第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

当社は、「エンジニアからビジネスパーソンへ」をミッションに掲げております。

エンジニアという職業をよりクリエイティブな存在に再定義することで、エンジニアが開発をすることにとどまらず、テクノロジーに対する深い理解を基に新しい事業を生み出していく姿を目指しております。エンジニアが最新のテクノロジーを使い、様々な社会課題を解決し、日本社会をより良い未来に導くことが、当社の存在意義となります。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社においては、受注生産方式での売上計上が中心であるため、生産性を向上させ、効果的に外注の協力を得ること、安価かつパフォーマンスの高いサービスを仕入れることにより原価を抑えつつ、売上高を上げていくことが重要になってきます。そのため、売上総利益率が重要な経営指針になると認識し、これを最も重要な指標として位置付けております。

 

(3) 経営環境

当社の主軸事業分野である情報通信産業は、加速度的に進化し、特にAIに関する分野は大きな成長が見込まれる状況にあります。

株式会社富士キメラ総研が実施した国内AI市場の調査によると2017年度の市場規模は3,921億円となっており、業種別では金融業、組立製造業、情報通信業でAIを導入済みとする企業が多い状況でした。国内AI市場は年平均25.3%の成長が予測され、2022年度に1兆2,109億円になると予測されております。各産業、各市場においてこれからが本格的なAIの導入期となるのは明らかでありますが、その中で当社がターゲットとするAIソリューション市場のうち構築サービスは年平均23.2%の成長が予測され、2022年度に6,600億円になると予測されており、高い成長ポテンシャルを示しております。

 

(4) 対処すべき課題

当社は、以下の事項を対処すべき主要課題と捉えております。

 

① 費用対効果が求められるAI実用の時代への対応

国内外のAI関連企業がAIの研究開発に多額の資金を投じる中、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境」で記載の通り、近年AIの市場規模の拡大には著しいものがあります。進化するAIを積極的に活用し、日本企業における導入事例を早期に創り上げることがAIソリューション業の成功の鍵となります。従って、当社では常に最新のAIを検証し、その業務用途を構想し、どのような業種・業態に対して、どのようなAIの活用可能性があるかを探求しております。当社はAIの研究に特化したR&Dチームを有しており、技術トレンドの検証を行っております。重点分野は、特に画像認識、自然言語解析、機械学習によるデータ分析を活用したソリューションの開発となります。

 

② AI導入顧客数の拡大

当社では、まずは案件の規模にかかわらず、多くの業種・業務においてAIの活用事例を作ることが当面の課題だと考えております。顧客数が増え、案件数が増えれば、AIの導入事例も増えるので、多くの企業がAIの効果を実感することが可能となります。効果が測定できればAI導入を予算化することができるので、二次的には案件の金額規模の拡大が見込まれます。

最終的にAI導入顧客数の拡大が売上規模の拡大にもつながり、AIインテグレーションサービスの成長へとつながることから、AI導入顧客数の拡大を図ってまいります。

 

③ 優秀な人材の確保・育成

当社は、今後も事業を永続的に行っていくためには、新卒採用、キャリア採用において優秀な人材を確保し、育成することが重要な課題であると認識しております。特に人材の定着率を上げるための福利厚生制度の見直し、給与制度の改善に取り組んでまいります。

また、パートナー企業についても、新規の協力会社を開拓するとともに、既存の協力会社との協力体制を強化して、優秀なパートナーの安定的な調達を図ってまいります。

 

④ コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の強化

当社は、永続的に事業を展開し企業価値を高めるために、強固な内部管理体制の構築が重要な課題であると認識しております。当社では、内部統制の実効性向上に向けた環境・体制を整備し、監査法人や顧問弁護士といった外部専門機関と連携を取り、コーポレート・ガバナンスの充実に繋げていくよう内部管理体制の強化に努めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、当社の事業等に関するリスクを網羅するものではございません。

 

