円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は91,971千円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主たるものは、住宅設備機器の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。

当社グループは、事業活動に必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、運転資金及び設備投資は、自己資金及び金融機関からの長期借入により調達しております。

なお、当連結会計年度末における借入金残高は1,034,364千円となっております。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は1,562,473千円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」に記載のとおりであります。

また、連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

 

5 【重要な契約等】

(株式取得による企業結合)

当社は、2025年6月24日開催の取締役会において、株式会社IMI(以下、「IMI」といいます。)の全株式を取得し、子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。また、2025年9月29日開催の取締役会において、株式会社キッチンワークス(以下「キッチンワークス」)の全株式を取得し、子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。

詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(資本業務提携及び第三者割当による株式発行)

当社は、2025年11月21日開催の取締役会において、当社と株式会社カインズとの間で、資本業務提携を行うとともに同社を割当先とする第三者割当による新株式の発行を行うことについて決議いたしました。

 

1.資本業務提携の理由

新築住宅価格の上昇が続く昨今、持ち家志向の消費者における住宅リフォームへの関心が高まっている一方で、熟練職人の引退や若年層の新規参入の停滞により、リフォーム市場における職人確保と技術継承が重要な課題となっています。こうした市場環境において、安心して手軽に利用できるリフォームサービスの提供と、職人がスキルを磨きながら長く活躍できる仕組みづくりという両社のビジョンが合致し、今回の提携に至りました。

 

2.資本業務提携の内容等

(1)業務提携の内容

「スムーズに快適に利用できるリフォームサービス」の実現に向けて、まず、全国ブランドのカインズにおいて、当社が有するノウハウをソリューション化した「リプラフォーム」を活用して、住宅設備交換の事前訪問見積不要な販売方法を確立します。更に、当社から「住宅設備保証」の提供を受け、アフターサポートの充実でサービスの価値向上を図ります。

それと合わせて、当社のお客様に対しては、カインズの協力により、システムキッチンやユニットバス、エクステリア関連リフォームなどオンライン完結では難しいリフォーム領域のサービス提供が可能となります。2025年9月29日に当社が発表した株式会社キッチンワークスを傘下に推し進めていく水廻りリフォームのボランタリーチェーン構想と合わせて、サービス補完基盤を盤石なものとし、お客様満足の向上を目指します。

また、当社が住宅設備職人(交換士)育成のために立ち上げた「交換技能アカデミー」において、カインズ専用カリキュラムを提供します。カインズは、従来のリフォーム職人に交換士の技術習得を進め、住宅設備交換からキッチンバスリフォーム、エクステリアまでカバーできるマルチ職人の育成を図ります。

当社は、これらの提携のビジョン実現に向けた取り組みを通じて、投資を強化している周辺事業の加速をはかり、高収益体質への転換につなげていきます。

 

この取り組みを通じて、カインズは店舗におけるリフォーム販売の拡大、当社は投資を強化している新規事業の加速を見込んでおります。その先には、リフォーム・住宅設備職人(交換士)の育成に関しても、単に育成をするだけでなく、交換士のブランド作りやスキル向上、働きやすい環境を整えることを目的としたコミュニティーの共同運営やクロスマーケティングの強化も視野に入れております。

今回の提携の枠にとらわれることなく、お客様が安心してリフォームを相談、依頼できる環境を整えて、「カインズ×交換できるくん」のリフォームは、どこよりも信頼できるというブランドを築き、業界のトッププレーヤーとなることを目指していきます。

 

(2)資本提携の内容

当社は、株式会社カインズと一定の資本関係を構築すべく第三者割当により当社普通株式300,000株(議決権数3,000個)を割り当てます。これにより、本第三者割当増資後の株式会社カインズの当社に対する議決権所有割合は4.02%となっております。

 

 

3.資本提携の相手先の概要

(1)

名称

株式会社カインズ

(2)

所在地

埼玉県本庄市早稲田の杜一丁目2番1号

(3)

代表者の役職・氏名

代表取締役会長 土屋裕雅

代表取締役社長 CEO 高家正行

(4)

事業内容

ホームセンターチェーンの経営

(5)

資本金

3,260百万円

(6)

設立年月日

1989年3月1日

(7)

大株主及び持株比率

土屋裕雅 35.06%

(8)

上場会社と当該会社

との間の関係

資本関係

該当事項はありません。

人的関係

該当事項はありません。

取引関係

該当事項はありません。

関連当事者への

該当状況

該当事項はありません。

 

(9)

当該会社の最近3年間の経営成績及び財政状態

単位:百万円

決算期

2023年2月期

2024年2月期

2025年2月期

純資産

255,999

266,903

276,935

総資産

324,504

337,114

349,727

売上高

429,470

443,796

466,707

営業利益

24,165

19,416

20,343

経常利益

25,654

20,890

21,951

当期純利益

16,633

14,010

14,084

 

(注)1株当たり純資産、1株当たり当期純利益、1株当たり配当金については、非開示であるため記載をしておりません。

 

4.日程

(1)

取締役会決議日

2025年11月21日

(2)

契約締結日

2025年11月21日

(3)

本第三者割当増資による払込期日

2025年12月15日

 

 

5.第三者割当募集の概要

(1)

払込期日

2025年12月15日

(2)

発行新株式数

普通株式300,000株

(3)

発行価額

1株につき799円

(4)

調達資金の額

239,700,000円

(5)

募集又は割当方法

(割当予定先)

株式会社カインズ

(6)

その他

上記各号につきましては、金融商品取引法による届出の効力発生を条件とします。

 

 

6.本第三者割当増資による発行済株式総数及び資本金の額の推移

(1)

増資前の発行済株式総数

7,168,500株(増資前の資本金の額 441,152,500円)

(2)

増資による増加株式数

  300,000株(増加する資本金の額 119,850,000円)

(3)

増資後の発行済株式総数

7,468,500株(増資後の資本金の額 561,002,500円)

 

 

 

7.調達する資金の額、使途及び支出予定時期

(1)調達する資金の額

払込金額の総額

239,700,000円

発行諸費用の概算額

1,500,000円

差引手取概算額

238,200,000円

 

 

(2)調達する資金の具体的な使途

具体的な使途

金 額(百万円)

支出予定時期

①現調レスモデルの構築及び運用

167

2026年4月~2028年3月

②職人育成関連

71

2026年4月~2026年9月

 

(注)※上記の資金使途に充当するまでの間、銀行口座その他安全性の高い方法にて管理いたします。

 

① 現調レスモデルの構築及び運用

カインズのリフォーム事業において、住宅設備機器の販売、施工を、現場調査を行わずに見積提示が可能となる「現調レスモデル」の構築・運用を目標とし、実現手段として「リプラフォーム」を導入します。カインズのWEBサイトを通じて受付した案件を対象として先行運用を予定しており、将来的には、実店舗での活用を視野に入れております。上記実現のため、委託会社に対するシステム開発費やAI導入検証費、UI/UXデザイン費等に充当する予定です。

 

② 職人育成関連

交換できるくんが多能工交換士(住宅設備交換を行う職人)育成のために立ち上げた実践型スクール「交換技能アカデミー」に、カインズ専用カリキュラムを設けます。将来的には、カインズ内で職人を内製化できるよう、社内教育体制の構築支援及び運営ノウハウの提供を行ってまいります。上記実現のため、研修施設拡充工事費、講師育成費用、受講生募集費用等に充当する予定です。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。