文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は、「難治性疾患治療薬の研究開発を行い、難病に苦しむ患者さんに対して画期的な治療手段を提供し、社会に貢献いたします」を企業理念とし、組換えヒトHGFタンパク質の研究開発によって創薬イノベーションを起こすことが事業機会の創出・獲得につながると考え、組換えヒトHGFタンパク質プロジェクトに経営資源を集中し、事業展開をしております。希少疾患を主な対象疾患とし、臨床試験の成果をより確実に医薬品として社会実装するため、自社開発により自社で医薬品製造販売承認を取得することを基本方針とします。
製薬業界におきましては、高齢化に伴う医療費の増大に対応したジェネリック医薬品による代替が進むとともに、薬価改定期間が短縮され、高額医薬品の薬価が著しく低下しております。また、臨床試験の大規模化等に起因する新薬開発のためのコスト増大により、国内外での製薬企業の合従連衡が進みM&Aによる企業規模が拡大するとともに、自社創薬開発において重点領域の絞込みが行われており、社外から開発品目を導入する動きも活発化しております。
一方、新薬開発については、対象患者が多く、将来安定した多額の収益が得られるいわゆるブロックバスター医薬品から、特定の患者群に効果的な治療が行える医薬品の開発に移行しており、経営資源が特定分野に集中し、短期に意思決定が行われる創薬ベンチャーがその中心的役割を担うといわれております。これに対応すべく、政府は、厚生労働省や経済産業省の中央省庁を中心に、日本発の創薬を積極的に支援するため、特に、創薬ベンチャー支援の取り組みとして、医療系ベンチャー・トータルサポート事業(MEDISO)の開始や「伊藤レポート2.0 バイオメディカル産業版」の作成がなされております。また、日本国内での創薬を促進するため、医薬品について「条件付き早期承認制度」が導入されました。
当社は創薬バイオベンチャーとして当社開発品の実用化に向けて、研究開発を促進しておりますが、継続的な売上を計上する段階には至っておりません。したがって経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の設定はしておりません。
しかしながら、開発の進捗を経営目標とし、その達成状況を今後の利益計上に至るまでの会社経営の指標と考えております。
当社は、創薬バイオベンチャーとして、難治性疾患を対象とした組換えヒトHGFタンパク質の研究開発を行い、医薬品として実用化すべく事業を推進しております。
一方で医薬品としての事業化は、製品化までに多額の資金と長い時間を要する等の特性があり、当社は継続的な営業損失の発生及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上している状況にあり、すべての開発投資を補うに足る収益は生じておりません。
このような事業環境下、当社は、以下の点を対処すべき課題として取り組んでおります。
当社は、国内臨床パイプラインとして難治性神経疾患である脊髄損傷急性期及びALSならびに声帯瘢痕の治療薬の開発を行っております。脊髄損傷急性期については第Ⅲ相試験を開始しており、実施医療機関及び関連医療機関との連携のもと試験の早期完了を実現する計画であります。ALSについては医師主導治験であるため、当社の対応は限られておりますが、その範囲内において、臨床試験が早期に完了するようサポートを行い、試験完了後は早期に医薬品としての実用化を目指して取り組んでまいります。声帯瘢痕については、現在、次相試験のデザインを協議中でありますが、同時に治験実施費用の調達を目的とした各種公的補助金申請及び提携候補先の探索を継続してまいります。
当社は前述の3件のパイプラインのほか、米国において急性腎障害の第Ⅰa、Ⅰb相の臨床試験を実施しております。現在、資金的観点から当該疾患に対する開発を一旦中止しておりますが、資金的余裕が出た段階で再開する計画であります。また、多様な生物活性を持つHGFではその他多くの治療の論文が公表されており、今後の企業価値最大化の観点から、これらに対する医薬品を開発するパイプラインを立ち上げる必要があります。
また、組換えヒトHGFタンパク質の臨床試験を複数実施した当社の知見から、新たなバイオ医薬品の開発等、難治性疾患のQOL(Quality of Life:生活の質)の向上のためのパイプライン開発を行ってまいります。
当社は現在、前述の4件の臨床パイプラインを開発中でありますが、これらのすべてが治療薬として実用化された場合、HGF原薬供給の量産体制を強化する必要があります。また、当社以外でも組換えヒトHGFタンパク質を用いた治療薬の開発が行われており、当該他社にHGF原薬を供給する契約を締結しております。このため、引き続き、1ロットの生産量を増加する等のさらなる製法改良を継続し、量産供給体制を確立してまいります。
当社は創薬バイオベンチャーであるため、研究開発費を補うための十分な収益を得るまでに長期の時間を要します。そのため、資金的余裕を生じさせることが困難であります。
しかしながら、研究開発の促進を図るためには十分な資金を研究開発費として供給する必要があることから、今後も引き続き、増資はもとより、HGF原薬供給や共同開発による収益計上により、財務体質の強化を図ってまいります。
当社の事業運営及び展開等について、リスク要因として考えられる主な事項を以下に記載しております。中には当社として必ずしも重要なリスクとは考えていない事項も含まれておりますが、投資判断上、もしくは当社の事業活動を十分に理解する上で重要と考えられる事項については、投資家や株主に対する積極的な情報開示の観点からリスク要因として挙げております。
当社はこれらのリスクの発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針ですが、当社株式に関する投資判断は、以下の事項及び本項以外の記載もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。また、これらは投資判断のためのリスクを全て網羅したものではなくさらにこれら以外にも様々なリスクを伴っていることにご留意いただく必要があると考えます。
