第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、2020年10月1日に、広島銀行の単独株式移転により設立されました。
 当社グループは、パーパス、経営理念及びブランドスローガンを以下のとおりとし、グループ一体経営及びグループ内連携を更に強化するとともに、グループ各社の特長・強みを活かすことで、グループシナジーの最大化を図り、「地域社会および地域のお客さまへの更なる貢献」と「当社グループの持続的成長および企業価値の向上」の実現を図ってまいります。

 

 

〔当社グループの理念体系〕

 


 

 

〔ブランドスローガン〕


 

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

地域経済、金融機関を取り巻く環境がより一層変容していく転換期に差し掛かっており、<地域総合サービスグループ>として、地域活性化につながる取組みを、従来以上に強化していく必要があると認識しております。

そのため、当社グループが経営基盤を置く地域の「10年後の求められる地域像」を考えるとともに、「10年後の当社グループの目指す姿」を定めました。この「目指す姿」の実現に向け、バックキャスティングの考え方のもと、前半の5年間(2024年4月から2029年3月まで)を計画期間とする「中期計画2024」を策定しました。

「中期計画2024」では、広島県を中心とした地元4県(岡山県、山口県、愛媛県)マーケットにおいて、地域社会・お客さまのあらゆる課題の解決に徹底的に取り組み、地域の発展に積極的にコミットすることで、グループの持続的成長を図ってまいります。

 


 

 


 

 

当社グループでは、「10年後の求められる地域像」(=活力ある地域)の実現に向け、取り組むべき事項を整理するにあたり、マテリアリティ(地域の優先取組課題)を明確化しております。
 


 

マテリアリティに対して、以下の戦略を展開することで、社会課題の解決(インパクト創出)・当社グループの持続的成長(企業価値向上)につなげてまいります。

具体的には、既存業務のクオリティ向上(業務軸の深化)に加え、地域・お客さまのニーズに対応すべく、ストラクチャーの見直し・新事業への積極的な投資(業務軸の拡大)等、新たなリスクテイクを行い、地域活性化に取り組んでまいります。これらの取組みを通じて当社グループとして「地力」をつけ、「成長投資」「健全性」「株主還元」をバランスさせる中、企業価値の向上を図ってまいります。

 


 

 

(3) 目標とする経営指標

「中期計画2024」では、マテリアリティのうち、特に注力すべき事項について、「地域活性化指標」を定め、行政・地域社会と連携し取り組むこととしております。また、継続的かつ着実な利益(内部留保)の積上げと株主還元のバランスの取れた経営を展開する中、2028年度において達成すべき当社グループの「経営指標」を掲げております。

そのような中、「地域活性化指標」の達成に向け、当社グループの取組みとして、5項目を掲げ取り組んでおりますが、「街づくり・地域開発への関与件数」「環境ファイナンス実行額」について、当初計画を上回って進捗していることから、上方修正いたしました。

また、「経営指標」においては、2024年3月に公表した「中期計画2024」の策定時に比べ国内市場金利は大きく変化しており、今後も一定程度上昇することを織り込む中、お客さまへのソリューションの提供をより一層充実させるとともに、有価証券ポートフォリオの再構築を進めることから、計画最終年度(2028年度)における「連結ROE」について上方修正いたしました。

 


 


 

 

(参考)

 


2024年3月に公表した「中期計画2024」における金利シナリオは日本銀行政策金利0.1%としており、現状の市場環境と乖離が生じていることから、市場環境の変化を踏まえる中、日本銀行の政策金利が段階的に1.0%へ上昇するシナリオへ見直しました。

 


 


上記マーケットシナリオの見直し、特に日本銀行の政策金利の上昇に伴う貸出金利息の増加に加え、ソリューション提供の充実、有価証券ポートフォリオの再構築により、以下に記載の利益水準を目指してまいります。

 


 

 

(4) 経営環境

2024年度のわが国経済は、海外経済が底堅く推移する中、輸出や生産は横這い圏内の動きにとどまったものの、企業収益の改善を背景に設備投資が増加し、所得環境の改善の中で個人消費が持ち直すなど、全体として緩やかな回復基調を辿りました。この間、日本銀行は利上げを実施するなど、金融政策の正常化に向けた動きが進展しました。

ただし、米国の関税政策に伴う内外景気の下振れやウクライナや中東情勢などの地政学リスクに起因した資源価格の変動、物価上昇に伴う消費者マインドの慎重化など、先行きの不透明感は強まっています。

当地方の経済は、主力の自動車産業を中心に輸出や生産が弱含んだものの、設備投資が堅調に推移し、インバウンドの下支えの中で、個人消費も全体として持ち直すなど、緩やかながら回復基調を辿りました。

 

(5) 対処すべき課題

2025年度に入り、米国の大幅な関税見直しをはじめ、世界経済に多大な影響を及ぼす政策変更が相次ぎ、景気の先行きや市場の動向が見通せない状況が続いています。また、これまで進展してきた脱炭素社会の実現やDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進といった潮流に対しても、一部で巻き戻しの動きが見られるなど、社会全体が大きな転換期を迎えています。まさに、予測困難で変動性の高い「VUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)」の時代にある今、地域を取り巻く環境は刻々と変化しており、お客さまのニーズや課題もますます多様化・複雑化しています。

こうした状況に対応していくため、当社グループは<地域総合サービスグループ>として、金融分野にとどまらず、非金融分野においても多角的なソリューションを提供する体制を構築し、お客さまの多様なニーズにお応えすべく、「総合力」の強化に向け、グループ一丸となって取り組んでおります。

当社は、2024年4月から2029年3月までを計画期間とする「中期計画2024」をスタートしました。「地域の成長なくして、当社グループの成長なし」との考えのもと、10年後の地域のあるべき姿と当社グループが目指す姿を明確にし、そこからバックキャスティングして前半5年間の取組みを定め、さまざまな施策を展開しております。

「中期計画2024」の2年目となる2025年度においても、地域社会及びお客さまが抱える多様な課題に真摯に向き合い、地域経済の持続的な発展に貢献することを当社グループの最重要使命と位置付け、以下の取組みに一層注力してまいります。

 

価値創造に向けた取組み

当社グループは、お客さま一人ひとりの悩みやニーズに即したきめ細やかなサービスの提供を通じてお客さまの信頼に応えていく「お客さま本位の業務運営」をすべての基本とし、「活力ある地域の実現」、「お客さまの成長・発展」への取組みを通じて「ひろぎんグループ」の価値向上を目指しております。

具体的には、行政や地元企業との連携をさらに深め、地元企業やスタートアップ企業とのマッチングを通じて新しい産業の創出に取り組むほか、地域開発案件に計画段階のみならず、その前段階から関与することで地域における新たな価値創出に主体的に取り組んでまいります。

法人のお客さまに対しては、グループの中核企業である広島銀行、投資専門子会社のひろぎんキャピタルパートナーズを中心に、資金仲介機能を発揮し、地元産業の育成やお客さまの成長に資する投融資を推進してまいります。2024年に設立したシンガポール現地法人「HIROGIN GLOBAL CONSULTING PTE. LTD.」では、お客さまの海外進出や現地での販路拡大等、幅広い海外ビジネスの支援に注力しております。また、地元企業との合弁で設立した「ひろぎんワールドビジネス株式会社」では、お客さまの人材不足の解消に向けて外国人労働者の受入支援サービスを開始しました。今後もお客さまの幅広いニーズにお応えするため、非金融分野におけるソリューションの深化・拡大を進めてまいります。

個人のお客さまに対しては、お客さまが銀行に求める機能が多様化する中、ひろぎんポイントサービスやひろぎん楽天カードといった商品・サービスの拡充により利便性向上を進めてまいります。また、広島銀行の各店舗を中心とした対面でのコンサルティング機能の強化に加えて、ひろぎんアプリを中心とするデジタルチャネルを一層拡充することで、お客さま満足度の向上に努め、お客さまから選んでいただける企業を目指してまいります。

 

経営基盤強化に向けた取組み

当社グループにおいて「人財」は最も重要な経営資源です。人財の成長を通じた組織の成長・発展に向け、各種研修やリスキリング支援強化、外部トレーニーへの積極的な派遣による人財育成等の人的資本投資を一層強化してまいります。また、多様な人財がそれぞれの能力を最大限に発揮できる適材適所の配置を実現するため、若年層の処遇水準の引上げや勤務体系の見直し等による各子会社間の処遇の差異縮小、年次や年功によらない昇格・昇進等、人事制度を抜本的に改定することといたしました。

また、DXを中心とした積極的な成長投資に加え、生産性の高い組織の構築に向けたデジタル技術・IT・AIの活用による業務プロセスの見直しを実施するとともに、広島銀行におけるMEJAR基幹系システム※1への移行(2031年1月稼働予定)に向けて厳格なプロジェクト管理を進めてまいります。

 

 

各種X(トランスフォーメーション:変革)への取組み

当社グループは、持続的な成長を実現するために、3つのX:トランスフォーメーションへの取組みを強化しております。

SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)では、カーボンニュートラルへの取組みとして、当社グループのカーボンニュートラルを推進するとともに、地域の基幹産業である船舶・自動車セクターに対するエンゲージメントを一層強化するほか、行政や他業態とのアライアンス強化を通じて、地域全体での脱炭素化を支援してまいります。また、当社グループのDE&Iへの取組みとして、性別、年齢にとらわれない配置・登用を進めることで、2030年度には女性管理職比率25%程度を目指してまいります。加えて、地域のDE&I推進に向け、地元企業ネットワーク「HATAful(はたフル)」※2の拡大による越境交流を通じて地元企業の魅力ある働き方の実現に貢献してまいります。

DX(デジタル・トランスフォーメーション)では、生成AI等の先進的なデジタル技術の活用や、DX人財の育成により、新たな価値を提供し続ける組織への変革を進めてまいります。お客さまのIT・DX化ニーズにお応えするため、広島銀行では「DXコンサルティングライン」を新設し、ひろぎんITソリューションズと連携して適切なソリューションを提供してまいります。また、現在導入検討を進めている次期営業支援システムでは、各種データの利活用により、グループ各社が連携してお客さまに対して適切なタイミングで最適なご提案ができる体制を構築してまいります。

AX(アライアンス・トランスフォーメーション)では、2025年3月に株式会社ちゅうぎんフィナンシャルグループと「山陽地域のサステナビリティ推進に向けたパートナーシップ協定」を締結しました。同協定を通じて、隣接した地域の共通課題であるカーボンニュートラルやDE&I、自動車をはじめとした製造業への支援等、サステナビリティ分野における取組みを同社と連携して進めてまいります。また、楽天グループとの連携をはじめ、業務軸の深化、拡大に向けて他社との連携についても引き続き積極的に検討していく方針です。

 

2024年の日本銀行によるマイナス金利政策の解除に始まるマーケット環境の大きな変化を踏まえ、今般、「中期計画2024」の収益性の経営指標である連結ROEを上方修正しました。連結ROEについては、金利の上昇による利益水準の向上を踏まえ、上昇修正前の目標である7.0%を大きく上回り、2028年度には9.5%以上を目指してまいります。また、収益力向上と資本効率の改善を図るとともに、株主還元とのバランスの取れた経営を進めることにより、2028年度の連結BPS2,000円以上を確保してまいります。株主還元に関しましては、配当性向40%程度をベースとし、「連結自己資本比率11%程度」を目処とする中、業績動向や市場環境等を総合的に考慮したうえで、機動的な自己株式取得を実施してまいります。

こうした取組みを通じて持続的な企業価値の向上を図り、早期に連結PBR1倍以上を達成するとともに、金融分野のみならず、非金融分野を含めたあらゆるニーズにお応えできる<地域総合サービスグループ>として、ステークホルダーの未来をひろげてまいります。

 

(※1)「MEJAR」とは

「Most Efficient Joint Advanced Regional banking-system(最も効率的な先進的地方銀行共同システム)」の略。2022年11月、クラウド化を志向した次世代基幹系システムの構築に向け、株式会社横浜銀行、株式会社北陸銀行、株式会社北海道銀行、株式会社七十七銀行、株式会社東日本銀行及び株式会社エヌ・ティ・ティ・データとの間で2010年1月から稼働を開始している共同利用システム(MEJAR)に参加し、6行によるシステム共同利用に向けた詳細検討を行うことで基本合意を実施。

(※2)「HATAful(はたフル)」とは

広島県の転出超過対策として、組織の枠を超えて人がつながり、誰もが自分らしく働くことのできる魅力的な職場を広島で増やしていくことを目的として、2024年5月より、中国電力株式会社・マツダ株式会社・広島県と共に始動させたプロジェクト。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般

①基本的な考え方

当社グループは、サステナビリティを巡る課題への対応を重要な経営課題として認識し、地域社会、お客さま、株主・投資家の皆さま、当社グループ従事者をはじめとする様々なステークホルダーの権利や立場を尊重しつつ適切に協働し、地域の社会・環境課題の解決と持続的な成長とともに、当社グループ自身の持続的成長と企業価値向上の好循環を実現させることで、当社グループのパーパス・経営理念の実現を図っています。

具体的には、取締役会において、「グループサステナビリティ基本方針」、「ひろぎんグループSDGs宣言」、「環境方針」、「人権方針」及び「環境・社会課題の解決に向けた投融資方針」などの各種方針を制定し、公表するとともに、これらの方針に基づいた業務運営を進めています。

