文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは以下を社是として、常に業界の先端を行く製品開発に取り組んでおります。顧客の個別ニーズに
合わせたカスタマイズバルブを開発・製造・販売し、標準製品では対応できないニッチ市場を開拓することにより
事業展開を行っております。
① 独創的な技術
オーケーエムは、他社に真似のできない製品・サービスを創り続けます。
我々は、すべての仕事に「こだわり・工夫・改善」を積み重ね、強みを連携させて顧客・社会の発展に貢献し
ます。
② 最高の品質 最低の資源消費
オーケーエムは、顧客が感動できる製品・サービスを創り続けます。
我々は、採算意識を持って、最高の仕事をすることで、無駄を最小に、利益を最大にします。
③ 余裕ある生活と豊かな心
オーケーエムは、社員の物心両面の幸福の追求と、健康に活躍できる職場づくりをします。
我々は、希望ある充実した生活を送り、仕事を通じて自己実現を果たし、誇りを持って働ける会社をつくりま
す。
④ 地域社会に貢献する
オーケーエムは、市民の一員であるという認識に立ち、持続可能な社会づくりに貢献し、地域にとって必要と
される会社となります。
我々は、家族・社会の発展、幸せ増進の実現に向けて活動をします。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、世界の新市場の開拓に向け新商品開発と取扱い商品の拡充を行い、また既存の商品力を強化することにより業容の拡大を図ります。また生産性の向上等、原価低減活動に継続的に取り組むことにより業績目標を確実に達成すると共に、収益性の向上を図りROE(自己資本当期純利益率)8%以上になるよう努めます。当連結会計年度におけるROE(自己資本当期純利益率)は、粗利率の高い短納期案件の増加等により利ざやの確保が図れたこと、また販管費の圧縮もできたことから営業利益が増益となったことを主要因に親会社株主に帰属する当期純利益が前年同期と比べ30.8%の増益となった結果、11.2%となり目標を達成いたしました。今後も経営目標の達成に向け、更なる収益力の向上に取り組んでまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、生産拠点を置く日本、マレーシア及び中国の3極体制において、より効率的で高品質な製品供給に努め、「お客さまに喜ばれる商品創り」に徹すると共に、バルブ部門創業以来の技術力を活かした新分野への製品開発を進めてまいります。また、営業面でも日本国内はもとより、海外市場、特に中国市場及びアセアン市場への販売体制を強化し、きめ細かなサービス提供をより一層充実し、特に以下の5点を重要課題として取り組んでまいります。
① 成長市場に対応できる新商品開発と販売体制を確立する。
新たな流体に適用できるバルブの開発プロセスを通じて当社の開発技術力のステージアップに取り組みます。
また、船舶排ガス用バルブ市場での競争優位性を確立し、更なる売上高の拡大と利益の確保に取り組みます。加えてポスト船舶排ガス用バルブを見据えた事業展開を探るためマーケティング機能を強化してまいります。これらの取り組みにより更に競争力を高めて、流体制御のグローバルニッチトップ企業を目指します。
② 既存商品力を強化する。
売上のベースとなるゴムシート式バタフライバルブを中心とする既存バルブはビル建築、食品、工業用プラント、造船等幅広い工業インフラに採用されており、当該バルブは競合他社との競争にさらされています。当社グループは継続して顧客に選ばれ続けるため、既存バルブのリニューアルを進め、品質、生産性を設計段階から見直し、最新の生産技術(画像認識、IoT、ロボット等)を取り入れて競争力のある商品に変えてまいります。
③ 上場会社としての基盤を確立し、サステナブルに成長・発展する
コーポレートガバナンス・コードに則った企業統治の仕組みを構築し、その定着化と充実化に取り組んでまいります。またSDGsの視点から事業の棚卸を行い、SDGsの視点を事業に取り込むことで積極的な事業展開を図ります。さらに日本国内と海外グループ会社の連携を強化してグループ経営を確立してまいります。
④ 社員満足を向上させる
人が会社を創っていくことを基本とし、新たな市場開拓、商品開発、生産性向上に貢献できる人材の確保と育成を目指し、制度整備、職場環境整備、人材育成プログラムを構築いたします。
また、ワーク・ライフ・バランスを推進し、仕事と子育ての両立や多様な労働条件の整備に取り組み、働きやすい職場環境を整備してまいります。
⑤ SDGs(注1)への取り組み
SDGsとは、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、17の目標・169の達成基準から構成されています。当社では、17のゴールのうちメインターゲットとして「6 安全な水とトイレを世界中に」、「8 働きがいも 経済成長も」、「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」、「12 つくる責任 つかう責任」について、達成出来るよう日々活動に取り組んでおります。
主な取り組み状況は、以下のとおりです。
a SDGsに関する社内の取り組み
当社グループでは、以下の重点取組目標を掲げております。
・地球環境保全への取り組み
事業活動を通じ、資源の効率的な活用を推進し、地球の環境を保全することにより持続的な社会の実現に貢献します。
・グローバル社会への貢献
独創的な技術の開発を追求し、インフラ整備を通じて、地域社会を含めたグローバル社会の持続的な成長に貢献します。
