第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「人と技術を活かし、常に社会から必要とされる集団を目指す。」の経営理念のもと、公共事業を中心とした社会基盤の整備と維持管理にかかわる事業活動を通じ、社会の発展に貢献できるよう努めております。そして、社会から支持され、信頼される企業となることによって業績の向上を図り、企業価値を高めていくことを経営の基本方針としております。

 

(2) 経営環境及び会社の対処すべき課題

公共投資市場は、防災・減災対策や将来を見据えたインフラ老朽化対策の推進、整備新幹線の着実な整備やリニア中央新幹線プロジェクトの推進、全国の高速道路の大規模更新工事及び4車線化といった事業が引き続き展開され、今後の建設需要は底堅い見通しであります。しかしながら、建設業においては、技能労働者の減少による担い手確保、ICT等の技術革新による生産性の向上、工事現場における長時間労働の是正といった働き方改革への対応等、課題も山積しております。

このような環境のもと、当社グループでは、主力事業の強化のため公入札における総合評価力の強化による受注確保への対応、当社グループの持つ特化技術採用に向けた技術営業の推進、競争力を高める研究開発・設備投資の推進、教育の充実と多様な人材活用による組織強化、生産性向上とコスト競争力向上等の戦略を進めてまいります。

工事現場における長時間労働を是正するため、生産性の向上、社員能力の向上という観点から“人材の育成”“生産性の向上”“働き方改革”の3つの課題をテーマとして対策を進めております。

同時に、当社グループの事業を支える協力会社に対して研修設備の建設や社員研修、資格取得の支援により技能労働者の確保への環境整備も進めてまいります。

又、当社グループは、サステナブルな経営を目指し、環境問題等の課題に取組むための議論を活性化し、中長期的な企業価値創出のビジョンを企画してまいります

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社は、2021年4月1日付でOSJBホールディングス株式会社を吸収合併したことに伴い、同社が2020年5月26日に発表しました中期経営計画(2020-2022)を引き継ぎ、2023年3月に最終年度を終了し、ほぼ目標どおりの成果を収めることができました。

このような状況のもと、当社グループでは、この度新たに「中期経営計画2023-2025~さらなる成長に向けた競争力の向上と新たな挑戦~」を策定しスタートさせました。この中期経営計画では、オリエンタル白石グループの2030年像を「人財と技術の多様性を活かし、社会インフラ整備の様々な需要に応え、挑戦と前進を続ける企業集団」とし、グループの2030年の将来像に向け、基幹事業の充実、連結事業の強化、新規・周辺事業による事業領域の拡大、サステナブル経営への取組を進め、企業価値の一層の向上に努めてまいります。

中期経営計画の主な内容は、以下のとおりであります。

 

中期経営計画の基本方針

①国土強靭化、インフラ老朽化対策などの社会的課題の解決に貢献し、これを業績の向上につなげる。

②基幹事業のさらなる充実、連結事業の強化、新規・周辺事業の成長と領域拡大を推進しグループ全体の発展を図る。

③DXや技術開発、他社・他業種との連携により、事業生産性を高める。

④教育、研修など“人への投資”を促進し、競争力豊かな人財の構築を図る。

⑤バランスのとれた投資、還元戦略を実行する。

⑥カーボンニュートラルに向け、脱炭素施策の推進と技術開発を継続する。

 

 

中期経営計画における経営指標目標(2026年3月期)

 企業価値向上と成長戦略

 持続的な売上の増加と収益力の向上

 売上高                       730億円

 営業利益                      62億円

 親会社株主に帰属する当期純利益     45億円

 成長事業の基盤固め

 投資額                              220億円

 D/Eレシオ              0.29倍

 

 株主に対する還元効率

 自己資本当期純利益率(ROE)     9%以上

 配当性向                 50%以上

 総還元性向                70%程度

 PBR                   1倍以上  

 

(事業戦略)

基幹事業(PC土木、ニューマチックケーソン/一般土木、補修補強、PC建築)

・公共工事におけるシェアと実績の拡大

・ニューマチックケーソンの橋梁と治水設備等への事業拡大

・事業量の確保と収益力の維持を図る

・プレキャストコンクリートのすう勢の中でのPC構造の採用を拡大する

連結事業(鋼構造物事業、港湾事業)

・新設橋梁と補修補強のバランスの中で売上・利益の拡大を図る

・港湾、土木の中小工事で受注・売上を確保するとともに今後本格化するカーボンニュートラルポートプロジェクトへの準備を進める

新規・周辺事業(工場製品外販、地域戦略事業、橋梁維持管理事業、官民連携事業、海外事業、環境事業)

・成長投資、技術開発、生産性向上、他社・他業種との連携、顧客基盤の強化

新規・周辺事業の領域拡大を図ることで基幹事業の拡充、連結事業の強化にも寄与

生産性向上

・新たな取組やシステム導入時の必要人員、またその運用による一時的な生産性低下は発生するが、本中計期間に克服し、その後の単位生産量上昇を図る

 

