第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループでは、「まるくて大きな時代をつくろう」を企業理念に、その実現に向けた第一弾の事業として、クリエイターエンパワーメント事業を推進しております。

 日本ならびに中国語圏におけるグローバルハンドメイドマーケットプレイス「Creema(クリーマ)」の運営を行うマーケットプレイスサービス、「Creema」のプラットフォームを活用し、出店クリエイター・企業・地方公共団体のマーケティング支援を行うプラットフォームサービス、日本最大級のクリエイターの祭典「HandMade In Japan Fes’(東京ビッグサイト)」等の大型イベントの開催、さらには、クリエイターの創造的な活動を応援することに特化したクラウドファンディングサービス「Creema SPRINGS」、人気アーティストがレッスン動画を販売する動画プラットフォーム「FANTIST」等、クリエイターの活動を支援するサービスを様々な角度から展開し、まだ見ぬ巨大なクリーマ経済圏の確立と、クラフトカルチャーの醸成に力を注いでおります。

 

(2)経営戦略等

 当社グループでは、マーケットプレイスサービスにてクリエイター数・ユーザー数(アプリDL数や訪問数等)を安定的に積み上げつつ、マーケットプレイスの運営を通じて構築される豊富なユーザー基盤、プラットフォーム基盤を活用し、広告サービスやイベントサービス等、周辺領域でのサービス収益もスケールさせていくモデルとなっております。そのため、今後においても、事業の基盤であり起点となるマーケットプレイスサービスの品質向上を通じたストック収益とプラットフォーム基盤の強化に対し優先的にリソースを投下しつつ、そこで得た有形・無形の資産を活用する新サービス群にもリソースを投下することで、シナジーの効く事業領域で収益の多角化を図って参ります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの事業においては、中心的なサービスである「Creema」の、プラットフォームとしての価値を高めることが重要であるため、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、登録作品数、アプリダウンロード数及び流通総額であると考えております。

 

(4)当社グループの経営成績に影響を与える経営環境

 日本のハンドメイドマーケット市場は、2010年、日本初のハンドメイドマーケットプレイス「Creema」を当社がリリースしたことに端を発する比較的新しい市場であり、現在の国内市場では、当社グループが運営する「Creema」と、GMOペパボ株式会社が運営する「minne」の二大サービスが市場を牽引しております。

 一般社団法人日本ホビー協会が発行している『ホビー白書2017年版』、『ホビー白書2018年版』と『ホビー白書2019年版』によれば、日本のハンドメイドマーケット市場の直近5ヵ年の年平均成長率(CAGR)は154%と非常に高い水準で推移しております。

 また、近年ではスマートフォンの普及等を背景に個人間の電子商取引(CtoC)の市場が年々拡大を続けております。それにともない、個人によるECサイトの開設や、企業によるECサイトの提供が増加基調にあり、このトレンドも相まってオンライン上でのハンドメイド製品の流通も一般化しており、今後も市場規模は引き続き一定水準以上の高成長率で拡大することが見込まれます。

 さらに、当社グループのマーケットプレイスはプラットフォームとしての一面を持つため、流通規模が拡大するにつれて、取引に携わるクリエイター数や会員数、作品数等が増加し、それに伴い、プラットフォームとしての価値も高まっていく構造にあります。プラットフォームとしての価値の高まりが、我々のプラットフォームが生み出す収益、例えば広告サービスからの収益や、クリエイター・会員向けの支援サービスの収益を押し上げることで、当社グループの事業が関わる市場規模は一層拡大していきます。そのため、当社グループのサービスの潜在市場規模は、単純なハンドメイドマーケット市場の市場規模を優に超える巨大なポテンシャルを保持していると考えております。

 現在、日本経済は先行き不透明な状況が継続しておりますが、当社グループが関連するハンドメイド・クラフト領域においては、先述した通りそのニーズの高まりから、日本国内においてその市場規模は大きな成長を続けており、今後もこのトレンドが一定程度継続するものと考えております。