 

②ガバナンス

(ⅰ)サステナビリティを巡る課題への対応に係る取締役会のガバナンス機能発揮

取締役会は、グループサステナビリティ推進委員会やグループ統合的リスク管理委員会におけるサステナビリティを巡る課題への対応に関する審議・検討内容等を踏まえ、当社グループの経営計画や統合的リスク管理方針を策定するなど、サステナビリティを巡る課題への対応の高度化に向けた意思決定機能を果たしています。

また、取締役会は、当社グループの経営計画や統合的リスク管理の実施状況について、定期的または必要に応じて随時、報告を受けるなど、サステナビリティを巡る課題への対応に関する業務執行に係る監督機能を果たしています。

 

(ⅱ)サステナビリティを巡る課題への対応に係る業務執行体制

当社は、社長の諮問機関として「グループサステナビリティ推進委員会」(委員長: 代表取締役社長)を設置しており、同委員会にて、カーボンニュートラルやDE&Iをはじめとしたサステナビリティを巡る課題への対応について審議・検討を行い、定期的または必要に応じて随時、その状況を取締役会に報告しています。

また、当社は、カーボンニュートラルやDE&Iをはじめとしたサステナビリティを巡る課題への対応に係る統括機能の強化等を目的として、サステナビリティ統括部を設置しています。

広島銀行などのグループ各社は、毎期の経営計画に基づき、当社グループ自身のサステナビリティの向上に向けた取組みを行うとともに、お取引先企業のサステナビリティ向上に向けた取組みの促進・支援に取り組んでいます。

 

(ⅲ)役員報酬制度

当社は、サステナビリティ・ESG経営の一層の推進を企図し、当社及び広島銀行の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く)及び執行役員を対象とする金銭による業績連動報酬制度について、2025年度より当社グループのサステナビリティ(ESG)への取組みに関わる外部機関評価(FTSE及びMSCIの2社)を業績指標として追加するように、役員報酬制度を見直しました。これにより継続的なサステナビリティ・ESGへの取組み強化・外部機関からの評価向上を進めてまいります。

 

(サステナビリティを巡る課題への対応に関する主な会議体)

機関名

当該機関の長

サステナビリティを巡る課題への対応に関する

各機関の主な役割・責務

取締役会

会長

・サステナビリティを巡る課題への対応に関する経営意思決定を行い、業務執行を監督する

グループサステナビリティ

推進委員会

社長

・社長の諮問機関として、サステナビリティを巡る課題への対応に係る基本方針、重要施策及び取組状況等の審議・検討を行う

 

カーボンニュートラル推進

ワーキンググループ

サステナビリティ統括

グループ長

・グループサステナビリティ推進委員会の下部組織として、カーボンニュートラル推進に関する事項について審議・検討を行う

 

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進ワーキンググループ

サステナビリティ統括

グループ長

・グループサステナビリティ推進委員会の下部組織として、DE&I推進に関する事項について審議・検討を行う

 

未来創造推進ワーキング

グループ

サステナビリティ統括

グループ長

・グループサステナビリティ推進委員会の下部組織として、地域・当社グループの未来創造に向けた取組み推進に関する事項について審議・検討を行う

グループ統合的リスク

管理委員会

経営管理部長

・社長の諮問機関として、気候変動リスクを含む種々のリスクを統合的に把握・分析し、適切な運営・管理を行う(シナリオ分析や炭素関連資産の与信集中リスク等について、審議・検討を行う)

 

 

(サステナビリティを巡る課題への対応に関する組織体制図)


 

③戦略

当社グループでは、当社グループのみならず、地域・お客さまが直面する環境・社会課題の解決に向けて、グループのあらゆる機能とアライアンスを活用した非金融分野を含めたソリューションの充実・強化を進めていくなど、<地域総合サービスグループ>として本業を通じた取組みを推進しています。

そのなかで、事業活動による、将来世代にもわたる社会・環境への影響(インパクト)を常に考慮し、ネガティブ・インパクトの低減を図る一方で、ポジティブ・インパクトが継続的に増大する取組みの展開を図っています。

(ⅰ)〈ひろぎん〉SDGs取組支援サービス

広島銀行では、地元企業へのサステナビリティ/SDGs啓発・取組向上支援を地域金融機関の使命ととらえ、2020年1月より、お取引先企業のSDGsへの取組みを促進・支援する法人向けサービスを展開しております。

 

(ⅱ)〈ひろぎん〉サステナビリティ経営導入サポートサービス

広島銀行では、「(ⅰ)〈ひろぎん〉SDGs取組支援サービス」の取組みを更に発展させ、地元企業の経営にサステナビリティの要素を統合させ、更には地域のサステナビリティ向上につなげていくことを目的とし、2022年1月より、地元企業のサステナビリティ経営の導入・実践を支援するサービスを展開しております。

 

(ⅲ)〈ひろぎん〉サステナブルローン

広島銀行では、2021年12月より、お取引先企業のサステナビリティを巡る課題解決の支援に向けた取組みの一環として、環境省等が定めるガイドラインに整合したファイナンスフレームワークを策定し、そのもとでカーボンニュートラルやESG・SDGsへの取組みを資金面から後押しする融資商品として、「サステナビリティ・リンク・ローン」と「グリーンローン」の2商品を展開しております。なお、2024年11月の上記ガイドライン改訂を受け、2025年4月に、これに適合したファイナンスフレームワークへの見直しを行っています。

(※)ファイナンスフレームワークのグリーンローン原則等に対する適合性について、株式会社格付投資情報センターより第三者意見を取得しています。

 

(ⅳ)〈ひろぎん〉ポジティブ・インパクト・ファイナンス

広島銀行では、2023年3月より、お取引先企業のサステナビリティ経営向上支援強化に向け、サステナビリティ経営の導入(分析・目標設定)から実践まで一貫して支援する融資商品として、「〈ひろぎん〉ポジティブ・インパクト・ファイナンス」を展開しております。

なお、ポジティブインパクト金融原則への適合性の確認と評価の透明性を確保するため、株式会社日本格付研究所より第三者意見を取得しています

 

 

(ⅴ)〈ひろぎん〉SXローン

広島銀行では、2025年4月より、地元企業のサステナビリティ向上に寄り添い、地域のサステナビリティ向上に資する取組みを資金面から支援する独自の融資商品として、「SXネクストローン」及び「SXステップローン」の2商品を展開しております。

 

(お取引先企業のサステナビリティに係るコンサルティングの概要)


 

④リスク管理

(ⅰ)リスクアペタイト・フレームワークに基づく統合的リスク管理態勢

当社グループでは、外部環境を踏まえて、経営目標を達成するために進んで受け入れるリスクの種類と量をリスクアペタイトとして明確化し、経営戦略・方針に沿って、収益機会の追求と同時に適切なリスクコントロールを実現するため、リスクアペタイト・フレームワークに基づく統合的リスク管理態勢を構築しています。

その枠組みの中で、グループ統合的リスク管理委員会及びグループ経営会議において、各種のリスクシナリオが顕在化する蓋然性並びに当社グループの経営成績及び財務状況等への影響度の評価を行い、取締役会において、今後1年間で最も注意すべきリスク事象をトップリスクとし、サステナビリティに関連するリスクのうち気候変動による社会・環境等の変化に伴うリスクについて選定しております。気候変動への対応の一環として、半期毎に取締役会決議にて制定するグループリスクアペタイト・ステートメントにリスクと機会に関する「気候変動への対応方針」を定め、継続的にモニタリング等を行い、機動的な対応が可能となる態勢を整備しております。

 

(ⅱ)環境・社会課題の解決に向けた投融資方針

当社グループでは、「環境・社会課題の解決に向けた投融資方針」において、環境・社会に対するリスクまたは影響の重大性を踏まえ、投融資を禁止する事業、取組みに際し留意する事業を次のとおり定めております。

(イ)投融資を禁止する事業

(a)核兵器やクラスター弾等の非人道的な兵器の開発・製造を行う事業

(b)人身売買等の人権侵害や強制労働に関与する事業

(ロ)取組みに際し留意する事業

(a)石炭火力発電事業

石炭火力発電所は、他の発電方式対比温室効果ガス排出量が多いといわれており、気候変動や大気汚染の懸念が高まるリスクを内包しているため、新規建設事業については原則取り組みません。

ただし、例外的に取組みを検討する場合は、各国のエネルギー政策・事情やOECD公的輸出信用アレンジメント等の国際的ガイドラインを踏まえ、個別案件毎の背景・特性等を十分に勘案のうえ、慎重に対応いたします。また、災害時等の非常事態における対応等、やむを得ない場合は、この限りではありません。

なお、炭素回収・貯留等の環境に配慮した先進技術は、温室効果ガス排出量の削減へ向けた取組みとして支援いたします。

上記を踏まえる中、当社グループにおける石炭火力発電所建設向けプロジェクトファイナンスの融資残高については、2035年を目処に残高ゼロとします。

 

(b)石炭採掘事業

石炭採掘は、適切に管理されない場合、炭鉱事故による労働災害や有害廃棄物による生態系への影響等を及ぼす可能性があり、新規事業への取組みについては、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認のうえ慎重に判断します。

なお、環境負荷影響の大きい山頂除去採掘(Mountain Top Removal:MTR)方式で行われる新規事業には取り組みません。

(c)石油・ガス採掘事業

石油・ガス採掘は、流出事故による海洋・河川の汚染や、地域住民・社会等への負の影響を及ぼし得る可能性があるため、新規事業への取組みについては、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認のうえ慎重に判断します。

(d)パーム油農園開発事業

パーム油は、日常生活に欠かせない原料である一方、児童労働や人権侵害、開発における自然林の伐採・焼き払い等、気候変動や地域住民への負の影響を及ぼし得る可能性があるため、新規事業への取組みについては、RSPO(※1)等の認証取得やNDPE(※2)等を尊重する旨の公表を求め、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認のうえ慎重に判断します。

(e)大規模森林伐採事業

大規模森林伐採は、気候変動や生態系へ負の影響を及ぼし得る可能性があるため、新規事業への取組みについては、FSC(※3)、PEFC(※4)等の認証取得状況や、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認のうえ慎重に判断します。

(※1)RSPO認証:(Roundtable on Sustainable Palm Oil)持続可能なパーム油由来原料を使用した、あるいはその生産に貢献した製品であることを示す国際認証

(※2)NDPE:森林破壊ゼロ、泥炭地開発ゼロ、搾取ゼロ(No Deforestation、No Peat and No Exploitation)の環境・人権への配慮を定めた方針

(※3)FSC認証:(Forest Stewardship Council)適切に管理された森林の生産品であることを示す国際認証

(※4)PEFC認証:(Programme for the Endorsement of Forest Certification Schemes) 持続可能な森林を維持するための国際認証

 

⑤指標及び目標

指標及び目標の詳細については、「(2)気候変動 ⑤指標及び目標」及び「(5)人的資本 ④指標及び目標」をご参照ください。

 

(2)気候変動

①基本的な考え方

当社グループが主要な営業基盤とする、広島県を中心とした地元4県(岡山県、山口県、愛媛県)は、ものづくりが盛んである地域特性上、人口当たりの温室効果ガス排出量が多い地域です。従って、徹底した地域密着型経営のスタンスをとり、地元地域と共存共栄の関係にある当社グループにとって、当社グループ内のみならず、お取引先企業のカーボンニュートラル対応を促進・支援し、地域を挙げた脱炭素社会への円滑な移行を実現することが、<地域総合サービスグループ>としての使命であると認識しております。

以上の認識のもと、地域のカーボンニュートラル実現に向けて、<地域総合サービスグループ>として本業を通じた取組みを加速させています。

なお、当社及び広島銀行では、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明しており、気候変動リスク及び収益機会が、当社グループの事業活動や収益等に与える影響等について、TCFDの枠組みに沿って、開示の質と量の充実を進めています。

 

 

②ガバナンス

取締役会は、当社グループの経営計画や統合的リスク管理の実施状況について、定期的または必要に応じて随時、報告を受けるなど、サステナビリティを巡る課題への対応に関する業務執行に係る監督機能を果たしています。

 

気候変動に関する取締役会における具体的な審議内容

(1)地域のカーボンニュートラル実現に向けた中長期目標の進捗

・温室効果ガス排出量削減の中長期目標の進捗(スコープ1・2及び3)

・サステナブルファイナンスの中長期目標の進捗

(2)「中期計画2024」におけるカーボンニュートラル戦略実現に向けた今後の対応方針

・企業価値向上に向けた開示と対話の充実

・お取引先企業へのエンゲージメント強化

・地域の脱炭素化に向けた行政・地域中核企業との連携強化

(3)トップリスクとしての気候変動リスクの管理

・グループリスクアペタイト・ステートメントにおける「気候変動への対応方針」に基づいた対応の実施状況

(4)TCFD提言への対応

・TCFD提言に基づく気候変動対応の高度化及び開示の充実に関する対応状況

(5)役員報酬制度

・金銭による業績連動報酬への気候変動対応を含むサステナビリティ・ESG指標の反映

(6)内部監査の結果

・グループ全体のSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション(カーボンニュートラル))への取組状況

 

 

