文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略
「当社グループは、『日本の未来をECでつくる』というミッションを掲げ、ブランド・メーカーのEC事業を総合的に支援するとともに、自社でD2CブランドやECプラットフォームを運営し、法人向け・消費者向け双方にビジネスを展開しております。株式会社富士経済が公表した「通販・e-コマースビジネスの実態と今後2025」によれば、2024年のEC(物販)市場規模が14.6兆円であったことに対し、2025年の見込みは15.1兆円、2026年は15.4兆円と、着実に成長を続けていくことが予想されております。このため、今後も各ブランド・メーカーが継続的にECビジネス展開に注力していくことが予測されます。
また、当社グループはこれまでのEC支援実績に加え、今後はソーシャルコマース支援が新たな事業の柱となると見込んでおります。Statista社が公表した「Social commerce in Japan」によれば、2025年のソーシャルコマース市場規模が約1.1兆円と予想され、今後ByteDance社からTikTokShopがローンチされれば、一気に市場は急拡大していくことが予想されております。
これまでライブコマース特化型アプリケーション「Peace you LIVE」の運営を通じて、様々なソーシャルコマースやライブコマースの実績・ノウハウを蓄積してまいりました。今後はTikTokを筆頭としたSNS上でのマーケティングの戦略設計から、販促計画の立案、コンテンツ制作や、物流までを一気通貫でサポートする「ソーシャルコマース総合支援」を本格的に開始します。さらに、ソーシャルコマース専門クリエイター事務所「ピースクリエイション」を設立することで、ソーシャルコマース市場における確固たる地位の確立を目指します。
このような成長市場において、当社グループがその機会を最大限に活かし持続的な成長を遂げるためには、後述する経営戦略の着実な実行と経営課題への的確な対応が不可欠であると考えております。
① Oneコマース
<成長戦略>
a) 契約数・1社当たり契約単価増加
Amazonや楽天市場といった主要ECプラットフォームから、自社ECサイト、ソーシャルコマースまでを網羅するクロスチャネル戦略の策定・実行を行い、より多くの取引先のニーズに対応できる体制整備を進めてまいります。また、エージェントAI群を活用し「データ×テクノロジー×メソッド」を掛け合わせた独自のマーケティング「いつも.データマーケティング(iDM.)」を活用し、データドリブンな意思決定とPDCAの高速化することで、顧客の事業成長に貢献し、契約数の増加と1社当たり契約単価の向上に取組んでまいります。具体的なサービスとして、「3C調査エージェント」を活用したECコンサルティングサービス、売れるページを企画・構築するための「ページ作成エージェントAI」、効果の上がったクリエイティブを提案する「デザインデータプラットフォーム」、マーケティングデータをワンクリックで多角的に分析できる「いつも.ダッシュボード」など順次リリースしてまいります。
b)大手プラットフォームやECツールベンダーとの連携
大手プラットフォーム等の戦略的なパートナーとして、他社と差別化された最先端のマーケティング支援やサービス開発を行うことで、顧客の事業成長に貢献します。各社と連携を密に取り、協業やイベント等を通じて顧客獲得のモデルを確立し、契約数の増加に取組んでまいります。
c)ソーシャルコマースの総合支援
TikTokShopが今後ローンチすれば、ソーシャルコマース市場は急拡大すると予測されています。私たちは既に「ピースユー」というライブコマースプラットフォームや、ソーシャルコマース専門クリエイター事務所の設立を通じて、戦略設計から、販促計画の立案、コンテンツ制作や、物流までを一気通貫でサポートする「ソーシャルコマース総合支援」を本格的に開始することで、契約数の増加と1社当たり契約単価の向上に取組んでまいります。
② 協業ブランドパートナー
<成長戦略>
a) 取扱いブランドの増加
新規ブランド・メーカーとの取引開始を推進するとともに、複数ブランド展開されている既存の取引先様に対しては、別ブランドとの新規契約へ繋げるなど、顧客満足度の向上に通じた深耕営業にも注力し、契約ブランド数及び展開プラットフォーム数の拡大に努めてまいります。また、TikTokShopなど新たなECプラットフォームへの出店支援を積極的に推進してまいります。
b) 取扱いブランドの成長
当社グループは、取引先であるブランド・メーカーとの緊密なコミュニケーションを基盤とし、ブランド価値の最大化を共に目指すビジネスパートナーとしての役割を重視しております。この考えのもと、引き続き良好な関係性の維持・強化に努め、当社グループが運営を担う公式ECサイトの持続的な成長を実現してまいります。
c) TikTokShopを始めとしたソーシャルEC小売店舗の開設
当社グループは、TikTok ShopをはじめとするソーシャルEC小売店舗の開設支援を通じて、顧客の多様な商品群を直接消費者に販売する事業を開始します。この取組により、拡大するソーシャルコマース市場において、顧客の早期売上創出に貢献することを目指してまいります。
③ 共創・自創バリューアップ
<成長戦略>
a) 自社ブランドの開発、取扱いブランドの販路拡大
スノーアパレルを主力で販売する「ビーラン」では、季節変調による商品構成や滞留在庫等が収益を圧迫していたため問題の解決に取り組んでまいりました。現在は商品MDの抜本的見直しによりペットやアウトドアブランドなどの通年販売可能な高付加価値商品の開発・拡充、物流コスト削減などのサプライチェーン最適化を行い、早期の黒字化と安定的収益基盤の確立を目指し、冬期偏重の収益構造からの脱却を図ります。
b) 共創ブランドの開発、取扱いブランドの販路拡大
自然派コスメブランドの「KohGenDo」においては中国国内での「一般貿易」の許認可を取得しました。この重要な進展を機に、中国本土の広大な消費者市場へのアクセスを確立し、現地のニーズに合致した販売チャネルの戦略的な開拓及びブランド認知度向上のためのマーケティング活動を、2026年頃から積極的に展開いたします。これにより、「KohGenDo」ブランドの海外事業における成長を加速させ、当セグメントの収益拡大に貢献することを目指してまいります。
④ ECプラットフォーム
<成長戦略>
a)ライブコマースサービスの市場拡大