・社員満足度の向上
社員の多様性を尊重し、真に豊かなこころを持った社員の育成に努めます。
b SDGs達成に貢献する製品開発
・船舶排ガス用バルブ
IMOのNOx3次規制を受けて、国内外の船舶エンジンメーカーと共同開発しました。環境規制では、船舶からの排気ガス中の大気汚染物質(NOx、SOx)濃度の低減が求められております。その対応策として、船舶にSCR装置を装備することが求められ、そこで当該製品が必要とされております。
・バラスト水処理装置用バルブ
バラスト水とは、大型船舶が航行時のバランスをとるために船内に貯留する海水のことです。このバラスト水中のプランクトン等を死滅させるための処理装置に当社のバルブが使われております。バラスト水の管理に貢献することが、バラスト水によって運ばれる外来種から生態系を守ることにつながっております。
(注)1.Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)
(4)優先的に対処すべき事業場及び財務上の課題
世界の経済情勢は新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が世界各地でスタートしたことにより、感染者の減少による景気の回復が期待されるものの、足元では変異株の感染が拡大傾向にあり、警戒感を払拭するには依然として時間を要するものと思われます。
わが国経済におきましても、新型コロナウイルスの終息が見通せないことには本格的な景気の回復は難しく、これまで政府による財政政策や金融支援策が実施されていることから、今後は国や地方の債務拡大問題が露見する可能性があり、先行きは不透明であります。
当社の翌連結会計年度の売上高は、陸用においては、当連結会計年度を若干上回る水準で推移すると想定しております。一方舶用においては、新型コロナウイルス感染症の影響により日々の造船所の操業時間を均一化するためのスロー建造化(建造期間を本来の納期より長期化すること)の影響を受け、当面の間低調に推移すると想定しております。また好調に推移する船舶排ガス用バルブにおいても、競合他社の台頭による販売単価の値下げ圧力を受け、業績に影響を及ぼすものと想定しております。ただし、舶用における足元の市場環境は明るい兆しが出てきており、業績回復に向け今後推移を注視してまいります。
以上の状況を踏まえ、翌連結会計年度の業績につきましては、売上高は8,600,000千円(前年同期比1.8%減)、営業利益は760,000千円(前年同期比24.7%減)、経常利益は760,000千円(前年同期比25.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は520,000千円(前年同期比30.6%減)を予定しております。
なお、これらの予想及び進捗は、新型コロナウイルス感染症の影響を含め、今後の受注環境等、様々な要因により変動する可能性を含んでおります。
当社グループは常に世界の経済情勢及び市場環境に注意を払いながら、脱炭素化に向けたクリーンエネルギー市場を含め、成長市場に対応できる新商品開発と販売体制を確立し、既存の商品力の強化を図るとともに、上場企業としての基盤を確立して、サステナブルに成長・発展できる企業を目指してまいります。
これらの取り組みにより、国内外で安定した収益基盤を築き、世界の市場に向けてお客様に選ばれ続ける企業であり、社員が働きがいや自己の成長を実感できる、より強固な企業体質を構築してまいります。
(免責・注意事項)
記載しております当社の現在の経営指標、経営戦略等は将来の実績等に関する見通しであり、リスクや不確定な要因を含んでおります。そのため、実際の業績につきましては、一般的経済状況、製品需給や市場価格の状況、市場での競争の状況、為替の変動等さまざまな要因により、これらの見通しと大きく異なる結果となることがあり得ます。従って、当社として、その確実性を保証するものではありませんのでご承知おきください。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) カントリーリスク
①製品部品等調達リスク
当社グループのバルブ製造販売事業における材料、半製品、製品、商品等は、海外生産拠点においても生産されております。その主要な海外生産拠点はマレーシア及び中国であり、当該国の経済、政治、法律・税制、規制、災害等により、材料等の供給ストップや遅延のリスクが存在します。それにより当社グループの事業活動及び業績について大きく影響を受ける可能性があります。また各国調達先での新型コロナウイルス感染症再拡大による工場閉鎖のリスクもあり、材料等に関する調達へ影響を及ぼす可能性があります。適切なサプライチェーンの維持の必要性が高まっているため、本項目の重要度が増しております。
対応策として、当社グループでは当該リスクが顕在化した時の影響の軽減化をはかるため、製品部品等の調達に関して日本において代替的に行うこと、また、各製造拠点の保有在庫を活用すること等の対策を講じております。
②販売リスク
当社グループの売上高の約30%は、海外において販売されております。主要な販売地域はアジア地域でありますが、当該地域の経済、政治、法律・税制、規制、災害等の情勢により、販売等に影響を及ぼすリスクが存在します。具体的には、各国の政治的施策、為替政策、大規模な自然災害、新型コロナウイルスに代表されるような感染症の拡大等による当社顧客の操業停止に伴う販売活動の停滞を想定しております。それにより当社グループの事業活動及び業績について影響を受ける可能性があります。
