第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

a.経営成績の状況

当中間連結会計期間において、当社グループの主力製品である「Universal 勤次郎」は、就業・勤怠管理及び健康管理領域において引き続き高い評価を得ており、旧製品からのリプレース需要を着実に取り込みながら、通期業績目標の達成に向けて堅調に推移いたしました。

セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。

クラウド事業の販売は、市場ニーズが一段と高まっていることから、リカーリングレベニューであるクラウドライセンス売上は1,455,594千円(前年同期比36.1%増)を計上しており、引き続き安定した収益確保に貢献した結果、事業全体としては1,885,370千円(前年同期比36.0%増)となりました。

また、オンプレミス事業の販売については、大口取引があったこと等により、事業全体としては636,416千円(前年同期比6.8%増)となりました。うちリカーリングレベニューであるプレミアムサポート売上についても、引き続き安定した収益確保に貢献しておりますが、クラウド契約への切替えがあったこと等により、273,408千円(前年同期比4.5%減)となりました。

これらの結果、HRM事業の売上高は2,521,787千円(前年同期比27.2%増)、セグメント利益は714,703千円(前年同期比170.6%増)となりました。

また、不動産賃貸事業については、テナントからの賃料収入等により、売上高は137,180千円(前年同期比6.6%減)、セグメント利益は20,318千円(前年同期比15.0%増)となりました。

以上の結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は2,598,562千円(前年同期比25.6%増)、営業利益は735,021千円(前年同期比160.9%増)、経常利益は730,013千円(前年同期比155.1%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は480,217千円(前年同期比151.4%増)となりました。

なお、当社が提供する「Universal 勤次郎 就業・勤怠管理」及び「健康管理」ソリューションは、2024年4月より建設業などにも適用が開始された時間外労働の上限規制や、勤務間インターバル制度の重要性の高まりを受け、企業の労務管理体制を強化するための実務的なソリューションとして注目を集めております。

就業データと健康情報の一元管理により、労働時間の可視化、長時間労働者への対応、ストレスチェックの活用など、法令対応及び健康経営実務の高度化に貢献しております。

また、クラウドライセンス契約の増加が継続しており、リカーリング比率(ストック型収益の構成比)は前年同期と同水準の68.8%を維持しております。これにより、ストック型収益を軸とした事業構造への転換が着実に定着しており、将来的な成長に向けた財務基盤の強化が進んでいます。こうした成果の背景には、「Universal 勤次郎」が、人的資本情報の開示義務化や健康経営への対応といった企業課題に対し、就業・健康データを統合的に管理・可視化できるプラットフォームとして、独自の価値を提供している点があります。他社が特定領域に特化したツールを展開する中、当社は「HRMオールインワンソリューション」として、現場実務と経営戦略を一体で支援する統合基盤を提供できることが、選定理由として挙げられております。

外部環境においては、採用難・定着難の深刻化や、2025年春季労使交渉における賃上げ傾向の顕在化を背景に、企業競争力の源泉は「人への投資」へと明確にシフトしています。有価証券報告書における人的資本情報の開示義務化に伴い、「人的資本の7分野」(人材育成、多様性、健康・安全、労働慣行、従業員エンゲイジメント、流動性、コンプライアンス)への投資は、企業価値向上に直結する経営課題として、今後ますます注目されていくと見込まれます。

当社では、これら社会的要請を成長機会と捉え、「Universal 勤次郎」シリーズの機能強化と導入支援体制の充実を推進しています。具体的には、メンタルヘルス支援、離職予兆の可視化、人的資本KPIのダッシュボード表示といった次世代型HRM機能の開発を進めており、企業の人的資本経営を支える“現場起点のDX基盤”としての提供価値をさらに高めてまいります。

 

今後も、「働く人の健康と幸せが企業の未来を築く」というコンセプトのもと、さらなる導入拡大と収益の持続的成長を実現してまいります。

(注)健康経営ⓇはNPO法人健康経営研究会の登録商標です。

 

セグメント別、事業区分別の売上高は、下表のとおりです。

セグメントの名称

事業区分

金額(千円)

前年同期比(%)

HRM事業

クラウド事業

1,885,370

136.0

オンプレミス事業

636,416

106.8

小計

2,521,787

127.2

不動産賃貸事業

137,180

93.4

セグメント間の内部売上高

△60,405

99.2

合計

2,598,562

125.6

 

また、HRM事業におけるリカーリングレベニューの内訳、及びHRM事業の総販売実績に対する割合は、下表のとおりです。

 

売上区分

金額(千円)

割合(%)

リカーリングレベニュー

クラウドライセンス売上

1,455,594

57.7

プレミアムサポート売上

273,408

10.8

その他売上

6,848

0.3

合計

1,735,851

68.8

 

 

 

b.財政状態の状況

(資産)

当中間連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ275,100千円増加し、13,089,412千円となりました。

そのうち、流動資産は前連結会計年度末に比べ214,638千円増加し、5,441,098千円となりました。これは主に、現金及び預金108,016千円の増加受取手形及び売掛金54,297千円の増加棚卸資産21,805千円の増加があったこと等によるものであります。

また、固定資産は前連結会計年度末に比べ60,461千円増加し、7,648,313千円となりました。これは主に、ソフトウエア213,717千円の増加があったほか、建物及び構築物74,668千円の減少、有形固定資産のその他資産39,467千円の減少ソフトウエア仮勘定41,027千円の減少があったこと等によるものであります。

 

(負債)

当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ69,667千円減少し、3,374,349千円となりました。

そのうち、流動負債は前連結会計年度末に比べ78,682千円増加し、1,278,799千円となりました。これは主に、未払法人税等87,539千円の増加があったほか、1年内返済予定の長期借入金9,798千円の減少があったこと等によるものであります。

また、固定負債は前連結会計年度末に比べ148,349千円減少し、2,095,550千円となりました。これは主に、長期借入金151,498千円の減少があったこと等によるものであります。

 

(純資産)

当中間連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ344,767千円増加し、9,715,062千円となりました。これは主に、中間純利益480,217千円の計上、自己株式38,749千円の減少があったほか、剰余金の配当168,716千円があったこと等によるものであります。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前年同期に比べ1,842,833千円減少し、当中間連結会計期間末において2,339,365千円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において営業活動の結果増加した資金は、前年同期に比べ518,621千円増加し、895,803千円となりました。これは主な資金獲得要因として、前年同期と比較して税金等調整前中間純利益443,807千円の増加、未払金及び未払費用の増減額47,960千円の増加、未払消費税等の増減額162,612千円の増加があったほか、主な資金支出要因として、売上債権の増減額12,111千円の増加、棚卸資産の増減額30,545千円の増加、前受収益の増減額29,327千円の減少法人税等の支払額49,295千円の増加があったこと等によるものであります。 

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において投資活動の結果減少した資金は、前年同期に比べ2,124,282千円増加し、2,483,443千円となりました。これは主な資金支出要因として、前年同期と比較して無形固定資産の取得による支出101,867千円の増加定期預金の預入による支出2,000,000千円の増加があったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当中間連結会計期間において財務活動の結果減少した資金は、前年同期に比べ904千円減少し、304,591千円となりました。これは主な資金支出要因として、前年同期と比較して長期借入金の返済による支出1,290千円の減少があったほか、主な資金獲得要因として、自己株式の売却による収入242千円の減少があったこと等によるものであります。

 

(2)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は17,429千円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。