当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「新しい道を切りひらく」を合言葉に、「持続可能な原材料及び製造への取り組み」と「特許を含む新技術による組み立て」をベースに商品の開発、一貫製造及び販売を行っております。
当社グループにおけるミッション(使命)、社是(私たちが最も大切にする価値観)、行動指針(正々堂々と仕事をしていくための4つの指針)は以下のとおりです。
(a) ミッション(使命)
STIフードホールディングスは、
社員の幸せと社会のより豊かな未来のために、
国内外の食料資源を大切にし、
価値ある食文化創造の責任を果たします。
(b) 社是(私たちが最も大切にする価値観)
正々堂々
(c) 行動指針(正々堂々と仕事をしていくための4つの指針)
変革創造 当たり前の徹底と、過去や常識の否定。
その両立こそが新しい価値を生みだす。
自主自立 仕事を自ら作り出し、
仕事によって自分自身を成長させよ。
誠心誠意 自分を尽くす。懸命に向き合う。
すべてを注ぎ込まないと、何事も成し遂げられない。
一致団結 全員の知恵と技術と想いをひとつにする。
そして初めて、限界は超えられる。
(2)経営戦略等
食の安全・安心への要請、天然水産資源の維持、安全な養殖水産資源の獲得という社会課題、急速な高齢化及びライフスタイルの多様化などを背景に、当社グループは、以下の施策を講じながら、持続可能なバリューチェーンを創造するとともに、日本の食文化に根差す伝統的なうま味を活かした製品の開発と提供を行うことで、世代を超えた永続企業として、継続的な成長を目指します。
(a) 持続可能な原材料及び製造への取り組み
(b) フードロス・廃棄の削減
(c) 環境に配慮した設備導入
(d) 更なる成長のための3温度帯におけるバーティカルインテグレーション(垂直的統合)の深耕
(e) 消費者の健康志向に応える新たな商品の開発
(f) 手作り料理感が高まる惣菜等の中食開発
(g) 高齢者向け惣菜開発
(h) 知的財産権の取得
(i) M&Aの推進
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、サービスの競争力を維持し、財務活動を含めた全事業の業績を向上させていくことが重要であると認識していることから、重視している経営指標については、売上高経常利益率としております。
(4)経営環境
①業界の動向
国内においては、高齢世帯・共働き世帯の増加の一方、世帯人数の減少等が生じ、社会構造変化が進むとともに、そのライフスタイルや価値観が多様化しています。それに加えて、新型コロナウイルス感染症と共存する新たな生活環境が生まれ、また、コンビニエンスストアのビジネスモデルの変化及び食品メーカーなどの技術革新を背景に、中食市場が急成長し、国内の食市場全体を牽引している状況であります。
②今後の見通し
当社グループをとりまく環境は、国内における少子高齢化の進行により社会構造変化が進むとともに、新型コロナウイルス感染症の流行が社会経済活動に与えた影響から、そのライフスタイルや価値観が多様化している状況に加え、世界においては、国際紛争や異常気象による天然資源、食料等の不足が深刻化していると考えられます。
このような環境の中、”食”の安全・安心に対する要請はさらに高まるとともに、引き続き中食市場の成長が、食品市場を牽引するものと考えており、当社グループでは、この中食市場における惣菜の中でも特に水産素材へのニーズは高まっていくものと認識しております。一般的に魚を素材とする調理は、その下処理や魚臭、焼成煙、調理器具の後片付けの手間などもあり家庭では敬遠されやすいものでありますが、近年の健康志向等を背景に、ヘルシーで栄養価の高い魚(例えば、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を多く含む青魚等)はその価値をあらためて見直されております。一方で、市場における魚を素材とする惣菜商品は少ないため、「簡便性」「即食性」「美味しさ」「ヘルシー感」「値ごろ感」を兼ね備えた魚を素材とした惣菜商品への需要は、今後も高まる傾向にあります。
また、足元における物価の上昇や急激な為替変動などの市場環境の変化への柔軟な対応を含め、食品メーカーとして消費者と従業員の安全と安心のために、安定した製造・供給を継続すべく、当社グループ全体で食品メーカーとして社会的に重要な使命の遂行に努めております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
①新規商品の開発、生産体制の増強、販路の拡大について
今後も継続的な成長を見込むためには、開発・生産・販売それぞれの拡充が重要であると考えております。
中食への更なる取り組みとして市場においてニーズの高い水産素材による惣菜の開発、フードロス・廃棄削減への取り組みとして新技術による鮮度延長や冷凍食品開発への注力、健康志向への取り組みとして余分な添加物を含まない商品開発等、新たな商品の開発を目指しております。
また、市場における需要の高まりや多様化するニーズへの対応に加え、既存工場から遠隔地域への出荷量増加に伴う物流費の上昇などにも対応すべく、大阪府に新たな工場を取得いたしました。新設工場とともに既存工場における生産ラインの拡充も併せて推進してまいります。
販路拡大につきましては、既存得意先を通じた顧客ニーズの深耕を図ることによる展開地域・商品の拡大に加え、当社グループの方針と合致する新たなパートナーの探求による国内外における新市場の開拓、更には当社グループとして直接顧客への販売ができる体制の構築を目指しております。また、北米を中心に海外市場の調査を実施しており、将来的な海外展開拡大の礎の構築に努めてまいります。
②人材の確保・育成について
事業部門においては、商品の差別化を図るための独自技術の開発や、これを活かした新商品開発の推進、開発業務の拡充を図るための開発営業担当など、優秀な人材の確保を図ってまいります。
さらに、コーポレート・ガバナンス体制の更なる充実のため、当社グループ管理部門の人材強化を図ってまいります。
また、将来にわたる成長力、収益力強化のために、人材育成も不可欠と考えており、社内研修プログラムや福利厚生制度、人事制度などの充実に努めてまいります。
③安全・安心を追求した品質管理
当社グループは食品メーカーとしての社会的責任を果たすため、品質管理体制をより強化してまいります。具体的には、CO2を排出しない冷凍機の導入等、環境に配慮する製造設備の改善を継続するとともに、原材料の調達から製造・販売に至るまでの各プロセスにおけるトレーサビリティの更なる充実を図ってまいります。
④内部管理体制の強化
当社グループは成長段階にあり、業務運営の効率化やリスクマネジメントのための内部管理体制の強化が重要な課題であると認識しております。このため、業務改善を推進して効率化を図るとともに、事業等のリスクを適切に把握・対処し、コンプライアンスを重視した経営管理体制に重点をおくことで、経営の公平性や透明性を確保し、内部管理体制の強化に取り組んでまいります。