TikTokShopが今後ローンチすれば、消費者がSNS上で商品を発見し、そのまま購入に至るという「出会って買う」流れはますます加速し、ライブコマースも、これまでの単なる販売チャネルではなく、ブランドと顧客がリアルタイムで繋がり、共感を醸成する重要な場として発展すると予測しています。ライブ配信を通じた商品販売の効率性向上とユーザー体験のさらなる強化を図り、国内ライブコマース市場における事業基盤の拡大を推進してまいります。具体的には、ソーシャルコマース専門クリエイター事務所「ピースクリエイション」の設立を通じて、販売実績の高いクリエイター及びライバー(配信者)の新規獲得と育成・支援プログラムの充実、ユーザーインターフェース(UI)及びユーザーエクスペリエンス(UX)の継続的な改善、並びに出店ブランド及び商品ラインアップの拡充を通じて、プラットフォーム全体の活性化と流通額の増大を目指します。また、ライブコマース特化アプリとして提供している「Peace you LIVE」の販売効率を高め、市場拡大に向けた強化に向けて取組んでまいります。
b) 中国向けコミュニティ販売の販路拡大
中国市場においては、富裕層や特定コミュニティをターゲットとした会員招待制のコミュニティ販売プラットフォーム「ICE CREAM」を展開しており、現在参加するコミュニティリーダーの数は数千名規模にまで拡大してきております。また、これまで同アプリケーションの改良により、ユーザーの利便性向上を目的とした大幅な改修を実施したことや上海に実際の商品を触ることが出来る店舗を設置したことにより、「リアルな体験を行ったユーザーがオンラインで購入する」という新たな商流を構築いたしました。今後も快適な購買体験を提供し、既存会員の満足度向上と新規会員獲得によるプラットフォームの認知度向上を図るとともに、取扱い商品カテゴリーの拡充及び日本ブランドの誘致を強化することで、中国市場における売上規模の拡大に努めてまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、売上高の成長と売上総利益額を重要な指標とした経営を行っております。Oneコマースでは、新規ブランドの獲得と、既存取引先当たりの契約単価上昇、協業ブランドパートナーでは、新規ブランドの獲得に加え、継続ブランドの成長を促進、共創・自創バリューアップでは、ビーラン社による商品MD改善や売上連動型生産体制を通じた適正在庫と販売力強化、ECプラットフォームでは、ピースユー社によるGMV(流通取引総額)の最大化を通じて、売上高及び売上総利益の増加を目指してまいります。
(3)経営環境
株式会社富士経済が公表した「通販・e-コマースビジネスの実態と今後2025」によれば、2025年に15.1兆円(対前年比103.1%)の市場のうち、Amazonや楽天市場などECプラットフォーム市場がEC市場全体の約80%を占めており、市場拡大を牽引していますが、今後のEC市場は大きく変化していくと予測しています。各ECプラットフォームは、ビジネスモデルやターゲット層に違いはありますが、TikTokShopをはじめとするソーシャルコマース市場や、SHEINやTemuをはじめとする中国発の越境EC市場の急成長が注目されています。また、消費者の購買行動にも大きな変化が起こっています。目的型の検索「探して買う」から、発見型の検索「出会って買う」という購買行動がSNSの普及で年々増加し、最近ではAI型の検索「おすすめで買う」という体験も普及し始めています。当社グループは、このような市場や消費者の変化に合わせた新サービス開発や人材育成を行うことにより、業績拡大の余地が大いにあると捉えています。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
① EC総合支援会社の強みの再構築
近年のECマーケティングの高度化に伴い、データに基づいた意思決定、施策の精度と実行速度がより重要になると予想されます。当社グループは、単なる効率化やAI導入ではなく、成果に繋がる施策を組み込んだAIエージェントを開発し、データに基づいた課題発見から高速な解決、再現性のある支援モデルの構築を目指してまいります。
② 新たなソーシャルコマース市場への進出
消費者の購買行動が目的型検索から発見型検索へ移行する傾向を受け、当社はEC総合支援に加え、ソーシャルコマースの総合支援へと事業領域を拡大します。そのため、多くの顧客にサービスを提供できる組織体制の構築、多様な人材の獲得・育成、テクノロジー投資の加速を早期に実現する計画でおります。
③ 子会社ビーランでの構造改革
スノーアパレルを主力販売するビーランは、商品MD改善や売上連動型の生産体制、物流体制や取引条件変更などを実施し、ビジネスモデル変革を実施してまいります。また、冬場偏重の収益構造の平準化に向けた、通期で販売可能な商品展開の構築と、高価格帯の新ブランド開発による新たな市場への進出を計画してまいります。
④ 人的資本への投資
当社グループは、多岐にわたる事業モデルと顧客に対応するため、EC事業をプロデュースできる人材の採用と育成を推進します。そして、経験や勘だけに頼るのではなく、エージェントAI群を活用し「データ×テクノロジー×メソッド」を掛け合わせた「いつも.データマーケティング(iDM)」を核とした再現性のあるEC支援モデルを確立することで、顧客のEC売上向上や、自社運営するプラットフォームに貢献する体制構築を目指します。これらを実現するためには人的資本への投資を不可欠と捉えております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「日本の未来をECでつくる」をミッションに掲げ、ブランド・メーカーのEC事業を総合的に支援するとともに、自社でD2CブランドやECプラットフォームを運営し、法人向け・消費者向け双方にビジネスを展開しています。当社のECビジネスを総合支援する様々なサービス提供するためには、EC事業をプロデュースできる優秀な人材確保が必要不可欠であることから、人的資本を最重要視して投資を行うことで、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を推進してまいります。
①基本的な考え
当社ではサステナビリティのみを所管する機関を設置しておりませんが、経営会議及びリスク・コンプライアンス委員会においてサステナビリティ関連のリスク及び機会を具体的に検討し、取締役会に適時報告又は提案しております。また、監査等委員会がその検討状況を監査し、必要に応じて指摘又は助言を行っております。
②ガバナンス体制