③戦略

(ⅰ)当社グループにおける気候変動リスク・機会の認識

当社グループでは、気温上昇等に関連した自然環境の変化に起因する物理的リスクと、脱炭素社会への移行に関連した社会・経済環境の変化に起因する移行リスクを気候変動リスクとして認識しています。

また、当社グループでは、脱炭素社会への移行に伴う社会・経済環境の変化や気候変動への適応・緩和に適切に対応した商品・サービスなどを提供していくことを、「気候変動機会」として認識しています。

 

リスク・機会認識

○物理的リスク

・異常気象の影響(設備毀損やサプライチェーン寸断等)に伴う地元取引先の経営悪化による与信費用やリスク・アセットの増加

・保有資産の毀損による資産価値低下

○移行リスク

・脱炭素社会への移行の対応費用増加等に伴う地元取引先の経営悪化による与信費用やリスク・アセットの増加

・社会的要請への対応遅延等による社会的信用低下

○機会

・お取引先企業の設備投資ニーズの増加

・関連技術の開発によるイノベーションの創出

・事業転換に対するコンサルティング機会の増加

 

 

 

(ⅱ)融資ポートフォリオを経由した気候変動リスク・機会

当社グループでは、広島銀行の融資業務等を通じて、お取引先企業の「リスク(物理的リスク・移行リスク)」及び「機会」を間接的に負っているため、融資ポートフォリオを経由した気候変動リスク・機会が大宗をなすと認識しています。

 


 

(ⅲ)炭素関連資産の与信エクスポージャーの集中度合い

広島銀行にて、TCFD提言も踏まえ、内部的な気候変動リスク管理上、重要なセクター向け与信残高を「炭素関連資産」として認識し、当該セクター向けの与信エクスポージャーの集中度合い(2025年3月末基準)について、次のとおり計測しています。

 

対象セクター

与信残高に占める比率

 

エネルギー(※)

2.9%

 

運輸

14.3%

 

素材・建築物

10.1%

 

農業・食料・林産物

2.2%

 

合計

29.4%

 

(※)再生可能エネルギー発電事業を除く

 

(ⅳ)当社グループ自身によるカーボンニュートラルに向けた対応

当社グループは、2030年度までに当社グループによる温室効果ガス排出量(スコープ1・2)のカーボンニュートラルの達成を目指しています。

当連結会計年度においては、LED照明や高効率空調等の省エネ設備への更新や環境に配慮したオフィス活動の推進等の省エネ活動に取り組んでおり、引き続きスコープ1・2の温室効果ガス排出量の削減に向けた取組みを進めております。

 

(ⅴ)地域・お取引先企業のカーボンニュートラルに向けた対応・支援

当社グループは、2050年度までに投融資ポートフォリオを含めたサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(スコープ1・2・3)のカーボンニュートラルの達成を目指しています。

特に、広島銀行では、地域金融機関として地元中小企業のエンゲージメントにこそ注力していくという観点から、事業性融資における温室効果ガス排出量(ファイナンスド・エミッション)の算定・削減に向けた取組みが重要であると認識しております

当連結会計年度においては、広島銀行にて、カーボンニュートラルに関する対話・ヒアリングの優先対象先の見直し(絞り込み)を実施したほか、無料のCO排出量簡易算定ツールの導入や、営業店の法人渉外行員等を対象とした環境省認定制度「脱炭素アドバイザー」資格取得推進等を新たに進めました。

 

また、当社グループでは、「地域のカーボンニュートラルへの取組」として、啓発・対話の取組みを強化するとともに、グループのあらゆる機能とアライアンスを活用した非金融分野を含めたソリューション提供を通じて、お取引先企業のカーボンニュートラルに係る総合的なコンサルティングの展開に注力しております。

 

(ⅵ)シナリオ分析

当社グループは、広島銀行にて、物理的リスク・移行リスクに関するシナリオ分析を実施しております。

当連結会計年度における分析結果は、次のとおりです。

 

物理的リスク

分析対象としたリスク事象

・水害、土砂災害による与信先の事業停止や事業拠点の直接被害に伴う財務悪

 化、及び担保物件の毀損

対象ポートフォリオ

・国内の事業性貸出先及び住宅ローン貸出先

シナリオ

・IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のRCP8.5(4℃シナリオ)及び

 RCP2.6(2℃シナリオ)

分析手法

・与信先の事業所や担保物件等の所在地・構造等に応じた影響度を推計

分析結果

・2050年までに発生し得る与信関係費用:58~67億円

 

 

移行リスク

分析対象としたリスク事象

・脱炭素社会への移行に伴う炭素税導入、エネルギーコスト増加、需要の変

 動、追加設備投資、研究開発費等の発生による与信先の財務悪化

対象ポートフォリオ

・TCFD提言にて「炭素関連資産」と定義されるセクターのうち、「エネルギ

 ー」、「自動車・部品」、「海運」及び「陸運」の4セクターを分析対象と

 して選定

シナリオ

・NGFS(気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク)シナリオ(Phase

 Ⅴ)のうち、Net ZERO 2050シナリオ、及びCurrent Policiesシナリオ

分析手法

・移行シナリオに基づき、個社別に2050年までの財務内容を推計する手法と、

 セクターレベルに拡大した手法を組み合わせて影響度を推計

分析結果

・2050年までに発生し得る与信関係費用:258億円

 

 

ただし、現状のシナリオ分析では、結果の不確実性が高い事象や長期にわたる事象等を対象とする性質上、想定するシナリオや分析対象に一定の前提を置いています。今後とも、シナリオ分析への継続的な取組みの中で、定期的または必要に応じて随時、分析手法の高度化や分析対象の見直し等を図ってまいります。

 

④リスク管理

(ⅰ)トップリスクとしての気候変動リスクの認識・評価

詳細については、「(1)サステナビリティ全般 ④リスク管理 (ⅰ)リスクアペタイト・フレームワークに基づく統合的リスク管理態勢」をご参照ください。

 

(ⅱ)シナリオ分析を通じた気候変動リスクの把握強化

当社グループでは、特に融資ポートフォリオを経由した気候変動リスクの把握強化に向けて、シナリオ分析の手法を活用した取組みを進めており、シナリオ分析への継続的な取組みの中で、定期的または必要に応じて随時、分析手法の高度化や分析対象の範囲拡大等を図っております。

 

(ⅲ)グループリスクアペタイト・ステートメントへの気候変動リスクの反映

グループリスクアペタイト・ステートメントに「気候変動への対応方針」を定め、半期毎に子会社の気候変動への対応方針に基づいた対応の実施状況をモニタリングする態勢を整備しております

 

(ⅳ)統合的リスク管理の枠組みにおける気候変動リスク管理

当社グループでは、リスクアペタイト・フレームワークに基づく統合的リスク管理プロセスの中で、気候変動リスクを「トップリスク」として認識・評価及び管理するなど、統合的リスク管理の枠組みにおける気候変動リスク管理態勢を構築しております。

具体的には、気候変動リスクを、社会・環境等への影響を通じて信用リスク等の各種リスクを増減させるリスクドライバーとして位置付けを明確化しており、リスクの顕在化抑制に向けたモニタリング態勢を整備しております。

当社グループでは、今後とも、シナリオ分析への継続的な取組みを検討するとともに、重要な気候変動リスクを特定する際の定性的・定量的基準の具体化に関する検討・対応を進めるなどして、統合的リスク管理の枠組みにおける気候変動リスク管理の更なる高度化を目指してまいります。

 

⑤指標及び目標

(ⅰ)温室効果ガス排出量

当社グループでは、温室効果ガス排出量削減の中長期目標を次のとおり設定しております。

温室効果ガス排出量削減の中長期目標

・2030年度までに当社グループによる温室効果ガス排出量(スコープ1・2)のカーボンニュートラルの達成を目指す

・2050年度までに投融資ポートフォリオを含めたサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量(スコープ1・2・3)のカーボンニュートラルの達成を目指す

 

(※)GHG プロトコル(温室効果ガス算定及び報告基準)におけるスコープ1・2・3 について

・スコープ1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼等)

・スコープ2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出

・スコープ3:スコープ1・2 以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)

 

当社グループのスコープ1・2の温室効果ガス排出量の実績は、次のとおりです。

(単位:t-CO

算定項目

2013年度

2024年度
 (概算値

 

2013年度対比

 

スコープ1(燃料の燃焼)

2,283.5

1,201

47.4%削減

 

スコープ2(電力の使用)

15,920.8

5,448

65.8%削減

 

スコープ1・2の合計

18,204.3

6,649

63.5%削減

 

 


 

(※)2024年度の当社グループのスコープ1・2の温室効果ガス排出量の実績は、第三者保証を受けていない概算値であり、今後変更になる可能性があります。

 

なお、第三者保証を取得したスコープ1・2の確定値及びスコープ3も含めた2024年度の温室効果ガス排出量に関する情報については、2025年9月頃に弊社ウェブサイト(URL https://www.hirogin-hd.co.jp/ir/library/disclosure/index.html)において公表予定の「統合報告書2025」をご参照ください。

 

 

(ⅱ)サステナブルファイナンス

当社グループでは、サステナブルファイナンスの中長期目標を次のとおり設定しております。

サステナブルファイナンスの中長期目標

・2021年度から2030年度までに環境・社会課題の解決に資するサステナブルファイナンス(投融資)を累計2兆円(うち環境ファイナンス1兆円)実行することを目指す

 

 

当社グループのサステナブルファイナンスの実績は、次のとおりです。

サステナブルファイナンスの実績

(実行額)

2024年度

2021年度からの

累計

 

中長期目標

に対する進捗率

サステナブルファイナンス

2,340億円

7,880億円

39.4%

 

うち、環境ファイナンス

1,650億円

5,590億円

55.9%

 

(※)サステナブルファイナンスの算定範囲について

・環境課題の解決に資する投融資・リース:再生可能エネルギー、環境負荷軽減につながる車輌、船舶等の設備など

・社会課題の解決に資する投融資・リース:SDGs関連、医療・福祉・教育関連設備、創業資金、事業承継、BCP、公共インフラなど

(※)環境ファイナンスの算定範囲について

・上記のサステナブルファイナンスの算定範囲のうち、環境課題の解決に資する投融資・リースに該当するもの

 

(3)自然資本の保全・回復

生物多様性の損失は、気候変動と同様に、生存基盤への脅威として深刻な危機であると受け止められており、事業者には生物多様性の損失を回避することが求められています。

当社グループは、「環境方針」のもと、瀬戸内海をはじめとする郷土の豊かな自然環境を守り、将来の世代に、より良く引き継いでいく責務があると考えており、環境保全活動への取組みを積極的かつ継続的に推進していくため、自然資本に関するリスク・機会の考察に向け各種分析を進めています。

 

(4)人権の尊重

当社グループでは、「ひろぎんグループSDGs宣言」において、マテリアリティの一つに「人権」を掲げ、すべての人々の人権を尊重するとともに、社会および個人の多様性を踏まえ、誰もが働きがいをもって仕事に取り組み、充実した生活を送ることができる社会づくりへの取組みを進めることとしております。

人権をめぐる状況が日々多様化・複雑化し、企業の人権尊重責任が国内外で強まる中、当社グループは、2023年5月制定の「人権方針」に基づき、お客さま、当社グループ従事者をはじめとするさまざまなステークホルダーの人権を尊重するとともに、お客さまやサプライヤーの企業活動が人権に与える負の影響にも関心を持ち、人権尊重の取組みを進めます。

 

(5)人的資本

①基本的な考え方

当社グループでは、パーパス・経営理念の実現に向けて、10年後の目指す姿と現状の課題を踏まえる中で、 「グループ各社すべての従事者が、その能力、専門性を遺憾なく発揮し、高いモチベーションとエンゲージメントを持ち、いきいきと働ける組織づくりを通じ、持続的成長を実現する」という基本的な考え方のもと、経営戦略と連動した人財戦略の展開を図っております。

<10年後の目指す姿と現状の課題(As is-To be ギャップの把握)>

当社グループは、10年後の目指す姿として「活力ある地域」の実現に貢献し、地域において圧倒的な存在感を発揮することを掲げており、地域のマテリアリティ・社会課題の解決に貢献する必要があると考えています。そのためには、高度なソリューションの提供を可能にする高い専門性や組織の力を最大化するマネジメント能力を身に付けた人財の育成が必要不可欠です。これまで以上に、人的資本投資の拡充を進めるとともに、様々な領域での施策展開によって、自律的なキャリア形成を組織的に支援していきます。

また、当社グループの枠にとらわれず、地域の活性化に貢献することも重要な課題と認識しており、研修施設における地域の人財育成や県内企業横断の人財プロジェクト等、失敗を恐れず、チャレンジします。

 

<企業価値を向上するための人財戦略(経営戦略と人財戦略の連動)>

当社グループでは、持続的な企業価値向上のためには、経営戦略の担い手である人財の効果的な採用・育成・配置が不可欠との考えのもと、注力分野と位置付ける各分野への戦略的な人員配置の実現を目指しています。具体的には、営業体制の見直しやDXの活用等を通じた業務効率化により、注力分野へ人財投入を進めていくとともに、キャリア採用や研修・トレーニー等の外部への越境経験(他流試合)を通じて、高い専門性を発揮する人財の採用・育成に注力する等、専門人財のポートフォリオマネジメント強化を進めます。

 