また、当社は、医薬品等の開発を行っていますが、医薬品等の開発には長い年月と多額の研究費用を要し、各パイプラインの開発が必ずしも成功するとは限りません。特に研究開発段階のパイプラインを有する製品開発型バイオベンチャー企業は、事業のステージや状況によっては、一般投資者の投資対象として供するには相対的にリスクが高いと考えられており、当社への投資はこれに該当します。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社は主要な開発パイプラインとして、脊髄損傷急性期及びALSの組換えヒトHGFタンパク質による治療薬を開発しており、それぞれ、脊髄損傷急性期については第Ⅲ相試験、ALSについては第Ⅱ相試験を進行中であります。
また、別途、声帯瘢痕及び急性腎障害の治療薬についても開発を進めており、声帯瘢痕については次相(第Ⅱ/Ⅲ相)試験、急性腎障害については提携先を得た上で第Ⅱ相試験を行うべく計画準備がなされております。
しかしながら、臨床試験で期待どおりの結果を得ることは不確実であり、PMDAとの協議において当該開発品が有効性を示していないと判断される可能性があります。また、臨床試験中に重篤な副作用が発生した場合、安全性に疑義が生じ臨床試験を中断する可能性があります。
このような場合は、パイプラインの開発が遅延又は中止となり、その結果収益自体が計上できる状況に至らない可能性があります。
(1)に示したように、当社は複数パイプラインで研究開発を行っておりますが、それぞれの開発段階で予想できない結果等(有効性や安全性の評価項目の未達、重篤な副作用発生、新型コロナウイルス感染症等の流行による症例組入れ停止等)が発生し、その後の開発について遅延が生じる可能性があります。当該開発の遅延により、当初の予算を上回る資金需要やスケジュールの遅延が生じる可能性があります。
当社は、多く有用な情報から最も確度の高い価格、市場規模、市場占有率等を考慮して将来の収益の計画を策定しております。しかしながら、当社は、難治性疾患の治療薬を開発しており、類似製品の選定が困難な場合、及び類似製品からの価格の推定が困難な場合があり、将来の収益の計画が大きく変更となる可能性があります。また、製品の販売を開始するまでの時期については、収益が発生する場合の主な内容が契約一時金収入やマイルストーン収入であることから、収益の発生時期及び金額は開発の進捗により大きく変動する可能性があります。
当社が開発しているパイプラインについては、競合品の開発状況について随時検討を重ねております。当社開発製品の将来収益予想に影響を及ぼす可能性のある競合品は少ないと判断しておりますが、今後の競合品の開発状況の変化により、将来の収益性に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社は事業展開において種々の知的財産権を使用しており、これらは当社所有もしくは適正に使用許諾を受けた権利であると認識しており、今後も第三者の知的財産権を使用することがあります。当社では、第三者の知的財産権に抵触することを回避するため、調査、検討及び評価等を随時実施しておりますが、第三者の知的財産権に関連して係争が生じる可能性もあります。
今後、事業の進捗により、このようなリスクは増大するものと思われます。
また、当社は他社による特許権等知的財産権の侵害を未然に防止するため、当社として必要と考える調査を実施しております。これまでに、当社の知的財産権について第三者との間で訴訟が発生した事実はありませんが、研究開発型企業である当社は、知的財産権侵害の問題を完全に回避することは困難であり、第三者との間で知的財産権に関する紛争が生じた場合は、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は株式会社ニューロゲン(代表取締役:米田喜子)より、組換えヒトHGFタンパク質を製造するためのマスターセルバンクの使用許諾を受けております(「第2 事業の状況 4 経営上の重要な契約等 (1) 技術受入契約」をご参照ください)。株式会社ニューロゲンは、HGFのインデューサー(中国の生薬等に含まれ、摂取することにより体内のHGF産生を上昇させる活性を持つ物質)の研究開発を行うとともに、中村敏一氏の保有するHGF関連資産を管理しております。マスターセルバンクは組換えヒトHGFタンパク質の製造における起点となる細胞株であるため、当該使用許諾は主要な事業活動の前提となる事項でありますが、株式会社ニューロゲンとは長年にわたり良好な関係を維持しており、現時点でマスターセルバンクの継続的な使用に支障をきたす要因は発生しておりません。マスターセルバンクは、当該使用許諾契約に基づき、当社がGMP準拠により適切に保管しております。今後、当社がマスターセルバンクを使用できなくなる可能性は極めて低いと考えておりますが、何らかの理由により当該使用許諾契約が解除された場合には、当社の医薬品開発事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、以下に主要な開発パイプラインに関する当社所有の特許を記載しております。
当社は、医薬品を販売するにあたり「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、「薬機法」という)に基づき第1種医薬品製造販売業の許可を得た後に、組換えヒトHGFタンパク質による製品の製造販売承認の取得に向けて、薬機法に準拠した体制整備と医薬品開発を継続するように努めております。また、製造販売承認を得るため、申請書類に必要なデータ(品質、安定性、有効性)の取得、及び信頼性保証体制の整備に努めております。
しかしながら、製造販売業の許可については、薬機法に違反した事実が認められたり、薬機法の改正に対応することができない場合は、取り消される可能性があります。また、組換えヒトHGFタンパク質による製品の品質、有効性及び安全性が認められない場合は、当該製品の製造販売承認が得られない可能性があります。
医薬品については前述の薬機法以外にもいくつかの法令によって規制されており、これらの規制に抵触することにより、販売の規制などの行政処分が執行される可能性があります。
