第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、次の経営理念を掲げ、創業以来一貫して顧客の企業価値向上のため事業を推進してまいりました。

・全社員の物心両面の幸せを実現する

・公明正大に判断し、素直な心で全力で取り組む

・全社員が同じベクトルを持つことに努める

・事業を通して、社会・人類に貢献をする

 

この経営理念の下、今後も引き続き、顧客の更なる企業価値向上に努めるとともに、株主・債権者・顧客・ビジネスパートナー・従業員等の全てのステークホルダーへの社会的責任を果たし、広く社会に貢献していくことを経営の基本方針としております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は、企業価値を向上させ株主価値を高めることが重要であると考えており、そのためには、事業規模を拡大し収益性を向上させることが経営上重要であると認識し、客観的な経営指標として、売上高、売上高営業利益率を重視しております。売上高営業利益率は10%以上を目標としております。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

ITは社会・経済の全てのインフラに急速に進化し、デジタル革命等により社会経済は大きく変化し、あらゆる物・サービスの価値が大きく変わっていくと考えられます。このような環境の中、事業を継続して成長発展させるために中期事業計画を策定し、以下の中期事業方針を掲げています。

① 進化するデジタル社会において、成長性の高い技術・サービスを提供する

デジタル化の進展は、今後の社会を大きく変革する事になります。また、通貨のデジタル化、決済の多様化、通信技術の高度化とコストダウンなどにより、今後益々新しい産業、事業、サービスが登場する可能性が高まっています。私たちはこの社会の変化に遅れることなく、今後システムインテグレーションで活用される技術を習得すると共にこれらの技術を応用し、社会で求められる製品やサービスを提供する事を目指します。

② より良い製品サービスを提供し、社会の中で存在価値の高い企業となる

社会の変化に伴い、顧客のITに対する期待は変化すると共に増大します。私たちはこの変化を的確にとらえ、柔軟に事業を進化させていく事が必要です。そして顧客が求めるより良い製品を提供し、社会の中において存在価値の高い企業となり、未来の益々の成長発展を可能にします。

③ 環境、社会、ガバナンス(ESG)を重視し、持続的成長を目指す

ESGの重要性が指摘される現代、サスティナブルな社会を実現するための取り組みは、企業自らにとっても大変に重要な活動となっています。この取り組みを通して、事業の持続性、ひいては当社のステークホルダーの幸せの実現を目指して参ります。

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

現在、当社グループの主要な事業分野である金融分野においては、銀行、証券、保険などの業態の垣根を越えてサービスを提供する総合金融へのシフト、ネットバンク及び流通系銀行の増加、非金融事業を営んでいる事業会社の融資事業への参入及び決済の多様化など、新しいIT技術を活用したFintechが進展しております。このようなFintechの進展は、新しいIT技術の中でも特に、クラウドに関わる技術が進化したことによりもたらされたものです。また、金融分野以外でも、プログラムを用いたシステム開発からプログラムレスでの開発へのシフト、プラットフォームを活用した開発へのシフトなど、新しいIT技術により、当社グループの主要事業であるシステムインテグレーション事業を取り巻く環境は大きく変化しております。

また、新型コロナウイルス感染症拡大による社会環境の変化に伴い、顧客が必要とするニーズやDXのさらなる加速により、求められるシステムに変化が生じるものと考えております。この変化を的確に捉え、顧客がシステムに求める業務性を兼ね備えたシステム開発をすることが重要であり、当社グループの中期的な経営環境において好機となるように取り組む必要があると考えております。

このような急速に進化する事業環境に対応したサービスを提供する組織体制の構築・強化を行い、当社グループの重要な資産である人材を確保し育成することを経営上の重要な課題と認識しております。

 

① デジタル革命により進化した事業環境への対応

当社が創業以来得意としてきた金融分野の変化への対応は、当社グループの成長には欠かせないものであります。また、今後のデジタル社会の進展に伴い、新たに発展する産業領域への事業拡大を図るため、既存のノウハウと先端技術を融合することが不可欠であります。このため、既存のノウハウを活用していくとともに社会の変化や先端技術に常に注目し、事業環境の進化に積極的に対応してまいります。