(投資戦略)

・基幹事業や連結事業の拡充と強化、新規・周辺事業の拡大を図る

経常投資(既存事業継続投資)    50億円

成長投資(成長機会創出投資)    110億円

戦略投資(資本業務提携)       60億円

投資総額(2023-2025年度)          220億円規模

*戦略投資(資本業務提携)資金として伊藤忠商事への第三者割当増資により約50億円を調達

 

(財務戦略)

営業CF(堅実なCF創出力の向上)と財務CF(財務健全性を維持した有利子負債の活用、第三者割当増資による)を経常投資・成長投資・戦略投資へ投下し好循環を生み出すことにより企業価値を高めると共に、安定した配当の継続に加え、戦略投資の成果を踏まえた機動的な自己株式取得を実施。

 

 

(サステナビリティ戦略)

・環境(カーボンニュートラルの実現に向けた取組)

2030年度目標 CO2排出量(Scope1,2) 19,000t-CO2

売上高原単位21t-CO2/億円

削減率 約31%

・人材戦略

人財と技術の多様性を活かす働きやすさと働きがいのある魅力的な企業づくり

・ガバナンス・対話

グループの持続的な成長を支えるガバナンスとステークホルダーとの対話の充実。

当該経営数値目標を採用した理由は、当社の経営方針・経営戦略を理解する上でステークホルダーにとって重要な指標であり、目標に対する進捗状況を継続的にモニタリングし、実現可能性の評価等を行うことが可能となるためであります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは社会から必要とされる集団を理念として掲げており、持続的な社会の実現を図るため、社会から必要とされる価値提供を続けてまいります。そこでサステナビリティ基本方針を定め、定めたプロセスに基づき、当社グループの理念を達成するべきマテリアリティを特定しております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

サステナビリティ基本方針

経営理念の「人と技術を活かし、常に社会から必要とされる集団を目指す」に基づき、私たちは社会資本の整備・維持や地域社会及び地球環境の課題解決に向けたあらゆる事業活動を通じ、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上を追求していきます。

・脱炭素、再生可能エネルギー、廃棄物の削減、リサイクル活動を推進し、環境保全と汚染の予防に資する技術開発に尽力し、地球環境に配慮した技術提案を行う。

・安心・安全で快適な職場環境を実現するとともに、個人の人権や多様な価値観を尊重し、個々の能力を最大限活 かせる、働きがいのある職場づくりに努める。

・協力会社と公平で信頼感のある協力関係の維持に努め、人材育成やリスク管理において一体となった取り組みを実践する。

・全ての企業活動でコンプライアンスを遵守するとともに、リスクマネジメントを徹底する。

 

マテリアリティ特定のプロセス

 グループ会社の歩みを踏まえた経営理念の再確認

 人・技術の融合によるこれまでの創出価値、社会貢献

 社会環境、社会動向を見据えた長期ビジョンの作成

 特に人(文化、思考、幸福度)と技術(IT、AI、DX)の動向を最重視

 長期的視点で、グループ会社の人と技術により生み出される価値

ステークホルダー調査、意見交換

長期ビジョン実現に向けたマテリアリティ抽出、特定

 社会的な影響度、事業的な影響度をマトリックス評価

 

 

当社グループのマテリアリティ

 ・安全安心な生活に貢献するインフラ建築物の提供

 ・豊かな生活を維持、享受しながら進める気候変動対策

 ・働きがいのある魅力的な職場環境

 ・イノベーションによる省力化、高付加価値の創造

 ・地域特性を加味した発展と貢献

 ・コーポレートカルチャーの醸成

 

(1) ガバナンス

当社グループは、サステナビリティの推進機関として「サステナビリティ委員会」を設置しております。サステナビリティ基本方針や戦略を策定し、マテリアリティ対するサステナビリティ推進策の進捗をモニタリング、指導し、ステークホルダーとの対話を充実させる施策を審議し、取締役会に報告・提言する役割を担います。サステナビリティ委員会は、代表取締役社長を委員長とし、社内取締役、社外取締役(監査等委員を除く)、担当執行役員、委員長が定める担当部門長で構成し、2回/年の開催を実施しております。

 

取締役会

 

サステナビリティ委員会

 

 

オリエンタル白石各部門

 

委員長:代表取締役

参加者:社内外取締役、担当執行役員、委員長が定めた者

事務局:経営企画部

 

 

 

 

 

 

 

 

 

各グループ会社

 

 

 

 

 

今期よりスタートする中期経営計画(2023-2025)において、ガバナンスの更なる推進として、「取締役会機能の強化」「ステークホルダーとの対話の充実」により更なる活動の拡充を図ってまいります。

 

(2) 戦略

(気候変動対策に関する方針、戦略)

当社グループの事業構成では、建設事業と鋼構造物事業の使用材料であるセメントや鉄などの製造時に、また港湾事業の主要機材である船舶の使用時に多くの温室効果ガスを排出します。したがって、気候変動対策としてこれに関連する政策の変化や規制の強化が経営に与える影響は大きく、さらに、地球温暖化による物理的変化が事業活動及び事業環境へ与える影響も大きいと考えました。