我が国の医療制度は国民皆保険制度を基盤として、すべての国民が十分な医療行為を受けられる体制が敷かれております。しかしながら、高齢化社会による昨今の医療費の増大を踏まえ、当該制度を維持すべく薬価改定を中心とした医療制度改革が実施されており、当社の販売する製品価格に大きく影響する可能性があります。
医薬品の臨床試験の実施に際しては、治験薬による重篤な副作用が発生する可能性があります。当社は、当該リスクに対して損害賠償保険に加入しておりますが、当該保険の範囲外での賠償義務が生じる可能性があります。また、医薬品として販売の承認を受けたあとも、同様の重篤な副作用の発生の可能性を否定することは困難であり、これに対しても損害賠償保険に加入しておりますが、当該保険の範囲外での賠償義務が生じる可能性があります。
当社は、製造受託業者に委託して、臨床試験の治験薬製造を行っており、また、今後の医薬品の製造を行う予定であります。今後の医薬品製造に当たっては、当社のみの特殊な原材料等があるため、原材料等の不足が生じないように一定の原材料等の確保及び事前の原材料の確認、発注等一定の手当を行っておりますが、当該原材料が不足した場合、医薬品の安定的な供給に問題が生じる可能性があり、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社は前述のように特殊な原材料、消耗品等を使用しているため、少数のサプライヤーに依存して製造を行っております。このため、サプライヤーサイドの事情により原材料等の供給が滞る可能性があります。当社はセカンドサプライヤーの検討や一定程度の在庫量の確保等を進めておりますが、前述のとおり、原材料や消耗品等の供給に不足が生じた場合、将来製品の製造に遅延が生じ、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社は製造を外部委託することにより、製造に係る人件費や固定資産の減価償却費等、固定費を削減するとともに現預金残高を増加させ財務基盤を安定化させております。また、製造を外部委託することにより、機動的な製造も可能となると考えております。製造委託先との緊密な連絡体制や契約により当社製品の製造に支障が生じないようリスク管理を十分に行っておりますが、何らかの事情により委託先が当社製品を製造できなくなる可能性があります。また、当社及び委託先それぞれにおいて品質管理体制を構築して、一定の品質を確保した製品製造を実行しておりますが、管理の不備により品質上問題のある製品が使用された場合には、当社の信頼性が担保されず、事業推進に支障が生じる可能性があります。
組換えヒトHGFタンパク質を有効成分とする医薬品の製造に関しては、原薬の製造と凍結乾燥製剤の製造に分けることができますが、いずれも製造方法を特許として出願せず、ノウハウとして公表しない戦略をとっております。
当社役職員や製造委託先については、秘密保持契約等の締結によりこれらの製造に関する技術・ノウハウが流出しないような措置はとられているものの、何らかの理由により製造に関する技術・ノウハウが流出した場合、製造に関する優位性が失われ、他社により製造される可能性があります。
丸石製薬株式会社とは、当社が開発中である脊髄損傷急性期を対象とした製品が製造販売承認を得た際に独占的販売権を許諾する契約を締結しております。この提携により同製品の販売網が構築されますが、何らかの事象(相手先企業の経営環境の悪化や経営方針の変更等)により、同社への販売が実現されない場合、同製品の売上が計画を下回る可能性があります。当社は、販売数の低下を回避するためのバックアップ体制の構築を想定しておりますが、一時的な売上低下を回避することは難しいと考えております。
東邦ホールディングス株式会社とは、当社が開発中である脊髄損傷急性期を対象とした製品が製造販売承認を得た際に独占的卸売販売を行う契約を締結しております。この提携により同製品を市場に供給するためのサプライチェーンが構築されております。しかしながら、何らかの事象(相手先企業の経営環境の悪化や経営方針の変更等)により、提携先である同社による市場供給が困難になった場合、一時的に同製品の市場供給が難しくなる可能性があります。当社は、市場供給の停止を回避するためのバックアップ体制を構築しておりますが、一時的な供給停止を回避することは難しいと考えております。
当社は米国のクラリス・バイオセラピューティクス社とHGF原薬の供給契約を締結しております。しかしながら、何らかの事象(相手先企業の経営環境の悪化や経営方針の変更等)により同社が行っている医薬品開発が進捗しなかった場合、当社製品であるHGF原薬の供給がなくなり、売上が減少する可能性があります。
前述のとおり、開発が成功した場合の脊髄損傷急性期治療薬についての国内における独占的販売に関する契約については丸石製薬株式会社と、独占的卸売販売に関する契約については東邦ホールディングス株式会社と締結しており、今後の製品供給に関するサプライチェーンが構築されております。しかしながら、現時点においては開発が成功した場合のALS治療薬についての販売に関する提携がなされておらず、今後の事業展開の状況によっては、有効なサプライチェーンの構築が困難になることも考えられます。
前述のとおり、国内市場において、脊髄損傷急性期治療薬についてのサプライチェーンの構築を含め、製造販売承認がなされた後の市場供給過程が設定されておりますが、海外においては、製薬会社等との提携により、臨床試験の設定から構築する必要が生じます。しかしながら、海外製薬会社等との提携が適時適切に行われない場合は、海外での事業展開が遅延する可能性が生じます。
当社組織は、取締役5名(非常勤取締役2名を含む。)、監査役3名(非常勤監査役2名を含む。)及び従業員10名から構成されております。これは、当社が社外組織や個人を活用することにより固定費を低減し、収益を獲得するまでの期間における費用を低く抑える経営戦略に沿った組織体制を構築したことによるものであります。
当社の研究開発を行う医薬開発部は取締役1名と従業員6名で構成されております。今後の積極的な事業展開を踏まえて、人員の拡充を計画しておりますが、計画どおりの人材採用が行われない場合は、研究開発活動が遅延する可能性があります。
