第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は「アイディアとテクノロジーで革新的なサービスを提供し、便利で楽しい、みんながハッピーになる社会を創る。」というミッションを掲げております。当社は全ての人々の幸せな未来の生活を想像し、アイディアとテクノロジーでサービスを創造し、提供することで社会的課題を解決し、みんながハッピーでいられる社会を実現してまいります。当社は、このミッションに基づく事業活動が社会に貢献し、ひいては企業価値の最大化につながると考えております。

 

(2)経営戦略等

当社は、「メッセージングサービス事業」と「データセキュリティサービス事業」を安定成長事業として収益の基盤をつくり、「キャッシュレスサービス事業」を高成長事業として中長期的な収益拡大を目指す方針であります。

各事業におきまして、顧客との年間契約に基づきサービスを提供しており、月額利用料、決済額に応じた手数料、その両方もしくは年間ライセンス料というリカーリングビジネスによる継続的な売上を得ることを最重要の戦略と位置付けております。これらの収益が占める割合は、2021年8月期で総売上の70.2%を占め、その他の29.8%は、初期費用、物品販売、受託開発等で構成されております。本割合につきまして、2019年10月から2020年6月まで経済産業省が実施したキャッシュレス・消費者還元事業に伴う、当社顧客へのサポート業務に対する一時的な売上が発生したことにより、その他の割合が前事業年度と比較し増加しております。

当社のリカーリングビジネスの拡大のために、以下の開発を計画しております。

① より大規模なビジネスに対応できるよう、データ処理能力の向上及び原価低減を目的としたパブリッククラウドサーバ(注)を活用したSaaS型サービスへ完全移行するための開発

② サービス連携パートナー等の他社システムとの連携を容易にし、長期的に顧客がサービスを利用できるような多種多様なAPIの開発

③ 効率的な市場シェア拡大を目指したウェブ等による受発注システムの開発

④ チャージバック等のサービスラインナップ拡充のための開発

2020年8月期から中期経営計画のビジョン「キャッシュレスの、その先へ」を全従業員で共有し、リカーリングビジネスの中でも、特に「キャッシュレスサービス事業」に経営資源を集中し拡大を図っております。上記の開発計画を推進することにより、小規模な個店向けに即日サービス提供が可能となり、また月間数千億円規模の決済を伴う大規模顧客にも対応できるようにすることで、業績の拡大を図ってまいります。

(注)パブリッククラウドサーバとは、広く一般のユーザーや企業向けにクラウドコンピューティング環境をインターネット経由で提供するサービスのことを指します。サーバや通信回線等を調達・所有する必要がなくなり、クラウド事業者が提供する仮想化されたサーバやネットワーク等のクラウドリソースを必要なときに、必要な分だけ利用することができます。スケールアウトやスケールインを自由自在にリアルタイムで変更できる利点があり、急なアクセス数の増加や会員数の増減にあわせて最適なITリソースを確保することが可能であります。

 

(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

各事業の目標達成状況を判断するための客観的な指標は下記のとおりであります。

事業

客観的な指標

キャッシュレスサービス事業

・ハウス電子マネー決済額:店舗等でエンドユーザーが支払った金額

・顧客数:当社のサービスを利用する顧客社数

・エンドユーザー数:当社がデータベースとして管理する、エンドユーザーが保有する店舗の会員カード等に付されたIDの累計数

メッセージングサービス事業

・・解約率:当月に解約となったリカーリング売上÷月初のリカーリング売上×100

・・3年以上継続取引者数:当社のサービスを3年以上継続的に利用する顧客社数

データセキュリティサービス事業

・・解約率:当月に解約となったリカーリング売上÷月初のリカーリング売上×100

 

 

(4)経営環境

高成長事業として位置付けております「キャッシュレスサービス事業」に関連する「国内プリペイド決済市場予測」(注1)は、2025年には20兆1,865億円市場に成長すると予測されております。当社の「point+plus」が属するサーバ型前払式支払手段は、今後「Felica」(注2)等に代表される非接触IC電子マネーよりも成長し、2025年に向けて2020年比176.2%の成長が見込まれ、全プリペイド決済額の56.3%にあたる11兆3,589億円になると予想されております。

また、経済産業省は、2025年までにキャッシュレス決済比率を40%程度とし、将来的には世界最高水準の80%を目指す(注3)としております。

安定成長事業として位置付けております「メッセージングサービス事業」に関連する国内メール送信市場は、2019年度は7.7%増、2020年度予測も8.3%増と安定した成長が見込まれております(注4)。

