第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している以下の主要なリスクが発生しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

・M&Aにおけるのれん等の減損リスク

当社グループは、企業買収により株式を取得しており、のれん(取得原価の配分が完了していないため、暫定的に算定された金額)を計上しておりますが、今後、事業環境や競合状況の急激な変化等により関係会社の業績が当初の想定を下回り、想定していた超過収益力が低下した場合、当該のれんについて減損損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、長期化する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から緩やかに回復の兆しが見られたものの、原材料価格の高騰やサプライチェーンの混乱、ロシアによるウクライナ侵攻等、依然として景気の先行きが不透明な状況が続いております。日本経済においては、ワクチン接種等の促進により、景気は持ち直しの動きが見られましたが、エネルギー価格の高騰や国際情勢不安など、企業業績を取り巻く環境は厳しさを増し、総じて経済活動は慎重な姿勢が続く動きとなりました。加えて、日本企業は、グローバル化、戦略実現のスピードアップ、イノベーション創発、企業間連携の促進、生産性の向上、また、それらを実現するためのテクノロジーの活用といったテーマに直面し、激しく変化する市場環境における経営のあり方そのものの見直しを迫られております。

特に大手企業を中心に、デジタルトランスフォーメーション(DX)(注1)に強い関心が寄せられており、既存のビジネスモデルや業界構造を大きく変化させる新たなデジタル化の流れに注目が集まっております。企業は顧客により高い付加価値を提供するため、クラウド等のプラットフォーム、スマートフォンやIoT等の新たなデバイス、AIやブロックチェーン等の新たなテクノロジーを組み合わせたサービスの開発が進められております。

このような事業環境の中で、当社グループは、顧客企業を利用するユーザーの根本的なニーズに基づいたユーザーエクスペリエンス(UX)を実現し、顧客企業が提供するサービスに期待される価値の創造を支援し、最適なデザインを設計するサービスであるデザインパートナー事業、そして、自社サービスである「Goodpatch Anywhere」、「ReDesigner」、「Strap」、「Prott」及び「Athena」などのサービスで構成されるデザインプラットフォーム事業を主要事業と位置づけ、相互にシナジーを創出することに注力しながら推進してまいりました。また、2021年12月22日には、デザイン領域における総合力を高めるために、株式会社スタジオディテイルズの全株式を取得いたしました。今後、当社の強みである戦略デザインやUI/UXデザインと、株式会社スタジオディテイルズの強みである質の高いクリエイティブとブランディングを融合し、顧客企業のさらなる期待に応えられるデザイン支援を提供できるよう、企業価値向上に取り組んでおります。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は2,808,247千円前年同期比38.5%増)、営業利益は384,852千円前年同期比13.8%増)、経常利益は383,918千円前年同期比17.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は228,721千円前年同期比12.4%減)となりました。

 

 

報告セグメント別の業績の状況は以下のとおりであります。

 

① デザインパートナー事業

デザインパートナー事業は、顧客企業の持つ本質的な価値を発見し、その要素を紐解きながら、顧客企業のユーザーが持つ価値観に則して、その価値が適切に伝わるように顧客企業の戦略やブランディング、ビジネスプロセス等も踏まえてデザインを実装していきます。その際に、当社のUXデザイナー及びUIデザイナーが中心となり、顧客企業のプロジェクトチームと一体となって、デザインプロジェクトをリードします。

主にWebサイトやアプリケーション等のデジタルプロダクトのデザイン開発を進めたい顧客企業に対しては、顧客企業が必要とするUI/UXデザイン(注2)の実現を支援します。さらにそのようなデジタルプロダクトの実装や開発まで希望する顧客企業に対しては、当社のエンジニアによりアプリケーション開発を行います。そのような過程において、顧客企業は既存ビジネスプロセスをデジタル化し、イノベーションの創出を図ることが可能です。また、顧客起点の新たな価値創出のための変革を図りたい顧客企業に対しては新規事業の検証やアイデアを創出するための支援についても行っております。

