当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、世界的金融引締めや資源高等の影響が続くなかで、新型コロナウイルス感染症抑制と経済活動の両立が徐々に進み、輸出入面はともにアメリカ・EU・アジア向けが概ね横ばいを維持しながら、底堅く推移しております。国内生産面においても、海外景気の下振れ等による影響を注視しつつ、原材料価格の高騰や供給面での制約の影響の緩和が見られることから持ち直し傾向にあります。今後先行きも含め、雇用・所得環境が改善する下で、一層の景気回復の動きに期待が懸かるなか、消費者マインドに持ち直しの動きが見られ、企業収益についても、緩やかな業況判断の上昇とともに、総じて改善傾向で推移しているものと目されております。
一方、公共投資につきましては、国の令和4年度一般会計予算の補正予算において約2兆円規模の予算措置が講じられ、令和5年度一般会計予算の公共事業関係費でも、当初予算は、前年度並みの予算水準となっております。また公共工事請負金額が、対前年同期比35.1百億円増の107.1%の実績となっていることから、関連予算執行の効果とともに、引き続き堅調に推移していくことが見込まれております。
このような状況におきまして、当社グループ全体で受注活動に取り組んだ結果、当第1四半期連結累計期間の受注高は、85億9千4百万円(前年同四半期比40.6%減)となりました。前年同四半期比で港湾事業において増加となりましたが、建設事業、鋼構造物事業ともに減少となりグループ全体で減少となりました。
売上につきましては、売上高は155億9千2百万円(前年同四半期比23.6%増)となりました。総じて大きな工程の遅れもなく順調に進捗し、建設事業、鋼構造物事業、港湾事業において前年同四半期比で増加となりました。また、受注残高につきましては、上記の受注及び売上の状況より、908億3千万円(前年同四半期比1.1%増)となりました。
損益面では、売上高の増加に伴い売上総利益は28億5千1百万円(前年同四半期比32.1%増)、営業利益は10億7千6百万円(前年同四半期比38.5%増)、経常利益は11億1千9百万円(前年同四半期比26.6%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億7千5百万円(前年同四半期比29.3%増)となりました。
なお、セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① 建設事業
当セグメントにおきましては、売上高は132億6百万円(前年同四半期比25.6%増)、セグメント利益(営業利益)は11億2千9百万円(前年同四半期比37.4%増)となりました。
② 鋼構造物事業
当セグメントにおきましては、売上高は16億7千万円(前年同四半期比15.7%増)、セグメント利益(営業利益)は2千3百万円(前年同四半期比24.8%増)となりました。
③ 港湾事業
当セグメントにおきましては、売上高は6億6千3百万円(前年同四半期比8.1%増)、セグメント損失(営業損失)は8千7百万円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)6千3百万円)となりました。
④ その他
太陽光発電による売電事業、不動産賃貸事業及びインターネット関連事業により、売上高は5千1百万円(前年同四半期比21.0%増)、セグメント利益(営業利益)は9百万円(前年同四半期比1,685.4%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における総資産は687億7千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億8千7百万円増加しました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ3.9%増加し、535億6千8百万円となりました。これは、受取手形・完成工事未収入金等が19億1千万円、立替金が6億1千5百万円減少しましたが、現金及び預金が41億1千1百万円、未成工事支出金が2億2千1百万円増加したことなどによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ0.0%減少し、152億6百万円となりました。これは、投資有価証券が3億3千1百万円増加しましたが、減価償却費等により有形固定資産が9千3百万円、無形固定資産が1億2千5百万円、繰延税金資産が1億1千万円減少したことなどによるものであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ14.4%減少し、167億6千8百万円となりました。