当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況
① 財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における資産合計は3,306,475千円となり、前連結会計年度末に比べ271,023千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が256,945千円、ソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)が39,254千円増加した一方、償却費を計上したことによりのれん及び顧客関連資産が26,306千円減少したことによるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債合計は1,563,873千円となり、前連結会計年度末に比べ162,919千円増加いたしました。これは主に、契約負債が148,740千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は1,742,601千円となり、前連結会計年度末に比べ108,104千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純利益を146,141千円計上したことにより、利益剰余金が増加した一方、配当金の支払いにより34,856千円減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は52.3%(前連結会計年度末は53.6%)となりました。
② 経営成績の状況
当中間連結会計期間のわが国経済は、個人消費、輸出、設備投資等一部に持ち直しの動きが見られており、企業収益、雇用・所得環境に改善の動きが見られる等、緩やかに回復しました。先行きについては、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されるものの、物価上昇の継続により消費者マインドの下振れを通じた個人消費に及ぼす影響なども、我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、金融資本市場の変動、米国の通商政策等の影響に十分注意する必要があり、依然として不透明な状況にあります。
当社グループが事業展開するソフトウェア業界におきましては、企業の生産性向上や業務効率化、テレワーク、DX等に関連したシステムへの投資需要拡大が引き続き見込まれます。「新しい働き方」の定着として政府は、テレワークの環境整備や活用、デジタル人材の育成、DXの加速等を進めております。
このような状況の中、当社グループは、『仕事をラクに。オモシロく。』というビジョンのもと、『次のいつもの働き方へ。』をミッションに掲げ、オフィスの生産性向上に貢献すべく、企業向けグループウェア製品「rakumo」、社内SNS型日報アプリ「gamba!」、IR動画配信システム「SmartVision IR」等の機能強化及び更なる拡販に注力しました。
製品面では、アルムナイをはじめとする多様な人材の採用や管理・コミュニティ作りなどを支援する、人材管理・採用支援ソリューションサービス「aloop」の提供開始、生成AI関連の新機能のリリース、AIアシスタント機能「rakumoエージェント」の開発をはじめとした製品力の強化を行いました。
販売面では、業界セグメント特化型マーケティングにおける各種施策(Google Workspace(以下「GWS」という。)導入企業データベースを活用したピンポイントでのクライアント開拓、自治体向けホワイトペーパーの展開等)を推進したことで、自治体や医療、建設業、教育等の新たな案件創出が順調に進捗しました。また、株式会社パソナとの業務提携、ポストセールス部門及びBDR(Business Development Representative)を見据えたインサイドセールス体制の強化等、下期の売上高増加に向けた各種施策にも取り組みました。
また、「rakumo for Google Workspace」の大幅アップデートや、生成AIを活用した機能強化、複数の有償オプションの標準化などに伴い、2025年10月1日より、一部rakumo製品の利用料金改定を行うことといたしました。
さらに、クライアントニーズを勘案した既存製品の機能追加・改善や、製品の活用を促すための能動的なオンボーディング施策、稼働率等を鑑みた更新クライアントへのフォローアップの実施等、お客様満足度の向上や解約率の低減にも努めました。
この結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高802,972千円(前年同期比15.1%増)、営業利益224,618千円(前年同期比31.2%増)、経常利益224,620千円(前年同期比35.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益146,141千円(前年同期比34.6%増)となりました。
当社グループはITビジネスソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、サービス別の経営成績は、以下の通りであります。
(SaaSサービス)
rakumo関連サービスにおいては、当中間連結会計期間末のクライアント数は2,499社(2024年12月末比26社増)となった一方で、ユニークユーザー数は571千人(同2千人減)となりました。これは、複数の大型案件の獲得や、GWSのリセラーマージン変更による影響(GWS利用顧客の他社パートナーへの移行、代理店経由での案件数の減少等)の落ち着きはあったものの、会社解散・統合・事業縮小、GWSからM365への移管等の一時的な事由での解約が重なったこと等によるものとなります。当該状況への対応として、ポストセールス部門による大手顧客を中心とした定期的なフォローアップミーティングの実施、人材管理・採用支援ソリューションサービス「aloop」のリリース及びパソナ社との業務提携、中大手案件増を目的としたBDR担当の設置によるアウトバウンド営業の強化、顧客のリテンションにつながるAI機能のリリース及び継続した開発、rakumoシリーズの対応プラットフォームの拡大、M&Aによる新規プロダクトの獲得等の施策を行っております。
また、売上高の増加に向けて、業界セグメント特化型マーケティングにより自治体、医療、建設業、教育機関等の新たな案件の創出が順調に進捗しただけでなく、2024年4月1日より開始した一部rakumo製品の価格改定において2025年3月に全てのクライアント対応を完了させ、ライセンス売上高及び利益の増加に貢献する形となりました。
この結果、当中間連結会計期間の売上高は785,190千円(前年同期比18.0%増)となりました。
(ソリューションサービス)
当サ―ビスにおいては、SaaSサービスに注力する目的で縮小を図ったことから、当中間連結会計期間の売上高は10,616千円(前年同期比40.9%減)となりました。
(ITオフショア開発サービス)