 

② 変化に柔軟に対応できる組織体制の構築・強化

当社グループを取り巻く急速に進化する事業環境の中で、安定的かつ継続的に成長していくためには、組織体制の整備・強化を行うとともに、組織体制に柔軟性を持たせることが不可欠であります。このため、コーポレート・ガバナンス体制の構築・強化やコンプライアンスの徹底を図るとともに、将来の事業環境や技術の進歩を想定した組織体制を構築してまいります。

 

③ 事業の収益性向上と業務ノウハウ獲得のための直接取引の拡大

顧客との直接取引を拡大し、事業の収益性を向上すると共に、業務ノウハウの獲得を推進していきます。さらには業務の成果を通して、顧客との信頼関係を構築すると共に、安定的な取引を実現してまいります。

 

④ 持続的競争優位を保つ当社グループの資産である人材の確保・育成、ビジネスパートナーとの連携強化・拡大

当社グループの人材が持続的競争優位の源泉となるため、優秀な人材を採用し育成していくことが重要であり、また、ビジネスパートナーとの連携を強化・拡大することも同様に不可欠であります。このため、積極的な採用による人材の拡充、人材の育成、ビジネスパートナーとの連携強化・拡大に力を注いでまいります。

 

その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社は、当社株式の流動性の確保に努めておりますが、当社の株主構成は、当社代表取締役社長執行役員 小倉博文が49.61%を保有するなど、役員株主の保有比率が高く、安定している一方、東京証券取引所が定める流通株式比率は当社の上場するスタンダード市場において25%以上と定められているのに対し、2022年12月末時点の当社の流通株式比率は27.25%となっております。

ストック・オプション行使による流通株式数の増加を見込んでおりますが、当社の流通株式数は投資家の売買を通じて変動するため、当社はその動向を注視し、役員株主に保有株式の売出し等にご協力を頂くなど、当社株式の流動性向上に努めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① 経営環境の変化について

当社グループは、顧客企業のITへの要望に迅速に応えるために、日々進化するIT技術等への対応を行い事業活動を拡大してまいりました。しかしながら、今後の技術革新への十分な対応ができなかった場合及び景気低迷等により顧客企業のITへの投資が減少した場合には、顧客企業からの受注が減少し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 法的規制について

当社グループは、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下、「労働者派遣法」という)」、「下請代金支払遅延等防止法」等の規制を受けております。当社グループは、以下の免許を取得し顧客先に従業員を派遣しているため、労働者派遣法の遵守に努めておりますが、労働者派遣法に定める派遣元事業主としての欠格事由に該当した場合、関係法令に違反した場合には当該事業の停止、許可の取消しを命じられる可能性があります。また、法令の制定、改正、解釈の変更が行われた場合に、当社グループの事業活動に影響が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

認定等の名称

許可番号

監督官庁

有効期限

労働者派遣事業許可

派13-040363

厚生労働省

2025年9月30日

 

 

③ 競合他社による影響について

当社グループは、企画力、提案力、人材力等の強化、ニアショア開発及びビジネスパートナーの活用による競争力の強化、付加価値の高いサービスの提供、等により顧客との良好な取引関係の維持等に積極的に取り組み、競争優位性を確保し、品質及び価格の維持向上に努めております。しかしながら、競合他社のサービス力の向上や価格競争の激化により当社グループの競争力が相対的に低下した場合、収益性の低下等を招き、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に関するリスク

① 特定の事業分野への依存について

当社グループは、金融関連分野向けのシステム開発及び大規模プロジェクト管理等の業務ノウハウを保有し、その知見と経験を生かしたシステム構築に多く携わっていることから、金融関連分野への依存割合が高くなっております。なお、公共分野等の他の分野での取引額の拡大を図り、金融関連分野への依存割合の低減を図っておりますが、金融業界の今後の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 特定顧客への依存について