これは、未成工事受入金が18億6千6百万円増加しましたが、支払手形・工事未払金が14億6千2百万円、未払法人税等が9億5千4百万円、未払消費税等が20億7千9百万円減少したことなどによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ0.1%増加し、55億8千8百万円となりました。これは、長期借入金が9千3百万円減少しましたが、株式報酬引当金が1千6百万円、退職給付に係る負債が5千5百万円、繰延税金負債が2千8百万円増加したことなどによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ11.5%増加し、464億1千8百万円となりました。これは、2023年5月31日付の第三者割当による新株式の発行により、資本金が40億円、資本準備金が13億6千6百万円増加したことなどによるものであります。この結果、自己資本比率は67.5%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は、1億8千8百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(資本業務提携契約の締結及び第三者割当による新株式の発行)
当社は、2023年5月16日開催の取締役会において、伊藤忠商事株式会社(以下「伊藤忠商事」といいます。)と資本業務提携(以下「本資本業務提携」といいます。)を行うことに関する資本業務提携契約の締結、同社を割当予定先として第三者割当による新株式(以下「本新株式」といいます。)の発行(以下、本新株式の発行を「本第三者割当増資」といいます。)について決議し、2023年5月31日に同社からの払込みが完了しております。その結果、当社の主要株主である筆頭株主に異動がありました。
Ⅰ. 本資本業務提携の概要
1. 本資本業務提携の目的及び理由
当社は、2023年5月16日公表の新中期経営計画(2023-2025)『~さらなる成長に向けた競争力の向上と新たな挑戦~』の中で、以下の基本方針を掲げています。
① 国土強靭化、インフラ老朽化対策などの社会的課題の解決に貢献し、これを業績の向上につなげる
② 基幹事業のさらなる充実、連結事業の強化、新規・周辺事業の成長と領域拡大を推進し、グループ全体の発展を図る
③ DXや技術開発、他社・他業種との連携により、事業生産性を高める
④ 教育、研修など“人への投資”を促進し、競争力豊かな人財の構築を図る
⑤ バランスのとれた投資、還元戦略を実行する
⑥ カーボンニュートラルに向け、脱炭素施策の推進と技術開発を継続する
当社は、これらの基本方針に基づき、社業発展やグループの成長のため、また当社が自らの責務と考えるインフラ整備を通じた社会貢献のために、多くのプロジェクトへの対応や、インフラ整備・更新への注力、事業の担い手の確保・育成や協力会社との連携など、社内外の課題に対応していくことが肝要と捉えています。
このような観点から、当社は、総合商社として、子会社及び関連会社約300社と共に、10万社以上におよぶ豊富な取引顧客網とネットワークを有し、特に建設・建材事業では、国内トップの木材建材メーカーや建材商社、エンジニアリング会社等による資機材ビジネスのバリューチェーンを展開している伊藤忠商事と、中長期にわたって事業を補完、強化し合うことが期待できることから、当社が新中期経営計画において掲げる2030年像である『人財と技術の多様性を活かし、社会インフラ整備の様々な需要に応え、挑戦と前進を続ける企業集団』を実現するのに最良・最適なパートナー企業と判断し、同社と資本業務提携契約を締結することにいたしました。
本資本業務提携を踏まえ、当社は、伊藤忠商事の豊富な取引顧客網、ネットワーク及び資機材ビジネスのバリューチェーンを、伊藤忠商事は、当社のプレストレストコンクリート(注1)やニューマチックケーソン(注2)等の技術及びインフラ整備に対する知見や実績をそれぞれ活用することが可能となります。これにより、両社は、橋梁インフラメンテナンス領域においての事業展開やアライアンスの構築、インフラ分野におけるPPP(注3)及びPFI(注4)における協業、製品・技術の海外展開等において、シナジーを発揮できるものと考えております。
