当中間連結会計期間においては、新たな事業等のリスクの発生、または、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクのうち「(4)その他継続企業の前提に関する重要事象等」を除き、重要な変更はありません。
なお、継続企業の前提に関する重要事象等の解消については、「2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」「(6)継続企業の前提に関する重要事象等の解消」をご参照ください。
(1) 財政状況及び経営成績の状況
当社グループは「AIで心躍る未来を」をミッションとして掲げ、AI技術をはじめとする最先端テクノロジーの開発を通じ、リアル空間、バーチャル空間のいずれにおいても多様なAI技術を活用し、全国の中小企業や大企業に対してマーケティングや人材活用の支援等、多様な領域でサービス提供を行い、心躍る未来の社会の実現を目指しております。当社グループ事業は、イノベーション領域とコアサービス領域の2つのドメインで構成されております。
イノベーション領域は、AI AgentやLLM等の先端技術領域の研究活動を企業と共同で推進し、AIアルゴリズムの研究をはじめとしたAI技術の研究・開発と売上創出を並行で行う領域です。当社独自開発の大規模言語モデル「NEURAL.LLM」は、当社がエッジAI開発にて先駆的に培ったAIアルゴリズムの小型化・導入コストの低減という技術の強みを活かしており、小型かつセキュアな実装が可能であり、都市運営支援をはじめとする高い正確性と即時性が求められる分野での導入が開始されました。コアサービス領域は、イノベーション領域を含めて当社グループ内で開発・獲得した新技術を随時取り込みつつ、成熟したAI技術や関連技術をサービスとして提供・販売することで、AIの社会活用を推進する領域です。屋内外用LEDビジョンの「Neural Vision」では生成AIコンテンツやAIカメラとの連携による価値創出を推進しており、当社の資本業務提携先であるソニー株式会社と共同で開発した1on1支援サービス「KizunaNavi」では、株式会社カオナビとの業務提携によるさらなる販路拡大等に取り組んでいるほか、AI生成技術を活用したWebサイトの構築・運用支援サービス「Generative Web」を展開しております。これらイノベーション領域とコアサービス領域の2つの領域は互いに密接に連携しており、イノベーション領域での研究開発成果を、汎用的な社会ニーズに即したプロダクトとして昇華させ、コアサービス領域を通じて当社主導で社会へ還元するという循環構造を形成しています。イノベーション領域の顧客数は100社未満であり、主に大企業との取引を行っている一方、コアサービス領域はサービス導入実績が12,000社を超え現在も拡大を継続しております。当社は、イノベーション領域について現状の事業規模を維持しつつ、コアサービスを成長ドライバーとして飛躍させる方針であり、両輪となるこれら2つの領域の活動を通じて、社会環境の変化や新技術の急速な進展を踏まえた研究開発・事業活動を推進していくほか、M&Aについても積極的な活用を検討しており、コアサービスの非連続的な成長も目指していく方針です。
当中間連結会計期間における当社グループを取り巻く環境は、個人消費の増加やインバウンド需要の回復等により、国内景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、海外経済においては、米国の通商政策の動向や中東情勢の緊迫化などにより、依然として先行き不透明な状況が継続しております。こうした環境下においても、世界的にAI市場は急速な拡大を続けており、特に生成AIや業務自動化ソリューションへの需要がかつてない水準に達しております。日本国内においても企業によるAI関連投資が加速しており、当社グループの事業領域における市場需要は引き続き堅調に推移しております。このような事業環境のもと、当社グループは、コアサービス領域の成長の牽引によって、売上高は前年同中間連結会計期間より増加しました。
また、当社グループは事業のスケール化を強化するにあたり、2020年8月の上場以後、従来の主力事業モデルであった、主に大企業と共同で行うAI開発によって得られるAIライセンス収入による事業モデルから、開発したAIサービスを自社によって直接社会にお届けする自社AIサービス収入による事業モデルへ、ビジネスモデルの進化に取り組んでまいりました。こうしたビジネスモデルの転換によって、売上増加と収益の増加が連動する成長基盤が整ったことから、前連結会計年度においては、売上高の成長と同時に営業黒字への転換を実現しました。当中間連結会計期間においても、コアサービス領域の安定的な成長が継続したことにより、売上高及び売上総利益は引き続き拡大し、これに伴い営業損益は前年同中間連結会計期間と比較して大幅に改善いたしました。今後も、AI技術を基盤とした既存サービスの拡張や新規開発、営業体制の強化等を通じて、加速的な成長と、中長期的な企業価値の向上に資する経営を目指してまいります。

以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は1,712,731千円(前年同中間連結会計期間比3.1%増)となり、営業利益1,339千円(前年同中間連結会計期間は営業損失105,267千円)、経常損失9,235千円(前年同中間連結会計期間は経常損失119,538千円)、親会社株主に帰属する中間純損失は38,439千円(前年同中間連結会計期間は親会社株主に帰属する中間純損失144,577千円)となりました。