文中の将来に関する事項は、当社グループが本書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)サステナビリティに関する当社の考え方
当社グループは、食の安全・安心への要請、天然水産資源の維持、安全な養殖水産資源の獲得という社会課題、急速な高齢化及びライフスタイルの多様化に対し、以下の施策を講じながら持続可能なバリューチェーンを創造するとともに、日本の食文化に根差す伝統的なうま味を活かした製品の開発と提供を行うことで、世代を超えた永続企業として、継続的な成長を目指します。
(2)具体的な取り組み
<ガバナンス>
コーポレート・ガバナンスに関する具体的な内容については、「
ディスクロージャーに関しましては、株主、投資家の皆様に対し、透明性、公平性、継続性を基本に迅速な情報提供を行っております。金融商品取引法及び東京証券取引所の定める適時開示規則に準拠した情報の開示に努めるほか、当社の判断により当社を理解していただくために有効と思われる情報につきましても、タイムリーかつ積極的な情報開示に努めております。
<リスク管理>
リスク管理に関する具体的な内容については、「
当社グループでは、持続的な成長を確保するため「グループリスク管理・コンプライアンス規程」を制定し、全社的なリスク管理体制の強化を図っております。代表取締役社長及び各管掌取締役並びに執行役員、各部部長が、日常業務を通じて、潜在的なリスクに対して注意を払い、リスクの早期発見と、顕在化しているリスクについてはその影響を分析し、リスクの評価、対策等、広範なリスク管理に関し協議を行い、具体的な対応を検討しております。また、必要に応じて弁護士、公認会計士、弁理士、税理士、社会保険労務士等の外部専門家の助言を受け入れられる体制を整えており、リスクの未然防止と早期発見に努めております。また、当社の内部監査室長が、リスク管理全般の適切性、有効性を検証しております。
<人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略>
・人材育成方針
当社グループでは、事業部門においては商品の差別化を図るための独自技術の開発や、これを活かした新商品開発の推進、開発業務の拡充を図るための開発営業担当など、優秀な人材の確保を図ってまいります。
さらに、コーポレート・ガバナンス体制の更なる充実のため、当社グループ管理部門の人材強化を図ってまいります。
また、将来にわたる成長力、収益力強化のために、人材育成も不可欠と考えており、社内研修プログラムや福利厚生制度、人事制度などの充実に努めてまいります。
・社内環境の整備
当社グループでは、多様なスキル及び経験を有する人材を継続的に採用し、適材適所、公平な能力評価及び成長機会の提供等に取り組んでいます。従業員一人ひとりが安心して働くことができ、能力が最大限に発揮され、それを組織としても活かせるような職場環境づくりを実施し、併せて専門性の高い外部人材の採用や登用を推進しています。
・グループ人権方針
当社グループでは、「国際人権章典(国連)」及び「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」を最低限遵守されるべき原則・基準と理解し、支持すると共に、これらの原則・基準に基づく「ビジネスと人権に関する国連指導原則」及び「『ビジネスと人権』に関する行動計画(2020-2025)」(日本政府)に則り事業活動を行う旨をグループ人権方針に定め公開しております。
<指標及び目標>
当社グループでは、<人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略>において記載した、人材育成方針及び社内環境の整備に係る指標について、関連するデータ管理とともに、具体的な取り組みを行っております。
なお、本書提出日現在においては、当該指標についての目標は設定しておりません。
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指標 |
実績(当連結会計年度) |
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労働者の男女の賃金の差異(注)1. |
71.3% |
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管理職に占める女性労働者の割合(注)1. |
25.8% |
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男性労働者の育児休業取得率(注)2.3. |
― |
(注)1.「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づき算出したものであります。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
3.育児休業取得対象者が不在の場合、「-」を記載しております。
(リスク管理体制)
当社グループでは、リスク管理及びコンプライアンスを一体として強力かつ円滑に推進し、もって当社グループの企業価値の安定的な拡大を確保することを目的に、「グループリスク管理・コンプライアンス規程」を制定し、リスク管理及びコンプライアンスの主管部署を総務部とし、また、代表取締役社長の下にリスク管理・コンプライアンス委員会(以下、「当該委員会」という。)を設置してリスク管理を推進することとしております。当該委員会は、当社常勤取締役及び当社グループ子会社の代表取締役により構成されており、当社グループ運営に関する全社的・総括的なリスク管理の報告及び対応策検討の場として位置づけ、原則年4回開催しております。
(事業等のリスクとして認識している事項)
当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。
なお、以下に記載のとおり当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
また、以下の記載は当社グループ株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点をご留意ください。なお、文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。
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No |
リスク項目 |
顕在化する可能性、 顕在化する時期 |
リスクの内容、顕在化した場合に 経営成績等の状況に与える影響の内容 |
当該リスクへの対応策 |
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1 |
