第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、「障害のない社会をつくる」というビジョンのもと、多様な人々が自分らしい人生を選択できる「人を中心とした社会」の実現を通じて「障害のない社会」を創造することを目指しております。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社は、中長期的に継続した企業成長により企業価値の最大化に取り組むために、『LITALICO発達ナビ』、『LITALICO仕事ナビ』及び『LITALICOキャリア』といったインターネットプラットフォームを軸に、障害福祉分野のトータルソリューションサービスを展開いたします。 当社を含む、LITALICOグループは2005年の設立時より障害福祉領域において事業を展開してまいりました。現在全国230拠点以上で就労や学びを支援するサービスを提供しております。加えて、プログラミング等一般教育分野への展開も進めております。さらに、これらの施設運営で培ってきたノウハウを活用し、障害福祉領域におけるインターネットプラットフォーム事業等を行っています。 LITALICOグループ運営の施設サービスと当社のインターネットプラットフォーム事業を組み合わせることで、より高品質のサービスをより多くの方々へ提供し、ビジョンの実現を目指しております。

 

(3) 会社の対処すべき課題

当社及びLITALICOグループにおきましては、以下5点を対処すべき課題として認識しております。

 

① インターネットプラットフォームの実現

当社は、2020年4月1日に設立当初よりインターネットのプラットフォームを通じて、障害のある当事者及びそのご家庭、福祉施設や障害者雇用にかかわる一般企業向けサービス等、障害にかかわるすべての当事者へトータルソリューション展開を強化することを目的としていきます。

LITALICOグループは、お客様からの発達障害や精神障害、障害児の子育てや障害者の就労等に関する質の高い情報の提供を望むたくさんの声に応えるため、発達障害の子どもや発達が気になる子どものご家族に向けて、2016年1月に『LITALICO発達ナビ』を、働くことに障害のある方に向けて、2018年3月に『LITALICO仕事ナビ』を、障害福祉施設で働きたい求職者に向けて、2019年2月に『LITALICOキャリア』を開設いたしました。

今後も、お客様が質の高い情報を得られるよう、提供情報の網羅性の向上や、提供機能の拡大に取り組んでまいりたいと考えております。また、LITALICO発達ナビ事業・LITALICO仕事ナビ事業においては障害福祉施設向けに事業運営を支援するサービスも展開しており、業界全体の質の向上に貢献してまいります。 

 

② LITALICOグループ全体における、サービス提供範囲の拡大と収益源の多角化

LITALICOグループの売上全体に占めるLITALICOワークス事業の割合は47.6%であり、障害者雇用制度及び障害者法定雇用率は今後も継続して維持・上昇が見込まれるものの、障害者総合支援法に規定されるLITALICOワークス事業の売上がLITALICOグループの売上構成比の多くを占めることは、グループ経営の健全性の観点からも課題となっております。

そのため、当社は、プラットフォーム事業を中心にLITALICOグループ内の他の各サービスとの連携を図りつつ強化していくことで、LITALICOグループの中長期的に継続した企業成長と企業価値の最大化を図ってまいります。サービス範囲拡大の一環として、他の障害福祉施設やお客様のご家族等のニーズに応えるため、新しいサービスの提供を検討し、実施することも重要な課題であると認識しており、LITALICO発達ナビ事業やLITALICO仕事ナビ事業、LITALICOキャリア事業にて新しいプロダクトの開発やサービス提供先の拡大に努めております。また、LITALICOワンダー事業及び学習教室事業等を通じて、一般教育領域にもサービスを提供することで、当社及びLITALICOグループのサービスの提供範囲の拡大に努めております。

当社以外の、LITALICOグループとしてのサービス範囲拡大の一環として、例えばLITALICOライフ事業では、障害のある子どもを持つご家族を対象にライフプランの作成を支援するサービス等を提供しております。

これら多様な事業を拡大することで収益源を多角化し、更なるグループ経営の健全化を図ってまいります。

 

③ 人材採用と育成

当社の事業は、インターネットプラットフォームの構築・運営と福祉事業領域の組み合わせという、極めて専門的な領域であり、そのサービスの質を左右する最大の要素は人材の質であるとの認識から、人材の「採用と教育」に大きな経営資源を割いております。