②ガバナンス

当社グループにおける最大の財産は「人」です。取締役会は、人的資本を競争優位の源泉として欠かすことのできない重要な資産であると捉え、人財戦略について定期的または必要に応じて随時、報告を受けるなど、多様な人財が活躍するための業務執行に対する監督機能を果たしています。

 

人的資本に関する取締役会における具体的な審議内容

(1)グループ各社における人事制度改定

・人事制度改定の考え方(人財戦略の実践)

・人事制度改定の基本的な方向性

・グループ各社における人事制度改定内容

(2)経営幹部・経営幹部候補の育成プロセス(サクセッションプラン)

・経営幹部・経営幹部候補者の育成方法(ひろぎん経営塾)、計画的な育成

(3)「中期計画2024」におけるDE&I実現に向けた今後の対応方針

・当社グループのDE&I、地域・お客さまのDE&I推進

(4)パーパス・経営理念の浸透状況

・パーパスの浸透・実践状況の調査結果と今後の対応、目指す姿

(5)内部監査の結果

・グループ全体のSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション(DE&I))への取組状況

 

 

③戦略

<グループ人財戦略の全体像>

「中期計画2024」では、地域・お客さまの成長・発展に向けた価値創造戦略を支える経営基盤強化戦略の中心のひとつとして、人財戦略を位置付けており、その実現のため、人財育成方針及び社内環境整備方針のもと、「人的資本を最大化する5つの柱」の各領域で施策を展開します。

(人財育成方針)

当社グループは、地域社会の豊かな未来に向けて、お客さまに寄り添い、信頼される<地域総合サービスグループ>として、すべての従事者が、能力・専門性を遺憾なく発揮する組織を目指しています。これからの時代に求められる「人間力」をベースに「専門性とマネジメント能力を持ち合わせたゼネラリスト」や「ソリューションを生み出すスペシャリスト」に向けて将来にわたり絶えず自己研鑽に励み、お客さまの課題解決に貢献する人財を育成してまいります。

(社内環境整備方針)

当社グループは、多様な視点・価値観を持つ従事者が、自らの意志や気付きをもとに能力を発揮できる職場づくりを進めています。従事者一人ひとりが理想の働き方を実現するため、「主体的にキャリアパスを描き、新たな取り組みにチャレンジする風土」の醸成や「多様なキャリア・経験を活かすことができる環境」の整備を実施するとともに、すべての従事者が、当社グループの一員であることに誇りを持てる会社を目指し、ウェルビーイング向上に積極的に取り組んでまいります。

 


 

<人的資本を最大化する5つの柱>

(ⅰ)人財マネジメント

(イ)求める人財

当社グループでは、これからの時代に求められる「人間力」をベースに、「求める人財」として、「専門性とマネジメント能力を持ち合わせたゼネラリスト」と「ソリューションを生み出すスペシャリスト」を定め、自律的なキャリア形成を組織的に支援しています。

また、2025年2月、広島銀行はタレントマネジメント機能を備えた人事システムを導入しました。今後グループでの導入を進め、オープン&デジタルな人財マネジメントにより、経営戦略の実現を図ります。

(ロ)専門性とマネジメント能力を持ち合わせたゼネラリスト

(a) マネジメント能力向上や専門性の高度化に向けた取組み

マネジメント層の的確な職場運営による組織力の向上が、パーパスの実現・経営計画達成につながるとの考えのもと、従事者のマネジメント能力向上を企図した階層別研修・テーマ別研修を実施しております。従事者が組織・人・仕事の状況に応じて、さまざまなマネジメントのスタイルを発揮できることを目指しており、広島銀行においては全管理職・監督職を受講対象としたマネジメントに関する研修も実施しています。同時に、多数の資格講座・研修の整備や、従事者の資格等取得に対し一定の奨励金を支給する「自己啓発奨励金制度」の内容の充実を図り、従事者のキャリア実現・専門性の高度化に向けた積極的な支援を行っています。

(b) 将来を担う経営層の育成

当社グループでは、将来の経営者候補育成を企図したサクセッションプランの一環で「ひろぎん経営塾」を実施しております。本経営塾では、部門間や従事者一人ひとりとの強い信頼関係に基づく双方向コミュニケーションのあり方や価値観を共有する中でチームを組成するノウハウを学んでいます。加えて、リーダーとして自ら考え抜くことで得られる主観や価値観を醸成し、最後は自ら決める力について相互に気づきを得られるカリキュラムで構成されており、研修終了後には経営陣への提言を行うプログラムとなっております。

また、中堅の一般職員を対象に希望を募り、選抜のうえ、国内外のMBAプログラムに継続的に派遣を行うなど、将来の経営者層の早期育成にも努めています。

(ハ)ソリューションを生み出すスペシャリスト

(a) 専門人財のポートフォリオマネジメント強化

スペシャリストによる、高度な専門性を背景とした的確なソリューションの提供が、地域・お客さまの発展、当社グループの経営戦略の実現につながるとの考えのもと、2024年4月から人事総務グループ内に人財マネジメント担当を配置する中、注力分野において高い専門性を発揮し、継続的な成果の創出により企業価値の向上に貢献する人財を「専門人財」と位置付け、キャリアパスモデルや人財育成体系を整備しバイネームでの育成や配置を行う等、専門人財のポートフォリオマネジメント強化を図っています。なお、2024年4月以降、総人員数は同水準とする中、注力分野への増員を実現しております。

 

(ⅱ)DE&Iの実践

(イ)推進体制

当社グループでは、サステナビリティ統括部を中心に、ダイバーシティ推進に係るグループ全体の方針の策定及び施策の企画・実施を行っています。また、「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進ワーキンググループ」を設置しており、DE&Iに関する目標設定及びその達成に向けたグループ横断的な課題についてディスカッションを行い、各種施策につなげております。

(ロ)女性の積極登用・活躍支援

SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を実現する上で不可欠な「意思決定層における多様性」を確保するため、女性マネジメント職比率アップを目指し、候補となる人財の特定とキャリアのすり合わせを定期的に実施しております。特に、女性マネジメント職候補者のうち、昇進に対して消極的な候補者のマインドアップを支援する目的で、キャリア面談や外部の専門家によるグループコーチングを実施しています。また、広島銀行の全管理職・監督職向けに、ダイバーシティマネジメントに関する研修を実施するなど、マインドの醸成とアンコンシャスバイアスの払拭に努めています。

(ハ)両立支援(男性の育児休業取得促進)

育児は男女ともに行うものであり、女性だけでなく、男性も育児休業・短時間勤務を取得できる風土醸成が必要というビジョンのもと、原則として以下の(a)(b)いずれか、またはそれに準じた制度の利用を促進しています。

(a)1か月程度の育児休業取得(分割可)

(b)5日以上の育児休業取得+1か月以上の短時間勤務利用

上記の取組みが評価され、2022年11月に広島県内企業が取り組んでいる「男性の育児休業の取得促進に向けた取組」のうち、ユニークな取組みや他企業の参考となる優良事例(ベストプラクティス)を広島県が募集し、認定する「男性育児休業ベストプラクティス」第一号に認定されました。

 

(ニ)障がい者の雇用促進

障がい者が働きがいを感じる職場づくりを目指し、2022年11月にひろぎんビジネスサービスが、特例子会社として認定を受け、2024年9月には、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく、障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度「もにす認定」を取得しました。

ひろぎんビジネスサービスとともに、特例子会社のグループ適用を受けた子会社(広島銀行・ひろぎん証券・ひろぎんリース・ひろぎんヒューマンリソース・ひろぎんITソリューションズ)が障がいのある従事者の雇用に積極的に取り組み、グループの障がい者雇用率は2.8%(2025年4月1日時点)と、法定雇用率を充足しております。

(ホ)グループ一体となったDE&Iの推進

当社グループは、組織のDE&Iの重要性に対する理解を深め、実践していくための施策として、2023年度から「DE&I Week」を実施しています。DE&Iの重要性に関する社長のビデオメッセージの配信や、ジェンダー・ギャップ、障がい者雇用、LGBTQなど、組織における多様性確保のために理解しておくことが重要なテーマについて、部署ごとにグループディスカッションをする機会を設けるなど、グループ一体となって、組織のDE&Iを推進しています。

 

(ⅲ)ボーダーレスな働き方

(イ)柔軟で効率的な働き方の実現

当社グループでは、時間や場所にとらわれず柔軟な働き方ができる各種制度の整備を通じ、多くの従事者がフレックスタイム制やリモートワークを活用しており、オフィス勤務とリモート勤務を組み合わせたハイブリッドワークが定着しております。さらに、働き方改革への意識醸成を目的として、広島銀行では、本店部を対象に毎週水曜日を「生産性もっと上げよーDAY」と位置付け、勤務時間を8時間以内とすることや、全従事者を対象とした勤務時間インターバル制度(11時間)の導入など、柔軟で効率的な働き方を推進しています。

(ロ)主体的な挑戦・成長への支援

当社グループでは、社内インターンシップ制度に加え、2023年4月より「越境業務体験制度(ひらめき☆1Day's)」を導入しました。従事者が新しい経験の機会を自ら生み出し、組織の活性化につなげることを目的としており、従事者は自らの希望で手を挙げ、外部企業など現在のキャリアステップにはない新しい場への挑戦が可能になりました。また、2023年10月には、地域貢献や学び・成長に関する副業を認める制度を導入しました。地元への貢献意欲を高め、地域活性化につなげること、またグループ以外での新たな知見の習得や人脈形成により、組織の活性化やイノベーションへつなげていくことを目的としております。

こうしたキャリア自律への各種取組みを各人が思い描くキャリアの実現につなげることを目的として、2024年度よりポストチャレンジ制度をさらに拡充して運用しています。公募するポストの拡大や配置率の向上を通じて、従事者の自律的なキャリア形成を組織的に支援し、新たな環境へ積極的にチャレンジできる風土を培っていきます。

(ハ)多様な価値観・スキルの獲得

当社グループでは、2024年度に62名のキャリア採用者を迎え入れ、2025年度は66名の採用を目標に掲げております。今後もIT・デジタル分野等でスキルや経験を持った人財を中心に、金融業界以外の業種からも豊富な経験を有したキャリア人財を積極的に採用していきます。

また、広島銀行は転職や結婚、介護等のあらゆる理由で退職した方を対象としたウェルカムバック制度に加えて、 2024年11月より、当社をよく知り、社外で新しい経験・知見を培ったアルムナイ(退職者)と中長期的な関係を構築すべく、新たにアルムナイネットワークの運用を開始しました。社内の最新情報の提供やキャリア採用等を通じ、多様な人財の活躍による企業価値の向上を図ります。

 

(ⅳ)エンゲージメント強化

(イ)褒める文化・チャレンジする風土の醸成

当社グループは、多様化する地域社会の課題解決に貢献するべく、業務軸の拡大を図り、従来の金融の枠組みを越えた<地域総合サービスグループ>への進化を目指しています。そのためには、過去の成功体験や慣習に捉われることなく、新たな発想で業務に取り組むマインドが必要です。「チャレンジ」は当社グループの従事者にとって、ひとつのアイデンティティとして根付いており、前向きなチャレンジを促進し、正しく評価する組織風土の醸成は、従事者のエンゲージメントの向上と当社グループの持続的な成長に欠かせない要素です。

(ロ)褒める文化・チャレンジする風土を醸成するための取組み

周囲に関心を持ち褒め合い、誰もが気兼ねなく前向きにチャレンジできる組織風土の醸成に向け、担当業務や会社の枠組みを越えた様々な制度・取組みを実践しています。今後もチャレンジの推奨による明るく働きがいのある企業グループの構築に向け、各種取組みを通じて心理的安全性と透明性の高い職場づくりを推進してまいります。

 

(a) 新ビジネス創出に向けた取組み

当社グループでは、新規業務等に関するビジネスアイデアを求める「ビジネスコンテストFuture」と事業構想大学院大学と連携した新事業創出プログラム「事業構想プロジェクト研究」を開催しています。外部専門家を含む審査員が最も高く評価した案件については、発案者をプロジェクトリーダーに指名し、事業化を検討することとしており、2022年度にキッズプログラミング教室を運営する「ひろぎんナレッジスクエア株式会社」、2024年度に農林漁業体験に特化した研修・社内レク事業「あおぞら体験FARM」が誕生しました

(b) 未来創造推進ワーキンググループ

幅広い世代の職員に「自らの意見で地域や当社グループの未来を変えていく」というチャレンジ機会を作り出すことで、グループ従事者のエンゲージメントを高めるとともに、地域・当社グループの未来創造に向けてチャレンジする企業文化の醸成を図ること等を目的として、2023年7月に、「未来創造推進ワーキンググループ」を設置しました。

「未来創造推進ワーキンググループ」は、若手世代及び中堅・中核世代の2つの世代別のサブグループにより、地域・当社グループの未来創造に向けた取組み推進に関する事項について審議・検討を行い、経営陣や本部等に対して提言・意見具申等を行っています。前身の未来創造タスクフォースを含めて、これまでにリバースメンター制度や社内SNSの導入、2025年4月には、パーパス・経営理念の具現化のために「未来をひろげるインタビューレポート集」(パーパス・パーソナリティ実践事例集)を作成し、社内公開を実現しました

