第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態の状況

(資産)

 当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ1,133百万円増加し、5,797百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少563百万円、のれんの増加954百万円、顧客関連資産の増加334百万円、無形固定資産その他の増加108百万円、投資その他の資産の増加159百万円によるものであります。

(負債)

 当中間連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ653百万円増加し、2,260百万円となりました。これは主に、未払法人税等の増加84百万円、契約負債の増加403百万円、長期借入金の増加61百万円、固定負債その他の増加113百万円によるものであります。

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ479百万円増加し、3,536百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加409百万円によるものであります。

 

(2)経営成績の状況

 当社グループは法人向けクラウドサービスの開発・販売を行っております。主なサービスとして、緊急時に簡単に情報共有できるように設計したシンプルなクラウドサービス「安否確認サービス」の開発、サイボウズ株式会社の提供する業務アプリケーション構築サービス「kintone」と連携し、より便利に利用するためのクラウドサービス「kintone連携サービス」の開発を行っております。そのほか、社内のスケジュール管理と社外との日程調整が可能な新しいコンセプトのスケジューラー「トヨクモ スケジューラー」などを展開しております。また、当社グループは2025年1月8日付で、株式会社プロジェクト・モード(以下、PM社)の全株式を取得し、完全子会社化いたしました。PM社は、業務マニュアルやノウハウを一元管理できるナレッジマネジメントツールのクラウドサービス「NotePM」の開発を行っております。当社グループの提供するクラウドサービスに新たなラインナップが加わることで、当社グループの業績が拡大することを見込んでおります。

 当社グループが主なサービスを展開している国内のクラウド市場は、2011年の東日本大震災を背景に、企業におけるリスク管理やBCP(事業継続計画)に関する意識の高まりによって広がり始めました。また、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、リモート勤務をはじめとする多様な働き方の普及に伴い、時間や場所にとらわれず利用可能なクラウドサービスの需要が高まっております。今後は、従前において多くみられた基幹系システムをクラウドサービスへ移行するだけでなく、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX(注1))やデータ駆動型ビジネス(注2)、生成AI(注3)の普及によるITインフラへの投資の拡大が見込まれております。国内民間企業によるIT投資の市場規模は、2023年度の15兆500億円の予測値から、2026年度は17兆1,000億円になると予測(注4)されており、国内民間企業においてDXへの投資の必要性と意欲は継続されると考えております。

 「安否確認サービス」は、災害時に従業員等の安否確認を自動で行うクラウドサービスであります。地震をはじめ、津波や特別警報などにも連動して自動で安否確認を送信します。利用者が回答した最新の情報を、管理者権限を持つユーザーが、いつでもリアルタイムで確認することができます。また、全社で利用できる掲示板だけでなく、限定されたメンバーのみが利用できる、グループメッセージ機能を備えています。これにより、災害対策本部をオンライン上に設置し、運営することが可能となっております。パンデミックをはじめとした非常時においては、従業員等に適切な予防方法を周知する、定期的に体温の報告をしてもらうなど従業員の健康管理として活用したり、サプライチェーン等に納期の懸念があるかを確認するといった、BCP(事業継続計画)対策としても活用したりすることが可能なため、今後もサービスを利用して頂ける機会は拡大していくものと認識しております。

 「kintone連携サービス」は、サイボウズ株式会社の提供する「kintone」と連携することで、より便利に「kintone」を利用するためのクラウドサービスであります。「kintone」内にある情報を参照した帳票の作成やWebフォームの作成など、用途に応じた6つのサービスを提供しております。「kintone連携サービス」は、1つのサービス導入でも「kintone」を便利に利用することが可能になりますが、複数のサービスを導入していただくことで、「kintone」をノーコード、ローコードでWebシステムのように活用することができるようになります。

 「NotePM」は、業務マニュアルやノウハウを一元管理できるナレッジマネジメントツールのクラウドサービスであります。強力な検索機能、カンタンな編集機能、リアクション機能などの特徴があり、企業において様々なツールを利用することにより、欲しい情報がすぐに見つからないという課題、業務に関する知識を蓄積する場所がなく、業務ノウハウが属人化してしまう課題などの解決のために活用いただくことが可能であります。

 その他、当社グループが開発・提供するクラウドサービスとして、従来のグループスケジューラーがもつ社内の日程調整に加えて、社外の人との日程調整もできる新しいコンセプトのスケジューラー「トヨクモ スケジューラー」がございます。

 当社子会社であるトヨクモクラウドコネクト株式会社は、当社グループの主なビジネスモデルであるIT初心者の方でも簡単で安価にご利用いただけるものとは異なり、主なターゲットとして自治体や大企業を想定し、業務パックというかたちで、「kintone」をはじめとする複数のクラウドサービスを組み合わせたパッケージ製品を開発・提供することを目的としております。従来はBPOサービスを利用していた案件に対して、SaaSを活用することで、低コストでのシステム構築と業務の効率化を実現できるようなサービスの開発を進めております。

 これらの結果、当中間連結会計期間における売上高は2,247百万円(前年同期比55.1%増)、EBITDA(注5)は974百万円(前年同期比72.8%増)、営業利益は856百万円(前年同期比53.1%増)、経常利益は856百万円(前年同期比53.2%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は562百万円(前年同期比45.7%増)となりました。

 なお、当社グループは法人向けクラウドサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。

 

(注1) デジタル技術を活用することで、業務を改善するだけでなく、製品やサービス、ビジネスモデルを改革し、業務や企業文化なども変革することで、競争力を高めること。

(注2) データをもとに、企業の意思決定を行ったり、ビジネスに活かしたりすること。

(注3) 文字などによる入力(プロンプト)に対して、テキスト、画像、その他のコンテンツを生成する人工知能

(注4) 株式会社矢野経済研究所「国内企業のIT投資に関する調査(2024年)」(2024年11月21日発表)

(注5) EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,633百万円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は1,074百万円となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益の計上856百万円、契約負債の増加額340百万円、法人税等の支払額212百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は1,273百万円となりました。これは主に、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,185百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は363百万円となりました。これは主に、配当金の支払額152百万円、自己株式の取得による支出199百万円によるものであります。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(7)経営成績に重要な影響を与える要因

 当中間連結会計期間において、当社の経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。

 

(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当中間連結会計期間において、当社の資本の財源及び資金の流動性についての分析に重要な変更はありません。

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。