対応策として、当社グループでは販売代理店との連絡を密にして現地情報の収集を図り適宜適切に対応出来るよう努めております。
(2) 自然災害リスク
大地震等の大規模な自然災害が発生した場合には、当社グループの有する資産の棄損、滅失等、また、物流網への被害により、当社グループの事業活動の停止や復旧遅延により業績に影響を及ぼす可能性があります。具体的には、東南海沖を中心とした大規模な地震の発生とそれに伴う大津波、また巨大台風による大規模な水害が発生した場合には、製品の安定供給ができなくなる等の影響が考えられます。
対応策として、当社グループでは定期的に防災訓練を行い社員意識の向上を目指すと共に、BCP規程を整備し事業の早期復旧が出来る体制作りに努めております。
(3) 需要先に関するリスク
当社グループの製品の多くは受注生産であり、主要需要先は造船業界及び建設業界、電力業界をはじめとするプラント業界であります。そのため、これらの主要需要先の動向及び経済情勢の変動により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループではそうしたリスクを補うべく、売上高の維持・拡大を図るべく販売先の分散化や新規需要分野の開拓、新規取引先の開拓に注力しております。
(4) 原材料高騰リスク
当社グループのバルブ製造販売事業はバルブの生産に伴い、銅、ステンレス、アルミ、鉄等の各種金属素材等を調達しておりますが、国内又は国際市況の急騰リスクが存在します。また生産に必要な数量の確保が困難となる場合も想定されます。更に、原材料高騰の製品価格への転嫁の遅れ、又は困難等も想定されます。これらにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループでは新規サプライヤーの開拓による安定供給元の確保に努めると共に生産性改善等の取り組みを進め、設計見直しによる原材料使用量の低減に努めております。
(5) 価格競争リスク
当社グループは、顧客の細かな要望に応えるべくカスタマイズ品に注力し、独創的な技術による競合他社の少ない未開拓市場(ブルーオーシャン)への進出により業容拡大を図っています。しかしながら少なからず競合他社が存在しております。今後更に競合他社が増加し価格引き下げ圧力が強まれば価格競争に陥り、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループでは研究開発等を推進することにより更なる付加価値を持つ製品の開発を目指すと共に、既存商品の設計見直しや部材の見直し、更には生産性の改善を進めることでコストダウンに取り組み価格競争力の向上に努めております。
(6) 製品認証に関するリスク
当社グループが事業を遂行する上で必要となる知的財産権につき、当該権利の保有者よりライセンス等を受けられず、その結果特定の技術、商品、又はサービスを提供できなくなる可能性があります。これにより当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
特に当社グループの製品には、MAN Energy Solutionsより製品認証を取得し、製造販売している船舶排ガス用バルブがあります。その製品認証は期間ごとに更新をしていく必要があります。MAN Energy Solutionsが何らかの理由により認証更新しない場合には、当社グループの根幹となっている船舶排ガス用バルブが製造・販売できず業績について影響を受ける可能性があります。
対応策として、当社グループでは品質管理体制を充実させ認証に合致した製品の製造・販売に務めると共にMAN Energy Solutionsとのコミュニケーションを密にし、連携を強化しております。
(7) 知的財産保護リスク
当社グループは、他社製品と差別化出来る技術とノウハウを蓄積し、ブランドを確立しておりますが、個別に対策は講じているものの、海外の特定地域においては第三者が当社グループの製品を模倣し製造及び販売することを効果的に防止できない可能性があります。模倣品と比較した当社グループ製品の性能及び品質面における優位性から当社グループのシェアを奪われる可能性は低いと考えておりますが、模倣品を当社グループ製品と誤認され性能及び品質に係るブランド力の低下が生じた場合、受注が減少する等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループではこれらのリスクに対し、研究開発及び設計にあたって第三者の知的財産権の調査を実施しています。また、社員との関係においては、知的財産管理規程を定め、発明者に対する褒賞制度を整備し適切な対応を取っています。
(8) 情報システムリスク
当社グループは、事業を展開する上で、顧客及び取引先、当社グループ内の機密情報や個人情報を有しています。これらの情報は、外部流出や破壊、改ざん等が無いように、グループ全体で管理体制を構築し、徹底した管理とITセキュリティ、施設セキュリティの強化、従業員教育等の施策を実行しております。しかしながら、外部からの攻撃や、内部的過失や盗難等により、これらの情報の流出、破壊もしくは改ざん又は情報システムの停止等が引き起こされる可能性があります。このような事態が生じた場合には、信用低下、被害を受けた方への損害賠償等の費用の発生、又は業務の停止等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループでは情報セキュリティに関する管理体制やルールの整備を進めると共に情報マインドを高めるための社員教育、情報の取り扱いに関するモニタリング、法規制強化への対応等情報セキュリティ強化の対策を講じております。