また、管理業務を行う経営管理部は取締役1名と従業員4名で構成されております。今後は、事業拡大に応じた内部管理体制の充実を考慮し、人員の拡充を計画しておりますが、計画どおりの人材採用が行われない場合は、内部管理体制が十分に構築できない可能性があります。
新型コロナウイルス感染症等の拡大により、当社の役員及び従業員が感染し、事業活動に重大な支障が生じた場合、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。なお、当社では、感染症対策の強化を図るとともに、リモートワークの導入など、柔軟に事業を継続できる体制整備に努めております。
本書提出日現在、当社発行済株式総数は3,647,700株(潜在株式を除く)であり、うちベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタルが組成した投資事業組合等(以下、「VC等」という。)が所有する株式数は54.3%を占めております。
一般に、VC等が未公開株式に投資を行う目的は、公開後に当該株式を売却することによるキャピタルゲインの獲得であることから、当社の株式公開後においてもVC等による所有株式の売却が想定されます。当該株式売却により、一時的に需給のバランスの悪化が生じる可能性があり、当社株式の市場価格が低下する可能性があります。
当社は、ストックオプション制度を採用しており、取締役、従業員等に対して新株予約権を付与しております。また、今後も優秀な人材確保及び取締役、従業員等の企業価値向上への貢献意識を高めることを目的として、新株予約権を発行する可能性があります。
本書提出日現在、これら新株予約権による潜在株式数は485,000株となり、発行済株式総数と潜在株式数を合計した株式数に対し11.74%を占めておりますが、新株予約権が行使された場合、発行済株式総数が増加し、当社株式の市場価格が低下する可能性があります。
代表取締役社長の安達喜一は経営方針の決定、開発パイプラインに関する製薬企業等との提携交渉等、当社の事業活動全般に重要な役割を果たしております。また、研究開発については専門的な知識が必要となるため特定の従業員に強く依存するところがあります。当社では特定人物への依存が強くなり過ぎないよう業務内容を複数で共有するとともに人材の確保及び育成に努めておりますが、人材の拡充が進まない、人材が流出する等の事態が生じた場合には、当社の事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社は研究開発型の創薬バイオベンチャー企業であり、多額の研究開発費を先行投資するビジネスモデルであるため、継続して当期純損失を計上しております。計画どおりに開発を進めることにより、当社製品が医薬品として承認され早期に利益を計上することを目指しておりますが、研究開発の遅延により利益の計上が遅れる可能性があります。
当社は、本書提出日現在において、会社法上の配当可能利益がなく、創業以来、配当を実施しておりません。早期に利益を計上したのち、財務体質の強化及び研究開発への投資とともに株主への利益還元を行うべく利益配当を考えております。
しかしながら、研究開発の遅延や収益見込が下回る等により利益配当が十分になされない可能性があります。
当社のような創薬バイオベンチャー企業は、研究開発が先行して行われるため、研究開発期間中においては継続的に営業損失を計上し、営業活動によるキャッシュ・フローは通常マイナスとなります。現在、開発中であるKP-100ITが実用化され販売が本格的に開始されるまでの間、研究開発資金を含む事業資金は過去における増資資金及び株式公開における調達資金で賄う予定でありますが、研究開発等、本格的な販売開始の遅延により資金がひっ迫する可能性があります。また、当社は現在、ALSについて導出・共同開発モデルでの事業化を目指しておりますが、現在実施中の第Ⅱ相試験において想定通りの治験結果とならない場合には、第三者へ導出して契約一時金を取得することができないことや導出できたとしても想定よりも契約一時金が少なくなる場合があり、そのような場合には、現状の資金繰り計画に変更が生じ、開発計画を見直す可能性があります。
この場合、増資等によって追加の資金調達を行う必要が生じますが、適切なタイミングで資金調達ができなかった場合には、当社の事業継続に重要な懸念が生じる可能性があります。また、増資を行った場合、発行済株式総数が増加することにより、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
当社の第17期事業年度における研究開発費の総額は156,703千円(販売費及び一般管理費の70.1%)、第18期事業年度においては、265,796千円(販売費及び一般管理費の71.5%)、第19期第3四半期累計期間においては、175,016千円(販売費及び一般管理費の61.5%)であります。
一般に、新薬の開発には、長期にわたる年月と多額の費用が必要になります。当社では現在、難治性神経疾患である脊髄損傷急性期及びALSを対象疾患とした臨床試験を実施中ですが、これら研究開発が当初計画よりも遅延する場合、又は当初期待していた結果が得られない場合、研究開発費用が当初計画よりも増大し、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
製薬業界におきましては、高齢化に伴う医療費の増大に対応したジェネリック医薬品による代替が進むとともに、薬価改定期間が短縮され、高額医薬品の薬価が著しく低下しております。また、臨床試験の大規模化等に起因する新薬開発のためのコスト増大により、国内外での製薬企業の合従連衡が進みM&Aによる企業規模が拡大するとともに、自社創薬開発において重点領域の絞込みが行われており、社外から開発品目を導入する動きも活発化しております。
一方、新薬開発については、対象患者が多く、将来安定した多額の収益が得られるいわゆるブロックバスター医薬品から、特定の患者群に効果的な治療が行える医薬品の開発に移行しており、経営資源が特定分野に集中し、短期に意思決定が行われる創薬ベンチャーがその中心的役割を担うといわれております。これに対応すべく、政府は、厚生労働省や経済産業省の中央省庁を中心に、日本発の創薬を積極的に支援するため、特に、創薬ベンチャー支援の取り組みとして、医療系ベンチャー・トータルサポート事業(MEDISO)の開始や「伊藤レポート2.0 バイオメディカル産業版」が作成されております。また、日本国内での創薬を促進するため、医薬品について「条件付き早期承認制度」が導入されました。