当社は、代表取締役、業務執行取締役、執行役員及び常勤監査等委員から構成される経営会議を週1回開催し、業務執行に係る事項を審議及び決定するほか、サステナビリティ関連のリスク及び機会を随時審議し、具体策を決定しております。人的資本関連のリスク及び機会を審議する際には人事の責任者に、知的財産関連のリスク及び機会を審議する際には協力会社の専門家に、それぞれ同席を要請するなどして、十分な議論が行えるよう努めております。
また当社は、代表取締役、業務執行取締役、執行役員、常勤監査等委員及びリスク管理責任者から構成されるリスク・コンプライアンス委員会を四半期に1回開催し、業務全般に係るリスクを評価するほか、サステナビリティ関連のリスクを随時審議し、具体策を講じております。
取締役会では、経営会議やリスク・コンプライアンス委員会で審議又は決定された事項が報告又は提案されております。経営と執行を分離して取締役会の監督機能を強化するため、2023年6月より取締役会の過半数を社外取締役が占める体制に移行しました。社外取締役を中心に、サステナビリティ関連のリスク及び機会について社内で十分検討されているかを監視、監督し、必要に応じて指導又は助言しております。
監査等委員会は、3名全員が社外監査等委員で構成され、サステナビリティ関連のリスク及び機会についても客観的見地から取締役として職務を執行しているかを監査しております。十分な情報収集を可能にするために常勤監査等委員を1名選定し、前記のとおり経営会議及びリスク・コンプライアンス委員会にも出席して、審議の過程から意見を述べるようにしております。
詳細については、「
当社ではリスク管理規程を定め、サステナビリティ関連を含めたリスクの管理体制を構築しています。リスク管理の全社的推進とリスク管理に必要な情報の共有を図るため、同規程に基づきリスク・コンプライアンス委員会を設置し、同委員会においてリスク評価と予防施策を検討しております。同委員会では、年に1回リスク評価を行い、サステナビリティ関連を含めたリスクを識別、評価するとともに、優先的に対応すべきリスクの絞り込みを行っております。優先的に対応すべきリスクの絞り込みについては、当社グループに与える財務的影響、当社グループの活動が環境・社会に与える影響、発生可能性を踏まえて判断しております。さらに四半期に1回、対策の進捗状況を確認し、PDCAサイクルのプロセスにより改善を進めております。
また、サステナビリティ関連の機会については、リスク・コンプライアンス委員会におけるリスク評価の結果をもとに、経営会議において機会を識別、評価のうえ、具体的施策を審議、決定しております。
当社グループの主軸事業であるEコマースの支援における財務的影響の強い環境課題は直接的にはありません。しかし当社グループを取り巻く環境では、物流や商品の梱包物や同封する内容物など、環境配慮への取組の高いものが多々あります。当社グループは委託先選定の際には、そうした環境配慮企業への委託検討、同封する印刷物への配慮の必要性が年々高まっているため、重要度の高いものと考えております。今後、地球環境対応を強化することでサービスを差別化してまいります。
人的資本関連については、人材の流動性が高まる中、採用競争力が低下して計画通りの人材獲得が進まなくなること、社員の離職により高度な専門知識及び経験を有している優秀な人材が確保できなくなることが最大のリスクと考えています。逆に300人規模のEC人材を擁することが当社グループの強みでもあります。社員に成長の機会を提供し、活躍しやすい環境を整えることで、リスク低減及び競争力強化に努めています。
1)サステナビリティ関連のリスク及び機会に対処する取組
前記(2)のとおり、当社グループの主軸事業であるEコマースの支援における財務的影響の強い環境課題は直接的にはなく、人的資本関連、すなわちEC人材の確保と育成が、短期、中期及び長期にわたり当社の経営方針・経営戦略等に影響を与える可能性があるサステナビリティ関連のリスクであり、かつ機会であると考えております。そのため、提供する各サービス分野において、高度な専門知識及び経験を有している優秀な人材の確保及び育成を最重要課題として取り組んでおります。
2)人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
人材の育成及び社内環境整備に関する方針及び戦略は次のとおりです。
①ユニットリーダー制度の導入
事業戦略、マーケティング、デザイン、物流など幅広い領域で取引先をサポートする機能を保有するEC総合支援企業としての当社の強みを活かし、クライアントのEC事業の成長を包括的に支援するためには、経営者目線でクライアントのEC事業と向き合うプロフェッショナルマネジャーを育成する必要があると考え、組織をフラット化するとともにユニットリーダー制を導入しました。小さな組織単位(ユニット)とすることで、プロフィットセンター単位である各ユニットにおいて組織作りや部下の管理、育成まで組織の成果を最大化する権限と責任をもたせ、次世代リーダー(経営者)を育成してまいります。
②Itsumo Business School及びItsumo Universityの開講
社員を教育、研修するため、Itsumo Business School("IBS”)及びItsumo University("IU")を開講しました。IBS及びIUでは、単なる学問、評論ではなく、実践に基づき結果を出すことを求めます。経営層や外部講師が直接講師を担当し、トレーニング、プレゼンテーション、ディスカッションを繰り返し、問題意識の醸成、説明能力の向上、視座のアップを目指します。特にIBSに注力しており概要は次のとおりです。
Itsumo Business School(IBS)
③業務そのものをAIに置き換える取組「AI-SHIFT」
当社は、AI技術の可能性を最大限に引き出し、お客様への価値向上と事業成長を加速させるため、全社的にAI活用を推進しております。主な取組として、従業員のAIリテラシー向上支援、倫理的かつ安全な最新の分析技術や集客技術等の積極的な活用を推進し、単なる業務効率化にとどまらず、サービス利用を担保するガイドライン策定、多様なアイデアの実証実験、成功・失敗事例の共有によるナレッジ蓄積、AIによる価値創造目標の設定、そしてAIを経営戦略の中核に据えた事業変革を目指しております。
④従業員の挑戦機会の創出(組織横断プロジェクト)
1つに限定せず、複数の組織を超えて希望者で行うプロジェクトを実施しております。各プロジェクトにおいて活発な意見交換ができる環境づくりに努めております。