 このような市場環境の中、当社がオンラインハンドメイドマーケットプレイス「Creema」を立ち上げて以降、業界の先駆者として市場の成長を牽引して参りました。2023年2月期の「Creema」の流通総額は過去最高額の168億円を突破し、マーケットリーダーとしての地位を一層強固なものにしております。また、クリエイターの活動を支援するその他の様々なサービスも力強く伸長し、2023年2月期には、売上「過去最高額」を達成しております。新型コロナウイルスは一定の収束傾向にありますが、収束後であっても、人々の生活様式等が元の通りに戻るとは限らないと想定されます。当社は常に、世の中の変化に迅速かつ柔軟に対応し、市場の動向やトレンド、ニーズを的確に捉えた経営を行っていく所存であります。

 なお、2020年3月より、当社グループでは、従業員の安全を最優先し、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、時差通勤及びリモートワークの導入等を行っておりますが、現状、事業継続にあたって大きな問題は生じておりません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 新型コロナウイルス感染症については一定の収束を見せているものの、継続しているウクライナ危機や、円安・国内インフレ等の影響により、今後も引き続き日本経済は先行き不透明な状況が継続するものと推察されます。一方で、当社グループが関連するハンドメイド・クラフト領域においては、そのニーズの高まりから、日本国内において、その市場規模は大きな成長を続けており、今後もこのトレンドが一定程度継続するものと考えております。

 当社は2010年にオンラインハンドメイドマーケットプレイス「Creema」を立ち上げて以降、業界の先駆者として市場の成長を牽引して参りました。2023年2月期については、新型コロナウイルスの一定の収束に伴い、リアルの場での消費活動が本格的に再開されたことから、いわゆる「リオープニング」の反動を受け、「Creema」の流通総額は前期比4.8%増と堅調な成長に留まりはしたものの、逆風の中にあってなお、流通総額としては過去最高額を更新しており、厳しい環境にありながら、マーケットリーダーとしての地位を一層強固なものにすることができました。また、クリエイターの活動を支援するその他の様々なサービスも力強く伸長しており、結果として2023年2月期の売上についても、前期比8.9%増で成長し、13年連続の増収となる過去最高額を達成しております。また、2023年2月期には、中長期での持続的な成長を実現すべく、「Creema」のサービス認知度の底上げを目的に、TVCM投資を含めた大型プロモーション投資を実行したことに加え、新サービスのリリースに向けた開発投資も行いました。

 逆風にあってなお堅調な成長を続ける中で、今後も当社が持続的かつ非連続的な成長を目指す上では、2024年2月期において、2023年2月期に底上げされたプロダクトの品質やサービス認知度の拡大を追い風に、マーケットプレイスサービス・プラットフォームサービスの流通・売上を一層拡大させるとともに、新たな収益の柱を擁立することを目的として、開発投資を続けてきた新サービスを2024年2月期の中頃を目途にリリースすることに加え、イベントサービスやクラウドファンディングサービス・レッスン動画プラットフォームサービス等を含めた全てのサービスを有機的に連携させることで、「Creema経済圏」を今まで以上に拡大して参ります。

