文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「人と技術を活かし、常に社会から必要とされる集団を目指す。」の経営理念のもと、公共事業を中心とした社会基盤の整備と維持管理にかかわる事業活動を通じ、社会の発展に貢献できるよう努めております。そして、社会から支持され、信頼される企業となることによって業績の向上を図り、企業価値を高めていくことを経営の基本方針としております。
公共投資市場は、防災・減災対策や将来を見据えたインフラ老朽化対策の推進、整備新幹線の着実な整備やリニア中央新幹線プロジェクトの推進、全国の高速道路の大規模更新工事及び4車線化といった事業が引き続き展開され、今後の建設需要は底堅い見通しであります。しかしながら、建設業においては、技能労働者の減少による担い手確保、ICT等の技術革新による生産性の向上、工事現場における長時間労働の是正といった働き方改革への対応等、課題も山積しております。
このような環境のもと、当社グループでは、主力事業の強化のため公入札における総合評価力の強化による受注確保への対応、当社グループの持つ特化技術採用に向けた技術営業の推進、競争力を高める研究開発・設備投資の推進、教育の充実と多様な人材活用による組織強化、生産性向上とコスト競争力向上等の戦略を進めてまいります。
工事現場における長時間労働を是正するため、生産性の向上、社員能力の向上という観点から“人材の育成” “生産性の向上” “働き方改革” の3つの課題をテーマとして対策を進めております。
また、当社グループの事業を支える協力会社に対して研修設備の建設や社員研修、資格取得の支援により技能労働者の確保への環境整備も進めてまいります。
当社は、2021年4月1日付でOSJBホールディングス株式会社を吸収合併したことに伴い、同社が2020年5月26日に発表しました中期経営計画(2020-2022)を引き継ぐこととし、併せて、経営指標目標を修正いたしました。
中期経営計画の基本方針
①課題解決への貢献
・国土強靭化、インフラ老朽化対策、経済活性化、地方創生の課題解決への貢献
・これを企業業績の向上につなげる
②深める!広げる!
・主力事業のさらなる強化に加え、新規事業、海外事業等へ事業領域を拡充
・競争力の強化と生産性の向上に資する研究開発と戦略的投資に注力
③筋肉質そしてフレキシブル
・人材育成を通じた体制強化とダイバーシティを推進し、筋肉質でフレキシブルな組織を目指す
・リスクマネジメント、モニタリング体制を強化、グループシナジーの発揮、BCPを実践
④有形・無形の企業価値向上
・安定的な配当継続を目指す
・環境事業を進めるとともに社会貢献に努める
中期経営計画における経営指標目標(2023年3月期)
売上高 650億円
経常利益 50億円
親会社株主に帰属する当期純利益 33億円
自己資本当期純利益率(ROE) 8%以上
配当性向 40%程度
総還元性向 40%以上
当該経営数値目標を採用した理由は、当社の経営方針・経営戦略を理解する上でステークホルダーにとって重要な指標であり、目標に対する進捗状況を継続的にモニタリングし、実現可能性の評価等を行うことが可能となるためであります。
(5) サステナビリティへの取組
当社グループは、サステナビリティ経営を促進する為、「サステナビリティ基本方針」を定め、方針に従った経営を行うためのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。
マテリアリティはE:環境、S:社会、G:ガバナンスの項目においてそれぞれ特定し、その解決、克服を図るため、サステナビリティ委員会(委員長は代表取締役社長)を設置し、年2回の開催にて、その遂行の管理、運営を行います。管理、運営にあたり、その活動を評価分析するため、各項目のKPIの設定を進めており、その指標が計測されPDCAサイクルにて課題解決を進め、随時、情報開示を行う予定です。
上記の詳細内容はホームページのE:環境、S:社会、G:ガバナンスの各ページに掲載しております。
(https://www.orsc.co.jp/sustainability/)
(TCFD提言への賛同)
当社グループは、気候変動課題が事業にもたらすリスクや機会を特定し、その対応における財務的影響を明確にしながら事業戦略を立案し、その情報を開示する枠組みであるTCFDに賛同することを表明しました。TCFDは、「ガバナンス」・「戦略」・「リスク管理」・「指標と目標」の4つの要素を踏まえた分析手法であり、その4つの要素に沿って情報開示の充実を図ってまいります。
2021年度、第71期までの活動はホームページに掲載しております。
(https://www.orsc.co.jp/sustainability/esg_env_co2.html)
(人的資本や知的財産への投資等)
当社グループは、「人材育成を通じた体制強化とダイバーシティを推進し、筋肉質でフレキシブルな組織を目指す」ことを中期経営計画の重要事項の一つとして掲げており、個々の社員が能力を発揮できる人材育成の為の制度を整えております。また、個々の社員がその能力を発揮することができるよう、働き方改革による働きやすさや働きがいの向上と生産性向上による業務負荷軽減等を通じ、魅力ある職場づくりに向けた環境整備を推進してまいります。