⑤「いつも5バリュー」共感型コンピテンシー面接の導入
当社が定義する5つのコアバリュー(素直誠実、リーダーシップ、当事者意識、成果への情熱、信頼)を軸に、テーマ型質問話法と構造化面接を組み合わせた新型面接手法を開発し、受験者の経営視点の素養を可視化しております。
⑥成長定点モニタリング&個別最適育成設計
3ヶ月毎にスキル評価(能力・経験)とカルチャーフィット評価(価値観・行動特性)を360度データで
スコアリングし、個々人に合わせた最適な育成設計を実施しております。
当社においては、前記(3)の戦略を踏まえ、当社のサステナビリティ関連のリスク及び機会の実績を評価及び管理するために用いる情報として、人的資本に関する次の指標及び目標を採用いたします。
①管理職昇格スピード
新卒・中途を問わず入社後の研修及び実務経験を経てユニットリーダーまで育成することが当社のサステナビリティ関連のリスクを低減し、かつ機会を最大化するために重要であると考えています。そのため、入社後の管理職昇格スピードを指標とし、より多くの従業員を早期に成長させリーダーとして育成してまいります。
②女性管理職比率
当社のサステナビリティ関連のリスクを低減し、かつ機会を最大化するためには次世代リーダーの育成が不可欠です。多様な意見をもつリーダー達が議論することで、新たな事業を創造し会社を成長させられると考えます。そのため、女性管理職比率を指標とし、ロールモデルとなるような女性のキャリア形成を支援してまいります。
人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績
※ 本指標でいう「管理職」はユニットリーダー以上の職位を指します。なお、2024年4月以降に職位設定の変更を行ったため2023年度の実績は参考値となります。(第1 企業の概況 5 従業員の状況 と同じ数値を記載しております。)
また、当社と当社子会社とは会社の規模や沿革、求める人材の能力等が大きく異なるため、当社グループ共通の戦略並びに指標及び目標は特定しておりません。このため、前記の戦略並びに指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
(5)人的資本投資の成果とEC業界への貢献
当社が導入した「テクノロジー×人的資本投資による育成プログラム」などの取組は社内外から高く評価され、「人的資本経営品質2024シルバー」(20社選出)及び「キャリアオーナーシップアワード2025(中小企業の部)優秀賞」を受賞しました。また、当社は日経が選ぶ「プラチナ企業」100選にも選出されており、「働きやすく、しかも働きがいがある」組織を目指す当社の取組が評価されています。
当社はECにおいて、戦略立案だけ・広告運用だけのような点の支援ではなく、EC事業全体をプロデュースできる総合力の高いEC人材を増やすため、幅広い業務領域を活かした人事ローテーションによるOJT、スキルアップを実現する研修制度、キャリア相談窓口といった総合的育成プログラムの導入や、EC特化型AIなどテクノロジーを活用した独自の人材育成を始めています。
こうした取組が「人的資本経営の体制構築」、「データドリブン体制の整備」という観点で高い評価に繋がったと考えております。
今後は、EC業界全体の価値向上と人材循環に貢献し、取引先への売上貢献と業界革新をリードしてまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社の事業環境について
① EC市場について
当社グループは、ブランド・メーカーに向けて、EC事業における様々な支援サービスを提供しております。EC市場については順調に拡大しておりますが、インターネット及びECは歴史が浅いため、将来性については不透明な部分があります。また、中国企業に代表される工場直売モデル等新たな業態の台頭により、Amazonや楽天等のプラットフォームを主体とした物販EC市場が縮小する場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクは、経済状況や主要市場の変化により常に起こりうるものとして認識しております。当社では当該リスクへの対応策として、常に市場動向を観察・分析しタイムリーな計画変更を実施してまいります。
② 競合会社について
当社グループが提供するOneコマースでは、EC事業における様々な支援サービスがあり、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングをはじめとした各ECプラットフォームにて、マーケティング支援や、マーケティング代行サービスなどのECコンサルティングに、大手広告代理店企業やベンチャー企業など多くの企業が参入し、競合会社が存在しています。
テクノロジーの活用を通じた競合会社のサービス高度化や当社より低価格のサービスを提供する企業が出現する等、当社が明確な競争優位戦略を確立できなかった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は常にあるものと認識しております。当社グループでは、当該リスクへの対応策としてバリューチェーンの全工程をカバーする領域の広さや豊富なEC人材を強みにし、市場ニーズに照らし適切なサービスを提供していくことで、競合要素の排除及び強固なポジションの維持に努めております。
③ 技術革新について
当社グループが事業を展開するECの根幹となるインターネット環境について、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングをはじめとする各ECプラットフォームに関連する技術革新のスピードや消費者ニーズの変化は速く、それに基づく新サービスの導入が相次いで行われております。当社グループは、これらの変化に対応するため、技術者の確保や必要な研修活動を行っておりますが、これらの対応が想定通りに進まない場合、当社グループの提供するサービスが陳腐化し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は常にあるものと認識しております。当社グループでは、これらのニーズの変化に対応すべく、さらなる技術者の確保や研修の充実を図り、積極的に技術情報の収集及び技術ノウハウの吸収並びにサービス開発への展開に努めてまいります。
(2)当社グループの事業について
① Oneコマースについて