 具体的には、マーケットプレイスサービスにおいて、2023年2月期にTVCM等を通じて拡大したサービス認知度を前提に、デジタルマーケティング領域への投資やSEO対策の強化等を通じて、「Creema」の利用者数を大幅に増大させるとともに、「Creema」をご利用いただくユーザーの方々により一層優れた購買体験を提供すべく、検索機能の強化をはじめとするUI/UX改善に取り組んで参ります。また、安全安心の購買環境を構築するため、前期に引き続きインフラ面への投資を継続するとともに、セキュリティ対策の強化も引き続き行って参ります。プラットフォームサービスにおいては、クリエイターが自身の作品を「Creema」上でプロモーションできる内部広告にて、広告表示ロジックの磨き込みを通じて、ユーザーとクリエイターの双方にとって最適な広告提案ができるようアップデートを続けていくとともに、より多くのクリエイターの方々に内部広告をご利用いただくべく尽力します。また、「Creema」のプラットフォームならびにユーザー基盤を活用した企業・地方公共団体向けのPR支援を行う外部広告サービスについては、大手商業施設をはじめとする様々な企業とのコラボレーション企画や、地方自治体のプロモーション案件等の受注を一層強化するとともに、日本最大級のハンドメイドマーケットプレイスだからこそできる独自性の高い新たな広告サービスの開発・提案を通じて一層の成長を目指します。また、イベントサービスにおいては、毎年11月に開催している「Creema YAMABIKO FES」の開催時期を変更し、2024年春以降の開催に変更する予定です。そのため、2024年2月期に開催される大型イベントは「HandMade In Japan Fes'」の夏・冬の2回のみとなる見込みです。例年と異なり、大型イベントの開催数が1開催分少ないことに加え、2023年2月期に「Creema Store」の全店撤退を行ったことから、2024年2月期のイベントサービス領域は一時的に大幅な減収となることが見込まれますが、マクロ環境の正常化と、企画運営ノウハウの向上に伴い、イベント1開催あたりの収益(同一条件下における収益)は前年比で大幅な成長を見込んでおります。また、新サービス群については、クラウドファンディングサービスの「Creema SPRINGS」とレッスン動画プラットフォームサービスの「FANTIST」の拡大に引き続き努めるとともに、2024年2月期の中頃を目途に、新サービスをリリースする予定であるほか、ユーザー価値のより高い事業群を構築すると同時に、収益力を向上すべく、新たな事業の開発を引き続き進めて参ります。

 これら全ての施策を連携させながら、ユーザー価値の最大化を図ると同時に、当社サービス及び市場の拡大、クリーマ経済圏の確立に取り組んで参ります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)インターネット関連市場について

 当社グループはオンラインマーケットプレイス「Creema」の運営を主力サービスとし、同サイト上からの販売手数料収入と広告収入を主な収益源としています。同サービスの持続的な成長のためには、インターネットにおける技術の改善、環境の整備、そして利用の拡充が今後とも継続することが重要な要因と考えております。しかしながら、革新的な新技術や大幅な規制変更により、インターネット関連市場の利便性が損なわれ、今後のインターネットショッピングサイトの運営の遂行が困難になった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)ビジネスモデルや消費者の嗜好の変化について

 当社グループが主力サービスを運営するインターネット業界は、技術革新のスピードが速く、新技術の開発、新しいビジネスモデルによる新規参入者、顧客のニーズの変化等のリスクが存在します。そのため当社グループの事業の成長及び成功は、このような経営環境の変化に対して、迅速かつ柔軟に対応する経営執行能力及び技術開発力に依存しています。しかしながら、当社グループが、このような事業環境の変化に機敏に対応できず、消費者のニーズを取り込むことができない場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)システムトラブルについて

 当社グループはオンラインマーケットプレイスの運営が主力サービスであり、その安定的な運用のためのシステム強化及びセキュリティ対策に注力しています。しかしながら、システムへの一時的な過負荷、ソフトウエアの不具合、外部からの不正なアクセスによるシステムへの侵入、地震や火事等の災害、予期せぬ電力供給の停止、事故等によって、当社グループのシステムがダウンした場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)情報セキュリティについて

 当社グループは、第三者からのサーバー等への侵入に対して、ネットワーク監視システム等で常時モニタリングを行い、データの送受信にあたっては暗号化を行う等のセキュリティ対策を講じております。

 しかしながら、ハッカー等の悪意をもった第三者の攻撃等により、顧客情報及び顧客の有する重要な情報を不正に入手される可能性や、顧客が利用するデータが改竄される可能性、又は各サービスへの急激なアクセス増加に伴う負荷や自然災害等に起因するデータセンターへの電力供給の停止等、予測不可能な要因によってシステムが停止する可能性は否定できません。

 このような事態が生じた場合には、当社グループに対する法的責任の追求、企業イメージの悪化等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)個人情報の管理について