なお、当社グループの事業セグメントはAIエンジニアリング事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
より詳しい決算内容に関しては、当社IRサイトより、2025年8月8日発表の「2025年12月期 中間決算説明資料」をご覧ください。
参考URL:https://www.neural-group.com/ir/library/index.html
(資産の部)
当中間連結会計期間末における流動資産は1,559,028千円となり、前連結会計年度末に比べ49,121千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が177,686千円増加したこと及び受取手形、売掛金及び契約資産が94,745千円減少したことによるものであります。
当中間連結会計期間末における固定資産は1,394,380千円となり、前連結会計年度末に比べ72,489千円減少いたしました。これは主に、のれんが51,939千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,953,409千円となり、前連結会計年度末に比べ23,368千円減少いたしました。
(負債の部)
当中間連結会計期間末における流動負債は1,367,373千円となり、前連結会計年度末に比べ159,354千円減少いたしました。これは主に、短期借入金が100,000千円減少したことによるものであります。
当中間連結会計期間末における固定負債は992,371千円となり、前連結会計年度末に比べ156,560千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が155,004千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、2,359,744千円となり、前連結会計年度末に比べ2,793千円減少いたしました。
(純資産の部)
当中間連結会計期間末における純資産合計は593,665千円となり、前連結会計年度末に比べ20,574千円減少いたしました。これは主に、資本金の増加8,767千円及び資本剰余金の増加8,767千円並びに親会社株主に帰属する中間純損失の計上による利益剰余金38,439千円の減少によるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ147,686千円増加し、806,829千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは46,074千円の増加(前中間連結会計期間は17,249千円の減少)となりました。これは主に、増加要因として売上債権の減少94,745千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは27,722千円の減少(前中間連結会計期間は8,930千円の増加)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出30,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは129,524千円の増加(前中間連結会計期間は149,528千円の減少)となりました。これは主に、株式の発行による収入17,535千円並びに長期借入金返済による支出328,011千円ならびに長期借入の実行による収入550,000千円によるものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間における研究開発費の総額は55,444千円です。なお、当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)継続企業の前提に関する重要事象等の解消
当社グループは、2023年12月期以前に連続して営業損失とマイナスの営業キャッシュ・フローを計上しておりましたが、前連結会計年度において、営業利益は35,556千円、営業キャッシュ・フローは194,597千円となり、期初の連結業績予想通りに営業黒字化を達成し、事業継続性の大幅な安定化と事業成長基盤の強化に成功しました。
当社グループの売上は、第1四半期から第4四半期にかけて増加する事業構造となっており、上期は下期に比べて売上が少ない傾向にありますが、当中間連結会計期間においては、営業利益1,339千円で損益分岐点に到達したことに加えて、営業キャッシュ・フローは46,074千円となっており、前連結会計年度から2期連続での通期の営業黒字及び営業キャッシュ・フロー黒字が十分に見込まれるものと考えております。
このように経営状況が大きく改善したのは、2023年度第2四半期より取り組みを進めている「売上及び売上総利益を創出する事業モデル構築」及び「販売費及び一般管理費の最適化施策」が進展していることによるものであり、持続的な通期営業利益の実現に向けて順調に進捗していることを示しております。
上記に加え、引き続き業績の回復が見込まれることから、当社グループでは、当中間連結会計期間においては継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況の存在は解消されたと判断し、前事業年度の有価証券報告書に記載した「(4)その他継続企業の前提に関する重要事象等」は消滅しております。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。