第一部 【企業情報】

 

第1 【企業の概況】

 

1 【主要な経営指標等の推移】

(1) 連結経営指標等

回次

第18期

第19期

第20期

第21期

第22期

決算年月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

2024年12月

売上高

(百万円)

12,587

18,379

17,595

13,011

12,462

経常利益又は経常損失(△)

(百万円)

1,252

1,462

14

1,237

94

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

(百万円)

834

1,015

3

2,071

67

包括利益

(百万円)

834

1,015

6

2,063

77

純資産

(百万円)

4,760

6,292

6,312

4,265

4,349

総資産

(百万円)

9,113

10,881

9,907

7,803

6,182

1株当たり純資産

(円)

615.40

755.63

753.15

505.37

513.93

1株当たり当期純利益又は

1株当たり当期純損失(△)

(円)

127.29

122.81

0.36

245.68

7.92

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

124.86

119.93

0.36

7.91

自己資本比率

(%)

52.2

57.8

63.7

54.7

70.4

自己資本利益率

(%)

25.7

18.4

0.0

39.2

1.6

株価収益率

(倍)

38.5

34.0

7,184.2

105.7

営業活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

1,582

3,238

840

246

1,348

投資活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

421

964

621

371

205

財務活動による
キャッシュ・フロー

(百万円)

2,046

738

5

44

1,008

現金及び現金同等物
の期末残高

(百万円)

4,452

1,000

1,246

1,167

1,345

従業員数
(外、平均臨時雇用者数)

(名)

110

147

168

137

100

(3)

(7)

(10)

(8)

(6)

 

(注)1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第20期の期首から適用しており、第20期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。

2.第21期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため、記載していません。

3.当社は、2020年12月16日に東京証券取引所マザーズ市場へ上場したため、第18期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、新規上場日から第18期の末日までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しています。

4.第21期の株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため、記載していません。

5.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しています。

 

 

(2) 提出会社の経営指標等

回次

第18期

第19期

第20期

第21期

第22期

決算年月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

2024年12月

売上高

(百万円)

12,546

18,368

17,576

12,996

12,433

経常利益又は経常損失(△)

(百万円)

1,235

1,457

12

1,233

91

当期純利益又は
当期純損失(△)

(百万円)

822

1,013

2

2,067

64

資本金

(百万円)

1,149

1,407

1,414

1,423

90

発行済株式総数

(株)

7,735,000

8,327,000

8,382,900

8,443,900

8,466,400

純資産

(百万円)

4,744

6,274

6,291

4,241

4,311

総資産

(百万円)

9,093

10,860

9,888

7,803

6,153

1株当たり純資産

(円)

613.42

753.57

750.65

502.46

509.44

1株当たり配当額
(1株当たり中間配当額)

(円)

(―)

(―)

(―)

(―)

(―)

1株当たり当期純利益又は
1株当たり当期純損失(△)

(円)

125.42

122.62

0.27

245.12

7.58

潜在株式調整後
1株当たり当期純利益

(円)

123.03

119.74

0.27

7.56

自己資本比率

(%)

52.2

57.8

63.6

54.4

70.1

自己資本利益率

(%)

25.4

18.4

0.0

39.3

1.5

株価収益率

(倍)

39.1

34.1

9,577.8

110.4

配当性向

(%)

従業員数
(外、平均臨時雇用者数)

(名)

110

147

168

137

100

(3)

(7)

(10)

(8)

(6)

株主総利回り

(%)

85.3

53.1

26.9

17.1

(比較指標:東証グロース指数)

(%)

(―)

(82.6)

(61.0)

(59.0)

(53.8)

最高株価

(円)

6,250

10,610

4,255

2,614

1,479

最低株価

(円)

3,850

3,945

2,600

1,252

824

 

(注)1.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第20期の期首から適用しており、第20期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっています。

2.1株当たり配当額については、配当を実施していないため記載していません。

3.第21期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式は存在するものの、1株当たり当期純損失であるため、記載していません。