また、知的財産について、当社は、売上高の一定程度を継続的に研究開発投資に充て、技術研究所を中心に数多くの工法や資材を開発、多様な特許を保有しております。これらは施主や外部の工事評価に対する当社競争力の源泉であり、今後も継続して強化してまいります。
(中核人材の登用等における多様性の確保)
当社は、経営の基本方針の下、中期経営計画において、ダイバーシティ&インクルージョン施策の推進を掲げております。
「多様性の確保についての考え方」、「多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針、その実施状況の開示」、「自主的かつ測定可能な目標、その状況の開示」については、ホームページに掲載しております。
(https://www.orsc.co.jp/sustainability/esg_social.html)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループでは、これらのリスクの発生を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
当社グループは、年2回のリスク管理委員会を開催し、各事業部門において事業年度におけるリスクを把握しリスク低減に関する施策を討議するとともに、その有効性の評価と施策結果の確認を行い、その結果を受け翌事業年度のリスク低減へ反映させるサイクルを行っております。また、リスク管理委員会における経過、結果は取締役会に報告しております。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの主要な事業は、建設事業であり、その事業サイクルは受注・施工・売上・回収の流れとなっております。リスクの区分としては、このサイクルに直接的に該当する(特に重要なリスク)と関連する(重要なリスク)に区分されます。
(特に重要なリスク)
① 市場リスク
当社グループの事業は、その大半が国・地方自治体及び高速道路会社からの公共事業に依存しております。これらの発注状況については情報収集に努めておりますが、予想を超える公共事業の削減が行われた場合には、目指すべき受注の確保ができず、売上の減少により業績に影響を与える可能性があります。受注への対応のため、本社において営業戦略会議を毎週開催し、これらの発注状況の共有、各支店の受注活動状況の確認、注力事業分野の指示等の受注量確保のための戦略会議を行っております。
② 資材価格・労務費上昇リスク
請負金額に反映することが困難になる水準で資材価格・労務費が高騰した場合には、工事原価の上昇による利益減少により業績に影響を与える可能性があります。資材価格・労務費については、入札時において見積徴収等を行い価格の動向を確認するとともに施工中における資材価格の高騰について発注者と情報を共有することにより請負金額へ反映されるよう協議を行っております。
③ 事故などの安全上のリスク
事業に関して大規模な事故が発生した場合は、多大な損害が発生する可能性があります。当社グループでは、安全を最優先として、事故防止に努めておりますが、万一事故が発生した場合は、社会的信用の失墜、各発注者からの指名停止措置等の行政処分、損害賠償等により、受注機会の喪失、利益の減少、資金負担の増加等の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。
④ 品質管理に関するリスク
当社グループの製品の製作及び施工につきましては、品質管理に細心の注意をはらい万全を期しておりますが、万一、重大な契約不適合責任や製造物責任による損害賠償が発生した場合、修復に多大な費用負担、施工遅延の発生や信用力の低下による受注機会の減少等により業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 取引先の信用リスク
当社グループは、民間からの請負工事を行っており、与信管理、情報収集、債権管理等の対応を取っておりますが、工事代金受領前に取引先が信用不安に陥った場合、貸倒損失の計上による利益の減少、資金回収不能による資金繰りの悪化等により業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(重要なリスク)
① 金利上昇による業績変動リスク
資金調達については、当社を中心としたグループ内資金運用を基本に財務体質の維持・強化に努めており、金融機関からの借入期間の検討等により金利負担の低減に努めておりますが、現行金利が予想以上に高騰した場合には、調達資金コストの上昇が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 法的規制に関するリスク
事業を営むにあたり建設業法等の法的規制を受けております。法令遵守の意識徹底は対処すべき課題の最優先課題と位置づけておりコンプライアンス教育による意識の徹底に努めておりますが、万一法令違反があった場合には、行政処分や刑事処分、訴訟による損害賠償等が発生し、受注機会の減少、資金負担の増加等により業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 訴訟等のリスク
事業等に関連して訴訟、紛争、その他法的手続きに関わる判決、和解、決定等により、信用力の低下による受注機会の減少や資金負担の増加等の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 新型コロナウイルスの感染症に関するリスク