シナリオ分析においては、2100年までに世界の気温が4℃上昇することを想定した4℃シナリオと1.5℃に抑えることを想定した1.5℃シナリオを検討し、さらに短中長期の時間軸により、リスクと機会を特定、分析、評価を当社事業に当てはめて抽出しました。今後、下記表に示すリスク・機会について、リスクは克服、機会は挑戦する具体的な対策を計画、実行してまいります。

 

リスク・機会の特定表

リスク・機会

事業及び財務への影響有無

事業及び財務への影響期間

1.5℃シナリオ

4℃シナリオ

短期3年

中期5年

長期10年

移行的

炭素価格

資材・エネルギー等の費用の増加することにより建設費がアップし、利益が減少する。

 

 

国の排出目標/政策

低排出対応機材や対応認証取得などが入札参加要件となり、その対応により受注機会が変化する。

 

 

顧客の行動変化

厳しい目標設定(キャップ)の未達により企業価値が低下(受注、資金調達、取引先選択への影響)する。

 

 

再エネ・省エネ技術

電動化や省エネ型重機の採用や更新に伴う建設費アップにより、利益が減少する。

 

 

顧客の評判変化

低炭素化する工法、低炭素建材の開発の進捗により、環境負荷軽減への対応企業としてのイメージが変化して、受注機会への影響を受ける。

 

 

世間の評判変化

環境対応の遅延、特化性が見出せないことにより、リクルート環境が悪化する。

 

 

物理的

国土強靭化計画の強化

集中豪雨の頻度増など自然災害対策のためのインフラ・建物リニューアル、修繕工事の増加により、受注機会が増加する。

 

 

平均気温の上昇

建設現場における作業者の熱中症等の増加や酷暑時間帯回避による生産性低下や熱中症対策のため建設コストアップにより、利益が減少する。

 

 

建設現場における作業者不足の課題が屋外労働環境悪化により深刻化し、人件費アップにより利益が減少する。

 

 

海面の上昇

浸水リスク地域の対策のための設備投資増加、高波対策のための沿岸防波堤や港湾設備の補強、港湾施設の移転等により受注機会が増加する。

 

 

気象パターンの変化及び異常気象の激甚化

被災サプライチェーンの分断による工程遅延や調達コスト増加により、利益が減少する。

 

 

降雨、強風等への対策強化及び工事期間短縮への対応による建設費アップで、利益が減少する。

 

 

 

 

 

(人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略)

当社グループの人材に対しての考え方は、経営理念に示す重要なリソースの一つとしての観点から「人財」として扱っており、人財と技術の多様性を活かす働きやすさと働きがいのある魅力的な企業づくりを目指しております。そしてその実践において、「人財基本方針」を定め、それに基づいた「採用方針」「教育方針」を設定し、更に協力会社も含めた職場環境を考慮した「労働安全衛生方針」を基準に各活動計画を立案し、実行いたします。

当社グループの人財戦略としては、今期よりスタートする中期経営計画(2023-2025)において、新たな人財投資としての大きな枠を設け、以下に示す戦略を実践してまいります。

 

・多様な人財の獲得・育成

  多様なキャリア・経験者の獲得・育成

  IT人財の獲得・育成

  個々の能力を最大限に引き出す能力開発

  グループ間での成長ローテーション

・人財が活躍できる環境整備

  多様な働き方・就業制度の整備

  安心して働ける職場環境への取組み

  安全な職務環境への取組み

・人財のエンゲージメントの強化

  エンゲージメントサーベイ実施、分析

  人事評価制度の見直し

  サクセッションプランの実践

  人財データのクラウド一元管理

 

(3) リスク管理

当社グループのリスク管理は「リスク管理委員会」がその役目を担っておりますが、サステナビリティに関するリスクは基本「サステナビリティ委員会」にて審議、対応を図り、その情報はリスク管理委員会でも共有することとしております。

 

(4) 指標及び目標

(気候変動対策に関するCO2排出量並びに削減目標)

・2021年度CO2排出量一覧

区分

計測値(t-CO2)

推定値(t-CO2)

Scope1

2,650.5

13,066.4

Scope2

1,709.6

1,246.2

Scope1,2の合計

18,672.7

Scope3

112,100.1

総計

130,772.8

 

 ※ 計測値は収集データから算出した値で、推定値は標本調査結果を原単位として拡張して算出した値です。

 ※ 2022年度CO2排出量は現在、データ集計及び算出中です。

 

 

・2030年度CO2排出量削減目標

2021年度の当社グループのCO2排出量を基準とし、中期目標となる2030年度までのCO2削減目標を設定しました。まずはScope1,2排出量のみを対象とし、当排出量から単位売上当たりの排出量原単位を求め、2030年度CO2排出量を想定し、排出削減手段や実施に伴う影響を総合的に判断して削減目標としました。