このような事業環境下、当社は、組換えヒトHGFタンパク質の研究開発によって創薬イノベーションを起こすことが事業機会の創出・獲得につながると考え、組換えヒトHGFタンパク質プロジェクトに経営資源を集中して、以下の各事業活動を展開しました。
第18期事業年度(自 2018年10月1日 至 2019年9月30日)
1.医薬開発活動について
(ア)脊髄損傷(SCI)急性期
慶應義塾大学整形外科中村雅也教授を治験調整医師とする治験実施体制のもとで、2014年6月より第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始しておりましたが、当事業年度におきましては、2018年10月に治験終了届を提出、2019年1月に治験総括報告書を発行しました。当該治験により安全性と有効性を示唆する結果が得られ、その概要は、2019年3月に第18回日本再生医療学会総会(於神戸国際会議場)において、中村雅也教授によって発表されました。
2019年9月には、患者数が少ない希少疾病に対して臨床的に治療薬となる可能性が高く、その開発に係る計画が妥当であること等を条件とする希少疾病用医薬品指定を厚生労働省より受けました。現在、第Ⅲ相試験について、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、「PMDA」という。)と協議を行っております。
(イ)筋萎縮性側索硬化症(ALS)
2016年5月より東北大学神経内科青木正志教授による医師主導治験として開始された第Ⅱ相試験が、現在、東北大学病院及び大阪大学医学部附属病院で行われております。当該治験は当社が製造した治験薬を使用しており、有効なデータが得られた際の事業化は当社によって行われることとされています。
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの2018年度及び2019年度の補助金が削減されたことに伴う当該治験の停滞を回避するため、前事業年度より、医薬品開発業務受託機関(CRO)等治験費用の填補を目的として支出を開始いたしました。
また、2019年1月には、ALSに対する第Ⅰ相試験の結果が論文発表されました(J Clin Pharmacol.11 DEC 2018, DOI: 10.1002/jcph.1355)。
(ウ)声帯瘢痕(VFS)
声帯粘膜が硬く変性(線維化)する疾患であるVFSを対象とした医師主導による第Ⅰ/Ⅱ相試験(実施医療機関:京都大学医学部附属病院及び先端医療センター病院(現 神戸市立医療センター中央市民病院・南館))が実施され(2014年11月~2016年11月)、当社は治験薬の提供と運営支援を行いました。当該治験によってKP-100製剤の声帯内投与の安全性が確認され、声帯の機能回復を示す症例も確認されました。VFSに対する有効性を示唆する当該治験結果は、前事業年度に論文として発表されており(J Tissue Eng Regen Med. 2017;1–8.)、次相試験についてPMDAと協議しております。
2.事業開発活動について
脊髄損傷(SCI)急性期患者を対象としたKP-100ITの第Ⅰ/Ⅱ相試験のデータが得られたことから、製薬会社や医薬品卸の会社との事業提携協議を開始しております。一部企業については、CDA(秘密保持契約)を締結し、先方企業内で臨床試験データの評価が進められております。
その他、声帯瘢痕(VFS)の開発を促進するため、製薬企業との提携及び補助金等の資金確保の活動を行いました。
以上の結果、当事業年度の経営成績は以下のとおりとなりました。
営業損失は371,741千円(前事業年度は営業損失223,605千円)となりました。これは主に販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費が109,093千円増加したことによるものであります。
当事業年度の営業外収益は、前事業年度と比較して90,116千円減少(前年同期比56.2%減)の70,111千円 となりました。これは、主に補助金収入の減少によるものであります。また、前事業年度に757千円計上していた営業外費用は、株式の発行がなかったこと等により当事業年度は計上しておりません。
この結果、当事業年度の経常損失は301,630千円(前事業年度は経常損失64,134千円)となり、当期純損失は302,050千円(前事業年度は当期純損失64,554千円)となりました。
なお、当社は医薬品開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
第19期第3四半期累計期間(自 2019年10月1日 至 2020年6月30日)
1.医薬開発活動について
慶應義塾大学整形外科中村雅也教授を治験調整医師とする治験実施体制のもとで、2014年6月より第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始しており、当該治験により安全性を確認するとともに有効性を示唆する結果を得ており、当該第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果は、国際医学雑誌Journal of Neurotraumaに論文発表されております。
この試験で得られたPOC(Proof Of Concept:新薬候補物質の有用性・効果が、患者を対象とする臨床試験によって確認され、治療薬になり得るという仮説(コンセプト)が実証されること)を検証する目的で次の第Ⅲ相試験の計画を策定し、2020年6月9日付で独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験計画届書を提出しました。
2016年5月より東北大学神経内科青木正志教授による医師主導治験として開始された第Ⅱ相試験について、東北大学病院及び大阪大学医学部附属病院において患者組入れを継続しております。当社は、当該治験の運営・推進支援、治験薬の安定性試験等を継続して実施しました。