(1) 事業環境に関するリスク

(経済、市場の動向について)

当社のAIソリューション事業は、企業を主要顧客としております。従って、国内の景気及び顧客企業のシステム関連の設備投資動向が悪化した場合には、当社の事業展開、財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(競合、価格競争等について)

当社の属するAI関連の業界は、AIの普及による新規参入や他社との製品の差別化競争、価格競争が激化することが想定されます。当社では当業界での知名度を上げ、実績等を積み重ねることにより製品の差別化競争や価格競争に勝てるよう対応を講じておりますが、想定した単価で契約ができない場合は、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(新型コロナウイルス感染症拡大について)

今般の新型コロナウイルス感染症の流行拡大等に関して、当社においても旅行や飲食業界に関連する案件、東京オリンピック・パラリンピックに関する案件が中止や延期になるなど、一部影響を受けておりますが、当社においては顧客となる業種、業態が多岐にわたり、新型コロナウイルス感染症の影響により業態の変化に積極的な顧客、およびデジタル化を推進する顧客との取引が拡大しているため、当社の業績への影響は軽微と認識しております。しかし、今後新型コロナウイルスの感染拡大が長期化した場合には、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に関するリスク

(開発工数の増加について)

当社が、システム開発を請け負う場合、仕様の大幅な変更、不具合の発生等、当初想定通りの品質が確保できない場合など、予期し得ない事由の発生等により開発工数が増加することで、当初の納入予定日が変更となり、開発工数増加による採算性悪化や、売上及び利益の計上が翌四半期あるいは翌事業年度に期ずれする可能性があります。そのような採算性の悪化や期ずれが発生した場合、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(特定の販売先への依存について)

2020年12月期の当社の売上高に占める販売先のうち、プロパティエージェント株式会社の販売実績が209,100千円(18.1%)とこれらの企業に対する販売依存度が高くなっております。もっとも、2019年12月期は株式会社インフキュリオンデジタル(現、株式会社インフキュリオン)の販売実績が257,478千円(24.1%)、株式会社ニチリウ永瀬の販売実績が249,912千円(23.4%)となっており、各期の販売先は固定化されたものではないため、リスクは低いものと当社では考えております。

取引先が固定化されないよう取引先の分散を図っておりますが、今後販売先の構成比の分散ができず、上位取引先との取引が中止、縮小した場合、業績並びに財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(技術革新への対応について)

当社の事業領域であるAI関連の業界は、全世界で研究開発が進んでおり、技術革新の速度が極めて速いという特徴があります。当社はそうした技術革新に対応できる体制づくりに努めておりますが、今後において技術革新のスピードに対応できない場合、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(外注先について)

当社におけるシステム開発業務等については、人材の確保、開発業務の効率化、顧客要請への迅速な対応等を目的として、業務の一部について外注先への外部委託を活用しております。現時点では優秀な外注先との良好な連携体制を維持しており、今後も外注先の確保、及びその連携体制の強化を積極的に推進していく方針ではありますが、外注先から十分な人材を確保できない場合には、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(情報システムのトラブルについて)

当社は社内システムのほとんどをクラウドサービスにすることで、システムに必要なメンテナンスや故障対応を外部に委託しております。データのバックアップ、故障発生時のデータ保全、システムの可用性などクラウドサービスで定義されたSLA(Service Level Agreement)を確認して、障害発生時にも当社の業務がいち早く復旧できるよう備えております。

通常の通信回線とは別に副回線による冗長化も施しておりますが、大規模な地震や火災等の災害、コンピュータウイルス、電力供給の停止、通信障害等によるシステムトラブルが生じた場合、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 組織体制に関するリスク

(人材の確保と育成について)

