第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「先端の創薬を通じて人々の健康と明日の社会に貢献する」という経営理念の下、「医療用医薬品事業」を中核に「アニマルヘルス事業」、「検査事業」など医療関連ビジネスを通し、社会から信頼される会社として成長・発展していきたいと考えております。

 また健康や生活に対する価値観の多様化やビジネス環境の変化が急速に進む中、当社グループは機動的な意思決定とガバナンス強化を目的として、2021年度からホールディングス体制をスタートしております。当社グループの中核となる国内医療用医薬品事業において産婦人科等のスペシャリティ領域でリーディングカンパニーとして飛躍するとともに、これまでの事業を軸に「予防、検査・診断、治療、予後」のヘルスケア市場全体において、国内外にわたって事業を展開する「トータルヘルスケアカンパニー」を目指していきます。さらに今後も「いのち」に関わる企業として持続的な成長と社会課題の解決を図るとともに、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた活動を推進し、豊かな社会の実現にむけて貢献してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは2021年4月から2026年3月末までの中期経営計画を策定しております。その最終年度である2025年度には、売上高700億円、営業利益率8%、自己資本当期純利益率(ROE)8%を目標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略および会社の対処すべき課題

 当社グループでは2021年度からスタートした中期経営計画では、これまで築いてきた基盤をより発展させつつ、当社グループが目指す「スペシャリティファーマを基盤としたトータルヘルスケアカンパニー」の実現にむけ、以下の7つの戦略に取り組んでまいります。

1.スペシャリティ領域の取り組み強化による企業価値向上にむけて、産婦人科製品の継続的な開発・販売を通じ、女性のクオリティオブライフ向上に貢献します。さらに発売から100年となる甲状腺ホルモン剤を中心に、甲状腺領域疾患の啓発活動を推進してまいります。

2.新薬の継続的創出のため、オープンイノベーションの活用や新設したロンドンオフィスとの連携によるグローバルベースなアライアンス活動に取り組みます。

3.海外事業の展開の一環として、アジアを中心に提携先との協力関係を進めていきます。

4.トータルヘルスケア実現に向けた新たな価値提供にむけ、検査事業における低侵襲な検査法のビジネス確立を進めます。また畜水産領域の繁殖・免疫と栄養の強みを伸ばし、コンパニオンアニマルの健康を支える製品の開発・販売を行います。

5.財務基盤の強化のため、IT活用等による業務効率化、コスト削減を推進します。

6.社会からの信頼を得る会社であり続けるために、信頼性を重視する組織風土の醸成とコンプライアンスの徹底により、生命関連企業としての責任を果たしてまいります。

7.成長戦略を実現するための人材活用にむけ、新人事制度による多様なキャリア志向に対応できる組織体制づくりとともに、計画的な教育研修により能力拡大をはかります。

 

 具体的な取り組みとして、開発面においては、杏林製薬株式会社と共同開発中の自社創製品AKP-009(ルダテロン酢酸エステル)について、前立腺肥大症の適応症で臨床試験を進行中であります。また創薬・アライアンス活動においては、東レ株式会社と共同事業化契約を締結しました癒着防止材「TRM-270C(東レ開発コード)」や、武田薬品工業株式会社と日本における子宮筋腫の独占的開発権および独占的販売権を取得するライセンス契約を締結したrelugolix配合剤(TAK-385)といった産婦人科領域における開発段階のステージアップやあすか製薬株式会社を中心とした創薬研究活動により、パイプライン進展、拡充に努めてまいります。

 

 営業活動では、あすか製薬株式会社において産婦人科領域とリフキシマを中心とした情報提供活動を行うため、スペシャリティエリア制を導入し、情報提供の質の向上と効率化に取り組んでおります。特に子宮筋腫に加え、子宮内膜症の適応症を追加したレルミナ錠を中心に、コプロモーション活動を実施しているジェミーナ配合錠、リオナ錠等の情報提供を通じて産婦人科領域でのプレゼンスを向上させていきます。またリフキシマ錠もガイドライン改訂により、肝性脳症治療の標準治療薬として位置づけられたことを受けてさらなる普及を進めていきます。さらに発売100年を迎え、国内シェアが9割を超えるチラーヂンは医療現場において欠かすことのできない薬剤であり、安定供給体制を堅持するとともに、甲状腺疾患治療のリーディングカンパニーとして引き続き甲状腺疾患の啓発活動等に取り組んでまいります。

