当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、記録的な円安ドル高等の厳しい外部環境の影響により、前連結会計年度において、多額の営業損失を計上し、当第1四半期連結累計期間においても236百万円の営業損失を計上したこと、また、前連結会計年度において一部の当座貸越枠について財務制限条項に抵触したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しています。このような状況を解消すべく、取引金融機関と協議を行い、財務制限条項に係る期限の利益喪失を請求できる権利について、当該金融機関が放棄することの合意が得られています。加えて、現状の経営環境や売上水準でも利益を創出できるよう、売上総利益率の改善(製造コスト低減・価格改定による利幅の改善)、固定費の圧縮(売上規模に対応した組織・人員体制の再構築)及び家電カテゴリー製品の積極的な展開(国内外における製品ラインナップの拡大)を経営戦略として掲げ、各施策についてすでに着手しています。
以上のことから、当社グループにおいては、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しています。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
当第1四半期連結累計期間(2024年1月1日~3月31日)の連結業績は、売上高が2,359百万円(対前年同期比1.9%減)となりました。営業損失は236百万円(前年同期より180百万円の改善)、経常損失は160百万円(前年同期より194百万円の改善)となり、いずれも四半期としては2022年12月期第3四半期連結会計期間以来の損益改善となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失は160百万円(前年同期より983百万円の改善)となり、四半期としては2021年12月期第4四半期連結会計期間以来の損益改善となりました。
当第1四半期連結累計期間においては、2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行したことによる家計消費の外向け需要へのシフトや、物価上昇による実質賃金の減少等、生活家電を製造販売する当社にとっては厳しい外部環境が続きました。そのような環境下、当社は当連結会計年度の黒字転換実現のため、「売上総利益率の改善」「固定費の圧縮」「家電カテゴリー製品の積極的な展開」を経営戦略に掲げ、諸施策を推進しました。
売上総利益率の改善:当社は、原材料価格の高止まりや継続する円安基調等の厳しい外部環境に対応し、新製品及び既存製品の製造コストの低減、並びに、適切な価格設定による適正な利幅の確保に取り組んでいます。
2月には、独自の温度制御による絶妙な火入れで、手軽に、驚きのおいしさをお届けするリベイクトースター「ReBaker」発売しました。また、サーキュレーター「GreenFan Cirq」「GreenFan C2」の価格改定を実施しました。前連結会計年度においても、適正な利幅を確保した新製品及びリニューアル製品を発売しており、これらの製品の販売拡大等により、当第1四半期連結累計期間の売上総利益率は、円安が進行する中においても前年同期の31.1%から31.3%に改善しました。第2四半期連結会計期間となる4月には、革新的で美しいオールシーズンファン「GreenFan Studio」を発売、加えて、小さくて美しい電気ケトル「BALMUDA The Pot」においては、3月にロゴ色を刷新した新型番モデルの出荷を開始したことに合わせて価格改定を実施、5月には新色シルバーを発売しました。いずれも適正な利幅を確保した製品として、売上総利益率の更なる改善に寄与する見込みです。
固定費の圧縮:当社は、2023年5月に決定した携帯端末事業の終了や昨今の業績を踏まえて、前連結会計年度から組織・人員体制の再構築を推進してきました。その結果、総人員数(派遣社員、アルバイトを含む)は、2022年12月末の213名から、当第1四半期連結累計年度末には145名となり、当第1四半期連結累計期間における人件費は、前年同期に対して111百万円の減少となりました。その他の経費も適正化を推し進め、当第1四半期連結累計期間における、人件費を含む販売費及び一般管理費は、前年同期に対して191百万円(16.4%)の減少となりました。
家電カテゴリー製品の積極的な展開:当社は、新たな体験価値を提供すべく国内外で製品ラインナップを拡大しました。国内においては2月に「ReBaker」を発売しました。加えて、第2四半期連結会計期間となる4月には「GreenFan Studio」、5月には「BALMUDA The Pot」の新色シルバーを発売しました。
海外においては、韓国で「BALMUDA The Toaster Pro(サラマンダー機能つきスチームトースター)」と「BALMUDA The Plate Pro(ステンレス ホットプレート)」を1月に発売しました。第2四半期連結会計期間となる4月には、韓国において「GreenFan Studio」を、中国において「BALMUDA The Range(オーブンレンジ)」を発売しました。
前述のような諸施策を推進した結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は、厳しい外部環境下において、前年同期と概ね同水準の実績となりました。営業損失及び経常損失については、前述の施策の効果による売上総利益率の改善と販管費の削減により、前年同期に対して改善しました。親会社株主に帰属する四半期純損失については、経常損失の改善に加え、前年同期に携帯端末事業の終了決定に伴う特別損失、及び法人税等調整額を計上していたことにより大幅な改善となりました。
国内においては、新製品及びリニューアルモデルの投入により、前年同期に対して売上高が増加しました。海外においては、前年同期に韓国向けに新製品を出荷したことによる反動や前年出荷時期とのずれ等により、売上高が減少しました。
製品カテゴリー別では、前第4四半期連結会計期間及び当第1四半期連結累計期間に新製品(BALMUDA The Plate Pro」「ReBaker」)を投入したこと、並びに、前第2四半期連結会計期間にリニューアルした「BALMUDA The Range」の売上伸長等により、当社の主力カテゴリーであるキッチン関連の売上高が前年同期に対して17.6%増加しました。
なお、当社グループは家電事業のみの単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。
(資産)
第1四半期連結累計期間末における資産合計は7,141百万円となり、前連結会計年度末と比べて662百万円減少しました。
流動資産は6,285百万円(前連結会計年度末比608百万円減)となり、これは売掛金が665百万円減少したことなどによるものです。固定資産は856百万円(前連結会計年度末比53百万円減)となり、これは主に製品の金型に係る償却等によるものです。
(負債)
当第1四半期連結累計期間末における負債合計は3,024百万円となり、前連結会計年度末と比べて513百万円減少しました。
流動負債は2,799百万円(前連結会計年度末比410百万円減)となり、これは主に買掛金が337百万円、未払金が219百万円減少、短期借入金が250百万円増加したことなどによるものです。固定負債は225百万円(前連結会計年度末比103百万円減)となり、これは長期借入金が103百万円減少したことによるものです。
(純資産)
当第1四半期連結累計期間末における純資産合計は4,117百万円となり、前連結会計年度末と比べて148百万円減少しました。これは主に利益剰余金が160百万円減少したことなどによるものです。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
当第1四半期連結累計期間における研究開発費の総額は34百万円です。なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。