採用活動においては、豊富な知見や専門性を持つキャリア人材の採用に留まらず、年齢が若く潜在能力の高い人材であれば新卒・キャリア人材を問わず採用し、社内で教育する方針を取っております。

人材育成面として、LITALICOグループにおける、福祉サービス運営のための人材育成の仕組みを活用し、インターネットプラットフォーム構築の側面においても提供する情報の質・量を適切に判断できる人材をグループ全体として育成をしております。引き続き、人材の採用・育成を行い、サービスの展開速度に見合うよう優秀な人材の確保に努めてまいります。

 

④ 知名度の向上、広告宣伝の強化

当社及びLITALICOグループは障害者の就労問題の解決を目的に設立された経緯と発達障害児を主たる対象とした事業を行っていることから、障害者向けサービスという社会的認知が強いと認識しております。

ビジョンである「障害のない社会をつくる」は、障害者と健常者に関係なく、生きづらさや、困難を抱えたすべての方を対象にして、実現したいビジョンであります。しかし、そのような社会的認知は、まだ広まっていないため、今後も引き続き、適切な知名度の向上、広告宣伝を行っていく必要があります。

なお、知名度の向上と広告宣伝の強化は、当社のインターネットプラットフォーム事業の成長や優秀な人材の採用のためにも重要な課題であると認識しております。

 

⑤ 事業基盤の強化及びサービス開発力の強化
a.提供サービスの平準化と質の向上

LITALICOグループの、LITALICOワークス事業、LITALICOジュニア事業ともに都道府県をまたぐ多店舗展開をしており、どの拠点でも同一水準のサービスを提供するための平準化が必要になります。そのため、事業ごとの教材、カリキュラム等を制作し、スタッフが質の高いサービスを常に提供できるように努めております。

 

b.地域・関係機関との連携強化

LITALICOグループすべての事業においてお客様やご家族への個別最適なサービスを提供することに加えて、学校、企業、地域社会といった外部環境への働きかけも重視しております。そのために、LITALICOグループの事業内容が地域、教育機関、行政及び病院等の関係機関や民間企業・団体に正確に理解され、これらの方々と協同して課題の解決に当たることが、重要な課題であると認識しております。

 

c.事業間の連携強化

未就学児を対象にした児童発達支援事業、小学生以降の児童を対象にした放課後等デイサービス事業・学習教室事業、LITALICOワンダー事業、LITALICO発達ナビ事業、主に成人を対象にしたLITALICOワークス事業、LITALICO仕事ナビ事業というライフステージに沿ったワンストップサービス群が当社の強みであります。各事業で蓄積した知見の共有や、指導計画・支援計画の共有化等で、お客様の利便性を高めるなど、更なるシナジー効果を発揮するための連携強化も重要な課題であると認識しております。

 

 d.プラットフォーム事業を通じた連携強化

LITALICOグループにおける施設運営上のノウハウやデータ、各関連領域におけるシナジーの見極めなど、蓄積された情報の活用を、グループ内で一層効果的に実現するため、当社をLITALICOグループの親会社とするなどグループ内連携の強化に向けた取り組みを強化しております。また、LITALICOグループで蓄積された情報は、LITALICOプラットフォーム事業における各サービスの開発へ積極的に活用することで、障害のある当事者及びそのご家庭への支援につなげるとともに、福祉施設事業者に対する質の高いサービスを提供し、障害のない社会を実現するよう、一層努めてまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)事業環境上のリスク

 ① 福祉領域におけるサービス報酬に係る法制度及び法的規制について

当社では、『障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律』を根拠法とする就労移行支援事業、就労定着支援事業、特定相談支援事業などの施設運営事業者へのインターネットサービスの提供、『児童福祉法』を根拠法とする児童発達支援事業、放課後等デイサービス事業、保育所等訪問支援事業などの施設運営事業者へのインターネットサービスの提供など、障害福祉領域における事業者向けのインターネットプラットフォーム事業を展開しております。そのため、インターネットを用いた事業者に対する、当該領域に新たな規制が導入されるなど予期せぬ要因によって当社の業績に影響を与える可能性があります。

また、当社のインターネットサービスは、福祉施設運営事業者のみを顧客とせず、多様な需要を喚起し得るものではございますが、特に当社の顧客となる福祉施設運営事業者における売上高は、国からのサービス報酬が中心となっており、これらの報酬制度は原則として3年に1回改定が行われるため、これらの法令の制定・改廃等が行われた場合や、厚生労働省からの通達の内容が変更された場合は、顧客となる指定事業者の業績に影響を与えるとともに、当社の業績へ影響を与える可能性があります。