これらの取り組みやシナジーの実現を通じて両社の競争力の向上を目指すにあたり、後記 「Ⅱ.本第三者割当増資の概要 2.調達する資金の具体的な使途」に記載の資金需要が発生します。本資本業務提携は、上記を実現する資金調達の必要性に対応するとともに、企業価値及び株主利益の一層の向上を図る上で非常に有効な施策であると考えており、特に、当社の主力事業である建設事業においては、生産性向上とコスト競争力の向上による大きな事業成長を見込んでおります。
(注1) 「プレストレストコンクリート」とは、コンクリートに予め圧縮力を与え、部材の強度・耐久性を向上させる技術をいいます。
(注2) 「ニューマチックケーソン」とは、基礎下部に圧縮空気を送り込み、地下水の浸入を抑えて掘削する技術をいいます。
(注3) 「PPP」とは、「Public Private Partnership」の略であり、公共施設等の建設、維持管理、運営等を行政と民間が連携して行うことにより、民間の創意工夫等を活用し、財政資金の効率的使用や行政の効率化等を図る取り組みをいいます。
(注4) 「PFI」とは、「Private Finance Initiative」をいい、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行うPPPの手法の1つをいいます。
2. 本資本業務提携の内容
(1) 資本提携の内容
当社は、本第三者割当増資により、伊藤忠商事に本新株式16,310,964株(本第三者割当増資後の所有議決権割合12.26%、自己株式を除く発行済株式総数に対する所有割合12.25%)を割り当てました。
(2) 業務提携の内容
当社と伊藤忠商事は、今後「国土強靭化」・「インフラ老朽化対策」が社会基盤整備への貢献の柱であることを踏まえ、両社が有するリソース、ノウハウを結集し、両社の収益強化と事業安定性の向上のために「橋梁インフラメンテナンス事業の強化及び事業領域の拡大」、「安心安全社会の実現に向けた取組推進」、「顧客基盤拡充・競争力向上」等の施策による両社の中長期的企業価値の向上を実現することを目的として、以下の基本方針に基づき、業務提携を推進してまいります。なお、業務提携の内容の詳細につきましては、今後、両社間にて検討を進めてまいります。
① 橋梁インフラメンテナンス事業の強化及び事業領域の拡大
② 安心安全社会の実現に向けた取組推進
③ 顧客基盤拡充・競争力強化
以下のとおり、伊藤忠商事の機能活用により、当社の顧客基盤拡充や競争力強化を図り、当社の企業価値を向上させる
・伊藤忠商事及び伊藤忠商事懇意先企業群のネットワークを活用したPC 建築等の民間工事受注の拡大
・伊藤忠商事グループの調達機能を活用した原料・資機材等コストの低減
・伊藤忠商事の機能を活用した不動産の有効活用、物流効率化、DX 等の推進により、当社の定性・定量面の企業価値向上
3. 本資本業務提携の相手先の概要
(注)割当先である伊藤忠商事は、東京証券取引所プライム市場に上場しており、同社が東京証券取引所に提出した2023年4月3日付「コーポレート・ガバナンス報告書」のうち「Ⅳ内部統制システム等に関する事項 2.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況」において、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力との一切の関係・取引を遮断することを基本方針とし、これを実現するために、社員への教育啓蒙を定期的に実施すると共に、取引等の相手方が反社会的勢力に該当しないことの事前確認を徹底する等、必要な社内体制の整備・強化を行っている旨を表明しており、同社及びその役員は反社会的勢力とは関係がないものと判断しております。さらに、当社は、2023年5月16日付で伊藤忠商事との間で締結する資本業務提携契約において、伊藤忠商事から、反社会的勢力ではなく、又は反社会的勢力と何らかの関係を有していない旨の表明及び保証を受けております。
Ⅱ. 本第三者割当増資の概要
1.募集の概要
(1) 払込期日 2023 年5月31日
(2) 発行新株式数 普通株式 16,310,964株
(3) 発行価額 1株につき329円
(4) 調達資金の額 5,366,307,156円(差引手取概算額:5,081,051,196円)
(5) 資本組入額の総額 4,000,000,000円
(6) 募集又は割当方法(割当先) 伊藤忠商事株式会社に対する第三者割当方式
2.調達する資金の具体的な使途
(注1)今回調達した資金については、実際に支出するまでは、当社金融機関普通預金口座にて管理いたします。
(注2)各資金使途における投資金額と差引手取概算額との差額分については、自己資金を充当する予定です。