当社グループは、大手システムインテグレーターからの依頼による設計開発業務及び運用保守業務を多く取り扱っているため、大手システムインテグレーターへの依存割合が高くなっており、当連結会計年度の売上高に占める大手システムインテグレーター上位3社グループ(株式会社エヌ・ティ・ティ・データ、富士通株式会社、BIPROGY株式会社及びそのグループ会社)の割合は41.8%となっております。現在まで、長期にわたり取引を維持しており、今後も継続的かつ安定的に取引を行っていく方針であります。なお、他の顧客との取引額の拡大を図り、大手システムインテグレーター上位3社グループへの依存割合の低減に努めておりますが、何らかの事情により事業方針の変更等がなされた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ プロジェクトの採算管理に関するリスクについて

当社グループでは、作業工程等に基づき発生コストを予測し、適正な利益を加味した見積り金額を算出し、プロジェクトの採算管理をしておりますが、当初想定できなかった事象等の発生による追加コストの発生、当社グループの過失による納期遅延又はシステムの不具合による損害賠償が発生した場合等には、当初見込みからプロジェクトの採算が悪化するほか、当社グループの社会的信用が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 労務管理に関するリスクについて

システム開発のプロジェクトにおいては、一時的に長時間労働が発生することがあるため、当社グループでは、日々の勤怠を確認することはもちろんのこと、月次での長時間労働の状況及び今後の残業発生見込みの確認を行う等、長時間労働の発生を未然に防ぐ労務管理体制を整備しております。しかしながら、やむを得ない事情により長時間労働が発生した場合には、過重労働、それらを起因とした健康問題の発生及びそれに伴う訴訟、システム開発の生産性の低下、従業員の士気の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ ビジネスパートナーとの協力体制について

当社グループは、システム設計・構築等において、必要に応じてビジネスパートナーに外注をしております。ビジネスパートナーとは良好な関係を築いておりますが、ビジネスパートナーから十分な開発人員を確保できない場合、外注コストに変化が生じた場合等には、適正価格でのサービスの提供が困難になる等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 経営管理体制に関するリスク

① 代表者への依存について

代表取締役社長執行役員 小倉博文は、当社設立の中心人物であり、当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしており、代表者に依存する部分が相当程度存在しております。当社グループは、代表者への過度な依存を回避すべく、経営管理体制の強化及び人材の育成を進めておりますが、何らかの理由により代表者が当社グループの業務を継続することが困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 人材の確保及び育成について

当社グループの事業活動は人材に大きく依存しており、優秀な人材の確保・定着及び育成が重要であると考えております。しかしながら、優秀な人材の確保・定着及び育成が計画どおりに進まない場合、優秀な人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 情報管理について

当社グループは、業務に関連して多くの機密情報及び個人情報を取り扱っており、厳格な情報管理が求められていることから、当社グループでは、ISO/IEC27001:2013の認証取得及びプライバシーマークを取得し、情報管理の徹底を図っております。しかしながら、何らかの理由により機密情報及び個人情報の外部への漏洩が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

認定等の名称

認定番号

有効期限

ISO/IEC27001:2013

(東京本社(営業本部及びビジネスサービス本部))

IS 557224

2025年3月9日

ISO/IEC27001:2013

(福岡支社)

IS 649173

2025年11月28日

プライバシーマーク

第17001300(04)号

2024年9月17日

 

 

④ システム障害について

当社グループは、人為的ミス、通信ネットワーク機器の故障、ソフトウエアの不具合、コンピュータウイルス、事故等により、システム障害が発生する可能性があるため、社内システムの定期的なバックアップ等を講じておりますが、システム障害が発生した場合には、当社グループの事業運営に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 知的財産権の侵害について

当社グループは、当連結会計年度末現在において、第三者から知的財産権の侵害に関する指摘等は受けておりません。しかしながら、当社グループの認識外で第三者の知的財産権を侵害してしまった場合、当社グループへの損害賠償請求や信用力の低下等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 訴訟リスクについて

当社グループは、当連結会計年度末現在において、第三者から訴訟を提起されている事実はありません。当社グループは、法令遵守に努めておりますが、事業活動を行う中で、訴訟、その他の法律的手続の対象となるリスクがあり、重要な訴訟等の提起を受けた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) その他のリスク