経済状況・消費動向について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、経済状況や消費者動向の変化に伴う需要の変化により、常に起こりうるものとして認識しております。 |
当社グループが製品を販売する市場は、国内が大部分を占めており、世代構成やライフスタイルの変化を背景とした時短ニーズの増大や消費形態の多様化などが生み出す新たな需要が見込まれるものの、本格的な人口減少に伴い長期的な総需要の縮小が懸念されます。その他、内外の様々な要因による景気後退及びそれに伴う需要の減少、又は消費動向に影響を及ぼすような不測の事態が発生した場合は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、「美味しさ」の提供はもとより、持続可能な原材料から加工・物流における一貫したバリューチェーンの構築に取り組み、お客様及び社会の課題を解決する新たな価値の創造を目指しております。 |
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2 |
事業環境について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、当社グループの予測を超えた事業環境の変化や商品開発が顧客ニーズ等に合わない場合など、常に起こりうるものとして認識しております。 |
当社グループの予測を超えた事業環境の変化が発生した場合又は商品開発が顧客ニーズ等に合わなかった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
「食の安全」はもとより、「美味しさ」、「メニュー」、「価格」、「保管方法の容易さ」及び「環境へのやさしさ(フードロスの削減等)」など消費者の多様化するニーズを満足させる必要がありますが、当社グループでは、このような事業環境の中で消費者の多様なニーズを的確に捉え、3温度帯(冷凍、冷蔵、常温)それぞれにおける最終商品等を製造・販売する事業を展開するなど、事業利益を安定的に生み出す体制を構築しております。 |
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No |
リスク項目 |
顕在化する可能性、 顕在化する時期 |
リスクの内容、顕在化した場合に 経営成績等の状況に与える影響の内容 |
当該リスクへの対応策 |
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3 |
特定の取引先への依存度が高いことについて |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、当社グループの主な販売先の経営戦略の変化により常に起こりうるものとして認識しております。 |
当社グループの主な販売先は、㈱セブン-イレブン・ジャパンの加盟店及び直営店であり、同社とは2006年2月以来、商品売買取引に関する契約に基づき継続的に取引を行っています。当社グループの連結売上高のうち、セブン-イレブン及びセブン-イレブンが指定する販売先の占める割合は、2021年12月期は85.4%、2022年12月期は86.0%、2023年12月期は87.7%となっております。 |
当社グループが㈱セブン-イレブン・ジャパン及びその指定販売先へ販売する食材及び惣菜は特許技術を含む独自の製造技術を駆使して生産されるため、自ずと供給元が限られる商品であり、同社としても当社グループの開発力、供給力に依存する面も大きく、メーカーと小売の関係を超えたパートナーとして同社との取引関係は強固なものとなっております。また、食品の開発、品質の向上などに当社グループとして継続的に努めることで、同社との安定的な取引を今後も確保してまいります。 |
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4 |
製造部門における人材の確保・機械化・省力化について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、国内における労働人口減少の進行による採用環境の一段の悪化や、為替変動による外国人人材の減少など、常に起こりうるものとして認識しております。 |
当社グループの食材・食品製造工場は、事業の性質上24時間稼働を原則とした体制を構築しております。この操業を維持するため、人材確保は重要な経営課題であると認識しており、多様な雇用形態を許容しながら人材の確保に努めておりますが、近年の労働力不足により、採用の難易度が高まっております。国内における労働人口減少の進行による採用環境の一段の悪化や、為替変動(円安)による外国人人材の減少等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、積極的な採用活動により、技能実習生・特定技術者の確保を図り、並行して機械化による省力化及びロボティクス技術導入による省人化を推進してまいります。 |
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5 |
原材料の調達について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、将来的により一層世界的な規模での水産資源の確保が難しくなるなど、常に起こりうるものとして認識しております。 |
当社グループ製品の主原料である水産素材は、世界的な健康志向の高まりによる魚食の増加及び新興国の人口増加等を背景に需要が高まっており、世界的な規模での水産資源の確保が難しくなり、価格の高騰が起きています。必要な量の確保が困難になることによる販売機会の損失、仕入価格の高騰や歩留まりの悪化による製造コスト増加を吸収できない場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、主要製品の原材料である、サーモン、サバ等を、主に国内外の有力商社と共同で調達するとともに、仕入先の分散を図る等、年間を通じた数量及び価格の安定に取り組んでおります。また、天然魚から養殖魚といったサステナブル原料へのシフトを加速し安定的な供給体制の確立を図ってまいります。製造コスト増加に対しては、生産性の向上による製造コストの削減や、原材料の調達可能量を考慮して可能な範囲で製品構成の調整を図る等による販売方法の見直しや価格への転嫁等による対策を行ってまいります。 |
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6 |
人材の確保・育成・定着、労務環境について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、少子高齢化の進行と労働人口の減少等により、企業の人材不足感は高水準となっており、常に起こりうるものとして認識しております。 |