当社の基幹事業であるシステム開発は、知的労働集約型の業務であり、一定水準以上の専門技術や知識を有する技術者やそれを販売する営業部員の確保と育成並びに当社への定着が重要であると認識しております。また、管理部門の人員についても、会社の重要な業務を担う部門であるため、人材の確保と定着が重要であると認識しております。現在、採用の強化や社内での教育の実施、福利厚生の充実など離職防止策の導入を実施しておりますが、当社が必要とする人材が十分に確保できない場合には、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(情報管理体制について)

当社は、顧客の秘密情報及び顧客が保有する個人情報を知りうる場合があることから、当該情報を漏えいするリスクがあります。当社はISO/IEC27001を取得するとともに、情報管理体制を構築し、情報管理の徹底を図っております。しかしながら、人為的ミス等により知り得た情報が漏えいした場合には、当社の社会的信用の失墜等により、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(小規模組織について)

当社は、2020年12月31日現在において、取締役7名、監査役3名、従業員75名と小規模な組織となっており、内部管理体制もこれに応じたものになっております。当社は、今後の事業規模の拡大に応じて、人員の増強と内部管理体制の一層の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社の財務状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 法的規制及び知的財産等に関するリスク

(法的規制等について)

当社は、事業者との間で業務委託契約を締結し、業務を委任しておりますが、「下請代金支払遅延等防止法」(下請法)が適用される場合があります。

当社は、法令を遵守し事業運営を行っておりますが、運用の不備等により法令義務違反が発生した場合には、当社の社会的信用の失墜等により、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(知的財産権について)

当社では、第三者の知的財産権を侵害しないよう努めておりますが、当社が認識していない第三者の知的財産権が既に成立している可能性や、使用しているフリーソフトウェアが第三者の知的財産権を侵害している可能性などから、当社による第三者の知的財産権の侵害が生じる可能性があり、その第三者より、損害賠償請求、使用差止請求及びロイヤリティの支払い請求等が発生した場合には、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) その他

(新株予約権について)

当社は、当社の役職員に対してインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。本書提出日現在におけるストック・オプションは627個(125,400株)であり、発行済株式数の13.6%に相当します。これらストック・オプションが行使された場合、新株式が発行され、株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(訴訟等について)

当社は、その事業活動の遂行過程において、取引先により提起される訴訟その他の法的手続きの当事者となるリスクを有しております。これらの手続きは結果の予測が困難であり、多額の費用が必要となったり、事業活動に影響を及ぼしたりする可能性があります。さらに、これらの手続きにおいて当社に不利な判断がなされた場合には、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の状況

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度(2020年1月1日~2020年12月31日)におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移していたものの、2020年4月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言により経済活動が著しく抑制されたことにより、厳しい状況に陥りました。緊急事態宣言の解除後は社会経済活動も徐々に持ち直しの動きがみられておりましたが、年末に再び感染者が増加したことにより、今後も国内外の感染症の動向や金融資本市場の変動などの影響を注視する必要があります。

当社が主にサービスを展開する情報産業分野においては、新型コロナウイルス感染症によるリモートワークの推進や各企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、IT企業の需要は高まると予測しております。合わせてデジタルトランスフォーメーション(DX)からデータ活用によるビジネス利用の流れも加速するものと考えております。スマートスピーカーをはじめ顔認証デバイスやセンサー装置などIoTデバイスのデジタル活用が後押しとなり、様々なデータがAIによって活用される新たな環境へと移行しております。

この様な環境のもと、当社はAIインテグレーションのリーディングカンパニーと成るべく、AIや機械学習機能との連携を進め、新しいサービスの確立に取り組んでまいりました。そして、業種業態を問わずAIインテグレーションにかかわる様々な実績を積むことで企業の課題を解決し、結果デジタルトランスフォーメーション(DX)やAI化を考えられている様々な企業からの問い合わせが増加しております。AI活用に向けた業務分析から企画・提案フェーズ、Proof of Concept(概念実証)を経てAI、および附帯する業務システム等の受注へと繋がっております。