① 自然災害等の発生について

地震・台風等の自然災害、テロ、パンデミック等が発生した場合、当社グループの事業運営に深刻な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは事業継続のための体制の構築を図っておりますが、災害等の状況によっては、事業活動に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 新型コロナウイルス感染症について

当社グループは、リモートワークの推進等を行うことにより、事業継続のための体制を構築しておりますが、当社グループの顧客が新型コロナウイルス感染症により事業が停滞した場合には、当社グループへのシステム開発の発注が停滞又は中止となる可能性があり、また、当社グループの従業員が罹患あるいはビジネスパートナーに被害が発生した場合には、システム開発の遂行に支障が生じる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 退職給付債務について

当社の退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上の前提条件に基づいて算出されております。このため、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、将来の退職給付費用及び債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 配当政策について

当社は、今後の経営成績及び財政状態、事業環境などを総合的に勘案し、財務体質の強化と事業拡大のための投資とのバランスをとりつつ配当を実施していく方針であります。

しかしながら、当社グループの業績が計画どおりに進展しない場合には、配当を実施できない可能性があります。

 

⑤ 大株主について

当社の代表取締役社長執行役員 小倉博文は、当社の大株主であり、当連結会計年度末現在で発行済株式総数(自己株式を除く。)の49.61%を所有しております。

同氏は、安定株主として引続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求すると共に、少数株主の利益にも配慮する方針を有しております。

当社と致しましても、同氏は安定株主であると認識しておりますが、何らかの事情により、大株主である同氏の株式が減少した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ M&Aにおけるのれん等の減損リスク

当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を目的として、M&Aを事業展開の選択肢の一つとして考えております。

M&Aによる事業展開においては、当社グループが当初想定したシナジーや事業拡大等の効果が得られない可能性があります。これらに加えて、子会社化後の業績悪化やのれんの償却又は減損等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度末と比較して389,881千円増加し、3,487,169千円となりました。その主な要因は、現金及び預金が294,336千円、売掛金及び契約資産が96,741千円、繰延税金資産等の投資その他の資産合計が40,860千円増加したことによるものです。

 

(負債)

当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度末と比較して4,730千円増加し、943,906千円となりました。その主な要因は、買掛金が49,617千円、退職給付に係る負債が32,179千円増加した一方、1年内返済予定の長期借入金を含む長期借入金116,664千円が減少したことによるものです。

 

(純資産)

当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して385,150千円増加し、2,543,262千円となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が370,085千円増加したことによるものです。この結果、自己資本比率は72.9%となりました。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直されてきております。一方、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響等、不透明さを拭えない状況が続いております。このような状況の中、日銀短観2022年12月調査によると、当社グループの売上の過半を占める業種である金融機関を含む全産業のソフトウェア投資額は2022年度計画が前年度比20.3%となっており、IT投資は持ち直され、増加していくことが期待されます。

このような当社グループを取り巻く環境の中、① 進化するデジタル社会において、成長性の高い技術・サービスを提供する、② より良い製品サービスを提供し、社会の中で存在価値の高い企業となる、③ 環境・社会・ガバナンス(ESG)を重視し、持続的成長を目指す、を中期経営方針として掲げ、顧客からの信頼を獲得し持続的にサービスを提供することができるよう、様々な要望に対応したサービス提供を行うために、今後のデジタル社会で重要となるセキュリティサービス及びデジタルコンサルティングサービスを開始し、高度化する多数の先端技術の吸収を積極的に行うとともに、顧客及びビジネスパートナー向け営業体制の強化、業容拡大に向けた人材の積極採用等の施策を行ってまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は5,854,855千円と前年同期と比べ1,080,633千円(22.6%)の増収、営業利益は576,655千円と前年同期と比べ71,650千円(14.2%)の増益、経常利益は586,452千円と前年同期と比べ58,209千円(11.0%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は390,167千円と前年同期と比べ40,933千円(11.7%)の増益となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、当連結会計年度の連結損益計算書は、売上高及び営業利益はそれぞれ6,182千円増加しております。

 

なお、当社グループは、システムインテグレーション事業の割合が高く、開示情報としての重要性が乏しいと考えられることから、セグメント情報の記載を省略しております。

 