当社グループが、競争上の優位性確保、事業環境の変化への対応又は持続的な成長を可能とするためには、マネジメント・商品開発・製造管理・品質保証・営業・経営管理等の様々な分野において優秀な人材を確保し、かつ育成するとともに、その定着を図る必要があります。近年の雇用環境の急激な変化により、優秀な人材の確保及び育成・定着がますます重要性を増しております。かかる人材の確保又は育成・定着ができない場合や優秀な人材を確保することにより、役職者の報酬・賃金水準が上昇する場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが想定するよりも多くの離職が生じ、新たな人材を確保できない場合には、当社グループの競争力や社会的信用が悪化し、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、多様なスキル及び経験を有する人材を継続的に採用し、適材適所、公平な能力評価及び成長機会の提供等に取り組んでいます。従業員一人ひとりが安心して働くことができ、能力が最大限に発揮され、それを組織としても活かせるような職場環境づくりを実施し、併せて専門性の高い外部人材の採用や登用を推進しております。 |
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No |
リスク項目 |
顕在化する可能性、 顕在化する時期 |
リスクの内容、顕在化した場合に 経営成績等の状況に与える影響の内容 |
当該リスクへの対応策 |
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7 |
食の安全性について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、当社グループは、製造部門における衛生・品質管理を徹底しておりますが、不測の事態による不具合品の発生など、常に起こりうるものとして認識しております。 |
不測の商品クレームなどが発生した場合、商品の回収又は被害者への賠償など想定外の費用の発生により当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、消費者に安全な食品の提供を続けていくことは当然であるとの考えのもと、国内外の協力工場に対する衛生・品質管理を徹底しております。 |
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8 |
食品に関する法的規制等について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、将来の予期しない法令等の改正や新たな行政規制など、常に起こりうるものとして認識しております。 |
将来の予期しない法令等の改正や新たな行政規制などにより事業活動が制限された場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループは、食品の製造及び販売にあたり、食品衛生法、食品表示法、食品安全基本法、JAS法、製造物責任法等の法的規制を受けております。これらの法令を遵守することは当然であり、当社グループでは子会社各社の関連部門と当社開発部・品質保証部並びにリスク管理・コンプライアンス委員会が対応を行っております。法令順守につきましては、万全の態勢であたっており、現在まで重大な法令違反等は発生しておりません。 |
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9 |
知的財産権について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、将来の予期しない第三者による知的財産権の侵害など、常に起こりうるものとして認識しております。 |
業界内外における知的財産権の調査・確認作業は繁雑であり、今後どのような知的財産権が成立するかを把握することはきわめて困難であるため、現在、又は将来に向けて当社グループが利用又は提供する技術が、第三者の知的財産権を侵害しているという主張が当社グループに対してなされる可能性があります。そのような事態が発生した場合は、訴訟費用や損害賠償金の支払い等の発生により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 |
当社グループにとって知的財産権の保護は重要な課題であるとの認識に基づき、特許等知的財産権の出願・登録を積極的に行っております。また、第三者の知的財産権を侵害するリスクを最小限にするため、社内グループにおける知的財産管理の体制及び人員の強化を図り、最善の努力を行っております。 |
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10 |
内部管理体制について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、事業の急速な拡大などにより、常に起こりうるものとして認識しております。 |
事業の急速な拡大などにより、十分な内部管理体制の構築が追いつかない状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を経営の重要課題と位置づけております。また、業務の適正及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築・整備し、運用強化を図っております。 |
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11 |
為替レートの変動について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、急激な為替の変動などの予測が困難であり、発生する時期の特定はできませんが、常に起こりうるものとして認識しております。 |
当社グループは、海外産の原料仕入の比率が高く、為替変動の影響を受ける事業を行っております。為替レートの変動により海外産の原料に対する仕入価格自体が高騰し、販売価格への転嫁が得意先との交渉により遅れる、あるいは転嫁できない場合には、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループにおいては、商社を介した円建取引が中心となっておりますが、直接取引等により輸入原料において為替が発生する場合は、外貨価格決定と同時に速やかに為替予約を行います。当該為替予約は、外貨建債務に対しヘッジ会計の振当処理の要件を満たす同一金額で同一期日の為替予約のみに限定し、全件予約実行前に職務権限規程に基づき決裁を受けております。また、デリバティブ取引管理規程を整備し、本業ではない為替デリバティブ取引等の投機的な取引を行わない旨を明記し、一切実行しておりません。 |
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No |
リスク項目 |
顕在化する可能性、 顕在化する時期 |
リスクの内容、顕在化した場合に 経営成績等の状況に与える影響の内容 |