 またトータルヘルスケアの実現に向け、動物用医薬品・飼料等を販売するあすかアニマルヘルス株式会社においてはアニマルウェルフェアに貢献できる製品の開発・発売を継続して進めてまいります。さらに検査事業を行う(株)あすか製薬メディカルでは、毛髪からステロイドホルモンを測定する技術を用いて、ジヒドロテストステロン(DHT)を測定することにより、男性型脱毛症(AGA)のリスク評価を可能とする毛髪ホルモン量測定キットを開発し販売を開始しました。今後は同技術を応用した事業展開を進めてまいります。

 

上記に加え、当社グループにおいて2021年4月にESG委員会を立ち上げ、持続的な成長とともに社会課題の解決をなし遂げていくための17項目のマテリアリティを特定しました。今後は特定したマテリアリティへの取り組みを通じて、ESG、SDGs(持続可能な開発目標)の解決を推進することで、企業としての社会的責任を果たすとともに持続可能な社会の構築に貢献し、更なる企業価値の向上を目指してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 (1)研究開発に関するリスク

医薬品の研究開発には、多額の費用と長い年月を要しますが、新製品または新技術の創出へと結実する確率は決して高くありません。現在の開発品についても、期待した有効性が証明できない場合や安全性の面で問題が明らかとなった場合には、開発の継続を断念しなければならない可能性があります。このような場合、開発品によっては当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 (2)副作用に関するリスク

医薬品は、十分な安全性試験と厳しい審査を経てから承認、販売されます。しかし、市販後に、発売時には予測されなかった新たな副作用が発見され、製品の販売中止・回収等を余儀なくされた場合は、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 (3)法規制、制度改革に関するリスク

当社グループの売上高の大部分を占める医療用医薬品は、薬事行政により様々な規制を受けています。薬価基準の改定をはじめとして、医療制度や健康保険に関わる行政施策の動向によっては、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 (4)知的財産権に関するリスク

当社グループの事業は多くの特許によって保護されています。当社グループでは、特許等知的財産権を適切に管理し、第三者からの侵害に注意を払っておりますが、当社グループが保有する知的財産権が第三者から侵害を受けた場合、期待される収益が失われる可能性があります。また当社グループの事業活動が第三者の知的財産権に抵触する場合には、係争に至り、また当該事業の中止に繋がるなど、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 (5)他社との提携に関するリスク

当社グループは、研究、開発、製造において、他社と連携し共同研究、製品導出入、委受託製造などを行っておりますが、今後、何らかの事情により契約変更もしくは契約解消が発生した場合、また、提携先の経営統合・組織変更、経営方針の変更、株主の変動などが生じた場合、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 (6)製造・安定供給に関するリスク

当社グループおよび提携先等の製造施設・物流施設等において、技術上もしくは法規制上の問題発生や火災その他の災害による操業停止等により、医薬品の供給が休止もしくは著しく停滞した場合、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 (7)特定取引先との関係について

当社グループは、取引先の上位1社で約9割の売上高を占めております。今後も継続し取引を行う方針ですが、万が一取引関係等に大きな変化が生じた場合、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 (8)大規模な災害等に関するリスク

当社グループでは、防災管理体制を整備し、事業継続計画(BCP)の策定等の各種対策を推進しておりますが、想定を超える大規模災害や事故、パンデミック等が発生し、当社グループの本社、工場、研究所、事業所等の破損もしくは事業活動の停滞、操業停止等に陥った場合、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

なお、2020年1月以降に顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は世界各地で増加の報告が続いており、当社グループは感染拡大を防止するため、衛生管理の徹底や時差出勤、在宅勤務などの効率的な事業運営を実施しております。しかし、想定を超えるさらなる感染拡大や状況が長期に及んだ場合には、従業員への感染に伴う操業停止やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 (9)訴訟に関するリスク

当社グループは、事業活動を継続していく過程において、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引等に関する訴訟を提起される可能性があります。これにより、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 (10)情報セキュリティと情報管理に関するリスク