 これらの結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。

 

a.財政状態

当事業年度末の総資産は、前事業年度末に比べ376,400千円増加し、936,912千円となりました。

当事業年度末の負債は、前事業年度末に比べ2,485千円増加し、180,401千円となりました。

当事業年度末の純資産は、前事業年度末に比べ373,915千円増加し、756,511千円となりました。

 

b.経営成績

当事業年度の売上高は1,153,196千円(前期比8.0%増)、営業利益は169,533千円(前期比40.6%増)、経常利益は155,835千円(前期比28.4%増)、当期純利益は153,115千円(前期比52.9%増)となりました。また、重要な経営指針と位置付けている売上総利益率は、43.9%の目標値に対し、47.5%(前事業年度45.4%)となりました。

 

当社はAIソリューション事業を次のサービスラインで実行しております。サービスラインとは当社が提供している個別のサービスを大括りにしたサービスの総称であり、これらを組み合わせて、段階的に顧客に対してサービス提供を行います。

 

 

<AIソリューション事業を構成するサービスライン>

[AIインテグレーションサービス]

 AIインテグレーションサービスでは、業務効率化のためのAI導入とその効果を最大化させる事を目的とした業務可視化及び最適化設計・導入を推進しております。AI化やロボット化の具体的なアイデアが固まっていない顧客企業にも、当社ではAIの基本機能をコンポーネント化(部品化)しているため、迅速なProof of Concept(概念実証)が可能であり、顧客導入までのスピードアップを目指すとともに顧客数の拡大を図っております。
 この結果、AIインテグレーションサービスの売上高は403,568千円(前事業年度303,806千円)となりました。
 
[DX(デジタルトランスフォーメーション)サービス]
 DX(デジタルトランスフォーメーション)サービスでは、顧客企業のIT化を支援し、企業のデジタル化を推進しております。顧客企業のAI化のファーストステップとして、アナログからデジタルへの業務・サービス変換への対応や、オンプレミスからクラウドサービスへの移行なども行っており、今後拡大が見込まれるDX市場での事業拡大を図っております。
 この結果、DX(デジタルトランスフォーメーション)サービスの売上高は575,721千円(前事業年度573,115千円)となりました。

 

[プロダクトサービス]
 プロダクトサービスでは、当社が有するAIプロダクト「SyncLect」や「Pocket Work Mate」等を顧客に提供し、もしくはカスタマイズすることによって顧客の経営課題を解決するサービスを提供しております。SyncLectに関しては、新規の契約はありつつも解約も発生したため売上は伸び悩みましたが、Pocket Work Mateで新規の受注が取れたことにより売上は増加いたしました。
 この結果、プロダクトサービスの売上高は72,185千円(前事業年度46,580千円)となりました。

 

[OPSサービス]

 OPSサービスでは、AIインテグレーションサービスで開発したシステムの可用性はもとより、システム内の情報を有効的に活用できるよう継続的に機械学習を行うことで、運用の自動化や顧客に新しい「気付き」を与えるサービス及び不具合が発生しないよう保守を行うサービスを提供しております。AIインテグレーションサービスにおいて構築したシステムの保守や運用を行うサービスであり、AIインテグレーションサービスの売上に追随して売上が上がる傾向があります。当事業年度においては、不採算案件の整理を行ったため契約数が減少し、OPSサービスを利用しての保守や運用の売上が減少いたしました。

 この結果、OPSサービスの売上高は101,719千円(前事業年度144,243千円)となりました。

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)の残高は、前事業年度末に比べ、350,656千円増加し753,495千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得た資金は、179,362千円(前事業年度は212,145千円の獲得)となりました。

主な要因は、法人税等の支払額27,318千円があったものの、税引前当期純利益155,835千円の計上、減価償却費5,825千円の計上、仕入債務の増加27,992千円があったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、8,984千円(前事業年度は10,878千円の支出)となりました。