今後も、本取組みを通じて、異なる世代の視点を経営の舵取りに役立てるとともに、異なる世代間の相互理解と一体感の醸成につなげることを目指しております。

(ハ)褒める文化・チャレンジする風土の醸成状況の測定

広島銀行では、周囲に関心を持ち褒め合う文化・チャレンジする風土の醸成を図るため、褒める文化表彰を行っております。加えて、2024年度より、当社グループが大事にする褒める文化・チャレンジする風土の醸成状況を定量的に把握し、更なる飛躍を目指すため、年に一度グループの全従事者を対象に行うエンゲージメント調査において、その醸成状況を測定する指標を策定し、目標を設定しました。今後は、各種手挙げ制施策への応募状況等に加えて、本指標・目標を確認する中、褒める文化・チャレンジする風土の醸成に向けて、取り組んでいきます。

(ニ)従事者の定着支援

当社グループでは、新入職員のためのオンボーディングプログラムを見直しました。研修を複数回に分けて行うことで、よりきめ細やかに、適切なタイミングで研修を提供できるようになりました。また、広島銀行では、2025年3月、キャリア採用者の定着支援、即戦力化を企図して、新たに独自のオンボーディングハンドブックを作成しました。ハンドブックの作成にあたっては、実際にキャリア入行者・受入部門の双方に対して、調査・インタビュー・分析を行うことで、広島銀行における早期活躍を実現する実用性の高い内容となっています。

 

(ⅴ)ウェルビーイング支援

(イ)フィジカル・ウェルビーイングの取組み

当社グループは、パーパスの実践者である従事者が最高のパフォーマンスを発揮できる状態を実現するため、職場におけるウェルビーイング実現に取り組んでおり、まず心身ともに健康であることが重要と考えています。

当社グループは、「ひろぎんグループ健康経営宣言」に則り、全社で健康経営を推進しています。当社及び広島銀行は、経済産業省及び日本健康会議が主催する「健康経営優良法人認定制度」において、「組織体制」や「制度・施策実行」など全ての選定項目において高い評価を受け「健康経営優良法人2025 (大規模法人部門)」の上位法人としてホワイト500の認定を取得しました。広島銀行としての認定取得は7年連続となります。

また、ひろぎんリースとひろぎんヒューマンリソースも2024年度より申請にチャレンジし、「健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)」の認定を取得しました。

当社及び広島銀行は、従事者の健康増進に向けたスポーツ活動の支援や促進に対する取組実績が認められ、スポーツ庁より「スポーツエールカンパニー2025」に認定されました。2024年4月には、2024年度健康促進プロジェクトとして、持株会社体制移行後では初となる「ひろぎんグループ大運動会」を実施しました。

(ロ)ファイナンシャル・ウェルビーイングの取組み

当社グループは、仕事における働きがいの創出のみならず、従事者が私生活を楽しみ、充実した人生を送ることが重要であり、そのためには金銭面における安心感の付与が必要であると考えております。具体的な取組みとして、従事者の財産形成に寄与するための制度として、「ひろぎんホールディングス従業員持株会」を組織し、拠出金額の10%を奨励金として補助しています。2023年8月に奨励金の拡充(奨励金の上限見直し)を実施、また2023年10月には「従業員持株ESOP信託」を導入し、従事者のファイナンシャル・ウェルビーイング向上に取り組んでいます。なお、当社グループにおける持株会への加入率は79.3%(2025年3月末時点)と、高い水準を維持しております。また、会員の福利増進を図ることを目的とした互助会である「ひろぎんグループ信愛会」では、災害時の給付に加え、教育資金や奨学金の借換資金等、ライフステージの節目毎に必要となる金銭の貸付事業等を実施しており、金銭面のセーフティネットとしての役割を果たしています。

 

(ハ)キャリア・ウェルビーイングの取組み

当社グループは、従事者が会社主導の受動的なキャリア形成から抜け出し、自ら主体的にキャリアを切り拓くことを組織的に支援しています。社内インターンシップやポストチャレンジ制度等の各種手挙げ制施策に加えて、2025年度からは新たにキャリアを知る取組みとして「ひろぎんグループのキャリアパスモデル」を社内公開し、また将来のキャリア、自身の目指す姿に向けて具体的な行動を起こす取組みとして「キャリアチャレンジシート」を策定する等、キャリア自律の取組みを進めています。

(ニ)ソーシャル・ウェルビーイングの取組み

当社グループは、従事者が、所属する地域や組織に愛着を持ち、地域・組織のために、主体的に行動することが、ソーシャル・ウェルビーイングの目指す状態であると考えています。

社内SNS「TUNAG」を通じて、世代や役職、グループ会社間のコミュニケーションの活性化を促進し、従事者一人ひとりが実践者としてチャレンジする風土を醸成しています。また、広島県の転出超過対策として、組織の枠を超えて人がつながり、誰もが自分らしく働くことのできる魅力的な職場を広島で増やしていくことを目的として、2024年5月より、地元企業ネットワーク「HATAful(はたフル)」を、中国電力株式会社・マツダ株式会社・広島県と共に始動させました。従事者が主体となって、組織の枠を超えて県内企業一体となって変化を生み出すプラットフォームとなるべく活動しています。これらの取組みを通じて、従事者自身が、地域・組織に愛着を持つことで、地域社会全体の幸福度を高め、持続可能な発展に貢献します。

 

<「人的資本を最大化する5つの柱」の強化に向けた人事制度の抜本的な見直し>

「中期計画2024」で掲げた高い理想や目標の実現に向けては、価値創造戦略の担い手となる人財(「専門性とマネジメント能力を持ち合わせたゼネラリスト」及び「ソリューションを生み出すスペシャリスト」)が、保有する能力を最大限に発揮できる仕組み(=人財戦略)の実効性を高める必要があるとの認識のもと、その根幹を成す人事制度について、人財戦略と整合する形で根本から見直す必要があるとの結論に至りました。2024年度においては、理想を実現するための人事制度のあるべき姿について時間をかけて議論を重ね、検討を尽くし、結果としてグループ傘下の4社(広島銀行、ひろぎん証券、ひろぎんリース、ひろぎんITソリューションズ)を対象に、人事制度を大幅に改定することを決定しました。

今回の改定を通じて、人的資本の最大化(人財の確保、育成・活躍支援、定着)を図る中、さらなるグループ一体感の醸成と、多様な人財が適性に応じて活躍できる組織の構築を進めるとともに、就労に関連する従事者の多様なニーズにも配慮することで、「持続可能な体系としての人財戦略の確立」と「従事者のウェルビーイング向上」の高次元での両立を目指します。

 

主な改定内容

関連する「5つの柱」

職能資格制度の改定

人財マネジメント

DE&Iの実践

 

年次によらない適財適所の配置・若手従事者の早期登用実現等を企図

職務の内容に応じた処遇の強化

人財マネジメント

 

職務等級制度の導入により、職務の内容に応じたきめ細かい処遇を実現

先任制度(役職定年)の廃止

人財マネジメント

DE&Iの実践

 

年齢による一律の取扱いから、適性や意欲・能力に応じた処遇に転換

職務によるコース区分制度の改定(※1)

人財マネジメント

ウェルビーイング支援

 

従事者の多様な意向に応じたキャリア形成を支援し、挑戦機会を付与

転居転勤によるコース区分制度の改定(※2)

エンゲージメント強化

ウェルビーイング支援

 

ライフイベントに応じた転居転勤に係る希望を毎年確認し、配置に柔軟に反映

遠隔地手当の新設・拡充(※3)

エンゲージメント強化

ウェルビーイング支援

 

転居を伴う転勤となった場合に追加手当を支給し、従事者の経済的負担を軽減

勤務体系の統一(所定労働時間:8時間、フレックスタイム制)

ボーダーレスな働き方

 

4社の勤務体系統一により、グループ人財交流のさらなる活性化を企図

給与水準・初任給の引上げ(※4)

ボーダーレスな働き方

エンゲージメント強化

ウェルビーイング支援

 

全体の賃金水準を引上げるとともに、グループ各社の若手従事者の処遇水準を

統一し、グループ人財交流のさらなる活性化を企図

 

 (※1)対象:広島銀行、ひろぎんITソリューションズ

 (※2)対象:広島銀行、ひろぎん証券

 (※3)ひろぎんITソリューションズは転居を伴う転勤がないため、対象外

 (※4)初任給は各社統一の水準(大卒・転居有り:25万円、大卒・転居無し:23万円)

 (※5)改定実施日

  ひろぎん証券、ひろぎんリース、ひろぎんITソリューションズ:2025年4月1日

  広島銀行:2025年7月1日(初任給の改定は4月1日)

 

 

④指標及び目標

「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(2015年法律第64号)に基づき算出した連結会社及び連結子会社の指標等は、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)管理職に占める女性労働者の割合、マネジメント職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」をご参照ください。

人財育成方針・社内環境整備方針に関する指標の内容及び当該指標による実績と目標は次のとおりです。

 

指標

2024年3月期

実績 (※1)

2025年3月期

実績 (※1)

2026年3月期目標 (※1)

2031年3月期

目標 (※1)

 人財育成

一人当たり人的資本投資額 (※2)

155

千円

208

千円

220

千円

300

千円程度

女性管理職比率

8.6

11.8

15

25

%程度

女性マネジメント職(※3)比率

18.6

19.3

22

30

%程度

女性マネジメント職候補比率

35.1

36.1

37

45

%程度

社内環境整備

新入職員に占める女性比率

47.1

49.7

50

%程度

全社員に占める女性比率

40.4

41.5

42

45

%程度

男性労働者の育児休業取得率 (※4)

88.4

104.0

配偶者が出産した

労働者全員の取得

キャリア採用

36

62

66

100

人程度

障がい者雇用率

2.6

2.8

3.0

3

%以上

健康経営優良法人認定 (※5)

健康経営優良法人2024(大規模法人部門)ホワイト500認定

健康経営優良法人2025(大規模法人部門)ホワイト500認定

認定取得の維持

エンゲージメント指数 (※6)

3.8

pt

3.8

pt

4.0

pt以上

褒める文化・チャレンジする風土の醸成に係る指数  (※6)

3.7

pt

4.0

pt以上

 

(※1)女性管理職比率、女性マネジメント職比率、女性マネジメント職候補比率、新入職員に占める女性比率、全社員に占める女性比率、障がい者雇用率については、2024年3月期実績は2024年4月1日時点、2025年3月期実績は2025年4月1日時点、2026年3月期目標は2026年4月1日時点、2031年3月期目標は2031年4月1日時点における実績・目標です。

(※2)期中人的資本投資額÷期中平均人員

人的資本投資を、研修費やリスキリング推進費用、育成に係る人件費等を含む「育成投資」と処遇改善や健康経営に係る費用等を含む「人財投資」に分類のうえ、管理しております。

なお、指標に掲げております一人当たり人的資本投資額の算出においては、「育成投資」のみを対象としています。

(※3)労働基準法上の「管理監督者」及び、日常業務について判断を行い、部下を指導育成して担当業務を遂行し、成果を生み出すことが求められる職務に就いている者の合計です。

(※4)配偶者が出産した男性労働者の全員が、配偶者の出産から原則2年以内に育児休業を取得することとしており、配偶者の出産から年度を跨ぎ育児休業を取得する者がいるため、2024年3月期は取得率が100%を下回り、2025年3月期は取得率が100%を上回っております。

(※5)当社及び広島銀行の実績と目標です。なお、2025年3月期に、ひろぎんリースとひろぎんヒューマンリソースは、「健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)」の認定を取得しました。

(※6)株式会社HRBrainの組織診断サーベイ「EX Intelligence」を用いて、エンゲージメント調査を実施し、職場や仕事へのエンゲージメントとして、従事者の熱意や意欲、会社への信頼の深さ等を測る設問への回答からエンゲージメント指数を算出(5段階評価(5が最高値)の平均値)しています。また、同調査における褒める文化やチャレンジする風土の醸成に係る設問への回答から、褒める文化・チャレンジする風土の醸成に係る指数を算出(5段階評価(5が最高値)の平均値)しています。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
 なお、以下の記載における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(当社グループのリスク管理)

当社グループでは、グループ統合的リスク管理委員会及びグループ経営会議において、各種のリスクシナリオが顕在化する蓋然性並びに当社グループの経営成績及び財務状況等への影響度の評価を行い、取締役会において、今後1年間で最も注意すべきリスク事象をトップリスクとして認識しております。

2025年3月開催の取締役会にて選定した「トップリスク」は次のとおりです。

項目

リスク事象

気候変動による社会・環境等の変化

・脱炭素社会への移行の対応費用増加等に伴う地元取引先の経営悪化による与信費用やリスク・アセットの増加

・社会的要請への対応遅延等による社会的信用低下

・異常気象の影響(設備毀損やサプライチェーン寸断等)に伴う地元取引先の経営悪化による与信費用やリスク・アセットの増加 等

米国の関税引き上げ

・各国の対米輸出減少影響に伴う経済活動停滞や取引先企業等の業績悪化による与信費用やリスク・アセットの増加

急速なデジタル化

・デジタルプラットフォーマーをはじめとした他業態の業務侵食による収益機会喪失

・デジタル転換への対応が遅れることによる成長機会喪失

世界的な物価上昇の高止まりに

伴う金融引締め強化による景気後退(スタグフレーション)