「データセキュリティサービス事業」は、デジタルトランスフォーメーションの促進、高度サイバー攻撃に対するセキュリティ対策、2022年4月に施行予定の改正個人情報保護法の対応に向けて、国内セキュリティ市場は緩やかに成長すると予測されております(注5)。企業における個人情報は、改正個人情報保護法、JIS Q 15001 2017(新JIS)、改正割賦販売法、PCI DSS(注6)等の新たに制定された法律、規格や基準でより厳格な管理を求められており、今後も底堅いニーズがあると考えられております。

なお、新型コロナウイルス感染症が当社の経営環境に与える影響は、現時点では限定的なものではありますが、継続して注視してまいります。「キャッシュレスサービス事業」は、主に新型コロナウイルス感染症による業績への影響が限定的であった地域密着型のスーパーマーケット等へサービスを提供しており、「メッセージングサービス事業」は月額利用料及び年間ライセンス料、「データセキュリティサービス事業」は年間ライセンス料にて提供していることから、足元での主力事業の業績への影響は軽微な状況であります。

(注)1.出典:2019年9月株式会社インフキュリオン カード・ウェーブ編集部発行「電子決済総覧2019-2020」

2.「Felica」とは、ソニー株式会社が開発した非接触型ICカードの技術方式、及び同社の登録商標であります。交通系電子マネーやコンビニエンスストア等が発行する電子マネー等で利用されております。

3.出典:2018年経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」

4.出典:2021年1月株式会社アイ・ティ・アール発行「メール/Web マーケティング市場2021」

5.出典:2021年6月特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会 「国内情報セキュリティ市

場2020年度調査報告」

6.PCI DSSとは、Payment Card Industry Data Security Standardの略で、世界的に統一されたクレジットカード情報保護のためのセキュリティ対策フレームワークを指します。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社が対処すべき主要な課題は、以下の項目と認識しております。

① 成長サービスにおける新たなビジネスモデルによる業績拡大

「キャッシュレスサービス事業」は、今後も市場規模が拡大すると予測されており、大手企業の参入等による競争激化が見込まれます。そのような環境においても当社が継続的に業績を拡大するために、ハウス電子マネーの強みを活かしたビジネスの多様化を検討しております。例えば、電子ギフト対応により、発行額に応じた手数料を得たり、消費者の利便性を高めるため汎用の電子マネーとのシステム連携を計画したり、メーカーの販売促進支援として、エンドユーザーが特定商品をハウス電子マネーで購入すると、購入者に相応の電子マネーが付与され、当社は当該取扱手数料を得ることができるチャージバックシステムの開発を業務提携先である東芝テック株式会社と推進する等、新しいビジネスモデルの展開も積極的に検討し、業績の拡大を図ってまいります。

 

② 優秀な人材の確保

当社の収益の源泉は、サービスの企画力であり、その企画を最新のテクノロジーで具現化する開発力及び保守運用力であります。これを維持・発展させるためには、当社のミッションに共感し、高い意欲を持った優秀な人材を数多く確保することが不可欠であります。高度な企画力、開発力及び運用力を持つ優秀な人材を積極的に採用し、人材の定着率を高めるために、従業員にとって働きやすい環境づくりに取り組んでおります。具体的には、自席だけでなく、オープンスペースでの執務環境の提供や従業員の自主性を尊重したコアタイムの無いフルフレックスタイム制や裁量労働制を採用することで、柔軟な働き方を支援しております。

 

③ 営業力の強化及び拡大

自社の営業力だけではなく、代理店やサービス連携パートナー企業等を活用した営業力の更なる強化が必要と考えております。また、ウェブを活用したサービス提供も予定しており、顧客のサービス利用開始までの期間を短縮し、効率の良い販売及びサービス提供による売上の拡大にも努めてまいります。

 

④ システムの安定性の確保

当社は、インターネットを利用して顧客にサービスを提供しているため、システムの安定稼働が必要不可欠であります。このため、顧客の増加に合わせサーバの処理能力を増強する施策を継続的に実施し、システムの安定性の確保に努めてまいります。また、パブリッククラウドサーバの利用を積極的に推進することで、データ量の増加にもフレキシブルな対応が可能となり、ディザスタリカバリー(注)による安全性も担保しやすくなります。

(注)ディザスタリカバリーとは、地震や津波等の天災や、テロ、不正侵入等によりシステムが壊滅的な状況になった際に効率的、かつダウンタイムを最小限にして復旧・修復すること、また、その災害に備えたシステムや体制を指します。

 