    主な要因は、パソコン等の備品取得に係る有形固定資産の取得7,152千円があったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得た資金は、180,466千円(前事業年度は10,008千円の支出)となりました。

主な要因は、長期借入金の返済26,632千円があったものの、株式の発行220,800千円があったことによります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績

当社は、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b.受注実績

当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

AIソリューション事業

1,224,925

122.3

92,420

446.7

 

(注) 1.当社は、AIソリューション事業の単一セグメントであります。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.売上実績

当事業年度における売上実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

売上高(千円)

前年同期比(%)

AIソリューション事業

1,153,196

108.0

 

(注) 1.当社は、AIソリューション事業の単一セグメントであります。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

第15期事業年度

(自  2019年1月1日

至  2019年12月31日)

第16期事業年度

(自  2020年1月1日

至  2020年12月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

プロパティエージェント株式会社

209,100

18.1

株式会社インフキュリオンデジタル(現、株式会社インフキュリオン)

257,478

24.1

91,883

8.0

株式会社ニチリウ永瀬

249,912

23.4

26,418

2.3

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。

 

a.重要な会計方針及び見積りに用いた仮定
 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、当事業年度末における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要とされております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。しかしながら実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積及び仮定のうち、重要なものは以下の通りであります。

 なお、個々の「重要な会計方針及び見積り」については、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (重要な会計方針)」に記載の通りです。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

 過年度の課税所得の実績や事業計画に基づく課税所得の見積りに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提条件に変更が生じた場合には、繰延税金資産を取り崩し税金費用の計上が必要となる可能性があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症に関する会計上の見積りに係る仮定は、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (追加情報)」に記載しております。

 

b.経営成績等

(売上高)

当事業年度の売上高は1,153,196千円(前事業年度1,067,746千円)となり、前事業年度に比べ85,449千円増加いたしました。主な変動要因については、本書「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況」に記載の通りであります。

 

(売上原価・売上総利益・売上総利益率)

当事業年度の売上原価は605,246千円(前事業年度582,835千円)となり、前事業年度に比べ22,411千円増加いたしました。この主な要因は、収益が増加した事に伴い、外注加工費、労務費等も増加したことによるものであります。

この結果、売上総利益は547,949千円(前事業年度484,911千円)となり、63,037千円の増加となりました。

また、重要な経営指針と位置付けている売上総利益率は、47.5%(前事業年度45.4%)となりました。

 

(販売費及び一般管理費・営業利益)

当事業年度の販売費及び一般管理費は378,415千円(前事業年度364,336千円)となり、前事業年度に比べ、14,079千円増加いたしました。この主な要因は、上場に伴う費用や従業員の教育に係る費用等の増加によるものであります。

この結果、営業利益は169,533千円(前事業年度120,575千円)となり、48,958千円の増加となりました。

営業利益は前事業年度に比べ40.6%の増加となっております。

 

(営業外損益・経常利益)

当事業年度の営業外収益は支援金収入の減少により、514千円(前事業年度1,127千円)となり、612千円の減少となりました。営業外費用は上場関連費用の増加により、14,212千円(前事業年度321千円)となり、13,891千円の増加となりました。

この結果、経常利益は155,835千円(前事業年度121,381千円)となり、34,454千円の増加となりました。

 

(特別損益、法人税等、当期純利益)

当事業年度において、特別損益は発生しませんでした。その結果税引前当期純利益は155,835千円(前事業年度121,101千円)となりました。また、法人税等は、法人税等調整額22,351千円を計上したことにより、2,720千円(前事業年度20,948千円)となりました。

この結果、当期純利益は153,115千円(前事業年度100,153千円)となり、前事業年度に比べ52,962千円の増加となりました。

 

c.財政状態

(資産)