当該リスクへの対応策 |
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12 |
固定資産の減損について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、使用目的の変更や更新投資などによる資産の遊休化や事業環境の変化に伴う使用価値の低下などの予測が困難であり、発生する時期の特定はできませんが、常に起こりうるものとして認識しております。 |
当社グループは、工場設備等の事業用固定資産やのれん等多くの固定資産を保有しております。競合やその他の理由によって事業収益性が低下し、当該資産が十分なキャッシュ・フローを創出できないと判断される場合は、減損会計の適用により減損の認識が必要となり、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
固定資産の連結貸借対照表計上額につきましては、当該資産から得られる将来のキャッシュ・フローの見積りに基づく残存価額の回収可能性を定期的に評価しております。 |
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13 |
繰延税金資産の回収可能性 |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、合理的に予見することが困難であります。 |
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断し、貸借対照表において繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の全額又は一部に回収可能性がないと判断した場合、繰延税金資産が減額され、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
将来の課税所得については、経営環境の変化などを踏まえ適宜見直しを行っております。 |
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14 |
新株予約権の行使による株式価値の希薄化について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、合理的に予見することが困難であります。 |
当社グループは、取締役及び従業員等に対するインセンティブを目的として新株予約権を付与しております。新株予約権の行使が行われた場合、当社グループの株式価値が希薄化し、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。 |
― |
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15 |
配当政策について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、経済状況の変化などの影響を受けますが、合理的に予見することが困難であります。 |
当社グループは、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つであると認識しており、企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保を確保しつつ、配当を実施していくことを基本方針としておりますが、通期業績、財政状態及びその他の状況の変化によっては、配当政策に影響を及ぼす可能性があります。 |
― |
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16 |
訴訟等の発生について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、合理的に予見することが困難でありますが、常に起こりうるものとして認識しております。 |
当社グループが事業活動を継続するにあたり、多種多様な訴訟のリスクが存在し、内部統制の整備により内部管理体制を確立しても、これらを完全に排除することは困難であり、当社グループを当事者とした訴訟の提起を受ける可能性があります。訴訟を提起された場合、その結果によっては当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
より一層の内部統制の整備により、内部管理体制の強化を図ってまいります。 |
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17 |
情報セキュリティについて |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、合理的に予見することが困難でありますが、常に起こりうるものとして認識しております。 |
当社グループは、事業全般においてコンピューターシステムを活用し情報資産の管理を行うとともに、業務の効率化を図っております。不正アクセス、コンピューターウイルス侵入等による情報漏洩や、自然災害、事故等によりシステムが機能しなくなった場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 |
グループ情報システム管理基本規程及びグループ情報セキュリティポリシー等を定め、情報セキュリティ対策の強化、バックアップ体制の構築等の危機管理を講じております。 |
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18 |
自然災害について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、合理的に予見することが困難でありますが、常に起こりうるものとして認識しております。 |
当社グループは、東北、関東、東海、九州エリアにおいて工場を展開しております。地震や台風など大規模な自然災害の発生により、これらの工場生産設備が甚大な被害を被った場合、設備の損壊や電力、水道、ガス等の供給停止等により、工場の稼働が困難となり、また、物流の遮断やコンピューターネットワークのシステム遮断・障害の発生により、製造や供給が困難に陥ることが考えられ、当社グループの経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、有事の際の事業継続計画(BCP)を策定しております。また、基幹システムのデータに関しては、そのバックアップデータの遠隔地保管を自動化により構築しております。 |
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No |
リスク項目 |
顕在化する可能性、 顕在化する時期 |
リスクの内容、顕在化した場合に 経営成績等の状況に与える影響の内容 |
当該リスクへの対応策 |