⑤ 個人情報管理体制の強化

GDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)等による世界的な個人情報管理の規制強化を背景に、個人情報を保有する法人の情報管理の実効性強化が求められております。当社では、2008年8月に一般財団法人日本情報経済社会推進協会のプライバシーマークを取得する等、個人情報保護に努めておりますが、更に今後は、「キャッシュレスサービス事業」の拡大に合わせて、PCI DSSに準拠したシステム開発を行い、セキュリティ基準の認定取得を計画しております。

 

⑥ 内部管理体制の強化

当社は、今後も更なる業容拡大を図るため、成長段階に沿った内部管理体制の強化が必要と認識しております。内部統制に基づき業務プロセスの整備を行い、業務を有効的かつ効率的に行ってまいります。また、内部管理体制を充実させるために、研修や社内勉強会等を開催し、内部統制及びコンプライアンスの強化に努めております。

 

⑦ 従業員教育等の支援強化

個々の従業員がミッションやビジョンを理解し、委譲された権限を適切に執行し、あらゆる製造原価、販売管理費の投資対効果を最大化させることができるよう、継続した従業員教育を行っております。一人ひとりが、新しい事業を生み出し、更には起業できるような人材を育成することが、当社の収益拡大につながると考えております。その他にも、外部の優秀な人材及び企業との交流を促進するために、従業員による自主的なイベントの開催等を支援しております。その成果の一つとしては、社外との交流イベントを通じ、社員のブロックチェーン技術の知識が向上したことで個人間コイン流通サービスの開発につながり、実証実験の実施にまでこぎつけた事例があげられます。

 

2【事業等のリスク】

本書に記載した事業及び財務、経理の状況等に影響を及ぼす事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討していただく必要があります。

なお、記載のうち将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しており、実際の結果と異なる可能性があります。

 

(1)事業環境に関するリスクについて

① 新型コロナウイルス感染症拡大の影響

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動の停滞が懸念される中、ワクチン接種や治療薬の開発等が進 み、今後、世界的な経済活動が徐々に正常化に向かうことが期待されております。当社におきましては、新型コロナウイルス感染症対策として、従業員に徹底した衛生管理を呼びかけ、在宅勤務やオフピーク通勤を推奨する等、柔軟かつ迅速に対応しながら事業活動を継続しております。しかしながら、当社において大規模な感染が発生した場合や国又は地方自治体から自粛・休業要請があった場合等には、事業活動が制限されるリスクがあります。当社は、引き続き状況を注視し、従業員及び顧客企業をはじめとするあらゆるステークホルダーの安全と健康を守ることを念頭に、必要と判断した場合において事業運営の変更等、更なる措置を講じる可能性があります。

また、新型コロナウイルス感染症拡大が長期化することにより、経済活動全体が停滞し、当社顧客の業績が悪化した場合には、当社の事業活動に支障をきたすおそれがあり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社は、不測の事態に備え、株式会社りそな銀行と2億円を借入上限枠としたコミットメントライン契約を締結しております。また、株式会社三井住友銀行及び日本生命保険相互会社よりそれぞれ5千万円の借入を実行しておりますが、現時点で十分な現預金を保有しており、返済が滞るような状況にはありません。

 

② インターネットの利用環境について

当社の事業の多くは、インターネット関連事業であり、インターネットの利用環境の安定性・継続性は当社の事業の基本的な条件であります。今後、インターネットの利用に関する新たな規制の導入や技術的障害の発生、その他予期せぬ要因により、インターネットの利用環境が変化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ SaaS型サービスへの依存について

当社では「キャッシュレスサービス事業」及び「メッセージングサービス事業」において、ソフトウエアやアプリケーションをインターネット経由で提供する、SaaS型サービスを提供しております。

当社では顧客のニーズに合ったSaaS型サービスを継続的に開発することで優位性を高めております。しかしながらSaaS型サービスの新規参入の技術的な障壁は必ずしも高いとは言えず、資金力、ブランド力を有する大手企業をはじめとする競合他社により類似したサービスが開発され、価格競争が激化した場合や、より画期的なコンセプトをもった商品及びサービスが市場に出現した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 技術革新への対応について

当社が属するインターネット業界においては、新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており、変化の激しい業界となっております。そのため、常に新しい技術要素をITエンジニアに習得させておりますが、何らかの理由で技術革新への対応が遅れた場合、当社が提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。

また、新技術への対応のため、予定していないシステムへの投資が必要となった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクを回避するためにITエンジニアの通年採用や資格取得補助等を実施しております。