Oneコマースは、国内の複数のECプラットフォームにおける、マーケティング、コンサルティング、デザイン、サイト運営等の事業における様々な支援サービスを提供しております。このサービスによって獲得したユーザーの新規契約件数及び継続率は重要な要素であり、WEBセミナー等のマーケティング活動による新規取引先の獲得、ユーザーの利便性の向上、取扱う情報やサービスの拡充等の施策を通じて、新規契約件数の確保、継続率の維持・向上を図っております。しかしながら、何らかの施策の見誤りやトラブル等で、新規契約件数や継続率が想定を大きく下回る事態が続いた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの発生時期や影響度を事前に予測することは合理的に不可能なため、当該事象の発生については、営業部門と連携し、顧客満足度を高めることでサービスの向上に努めてまいります。
② 協業ブランドパートナー、共創・自創バリューアップについて
協業ブランドパートナー及び共創・自創バリューアップは、当社グループがAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングをはじめとしたECプラットフォーム上で、自社ブランドの商品販売またはブランド・メーカーの公式ショップを運営し、商品を仕入れ、一般消費者からの受注対応、物流倉庫での保管・出荷まで一気通貫でサービスを提供しております。当社グループが出店するECプラットフォームにて運営方針の変更などにより、出店に関する費用が増加した場合やECプラットフォームを利用する消費者が減少する場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、消費者の嗜好や時代変化に対応するため、市場調査に基づいた製品開発やリブランディングを行っておりますが、消費者の嗜好や流行の変化に伴い、当社グループが取扱うブランドの人気が低下した場合や受託しているブランドとの契約解除があった場合にも、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの発生時期や影響度を事前に想定することは合理的に不可能なため、当該事象の発生については常に市場環境をモニタリングするほか、新規取引先の開拓やブランド数の増加により1ブランドの当社への影響の低減に努めるなど、対策を講じてまいります。
③ 物流外注先の活用について
当社グループの提供する協業ブランドパートナーにおける物流サービスは、当社グループが提携している物流倉庫会社に外注しております。現状では、有力な協力会社と長期的かつ安定的な取引関係を保っておりますが、必要なキャパシティが確保できない場合、物流の運賃上昇があった場合あるいは新たな協力会社が発掘できなかった場合には、サービスの円滑な提供及び積極的な受注活動が阻害され、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクを事前に想定することは合理的に不可能なため、各商材に最適な物流倉庫を選定し外注することで、リスク分散に努めてまいります。
④ 新規事業について
当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するために、新規事業への取組を進めていく方針であります。新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の期間と投資を要することが予想され、全体の利益率を低下させる可能性があります。また、将来の事業環境の変化等により、新規事業が当初の計画どおりに推移せず、新規事業への投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 仕入れ及び為替変動について
当社グループが販売する商品の大部分は、需要予測に基づいた仕入を行っております。しかしながら、実際の受注が需要予測を上回った場合には販売機会を失うこととなり、実際の受注が需要予測を下回った場合には、過剰在庫が発生し、キャッシュ・フローへの影響や商品評価損が発生する可能性があります。また、共創・自創バリューアップで取扱う商品等は主として海外から輸入しております。そのため、為替相場の変動(主に円安)により、商品原価が上昇し販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は、経済状況や主要市場における需要の変化により常に起こりうるものとして認識しております。当社グループでは、市場動向を分析し、過剰在庫が発生しないよう適正在庫のコントロールを行ってまいります。
⑥ 地政学リスクについて
当社グループは、共創・自創バリューアップにおいて取扱い商品等を主として海外から輸入しており、また一部ブランドについて中国をはじめとした海外代理店へ販売しております。そのため、主に中国の経済情勢や、地政学的なリスク等によりコストの高騰や調達が困難になる場合、また海外顧客からの需要が減少し受注減となる場合は、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その対応として、当社グループは、国際情勢を注視するとともに、調達先の見直しや販路の拡大を図り、リスクの分散化を図っております。
(3)組織体制について
① 人材の確保・育成について
当社グループが提供する各サービス分野において、高度な専門知識及び経験を有している優秀な人材の確保及び育成は、経営の最重要課題であると考えております。当社グループでは、優秀で意欲に満ちた魅力ある人材を確保できるよう、自由で創造性に満ちた誇りある企業文化の醸成に力を入れております。また、従業員にとって、働きがいのある目標の設定、能力に応じた積極的な権限委譲、さらには、社内人材育成を目的とした研修プログラムの構築による社内育成体制の強化も進めております。しかしながら、今後、取引先の需要に対して、当社グループが必要とする人材が必要なだけ必要な時期に確保・育成できなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② システムトラブルについて(サイバーテロ)
当社グループが提供しているサービスは、インターネット通信網に依存しております。したがって、想定を超えたアクセスの増加によるシステム障害、自然災害や事故によりコンピューターシステムが停止し、またはインターネット回線の接続が不能となった場合、サービスの提供が困難となります。当社グループでは、そのような事態を想定し、ほぼ全てのサーバーを外部のデータセンターへ設置するとともに、オフィスの選定に関しても、システム保守・保全の点を重視するなどバックアップ及び可及的速やかな復旧が可能な体制を構築しております。しかしながら、自然災害等の既述の予測不能な様々な要因により、システムトラブルが発生し安定的なサービス提供を行うことができない事態が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 特定の人物への依存について