近年デジタルトランスフォーメーション(DX)が注目を集め、企業がデジタル領域において変革を求められる状況の中で、デザインの持つ役割の重要性は益々高まっており、当社グループにおいても、日本国内を主として、当事業への問い合わせが増加する等、需要の増加が顕著な状況となります。そのような状況の中、当社グループとしては数多くのデジタルデザイン支援の知見を集約し、経験豊富なデザイナーを集め、育成することで、より多くの企業に対して、高品質なデザイン支援を行うことが可能になります。そのため、当社グループはデザイナーの採用活動を積極的に行い、提供リソースであるデザイナー人員を拡大するとともに、より幅広い業種業態の顧客企業に対してデザイン支援プロジェクトを実施してまいりました。

当第3四半期連結累計期間においては、株式会社スタジオディテイルズを含む当社グループの顧客社数(注3)は36.7社(株式会社スタジオディテイルズを除き、顧客社数は27社、前年同期は23.7社、前年同期比14.1%増)、月額平均顧客単価(注4)は6,027千円(株式会社スタジオディテイルズを除き、月額平均顧客単価は6,412千円、前年同期は6,832千円、前年同期比6.1%減)となりました。また、社内デザイン組織のデザイナーの採用が順調に進み、当第3四半期連結会計期間末において136名(前年同期比10.6%増)となりました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるデザインパートナー事業の売上高は1,961,639千円前年同期比33.8%増)、営業利益は266,907千円前年同期比2.7%減)となりました。

 

(デザインパートナー事業のKPI推移)

 

2021年8月期

2022年8月期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

実績

実績

実績

実績

実績

実績

実績

前年同期比

新KPI

 

顧客社数

26.0

24.0

23.7

26.3

26.7

29.3

36.7

(27.0)

54.8%

(14.1%)

月額平均顧客単価(千円)

5,547

6,407

6,832

6,516

7,816

6,383

6,027

(6,412)

△11.7%

(△6.1%)

旧KPI

 

月平均プロジェクト件数

26.0

28.0

28.0

29.7

28.3

30.7

-

(31.3)

-

(11.8%)

月平均プロジェクト単価(千円)

5,443

5,382

5,720

5,739

7,338

6,018

-

(5,528)

-

(△3.4%)

 

※事業の拡大等に伴い、より当社グループの事業の実態を把握しやすくするため、当連結会計年度よりデザインパートナー事業のKPIの項目を再編しております。新KPIでは、月平均プロジェクト件数を顧客社数へ、月平均プロジェクト単価を月額平均顧客単価へ変更しております。

当第3四半期連結会計期間における顧客社数及び月額平均顧客単価は、連結子会社の株式会社スタジオディテイルズの数値を含めております。また、株式会社スタジオディテイルズを含めた月平均プロジェクト件数、月平均プロジェクト単価は算出しておりません。

※()内は、当第3四半期連結会計期間における株式会社スタジオディテイルズを除いた数値を記載しております。

 

 

② デザインプラットフォーム事業

デザインプラットフォーム事業は、デザインパートナー事業によって行われるUI/UXデザイン支援を様々な側面からサポートするサービスを提供しております。具体的には、登録した外部デザイナー人材によるフルリモートでUI/UXデザインプロジェクトを実施する「Goodpatch Anywhere」、自社で構築したデザイン人材プールを活用したデザイナー採用支援サービス「ReDesigner」、2020年9月1日に正式リリースしたオンラインホワイトボード「Strap」、デザインパートナー事業で培ったナレッジの蓄積をもとにしたプロトタイピングツール(注5)「Prott」及びVR(Virtual Reality:仮想現実) /AR(Augmented Reality:拡張現実)(注6)を活用したデザインツール「Athena」で構成され、それぞれのシナジーを創出し、デザインに関連したビジネスの拡大を行うものとなります。

当第3四半期連結累計期間においては、「Goodpatch Anywhere」は、外部デザイナー人材の登録者数が増加しております。「ReDesigner」は、契約企業数や内定者数が増加し、採用支援実績を積み上げております。「Strap」並びに「Prott」においては、「Prott」のリソースを有効に活用し、「Strap」の機能開発を強化しております。また「Athena」は、カーデザインをVR環境で行うことができるソフトウェアの開発を連結子会社Goodpatch GmbHにて進め、機能拡充を図っておりましたが、当該サービスの事業成績を鑑み、2022年6月30日に終了することを決定いたしました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるデザインプラットフォーム事業の売上高は846,608千円前年同期比50.9%増)、営業利益は117,945千円前年同期比84.9%増)となりました。