事業のサービス別売上高については、以下のとおりであります。

a システムインテグレーション事業

当連結会計年度においては、高度化するデジタル社会の中において、確かな技術でサービスを提供できるIT人材を獲得するため、様々なチャネル等を活用した人材の採用を進めるとともに、ビジネスパートナーとの協力関係の強化及び新規のビジネスパートナーの開拓を行うなど、受注拡大に向けた体制構築を進め、新規営業による顧客からの要望に応えるよう努めてまいりました。

その結果、当連結会計年度の売上高は5,569,836千円と前年同期と比べ1,056,121千円(23.4%)の増収となりました。

b ITサービス事業

当連結会計年度においては、クラウドサービスとして提供しているリアルタイム運行管理システム(KITARO)では、アルコールチェック機能を搭載した新サービスの提供や新たな料金プランの提供を開始するなど、顧客が利用しやすいサービスとなるように努めてまいりました。

セキュリティサービスでは、サイバー保険自動付帯型次世代エンドポイントセキュリティを提供開始するなど、サービスの充実を図りました。

デジタルコンサルティングサービスでは、デジタル人材育成分野でのサービス提供を開始するなど、サービスの充実を図りました。

その結果、当連結会計年度の売上高は285,019千円と前年同期と比べ24,512千円(9.4%)の増収となりました。

当連結会計年度よりクラウドサービス、セキュリティサービス、デジタルコンサルティングサービスをITサービス事業に集約しております。なお、前年同期においては、セキュリティサービス、デジタルコンサルティングサービスはサービスを開始しておりません。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ294,336千円増加し、2,063,078千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローの増加は、473,228千円(前年同期は、318,834千円の増加)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上563,452千円、売上債権の増加額83,427千円、法人税等の支払額194,255千円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローの減少は、61,689千円(前年同期は、243,798千円の減少)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出26,565千円、敷金及び保証金の差入による支出34,428千円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローの減少は、119,190千円(前年同期は、15,204千円の減少)となりました。その主な要因は、長期借入金の返済による支出116,664千円、配当金の支払額20,082千円であります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a 生産実績

当社グループが行う事業では、提供サービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

 

b 受注実績

当連結会計年度のシステムインテグレーション事業の受注状況を示すと、次のとおりであります。

事業の名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

システムインテグレーション事業

6,104,330

23.7

1,304,362

23.6

合計

6,104,330

23.7

1,304,362

23.6

 

 

c 販売実績

当連結会計年度の販売実績を事業ごとに示すと、次のとおりであります。

事業の名称

金額(千円)

前期比(%)

システムインテグレーション事業

5,569,836

23.4

ITサービス事業

285,019

9.4

合計

5,854,855

22.6

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社JSOL

623,750

13.1

703,817

12.0

富士通株式会社

613,511

12.9

BIPROGY株式会社

678,051

11.6

 

2.当連結会計年度における富士通株式会社の販売実績は総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。

3.前連結会計年度におけるBIPROGY株式会社の販売実績は総販売実績に対する割合が10%未満のため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響に関して、当連結会計年度末時点において当社グループの事業活動に重要な影響を与えていないことから、業績に与える影響は軽微と仮定し、会計上の見積りを行っております。

a 退職給付に係る負債

確定給付制度の退職給付債務及び退職給付費用は、数理計算上の仮定を用いた見積りを基礎として算定しております。当該数理計算上の仮定には、安全性の高い債券の利回りを用いた割引率及び予想昇給率等の様々な計算基礎があります。

これらの計算基礎について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付引当金及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。

b  繰延税金資産の回収可能性

繰延税金資産の回収可能性は、将来減算一時差異が将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、将来の利益計画に基づく課税所得の十分性、将来加算一時差異の十分性等を満たしている場合に、将来減算一時差異が将来の税金負担額を軽減する効果を有するものとしております。

これらの判断は、将来の利益計画に基づく課税所得、一時差異等の解消見込年度等の見積りに依存するため、将来の不確実な経済条件の変動等によりこの見積りの前提とした条件や仮定に見直しが必要となった場合、繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。

c 重要な収益及び費用の計上基準

一定の期間にわたり履行義務を充足し認識する収益については、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。進捗度の測定は、各報告期間の期末日までに発生した原価が、予想される原価の総額に占める割合に基づいて行っております。