⑤ システムトラブルについて

当社の「キャッシュレスサービス事業」と「メッセージングサービス事業」では、データセンター内のクラウド環境及び通信ネットワークの保守・運用・管理を外部に依存しております。安定的なサービス提供のため、複数のサーバによる負荷分散、設備の増強や定期的なバックアップの実施等を図り、システム障害を未然に防ぐべく取り組んでおります。加えて、障害が発生した場合を想定した定期的な防災訓練の実施、アクセスログチェック機能やソフトウエア障害を即時にスタッフに通知する仕組み、顧客が閲覧できる障害掲示板の提供を行っております。また、外部からの不正アクセスの回避対策等を行っておりますが、以下のようなシステム障害が発生した場合には、信用失墜や損害賠償による損失が生じる等、当社の事業及び業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

a)サービス提供を行っているコンピュータシステムへの急激なアクセスの増加や、電力供給停止等の予測不可能な要因によって当該コンピュータシステム及び周辺システムがダウンした場合。

b)コンピュータウイルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合。

c)従業員の過誤等によって、当社の提供サービスのプログラムが書き換えられたり、重要なデータが削除されたり等した場合。

このようなリスクをできる限り回避するため、パブリッククラウドへの完全移行のための開発を推進しております。

 

⑥ キャッシュレスの市場拡大について

2018年経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」のとおり、政府としてキャッシュレス市場拡大を推進しておりますが、景気悪化のほか、紛争、事件、事故、災害、異常気象、感染症の蔓延、法規制の変更等の要因により、キャッシュレス市場の低迷やキャッシュレスサービス事業者又はその顧客の事業の見直しの必要が生じた場合には、高成長事業と位置付けております「キャッシュレスサービス事業」の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、「キャッシュレスサービス事業」は、経済環境の変化及び雇用情勢の悪化に起因する個人消費低迷の影響を受けるほか、消費税率の引上げ、所得税率の引上げ及び社会保険料の負担増加等により、個人の消費に対する心理的抑制が働いた場合、ハウス電子マネー決済額が減少する恐れがあり、「キャッシュレスサービス事業」の業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 主要な事業活動の前提となる事項について

当社は、「メッセージングサービス事業」において、総務省に対し電気通信事業法に基づく届出電気通信事業者(旧一般第二種電気通信事業者)の届出(届出番号 A-30-16777)を行い、他人の通信の媒介を行っております。これにより当社には、通信の秘密の確保等の義務が課せられております。当該届出には有効期間の定めはなく、取消の事由もありませんが、通信の秘密の確保に支障があると認められ、総務省より業務改善命令を受けた場合、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、現時点において、電気通信事業に係る規制の強化等が行われるという情報はありませんが、社会情勢の変化等により規制の強化等が行われた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 法的規制について

当社の「キャッシュレスサービス事業」を利用する顧客は、資金決済に関する法律に準拠し、ハウス電子マネーやポイントをエンドユーザーへ提供しております。現時点において、同法による規制の強化等が行われるという情報はありませんが、社会情勢の変化等により、規制の強化等が行われ、顧客が同法に対応するための負担が増加した場合、顧客が引き続きハウス電子マネーを提供することへの萎縮効果を招き、結果として当社の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

当社の「メッセージングサービス事業」においては、現時点において、事業への大きな阻害要因となる法的規制はありませんが、電気通信事業法、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律及び特定商取引に関する法律が施行される等、インターネットに関する法整備が進んでおり、今後新たに関連業者を対象とした法的規制等が行われた場合、当社の業務が一部制約を受け、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の顧客の電子メール配信行為は、特定商取引に関する法律、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)等、様々な法的規制等の影響を受けます。これらの法規制等の導入・強化・改正等に対して当社の顧客が適切な対応を行わなかった場合及び当社が顧客に対し適切な対応を怠った場合は、顧客の業績が悪化する可能性があり、このような事態となった場合には、間接的に当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 自然災害等について

当社では、自然災害に備え、各事業において顧客の情報資産が格納されるデータセンターを分けて管理することでリスクを分散させております。ただし、データセンターやその周辺ネットワーク設備等に被害を及ぼす災害、事故等が発生し、情報資産の消失又はサービスの提供が維持できない状態に至った場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)事業の運営に関するリスクについて

① 特定のサービスへの依存について

当社には、「キャッシュレスサービス事業」、「メッセージングサービス事業」及び「データセキュリティサービス事業」という3つの主力サービス事業があります。「キャッシュレスサービス事業」の成長により、「メッセージングサービス事業」に対する売上面の依存度は低下傾向にあるものの、利益面では依然として依存度が高い状態にあります。今後、競合サービスとの競争激化により「メッセージングサービス事業」の利益が減少した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② サービス等の不具合によるリスクについて