 

(注)1.デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、Digital Transformationの略語で、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること、を意味します。

2.UI(User Interface/ユーザーインターフェース)とは、「ユーザーがPCやスマートフォン等のデバイスとやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組み」を意味します。また、UX(User Experience/ユーザーエクスペリエンス)は「サービスなどによって得られるユーザー体験」のことを指します。

3.顧客社数とは、デザインパートナー事業において、当社グループとデザインプロジェクトを進めるために契約した顧客企業の社数を指しており、1か月にデザイン支援を提供した顧客社数の3か月の平均値を示しています。一方、月平均プロジェクト件数とは、デザインパートナー事業において、顧客企業のプロジェクトチームと一体となって、当社デザイナーがリードしたデザインプロジェクトの件数を指しており、1か月に稼働したプロジェクト件数の3か月の平均値を示しています。

4.月額平均顧客単価とは、(1か月にデザイン支援を提供した顧客社数の売上総額 / 1か月にデザイン支援を提供した顧客社数)の3か月の平均値を示しています。一方、月平均プロジェクト単価は(1か月に稼働したプロジェクトの総額 / 1か月に稼働したプロジェクト数)の3か月の平均値を示しています。

5.プロトタイピングとは、最終成果物の試作品を早い段階から作り、改善を繰り返す手法のことを意味します。

6.VRとは、Virtual Reality(仮想現実)の略であり、現物・実物(オリジナル)ではない機能としての本質は同じであるような環境を、ユーザーの五感を含む感覚を刺激することにより理工学的に作り出す技術及びその体系を意味します。またARとは、Augmented Reality(拡張現実)の略であり、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前にある世界を仮想的に拡張するという技術を意味します。

 

 

(2) 財政状態に関する分析

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて151,291千円増加し、3,287,797千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加73,073千円前払費用の増加18,185千円及び売上高が伸長したこと等による売掛金及び契約資産の増加81,534千円等があった一方で、当第3四半期連結会計期間においてデザインパートナー事業や「Goodpatch Anywhere」における請負契約案件が減少したことによる仕掛品の減少23,292千円があったこと等によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて675,395千円増加し、978,524千円となりました。主な要因は、株式会社スタジオディテイルズの買収に伴うのれんの増加604,235千円、株式会社スタジオディテイルズの買収等による建物の増加22,248千円、デザインパートナー投資の実行等による投資有価証券の増加75,838千円等があった一方で、在外連結子会社における使用権資産の減少16,213千円及び税務上の繰越欠損金の減少等による繰延税金資産の減少10,637千円があったこと等によるものであります。

この結果、当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて826,686千円増加し、4,266,321千円となりました。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ94,067千円増加し、645,230千円となりました。主な要因は、未払法人税等の増加80,908千円未払金の増加27,879千円及び業務委託費等の増加による買掛金の増加18,667千円等があった一方で、顧客企業から契約期間分の料金を一括で受領した前受金の役務提供に伴う取り崩し等による契約負債の減少37,266千円(前連結会計年度は前受金及び前受収益)があったこと等によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ51,880千円減少し、265,328千円となりました。主な要因は、借入金の返済による長期借入金の減少47,485千円及び在外連結子会社におけるリース債務の減少17,776千円等があった一方で資産除去債務の増加11,556千円があったこと等によるものであります。

この結果、当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて42,187千円増加し、910,559千円となりました。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末と比べ784,499千円増加し、3,355,762千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益計上に伴う利益剰余金の増加236,707千円、2021年2月9日に発行した第7回新株予約権(第三者割当による行使価額修正条項付新株予約権)等の行使による資本金の増加270,429千円及び資本準備金の増加270,429千円であります。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(6) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

 

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

(合弁会社の設立)

当社は、2022年4月14日開催の取締役会において、株式会社丸井グループとの共同出資により、合弁会社を設立することを目的とした合弁契約書を同日付で締結することを決議し、当該決議に基づき、合弁契約書を締結し、2022年4月27日付で合弁会社(以下、「株式会社Muture」)を設立しております。

なお、株式会社Mutureは当社の持分法適用関連会社となります。