なお日本政府が提示する2013年度比46%削減(2030年度7.6億t-CO2)とする目標と同期を図るため、2021年度のCO2排出量を使用した削減率を求め、目標値を設定しました。

 

2021年度

2030年度

(目標)売上高

607億円

900億円

CO2排出量(Scope1,2)

18,673t-CO2

19,000t-CO2

売上高原単位

30.7t-CO2/億円

21.0t-CO2/億円

削減率

 

約31%

 

※ 2030年度売上高は中期経営計画の目標値です。

 

(人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、

 指標及び目標)

当社グループでは、上記「戦略」で示した取組みの実行に対して、その効果を検証するため、まずは多様性の確保を意識した「新卒女性採用率」「女性・外国人、中途採用の社員割合」「障害者雇用率」を指標としています。また、「女性活躍推進法」「育児・介護救護法」で公表を推進する項目に関する「管理職に占める女性労働者の割合」「男性労働者の育児休業取得率」についても以下に示します。

本取組みはグループ会社までの実行には至っておりませんので、以下に示す実績、目標は提出会社であるオリエンタル白石(株)のみのデータになります。

 

 

2023年3月 実績

2026年3月 目標

新卒女性採用率

22.2%

25.0%

女性・外国人、中途採用の社員割合

30.5%

35.0%

障害者雇用率

2.45%

2.7%

男性労働者の育児休業取得率

25.0%

50.0%

管理職に占める女性労働者の割合

2.3%

3.0%

 

※ 男女賃金格差について、2023年3月の実績は「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社グループでは、これらのリスクの発生を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

当社グループは、年2回のリスク管理委員会を開催し、各事業部門において事業年度におけるリスクを把握しリスク低減に関する施策を討議するとともに、その有効性の評価と施策結果の確認を行い、その結果を受け翌事業年度のリスク低減へ反映させるサイクルを行っております。また、リスク管理委員会における経過、結果は取締役会に報告しております。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループの主要な事業は、建設事業であり、その事業サイクルは受注・施工・売上・回収の流れとなっております。リスクの区分としては、このサイクルに直接的に該当する(特に重要なリスク)と関連する(重要なリスク)に区分されます。

 

   (特に重要なリスク)

① 市場リスク

当社グループの事業は、その大半が国・地方自治体及び高速道路会社からの公共事業に依存しております。これらの発注状況については情報収集に努めておりますが、予想を超える公共事業の削減が行われた場合には、目指すべき受注の確保ができず、売上の減少により業績に影響を与える可能性があります。受注への対応のため、本社において営業戦略会議を毎週開催し、これらの発注状況の共有、各支店の受注活動状況の確認、注力事業分野の指示等の受注量確保のための戦略会議を行っております。

② 資材価格・労務費上昇リスク

請負金額に反映することが困難になる水準で資材価格・労務費が高騰した場合には、工事原価の上昇による利益減少により業績に影響を与える可能性があります。資材価格・労務費については、入札時において見積徴収等を行い価格の動向を確認するとともに施工中における資材価格の高騰について発注者と情報を共有することにより請負金額へ反映されるよう協議を行っております。

③ 事故などの安全上のリスク

事業に関して大規模な事故が発生した場合は、多大な損害が発生する可能性があります。当社グループでは、安全を最優先として、事故防止に努めておりますが、万一事故が発生した場合は、社会的信用の失墜、各発注者からの指名停止措置等の行政処分、損害賠償等により、受注機会の喪失、利益の減少、資金負担の増加等の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。

④ 品質管理に関するリスク

当社グループの製品の製作及び施工につきましては、品質管理に細心の注意をはらい万全を期しておりますが、万一、重大な契約不適合責任や製造物責任による損害賠償が発生した場合、修復に多大な費用負担、施工遅延の発生や信用力の低下による受注機会の減少等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 取引先の信用リスク

当社グループは、民間からの請負工事を行っており、与信管理、情報収集、債権管理等の対応を取っておりますが、工事代金受領前に取引先が信用不安に陥った場合、貸倒損失の計上による利益の減少、資金回収不能による資金繰りの悪化等により業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

   (重要なリスク)

① 金利上昇による業績変動リスク

資金調達については、当社を中心としたグループ内資金運用を基本に財務体質の維持・強化に努めており、金融機関からの借入期間の検討等により金利負担の低減に努めておりますが、現行金利が予想以上に高騰した場合には、調達資金コストの上昇が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 法的規制に関するリスク

事業を営むにあたり建設業法等の法的規制を受けております。法令遵守の意識徹底は対処すべき課題の最優先課題と位置づけておりコンプライアンス教育による意識の徹底に努めておりますが、万一法令違反があった場合には、行政処分や刑事処分、訴訟による損害賠償等が発生し、受注機会の減少、資金負担の増加等により業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 訴訟等のリスク

事業等に関連して訴訟、紛争、その他法的手続きに関わる判決、和解、決定等により、信用力の低下による受注機会の減少や資金負担の増加等の業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 感染症に関するリスク