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19 |
M&Aについて |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、魅力的な案件の発現度合いによりますが、常に起こりうるものとして認識しております。 |
当社グループは、企業価値を向上させるために必要な要素を外部から獲得することが事業の成長を加速させる上で有効な手段となる場合や、市場における優位性の確立に資すると判断できる場合には、同業他社の株式の取得や業務提携等の施策を積極的に推進し、企業規模の拡大に取り組んでおります。 |
M&Aの実施にあたっては、市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績、財政状況、技術優位性や市場競争力、当社グループの事業ポートフォリオ並びにM&Aに伴うリスク分析結果等を十分に考慮した上で進めるべく努めております。 |
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20 |
大株主について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、合理的に予見することが困難でありますが、現時点において顕在化する可能性は低いものと認識しております。 |
当社の代表取締役である十見裕は、当社の大株主であり、自身の資産管理会社である㈱十見の所有株式数を含めると本書提出日現在で発行済株式総数(自己株式を除く。)の45.88%を所有しております。 |
同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。当社といたしましても、同氏は安定株主であると認識しております。 |
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21 |
新型コロナウイルス等感染症について |
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期につきましては、合理的に予見することが困難でありますが、常に起こりうるものとして認識しております。 |
当社グループへの影響は、販売に関しては、商品の販売低迷、購買及び生産、物流に関しては、原材料の調達等に関わる市場動向の影響を受けて原材料価格高騰による原価上昇、生産活動の停滞及び商品供給の遅延等が想定されます。また、従業員の感染者発生や感染症の蔓延により、企業活動の停滞等が現在想定している以上に長期化した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 |
当社グループでは、社員とその家族の安全確保、感染拡大防止を最優先に取り組んでおります。また、事業への影響を最小限に抑えるべく、情報収集に努め必要な対応を迅速に行っております。 |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より1,296百万円増加して、15,102百万円となりました。
流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べて1,155百万円増加し、10,294百万円となりました。この主な要因は、受取手形及び売掛金が45百万円、原材料及び貯蔵品が155百万円減少した一方で、現金及び預金が1,359百万円増加したことによるものであります。
固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ140百万円増加し、4,807百万円となりました。この主な要因は、減価償却費及びのれん償却額876百万円の計上により減少した一方で、建物及び構築物が388百万円、生産設備の増強等により機械装置及び運搬具が157百万円、リース資産が214百万円増加したことによるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末より51百万円増加して、7,655百万円となりました。
流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べて183百万円増加し、6,161百万円となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益の増加により未払法人税等が307百万円増加したことによるものであります。
固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べて132百万円減少し、1,494百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が195百万円減少したことによるものであります。
純資産の残高は、前連結会計年度末に比べて1,244百万円増加し、7,446百万円となりました。この主な要因は、配当金の支払い325百万円を実施した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益を1,562百万円計上したことにより利益剰余金が1,236百万円増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、前連結会計年度末より4.4ポイント上昇し、49.3%となりました。
② 経営成績の状況
当社グループは食品製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う行動制限が緩和され、社会経済活動が正常化する中、人流の回復や訪日外国人観光客数の増加により個人消費が増加し、企業業績も好調に推移していることから、緩やかな回復基調が続きました。一方で長期化する国際紛争や欧米諸国での金融引き締め、中国経済減速への懸念など、世界経済の先行きは不透明な状況にあり、エネルギー価格や輸入コストの上昇により物価高騰が続いております。
食品業界におきましては、原材料価格の高止まりや資材、エネルギー、人件費などのコスト上昇に対応した価格改定や商品規格の見直しが実施される中で、消費者の堅実志向が強くなっているものの、外出機会の増加に伴って中食需要の上昇傾向が継続いたしました。
このような環境の中、当社グループは「持続可能な原材料・製造への取り組み」「フードロスの削減への取り組み」「環境への配慮」「原料調達から製造・販売まで一貫した垂直統合型の展開」「健康志向と魚文化を重視した中食への取り組み」を基本方針に掲げ、中長期的な企業価値向上と持続的な成長の実現に取り組むとともに、食品メーカーとして消費者と従業員の安全と安心のために、安定した製造・供給を継続すべく、当社グループ全体で社会的に重要な使命の遂行に取り組んで参りました。