(9) 為替リスク
為替相場の変動は、連結決算における連結子会社財務諸表の円貨換算額及び輸出入取引に係る為替換算額に影響を与えるため、為替相場に著しい変動が生じた場合は、為替差損益の発生により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループでは為替リスク管理規程を整備し、常に為替相場を注視しながら先物予約等の活用により相場の急変に対応しております。
(10) 製造物責任リスク
当社グループの製品には、製造物責任のリスクが内在していることから、リスクの顕在化に備えてPL保険に加入しております。しかしながら、製品の欠陥に起因して大規模な製品回収や損害賠償につながるリスクが現実化し、これを保険により補填できない事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、当社グループでは量産調達前の試作品評価や製造工程における各種検査の実施、発見された不具合に対する原因追究と改善の徹底といった品質管理体制を構築し、品質強化への取り組みに注力しております。
(11) 訴訟リスク
当社グループは、事業活動又は知的財産権について、訴訟、係争、その他法律的手続きの対象となる可能性があり、重要な訴訟等が提訴されることにより、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが仮に第三者から訴えられた場合、訴訟活動や和解交渉が必要となり、そのための費用が発生する他、これらの係争において当社グループの主張が認められなかった場合には、損害賠償の支払が必要になる等、市場を失うリスクが発生する恐れがあります。
対応策として、当社グループでは複数の弁護士と顧問契約を結び、適切に法律対応出来る体制を取っております。また諸契約の締結時には事前のリーガルチェックを徹底することで契約上のリスク排除に努めております。
(12) 大規模感染症に関するリスク
当社グループでは緊急事態等対応規程を定め、感染症を含む緊急事態対応について明記しており、緊急対策本部を設置し指示命令系統を構築すること等の対策を行っております。当社グループの事業を行っている地域において、新型インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が蔓延した場合には、これによる経済の停止や事業停止等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症に際しては、早期に代表取締役社長を本部長とする「新型コロナウイルス緊急対策本部」を立上げ、情報の集約と指示命令の一元化を図っております。
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界の経済情勢は、新型コロナウイルスの感染が世界に拡大し、各国において緊急事態宣言や都市封鎖が実施されるなど、経済活動が制限された結果、世界経済は大幅なマイナス成長となりました。また、米国において新たな大統領が誕生し、各国の新たな国際協調体制の構築に向けての期待が持たれるものの、米中の関係改善の兆しは未だ見えず不透明な状況が続いております。
わが国経済におきましても、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令により経済活動が制限され、幅広い業種で影響を受けることとなりました。政府も感染防止を図りながら景気回復に努めてはいるものの、依然として終息時期が見通せない状況であり、本格的な景気回復には時間がかかる状況であります。
このような状況の中、当社グループは「お客様からの信頼は財産である」との方針の下、お客様との継続的な信頼関係の更なる強化に努め、また市場ニーズに適応した「お客様に喜ばれる商品創り」を徹底し、製販一体となって製品力・サービス力の向上に取り組みました。
また、将来への更なる企業発展のため、滋賀県野洲市に研究開発センターを建設し、本社を同地に移転することで、本社・開発・マーケティングの機能を集約して事業のスピード化を図りました。また海外におきましても、中国常熟市に奥村閥門(江蘇)有限公司の新工場を建設し、生産効率向上による生産量の増加を実現いたしました。
国内外における販売活動につきましては、全体的には新型コロナウイルスの影響は軽微となりました。市場区分別では、陸用においては、日本国内の建築や工場向けの一部案件で設備投資計画の延期や工事遅延、首都圏での地域冷暖房プラントの新設減少、コロナ禍によるビルメンテナンスの先送り等が発生し、減収要因となりました。一方、舶用においては、新型コロナウイルス感染症の影響を起因とする新規受注の停滞や、日々の造船所の操業時間を均一化するためのスロー建造化(建造期間を本来の納期より長期化すること)の影響を受けたものの、船舶排ガス用バルブで計画外受注があったため、舶用全体としては順調に推移しました。
当連結会計年度末における受注高は8,557,700千円(前年同期比7.5%減)となり、市場区分別では陸用4,141,730千円(前年同期比12.1%減)、舶用4,415,971千円(前年同期比2.7%減)となりました。売上高は8,759,358千円(前年同期比1.0%減)となり、過去最高を記録した前連結会計年度との比較では92,759千円の減収となりました。市場区分別では陸用4,207,437千円(前年同期比9.1%減)、舶用4,551,921千円(前年同期比7.8%増)となりました。