高度化したソフトウエアの瑕疵を完全に解消することは一般的に不可能と言われております。当社が開発し、提供するアプリケーション、ソフトウエアやシステムにも、瑕疵がある可能性があります。今後も信頼度の高い開発体制を維持・構築してまいりますが、事業運営に支障をきたす致命的な瑕疵が発見され、適切に解決できない場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 知的財産権の管理について

当社は、事業活動を行うに当たり、第三者の特許権、商標権、著作権等の知的財産権を侵害しないよう細心の注意を払っておりますが、万が一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合、損害賠償請求やロイヤリティの支払要求、使用差止請求等が発生し、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社の権利保護のため、事業に関連する特許、商標に関して適宜出願申請しておりますが、権利の取得ができない可能性があるほか、第三者によって当社の保有する特許や商標を侵害される可能性もあります。こうした場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 情報管理体制について

当社は、提供するサービスに関連して、多数の顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため、個人情報保護方針、情報セキュリティ基本方針を定めると共に、プライバシーマークを取得し、情報資産を適切に管理し、保護しておりますが、このような対策にもかかわらず、重要な情報資産が外部に漏洩した場合には、当社の社会的信用の失墜、損害賠償請求の発生等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 人材の採用・育成について

当社が今後の業容拡大を図る上で、専門性を有する人材の採用・育成は不可欠であります。そのため、人材の採用及び育成を継続的に行っております。今後、各事業において、人材獲得競争が激化し、優秀な人材の採用が困難となる場合や、在籍している人材が大量に社外流出した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 特定の人物への依存について

代表取締役社長である岩井陽介は、経営の最高責任者として経営方針や事業戦略の決定をはじめ、当社の事業推進において重要な役割を果たしております。当社は、同氏に過度に依存しない経営体制を整備するため、取締役間の情報共有や事業部制導入による経営組織の強化を図っております。しかしながら、何らかの理由により同氏が業務を継続することが困難になった場合には、現状では、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 代理店及びサービス連携パートナーとの関係について

当社は、代理店及びサービス連携パートナーを活用した顧客への各サービスの販売力強化を図っておりますが、代理店及びサービス連携パートナーの事業展開等により、当社業績に影響を及ぼす可能性があります。また、多くの顧客と契約を締結している代理店及びサービス連携パートナーとの契約が終了した場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)その他のリスクについて

① 訴訟について

当社は、本書提出日現在において、訴訟を提起されている事実はありません。しかしながら、事業を展開する中で、当社が提供するサービスの不備、情報漏洩等の何らかの問題が生じた場合、これらに起因した損害賠償請求訴訟等の提起がなされる可能性があります。その場合、当該訴訟に対応するために費用と時間を要する可能性があるほか、当社の社会的信用が毀損され、また、損害賠償の金額、訴訟内容及び結果によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② ソフトウエア資産の減損について

当社は、今後の業容拡大を図るため、継続的にソフトウエアの開発に向けた投資を行っております。各事業の実績が事業計画を大きく下回り、期末時点での業績見通し等から、当該ソフトウエアの資産価値が著しく低下したと判断した場合には、減損損失を計上しております。このような状況になった場合、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 投資有価証券等の評価損について

当社は、投資有価証券等について、金融商品に関する会計基準等に基づき決算期毎に投資に対する適切な評価を行っております。今後、投資先の時価が著しく下落した場合や、投資先の業績の悪化等により純資産が著しく毀損した場合には、評価損が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 財務制限条項について

当社は、安定的な資金運用を図るため、金融機関から資金調達を行っておりますが、一部の金融機関との取引について、借入契約に財務制限条項が付されたものがあります。万が一、これらの条件に抵触した場合には、借入金利の上昇や期限の利益の喪失等、当社の経営成績及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社は、当社の役員及び従業員等に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。また、今後においても、新株予約権を活用したインセンティブプランを活用していく方針であります。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。

なお、本書提出日の前月末(2021年10月31日)現在における新株予約権による潜在株式数は734,600株であり、発行済株式総数6,263,500株の11.7%に相当しております。

 

⑥ 繰延税金資産について

当社は、現行の会計基準に基づき、会社分類の妥当性、将来の課税所得の十分性、将来減算一時差異の将来解消見込年度のスケジューリング等を検討した上で繰延税金資産を計上しておりますが、当社の業績や経営環境の著しい変化等により、繰延税金資産の全部又は一部に回収可能性がないと判断した場合や税率の変更を含む税制改正、会計基準等の改正等により、当該繰延税金資産は減額され、当社の経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 税務上の繰越欠損金について