・インフレに伴う経済活動停滞や取引先企業等の業績悪化による与信費用やリスク・アセットの増加並びに投資マインド低下による収益機会喪失

・市場環境悪化による有価証券運用の収益悪化

地政学リスクの顕在化

・サプライチェーン寸断等に伴う景気後退や取引先企業等の業績悪化による与信費用やリスク・アセットの増加並びに市場環境悪化による有価証券運用の収益悪化

人口減少

・事業所数減少、産業構造転換、人財確保難等による収益機会喪失

システム障害(システム開発・

設計ミス等)、サイバー攻撃発生

・顧客に多大な影響を与える情報漏洩やシステム停止による社会的信用低下

AML(アンチ・マネー・ローンダリング)違反発生

・マネー・ローンダリングやテロ資金供与対策の不備等による業務停止命令、課徴金支払、外貨資金ラインの喪失による社会的信用低下

 

(注)上記は認識しているリスクの一部であり、上記以外のリスクによっても経営上、特に重大な悪影響が生ずる可能性があります。

当該トップリスクに関しては、経営計画におけるリスクアペタイト方針やリスク管理方針等において対応方針を定め、その対応方針に基づき当社及びその子会社において各種戦略・施策を展開するとともに、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1) コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のリスク管理体制に基づき、リスク管理及び危機対応の体制を整備しております。

また、以下に記載したリスクのうち、信用リスク及び市場リスクについては、統計的手法であるバリュー・アット・リスクを用いて、一定の確率(信頼区間99.9%)のもと、一定期間(例えば1年間)に被る可能性のある最大損失額(リスク量)を計測し、把握しております。

これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績・業務運営に影響を及ぼす可能性があるため、各リスクカテゴリー毎にリスクリミットを設定し、その合計額が自己資本の範囲内に収まるよう管理を行っております。

 

(特に重要なリスク)

・気候変動リスク

近年、国際機関や日本を含む世界各国政府が「脱炭素化社会への移行」に向けた取組みを加速させるなど、気候変動リスクへの対応は重要な課題となっております。

気候変動の影響による台風・豪雨等の自然災害は、その頻度及び損害が急速に増大しており、こうした「物理的リスク」が地域社会・経済にとって大きな脅威となっております。また、政府が地球温暖化対策として環境規制を導入する等、法務・税務面での規制強化に加え、当社グループが環境配意を怠ることでステークホルダーから見放されるといった「移行リスク」への対応が必要となっております。

こうした社会情勢の変化を受け、以下のリスクが顕在化する可能性があります。

・当社グループの貸出先等における本社・工場等の被災や、低炭素社会への移行の対応の遅れ等による競争力の低下等に起因する経営状況の悪化等に伴う信用リスク

・各ステークホルダーが当社グループに期待する環境問題への取組みに係る基準を下回った場合等における、当社グループの資本・資金調達等ができなくなる、不利な条件での取引を余儀なくされる又は一定の取引を行うことができなくなる流動性リスク及び当社グループに対するネガティブな報道に起因する当社株価に悪影響を及ぼす風評リスク

・大規模な自然災害が発生し、当社グループの役職員や店舗等が被災した場合における、営業活動の停滞等による営業戦略が奏功しないリスク、業務継続に必要な人財が確保できない人的リスク及び有形資産リスク

・上記リスクの顕在化に起因する自己資本比率低下のリスク

 

当社グループでは、こうした気候変動リスクが経営に与える定量的な影響を把握するための取組みを行うとともに、地域のカーボンニュートラル実現に向けて、温室効果ガス排出量削減とサステナブルファイナンスの中長期目標を設定し、<地域総合サービスグループ>として本業を通じた取組みを進めております。

また、「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」に係る統括機能を強化するとともに、気候変動リスクへの対応等に係る開示・取組内容の拡充・高度化を図るため、「サステナビリティ統括部」を設置しております。

詳しくは、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。

 

(その他重要なリスク)

(1) 信用リスク

当社グループの不良債権は世界経済の変動、国内景気の動向、業種の盛衰、不動産価格、原材料価格高騰並びに株価・為替の変動及び貸出先の経営状況等によって増加する可能性があります。
 当社グループでは不良債権に対し、貸出先の状況、差入れられた担保の価値及び経済全体に関する前提及び見積りに基づいて貸倒引当金を計上しております。また、大口債務者のうち、将来キャッシュ・フローを合理的に見積もることができる債権については、キャッシュ・フロー見積法により貸倒引当金を計上しております。
 しかし、貸出先の経営状況の悪化、担保価値の下落等が貸倒引当金計上時の前提と大きく乖離する場合、貸倒引当金が不十分となり貸倒引当金の積み増しをせざるを得なくなる可能性があります。
 また、経営状況が悪化した先に対し、債権放棄又は追加貸出等を行って支援をすることもありえます。さらに、担保権を設定した不動産又は有価証券等に対し、流動性の欠如や価格の著しい下落等を要因として担保権の執行が事実上できない可能性があります。
 このような事態が生じた場合には当社グループの与信費用が増加し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
 なお、当社グループにおいては、こうしたリスクに対し、厳正な審査を実施するとともに、経営改善が必要となった取引先に対して、営業店と本店部の連携による資金繰り支援や各種補助金等の活用サポートに加え、広島銀行に新設した「経営サポート室」を中心とした本業支援強化などの総合的な伴走型支援を行っております。また、広島銀行においては、貸出金ポートフォリオに占める割合を勘案する中、一定の業種に係るモニタリングを強化しております

 

(2) 市場リスク

当社グループでは市場取引関連業務において、有価証券投資をはじめ様々な金融商品での運用を行っています。こうした活動には金利、為替レート、株価及び債券価格の変動等のリスクがあり、例えば以下のようなリスクが顕在化した場合には当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

項目

リスクシナリオ

対応策

金利変動のリスク

・当社グループは国債等市場性のある債券を保有しています。国内外の金利が上昇した場合、当社グループが保有する国債をはじめとする債券のポートフォリオの価値が低下し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、金利が著しく低下した場合、適切な利回りが確保できない可能性があります。

・流動性が高く安全性の高い資産への分散投資を基本とした適切な有価証券ポートフォリオ管理を徹底するほか、各種保有限度額や評価損益に対する損失管理ポイントの設定等による管理を徹底しております。

・預貸金業務を含めた銀行全体の市場リスクの管理については、金利リスク量等の多面的なリスク分析を行い、統合的リスク管理委員会及びALM戦略委員会において、資産・負債の総合的な管理という観点から議論のうえ、運用・調達・リスクヘッジ方針の検討を行っております。

為替変動のリスク

・当社グループの業務は為替レート変動の影響を受けます。円高が進行した場合には外貨建て取引の円換算額が目減りすることになります。さらに、資産及び負債の一部は外貨建てで表示されており、外貨建ての資産と負債の額が各通貨毎に同額で相殺されない場合又は適切にヘッジされていない場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

株価下落のリスク

・当社グループは市場性のある株式を保有しています。株価が大幅に下落する場合には保有株式に減損又は評価損が発生し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) 流動性リスク

格付機関により当社及び広島銀行の格付けが引き下げられた場合、当社グループを含む日本の銀行及びその他の金融機関の財政状態が悪化した場合又は市場環境が悪化した場合、予期せぬ資金の流出等により、当社グループの資本・資金調達等ができなくなる、不利な条件での取引を余儀なくされる又は一定の取引を行うことができなくなる可能性があります。
 このような事態が生じた場合には当社グループは資金調達費用の増加等により、市場取引関連業務及び他の業務の収益性が低下し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
 なお、当社グループでは、こうしたリスクに対し、一定の資金流出を前提とした運用・調達コントロールの実施や、市場性資金の調達状況及び市場からの評価等のモニタリングによる管理を徹底しております。

 

(4) オペレーショナルリスク

項目

リスクシナリオ

対応策

事務リスク

・当社グループにおいて、大きな賠償につながるような事務事故が発生した場合、当社グループの評価に重大な影響を及ぼすとともに、当社グループの業績及び株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

・事務規定に基づき厳正な事務処理を徹底し、事務事故の未然防止に努めております。

システムリスク

・当社グループはコンピュータシステムの停止・誤作動又は外部からのサイバー攻撃、その他の不正アクセス、コンピューターウイルス感染が発生する等、重大なシステム障害が発生した場合、業務の停止や情報流出、それに伴う損害賠償の負担等が発生する可能性があります。その結果、当社グループの業績及び株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

・グループシステムリスク管理規程に基づき、システムの安定稼働やセキュリティ対策に万全を期すほか、厳格な情報管理を行うなど運用面での対策を実施しております。

・「システム企画課」を設置し、基盤システム・ネットワークの企画・運営・管理機能を一元化するとともに、「セキュリティ統括課」を設置し、巧妙化するサイバー攻撃に対するサイバーセキュリティ対応強化等のITガバナンスの高度化を進めております。

人的リスク

・当社グループは多数の従業員を雇用しておりますが、人財の確保や育成が不十分である場合、当社グループの競争力や効率性が低下する等、当社グループの業績及び株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

・グループ一体となった採用活動及び研修体系の構築を行うとともに、グループ内の人財交流、シニア人財の活用、DE&Iの推進、他業態等からの専門性の高いキャリア人財の採用等により、人財の戦略的配置を実施しております。

・DE&Iに係る開示・取組内容の拡充・高度化を図るため、サステナビリティ統括グループ内に「DE&I統括室」を設置しております。

・グループ各社の魅力や従事者の働きがいの向上に向け、人事制度を大幅に改定することを決定しました。

コンプライアンスリスク

・当社グループはコンプライアンスを経営の最重要課題の一つとして位置付け、態勢強化に努めておりますが、法令及び社会的規範等の遵守が十分でなかった場合や、それに起因する訴訟等が提起された場合、当社グループの評価に重大な影響を及ぼすとともに、当社グループの業績及び株価に悪影響を及ぼす可能性があります。また、マネー・ローンダリング、テロ資金供与及び拡散金融等の金融犯罪防止に係る態勢強化に努めておりますが、想定の範囲を超える大規模な金融犯罪等に利用された場合、業務の停止及び不測の損失等が発生するとともに、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

・各種研修をはじめとした社内啓発を実施すること等により、法令及び社会的規範並びに各種ルール等遵守の徹底を図っております。

有形資産リスク

・当社グループは、店舗等の有形資産を保有及び賃借しておりますが、自然災害や不法行為、不適切な資産管理等により、毀損、焼失又は劣化した場合、当社グループの業務遂行に支障をきたす可能性があります。また、保有する固定資産の使用目的の変更、収益性の低下及び価額の下落等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

・台風・水災や大地震・津波等を想定した対策の実施に加え、老朽化店舗や設備等への計画的な対応を行っております。

風評リスク

・銀行業界及び当社グループに対するネガティブな報道、悪質な風説が流布された場合、それが正確かどうかにかかわらず又は当社グループに該当するか否かにかかわらず、当社の株価に悪影響を及ぼす可能性があります。

・透明性の高いディスクロージャーの実施に加え、風評リスクに関する情報の管理徹底を行っております。

 

 

(5) その他当社グループの業績等に影響しうる他のリスク

①自己資本比率低下のリスク

当社の連結自己資本比率並びに広島銀行の連結自己資本比率及び単体自己資本比率について、国内基準(4%)の維持が必要となります。
 当社グループの自己資本比率は現在、要求される水準を上回っておりますが、要求される水準を下回った場合には、金融庁長官から業務の全部又は一部の停止等を含む様々な命令を受けることとなります。
 当社グループの自己資本比率は以下のような要因により影響を受ける可能性があります。

・株式を含む有価証券ポートフォリオ価値の下落

・不良債権増加に伴う与信費用の増加

・自己資本比率の基準及び算定方法の変更

・本項記載のその他の不利益な展開

②退職給付債務等に関するリスク

当社グループの年金資産は現在、年金資産が退職給付債務に対して大幅な資産超過の状況にありますが、年金資産の時価が下落した場合、当社グループの年金資産の運用利回りが低下した場合又は予定給付債務を計算する前提となる数理上の前提・仮定に変更があった場合には損失が発生する可能性があります。また、年金制度の変更により過去勤務費用が発生する可能性があります。金利環境の変動その他の要因も年金の未積立債務及び年間積立額にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。

なお、将来の財政悪化リスクに備えるため、2022年度よりリスク対応掛金の拠出を開始しております。

③規制変動リスク

当社グループは現時点の規制(法律、規則、政策、実務慣行、解釈等を含む)に従って業務を遂行しております。将来これらの規制の変更並びにそれらによって発生する事態が当社グループの業務遂行や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、どのような影響が発生しうるかについて、その種類・内容・程度等を予測することは困難であります。

④競争に関するリスク

近年金融機関の業務における大幅な規制緩和やデジタル化の進展等により業態を超えた競争が激化してきております。また、当社グループの営業基盤である広島県ではメガバンク・近隣他行等の営業攻勢から競争が激化しております。
 当社グループがこうした事業環境において競争優位を得られない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤当社グループの営業戦略が奏功しないリスク

当社グループは収益基盤の強化のために様々な営業戦略を実施していますが、以下に述べるものをはじめとする様々な要因が生じた場合にはこれら戦略が功を奏しないか、当初想定していた結果をもたらさない可能性があります。