販売面においては、セブン-イレブンの「食」の強みを軸とした事業戦略において、当社グループ商品のメディア露出の増加や店舗における惣菜購入キャンペーンの効果により、デイリー食品の新規顧客を獲得することができました。さらに、良品製造の徹底、付加価値向上を伴ったリニューアルの実施による顧客のリピーター化戦略により販売個数を伸ばすことができました。また食材販売についても好調に推移しました。
この結果、当連結会計年度における売上高は、31,784百万円(前年同期比15.3%増)となりました。
損益面では、販売価格の改定による利益率の改善に加えて、販売個数の増加により製造効率が向上し、当連結会計年度における営業利益は2,306百万円(前年同期比54.9%増)、経常利益は2,330百万円(前年同期比52.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,562百万円(前年同期比55.3%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,359百万円増加し、3,996百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は3,065百万円(前連結会計年度は859百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益2,344百万円、減価償却費844百万円、棚卸資産の減少額93百万円、売上債権の減少額45百万円により資金が増加した一方で、仕入債務の減少145百万円により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は459百万円(前連結会計年度は660百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出318百万円及び無形固定資産の取得による支出63百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,258百万円(前連結会計年度は822百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出427百万円、長期未払金の返済による支出202百万円、リース債務の返済による支出301百万円、配当金の支払額325百万円により減少したことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループでは、水産原料を活用した惣菜並びに缶詰等の食品製造・販売及び、おにぎり・弁当・パスタ・サラダ等の食品製造・販売を行うデイリー惣菜メーカーへの食材(具材等)の製造・販売を行う食品製造販売事業を営んでおりますが、事業セグメントとして区分は行っておりませんので、生産、受注及び販売の状況につきましては、当社グループの管理上の区分にて、製品分類別に記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
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区分の名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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食 品 |
19,237,399 |
118.4 |
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食 材 |
3,715,097 |
94.4 |
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合 計 |
22,952,496 |
113.7 |
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(注)上記の金額は、売上原価により算出しております。
b.受注実績
当社グループは、市場動向の予測に基づく見込生産並びに顧客からの受注に基づく受注生産を行っておりますが、受注生産を行うものについては、受注当日ないし翌日に製造・出荷しておりますので、受注並びに受注残高についての記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
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区分の名称 |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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食 品 |
26,465,549 |
119.0 |
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食 材 |
5,318,545 |
100.0 |
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合 計 |
31,784,095 |
115.3 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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㈱セブン-イレブン・ジャパン |
18,039,375 |
65.4 |
21,196,039 |
66.7 |
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ベンダーサービス㈱ |
4,725,291 |
17.1 |
5,114,238 |
16.1 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要とします。これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは食品製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
a.経営成績等の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高については、セブン-イレブンの「食」の強みを軸とした事業戦略において、当社グループ商品のメディア露出の増加や店舗における惣菜購入キャンペーンの効果により、デイリー食品の新規顧客を獲得することができました。さらに、良品製造の徹底、付加価値向上を伴ったリニューアルの実施による顧客のリピーター化戦略により販売個数を伸ばすことができました。また食材販売についても好調に推移しました。その結果、31,784百万円(前連結会計年度比15.3%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、原材料価格や資材価格の高止まり等の影響により22,952百万円(前連結会計年度比13.7%増)となった一方で、販売価格の改定や販売個数の増加による効率化で売上原価率は72.2%(前連結会計年度比1.0ポイント減)となりました。