当該期間においても、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの補助金が削減されたことに伴う当該治験の停滞を回避するため、当社より医薬品開発業務受託機関(CRO)等治験費用の填補を継続しました。
声帯粘膜が硬く変性(線維化)する疾患であるVFSを対象とした医師主導による第Ⅰ/Ⅱ相試験によって、KP-100製剤の声帯内投与の安全性が確認され、声帯の機能回復を示す症例も確認されました(J Tissue Eng Regen Med. 2017;1–8.)。当該期間においては、2019年7月に実施したPMDAとの事前面談を踏まえ、POCの取得を目的とする次相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)計画の細部について、京都府立医科大学と協議を重ねております。
2.事業開発活動について
脊髄損傷(SCI)急性期患者を対象としたKP-100ITの第Ⅰ/Ⅱ相試験のデータが得られたことから、製薬会社や医薬品卸の会社との事業提携協議を継続しておりましたが、2020年3月に医薬品卸の会社である東邦ホールディングス株式会社と資本業務提携を行いました。本提携により、当社が開発するHGFタンパク質性医薬品(KP-100IT、対象:脊髄損傷(SCI)急性期)が製造販売承認された後、日本国内における卸売販売流通を東邦ホールディングス株式会社が一手に担うことになりました。
また、一部企業については、CDA(秘密保持契約)を締結し、先方企業内で臨床試験データの評価が進められており、販売提携協議を行っております。
その他、声帯瘢痕(VFS)の開発を促進するため、製薬企業との提携及び補助金等の資金確保の活動を引き続き行いました。
また、2020年4月には、米国のバイオベンチャー企業クラリス・バイオセラピューティクス社との間で眼科領域におけるKP-100のライセンス及び供給契約を締結しております。
以上の結果、当第3四半期累計期間の経営成績は以下のとおりとなりました。
売上高は61,566千円となりました。これは、クラリス・バイオセラピューティクス社との原薬供給契約による契約売上であります。また、研究開発費を中心とした販売費及び一般管理費284,490千円が生じたことにより、営業損失は222,923千円となりました。
補助金収入62,236千円を獲得したこと等による営業外収益が63,354千円発生し、株式交付費6,004千円を計上したこと等によって営業外費用が6,477千円発生したことにより経常損失は166,046千円となり、四半期純損失は167,163千円となりました。
なお、当社は医薬品開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
第18期事業年度(自 2018年10月1日 至 2019年9月30日)
(資産)
当事業年度末の流動資産は前事業年度末と比較して315,060千円減少し、250,837千円となりました。これは、現金及び預金が338,801千円減少していることを主な要因とするものであります。
当事業年度末の固定資産は、前事業年度末と同額の1,031千円となりました。
この結果、当事業年度末の資産合計は、前事業年度末と比較して315,060千円減少し、251,868千円となりました。
(負債)
当事業年度末の流動負債は前事業年度末と比較して13,052千円減少し、33,283千円となりました。これは、製造関連開発費用の支払いが増加したことにより、未払金が10,023千円増加しているものの、補助金の入金からその額が確定するまで計上されている前受金が24,740千円減少したことを主な要因とするものであります。
当事業年度末の固定負債は、前事業年度末より大きな変動はなく、前事業年度末より42千円増加し、2,191千円となりました。
この結果、当事業年度末の負債合計は、前事業年度末と比較して13,010千円減少し、35,475千円となりました。
(純資産)
当事業年度末の純資産は、前事業年度末と比較して302,050千円減少し、216,393千円となりました。これは、当期純損失が計上されたことにより、繰越利益剰余金が302,050千円減少していることを要因とするものであります。
第19期第3四半期累計期間(自 2019年10月1日 至 2020年6月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末の流動資産は、前事業年度末と比較して1,582,572千円増加し、1,833,409千円となりました。これは、現金及び預金が1,311,831千円、原材料及び貯蔵品が150,226千円、前渡金が109,614千円それぞれ増加していることを主な要因とするものであります。
当第3四半期会計期間末の固定資産は、前事業年度末と同額の1,031千円となりました。
この結果、当第3四半期会計期間末の資産合計は、前事業年度末と比較して1,582,572千円増加し、1,834,440千円となりました。
(負債)
当第3四半期会計期間末の流動負債は、前事業年度末と比較して59,743千円増加し、93,027千円となりました。これは、前受金が45,568千円増加していることを主な要因とするものであります。
当第3四半期会計期間末の固定負債は、前事業年度末より大きな変動はなく、前事業年度末より32千円増加し、2,223千円となりました。
この結果、当第3四半期会計期間末の負債合計は、前事業年度末と比較して59,776千円増加し、95,251千円となりました。
(純資産)
当第3四半期会計期間末の純資産は、前事業年度末と比較して1,522,796千円増加し、1,739,189千円となりました。これは、四半期純損失の計上により利益剰余金が167,163千円減少したものの、C種優先株式発行により資本金が844,980千円、資本剰余金が844,980千円それぞれ増加していることを主な要因とするものであります。