当社は、2021年8月期末現在において、税務上の繰越欠損金が存在しております。当社の経営成績が順調に推移することにより、繰越欠損金が解消した場合には、通常の税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることになり、当社の業績及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)経営成績等の状況の概要

① 財政状態

(資産)

当事業年度末における資産は3,386,994千円(前事業年度末から2,332,101千円の増加)となりました。

このうち、流動資産は707,224千円(前事業年度末から137,137千円の減少)となりました。これは主として、売掛金が957千円、前払費用が2,430千円それぞれ増加し、現金及び預金が139,654千円、仕掛品が692千円それぞれ減少したことによるものであります。

固定資産は2,679,769千円(前事業年度末から2,469,239千円の増加)となりました。これは主として、ソフトウエアが147,552千円、関係会社株式が2,333,164千円それぞれ増加し、長期貸付金が15,400千円、貸倒引当金が14,995千円それぞれ減少したことによるものであります。

 

(負債)

当事業年度末における負債は2,076,882千円(前事業年度末から1,442,610千円の増加)となりました。

このうち、流動負債は576,882千円(前事業年度末から57,389千円の減少)となりました。これは主として、買掛金が30,671千円、1年内返済予定の長期借入金が200,000千円、未払法人税等が24,229千円それぞれ増加し、前受金が12,879千円、預り金が295,107千円それぞれ減少したことによるものであります。

固定負債は1,500,000千円(前事業年度末から1,500,000千円の増加)となりました。これは、長期借入金が1,500,000千円増加したことによるものであります。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は1,310,112千円(前事業年度末から889,490千円の増加)となりました。これは、公募による増資等により資本金と資本剰余金がそれぞれ330,164千円増加し、当期純利益の計上により利益剰余金が229,211千円増加したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

当事業年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により企業活動や個人消費の停滞が長期化し、経済活動の停滞が継続しておりますが、日本国内も含め世界的にワクチン接種が進み、経済活動の再開を模索する動きも見られます。一方、米中対立が世界経済に及ぼす影響は引き続き予断を許さず、先行きは依然として不透明な状況にあります。

当社の属する情報サービス業界においては、リモートワーク推進やEC市場の成長に伴う関連事業が拡大するなど、一部では明るい兆しも見られます。

このような環境下において、当社では新たなサービス開発を進めながら、リカーリングビジネスを最重要戦略と位置づけ、顧客獲得を進めてまいりました。

その結果、当事業年度の売上高は1,461,352千円(前事業年度比21.7%増)、営業利益は305,605千円(前事業年度比123.2%増)、経常利益は280,056千円(前事業年度比97.0%増)、当期純利益は229,211千円(前事業年度比59.2%増)となりました。

 

主なセグメントの概況は以下のとおりであります。

なお、当事業年度から、各報告セグメントの業績をより的確に把握することを目的に業績管理手法を変更したことに伴い、本社費用の各セグメントに対する配賦方法の変更を行っております。前事業年度との比較については、当該変更を反映させるための組替えを行った前事業年度のセグメント情報と比較しております。

 

a)「キャッシュレスサービス事業」

「キャッシュレスサービス事業」については、消費者の購買動向が通常の水準に戻ったこと等により、スーパーマーケット等における利用額の伸びは鈍ってはいるものの、キャッシュレス決済に対するニーズは堅調に推移しております。顧客数は当事業年度末には186社(前事業年度末比10.7%増)となり、累計エンドユーザー数も12,865千人(前事業年度末比23.1%増)となりました。また、当社が取扱うハウス電子マネーの決済額は223,448,141千円(前事業年度比5.2%増)と堅調に増加いたしました。

その結果、同サービスの当事業年度の売上高は781,334千円(前事業年度比60.1%増)、セグメント利益は408,486千円(前事業年度比186.1%増)となりました。

 

b)「メッセージングサービス事業」

「メッセージングサービス事業」については、期初の解約発生の影響により、一時的に業績が落ち込んだものの、様々な販売促進施策を実施した結果、期末には解約発生前の水準に回復しております。当事業年度の月次平均解約率は0.7%(前事業年度は0.9%)、当事業年度末における3年以上継続取引社数は169社(前事業年度末は153社)となりました。

その結果、同サービスの当事業年度の売上高は513,736千円(前事業年度比2.8%減)、セグメント利益は223,236千円(前事業年度比16.6%減)となりました。