 当社グループは、オンラインマーケットプレイスの運営が主力サービスであり、そこで扱っている会員等の個人情報につきまして、システムを設計するうえでの配慮は当然ながら、個人情報に関する社内でのアクセス権限の設定や外部のデータセンターでの厳重な情報管理等、サーバー、管理画面及び物理的な側面からもその取り扱いに注意を払っております。

 また、社内での個人情報保護に関する研修を行なっており、個人情報を漏洩した際のリスクを含め個人情報保護の重要性の認識の周知徹底を行なっております。

 しかしながら、外部からの不正アクセスや、故意又は過失による情報漏洩、またそれら以外の想定していない事態は完全には排除できないことから、個人情報の外部流出等が発生する可能性があります。

 このような事態が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態並びに企業としての社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)知的財産権について

 当社グループは、運営するサイト及びイベントの名称について商標登録を行っており、当社グループが使用する知的財産権の保護を図っています。しかしながら、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合、又は知的財産権の保護のために多額の費用が発生する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、第三者の知的財産権の侵害を行わないよう監視を行っていますが、知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起された場合、またその紛争解決のために多額の費用が発生する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)第三者への依存について

 当社グループは、ユーザーにスマートフォン向けアプリを提供していることから、Apple Inc.及びGoogle LLCが運営するプラットフォームを通じてアプリを提供することが現段階の当社グループの事業にとって重要な前提条件となっております。また、当社グループは、ユーザーの決済手段として、クレジットカード決済、コンビニ決済等の外部の事業者が提供するサービスを導入しています。したがって、これらの事業者の動向、事業戦略及び当社グループとの関係等により、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは商品の配送についてヤマト運輸株式会社や日本郵便株式会社等の配送業者に依存していることから、今後これらの配送業者について取引条件の変更、事業方針等の見直し及び配送状況の変化等があった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)人材の確保と育成について

 当社グループは、継続的な成長を達成するためには、優秀で熱意のある人材を確保し育成することが重要な課題の一つであると認識しており、優秀な人材の確保、育成及び活用に努めております。しかしながら、当社グループが求める優秀な人材を計画どおりに確保できなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)組織体制と内部管理体制について

 当社グループの組織体制は小規模であり、内部管理体制もそれに準じたものとなっていますが、今後の事業の成長とともに人員増強及び人材育成を図り、内部管理体制の一層の強化に努める方針であります。しかしながら、内部管理体制強化のための施策が十分に執行できず、内部統制管理に重大な不備が発生した場合や財務報告に係る内部統制システムが有効に機能しなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財務報告の信頼性に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)新規事業について

 当社グループは、今後のさらなる事業拡大及び非連続的な成長を目指し、新サービスや新規事業に取り組んでいく方針であります。新規投資においては、将来性を考慮し慎重な判断を行う考えではありますが、人材、システム開発、固定資産や広告宣伝費等の追加投資が発生する可能性があります。そのような場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、新サービスや新規事業の属する市場の拡大スピードや成長規模によっては、当初想定していた成果を挙げることができない可能性があり、事業の停止、撤退等を余儀なくされ、当該事業用資産の処分や減損により損失が生じる可能性があり、そのような場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)自然災害等について

 大地震、台風等の自然災害及び事故、火災等により、システム開発・運用業務の停止、設備の損壊や電力供給の制限、配送網の分断、混乱等の不測の事態が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)新型コロナウイルス等の感染症の影響について

 新型コロナウイルスに代表される感染症・伝染病の流行等によって、拡散脅威や外出禁止令による経済活動の停滞や、国内消費量が減退する可能性があります。感染症の再流行・長期化が起きることで、イベントの開催自粛の継続や、直接顧客訪問ができないことで新規営業活動が想定通りに進まなくなる等のリスクがあると考えております。これらのリスクが顕在化した場合は、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)関連法規制について