当社グループの創業者である代表取締役社長 坂本守、取締役副社長 望月智之は、経営方針や経営戦略等、当社グループの事業活動において重要な役割を果たしており、当人に対する依存度は高くなっております。当社グループにおいては、当人に過度な依存をしない経営体制を構築すべく、担当役員等に権限委譲を進めておりますが、何らかの理由で当人の業務遂行が困難になった場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)関連法的規制について
① 法的規制について
当社グループの事業は、「不当景品類及び不当表示防止法」、「特定商取引に関する法律」、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「下請代金支払遅延等防止法」、「個人情報の保護に関する法律」等による法的規制を受けております。当社グループでは、当該規制に対して、遵守体制の整備・強化、社員教育、顧問弁護士との定期的な情報交換等の対応を行っておりますが、今後、新たな法令等の制定や、既存法令等の解釈変更等がなされ、当社グループの事業が制約を受ける可能性がある場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、越境ECを対象とする法的規制が整備されていない国が多くあります。当社グループでは、海外のプラットフォームとの契約時には、顧問弁護士と連携のうえ、現地の主要法令の調査を実施した上で契約締結する方針ですが、新たな規制や法令等の制定、既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期については、各国の法改正等により翌期においても、相当にあるものと認識しております。当社グループでは、当該リスクの対策として、法的規制に対応できる体制強化を図り、法的規制の変更等の外部要因に起因するリスクについても関連法令の改正等の動向をモニタリングすることで、リスクの早期把握に努めております。
② 個人情報管理及び機密情報の管理について
当社グループはサービス提供に当たり、消費者、サービス利用会員等の個人情報及び多数の取引先に関する機密情報を取得しております。当社グループでは、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が運営するプライバシーマーク、並びに一般社団法人情報マネジメントシステム認定センターよりISMSの認証を取得して、情報資産の保護に注力するとともに、重要な情報の機密性・完全性・可用性の確保を図っております。しかしながら、今後何らかの理由により個人情報や機密情報が漏洩した場合には、損害賠償や信用力の失墜により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 知的財産権について
当社グループでは、当社グループが運営する事業に関する知的財産権を確保するとともに、第三者の知的財産権を侵害しない体制の構築に努めております。しかしながら、当社グループの認識していない知的財産権が既に成立していることにより、当社グループの事業運営が制約を受ける場合や、第三者の知的財産権侵害が発覚した場合等においては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクの発生時期や影響度を事前に想定することは合理的に不可能ではありますが、当該事象の発生については、第三者の知的財産権を侵害しないよう、管理を徹底してまいります。
(5)その他
① M&A及び資本業務提携等のリスク
当社グループがM&Aや資本業務提携等を行う際は、事前に対象企業の財務内容や契約内容等審査を十分に行い、各種リスクの低減に努める方針です。しかしながら、これらの調査後の事業環境の変化等により、当初想定していた成果が得られない場合や、資本業務提携等を解消・変更する場合は、のれんや持分法で会計処理されている投資の減損損失が発生する場合があり、当社グループの財務状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は、M&Aが実施される時期及びM&A実施後の事業展開に起因することから、合理的な予測は困難であると認識しております。当社グループでは当該リスクに対し、継続的な業績のモニタリングを行っており、減損損失が発生する前に対策を講じるように努めております。
② 新株予約権の行使等による株式価値の希薄化について
当社グループでは、役職員に対するインセンティブを目的としたストック・オプション制度を採用しております。今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は248,200株であり、発行済株式総数5,937,952株の4.2%に相当しております。
また、2021年6月25日開催の株主総会において、当社取締役(監査等委員である取締役を除く。)向けに譲渡制限付株式報酬制度を導入することを決議いたしました。これらの制度に基づく株式の発行及び処分が行われた場合には、ストック・オプション制度と同様に、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。
③ 配当政策について
当社グループの利益配分につきましては、将来の事業の展開と経営基盤の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、経営成績や配当性向等を総合的に勘案し、安定的かつ継続的な配当を維持することを基本方針としております。しかしながら、当社グループは成長過程にあることから内部留保の充実を優先し、創業以来無配としてまいりました。将来的には、業績及び財務状態等を勘案しながら株主への利益の配当を目指していく方針でありますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
④ 資金使途についてのリスク
当社グループが調達した資金の使途については、今後の業容拡大に向けた運転資金、採用費及び人件費、システム投資に係る設備投資資金に充当する計画であります。しかしながら、急速に変化する経営環境に柔軟に対応するため、現時点における資金使途計画以外の使途へ充当する可能性があります。