 

 ② 個人情報保護について

当社において、プラットフォームサービスの提供という特徴上、インターネットを通じて顧客及び保護者の氏名、住所、職業等の個人情報保護法に定められた個人情報を取得し、保持しております。当社では、これらの個人情報の保護を重大な経営課題と認識し、個人情報の適正な取得及び厳重な管理のために、各種規程や全社員対象の社内教育を通じて、個人情報漏洩の防止に取り組んでおります。しかしながら、これらの取り組みにもかかわらず、何らかの原因によって個人情報が流出した場合、あるいは社会保障・税番号制度(いわゆるマイナンバー制度)の導入に対して適正な対応ができない場合は、当社への社会的信用が失墜し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ③ 競合について

当社およびLITALICOグループが属する障害福祉サービス業界は、提供サービスが人材の質に左右される傾向の強い業種であるため、LITALICOグループの持つ採用力や人材育成のノウハウ、インターネットプラットフォームサービスを含む総合的な事業展開は短期間で構築することは難しいと考えられます。しかしながら、更なる競合他社の事業拡大や新規参入等により、LITALICOグループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)事業運営上のリスク

 ① 福祉領域におけるインターネットを通じたサービスの規制について

当社では、『障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律』『児童福祉法』を根拠法とする、市町村による事業者指定を受けた福祉事業者向けのインターネットプラットフォーム事業を展開しております。そのため当社の顧客が遵守すべき当該指定の基準(『障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律』における『障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準』や、『児童福祉法』における『児童福祉法に基づく指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営に関する基準』などがあり、それらに限らない。)への、当社サービスの抵触については、特に慎重に検討を行ったうえで展開をしております。しかし、これらの法令の制定・改廃等が行われた場合や、厚生労働省からの通達の内容が変更された場合は、当社の業績や今後のプラットフォームサービスの展開へ影響を与える可能性があります。

 

 

  ② 職業紹介サービスの規制について

当社では、『職業安定法』に基づく、有料職業紹介事業を「LITALICO仕事ナビ事業」と「LITALICOキャリア事業」で展開をしております。そのため当該法令に基づく事業運営を行うとともに、他のサービスにおける当該法令への抵触については、特に慎重に検討を行ったうえで事業の展開をしております。しかし、これらの法令の制定・改廃等が行われた場合や、厚生労働省からの通達の内容が変更された場合は、当社の業績や今後のプラットフォームサービスの展開へ影響を与える可能性があります。

 

 ③ 訴訟等について

当社のLITALICOプラットフォーム事業は、発達障害や精神障害がある方を主たる対象とした情報やサービスを提供しております。当社はプラットフォームを運営する社員に対して教育研修を実施し、多様な状況に対応できるためのマニュアルの整備等を行うとともに、専門家の助言や監修等を通じて、提供する情報の質の維持向上や、提供情報の分かりやすさの改善に取り組んでおります。 しかし、当社の提供する情報が誤った内容であった場合には、訴訟等で過失責任が問われるような事態が生じ、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

  ④ 大規模な自然災害・感染症について

当社では、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じておりますが、台風、地震、津波等の自然災害や、新型インフルエンザ、新型コロナウイルス等の感染症の流行が想定を大きく上回る規模で発生し、プラットフォームサービスに従事する従業員や、情報システム等のインフラストラクチャを維持管理する従業員等の稼働が長期に渡って困難になった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)組織体制及び経営管理上のリスク

 ① 人材の確保及び育成について

当社の事業は、インターネットプラットフォームの構築・運営と福祉事業領域の組み合わせという、極めて専門的な領域であり、プラットフォームにて発信する情報の質や事業者へ提供するSaaSサービスの開発に伴う、専門的な知識や指導技術を持った人材の確保が急務となっております。

そのため当社では、経験者を対象とした通年での採用活動と並行して、適性を有する新卒学生や未経験者を採用して育成する研修部門により、継続して人材を育成するなど、人材の拡充に取り組んでおります。