当社グループは、各種情報システムを使用しているため、システムの障害やコンピューターウイルス等により、業務が阻害される可能性があります。また、個人情報を含め多くの機密情報を保有しておりますが、これらが社外に漏洩した場合には、損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損等により、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

なお、上記以外にもさまざまなリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループの全てのリスクではありません。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当社は2021年4月1日に単独株式移転によりあすか製薬株式会社の完全親会社として設立されましたため、前年度との比較は行っておりません。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度の当社グループの売上高は566億7百万円となりました。費用面については売上原価が302億5千5百万円、販売費及び一般管理費は215億5千6百万円となり、その結果、営業利益は47億9千5百万円となりました。経常利益につきましては、営業外収益を3億7千9百万円、営業外費用を2億9千4百万円計上したことから48億8千万円となりました。また当社連結子会社であるあすか製薬株式会社が保有する土地および建物を譲渡したことによる固定資産売却益94億2千5百万円を計上したこと等により、特別利益として96億8千3百万円を計上いたしました。一方で、あすか製薬株式会社が申請したCDB-2914(ウリプリスタル)の開発中止により、無形固定資産の減損処理等による特別損失68億9千1百万円を計上したことに加え、投資有価証券評価損11億5千1百万円を計上したこと等により特別損失が84億円となりました。以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は42億9千万円となりました。

 

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

(医薬品事業)

医療用医薬品事業につきましては、2021年4月に初めて実施された薬価の中間年改定や医療費抑制策の推進による影響を受けつつも、主力である産婦人科製品の伸長等により総じて堅調に推移しました。製品別にみると、産婦人科領域においてはGnRHアンタゴニスト「レルミナ」が73億3千4百万円、月経困難症治療剤「フリウェル」は34億6千3百万円と大幅な伸長となりました。また内科領域の主力品である甲状腺ホルモン剤「チラーヂン」が74億9千9百万円、難吸収性リファマイシン系抗菌薬「リフキシマ」が48億5千4百万円と増加したほか、他社製品供給問題に端を発する代替需要の高まりにより、オーソライズド・ジェネリック「カンデサルタン類」が123億9千4百万円、泌尿器科領域のLH-RH誘導体マイクロカプセル型徐放性製剤「リュープロレリン」が51億8千3百万円となりました。

 以上の結果、売上高は507億9千1百万円、セグメント利益は50億8千8百万円となりました。

 

(その他)

 動物用医薬品、臨床検査、医療機器等の各事業を展開しているその他事業につきましては、動物用医薬品事業における畜産・コンパニオンアニマル用薬品、飼料添加物を中心に売上が好調に推移しました。

 以上の結果、売上高は58億1千6百万円、セグメント利益は3億6千万円となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、832億9千7百万円となりました。その主な内訳は、現金及び預金121億3百万円、売掛金144億8千2百万円、商品及び製品100億1千6百万円など流動資産が495億5千7百万円、有形固定資産109億3千6百万円、投資有価証券122億2千3百万円など固定資産が337億3千9百万円であります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債合計は、344億4百万円となりました。その主な内訳は、支払手形及び買掛金31億1千8百万円、電子記録債務37億2千3百万円、未払金48億6千7百万円など流動負債が160億1千1百万円、長期借入金123億2千3百万円、退職給付に係る負債57億3千万円など固定負債が183億9千3百万円であります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は、488億9千2百万円となりました。その主な内訳は、利益剰余金458億3千3百万円など株主資本が454億1千9百万円、その他有価証券評価差額金32億3千1百万円などその他の包括利益累計額が34億7千3百万円であります。

 その結果、自己資本比率は58.7%となっております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、171億3百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動におけるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果増加した資金は、28億4千2百万円となりました。これは主に、有形固定資産除売却益の計上はありましたが、税金等調整前当期純利益、減損損失および減価償却費の計上等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果増加した資金は、67億4千3百万円となりました。これは主に、有形固定資産の売却によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果減少した資金は、29億9千6百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

医薬品事業(百万円)

14,259

合計(百万円)

14,259

 (注)金額は製造原価によっております。

 

b.商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

医薬品事業(百万円)

10,872

その他(百万円)

4,615

合計(百万円)

15,487

 (注)金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

c.受注実績

当社グループは販売計画、在庫状況に基づいて生産計画を立て、これによって生産しているため、受注生産は行っておりません。

 

d.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

医薬品事業(百万円)