 

c)「データセキュリティサービス事業」

「データセキュリティサービス事業」については、引き続きパートナー企業を含む新規顧客開拓及び既存顧客の契約継続施策等に注力しました。当事業年度の平均解約率は0.6%(前事業年度は1.0%)となりました。

その結果、同サービスの当事業年度の売上高は118,421千円(前事業年度比13.7%減)、セグメント利益は40,398千円(前事業年度比22.7%減)となりました。

 

d)「その他の事業(ARサービス)」

「その他の事業」のARサービスについては、新型コロナウイルス感染症の影響で、様々なイベントが中止を余儀なくされたことにより、イベント関連案件が中止又は延期となり、業績が伸び悩みました。

その結果、同サービスの当事業年度の売上高は47,860千円(前事業年度比2.0%増)、セグメント損失は17,124千円(前事業年度は16,760千円のセグメント損失)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は前事業年度末と比べて139,654千円減少し、560,693千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは46,595千円の獲得(前事業年度は416,770千円の獲得)となりました。これは、主に税引前当期純利益の計上279,467千円、減価償却費32,930千円、支払手数料17,000千円、仕入債務の増加30,671千円、前受金の減少12,879千円及びその他の減少299,764千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは2,510,686千円の使用(前事業年度は42,808千円の使用)となりました。これは、主に関係会社株式の取得による支出2,333,164千円及び無形固定資産の取得による支出170,196千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは2,324,436千円の獲得(前事業年度は74,253千円の獲得)となりました。これは、主に長期借入れによる収入1,683,000千円及び株式の発行による収入660,329千円によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a)生産実績及び受注実績

当社が提供するサービスの性質上、生産実績及び受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。

 

b)販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2020年9月1日

至 2021年8月31日)

前年同期比(%)

キャッシュレスサービス事業  (千円)

781,334

160.1

メッセージングサービス事業  (千円)

513,736

97.2

データセキュリティサービス事業(千円)

118,421

86.3

その他の事業(ARサービス) (千円)

47,860

102.0

合計(千円)

1,461,352

121.7

(注)1.セグメント間の取引はありません。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自  2019年9月1日

至  2020年8月31日)

当事業年度

(自  2020年9月1日

至  2021年8月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ブルーチップ株式会社

242,402

20.2

406,317

27.8

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この財務諸表の作成に当たりましては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。これらの見積りにつきましては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、不確実性を伴うため、実際の結果はこれらとは異なる場合があります。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」及び「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

② 経営成績の分析

a)売上高

当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ260,273千円増加し、1,461,352千円(前事業年度比21.7%増)となりました。これは主に「キャッシュレスサービス事業」の売上高が増加したことによります。

b)売上原価、売上総利益

当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ7,084千円増加し、434,708千円(前事業年度比1.7%増)となりました。これは主に成長事業の「キャッシュレスサービス事業」への投資を加速したことによります。この結果、売上総利益は、前事業年度に比べ253,189千円増加し、1,026,643千円(前事業年度比32.7%増)となりました。

c)販売費及び一般管理費、営業利益

当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度から84,476千円増加し、721,038千円(前事業年度比13.3%増)となりました。これは主に労務費の増加、上場及び関連会社株式取得に伴う業務委託費等が増加したことによります。この結果、営業利益は、前事業年度に比べ168,712千円増加し、305,605千円(前事業年度比123.2%増)となりました。

d)営業外損益、経常利益

当事業年度における営業外収益は10,054千円となりました。これは主に助成金収入及び株式会社VARCHAR(現 株式会社SYSTEM CONCIERGE)からの貸付金返済に伴う貸倒引当金戻入額を計上したことによります。一方、営業外費用は35,603千円となりました。これは主に関連会社株式取得のための金融機関からの借り入れに伴う手数料及び上場関連費用の計上によります。この結果、経常利益は、前事業年度から137,917千円増加し、280,056千円(前事業年度比97.0%増)となりました。

e)特別損益、当期純利益

当事業年度における特別損失は588千円となりました。これは、社内の音響設備刷新に伴い、旧設備の除却損を計上したことによります。この結果、税引前当期純利益は、前事業年度から137,635千円増加し、279,467千円(前事業年度比97.0%増)となりました。また、法人税、住民税及び事業税34,506千円、法人税等調整額15,749千円を計上した結果、当期純利益は、前事業年度から85,249千円増加し、229,211千円(前事業年度比59.2%増)となりました。

 

③ 経営成績等の重要な影響を与える要因について

「2 事業等のリスク」に記載のとおり、市場動向、競合他社、人材の確保・育成等様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、常に当社は市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保するとともに、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社の運転資金需要のうち主なものは、人件費、業務委託費、通信費(外部サーバ費)等があります。運転資金は、主として内部資金及び借入金により調達しております。