4.第21期の株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため、記載していません。

5.配当性向については、配当を実施していないため記載していません。

6.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しています。

7.2020年12月16日に東京証券取引所マザーズ市場へ上場したため、第18期の株主総利回り及び比較指標については記載していません。第19期以降の株主総利回り及び比較指標は、2020年12月期末における最終の株価を基準として算定しています。

8.最高株価及び最低株価は、2022年4月4日より東京証券取引所(グロース市場)における株価を記載しており、それ以前は東京証券取引所(マザーズ市場)における株価を記載しています。なお、2020年12月16日に同取引所へ上場したため、それ以前の株価については記載していません。

 

2 【沿革】

当社代表取締役社長の寺尾玄は、高校中退後、約1年をかけて地中海沿岸の国々を1人で回り、帰国後、音楽活動を開始し、10年以上にわたり音楽活動に従事しました。その後、独学で知識と技術の習得を行い、2003年3月、デザインとテクノロジーの融合による製品を通じた体験を社会に届けることを目的に、現在のバルミューダ株式会社の前身である「有限会社バルミューダデザイン」を創業しました。設立以降の沿革は、以下のとおりです。

年月

概要

2003年3月

有限会社バルミューダデザインとして、東京都武蔵野市に設立

2003年5月

ノートパソコン用冷却台「X-Base」を発売

2004年12月

パワーLEDの技術を用いたデスクライト「Highwire」を発売

2006年4月

東京都小平市に本店移転

2008年5月

金型を用いた量産製品第一弾となるデスクライト「Airline」を発売

2010年4月

DCブラシレスモーターを搭載した扇風機「GreenFan」を発売

2011年3月

株式会社へ組織変更し、バルミューダ株式会社に改組

2011年11月

サーキュレーター「GreenFan Cirq」を発売

2012年7月

韓国への製品販売を開始。以降、東アジア(中国、台湾、香港)へ順次展開

2012年10月

Wファン構造による空気清浄機「JetClean」を発売

2013年2月

ドイツに連結子会社「BALMUDA Europe GmbH」を設立し、欧州への製品販売を開始

2013年9月

空気清浄機「AirEngine」を発売

2013年10月

アルミラジエーター方式による暖房機「SmartHeater」を発売

2013年10月

タンクレス構造を実現した加湿器「Rain」を発売

2015年4月

東京都武蔵野市に本店移転

2015年6月

スチームテクノロジーによるトースター「BALMUDA The Toaster」を発売

2016年10月

注ぎ心地を追求した電気ケトル「BALMUDA The Pot」を発売

2017年1月

蒸気の力で炊き上げる炊飯器「BALMUDA The Gohan」を発売

2017年12月

特徴的な操作音のオーブンレンジ「BALMUDA The Range」を発売

2018年10月

太陽光LEDを採用したデスクライト「BALMUDA The Light」を発売

2019年3月

航空機のジェットエンジン技術を応用した空気清浄機「BALMUDA The Pure」を発売

2019年7月

活性炭脱臭フィルター搭載のサーキュレーター「GreenFan C2」を発売

2019年10月

太陽光LEDを採用したランタン「BALMUDA The Lantern」を発売

2020年4月

北米への製品販売を開始

2020年6月

360°全方位に音が広がるワイヤレススピーカー「BALMUDA The Speaker」を発売

2020年11月

独自のホバーテクノロジーによるクリーナー「BALMUDA The Cleaner」を発売

2020年12月

東京証券取引所マザーズ市場へ株式を上場

2021年10月

ストロングな味わいとクリアな後味を両立したコーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」を発売

2021年11月

バルミューダの世界観の中で製品を体験できる旗艦店「BALMUDA The Store Aoyama」をオープン

2021年11月

4.9インチ5Gスマートフォン「BALMUDA Phone」を発売し、携帯端末事業へ参入

2022年3月

監査等委員会設置会社へ移行

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所マザーズ市場からグロース市場に移行

2022年5月

さらに軽いかけ心地を実現したホバー式クリーナー「BALMUDA The Cleaner Lite」を発売

 

 

 

 