感染拡大や収束時期の長期化による上記①市場リスク(建設投資計画の見直しや工事発注時期の延期による受注機会の減少)や、②資材価格・労務費上昇リスク(工事中断の発生に伴う工程遅延による売上高減少や、関連する経費・労務補償等の原価が増加)等により、業績に影響を与える可能性があります。

⑤ 情報セキュリティリスク

当社グループは、施工物件に関する情報、経営・技術・知的財産に関する情報、個人情報等様々な情報を取り扱っております。情報セキュリティ規程を定め従業員教育を行うとともに、サイバーセキュリティ対策として、働き方の多様化を踏まえたエンドポイントセキュリティの強化やマネージメント・セキュリティ・サービスを導入しておりますが、これらの情報が外部からの攻撃や従業員の過失等により漏洩または消失等した場合は、信用の毀損、損害賠償や復旧費用等の発生により業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 気候変動に関するリスク

TCFDの枠組みに則り、気候変動に関するリスクは移行リスクと物理的リスクに区分して特定しております。 移行リスクにおいては、CO2削減に伴うエネルギー、材料、資機材等の価格高騰、施主や顧客によるCO2削減要求に対する制約、事業に関する法規則の厳格化が挙げられます。また物理的リスクは気象、環境変化による現場作業不能や災害、労働者の健康被害が挙げられます。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

(1) 経営成績の状況

受注高、売上高及び受注残高の状況

区 分

前連結会計年度

 (自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

 (自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

増 減

金 額 (百万円)

金 額 (百万円)

金 額 (百万円)

増減率(%)

受注高

66,335

71,267

4,932

7.4

売上高

60,726

61,480

753

1.2

受注残高

88,040

97,828

9,787

11.1

 

 

損益の状況

区 分

前連結会計年度

 (自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

 (自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

増 減

金 額 (百万円)

金 額 (百万円)

金 額 (百万円)

増減率(%)

売上総利益

10,392

10,825

432

4.2

営業利益

5,308

5,214

△94

△1.8

経常利益

5,460

5,427

△32

△0.6

親会社株主に帰属

する当期純利益

3,778

3,922

143

3.8

 

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、資源高の影響などを受けつつも、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が進む中で、アメリカ・EU・アジア向けの輸出入は横ばいを維持しており、生産についても、海外景気の下振れ等による影響を注視しつつ、原材料価格の高騰や供給面での制約の影響の緩和が見られることから持ち直し傾向にあります。今後先行きも含め、一層の景気回復の動きに期待が懸かる中、ウィズコロナのもとで、弱含んでいた消費者マインドに持ち直しの動きが見られ、企業収益についても、現状及び先行きに対する業況判断の上昇とともに、総じて緩やかながらも改善傾向にあるものと目されております。

一方、公共投資につきましては、国の令和4年度一般会計予算の補正予算において約2兆円規模の予算措置が講じられ、令和5年度一般会計予算の公共事業関係費でも、当初予算は、前年度並みの予算水準となっております。公共工事請負金額が、対前年同期比5.6百億円減の99.6%の実績となりましたが、全体的には、補正予算の効果もあって、引き続き堅調に推移していくことが見込まれております。

このような状況におきまして、当社グループ全体で受注活動に取り組んだ結果、当連結会計年度の受注高は、712億6千7百万円(前年同期比7.4%増)となりました。前連結会計年度比で鋼構造物事業、港湾事業においては減少となりましたが、建設事業において好調でありグループ全体としては増加となりました。

当社グループの当連結会計年度における売上高は614億8千万円(前年同期比1.2%増)となりました。港湾事業において減少となりましたが、建設事業、鋼構造物事業の増加で補い、前年同様600億円台の水準を確保いたしました。また、受注残高につきましては、上記の受注及び売上の状況により、978億2千8百万円(前年同期比11.1%増)となりました。

当連結会計年度における売上原価は506億5千4百万円(前年同期比0.6%増)となり、売上総利益は108億2千5百万円(前年同期比4.2%増)となりました。売上原価は増加となりましたが利益率の向上に努めた結果、売上総利益は増加となりました。

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、試験研究費、諸経費の増加により56億1千万円(前年同期比10.4%増)となりました。営業利益は52億1千4百万円(前年同期比1.8%減)、経常利益は54億2千7百万円(前年同期比0.6%減)となりました。

当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、39億2千2百万円(前年同期比3.8%増)となりました。

 

なお、当社グループの報告セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。

受注高、売上高、受注残高及びセグメント利益の状況

区 分

前連結会計年度

 (自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

 (自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

増 減

セグメント名称

金 額 (百万円)

金 額 (百万円)

金 額 (百万円)

増減率(%)

Ⅰ受注高

 

 

 

 

建設事業

49,792

61,294

11,501

23.1

鋼構造物事業

11,115

6,961

△4,154

△37.4

港湾事業

5,301

2,833

△2,468

△46.6

その他

125

179

54

43.3

Ⅱ売上高

 

 

 

 