・優良な貸出金の量の増大が進まないこと
 ・デジタル化への対応の遅れ等により金融仲介機能の源泉となる預金が十分に確保できないこと
 ・貸出金について適切な利回りが確保できないこと
 ・手数料収入の増加が期待通りの結果とならないこと
 ・デジタル化をはじめとした経費削減等の効率化を図る戦略が期待通りに進まないこと
 ・取引先への経営改善支援が期待通りに進まないこと

⑥地域の経済動向に影響を受けるリスク

当社グループは、広島県を中心とした地元4県(岡山県、山口県、愛媛県)を主要な営業基盤としていることから、これら地域経済の動向が当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦自然災害・感染症の発生によるリスク

当社グループは主に国内に営業拠点を有しており、各拠点において、豪雨災害をはじめとした自然災害や感染症等に係る想定をはるかに超える状況が発生し、当社グループの役職員、店舗等の設備及び取引先が被害を受けた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑧持株会社のリスク

当社は銀行持株会社であるため、その収入の大部分を傘下の銀行子会社から受領する配当金等に依存しております。一定の状況下で、様々な規制上又は契約上の制限により、その金額が制限される場合があります。また、銀行子会社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当等を支払えない状況が生じた場合には、当社株主に対する配当の支払いが不可能となる可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

 ・経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財務状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(経営成績)

連結経常収益は、貸出金利息及び有価証券利息配当金の増加により資金運用収益が増加したことから、前年度比153億円増加の2,013億円となりました。連結経常費用は、資金調達費用や営業経費が増加したものの、貸倒引当金繰入額の減少によりその他経常費用が減少したことから、前年度比28億円減少の1,491億円となりました。その結果、連結経常利益は前年度比180億円増加の521億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度比82億円増加の358億円となり、過去最高益となりました

セグメントごとの経営成績は、次のとおりとなりました。

「銀行業」の経常収益は前年度比144億円増加して1,686億円、セグメント利益は前年度比163億円増加して477億円となりました。

「リース業」の経常収益は前年度比6億円増加して230億円、セグメント利益は前年度比4億円増加して14億円となりました。

報告セグメントに含まれない「その他」の経常収益は前年度比28億円増加して416億円、セグメント利益は前年度比26億円増加して249億円となりました。

 

(財政状態)

総資産は前年度末比6,584億円減少12兆1,319億円となり、負債は前年度末比6,279億円減少11兆6,272億円となりました。また、純資産は前年度末比306億円減少5,046億円となりました。

主要勘定の期末残高は、貸出金が前年度末比2,454億円増加7兆9,345億円、預金等(譲渡性預金を含む)が前年度末比751億円増加の9兆4,372億円となりました。

 

(キャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、コールマネー等の減少や貸出金の増加などから、8,974億円の支出超過(前年度は7,833億円の収入超過)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が売却・償還による収入を上回ったことなどから、2,025億円の支出超過(前年度は1,193億円の支出超過)となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などから、177億円の支出超過(前年度は159億円の支出超過)となりました。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前年度末比1兆1,177億円減少1兆6,853億円となりました。

 

 

(1) 国内・海外別収支

資金運用収支は、85,771百万円となりました。

役務取引等収支は、25,908百万円となりました。

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

資金運用収支

前連結会計年度

93,407

20,489

72,917

当連結会計年度

107,539

21,767

85,771

うち資金運用収益

前連結会計年度

127,201

20,706

106,494

当連結会計年度

146,816

22,101

124,714

うち資金調達費用

前連結会計年度

33,794

217

33,577

当連結会計年度

39,276

334

38,942

信託報酬

前連結会計年度

175

175

当連結会計年度

149

149

役務取引等収支

前連結会計年度

28,317

4,352

23,964

当連結会計年度

30,873

4,964

25,908

うち役務取引等収益

前連結会計年度

43,676

7,442

36,233

当連結会計年度

46,392

8,158

38,233

うち役務取引等費用

前連結会計年度

15,358

3,089

12,268

当連結会計年度

15,518

3,194

12,324

特定取引収支

前連結会計年度

2,300

2,300

当連結会計年度

2,357

2,357

うち特定取引収益

前連結会計年度

2,300

2,300

当連結会計年度

2,357

2,357

うち特定取引費用

前連結会計年度

当連結会計年度

その他業務収支

前連結会計年度

1,651

253

1,398

当連結会計年度

△1,087

257

△1,344

うちその他業務収益

前連結会計年度

29,596

292

29,303

当連結会計年度

27,753

318

27,434

うちその他業務費用

前連結会計年度

27,944

38

27,905

当連結会計年度

28,840

61

28,778

 

(注) 1. 「国内」とは、当社及び国内に本店を有する(連結)子会社(以下、「国内(連結)子会社」という。)であります。

2. 「海外」とは、海外に本店を有する(連結)子会社(以下、「海外(連結)子会社」という。)であります。

3. 「相殺消去額」とは、連結会社間に係る相殺消去額であります。

4.資金調達費用は、金銭の信託運用見合費用を控除して表示しております。

 

 

(2) 国内・海外別資金運用/調達の状況

資金運用勘定は、平均残高が11,660,020百万円、利息が124,714百万円、利回りが1.06%となりました。

資金調達勘定は、平均残高が11,454,836百万円、利息が38,942百万円、利回りが0.33%となりました。

① 国内

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

10,941,366

127,201

1.16

当連結会計年度

12,199,118

146,816

1.20

うち貸出金

前連結会計年度

7,526,235

82,566

1.09

当連結会計年度

8,242,577

91,120

1.10

うち有価証券

前連結会計年度

2,125,361

40,628

1.91

当連結会計年度

2,321,565

50,443

2.17

うちコールローン
及び買入手形

前連結会計年度

46,428

419

0.90

当連結会計年度

83,109

641

0.77

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引
支払保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

1,182,850

1,226

0.10

当連結会計年度

1,480,531

3,177

0.21

資金調達勘定

前連結会計年度

11,708,056

33,794

0.28

当連結会計年度

11,555,285

39,276

0.33

うち預金

前連結会計年度

8,978,315

4,074

0.04

当連結会計年度

9,132,747

10,235

0.11

うち譲渡性預金

前連結会計年度

340,420

32

0.00

当連結会計年度

220,257

282

0.12

うちコールマネー
及び売渡手形

前連結会計年度

644,099

△157

△0.02

当連結会計年度

12,306

22

0.18

うち売現先勘定

前連結会計年度

177,118

9,809

5.53

当連結会計年度

229,967

11,823

5.14

うち債券貸借取引
受入担保金

前連結会計年度

448,052

684

0.15

当連結会計年度

466,733

1,275

0.27

うちコマーシャル・
ペーパー

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

1,148,093

578

0.05

当連結会計年度

1,501,489

862

0.05

 

(注) 1. 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、当社及び広島銀行以外の国内(連結)子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2. 「国内」とは、当社及び国内(連結)子会社であります。

3.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を、それぞれ控除して表示しております。

4.前連結会計年度まで、日銀預け金の平均残高は全て無利息預け金として資金運用勘定から控除しておりましたが、当連結会計年度から、日銀預け金のうち有利息部分の平均残高については、資金運用勘定の預け金に含めており、前連結会計年度についても変更しております。

 

 

② 海外

 

種類

期別

平均残高

利息

利回り

金額(百万円)

金額(百万円)

(%)

資金運用勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち貸出金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールローン
及び買入手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引
支払保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

当連結会計年度

資金調達勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち譲渡性預金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコールマネー
及び売渡手形

前連結会計年度

当連結会計年度

うち売現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引
受入担保金

前連結会計年度

当連結会計年度

うちコマーシャル・
ペーパー

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

当連結会計年度

 

(注) 1. 海外(連結)子会社の平均残高は、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。

2. 「海外」とは、海外(連結)子会社であります。

 

 

③ 合計

 

種類

期別

平均残高(百万円)

利息(百万円)

利回り
(%)

小計

相殺消去額(△)

合計

小計

相殺消去額(△)

合計

資金運用勘定

前連結会計年度

10,941,366

530,723

10,410,643

127,201

20,706

106,494

1.02

当連結会計年度

12,199,118

539,098

11,660,020

146,816

22,101

124,714

1.06

うち貸出金

前連結会計年度

7,526,235

61,643

7,464,592

82,566

215

82,350

1.10

当連結会計年度

8,242,577

63,763

8,178,814

91,120

319

90,801

1.11

うち有価証券

前連結会計年度

2,125,361

446,172

1,679,188

40,628

20,490

20,137

1.19

当連結会計年度

2,321,565

445,585

1,875,979

50,443

21,768

28,675

1.52

うちコールローン
及び買入手形

前連結会計年度

46,428

46,428

419

419

0.90

当連結会計年度

83,109

83,109

641

641

0.77

うち買現先勘定

前連結会計年度

当連結会計年度

うち債券貸借取引
支払保証金

前連結会計年度

当連結会計年度

うち預け金

前連結会計年度

1,182,850

22,907

1,159,943

1,226

0

1,226

0.10

当連結会計年度

1,480,531

29,749

1,450,781

3,177

11

3,166

0.21

資金調達勘定

前連結会計年度

11,708,056

91,424

11,616,632

33,794

217

33,577

0.28

当連結会計年度

11,555,285

100,448

11,454,836

39,276

334

38,942

0.33

うち預金

前連結会計年度

8,978,315

23,467

8,954,848

4,074

0

4,074

0.04

当連結会計年度

9,132,747

30,870

9,101,877

10,235

9

10,226

0.11

うち譲渡性預金

前連結会計年度

340,420

5,813

334,607

32

0

32

0.00

当連結会計年度

220,257

5,815

214,442

282

4

278

0.12

うちコールマネー
及び売渡手形

前連結会計年度

644,099

644,099

△157

△157

△0.02

当連結会計年度

12,306

12,306

22

22

0.18

うち売現先勘定

前連結会計年度

177,118

177,118

9,809

9,809

5.53

当連結会計年度

229,967

229,967

11,823

11,823

5.14

うち債券貸借取引
受入担保金

前連結会計年度

448,052

448,052

684

684

0.15

当連結会計年度

466,733

466,733

1,275

1,275

0.27

うちコマーシャル・
ペーパー

前連結会計年度

当連結会計年度

うち借用金

前連結会計年度

1,148,093

61,643

1,086,450

578

216

361

0.03

当連結会計年度

1,501,489

63,763

1,437,725

862

319

543

0.03

 

(注) 1.「相殺消去額」とは、連結会社間に係る相殺消去額であります。

2.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高及び利息を、それぞれ控除して表示しております。

3.前連結会計年度まで、日銀預け金の平均残高は全て無利息預け金として資金運用勘定から控除しておりましたが、当連結会計年度から、日銀預け金のうち有利息部分の平均残高については、資金運用勘定の預け金に含めており、前連結会計年度についても変更しております。

 

 

(3) 国内・海外別役務取引の状況

役務取引等収益は、38,233百万円となりました。

役務取引等費用は、12,324百万円となりました。

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

役務取引等収益

前連結会計年度

43,676

7,442

36,233

当連結会計年度

46,392

8,158

38,233

うち預金・貸出業務

前連結会計年度

6,413

6,413

当連結会計年度

8,165

8,165

うち為替業務

前連結会計年度

6,430

6,430

当連結会計年度

6,545

6,545

うち信託関連業務

前連結会計年度

34

34

当連結会計年度

27

27

うち証券関連業務

前連結会計年度

5,245

5,245

当連結会計年度

4,928

4,928

うち投資信託

関連業務

前連結会計年度

994

994

当連結会計年度

1,109

1,109

うち代理業務

前連結会計年度

268

268

当連結会計年度

276

276

うち保護預り
・貸金庫業務

前連結会計年度

150

150

当連結会計年度

142

142

うち保証業務

前連結会計年度

2,973

1,885

1,087

当連結会計年度

3,239

2,116

1,123

役務取引等費用

前連結会計年度

15,358

3,089

12,268

当連結会計年度

15,518

3,194

12,324

うち為替業務

前連結会計年度

1,969

1,969

当連結会計年度

2,261

2,261

 

(注) 1.「国内」とは、当社及び国内(連結)子会社であります。

2.「海外」とは、海外(連結)子会社であります。

3.「相殺消去額」とは、連結会社間に係る相殺消去額であります。

 

 

(4) 国内・海外別特定取引の状況

① 特定取引収益・費用の内訳

特定取引収益は、2,357百万円となりました。

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

特定取引収益

前連結会計年度

2,300

2,300

当連結会計年度

2,357

2,357

うち商品
有価証券収益

前連結会計年度

1,020

1,020

当連結会計年度

789

789

うち特定取引
有価証券収益

前連結会計年度

当連結会計年度

うち特定金融
派生商品収益

前連結会計年度

1,279

1,279

当連結会計年度

1,567

1,567

うちその他の
特定取引収益

前連結会計年度

当連結会計年度

特定取引費用

前連結会計年度

当連結会計年度

うち商品
有価証券費用

前連結会計年度

当連結会計年度

うち特定取引
有価証券費用

前連結会計年度

当連結会計年度

うち特定金融
派生商品費用

前連結会計年度

当連結会計年度

うちその他の
特定取引費用

前連結会計年度

当連結会計年度

 

(注) 1.「国内」とは、当社及び国内(連結)子会社であります。

2.「海外」とは、海外(連結)子会社であります。

3.「相殺消去額」とは、連結会社間に係る相殺消去額であります。

 

 

② 特定取引資産・負債の内訳(末残)