 当社では、「Creema」上で発生した取引の代金を当社にて一時的にお預かりし、作品到着後にクリエイターに代金をお支払いする「あんしん決済システム」や、作品プロモーションサービスにおいて、クリエイターから広告費用としてデポジット金額を受領の上、作品プロモーションの利用料金をそのデポジット金額から充当する等、決済領域での会員への価値も提供しておりますが、いずれも資金決済に関する法律に定める資金移動業や前払い式支払い手段の発行には該当せず、資金決済に関する法律の適用を受けておりません。当社グループでは事業運営にあたり、上記の資金決済に関する法律のほか、不当景品類及び不当表示防止法、消費者契約法、特定商取引に関する法律、著作権法、意匠法、商標法、個人情報の保護に関する法律、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律、電気通信事業法といった法令に抵触することが無いよう、顧問弁護士等の外部専門家と協議し、法改正等の情報収集を行い、従業員教育等を徹底するとともに、法令遵守体制の構築と強化を図っております。

 しかしながら、これらの法令の改正や新たな法令の制定、監督官庁の見解の変更、社会構造の変化等想定外の事態の発生等により当社グループの展開する事業が法令に抵触した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)新株予約権について

 当連結会計年度末における新株予約権による潜在株式は、391,000株であり、発行済株式総数6,721,100株の5.8%に相当します。当社の株価が行使価格を上回り、かつ権利行使についての条件が満たされ、これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。

 

(15)ベンチャーキャピタル等の株式保有割合について

 当連結会計年度末におけるベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合(以下、「ベンチャーキャピタル等」という。)が所有している株式数は1,007,600株であり、発行済株式総数6,721,100株に占める割合は15.0%となっております。
 一般的にベンチャーキャピタル等が未上場会社の株式を取得する場合、株式公開後には保有する株式を売却し、キャピタルゲインを得ることがその目的のひとつであります。当社におきましても、当社の株式公開後、既にベンチャーキャピタル等が保有する当社株式の一部が売却されていますが、今後もベンチャーキャピタル等の保有株式の売却によって当社株式の需給バランスが短期的に損なわれ、株価の形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は、3,433,488千円となり、前連結会計年度末に比べ456,194千円減少いたしました。主な増減要因は、売掛金が49,490千円、システム開発により取得したソフトウエア及びソフトウエア仮勘定が53,360千円増加した一方で、現金及び預金が579,088千円減少したことによるものであります。


(負債)
 当連結会計年度末における負債合計は、2,514,082千円となり、前連結会計年度末に比べ55,226千円減少いたしました。主な増減要因は未払金が109,652千円、マーケットプレイスサービスにおける取引量の増加に伴う預り金が89,701千円増加した一方で、返済により長期借入金が194,016千円、未払法人税等が62,312千円減少したことによるものであります。


(純資産)
 当連結会計年度末における純資産合計は、919,405千円となり、前連結会計年度末に比べ400,967千円減少いたしました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する当期純損失408,318千円の計上により利益剰余金が減少したことによるものであります。

 

② 経営成績の状況

 当社グループでは、「まるくて大きな時代をつくろう」を企業理念に、その実現に向けた第一弾の事業として、クリエイターエンパワーメント事業を推進しております。

 日本ならびに中国語圏におけるグローバルハンドメイドマーケットプレイス「Creema(クリーマ)」の運営を行うマーケットプレイスサービス、「Creema」のプラットフォームを活用し、出店クリエイター・企業・地方公共団体のマーケティング支援を行うプラットフォームサービス、日本最大級のクリエイターの祭典「HandMade In Japan Fes’(東京ビッグサイト)」等の大型イベントの開催や、「Creema Store」の店舗を展開するイベント・ストアサービス、さらには、クリエイターの創造的な活動を応援することに特化したクラウドファンディングサービス「Creema SPRINGS」、人気アーティストがレッスン動画を販売する動画プラットフォーム「FANTIST」等、クリエイターの活動を支援するサービスを様々な角度から展開し、まだ見ぬ巨大なクリーマ経済圏の確立と、クラフトカルチャーの醸成に力を注いでおります。