感染拡大や収束時期の長期化による上記①市場リスク(建設投資計画の見直しや工事発注時期の延期による受注機会の減少)や、②資材価格・労務費上昇リスク(工事中断の発生に伴う工程遅延による売上高減少や、関連する経費・労務補償等の原価が増加)等により、業績に影響を与える可能性があります。
⑤ 情報セキュリティリスク
当社グループは、施工物件に関する情報、経営・技術・知的財産に関する情報、個人情報等様々な情報を取り扱っております。情報セキュリティ規程を定め従業員教育を行うとともに、サイバーセキュリティ対策として、働き方の多様化を踏まえたエンドポイントセキュリティの強化やマネージメント・セキュリティ・サービスを導入しておりますが、これらの情報が外部からの攻撃や従業員の過失等により漏洩または消失等した場合は、信用の毀損、損害賠償や復旧費用等の発生により業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 気候変動に関するリスク
TCFDの枠組みに則り、気候変動に関するリスクは移行リスクと物理的リスクに区分して特定しております。 移行リスクにおいては、CO2削減に伴うエネルギー、材料、資機材等の価格高騰、施主や顧客によるCO2削減要求に対する制約、事業に関する法規則の厳格化が挙げられます。また物理的リスクは気象、環境変化による現場作業不能や災害、労働者の健康被害が挙げられます。
(経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当社は、2021年4月1日付で当社の親会社であったOSJBホールディングス株式会社を吸収合併し、同社の連結財務諸表を引き継いでおりますので、連結の範囲については、それまでの同社の連結範囲と実質的な変動はありません。
このため、以下の記述において、前期と比較を行っている項目については同社の2021年3月期連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日)との比較、また前連結会計年度末と比較を行っている項目については同社の2021年3月期連結会計年度末(2021年3月31日)との比較を行っております。
なお、2021年2月19日に行われた山木工業ホールディングス株式会社(現、山木工業株式会社)との企業結合について、前連結会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定したため、財政状態に関する比較分析における前連結会計年度末の金額について、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
また、2021年2月に株式取得しました山木工業株式会社の当連結会計年度は2021年3月から2022年3月を対象としております。
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
受注高、売上高及び受注残高の状況
(注)前連結会計年度の数値には、前連結会計年度に連結子会社となりました、山木工業ホールディングス株式会社(現、山木工業株式会社)の数値は含まれておりません。
損益の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、内外での新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和される中で、アジア・アメリカ・EU向け輸出入は、ともにおおむね横ばい傾向が続いております。また、生産については先行きも含め、持ち直しの動きが続くことが期待されますが、原材料価格の高騰や供給面での制約の影響が懸念されることから、下振れリスクを注視すべき状況が続いております。企業の業況判断に影響を与える国内個人消費は、感染対策に万全を期し、経済社会活動が正常化に向かう中で、サービス消費を中心とした下押し圧力が和らぐもとで、持ち直しが明確化してきたことから、徐々に企業収益の改善と投資マインドの向上が期待されるところです。
一方、公共投資につきましては、国の令和3年度一般会計予算の補正予算で講じられた「防災・減災・国土強靭化の推進など安全・安心の確保」などに係る予算措置と前年度同水準を確保した令和4年度一般会計予算と合わせることで、公共事業関係費全体は約8兆円となっております。公共工事請負金額が、対前年同期比1兆31百億円減の91.4%の実績とはなりましたが、全体的には、引き続き堅調に推移していくことが見込まれております。
このような状況におきまして、当社グループ全体で受注活動に取り組んだ結果、当連結会計年度の受注高は、663億3千5百万円(前年同期比8.4%増)となりました。前連結会計年度比で特に鋼構造物事業において好調であり、また、山木工業株式会社を連結子会社としたことによる港湾事業における実績が受注高の増に寄与しました。
当社グループの当連結会計年度における売上高は607億2千6百万円(前年同期比3.5%減)となりました。前年同期比で僅かに減少となりましたが、港湾事業における実績が寄与し前年同様600億円台の水準を確保いたしました。また、受注残高につきましては、上記の受注及び売上の状況により、880億4千万円(前年同期比15.1%増)となりました。
当連結会計年度における売上原価は503億3千3百万円(前年同期比5.3%減)となり、売上総利益は103億9千2百万円(前年同期比6.5%増)となりました。売上高は僅かに減少となりましたが売上原価の減少により、売上総利益は増加となりました。