50,791

その他(百万円)

5,816

合計(百万円)

56,607

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

武田薬品工業㈱

49,439

87.3

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

当連結会計年度における財政状態の分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。

 

b.経営成績の分析

当連結会計年度の当社グループの売上高は566億7百万円となりました。セグメント別の売上状況につきましては、医薬品事業は2021年4月に初めて実施された薬価の中間年改定や医療費抑制策の推進による影響を受けつつも、主力である産婦人科製品の伸長等により総じて堅調に推移し、その売上高は507億9千1百万円となり、動物用医薬品、臨床検査、医療機器等の各事業を展開しているその他事業は動物用医薬品事業における畜産・コンパニオンアニマル用薬品、飼料添加物を中心に売上が好調に推移し、その売上高は58億1千6百万円となりました。

売上原価は302億5千5百万円となりました。この結果、売上総利益は263億5千1百万円となり、当連結会計年度の売上総利益率は46.6%となっております。

販売費及び一般管理費は215億5千6百万円となりました。その主な内訳は、給料手当・賞与42億1千8百万円、運送保管料57億6千7百万円、研究開発費35億9千8百万円などであります。この結果、営業利益は47億9千5百万円となりました。

営業外収益は3億7千9百万円、営業外費用は2億9千4百万円となりました。この結果、経常利益は48億8千万円となりました。

特別利益は96億8千3百万円となりました。これは主に、当社連結子会社であるあすか製薬株式会社が保有していた羽村市(東京都)の土地および建物を譲渡したことによる固定資産売却益の計上によるものであります。特別損失は84億円となりました。これは主に、あすか製薬株式会社が申請したCDB-2914(ウリプリスタル)の開発中止による無形固定資産の減損処理等による減損損失の計上や、TesoRX Pharma,LLC 優先株式の投資有価証券評価損の計上によるものであります。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額の合計は、18億7千3百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は42億9千万円となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、事業活動の維持・拡大に必要な資金を安定的に確保するとともに、資金需要に応じた資金調達を行うことを基本的な方針としております。

当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造費用、商品仕入、研究開発費や販売促進費等の販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、長期資金需要の主なものは、生産および研究開発のための設備投資や開発パイプラインの拡充に向けた投資等であります。運転資金需要は自己資金および取引金融機関からの短期借入を基本としており、長期資金需要は自己資金および取引金融機関からの長期借入を基本としております。

資金の流動性につきましては、現金及び現金同等物に加え、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結し、手元流動性を確保しております。

なお、当連結会計年度末における借入金の残高は140億4千7百万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は171億3百万円となっております。

 

③ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは、過去の実績や現状等を勘案し合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積り等の不確実性があるため実際の結果は異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは2021年4月から2026年3月末までの中期経営計画を策定しております。その最終年度である2025年度には、売上高700億円、営業利益率8%、自己資本当期純利益率(ROE)8%を目標としております。

 

今後も「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中長期的な会社の経営戦略および会社の対処すべき課題」に記載のとおり、中期経営計画に基づき、目標達成に向けた取り組みを推進してまいります。

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術導出契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

あすか製薬株式会社

アステラス製薬株式会社

日本

AKP-002(前立腺肥大症に伴う排尿障害治療剤)

全世界における開発・製造・販売権の許諾

2010年10月から各国における特許満了日または販売開始日から10年間のいずれか遅い方

あすか製薬株式会社

杏林製薬株式会社

日本

AKP-009(前立腺肥大症に伴う排尿障害治療剤)

日本における開発・販売権の許諾

契約締結日から本剤の後発品が初めて薬価収載された日から2年が経過する日または本剤の上市10年後のいずれか遅い日

(注) 上記の技術導出契約には、一時金及び一定率のロイヤルティの受け取りが含まれております。

(2)技術導入契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

あすか製薬株式会社

ヴィアトリス社

アメリカ

高脂血症治療剤

開発・製造・販売権の許諾

1991年4月から、最後のライセンス品目の薬価収載日から10年の満了日

あすか製薬株式会社

アルファシグマ社

イタリア

非吸収性抗生物質

開発・製造・販売権の許諾

2010年4月から、最終の許認可から10年または特許満了日のいずれか遅い方

あすか製薬株式会社

テソアールエックス社

米国

経口テストステロン剤

日本および東南アジア諸国における開発・販売権に対するオプション権の許諾

2016年12月からオプション権を行使しなかった時又はライセンス契約締結時のいずれか早い方

あすか製薬株式会社

武田薬品工業株式会社

日本

Relugolixを含有するヒト用医療用医薬品のうち、子宮筋腫及び子宮内膜症を対象疾患とするもの

(Relugolix単剤)