当サービスにおいては、SaaSサービスに注力する目的で縮小を図ったことから、当中間連結会計期間の売上高は7,165千円(前年同期比49.8%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ256,924千円増加し、2,490,172千円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動の結果得られた資金は、361,099千円(前年同期比16.6%増)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益224,620千円、契約負債の増加額147,880千円、法人税等の支払額67,529千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動の結果使用した資金は、55,925千円(前年同期比40.0%増)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出50,102千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動の結果使用した資金は、36,458千円(前年同期は4,096千円の獲得)となりました。これは主に、配当金の支払額34,856千円によるものであります。
(2) 当中間連結会計期間の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当中間連結会計期間における売上高は802,972千円(前年同期比15.1%増)となりました。サービス別の売上高につきましては「(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況 ② 経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価及び売上総利益)
当中間連結会計期間における売上原価は241,454千円(前年同期比2.3%減)、売上原価率は30.1%(前年同期は35.4%)となりました。これは主に、製作費が増加した一方、新製品の開発による他勘定振替高の増加(原価減少要因)、減価償却費及び支払手数料が減少したことによるものであります。
この結果、売上総利益は561,517千円(前年同期比24.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当中間連結会計期間における販売費及び一般管理費は336,899千円(前年同期比20.5%増)、売上高販管費率は42.0%(前年同期は40.1%)となりました。これは主に、支払手数料、人件費、株式報酬費用が増加したことによるものであります。
この結果、営業利益は224,618千円(前年同期比31.2%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当中間連結会計期間における営業外収益は2,854千円(前年同期は80千円)となりました。これは主に、受取利息、為替差益によるものであります。
また、営業外費用は2,852千円(前年同期は4,894千円)となりました。これは主に、新株予約権発行費償却、社債発行費償却、投資事業組合運用損によるものであります。
この結果、経常利益は224,620千円(前年同期比35.0%増)となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する中間純利益)
当中間連結会計期間における特別利益及び特別損失は発生しておりません(前年同期も発生しておりません)。
この結果、親会社株主に帰属する中間純利益は146,141千円(前年同期比34.6%増)となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、2025年6月30日開催の当社取締役会にて、今後のM&Aに向けた資金調達のため、取引金融機関と財務上の特約が付された金銭消費貸借契約の締結を行うことについて決議し、2025年7月1日付で株式会社りそな銀行と金銭消費貸借契約の締結及び実行をしております。
業績低迷等により当該財務上の特約に抵触した場合には、借入金利の上昇等の影響が生じる可能性があります。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3,667千円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(株式会社パソナとの業務提携に係る契約の締結)
当社は、2025年4月14日開催の当社取締役会において、株式会社パソナとの業務提携に係る契約を締結することについて決議し、同日付で締結をいたしました。
1.業務提携の経緯と目的
当社グループは、『仕事をラクに。オモシロく。』というビジョンのもと、『次のいつもの働き方へ。』をミッションに掲げ、ITを活用し、仕事の効率化や柔軟な働き方を実現する製品やサービスの開発・提供に取り組んでおります。当社グループは、当社及び連結子会社5社(RAKUMO COMPANY LIMITED(ベトナム)、株式会社gamba、株式会社アイヴィジョン、株式会社スタートレ、株式会社エージェントシェア)により構成されており、SaaS サービスとして、企業向けグループウェア製品「rakumo」、社内SNS型日報共有アプリ「gamba!」、IR動画配信システム「SmartVision IR」、WebサイトCMS「STARTRE CMS」、人材紹介会社向けアライアンスサービス「AGENT SHARE」等の開発・販売等を行っております。
厚生労働省によると、日本の生産年齢人口は、減少の一途をたどっており、企業においては従来の採用方法にとどまらない採用チャネルの多様化が求められています。
そうした中、企業文化に精通し即戦力として期待できる元従業員「アルムナイ」の再雇用に向けた動きが活発化しています。また、内定辞退者や企業説明会への参加者、社員の家族や友人など、企業と接点のある人材と繋がり、長期的な関係を構築することで、副業人材としての雇用やビジネス連携などを図る企業もあります。
しかし、こうした人材の活用においては、従来と異なる「人材情報管理」や「制度設計」、「採用活動」のノウハウが不可欠で、その実務を実行する人員不足が人事部門の課題となっています。
そこでこの度、rakumoとパソナは、rakumoが培ってきたSaaSの開発技術と、総合人材サービスとして人事課題に対し数多くのソリューションを提供してきたパソナの知見を合わせ、HRテック分野における業務提携を締結することといたしました。
本業務提携契約の締結により、アルムナイをはじめとする自社と繋がりを持ったことのある人材の管理や採用活動等をトータルで支援する、人材管理・採用支援ソリューション『aloop(アループ)』のサービス提供を5月19日(月)に開始いたしました。
本サービスでは、rakumoが開発した人材情報管理ツールを活用し、自社の採用活動や雇用を通じて繋がりが生じた人材情報を独自にプール・管理を行うデジタル面でのサポートに加え、パソナの専門コンサルタントによる採用支援のほか、人材情報をもとにしたビジネスマッチングの機会を設けるなど、人材と企業がタッチポイントを増やす提案も行ってまいります。
rakumoとパソナはそれぞれの強みを活かし、『aloop』をはじめとするHRテック分野における連携を通じて、日本企業の持続可能な経営と今後のさらなる事業成長を支援してまいります。
2.業務提携の内容等
業務提携における両社の主な役割は、以下のとおりです。
rakumo:
・『aloop』システムの企画
・『aloop』システムの開発(改修を含む)
・『aloop』システムの保守運用
・『aloop』の販売
・『aloop』の販売に係る契約代金の徴収代行
・『aloop』システム導入時のシステムの初期設定対応
・『aloop』システムに関する問い合わせの対応
パソナ:
・『aloop』サービスの企画
・『aloop』サービスの運用
・『aloop』の販売
・『aloop』の販売に係る契約代金の徴収代行
・『aloop』サービス導入時の初期導入コンサルティング対応
・『aloop』サービスの顧客からの問い合わせ対応