 マーケットプレイスサービスにおいては、季節のトレンドを捉えた各種マーチャンダイジング・キャンペーン施策を展開する等、クリエイター作品の魅力を訴求する様々な企画・特集を実施しました。加えて、クリエイターによる作品出品時のオプション機能の強化をはじめ、クリエイターの利便性向上施策を中心とした「Creema」プロダクトの改善や、より一層の安心・安全な購買体験をお客様に提供すべく、システム及びサポート体制の強化等も行いました。また、tenso株式会社が提供する「海外購入代行サービスBuyee」との連携を開始したことで、海外在住の方が「Creema」にある豊富な作品をより一層購入しやすくなりました。加えて、「Creema」のサービス認知拡大を目的としたTVCMの第一弾を2022年8月下旬より約1か月間、第二弾を2022年11月中旬より約1か月間、最後の第三弾を2023年2月中旬より放映いたしました。このような成長に向けた取り組みがある一方で、国内のマクロ環境においては、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限の全面的な解除が2022年3月より実施され、リアルの場での消費活動が本格的に再開され出したことから、前年までの巣ごもり消費の反動等もあり、流通総額は168.3億円(前期比4.8%増)、マーケットプレイスサービスの売上高は1,631,584千円(前期比3.4%増)と微増での着地となりました。なお、当連結会計年度におけるクリエイター数は約25万人、登録作品数は約1,500万点、スマートフォンアプリのダウンロード数は約1,300万回を突破しております。

 プラットフォームサービスにおいては、「Creema」のプラットフォームならびにユーザー基盤を活用した企業・地方公共団体向けのPR支援を行う外部広告サービスにて、大手商業施設をはじめとする様々な企業とのコラボレーション企画や、地方自治体のプロモーション案件等の受注・納品が進みました。また、クリエイターが自身の作品を「Creema」上でプロモーションできる内部広告サービスでは、広告効果の一層の向上を目的とした運用サポートファイル機能のリリースに加え、より価値ある広告サービスを目指し、積極的なUI/UX改善を進めました。その結果、プラットフォームサービスの売上高は630,959千円(前期比12.4%増)での着地となっております。

 イベント・ストアサービスにおいては、新型コロナウイルス感染症の一定の収束に伴い、大幅な復調となりました。イベント領域では、2022年7月23日・24日の2日間で日本最大級のクリエイターの祭典「HandMade In Japan Fes' (2022)」を開催いたしました。開催2週間前には、新型コロナウイルス感染症の国内新規感染者数が過去最高を記録する等、開催直前に逆風が吹きましたが、多くのクリエイター・来場者の方々にご参加いただき、最盛期の水準には及ばないものの、盛況のうちに幕を閉じることができました。また、2022年11月5日・6日の2日間で、音楽とクラフトの野外フェスティバル「Creema YAMABIKO FES 2022」を開催しました。2回目の開催となった本イベントは、12組のアーティストによる音楽ライブに加え、クラフト市やサウナ村等、自然の中で音楽とカルチャーを楽しめるイベントとなっており、今回も多くの方々にご参加いただきました。また、2023年1月21日・22日には「HandMade In Japan Fes' 冬(2023)」も開催し、3年ぶりに規制のない中での冬開催を迎えることができ、こちらも大盛況のうちに幕を下ろしました。一方で、1店舗体制となっていた「Creema Store 札幌」は、トレンドを踏まえた各種マーチャンダイジング施策の実施や接客技術の向上等を通じて、今期も堅実な店舗運営を行っておりましたが、マクロ環境に対するボラティリティの高さを踏まえ、事業及び人材の選択と集中を行うべく、入居中の商業施設との契約期間満了となる2023年1月末をもって閉店となりました。これらの結果、イベント・ストアサービスの売上高は205,791千円(前期比54.9%増)での着地となっております。