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、試験研究費、のれん償却等の増加により50億8千4百万円(前年同期比12.4%増)となりました。営業利益は53億8百万円(前年同期比1.3%増)、経常利益は54億6千万円(前年同期比2.2%増)となりました。
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、37億7千8百万円(前年同期比4.2%減)となりました。
なお、当社グループの報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
受注高、売上高、受注残高及びセグメント利益の状況
(注) 1 「その他」の区分は、前連結会計年度においては太陽光発電による売電事業及び不動産賃貸事業であり、当連結会計年度においては太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業であります。
2 港湾事業を報告セグメントとする子会社の財務諸表を当連結会計年度より連結範囲に含めているため港湾事業における前連結会計年度及び増減率の数値は記載しておりません。
① 建設事業
当セグメントの売上高は474億6千7百万円(前年同期比13.6%減)、セグメント利益(営業利益)は40億6千6百万円(前年同期比22.7%減)となりました。前年同期比で主に新設橋梁工事・一般土木工事における売上高の減少に伴い、利益についても減少となりました。
② 鋼構造物事業
当セグメントにおきましては、売上高は52億4千万円(前年同期比33.1%減)、セグメント利益(営業利益)は2億9千4百万円(前年同期比107.1%増)となりました。
③ 港湾事業
当セグメントにおきましては、売上高は78億9千3百万円、セグメント利益(営業利益)は8億5千7百万円となりました。なお、当セグメントは当連結会計年度からの報告セグメントであるため、前年同期比については記載しておりません。
④ その他
太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業により、売上高は1億2千5百万円(前年同期比8.5%増)、セグメント利益(営業利益)は3千6百万円(前年同期比129.4%増)となりました。
当社は、2021年4月1日付でOSJBホールディングス株式会社を吸収合併したことに伴い、同社が2020年5月26日に発表しました中期経営計画(2020-2022)を引き継ぐこととしており、当連結会計年度は中期経営計画の2年度にあたります。当社グループの2023年3月期の目標と当連結会計年度での主な指標の達成率は以下のとおりであります。
売上高につきましては、受注案件の期ずれや一部大型工事の着工遅れがあったものの、新たなセグメントである港湾事業の実績が寄与し、当連結会計年度においては93.4%の達成率となりました。
経常利益につきましては、当連結会計年度において達成率109.2%となりました。事業環境において良好な状態が継続しているなか、主として材料費・労務費等工事コストの縮減に努めたこと、新規セグメントである港湾事業が利益にも寄与したこと等により、想定を上回る達成率となりました。
経営成績に重要な影響を与える主な要因は、事業の大半を国・地方自治体及び高速道路会社等からの公共事業に依存する中、急激な公共投資の削減や建設コストの上昇等の事業環境の変化であります。当連結会計年度における事業環境は良好に推移したものと考えており、また、新型コロナウイルス感染症の影響も軽微であったと考えております。今後については、手持ちのいくつかの大型物件の進捗の遅れ等により、当該工事利益を下押しする要因の発生が想定されること、新型コロナウイルス感染症の影響による工程遅延による売上高減少、また材料費・労務費の原価増加等のリスクが考えられます。
(2) 財政状態の状況
(流動資産)
流動資産は、前連結会計年度に比べ3.1%減少し456億4千5百万円となりました。これは主に現金及び預金が53億4千5百万円増加しましたが、受取手形・完成工事未収入金等が42億5千8百万円、未成工事支出金が27億1千9百万円減少したことなどによるものであります。
(固定資産)
固定資産は、前連結会計年度に比べ4.7%減少し153億6百万円となりました。これは主にのれんが1億4千1百万円、繰延税金資産が2億8千4百万円減少したことなどによるものであります。
(流動負債)
流動負債は、前連結会計年度に比べ19.0%減少し159億1百万円となりました。これは主に支払手形・工事未払金が13億6百万円、未払法人税等が13億3千4百万円、未成工事受入金が19億5千万円減少したことなどによるものであります。
(固定負債)
固定負債は、前連結会計年度に比べ15.3%減少し60億6千万円となりました。これは主に長期借入金が8億2千5百万円、繰延税金負債が3億1千9百万円減少したことなどによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度に比べ7.2%増加し389億8千9百万円となり、自己資本比率は64.0%となりました。
当社グループの報告セグメントごとの財政状態は、次のとおりであります。
セグメント資産