また、当初の計画に沿って資金を使用したとしても、想定どおりの投資効果を上げられない可能性もあり、このような場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 自然災害について
地震、台風、津波、長時間の停電、火災、疫病の蔓延、その他の予期せぬ災害またはテロ、戦争等の紛争が発生した場合、当社グループの事業の運営または継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、複数サーバーやバックアップ体制等、事業継続のために必要な体制をとっておりますが、リスクの発現による人的、物的損害が甚大な場合は当社グループの事業継続そのものが困難となる可能性があります。
当該リスクが顕在化する可能性は、常にあるものと認識しております。当社グループでは当該リスクが顕在化した緊急事態の際には、代表取締役社長を責任者とし、発生原因、緊急措置、被害、経過等の状況を可能な限り迅速かつ詳細に把握した上で、対応方針を協議し決定するなど、大規模災害や感染症蔓延への対応を図ることとしております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)におけるわが国経済は、個人消費の改善及びインバウンド需要の増加等、緩やかな回復基調となりました。一方で、地政学リスクの高まりに加え、米国新政権発足に伴う大規模な関税の引き上げ方針をめぐり世界経済の悪化が懸念されるなど、依然として先行きの不透明な状況が続いております。
当社グループの事業を取り巻く環境は、株式会社富士経済が公表した「通販・e-コマースビジネスの実態と今後2025」によれば、2024年のEC(物販)市場規模が14.6兆円であったことに対し、2025年の見込みは15.1兆円、2026年は15.4兆円と、着実に成長を続けていくことが予想されております。このため、今後も各ブランド・メーカーが継続的にECビジネス展開に注力していくことが予測され、当社グループにとって事業拡大を見込める良好な環境であると捉えております。一方、多くのブランド・メーカーは、近年のマーケティングの高度化・複雑化や他社との競争激化により「データドリブンな投資判断」、「施策の精度と実行スピード」など一層高いレベルでの戦略戦術が必要とされるほか、生成AI導入などによる事業成果と業務効率化を同時に実現するビジネスモデルの変革にどのように取り組んでいくか等、EC事業拡大においての課題に直面しております。
このような経営環境の中、当社グループは「日本の未来をECでつくる」をミッションとして掲げ、ブランド・メーカーへのEC事業総合支援・D2C及びECプラットフォーム運営を展開してまいりました。
Oneコマースサービスにおいては、平均単価は約10%アップしたものの、市場の変化やサービス機能の見直しにより新サービスのリリースが遅延したため前年同期比で減収し、売上高は2,771,022千円となりました。
協業ブランドパートナーサービスにおいては、前期下期から開始した複数のブランドによる収益貢献と既存ブランドの堅実な成長により前年同期比で増収し、売上高は9,280,552千円となりました。
共創・自創バリューアップサービスにおいては、スノーアパレルを主力で販売する「ビーラン」でビジネスモデルの構造変革に対する取組ができたものの、滞留していた在庫処分が影響し減収、売上高は1,729,939千円となりました。
ECプラットフォームサービスにおいては、ライブコマースのプラットフォームである「Peace you LIVE」における手数料収入が前期比で増加し、売上高は159,344千円となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は13,940,858千円(前年同期比0.6%増)、営業利益は74,434千円(前年同期比76.8%減)、経常利益は43,447千円(前年同期比85.6%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は98,093千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益258,961千円)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、8,609,538千円(前連結会計年度末比1,187,839千円増加)となりました。その主な内訳は、現金及び預金が2,932,258千円、売掛金が1,598,749千円、商品が1,976,647千円、固定資産が1,878,328千円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、6,246,465千円(前連結会計年度末比1,271,809千円増加)となりました。その主な内訳は、買掛金が1,369,091千円、短期借入金が700,000千円、1年内返済予定の長期借入金が1,159,356千円、長期借入金が2,261,010千円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、2,363,072千円(前連結会計年度末比83,970千円減少)となりました。その主な内訳は、資本金が754,096千円、資本剰余金が742,596千円、利益剰余金が863,872千円であります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して799,345千円増加し、2,932,258千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、65,312千円(前連結会計年度比674,487千円増加)となりました。その主な内訳は、減価償却費の計上108,773千円、仕入債務の増加168,419千円、売上債権の増加225,931千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、486,289千円(前連結会計年度比129,983千円増加)となりました。その主な内訳は、有形固定資産の取得による支出4,012千円、無形固定資産の取得による支出197,384千円、貸付けによる支出72,700千円、差入保証金の差入による支出212,551千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、1,220,322千円(前連結会計年度比844,146千円増加)となりました。その主な内訳は、短期借入金の純増額100,000千円、長期借入れによる収入2,025,000千円、長期借入金の返済による支出906,814千円等によるものであります。