利益面におきましては、売上高は横ばいとなったものの、粗利率の高い短納期対応案件の増加等により利ざやの確保が図れたこと、また販売費及び一般管理費では減価償却費、研究開発費が増加した一方、コロナ禍によりテレワークやWeb会議の活用等で費用圧縮が図れたこと等により、営業利益は1,009,302千円(前年同期比13.0%増)となりました。
経常利益は、為替相場の変動に伴い前期に計上した為替差損が為替差益に転じたこと及び営業利益が増益となったこと等から1,025,962千円(前年同期比20.8%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、税金費用の増加はあったものの経常利益が増益となったことにより749,698千円(前年同期比30.8%増)となりました。
なお、当社グループはバルブ製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は12,006,462千円(前年同期比16.4%増)となりました。主な内訳は、現金及び預
金3,071,347千円、売上債権1,749,979千円、たな卸資産2,275,295千円、有形固定資産4,220,550千円、無形固定資
産242,099千円、投資その他の資産291,483千円であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は4,324,978千円(前年同期比7.3%減)となりました。主な内訳は、仕入債務842,763千円、1年内償還予定の社債170,000千円、長期借入金(1年以内返済予定含む)1,846,756千円、その他固定負債292,223千円であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は7,681,484千円(前年同期比35.9%増)となりました。主な内訳は、利益剰余金
5,471,641千円であります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は2,487,034千円(前年同
期比23.4%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおり
であります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,093,416千円となりました。これは主に、減価償却費339,264千円、売上債権の
減少310,164千円、たな卸資産の減少125,530千円、税金等調整前当期純利益1,026,196千円等資金が増加したものの、未払又は未収消費税等の増減額303,500千円、法人税等の支払額231,504千円等により資金が減少したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,902,792千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,278,773千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,242,086千円となりました。これは主に、株式の発行による収入1,345,783千円によるものであります。
受注実績、生産実績、販売実績を市場別に示すと次のとおりであります。なお、当社グループはバルブ製造販売
事業の単一セグメントであるため、セグメント別に代えて市場区分別に示しております。
a 生産実績
(注) 1.当社グループ間の取引については簡易的に相殺消去しております。
2.製造原価を以て生産実績を示しております。
3.製造原価は、市場区分別に区別することが困難なため、全市場区分計にて示しております。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b 受注実績
(注) 1.当社グループ間の取引については簡易的に相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 1.当社グループ間の取引については簡易的に相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容
a 経営状態
当連結会計年度における売上高は8,759,358千円、営業利益は1,009,302千円、経常利益は1,025,962千円、親会社株主に帰属する当期純利益は749,698千円となりました。
売上面では、新型コロナウイルスの影響は軽微でありましたが、市場区分別では陸用において、日本国内の建物や工場向けの一部案件で設備投資計画の延期や工事遅延、首都圏での地域冷暖房プラントの新設減少、コロナ禍によるビルメンテナンスの先送り等が発生し減収要因となりました。一方、舶用においては船舶排ガス用バルブで計画外受注があり、舶用全体としては順調に推移いたしました。利益面では、粗利率の高い短納期対応案件が増加したこと等により利ざやの確保が図れ、販売費及び一般管理費も圧縮できた結果、増益となりました。