建設事業

47,467

50,248

2,781

5.9

鋼構造物事業

5,240

7,573

2,332

44.5

港湾事業

7,893

3,483

△4,409

△55.9

その他

125

174

49

39.4

Ⅲ受注残高

 

 

 

 

建設事業

68,107

79,152

11,045

16.2

鋼構造物事業

16,554

15,942

△612

△3.7

港湾事業

3,378

2,728

△650

△19.2

その他

4

4

Ⅳセグメント利益(営業利益)

 

 

 

建設事業

4,066

4,740

674

16.6

鋼構造物事業

294

501

207

70.5

港湾事業

857

△15

△872

その他

36

△15

△51

 

(注) 「その他」は、太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業であります。

 

① 建設事業

当セグメントにおきましては、売上高は502億4千8百万円(前年同期比5.9%増)、セグメント利益(営業利益)は47億4千万円(前年同期比16.6%増)となりました。前年同期比で主にニューマチックケーソン工事における売上高の増加に伴い、利益についても増加となりました。

② 鋼構造物事業

当セグメントにおきましては、売上高は75億7千3百万円(前年同期比44.5%増)、セグメント利益(営業利益)は5億1百万円(前年同期比70.5%増)となりました。前年同期比で主に新設橋梁工事、補修補強工事における売上高の増加に伴い、利益についても増加となりました。

③ 港湾事業

当セグメントにおきましては、売上高は34億8千3百万円(前年同期比55.9%減)、セグメント損失(営業損失)は1千5百万円前年同期はセグメント利益(営業利益)8億5千7百万円)となりました。

④ その他

太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業により、売上高は1億7千4百万円(前年同期比39.4%増)、セグメント損失(営業損失)は1千5百万円前年同期はセグメント利益(営業利益)3千6百万円)となりました。

 

 

当社は、2021年4月1日付でOSJBホールディングス株式会社を吸収合併したことに伴い、同社が2020年5月26日に発表しました中期経営計画(2020-2022)を引き継ぐこととしており、当連結会計年度は中期経営計画の最終年度にあたります。当社グループの2023年3月期の目標と当連結会計年度での主な指標の達成率は以下のとおりであります。

区 分

中期経営計画(2023年3月期)

当連結会計年度(2023年3月期)

達成率

売上高

650億円

614億8千万円

94.6%

経常利益

50億円

(経常利益率7.7%)

54億2千7百万円

(経常利益率8.8%)

108.6%

 

売上高につきましては、港湾事業において前年同期比で減少となったものの、建設事業、鋼構造事業において好調であり、当連結会計年度においては94.6%の達成率となりました。なお、達成率の推移については、初年度84.9%、2年度93.4%であります。

経常利益につきましては、当連結会計年度において達成率108.6%となりました。事業環境において良好な状態が継続しているなか、主として材料費・労務費等工事コストの縮減に努めたこと、鋼構造物事業における大幅な利益増などにより、計画を上回る達成率となりました。なお、達成率の推移については、初年度107.5%、2年度109.2%であります。

経営成績に重要な影響を与える主な要因は、事業の大半を国・地方自治体及び高速道路会社等からの公共事業に依存する中、急激な公共投資の削減や建設コストの上昇等の事業環境の変化であります。当連結会計年度における事業環境は良好に推移したものと考えており、また、新型コロナウイルス感染症の影響も軽微であったと考えております。

今後の建設需要は底堅い見通しであるものの、働き方改革に伴う工期延伸、発注ロットの大型化により繰越工事が増加していることによる協力業者を含めた配置人員と受注のバランス、引続き懸念される地政学的影響による資源価格の高騰が経費へ影響を及ぼす恐れや原材料価格の高騰等、今後の経営環境は厳しさを増すことが予想され、より緻密な戦略、対策、計画が求められるものと考えられます。

 

(2) 財政状態の状況

区 分

前連結会計年度

 (自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

 (自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

増 減

金 額 (百万円)

金 額 (百万円)

金 額 (百万円)

増減率(%)

流動資産

45,645

51,579

5,934

13.0

固定資産

15,306

15,207

△98

△0.6

 資産合計

60,952

66,787

5,835

9.6

流動負債

15,901

19,589

3,687

23.2

固定負債

6,060

5,580

△480

△7.9

 負債合計

21,962

25,170

3,207

14.6

 純資産合計

38,989

41,617

2,628

6.7

 

(流動資産)

流動資産は、前連結会計年度に比べ13.0%増加515億7千9百万円となりました。これは主に現金及び預金が5億9千万円、受取手形・完成工事未収入金等が47億5千7百万円、未成工事支出金が3億7千1百万円増加したことなどによるものであります。

(固定資産)

固定資産は、前連結会計年度に比べ0.6%減少152億7百万円となりました。これは、投資有価証券が2億6千2百万円、繰延税金資産が2億9千3百万円増加しましたが、減価償却費等により有形固定資産が1億6千6百万円、無形固定資産が5億1百万円減少したことなどによるものであります。

 

(流動負債)