年月

概要

2022年9月

プロの火入れを実現するトースター「BALMUDA The Toaster Pro」を発売

2023年1月

北米での販売強化を目的として、米国に連結子会社「BALMUDA North America, Inc.」を設立

2023年5月

携帯端末事業の終了を決定

2023年8月

更なる成長へ向けた取り組みとして、小型風力発電機の研究開発について発表

2023年10月

ライブキッチンのおいしさと楽しさを実現するホットプレート「BALMUDA The Plate Pro」を発売

2023年10月

屋外での性能確認と技術確立を目的として、小型風力発電機の実証実験を開始

2023年11月

東南アジア(タイ、シンガポール、マレーシア)への製品販売を開始

2024年2月

手軽に、驚きのおいしさをお届けするリベイク機能つきトースター「ReBaker」を発売

2024年4月

革新的で美しいオールシーズンファン「GreenFan Studio」を発売

2024年11月

アイコニックで美しい電気ケトル「MoonKettle」を発売

2024年11月

食卓の可能性を広げるカセットコンロ「Table Stove」を発売

 

 

 

 

3 【事業の内容】

当社グループは、当社及び連結子会社(BALMUDA Europe GmbH、BALMUDA North America, Inc.)の3社で構成されています。製品の企画、デザイン、設計、開発、国内外での製品等の販売を軸に、「家電事業」の単一セグメントで事業を展開しているファブレス(自社工場を保有せず、外部の製造工場に製品の生産を委託する)メーカーです。また、消費者に製品のコンセプトをできるだけ的確にお伝えするために、製品のプロモーションに係る写真、動画等のコンテンツについては、社内で制作しています。なお、連結子会社BALMUDA Europe GmbHは、主に欧州を中心に当社製品の販売を、BALMUDA North America, Inc.は、米国内での広告宣伝・販売促進活動を行っています。

当社が取り扱う製品の特徴については以下のとおりです。

 

・空調関連

The GreenFanは、当社グループが家電メーカーとして立ち上がる契機となった代表的な製品です。

「扇風機から自然界の風を送り出すことはできないだろうか」というアイディアを実現したのが、特徴的な二重構造の羽根です。速い風と遅い風を同時に作り出し、そしてぶつけ合わせることにより風のもつ渦をなくすことで、面で移動する空気の流れに生まれ変わります。

二重構造の羽根が作り出すのは、自然界の風と同じ、大きな面で移動する空気の流れであり、広がる風はまさに自然界の風の気持ちよさを体感することができるものです。

また、羽根面積が大きいため、通常の回転数で回すと風が出すぎてしまうことから、回転数を制御することができる「DCブラシレスモーター(※)」という、当時、それまで扇風機に使われたことのないモーターを採用しています。さらに、オプションのバッテリー&ドックを組み合わせると、自由に持ち運べるコードレス扇風機としても使用することができます。バッテリー駆動時間は最大20時間で、付属のドックの上に本体を置くだけで充電が開始されるため、持ち運びたい時にアダプターの線の抜き差しをする必要もありません。

(※)低回転で回すことができ、細かい制御も可能なうえ、消費電力が低いという特徴を持つモーター。

2010年の発売当時、数千円程度の扇風機が一般的であった市場に、3万円台の価格の製品を投入しましたが、これまでの扇風機では実現できなかった、自然界の風と同じような気持ちよさや、特徴的なデザイン(グッドデザイン賞受賞)等が高く評価され、「DC扇風機(又は高級扇風機)」というジャンルを新たに築いた製品です。

その他、水を上から注ぎ入れるだけで給水ができるタンクレス構造を実現した加湿器「Rain」、航空機のジェットエンジン等で使われるテクノロジーを応用した整流翼を使用し、大容量の空気を静かに循環させることができる空気清浄機「BALMUDA The Pure」、送風と同時に脱臭が可能なポータブルサーキュレーター「GreenFan C2」等を展開しています。

 


 

・キッチン関連

2015年に、キッチン関連製品第一弾として販売したスチームトースター「BALMUDA The Toaster」は、簡単においしいトーストを作ることができるトースターで、当社グループを代表する製品です。