b 財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、売上債権が324,300千円、たな卸資産が116,475千円それぞれ減少した一方、現金及び預金が1,056,144千円増加したこと等により、前連結会計年度末と比べ738,472千円増加し7,252,329千円となりました。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は、本社・研究開発センターの建設費用956,674千円、工具器具備品の取得170,677千円等により、前連結会計年度末と比べ949,595千円増加し、4,754,133千円となりました。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は、未払消費税等が86,123千円減少、未払法人税等が64,146千円減少、未払費用が62,563千円減少したこと等により、前連結会計年度末と比べ173,581千円減少し2,099,037千円となりました。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は、1年内償還予定の社債への振替による社債の減少170,000千円等により、前連
結会計年度末と比べ169,370千円減少し、2,225,940千円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、新株発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ678,531千円増加したほか、利益剰余金が683,394千円増加したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は471,832千円増加し、2,487,034千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、主な収入として減価償却費339,264千円、売上債権の減少額310,164千円、たな卸資産の減少125,530千円、税金等調整前当期純利益1,026,196千円等、支出では未払又は未収消費税等の増減額303,500千円、法人税等の支払額231,504千円となり、差引1,093,416千円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、主な収入として投資有価証券の売却1,918千円、支出では有形固定資産の取得による支出1,278,773千円等となり、差引1,902,792千円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に株式の発行による収入1,345,783千円により合計1,242,086千円の収入となりました。
当社グループの必要運転資金については、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や
長期運転資金は、金融機関からの長期借入を基本としております。機動的かつ効率的な資金調達をすべく、主要取
引銀行と当座貸越契約を締結しております。
c 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記
載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成され
ております。
連結財務諸表の作成にあたっては、期末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与
える見積り、判断及び仮定を行うことが必要となります。当社グループは、連結財務諸表作成の基礎となる見積
り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決
定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異な
る場合があります。
見積り、判断及び仮定により当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼすと考えている項目は次のとお
りです。
(たな卸資産)
当社グループは、将来推定される需要及び市場状況に基づく時価の見積額と原価との差額について、評価減を
計上しております。今後の需要又は市場状況が悪化した場合、追加の評価減が必要となる可能性があります。
(貸倒引当金)
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、貸倒引当金を計上しております。この貸倒引
当金は、期末の一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性
を勘案し、回収不能見込額を見積った金額です。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加
引当が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の回収可能性を十分に検討した上で、回収可能額を繰延税金資産として計上しておりま
す。なお、業績の動向によっては繰延税金資産の取崩が必要となる可能性があります。
当社の研究開発は、14名の開発専属担当者が中心となり、製品開発や要素試験など主要なテーマをもって研究開発を行っております。また、開発完了した項目に関しては、製品リリースに向けて設計部門・製造部門の要員と協力し量産体制の構築を行っております。
当事業年度におきましては、前事業年度から引き続き、新市場創出に向けた製品開発と生産性や品質の向上に寄与するため、新製品・新技術の開発に向けて注力して進めております。
なお、当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
また、当社グループはバルブ製造販売事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。