 新サービス群では、クリエイターの創造的な活動を応援することに特化したクラウドファンディングサービス「Creema SPRINGS」において、前年度に引き続き多様なプロジェクトが起案され、その多くが目標支援金額を達成しております。また、クリエイターがレッスン動画を販売する動画プラットフォーム「FANTIST」においては、参加クリエイター数・出品動画数ともに順調に成長していることに加え、初学者向けに体系的なレッスンコースを提供するFANTIST公式コースの提供も開始しました。その他の新サービス群についても、クリーマ経済圏の更なる拡大に向け、テスト・開発を進めております。

 これら全てのサービスを連携させることにより、ユーザー価値の最大化を図ると同時に、当社グループのサービスの認知度向上及び市場の拡大、クリーマ経済圏の確立に取り組んで参りました。その結果、当連結会計年度における全社業績については、売上高は前期比8.9%増となる2,500,071千円で着地いたしました。また、期初開示の通り、今期は成長投資を増やしている関係で、営業損失は385,647千円(前期は322,744千円の利益)、経常損失は384,716千円(前期は363,418千円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は408,318千円(前期は230,692千円の利益)となりました。

 なお、当社グループでは、クリエイターエンパワーメント事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、579,088千円減少し、当連結会計年度末には2,374,843千円となりました。
 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動により使用した資金は、320,744千円(前連結会計年度は394,445千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上405,460千円、預り金の増加87,958千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動により使用した資金は、91,247千円(前連結会計年度は215,766千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出90,180千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動により使用した資金は、169,838千円(前連結会計年度は112,893千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出176,580千円によるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 当社グループは受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループはクリエイターエンパワーメント事業の単一セグメントであります。

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

クリエイターエンパワーメント事業

2,500,071

108.9

合計

2,500,071

108.9

 (注)主要な相手先別の販売実績及び当該総販売実績に対する割合については、総販売実績の10%以上の相手先がないため、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針、見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える判断・仮定・見積りを必要としております。経営者は、貸倒引当金とポイント引当金等に関する判断・仮定・及び見積りについては過去の実績等に基づき、固定資産の減損処理については過去の実績等に基づいて将来キャッシュ・フローを予測し、また、繰延税金資産の回収可能性については過去の実績等に基づいて将来の課税所得を予測し、これらにつき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる結果をもたらす場合があります。当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しております。

 

② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当連結会計年度の経営成績の分析

 当連結会計年度の経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」をご参照ください。

 

b.当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。

 

c.当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性について

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの資金需要のうち主なものは、当社グループのサービスの認知度向上及び会員獲得のための広告宣伝費、及び事業拡大のための開発にかかる人件費及び外注費であり、さらにM&A等の投資を実施していく方針であります。これらの資金需要につきましては、自己資金、金融機関からの借入及び新株発行等により資金調達していくことを基本方針としておりますが、財政状態を勘案しつつ、資金使途及び需要額に応じて、柔軟に検討を行う予定であります。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「2 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。

 そのため、当社は常に市場動向、政府の政策に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保と育成等に力を入れ、当社の経営成績に重要な影響を与えるリスクに対し、適切に対応を行って参ります。

 

⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループは経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、登録作品数、アプリダウンロード数及び流通総額を重要な経営指標と位置付けております。

 当該指標については、次表のとおり継続的に増加しており、当連結会計年度末の登録作品数は、前連結会計年度末と比べ114.9%、アプリダウンロード数は同111.0%、また、流通総額は同104.8%の水準となっております。これは、現時点において予定通りの進捗となっており、今後の業績に寄与するものと期待できることから、順調に推移しているものと認識しております。

 

    <「Creema」重要指標推移表>

 

2021年

2月期末

実績

2022年2月期末

2023年2月期末

実績

前期比

実績

前期比

登録作品数(万点)

1,131

1,348

119.2%

1,549

114.9%

アプリダウンロード数(万回)

1,120

1,253

111.8%

1,391

111.0%

流通総額(百万円)

15,419

16,067

104.2%

16,834

104.8%

   ※登録作品数はサービス開始時点から当該期末までの累積数、アプリダウンロード数はアプリリリース時点から当該期末までの累積数、流通総額は期末時点の各期の合計

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。