流動負債は、前連結会計年度に比べ23.2%増加195億8千9百万円となりました。これは主に預り金が4億5百万円減少しましたが、支払手形・工事未払金が10億2千9百万円、未払法人税等が8億4百万円、未払消費税等が14億7千9百万円増加したことなどによるものであります。

(固定負債)

固定負債は、前連結会計年度に比べ7.9%減少55億8千万円となりました。これは主に退職給付に係る負債が2億6千7百万円増加しましたが、長期借入金が5億8千8百万円、繰延税金負債が2億1千万円減少したことなどによるものであります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度に比べ6.7%増加416億1千7百万円となり、自己資本比率は62.3%となりました。

 

当社グループの報告セグメントごとの財政状態は、次のとおりであります。

セグメント資産

セグメント名称

前連結会計年度

 (自 2021年4月1日

  至 2022年3月31日)

当連結会計年度

 (自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

増 減

金 額  (百万円)

金 額  (百万円)

金 額  (百万円)

増減率(%)

建設事業

53,161

58,430

5,268

9.9

鋼構造物事業

4,853

8,967

4,114

84.8

港湾事業

6,798

5,919

△878

△12.9

その他

2,822

2,757

△64

△2.3

 

(注)  「その他」は、太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業であります。

 

① 建設事業

当セグメント資産は584億3千万円(前年同期比9.9%増)となりました。売上高の増加に伴い、受取手形・完成工事未収入金等の流動資産の増加によりセグメント資産は前年同期から増加しております。

② 鋼構造物事業

当セグメント資産は89億6千7百万円(前年同期比84.8%増)となりました。売上高の増加に伴い、完成工事未収入金等の流動資産の増加によりセグメント資産は前年同期から増加しております。

③ 港湾事業

当セグメント資産は59億1千9百万円(前年同期比12.9%減)となりました。法人税等の支払い、短期借入金の返済により、現金及び預金等の流動資産の減少等によりセグメント資産は前年同期から減少しております。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

区 分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

2023年3月31日)

増 減

営業活動によるキャッシュ・フロー

8,694

4,081

△4,613

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,942

△1,231

711

財務活動によるキャッシュ・フロー

△2,092

△2,259

△166

現金及び現金同等物の増加額

4,658

590

△4,068

現金及び現金同等物の期首残高

8,035

13,312

5,276

現金及び現金同等物の期末残高

13,312

13,903

590

 

 

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、対前年5億9千万円増加139億3百万円(前年同期比4.4%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は40億8千1百万円(前年同期比53.1%減)となりました。これは主に減価償却費14億8千8百万円、売上債権の増加42億3千万円、仕入債務の増加10億2千9百万円、未払消費税等の増加14億7千9百万円、法人税等の支払額12億7千1百万円、税金等調整前当期純利益54億8百万円などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は12億3千1百万円(前年同期比36.6%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出9億1千万円、投資有価証券の取得による支出3億4千1百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は22億5千9百万円(前年同期比8.0%増)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出6億5千8百万円、配当金の支払額12億8千6百万円などによるものであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資本の財源は、営業活動による確実な代金回収を基礎としており、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を139億3百万円保有しております。

当社グループは、月商の約2.0か月分を安定的な経営に必要な手元資金水準とし、それを超える分については、企業価値の向上に資する研究開発の強化や戦略的投資へ配分しております。当連結会計年度の設備投資は9億8千万円、研究開発は7億1千7百万円でありました。これらの設備投資及び研究開発費は、自己資金で賄っております。

資金の流動性につきましては、運転資金は内部資金及び金融機関からの借入金によって調達しており、機動的かつ安定的な資金調達のため、取引銀行5行との間で、シンジケーション方式による総額60億円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、当連結会計年度末において当該契約に基づく実行残高はありません。

当社は、2023年5月16日に、2023年度からの3ヵ年を計画期間とする「中期経営計画(2023年~2025年)」を発表しており、事業への資源配分及び株主還元について次のとおり考えております。

事業への資源配分については、企業成長の好循環を目指し、経常投資(既存事業継続投資)、成長投資(成長機会創出投資)、戦略投資(資本業務提携)を2023年度からの3年間で総額220億円で実施する投資計画を設定しております。

株主還元については、安定した利益還元を経営における最重要課題のひとつと考え、安定した利益配当を継続して実施することを基本方針としております。2026年3月期においては、配当性向50%以上、総還元性向70%程度を目標としております。

 

 

(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらとは異なることがあります。

連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下の通りです。

一定の期間にわたり認識する方法による収益

請負工事契約に関する収益は、収益認識会計基準等により、一定の期間にわたり充足される履行義務は、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を一定の期間にわたり認識しております。なお、履行義務の充足に係る進捗度の見積りの方法は、主として、見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)で算出しております。