しかしながら、今後、人材の確保と育成がサービス開発のスピードに追いつかない場合、プラットフォームサービスの質に影響を与えるとともに、業績に影響を与える可能性があります。

 

 ② 風評等の影響について

当社のプラットフォーム事業は、広く福祉施設の事業者や就労先の企業、行政、教育機関、医療機関等の関係機関、地域社会の住民の皆様との連携の元に成り立つものであると認識しております。そのため、当社の従業員には、企業理念、ビジョンを浸透させ、コンプライアンスを遵守する意識を高く保つように社員教育を徹底しております。 しかしながら、従業員の不祥事等何らかの事象の発生や、当社に対して不利益な情報や風評が流れた場合には、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

  ③ 情報システムの障害及び改修について

当社は、コンピュータシステム及びネットワーク網を整備することで、本社・事業間の事務処理を効率化するため、全社で顧客管理・人事処理・会計業務等にシステムを導入しております。これらのシステムを適正かつ継続的に運用するため、情報システム部門による稼動状況の監視と安全性の検証、情報管理規程類の運用等を平時より行っております。しかしながら、これらの取組みにもかかわらず、何らかの原因によりシステムに障害が発生した場合、業務遂行が困難になり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、法令や報酬の改定内容の発表から施行までの時間が少ない場合など、請求系SaaSプロダクトの改修が間に合わないことも想定され、提供するSaaSプロダクトの質の低下と、顧客における国への請求月等の遅延が発生することが予想されます。

 

 

(4)財務関連リスク

固定資産の減損について

当社及び当社グループは、有形固定資産、ソフトウエア、のれん等の固定資産を保有しております。これらの資産については、収益性の低下等により、固定資産の価値が下落することに伴い減損損失として計上することとなった場合には、当社及び当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)その他リスク

当社は事業年度末日時点では、株式を公開しておりませんが、2021年4月1日付での株式会社LITALICO(E32144)との株式交換に伴い、株式会社LITALICO(E32144)株式1株に対し当社株式1株を割り当てる新株発行を行っております。また、株式会社LITALICO(E32144)の新株予約権につきましても同様に、行使条件等が承継された新規発行を行っております。

以上のとおり、当社は、株式会社LITALICO(E32144)の2021年3月31日時点の株主及び新株予約権者における当該保有状況を引き継ぐ形で、2021年4月1日に東京証券取引所市場第一部に株式公開(テクニカル上場)を行っております。

そのため、提出日現在、下記のリスクを認識しております。

 

新株予約権行使の影響について

当社は、当社役員及び従業員に対する経営への更なるコミットメントを目的とし、新株予約権を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社の株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。なお、2021年6月1日時点のこれらの新株予約権による潜在株式数は305,300株であり、同時点の発行済株式総数17,757,256株の1.7%に相当しております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。当社は、2020年4月1日に設立されており、前事業年度との比較を行うべき項目はございません。

なお、当事業年度末日時点では、株式会社LITALICO(E32144)が当社を含むLITALICOグループの連結親会社であるため、当事業年度における連結情報及び当該前連結会計年度との比較情報の詳細は、株式会社LITALICO(E32144)が作成する、第16期有価証券報告書(2021年6月29日提出)をご参照ください。

 

① 経営成績の状況

LITALICOプラットフォーム事業の事業領域は、LITALICO発達ナビ事業、LITALICO仕事ナビ事業、LITALICOキャリア事業です。SaaS型プロダクトを中心に、順調に契約施設数を増やし、LITALICO発達ナビ事業及びLITALICO仕事ナビ事業については成長を継続しました。LITALICOキャリア事業においても契約施設数及び採用支援サービスが拡大し、先行投資を継続しながらも赤字幅の縮小をしております。当事業年度の売上高は1,003,709千円、営業損失は140,020千円、経常損失は139,819千円、当期純損失は122,536千円となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当事業年度末における総資産は910,385千円となりました。主に、当社サービスの利用に係る売掛金213,253千円、プラットフォーム事業運営のためのソフトウエア268,227千円及びソフトウエア仮勘定222,800千円を計上しております。

 

(負債)

当事業年度末における負債は738,636千円となりました。主に、未払消費税等54,860千円、従業員に対する賞与引当金61,249千円及び、親会社である株式会社LITALICO(E32144)からの長期借入金593,452千円を計上しております。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産は171,749千円となりました。主に、会社設立に伴う資本金10,000千円及びその他資本剰余金284,286千円を計上しております。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、99,550千円であります。