当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は560,693千円であり、また、貸出コミットメント契約締結と合わせ、当社の事業を推進していく上で十分な流動性を確保していると考えております。

 

⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しておりますとおり、当社は、事業毎に定める指標を重要な経営指標と位置付けております。2021年8月期におきましても、当該指標の達成状況に関して一定の評価をしておりますが、今後も株主価値向上のための経営施策を実施してまいります。

a)「キャッシュレスサービス事業」

「キャッシュレスサービス事業」については、2019年10月1日に開始されたキャッシュレス・消費者還元事業の成果に加え、主に中小のスーパーマーケットチェーンへの導入が進み、導入企業、ハウス電子マネー決済額が増加いたしました。

「キャッシュレスサービス事業」において、収益に関連するハウス電子マネー決済額について実績推移を記載いたします。

<ハウス電子マネー決済額の四半期推移について>

 

2019年8月期

2020年8月期

2021年8月期

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

ハウス電子マネー決済額

(百万円)

19,238

22,573

22,793

23,936

39,906

55,221

60,913

56,465

52,741

57,281

56,350

57,076

対前四半期

成長率(%)

117.0

117.3

101.0

105.0

166.7

138.4

110.3

92.7

93.4

108.6

98.4

101.3

 

当社は、「キャッシュレスサービス事業」を高成長事業と位置付けており、ハウス電子マネー決済額の増加と共に、決済手数料売上も増加し、成長すると考えております。ただし、決済手数料については、顧客毎に決済額に対する決済手数料の算定条件が異なるため、ハウス電子マネーによる決済額の増減と完全に一致はいたしません。

また、2021年8月期末時点での顧客数は186社(前事業年度末比10.7%増)、累計エンドユーザー数は約12,865千人(前事業年度末比23.1%増)となっております。

 

b)「メッセージングサービス事業」

「メッセージングサービス事業」については、当社の既存顧客への安定的なサービス提供に加え、データマーケティングサービスを提供する顧客に採用されましたが、売上高は横ばいとなっております。

「メッセージングサービス事業」において、当事業年度の月次平均解約率は0.7%(前事業年度は0.9%)、当事業年度末における3年以上継続取引社数は169社(前事業年度末は153社)となりました。

 

当社は、「メッセージングサービス事業」を安定成長事業と位置付けており、解約率及び3年以上継続取引社数を指標とし、顧客にとって長期的に利用したいサービスとなっているのかを判断しております。また、当事業年度末時点の取引先数は211社(前事業年度末は206社)、1取引先当たりの平均月次売上高は206千円(前事業年度は200千円)となっております。

 

c)「データセキュリティサービス事業」

「データセキュリティサービス事業」では、個人情報を多数保有する企業を中心に営業活動を展開いたしましたが、個人情報保護に対する意識は依然として高いものの、当社の主力サービスがターゲットとしている市場は、やや落ち着いた状態となっており、売上高は伸び悩んでいる状況であります。

「データセキュリティサービス事業」において、当事業年度の平均解約率は0.6%(前事業年度は1.0%)となりました。

 

当社は、「データセキュリティサービス事業」を安定成長事業と位置付けており、解約率を指標とし、顧客にとって長期的に利用したいサービスとなっているのかを判断しております。また、当事業年度末時点の取引社数は55社(前事業年度は55社)、1取引先当たりの平均月次売上高は179千円(前事業年度は208千円)となっております。

 

d)「その他の事業(ARサービス)」

「その他の事業」のARサービスでは、既存の「ARAPPLI」並びに米国Meta社(旧Facebook社)が提供する「Facebook」及び「Instagram」上で提供する「Spark AR」のコンテンツ制作等の受注を推進いたしましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるイベントの中止等により、売上高は伸び悩みました。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)当社は、JNSホールディングス株式会社及びスタジオプラスコ株式会社と、2021年8月25日付でそれぞれ株式会社バリューデザイン株式取得に係る「株式譲渡契約」を締結し、同社を持分法適用関連会社といたしました。

 

(2)当社は株式会社バリューデザインの株式取得に係る資金へ充当することを目的として2021年8月25日に資金の借入を実行しましたなお契約の概要は以下のとおりであります

① 借入先       株式会社みずほ銀行

② 借入金額      1,700,000千円

③ 借入利率      TIBOR+スプレッド

④ 借入実行日     2021年8月25日

⑤ 返済期限      借入実行日から2年

⑥ 担保提供資産    関連会社株式

⑦ 保証内容      該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。