当事業年度末の総資産は、前事業年度末と比較して376,400千円増加し、936,912千円となりました。流動資産は前事業年度末と比較して352,115千円増加し、895,826千円となりました。主な要因は、現金及び預金が350,656千円、仕掛品1,904千円増加したことによるものであります。固定資産は前事業年度末と比較して24,285千円増加し、41,086千円となりました。主な要因は、繰延税金資産22,351千円、差入保証金1,831千円の増加によるものであります。

 

(負債)

当事業年度末の負債は、前事業年度末と比較して2,485千円増加し、180,401千円となりました。主な要因は、借入金を一括返済したため1年内返済予定の長期借入金10,008千円、長期借入金16,624千円が減少したものの、買掛金27,992千円、前受金1,274千円の増加によるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末の純資産は、前事業年度末と比較して373,915千円増加し、756,511千円となりました。

 主な要因は、増資により資本金及び資本準備金がそれぞれ110,400千円、当期純利益の計上による利益剰余金 153,115千円の増加によるものであります。

 

d.キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

e.資本の財源及び資金の流動性

主な資金需要は、労務費、経費並びに販売費及び一般管理費等の運転資金となります。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金で対応していくこととしております。なお、現在の現金及び現金同等物の残高、営業活動から得る現金及び現金同等物の水準については、当面事業を継続していくうえで十分な流動性を確保しているものと考えております。

 

f.経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通り認識しており、これらのリスクについては発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

 

g.経営者の問題意識と今後の方針について

当社が今後業容を拡大し、より高品質なサービスを継続提供していくためには、経営者は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していく必要があると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場におけるニーズや事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を認識した上で、当社の経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社は、日々進化するAI技術を業務で利用しやすい形に変換して提供することを目的に、「AIの民主化」を目標に研究開発を進めております。AI、IoTなどの新しい技術領域の研究開発結果を「SyncLect」サービスに集約してサービス提供することで、汎用的な利用を可能とするとともに多様化する先端技術のサービス窓口になることを目指しております。

当事業年度において、当社が支出した研究開発費の総額は8,297千円であり、次の技術分野に対する研究開発活動を行っております。

 

(1) AI技術

近年、クラウドサービスの充実により急速に普及しているビジネスチャットに機械学習を利用することで、自動的に対話を行い質問に回答したり、言語分析を行うニーズが発生しております。WEBサイト上で利用するチャットボットを始め、社内利用されるチャットツール上のやり取りは機械学習によって業務効率化や業務スピードの改善が期待されています。それに加え、画像認識の中でもOCR技術の業務改善に対するニースが高まっており、クラウドサービスを活用しつつ業務要件に合わせたカスタマイズが可能なサービスの研究を進めております。

また、一方でビッグデータの活用の重要性を認識しつつも、うまく活用しきれていない企業に対して、業務や蓄積したデータに合わせた機械学習モデルの開発を行うことで、顧客に新たな企業価値を与えビジネスチャンスの拡大に繋がる提案を次々と行っております。進化するAI技術と顧客のビジネスをどのように融合させるか、顧客への提案に向けた実施検証、最適なAI技術の選定をできるよう研究開発によってそれぞれのAIエンジンの強み・弱みを整理しております。

 

(2) スマートスピーカー

労働人口の不足や働き方改革により、各業種で人手不足が深刻な問題に直面しております。コミュニケーションロボットやスマートスピーカーによる音声認識は、これらの課題に対していくつかのソリューションを提供できると仮説を立て、Google Home、Amazon Echo、Fairy Devicesなどの各スマートスピーカーの技術検証を行っています。Pepperアプリ開発の実績を持つ当社は、UI/UX(※1)分野において十分なノウハウを蓄積していることで、スマートスピーカーにおいてもそれらを利用して発話による業務効率化、労働人口不足の代替ソリューションを研究開発によって提供し続けております。

 

※1 UI(ユーザーインターフェース)とは、ユーザーがPCとやり取りをする際の入力や表示方法などの仕組みをいい、UX(ユーザーエクスペリエンス)とは、サービスなどによって得られるユーザー体験をいいます。