子宮筋腫:独占的販売権

子宮内膜症:独占的開発権及び独占的販売権

(Relugolix配合剤)

子宮筋腫:独占的開発権及び独占的販売権

契約日から(1)本特許の全部が満了/失効/無効が最終的に確定した日又は (2)本製品の後発品が承認された日のいずれか遅い方から2年間が経過する日まで

あすか製薬株式会社

株式会社レナサイエンス

日本

ピリドキサミン二塩酸塩を含有するヒト用医療用医薬品のうち、月経前気分不快症候群及び神経症状を有する月経前緊張症を対象疾患とするもの

開発・販売権に対するオプション権の許諾

2019年12月からオプション権を行使しなかった時又はライセンス契約締結時のいずれか早い方

あすか製薬株式会社

株式会社キノファーマ

日本

RKP-00156を開発コードとするものを含有するヒト用医療用医薬品のうち、子宮頸部異形成を対象疾患とするもの

開発・販売権に対するオプション権の許諾

2019年12月からオプション権を行使しなかった時又はライセンス契約締結時のいずれか早い方

 

 

 

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

あすか製薬株式会社

インスッド

ファーマグループ

スペイン

経口ドロスピレノン製剤

日本および韓国における独占的開発・販売権

最初に製造承認が付与された日から数えて15年間

(注) 上記の技術導入契約には、一定額の契約金およびロイヤルティの支払いが含まれております。

(3)販売契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約内容

契約期間

あすか製薬株式会社

科研製薬株式会社

日本

フェノフィブラート改良製剤

販売権の許諾

2011年11月から販売されている期間

あすか製薬株式会社

武田薬品工業株式会社

日本

医療用医薬品

販売権の許諾

2032年3月末日まで 以後1年ごとの自動更新

あすか製薬株式会社

武田薬品工業株式会社

日本

カンデサルタンシレキセチル

(持続性アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤)

オーソライズド・ジェネリックの日本における事業化の被許諾

2014年5月から対象製品の販売終了まで

あすかアニマルヘルス株式会社

エコ・アニマル・ヘルス・リミテッド・エコファーマ株式会社

イギリス

日本

動物用医薬品

販売権の被許諾

2008年11月から規定により解約・解除されるまで

あすかアニマルヘルス株式会社

セバサンテアニマル社

フランス

動物用医薬品

独占販売契約

2019年5月から7年間 以後2年ごとの自動更新

あすかアニマルヘルス株式会社

ヒューベ・ファルマ社

ブルガリア

飼料添加物

販売権の被許諾

2012年12月から飼料添加物指定(上市)後3年間 以後1年ごとの自動更新

あすかアニマルヘルス株式会社

DSファーマ

アニマルヘルス

株式会社

日本

動物用医薬品

チロブロック錠

販売権の許諾

2019年11月から5年間 以後1年ごとの自動更新

あすか製薬株式会社

メディス イーエイチエフ社

アイスランド

プロゲステロン腟用坐剤

開発・販売権の被許諾

2014年12月から10年間 以後2年ごとの自動更新

あすか製薬株式会社

武田薬品工業株式会社

日本

ユニシア配合錠

(カンデサルタン シレキセチルとアムロジピンベシル酸塩との合剤)

オーソライズド・ジェネリックの日本における事業化の被許諾

2015年8月から対象製品の販売終了まで

あすか製薬株式会社

武田薬品工業株式会社

日本

カデチア配合錠

(カンデサルタン シレキセチルとヒドロクロロチアジドとの合剤)

オーソライズド・ジェネリックの日本における事業化の被許諾

2016年2月から対象製品の販売終了まで

あすか製薬株式会社

ノーベルファーマ株式会社

日本

産婦人科領域医薬品(NPC-16等)