当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果支出した資金は、194,731千円となりました。これは主に、税引前当期純損失で145,492千円を計上し、売上債権の増加額で213,253千円、賞与引当金の増加額で61,249千円、減価償却費で97,535千円を計上したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、299,170千円となりました。これは主に、無形固定資産の取得により300,670千円を支出したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、593,452千円となりました。これは長期借入れによる収入1,273,449千円の一方で、長期借入金の返済により679,997千円を支出したことによるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績

当社は、インターネットを通じた各種サービスを提供することを主たる事業としており、生産実績に該当する事項がありませんので、記載をしておりません。

 

b.受注実績

当社は、受注生産等を行っておりませんので、受注実績に関する記載をしておりません。

 

c.販売実績

当社はセグメントを区分せず、LITALICOプラットフォーム事業の単一セグメントでございますのでセグメントごとの記載はしておりません。当事業年度の販売実績は次のとおりです。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

販売高(千円)

前年比(%)

LITALICOプラットフォーム事業

1,003,709

 

(注)1.当社は2020年4月1日に設立された法人であり、前年比の項目につき該当すべき情報はございません。

   2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

   3.当事業年度にかかる主な相手先の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されておりますが、この財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。当社の財務諸表作成にあたり採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等

  1)経営成績

  (売上高)

 当事業年度における売上高は1,003,709千円となりました。これは主にSaaS型プロダクトを中心に、順調に契約施設数を増やし成長を継続したことによるものです。

 

  (売上原価)

 当事業年度における売上原価は397,285千円となりました。これは主にシステム開発等に係る人件費とソフトウエアの減価償却によって構成されております。この結果、当事業年度における売上総利益は606,423千円となりました。

 

  (販売費及び一般管理費)

 当社の販売費及び一般管理費は、746,444千円となりました。これは主に人件費、広告宣伝費及びその他の経費で構成されております。この結果、当事業年度における営業損失は140,020千円となりました。

 

  (営業外損益)

 主な営業外収益として違約金収入4,264千円、営業外費用として支払利息3,181千円が発生しました。

   以上の結果、当事業年度における経常損失は139,819千円となりました。

 

  (特別損益及び法人税等)

    特別損失として固定資産除却損5,673千円を計上し、法人税等に関しては22,956千円となりました。

   以上の結果、当期純損失は122,536千円となりました。

 

  2)財政状態

 当事業年度の財政状態の状態の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

  3)キャッシュ・フローの状況の分析

 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

  4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社のプラットフォーム事業はSaaS型プロダクトを中心に、順調に契約施設数を増やし、LITALICO発達ナビ事業およびLITALICO仕事ナビ事業については単月黒字化を達成しました。LITALICOキャリア事業においても契約施設数及び採用支援サービスが拡大し、先行投資を継続しながらも赤字幅の縮小をしております。

 

 当社の経営に影響を与える大きな要因としては、法改正動向及び市場動向、個人情報の漏えい、人材の確保及び育成等があります。

 法改正動向については、当社のプラットフォーム事業の顧客である福祉施設運営事業者においては、福祉サービスを提供することにより国からサービス報酬を得ており、これらの報酬制度は原則として3年に1回改定が行われるため、これらの法令の制定・改廃等が行われた場合や、厚生労働省からの通達の内容が変更された場合は、当該顧客の業績に影響を与える結果、当社の業績へ影響を与える可能性があります。また、提供するSaaSサービスや運営するインターネットメディアでは、福祉領域の法令や通達の正確な解釈が求められる領域のため、当該解釈に誤りが発生しないよう、LITALICOグループ会社相互間で連携し地方自治体と適宜確認を取りながら事業を進めております。

 個人情報の漏えいについては、顧客及びスタッフの安全確保を重大な経営課題として認識し、万全の体制で臨んでおります。また、個人情報の適正な取得及び厳重な管理のために、各種規程や全社員対象の社内教育を通じて、個人情報漏洩の防止に取り組んでおります。

 人材の確保及び育成については、当社が展開する各事業は、発達障害や精神障害がある方を主たる対象としたサービスであり、サービス開発やその運営上、専門的な知識や指導技術を持った人材の確保が急務となっております。このため当社では、福祉領域における経験者を対象とした通年での採用活動に力を入れるとともに、適性を有する新卒学生や未経験者を採用して積極的に育成することにより、継続して人材を育成するなど、人材の拡充に取り組んでおります。