その結果、売上総利益は8,831百万円(前連結会計年度比19.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益、EBITDA)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、売上高の増加に連動した配送費などの販売費の増加や、管理体制強化のための人員増加等により6,525百万円(前連結会計年度比10.6%増)、売上高に対する販売費及び一般管理費の割合は20.5%(前連結会計年度比0.9ポイント減)となりました。
その結果、営業利益は2,306百万円(前連結会計年度比54.9%増)となりました。また、EBITDA(「営業利益」+「減価償却費」+「のれん償却額」)は、3,182百万円(前連結会計年度比38.3%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度において、物品売却益や受取補償金等により営業外収益は77百万円、主に支払利息や持分法による投資損失等により営業外費用は53百万円発生いたしました。
その結果、経常利益は2,330百万円(前連結会計年度比52.5%増)となりました。
(特別利益、特別損失、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、主に補助金収入等により特別利益は61百万円、固定資産除却損等により特別損失は47百万円発生いたしました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,562百万円(前連結会計年度比55.3%増)となりました。
b.経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析
当社グループは、安定的な製品の供給と市場シェアの向上による成長性並びに原価率や固定費率等の適正化による収益性を、基調的な改善項目と捉え、売上高経常利益率を重要指標としております。
当連結会計年度では、原材料価格や資材価格の上昇に対応した販売価格の改定や、販売個数の増加による製造効率向上により、利益率が改善いたしました。
この結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は7.3%(前連結会計年度比1.8ポイント増)となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローや金融機関からの借入等により資金調達を行っています。当社グループの資金調達の方針は、必要資金を円滑かつ効率的に調達することにあります。
今後の資金需要の主なものとしては、生産キャパシティの更なる増設並びに生産性向上のための生産ラインの最適化や生産効率向上のための設備投資があり、自己資金及び借入金等による資金調達を予定しています。
なお、キャッシュ・フローにつきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
当社グループの主要な販売先である株式会社セブン-イレブン・ジャパンとの取引に関連する販売・仕入の契約は以下のとおりであります。
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約内容 |
契約締結日 |
契約期間 |
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㈱STIフード |
㈱セブン‐イレブン・ジャパン |
販売先との商品売買に関する約定書 |
2006年2月1日 |
2006年2月1日から1年間 (1年毎の自動更新) |
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㈱STIデリカ |
㈱セブン‐イレブン・ジャパン |
販売先との商品売買に関する約定書 |
2018年10月16日 |
2018年10月16日から1年間 (1年毎の自動更新) |
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㈱STIエナック |
㈱セブン‐イレブン・ジャパン |
販売先との商品売買に関する約定書 |
2019年5月31日 |
2019年5月31日から1年間 (1年毎の自動更新) |
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㈱STIフードホールディングス(注) |
ベンダーサービス㈱ |
仕入先との継続的商品供給契約 |
2010年9月27日 |
2010年9月27日から1年間 (1年毎の自動更新) |
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㈱STIフード |
ベンダーサービス㈱ |
仕入先との売買基本契約 |
2012年3月1日 |
2012年3月1日から1年間 (1年毎の自動更新) |
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㈱STIミヤギ |
ベンダーサービス㈱ |
仕入先との売買基本契約 |
2023年12月1日 |
2023年12月1日から1年間 (1年毎の自動更新) |
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㈱STIフードホールディングス |
三井食品㈱ |
販売先との継続的売買基本契約 |
2018年3月28日 |
2018年3月28日から1年間 (1年毎の自動更新) |
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㈱STIデリカ |
リテールシステムサービス㈱ |
販売先との売買基本契約 |
2019年3月5日 |
2019年3月5日から1年間 (1年毎の自動更新) |
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㈱STIエナック |
リテールシステムサービス㈱ |
販売先との売買基本契約 |
2019年8月1日 |
2019年8月1日から1年間 (1年毎の自動更新) |
(注)契約締結日時点では、エス・ティー・アイ㈱とベンダーサービス㈱による契約でありましたが、2013年4月にエス・ティー・アイ㈱は㈱新東京フードに吸収合併され、2017年11月に㈱新東京フードの吸収分割により㈱STIフードホールディングスが関連事業を承継したため、本書提出日現在では、㈱STIフードホールディングスとベンダーサービス㈱による契約となっております。
当社グループは、常に新しい製法・製造技術を研究し、特許出願を通じて参入障壁の向上に努めるとともに、独自性の高い製品の開発に注力しております。
また、多様化する消費者ニーズをいち早く的確に捉え、スピーディに市場価値の高い製品を開発することに努めております。