開発のきっかけは、会社近くの公園で行った土砂降りの中でのバーベキュー大会でした。食パンを炭火で焼き始めたところ、表面がパリッとして中に水分が残ることにより、これまでにない食感となり、この味の再現ができれば、理想のトースターを開発できる、と次の日から再現実験を繰り返す試行錯誤を続けました。土砂降りの雨の中で焼いていたことから、水分がポイントになると考え、これを実現したのが、独自のスチームテクノロジーと温度制御です。古くからある窯やヨーロッパの街並みなどから着想を得たモダンクラシックなデザインはグッドデザイン賞金賞を受賞しています。

その後、ハンドドリップでのコーヒーの淹れやすさを志向し、手になじむハンドルと湯切れの良いノズルを採用し、注ぎ心地を追求した電気ケトル「BALMUDA The Pot」、釜を二重にして、蒸気の力で炊き上げることで、粒立ちとほぐれの良さ、抜けるような香ばしさ、透明感のある味わいを実現する炊飯器「BALMUDA The Gohan」、これまでの電子レンジにはないギターの音色による特徴的な操作音を採用し、シンプルなデザインで使いやすい大きさにまとめた、キッチンを楽しくするオーブンレンジ「BALMUDA The Range」、精緻な温度制御、0.2ml単位の正確なドリップ、バイパス注湯による独自の抽出方法(Clear Brewing Method)でストロング&クリアな味わいを実現したオープンドリップ式コーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」、ライブキッチンのおいしさと楽しさを実現するステンレスホットプレート「BALMUDA The Plate Pro」等を展開しています。

 


 

・その他

2018年10月、手術灯のテクノロジーを基にした太陽光LEDデスクライト「BALMUDA The Light」を発売しました。従来の白色LEDでは失われてしまっていた本来の色を照らし出し、自然界の色に非常に近いスペクトルが特徴となる太陽光LEDを採用しており、また、光源が視界に入らないよう、前方の低い位置から斜めに手元を照らすことが可能となるフォワードビームテクノロジーを搭載した製品です。

その後、キャンドルのように揺らぐ暖色の灯りから、読書灯にも使える温白色の灯りまで、幅広い場面で活用できるバッテリー内蔵のポータブルLEDランタン「BALMUDA The Lantern」、360°全方位に広がる立体的で抜けるような気持ちよいサウンドと、グルーヴを増幅させる輝きでライブステージのような臨場感を作り出す充電式でポータブルなワイヤレススピーカー「BALMUDA The Speaker」等を展開しています。

 


 

 

事業の系統図は、以下のとおりです。


 

4 【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

主要な事業
の内容

議決権の所有
(又は被所有)
割合(%)

関係内容

(連結子会社)

 

 

 

 

 

BALMUDA Europe GmbH

ドイツ
ノルトライン=ヴェストファーレン州
デュッセルドルフ

25,000

ユーロ

家電事業

100.00

・欧州における当社製品の販売

・資金の貸付あり

・役員兼務1名

BALMUDA North America, Inc.
 (注)3

アメリカ合衆国
デラウェア州
ウィルミントン

500,000

米ドル

家電事業

100.00

・米国における当社製品の広告宣伝・販売促進活動

・役員兼務2名

 

(注)1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しています。

2.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。

3.特定子会社です。

 

5 【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2024年12月31日現在

セグメントの名称

従業員数(名)

家電事業

100

6

合計

100

6

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しています。

2.当社グループは、家電事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

2024年12月31日現在

従業員数(名)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

100

6

41.6

4.1

7,705

 

(注)1.従業員数は就業人員であり、臨時雇用者数は、年間の平均人員を( )内に外数で記載しています。

2.当社は、家電事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しています。

3.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます

   4.前事業年度末に比べ、従業員が37名減少しています。主な理由は、売上規模に対応した組織・人員体制の再構築によるものです。

 

(3) 労働組合の状況

当社グループにおいて労働組合は結成されていませんが、労使関係は円満であり、特記すべき事項はありません。