共同販売促進権の被許諾及び製造の受託

対象医薬品の契約期間に従う

あすか製薬株式会社

SBバイオサイエンス株式会社

日本

体外診断用医薬品 クラミジア抗原キット「ラピッドエスピー<クラミジア、淋病>」

共同販促(コ・プロモーション)権の被許諾

2022年4月1日から2024年3月31日

あすか製薬株式会社

ラボラトワール エイチアールエー ファーマ

フランス

経口緊急避妊薬

販売権の被許諾

ラボラトワール エイチアールエー ファーマからの3ヶ月前通知により終了する場合、又は2022年12月31日のいずれか早い方

あすか製薬株式会社

鳥居薬品株式会社

日本

鉄欠乏性貧血治療剤

共同販促(コ・プロモーション)権の被許諾

本件医薬品に鉄欠乏性貧血の効能が追加された後4年間

あすか製薬株式会社

Harbin

Pharmaceutical

Group Co.,Ltd

中国

アルタット(H2受容体拮抗剤)

中国における販売権の許諾

契約締結日から15年間

あすか製薬株式会社

東レ株式会社

日本

癒着防止材(TRM-270C)

共同事業化契約

2021年9月27日から本特許がすべて満了する日まで

あすか製薬株式会社

メロディ・インターナショナル株式会社

日本

分娩監視装置(iCTG)

共同販促(パイロット活動)契約

2021年11月1日から3年間

(注)上記の販売契約には、一定額の契約金及びロイヤルティの支払いが含まれております。

 

(4)製造委託契約等による合弁事業

契約会社名

内容

合弁会社名

設立年月

オムニケア ドラッグスインディアおよびニューメディカ ライフサイエンシズ

インドにおける医薬品製造施設建設および医薬品製造

NeoASKA Pharma Private Limited

2018年10月3日

 

(5)株式譲渡契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約日

あすか製薬株式会社

Ha Tay

Pharmaceutical

Joint Stock

Company

ベトナム

東南アジアの医薬品事業における戦略的パートナーシップを目的としたHa Tay Pharmaceutical Joint Stock Companyへの出資

2020年8月18日

 

5【研究開発活動】

研究開発につきましては、あすか製薬株式会社が重点領域と位置付ける内科・産婦人科・泌尿器科領域を中心とした創薬研究および臨床開発を推進すると共に、導出入活動および事業提携戦略も積極的に展開しております。

 

2021年9月に東レ株式会社との間で、東レとナノシータ株式会社が共同で開発中の癒着防止材「TRM-270C(東レ開発コード)」について、日本をテリトリーとした共同事業化契約を締結しました。

2021年9月に武田薬品工業株式会社が保有するrelugolix配合剤(開発コード:TAK-385)に関し、日本における子宮筋腫の独占的開発権および独占的販売権を取得するライセンス契約を締結しました。

子宮筋腫に関する適応症で2019年12月に製造販売承認を申請したCDB-2914(以下、ウリプリスタル)については、ウリプリスタル使用患者に重篤な肝障害が発生したことから、欧州では限定された適応症での承認維持となりました。そのため、本邦では新規に承認を取得することは困難と判断し、2021年9月に承認申請の取り下げを決定しました。

ラクオリア創薬株式会社との間で実施中の特定のイオンチャネルを標的とした創薬研究に関する共同研究につきまして、これまでに得られた成果を活用して新薬の創出に取り組む新たな共同研究契約を2021年11月に締結しました。

レルミナ錠40mg(レルゴリクス)については、「子宮筋腫に基づく諸症状(過多月経、下腹痛、腰痛、貧血)の改善」に加え、2021年12月に「子宮内膜症に基づく疼痛の改善」を効能効果として承認を取得しました。

前立腺肥大症の適応症で杏林製薬(株)と共同開発中のAKP-009(ルダテロン酢酸エステル)について、PhaseⅡa試験の結果を踏まえ、最大効果を確認するために実施していた追加のPhaseⅠ試験が終了しました。

避妊を効能効果として開発中のLF111(ドロスピレノン)は、PhaseⅠ/Ⅱ試験を終了し、PhaseⅢ試験を開始しました。

以上から、当連結会計年度の研究開発費総額は、3,598百万円となりました。