(注) 1 「その他」の区分は、前連結会計年度においては太陽光発電による売電事業及び不動産賃貸事業であり、当連結会計年度においては太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業であります。
2 セグメント資産については、山木工業ホールディングス株式会社(現、山木工業株式会社)との企業結合についての暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を反映させております。
① 建設事業
当セグメント資産は531億6千1百万円(前年同期比3.6%増)となりました。前連結会計年度の数値に山木工業ホールディングス株式会社(現、山木工業株式会社)との企業結合についての暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を反映させた結果、セグメント資産は前年同期から増加しております。
② 鋼構造物事業
当セグメント資産は48億5千3百万円(前年同期比4.6%減)となりました。売上高の減少に伴い、受取手形・完成工事未収入金等の流動資産の減少等によりセグメント資産は前年同期から減少しております。
③ 港湾事業
当セグメント資産は67億9千8百万円(前年同期比24.9%減)となりました。収益認識に関する会計基準等を適用したことに伴い、未成工事支出金等の流動資産の減少等によりセグメント資産は前年同期から減少しております。
(単位:百万円)
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、対前年46億5千8百万円増加の133億1千2百万円(前年同期比53.8%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は86億9千4百万円(前年同期は22億9千7百万円の減少)となりました。これは主に売上債権の減少23億8百万円、棚卸資産の減少26億8千1百万円、法人税等の支払額29億6千5百万円、税金等調整前当期純利益54億5千3百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は19億4千2百万円(前年同期比63.6%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出11億4千5百万円、定期預金の預入による支出12億7千2百万円、定期預金の払戻による収入5億8千6百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は20億9千2百万円(前年同期は20億5千7百万円の増加)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出9億2千5百万円、配当金の支払額9億4千4百万円などによるものであります。
当社グループの資本の財源は、営業活動による確実な代金回収を基礎としており、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を133億1千2百万円保有しております。
当社グループは、月商の約2.0か月分を安定的な経営に必要な手元資金水準とし、それを超える分については、企業価値の向上に資する研究開発の強化や戦略的投資へ配分しております。当連結会計年度の設備投資は13億5百万円、研究開発は6億5百万円でありました。これらの設備投資及び研究開発費は、自己資金で賄っております。
資金の流動性につきましては、運転資金は内部資金及び金融機関からの借入金によって調達しており、機動的かつ安定的な資金調達のため、取引銀行5行との間で、シンジケーション方式による総額60億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、当連結会計年度末において当該契約に基づく実行残高はありません。
なお、新型コロナウイルス感染症による資金繰り影響としては、感染症対策費用の増加や現場感染症発生による中断による資金回収の遅れが考えられますが、現在の現預金水準やコミットメントラインの設定水準から更なる資金調達の必要は想定しておりません。
当社は、2021年4月1日付でOSJBホールディングス株式会社を吸収合併したことに伴い、同社が2020年5月26日に発表しました中期経営計画(2020-2022)を引き継ぐこととしており、事業への資源配分及び株主還元について次のとおり考えております。
事業への資源配分については、企業成長の好循環を目指し、生産能力の向上のための設備投資、M&A等による生産体制の投資、技術提携等による技術開発、海外事業等の新規事業、賃貸不動産物件の取得を2020年度からの5年間で総額200億円で実施する投資計画を設定しております。
株主還元については、安定した利益還元を経営における最重要課題のひとつと考え、安定した利益配当を継続して実施することを基本方針としております。2023年3月期においては、配当性向40%程度、総還元性向40%以上を目標としております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なることがあります。
連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下の通りです。
一定の期間にわたり認識する方法による収益