予想される原価の総額及び当連結会計年度末における進捗度を合理的に見積っておりますが、想定していなかった原価の発生等により当該見積りが変更された場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しておりますが、その主な要因は以下のとおりであります。

 

(売上高、売上原価及び売上総利益)

当連結会計年度における売上高は、5,854,855千円(前年同期比22.6%増)となりました。これは主に、システムインテグレーション事業における高収益案件の増加に加え、システムエンジニアの要員数が増加したこと及び2021年4月1日に株式会社ヒューマンソフトを連結子会社化し、当社グループの事業領域の多角化を図ったことによるものであります。

当連結会計年度における売上原価は、4,359,659千円(前年同期比25.3%増)となりました。これは主に、システムインテグレーション事業において、コロナ禍における当社グループを取り巻く環境に柔軟に対応し、機動的な対応を実施した結果、システムエンジニアやビジネスパートナー数が順調に推移したことに伴うシステムエンジニアの人件費及びビジネスパートナーへ支払う外注費等であります。

この結果、売上総利益は1,495,195千円(前年同期比15.6%増)となりました。

 

(販売費及び一般管理費並びに営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、918,540千円(前年同期比16.4%増)となりました。これは主に、セキュリティサービスやデジタルコンサルティングサービス開始に伴う関連費用、スタンダード市場区分への変更関連費用等によるものであります。

この結果、営業利益は576,655千円(前年同期比14.2%増)となりました。

 

(営業利益率)

当社グループでは売上と売上を獲得するために費やしたコストを管理するために営業利益率を主要なKPIとして管理しております。

当連結会計年度における営業利益率は、高収益案件の増加やビジネスパートナーを含むシステムエンジニア数の増加による増収効果の一方、ビジネスパートナー増加に伴う外注費率の増加に伴い売上総利益率が1.6%減(前年同期は27.1%)となりました。また、セキュリティサービスやデジタルコンサルティングサービス開始に伴う関連費用やスタンダード市場区分への変更関連費用等による販管費率の増加要因を、前期計上のM&Aに伴い発生した取得関連費用が当期は発生していないことや内製化による業務委託費減少などが販管費率を引き下げ、販管費率は0.8%減(前年同期は16.5%)となりました。

 

この結果、営業利益率は0.7%減(前年同期は10.6%)となりました。引き続き、高収益案件の増加、システムエンジニアの増加等による売上高の拡大を図り、当社グループの成長に必要な投資を吸収することにより、営業利益率の改善を図ります。

 

2021年12月

2022年12月

営業利益率(%)

10.6%

9.8%

 

2021年12月期における営業利益率は、高収益案件の増加や株式会社ヒューマンソフトの連結子会社化等による増収効果が人件費等の増加、採用強化により増加した採用関連費用、M&Aに伴い発生した取得関連費用等を吸収し、営業利益率は10.6%となりました。

 

(営業外損益及び経常利益)

当連結会計年度の営業外損益の主な内訳は、営業外収益として助成金収入7,887千円、営業外費用として支払利息553千円を計上し、経常利益は586,452千円(前年同期比11.0%増)となりました。

 

(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の特別損益は、特別損失として固定資産除却損0千円及び株式会社ヒューマンソフトとの合併に伴い発生した合併関連費用23,000千円を計上いたしました。

法人税、住民税及び事業税は186,170千円、法人税等調整額は△12,886千円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は390,167千円(前年同期比11.7%増)となりました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの資金需要のうち主なものは、外注費、労務費、販売費及び一般管理費に係る運転資金であります。これらの所要資金については、自己資金により充当しておりますが、資金調達が必要な場合には、主に銀行借入により資金を調達する方針であります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2022年10月20日開催の取締役会において、当社の連結子会社である株式会社ヒューマンソフトを吸収合併することを決議し、同日付で吸収合併契約を締結しました。当該吸収合併契約に基づき、当社は2023年1月1日付で株式会社ヒューマンソフトを吸収合併いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。