特定取引資産は、8,645百万円となりました。

特定取引負債は、6,122百万円となりました。

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

特定取引資産

前連結会計年度

6,956

6,956

当連結会計年度

8,645

8,645

うち商品有価証券

前連結会計年度

1,294

1,294

当連結会計年度

1,527

1,527

うち商品有価証券
派生商品

前連結会計年度

当連結会計年度

うち特定取引
有価証券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち特定取引
有価証券派生商品

前連結会計年度

当連結会計年度

うち特定金融派生
商品

前連結会計年度

5,661

5,661

当連結会計年度

7,118

7,118

うちその他の
特定取引資産

前連結会計年度

当連結会計年度

特定取引負債

前連結会計年度

4,443

4,443

当連結会計年度

6,122

6,122

うち売付商品債券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち商品有価証券
派生商品

前連結会計年度

当連結会計年度

うち特定取引
売付債券

前連結会計年度

当連結会計年度

うち特定取引
有価証券派生商品

前連結会計年度

当連結会計年度

うち特定金融派生
商品

前連結会計年度

4,443

4,443

当連結会計年度

6,122

6,122

うちその他の
特定取引負債

前連結会計年度

当連結会計年度

 

(注) 1.「国内」とは、当社及び国内(連結)子会社であります。

2.「海外」とは、海外(連結)子会社であります。

3.「相殺消去額」とは、連結会社間に係る相殺消去額であります。

 

(5) 国内・海外別預金残高の状況

○ 預金の種類別残高(末残)

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

預金合計

前連結会計年度

9,257,363

31,583

9,225,779

当連結会計年度

9,305,930

28,873

9,277,057

うち流動性預金

前連結会計年度

6,627,245

29,499

6,597,745

当連結会計年度

6,601,867

25,904

6,575,963

うち定期性預金

前連結会計年度

2,113,370

240

2,113,130

当連結会計年度

2,168,555

1,240

2,167,315

うちその他

前連結会計年度

516,747

1,844

514,903

当連結会計年度

535,507

1,728

533,778

譲渡性預金

前連結会計年度

142,224

5,814

136,410

当連結会計年度

166,059

5,816

160,242

総合計

前連結会計年度

9,399,588

37,398

9,362,190

当連結会計年度

9,471,989

34,690

9,437,299

 

(注) 1.「国内」とは、当社及び国内(連結)子会社であります。

2.「海外」とは、海外(連結)子会社であります。

3.「相殺消去額」とは、連結会社間に係る相殺消去額であります。

4.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金

5.定期性預金=定期預金+定期積金

 

 

(6) 国内・海外別貸出金残高の状況

① 業種別貸出状況(末残・構成比)

 

業種別

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

国内(除く特別国際金融取引勘定分)

7,689,192

100.00

7,934,540

100.00

製造業

757,143

9.85

790,140

9.96

農業,林業

5,018

0.07

4,542

0.06

漁業

1,183

0.02

1,103

0.01

鉱業,採石業,砂利採取業

1,301

0.02

1,099

0.01

建設業

189,127

2.46

190,017

2.40

電気・ガス・熱供給・水道業

244,885

3.18

257,854

3.25

情報通信業

19,102

0.25

20,095

0.25

運輸業,郵便業

509,571

6.63

558,536

7.04

卸売業,小売業

576,676

7.50

623,573

7.86

金融業,保険業

418,332

5.44

489,054

6.16

不動産業,物品賃貸業

1,198,033

15.58

1,267,190

15.97

各種サービス業

439,327

5.71

459,381

5.79

地方公共団体

1,429,555

18.59

1,292,736

16.29

その他

1,899,927

24.70

1,979,210

24.95

海外及び特別国際金融取引勘定分

政府等

金融機関

その他

合計

7,689,192

7,934,540

 

(注) 1.「国内」とは、当社及び国内(連結)子会社であります。

2.「海外」とは、海外(連結)子会社であります。

 

② 外国政府等向け債権残高(国別)

「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げることとしておりますが、2024年3月31日現在及び2025年3月31日現在の外国政府等向け債権残高は該当ありません。

 

(7) 国内・海外別有価証券の状況

○ 有価証券残高(末残)

 

種類

期別

国内

海外

相殺消去額(△)

合計

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

国債

前連結会計年度

438,641

438,641

当連結会計年度

593,795

593,795

地方債

前連結会計年度

328,680

328,680

当連結会計年度

283,736

283,736

短期社債

前連結会計年度

当連結会計年度

社債

前連結会計年度

291,377

291,377

当連結会計年度

291,568

291,568

株式

前連結会計年度

590,830

445,875

144,954

当連結会計年度

567,342

445,875

121,466

その他の証券

前連結会計年度

579,870

579,870

当連結会計年度

626,136

626,136

合計

前連結会計年度

2,229,399

445,875

1,783,523

当連結会計年度

2,362,579

445,875

1,916,703

 

(注) 1.「国内」とは、当社及び国内(連結)子会社であります。

2.「海外」とは、海外(連結)子会社であります。

3.「相殺消去額」とは、連結会社間の資本連結に伴い相殺消去した金額を記載しております。

4.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。

 

 

(8) 「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況

連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は広島銀行1社です。

 

①信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表/連結)

資産

科目

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

信託受益権

41,393

44.55

38,683

39.50

有形固定資産

629

0.68

629

0.64

銀行勘定貸

56

0.06

79

0.08

現金預け金

50,830

54.71

58,545

59.78

合計

92,909

100.00

97,937

100.00

 

 

負債

科目

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金銭信託

92,172

99.21

97,201

99.25

包括信託

736

0.79

736

0.75

合計

92,909

100.00

97,937

100.00

 

(注) 共同信託他社管理財産については、前連結会計年度及び当連結会計年度の取扱残高はありません。

 

②元本補填契約のある信託の運用/受入状況(末残)

科目

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

金銭信託
(百万円)

貸付信託
(百万円)

合計
(百万円)

金銭信託
(百万円)

貸付信託
(百万円)

合計
(百万円)

現金預け金

19,962

19,962

17,903

17,903

資産計

19,962

19,962

17,903

17,903

元本

19,962

19,962

17,903

17,903

負債計

19,962

19,962

17,903

17,903

 

 

 

(自己資本比率の状況)

(参考)

自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。

なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては標準的計測手法を採用しております。
 

連結自己資本比率(国内基準)

 

 

(単位:億円、%)

 

2024年3月31日

2025年3月31日

1.連結自己資本比率 (2/3)

11.04

11.04

2.連結における自己資本の額

4,400

4,512

3.リスク・アセットの額

39,842

40,852

4.連結総所要自己資本額

1,593

1,634

 

 

(資産の査定)

(参考)

資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、広島銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。

 

1. 破産更生債権及びこれらに準ずる債権

 破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。

 

2. 危険債権
 危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。

 

3. 要管理債権
 要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。

 

4. 正常債権
 正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。

 

広島銀行(単体)の資産の査定の額

債権の区分

2024年3月31日

2025年3月31日

金額(億円)

金額(億円)

破産更生債権及びこれらに準ずる債権

62

80

危険債権

563

452

要管理債権

354

290

正常債権

77,501

80,111

 

(注)「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」に基づき、単位未満を四捨五入しております。

 

 

 ・経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当連結会計年度における当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、以下の記載における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1) 当連結会計年度の経営成績

①連結粗利益(除く国債等債券関係損益)

地元を中心とした残高の増加と利回り改善による貸出金利息の増加や、有価証券運用の収益力強化により、資金利益が大幅に増加したため、連結粗利益(除く国債等債券関係損益)は前年比160億円増加の1,191億円となりました。

②国債等債券関係損益

安定的かつ継続的に高い収益性を確保できる有価証券ポートフォリオの構築に向け、低利回りの債券を処分したことから、国債等債券関係損益は前年比38億円減少の△62億円となりました。

③営業経費

人的資本投資やDX・IT投資を中心とした、成長投資へ積極的に投入したことから、営業経費は前年比62億円増加の641億円となりました。

④与信費用

前年に計上した大口先に対する引当金繰入の反動減により、与信費用は前年比121億円減少の29億円となりました。

⑤親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は前年比82億円増益の358億円となり、過去最高益を更新しました。

(億円)

 

2024年度

 

前年比

(増減率)

連結粗利益

1,128

121

(12.0%)

(除く国債等債券関係損益)①

1,191

160

 

 

資金利益

857

128

 

役務取引等利益

260

19

 

特定取引・その他業務利益

10

△26

 

 

(うち国債等債券関係損益)②

△62

△38

 

営業経費 ③          (△)

641

62

 

与信費用 ④          (△)

29

△121

 

株式等関係損益

55

△21

 

持分法による投資損益

0

0

 

その他

8

20

 

経常利益

521

180

(52.8%)

特別損益

△11

△69

 

 

うち退職給付信託返還益

△64

 

法人税等合計          (△)

151

29

 

非支配株主に帰属する当期純利益 (△)

0

0

 

親会社株主に帰属する当期純利益 ⑤

358

82

(29.4%)

 

 

(参考)営業経費率 (※)

53.9%

△2.3%

 

 

 (※)営業経費率=営業経費÷(連結粗利益-国債等債券関係損益)

 

 

(2) 「中期計画2024」の進捗状況

「中期計画2024」では、計画最終年度である2028年度において達成すべき経営目標として、以下の指標を掲げており、概ね計画通り順調に推移しております。

なお、「地域活性化指標」の達成に向け、当社グループの取組みとして、5項目を掲げ取り組んでおりますが、「街づくり・地域開発への関与件数」「環境ファイナンス実行額」について、当初計画を上回って進捗していることから、上方修正いたしました。

また、「経営指標」においては、2024年3月に公表した「中期計画2024」の策定時に比べ国内市場金利は大きく変化しており、今後も一定程度上昇することを織り込む中、お客さまへのソリューションの提供をより一層充実させるとともに、有価証券ポートフォリオの再構築を進めることから、計画最終年度(2028年度)における「連結ROE」について上方修正いたしました。

 

①地域活性化指標と当社グループの取組み

 



 


 


 


 


 


 

 

 

②当社グループの経営指標

 


 


 


 

 

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての情報

(キャッシュ・フローの状況)

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概要については、「・経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

(設備投資)

当連結会計年度における主なものは既存店舗の改修・設備更新やシステム投資等であり、全て自己資金でまかなっております。翌連結会計年度以降の見通しについては、引き続き店舗設備の更新やシステム投資等を行っていき、これらに必要な資金は自己資金でまかなう予定であります。

 

(株主還元)

株主還元については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。

 

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(貸倒引当金の計上)

銀行業を営む連結子会社の貸倒引当金は、予め定めている償却・引当基準に則り、次のとおり計上しております。

破産、特別清算等法的に経営破綻の事実が発生している債務者(以下、「破綻先」という。)に係る債権及びそれと同等の状況にある債務者(以下、「実質破綻先」という。)に係る債権については、以下のなお書きに記載されている直接減額後の帳簿価額から、担保の処分可能見込額及び保証等による回収可能見込額を控除し、その残額を計上しております。

現在は経営破綻の状況にないが、今後経営破綻に陥る可能性が大きいと認められる債務者(以下、「破綻懸念先」という。)に係る債権については、債権額から、担保の処分可能見込額及び保証等による回収可能見込額を控除し、その残額のうち、債務者の支払能力を総合的に判断し必要と認める額を計上しております。

破綻懸念先及び貸出条件緩和債権等を有する債務者で与信額のうち無担保与信額が一定額以上の債務者のうち、債権の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積もることができる債権については、当該キャッシュ・フローを当初の約定利子率で割引いた金額と債権の帳簿価額との差額を貸倒引当金とする方法(キャッシュ・フロー見積法)により計上しております。

上記以外の債権については、主として今後1年間の予想損失額又は今後3年間の予想損失額を見込んで計上しており、予想損失額は、1年間又は3年間の貸倒実績を基礎とした貸倒実績率の過去の一定期間における平均値に基づき損失率を求め、将来見込み等必要な修正の検討を行い、算定しております。ただし、破綻懸念先及び貸出条件緩和債権等を有する債務者に係る債権の予想損失額については、3年間の貸倒実績を基礎とした貸倒実績率の過去の一定期間(決算日から5年又は10年)の平均値に加え、景気循環を勘案した長期にわたる貸倒実績率の平均値を比較して損失率を求め、将来見込み等必要な修正の検討を行い、算定しております

全ての債権は、資産の自己査定基準に基づき、営業関連部署が資産査定を実施し、当該部署から独立した資産監査部署が査定結果を監査しております。

なお、破綻先及び実質破綻先に対する担保・保証付債権等については、債権額から担保の評価額及び保証等による回収が可能と認められる額を控除した残額を取立不能見込額として債権額から直接減額しております。

その他の連結子会社の貸倒引当金は、一般債権については過去の貸倒実績率等を勘案して必要と認めた額を、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額をそれぞれ計上しております。

しかし、外部環境の著しい変化、貸出先等の経営状況の悪化、経営改善計画等の履行状況、担保価値の下落等が貸倒引当金計上時の前提と大きく乖離する場合には、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ・生産、受注及び販売の状況

「生産、受注及び販売の状況」は、銀行持株会社における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。

 

5 【重要な契約等】

該当ありません。

 

6 【研究開発活動】

該当ありません。