第18期事業年度(自 2018年10月1日 至 2019年9月30日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、166,476千円となり、前事業年度末と比較して338,801千円減少しました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、338,801千円の支出(前年同期は202,416千円の支出)となりました。主な要因は、税引前当期純損失301,630千円による資金減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローはありません(前年同期は1千円の収入)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローはありません(前年同期は199,274千円の収入)。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、財務諸表の作成に当たっては、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性のある見積りや予測を行っており、見積りの不確実性による実績との差異が生じる場合があります。
当社の財務諸表の作成に係る重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
第18期事業年度(自 2018年10月1日 至 2019年9月30日)
当事業年度におきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、営業損失は371,741千円(前事業年度は営業損失223,605千円)、経常損失は301,630千円(前事業年度は経常損失64,134千円)、当期純損失は302,050千円(前事業年度は当期純損失64,554千円)となりました。
なお、当社は医薬品開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、371,741千円(前事業年度223,605千円、前年同期比66.2%増)となりました。主に製造関連に係る研究開発費が109,093千円増加したことにより148,135千円増加しております。これは、医薬品の製造販売承認申請に必要な製造関連に係る開発費用が増加したためであります。
(営業外収益)
当事業年度の営業外収益は、70,111千円(前事業年度160,228千円、前年同期比56.2%減)となりました。補助金収入が92,397千円減少したことにより90,116千円減少しております。これは、主としてALS関連の補助金収入の減少によるものであります。
(営業外費用)
前事業年度では株式交付費等により757千円の営業外費用が発生しておりましたが、当事業年度は、営業外費用は発生しておりません。
第19期第3四半期累計期間(自 2019年10月1日 至 2020年6月30日)
当第3四半期累計期間におきましては、(1)「経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、売上高は61,566千円、営業損失は222,923千円、経常損失は166,046千円、四半期純損失は167,163千円となりました。
なお、当社は医薬品開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(売上高)
当第3四半期累計期間の売上高61,566千円は、クラリス・バイオセラピューティクス社との原薬供給契約による契約売上であります。
(販売費及び一般管理費)
当第3四半期累計期間の販売費及び一般管理費は、脊髄損傷(SCI)急性期に係る第Ⅲ相試験を開始したことや製造販売承認に必要な製造関連に係る研究開発を実施したこと等により研究開発費175,016千円が発生したこと等により、284,490千円となりました。
(営業外収益)
当第3四半期累計期間の営業外収益は、希少疾病用医薬品に係る助成金の交付を受けたこと等により63,354千円となりました。
(営業外費用)
当第3四半期累計期間の営業外費用は、主として株式交付費6,004千円が発生したことにより6,477千円となりました。
③ 財政状態の状況の分析
財政状態の状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に含めて記載しております。
第18期事業年度(自 2018年10月1日 至 2019年9月30日)
当社は研究開発費の発生が先行する創薬バイオベンチャーであるため、税引前当期純損失から生じる営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなる状況が継続しております。
当事業年度においては、税引前当期純損失が301,630千円発生しており、その他、脊髄損傷急性期における組換えヒトHGFタンパク質を医薬品としての製造販売承認申請を行うために必要な製造開発関連のためのたな卸資産の増加19,163千円及び前渡金の増加21,941千円により営業活動によるキャッシュ・フローが減少しております。
また、当事業年度においては、投資活動によるキャッシュ・フロー及び財務活動によるキャッシュ・フローは発生しておりません。
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照下さい。
当社は、複数のパイプラインの開発を行っておりますが、POCが確認されている脊髄損傷急性期の開発に優先的に資金を充当しております。脊髄損傷急性期関連の研究開発費は、その製品化に必要な製造関連研究開発費を含めて、第18期事業年度においては185,029千円、第19期第3四半期累計期間においては123,377千円を計上しております。また、医師主導治験であるALSについても、計画に遅延が生じないように支援を継続しており、第18期事業年度においては30,062千円、第19期第3四半期累計期間においては17,008千円を計上しております。
当社は、事業上必要な資金については、手元資金で賄う方針としており、売上高や営業外収益による収入が現時点では限定的であるため、第三者割当増資により調達を行っております。手元資金については、資金需要に迅速かつ確実に対応するため、流動性の高い銀行預金により確保しております。