請負工事契約に関する収益は、収益認識会計基準等により、一定の期間にわたり充足される履行義務は、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。なお、履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、主として、見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)で算出しております。
見積総原価としての工事原価総額は、原価要素別・作業内容別に個別に積み上げ、所定の承認手続を経て確定された実行予算に基づいて見積っております。工事の進行途上において工事内容の変更等が行われる場合には、当該状況の変化に関する情報を適時に適切な部署・権限者に伝達し、当該情報をもとに実行予算の見直しを行うことで、工事原価総額の見積りに反映させております。今後、想定していなかった状況の変化等により工事原価総額の見積りの見直しが改めて必要となった場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症による当連結会計年度における影響は、軽微であります。
(生産、受注及び売上の状況)
当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、記載はしておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 「その他」は太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業であります。
2 港湾事業は当連結会計年度に新設したセグメントのため前年同期比(%)は記載しておりません。
当社グループの主な事業である建設事業は、請負形態をとっており「販売」という概念には適合しないため、販売実績に替えて売上実績にて記載しております。
当連結会計年度における売上実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1 「その他」は太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業であります。
2 港湾事業は当連結会計年度に新設したセグメントのため前年同期比(%)は記載しておりません。
3 主な相手先別の売上実績及びそれぞれの総売上実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
当社は、2021年11月12日開催の取締役会において、当社の連結子会社である山木工業ホールディングス株式会社及びその子会社である山木工業株式会社の2022年1月1日付合併について決議し、両社は同日付で合併いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況」の「1.連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
(1)建設事業
建設事業では、プレストレストコンクリートとニューマチックケーソン技術を中心とした豊富な知識と経験を活かし、技術的により優れた企業を目指して、基礎的研究から新製品及び新工法の開発まで幅広く取り組んでおります。近年ますます高度化、多様化するニーズに対応するために、当社グループの独自技術を研鑽するとともに、大学、各種研究機関及び異業種企業との共同研究に加え、持続可能な社会のためのCO2削減技術や、少子高齢化による生産人口減少に対する生産性向上技術に関する研究開発も進めております。当連結会計年度における研究開発費の金額は581百万円であり、主な研究開発テーマとその内容は次のとおりであります。
① ニューマチックケーソン設備の開発
建設業全体における労働人口の減少や、大規模・大深度化に対応するためのニューマチックケーソン無人化及び自動化技術の開発や、現場の各種計測データを分析することによるAI技術を活用した沈下予測など、合理的かつ安全な施工方法に関する研究ならびに実工事での展開の上での改良を図っております。
② 補修・補強技術の開発
複雑化する高速道路の大規模更新工事に的確に対応するため、床版取替工法「SLJスラブ工法」・非鉄材料で構成するプレキャストPC床版である「CFCCスラブ工法」・桁取替工法「SCBR工法」や、PC合成桁の床版取替にプレキャスト部材を活用した「SPスランプ工法」や電気化学的補修工法ならびにPCグラウト再注入工法「PC-Rev工法」の充填及び防錆性能に優れる材料開発など、更なる開発・改良を進めております。また、橋脚・基礎補強工法「SSP工法」「ピアリフレ工法(曲げ補強対応)」「STEP工法」をはじめとする各種補修・補強技術の改良を実施しております。
③ 橋梁技術の開発
「SCBR工法」や「プレキャスト壁高欄」などプレキャスト部材を多用した省力化技術の適用拡大や、PCグラウトの自動品質管理手法や生産部門での自動化など、生産性向上の観点から検討を進め、幾つかは実工事への展開を図っております。
④ 港湾構造物の開発
港湾分野など新たな市場開拓を目指した「港湾桟橋用SLJスラブ」・「CFCCスラブ」の実用化、過酷な塩害環境下での要求性能を満足する構造開発に注力するとともに、岸壁構造へのケーソン構造の適用について研究を行っております。
(2)鋼構造物事業
鋼構造物事業の、当連結会計年度における研究開発費の金額は24百万円であり、主な内容は、「IH式装置システムによる塗膜剝離施工」に関する研究であります。