当社グループはECワンプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の状況につきましては、サービス別に記載しております。
当社グループの事業は、提供するサービスの性質上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
第18期連結会計年度における仕入実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は、仕入価格によっております。
当社グループでは一部個別の受託案件がありますが、受注実績に重要性がないため、記載を省略しております。
第18期連結会計年度における販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別販売実績及び当該販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当連結会計年度における当社の連結財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、当社グループの連結財務諸表作成に当たり、特に重要と判断している会計上の見積りは以下のとおりです。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産の計上に当たっては、回収可能性を考慮して、繰延税金資産総額から評価性引当額を減額して算定しております。繰延税金資産の回収可能性については、近年の業績推移や当社を取り巻く状況を勘案し、将来の課税所得を合理的に見積り、判断しておりますが、課税所得の将来予測に影響を与える変化が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性が変動することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼすことが考えられます。
(投資有価証券の評価)
投資有価証券の計上に当たっては、市場価格のない株式等について、投資先の財政状態の悪化等により実質価額が著しく低下した場合は、減損処理の対象としております。市場環境や投資先の業績が悪化した場合には、追加的な減損処理が必要となる可能性があります。
(のれんの評価)
のれんの計上に当たっては、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。
のれんの減損の兆候の有無については、営業活動から生じる損益が継続してマイナスとなっている場合や実績が当初の事業計画を下回っている場合等において、減損の兆候を識別しております。また、のれんの減損損失の認識に用いる指標は、各事業または連結子会社の事業計画を基礎としており、不確実性を有しております。
② 財政状態の分析
財政状態の分析に関する情報については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりです。
③ 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、13,940,858千円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。その主な要因は、協業ブランドパートナーサービスの前期下期から開始の複数ブランドによる収益貢献と、ECプラットフォームサービスでの増収によるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、10,962,459千円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。その主な要因は、協業ブランドパートナーサービス及びECプラットフォームサービスにおける仕入れの増加によるものであります。これらの結果、売上総利益は2,978,399千円(前連結会計年度比8.9%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,903,964千円となりました。その結果、営業利益は74,434千円(前連結会計年度比76.8%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、雑収入7,447千円等の計上により11,233千円となり、営業外費用においては、支払利息23,586千円、支払手数料13,778千円等の計上により42,220千円となりました。これらの結果、経常利益は43,447千円(前連結会計年度比85.6%減)となりました。
(特別損益、親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度における特別損失においては、貸倒引当金繰入額22,998千円等の計上により42,082千円となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は98,093千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益258,961千円)となりました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析に関する情報については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における主な運転資金需要は、ブランド・メーカーからの仕入資金、人材獲得のための採用費及び人件費等に伴う運転資金等であります。
当社グループは、これらの資金需要に機動的に対応するため、内部留保の蓄積、金融機関からの借入及び増資により十分な流動性を確保しております。
重要な契約等は以下のとおりであります。
当社は、複数の金融機関と当座貸越契約、またはコミットメントライン契約を締結しており、その概要は以下のとおりであります。
(2)財務上の特約が付された金銭消費貸借契約
当社は、金融機関と財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結しており、その概要は以下のとおりであります。
該当事項はありません。