今後は、第三者割当増資や事業提携等による収入 が生じることによる一定の財源は確保できる予定ですが、研究開発費の全額を賄うことは困難であるため、主要なパイプラインである神経疾患を中心に資金配分を行い、事業の黒字化を早急に達成するよう開発を進捗させる計画であります。
(注) 1.原契約は2005年4月20日付で締結されております。
2.2019年9月8日付の中村敏一氏から株式会社ニューロゲンへのマスターセルバンクの譲渡にかかる契約により、中村敏一氏は契約当事者としての地位から離脱しております。
当社は組換えヒトHGFタンパク質を医薬品として実用化することを目的として、以下のとおり、研究開発活動を行っております。
第18期事業年度(自 2018年10月1日 至 2019年9月30日)
(ア)脊髄損傷(SCI)急性期
慶應義塾大学整形外科中村雅也教授を治験調整医師とする治験実施体制のもとで、2014年6月より第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始しておりましたが、当事業年度におきましては、2018年10月に治験終了届を提出、2019年1月に治験総括報告書を発行しました。当該治験により安全性と有効性を示唆する結果が得られ、その概要は、2019年3月に第18回日本再生医療学会総会(於神戸国際会議場)において、中村雅也教授によって発表されました。
2019年9月には、患者数が少ない希少疾病に対して臨床的に治療薬となる可能性が高く、その開発に係る計画が妥当であること等を条件とする希少疾病用医薬品指定を厚生労働省より受けました。現在、第Ⅲ相試験について、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下、「PMDA」という。)と協議を行っております。
(イ)筋萎縮性側索硬化症(ALS)
2016年5月より東北大学神経内科青木正志教授による医師主導治験として開始された第Ⅱ相試験が、現在、東北大学病院及び大阪大学医学部附属病院で行われております。当該治験は当社が製造した治験薬を使用しており、有効なデータが得られた際の事業化は当社によって行われることとされています。
国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの2018年度及び2019年度の補助金が削減されたことに伴う当該治験の停滞を回避するため、前事業年度より、医薬品開発業務受託機関(CRO)等治験費用の填補を目的として支出を開始いたしました。
また、2019年1月には、ALSに対する第Ⅰ相試験の結果が論文発表されました(J Clin Pharmacol.11 DEC 2018, DOI: 10.1002/jcph.1355)。
(ウ)声帯瘢痕(VFS)
声帯粘膜が硬く変性(線維化)する疾患であるVFSを対象とした医師主導による第Ⅰ/Ⅱ相試験(実施医療機関:京都大学医学部附属病院及び先端医療センター病院(現 神戸市立医療センター中央市民病院・南館))が実施され(2014年11月~2016年11月)、当社は治験薬の提供と運営支援を行いました。当該治験によってKP-100製剤の声帯内投与の安全性が確認され、声帯の機能回復を示す症例も確認されました。VFSに対する有効性を示唆する当該治験結果は、前事業年度に論文として発表されており(J Tissue Eng Regen Med. 2017;1–8.)、次相試験についてPMDAと協議しております。
以上の結果、当事業年度における研究開発費の総額は
第19期第3四半期累計期間(自 2019年10月1日 至 2020年6月30日)
国内臨床パイプラインごとの研究開発活動は以下のとおりになります。なお、当社は医薬品開発事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
(ア)脊髄損傷(SCI)急性期
慶應義塾大学整形外科中村雅也教授を治験調整医師とする治験実施体制のもとで、2014年6月より第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始しており、当該治験により安全性を確認するとともに有効性を示唆する結果を得ており、当該第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果は、国際医学雑誌Journal of Neurotraumaに論文発表されております。
この試験で得られたPOC(Proof Of Concept:新薬候補物質の有用性・効果が、患者を対象とする臨床試験によって確認され、治療薬になり得るという仮説(コンセプト)が実証されること)を検証する目的で次の第Ⅲ相試験の計画を策定し、2020年6月9日付で独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験計画届書を提出しました。
(イ)筋萎縮性側索硬化症(ALS)
2016年5月より東北大学神経内科青木正志教授による医師主導治験として開始された第Ⅱ相試験について、東北大学病院及び大阪大学医学部附属病院において患者組入れを継続しております。当社は、当該治験の運営・推進支援、治験薬の安定性試験等を継続して実施しました。
当該期間においても、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からの補助金が削減されたことに伴う当該治験の停滞を回避するため、当社より医薬品開発業務受託機関(CRO)等治験費用の填補を継続しました。
(ウ)声帯瘢痕(VFS)
声帯粘膜が硬く変性(線維化)する疾患であるVFSを対象とした医師主導による第Ⅰ/Ⅱ相試験によって、KP-100製剤の声帯内投与の安全性が確認され、声帯の機能回復を示す症例も確認されました(J Tissue Eng Regen Med. 2017;1–8.)。当該期間においては、2019年7月に実施したPMDAとの事前面談を踏まえ、POCの取得を目的とする次相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)計画の細部について、京都府立医科大学と協議を重ねております。
以上の結果、当第3四半期累計期間の研究開発費の総額は