見積総原価としての工事原価総額は、原価要素別・作業内容別に個別に積み上げ、所定の承認手続を経て確定された実行予算に基づいて見積っております。工事の進行途上において工事内容の変更等が行われる場合には、当該状況の変化に関する情報を適時に適切な部署・権限者に伝達し、当該情報をもとに実行予算の見直しを行うことで、工事原価総額の見積りに反映させております。対象となる請負工事は、工事ごとに内容や工期が異なるため個別性が強く、また、進行途上において当初想定していなかった事象の発生により工事内容の変更が行われる等の特徴があるため、今後、想定していなかった状況の変化等により工事原価総額の見積りの見直しが改めて必要となった場合、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症による当連結会計年度における影響は、軽微であります。

 

 

(生産、受注及び売上の状況)

(1) 生産実績

当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、記載はしておりません。

 

(2) 受注実績 

当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

建設事業

61,294

23.1

79,152

16.2

鋼構造物事業

6,961

△37.4

15,942

△3.7

港湾事業

2,833

△46.6

2,728

△19.2

その他

179

43.3

4

合計

71,267

7.4

97,828

11.1

 

(注) 「その他」は、太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業であります。また、受注残高については前連結会計年度に実績がないため、前年同期比(%)については記載をしておりません。

 

(3) 売上実績 

当社グループの主な事業である建設事業は、請負形態をとっており「販売」という概念には適合しないため、販売実績に替えて売上実績にて記載しております。

当連結会計年度における売上実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(百万円)

前年同期比(%)

建設事業

50,248

5.9

鋼構造物事業

7,573

44.5

港湾事業

3,483

△55.9

その他

174

39.4

合計

61,480

1.2

 

(注) 1 「その他」は太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業であります。

2 主な相手先別の売上実績及びそれぞれの総売上実績に対する割合は次のとおりであります。

前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)

 

相手先

売上高(百万円)

割合(%)

西日本高速道路株式会社

10,900

17.9

中日本高速道路株式会社

10,710

17.6

国土交通省

4,296

7.1

 

 

当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)

相手先

売上高(百万円)

割合(%)

中日本高速道路株式会社

14,006

22.8

西日本高速道路株式会社

8,266

13.4

国土交通省

7,482

12.2

 

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

なお、当社は、2023年5月16日開催の取締役会において、伊藤忠商事株式会社と資本業務提携を行うことに関する資本業務提携契約の締結、同社を割当予定先として第三者割当による新株式の発行について決議し、2023年5月31日に同社からの払込みが完了しております。その結果、当社の主要株主である筆頭株主に異動がありました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象) (資本業務提携契約の締結、及び第三者割当による新株式の発行)」に記載のとおりであります。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は717百万円であります。

(1)建設事業

建設事業では、プレストレストコンクリートとニューマチックケーソン技術を中心とした豊富な知識と経験を活かし、技術的により優れた企業を目指して、基礎的研究から新製品及び新工法の開発まで幅広く取り組んでおります。近年ますます高度化、多様化するニーズに対応するために、当社グループの独自技術を研鑽するとともに、大学、各種研究機関及び異業種企業との共同研究に加え、持続可能な社会のためのCO2削減技術や、少子高齢化による生産人口減少に対する生産性向上技術に関する研究開発も進めております。当連結会計年度における研究開発費の金額は696百万円であり、主な研究開発テーマとその内容は次のとおりであります。

①   ニューマチックケーソン工法における無人化施工システムの開発

建設業全体における労働人口の減少や、大規模・大深度化に対応するためのニューマチックケーソン無人化及び自動化技術の開発や、現場の各種計測データを分析することによるAI技術を活用した沈下予測や機器の故障診断など、合理的かつ安全な施工方法に関する研究ならびに実工事での展開の上での改良を図っております。

② 補修・補強技術の開発

複雑化する高速道路の大規模更新工事に的確に対応するため、床版取替工法「SLJスラブ工法」・非鉄材料で構成するプレキャストPC床版である「CFCCスラブ工法」・桁取替工法「SCBR工法」や、PC合成桁の床版取替にプレキャスト部材を活用した「SPクランプ工法」や電気化学的補修工法、ならびに、PCグラウト再注入工法「PC-Rev工法」の充填及び防錆性能に優れる材料開発など、さらなる開発・改良を進めています。また、橋脚・基礎補強工法「SSP工法」「ピアリフレ工法(曲げ補強対応)」「STEP工法」をはじめとする各種補修・補強技術の改良を実施しております。

③ 橋梁技術の開発

「SCBR工法」や「プレキャスト壁高欄」などプレキャスト部材を多用した省力化技術の適用拡大や、IoT技術活用による安全管理、AR空間によるバイブレーター充填管理など、生産性向上の観点から検討を進め、実工事への展開や改良を図っております。

④ 港湾構造物の開発

港湾分野など新たな市場開拓を目指した「港湾桟橋用SLJスラブ」・「CFCCスラブ」の実用化、過酷な塩害環境下での要求性能を満足する構造開発に注力するとともに、岸壁構造へのケーソン構造の適用について研究を行っております。

 

(2)鋼構造物事業

当連結会計年度における研究開発費の金額は21百万円であり、主な内容は、「IH式装置システムによる塗膜剝離施工」に関する研究であります。