 

 今後も、自社運営のインターネットプラットフォーム事業と、グループが運営する施設サービスとを組み合わせることで、より高品質のサービスをより多くの方々へ提供し、ビジョンの実現を目指してまいります。

 

  c.資本の財源及び資金の流動性

当社は、事業運営上必要な流動性と資金の財源を安定的に確保することを基本方針としております。当社の資金需要のうち主なものは、既存サービスの向上及び新規サービス開発に伴う人件費、サービス知名度向上のための広告宣伝費であります。通常の運転資金は自己資金と親会社である株式会社LITALICO(E32144)からの長期借入を基本としております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(株式交換)

当社は、2021年4月1日、当社を株式交換完全親会社とし、株式会社LITALICO(E32144)を株式交換完全子会社とする、LITALICOグループ内での株式交換(以下「本株式交換」といいます。)により、当社は、株式会社LITALICO(E32144)を完全子会社といたしました。この株式交換の概要は次のとおりであります。

 

(1) 本株式交換の目的

当社は、「障害のない社会をつくる」というビジョンのもと、2005年の設立時より障害福祉領域において事業を展開する株式会社LITALICO(E32144)から、2020年4月1日付でプラットフォーム事業を分社化することで設立されました。当社は、障害のある当事者及びそのご家庭向けの情報提供サービス、福祉施設や障害者雇用にかかわる一般企業向けサービス等、障害にかかわるすべての当事者へトータルソリューションを提供することを目的として、発達が気になる子どもを持つご家族向けのポータルサイトLITALICO発達ナビを提供する「①LITALICO発達ナビ事業」、働くことに障害のある方向けの就職情報ポータルサイトLITALICO仕事ナビを提供する「②LITALICO仕事ナビ事業」、障害福祉分野に特化した就職・転職支援サービスLITALICOキャリアを提供する「③LITALICOキャリア事業」を展開しております。

2020年4月1日付設立以降の経営環境や社会情勢の変化、事業環境の状況等を総合して検討した結果、当社のプラットフォーム事業とLITALICOグループ内の各サービスとの連携を図ることでLITALICOグループとしてのシナジーを最大化させるとともに、事業の高度化及び迅速化による事業規模のさらなる拡大を加速化させるために、当社を株式交換完全親会社とし、株式会社LITALICO(E32144)を株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決定し、2021年4月1日付で実施いたしました。

 

(2) 株式交換の要旨

① 株式交換の日程

株式交換契約承認臨時株主総会   2020年12月15日(火)

上場承認日            2021年3月1日(月)

効力発生日            2021年4月1日(木)

テクニカル上場日         2021年4月1日(木)

② 株式交換の方式

当社を株式交換完全親会社、株式会社LITALICO(E32144)を株式交換完全子会社とする、完全親子会社間における株式交換です。

③ 株式交換に係る割当ての内容(株式交換比率)

会社名

当社

(完全親会社)

株式会社LITALICO(E32144)

 (完全子会社) 

株式交換比率

 

(注)1.株式交換に係る割当ての内容

株式交換の効力発生日の前日における最終の株主名簿に記録された株式会社LITALICO(E32144)の普通株式を保有する株主の皆様に対し、その保有する普通株式1株につき当社の普通株式1株を割当交付いたしました。

2.株式交換比率の算定根拠

本株式交換におきましては、株式交換当事会社が事業年度末日時点で株式会社LITALICO(E32144)における連結内部のみであり、かつ、当該時点において、当社は株式会社LITALICO(E32144)の完全子会社でございましたので、一般株主の皆様に不利益を与えないことを第一義としつつ、株式会社LITALICO(E32144)の株主の皆様の保有する普通株式1株に対して、東京証券取引所市場第一部へのテクニカル上場を前提に当社の普通株式1株を割当交付しております。

3.第三者機関による算定結果、算定方法及び算定根拠

上記2の理由により、一般株主の皆様への不利益が生じることがなく、第三者機関による株式交換比率の算定は行っておりません。

4.株式交換により交付する新株式数

株式会社LITALICO(E32144)の2021年3月31日時点の発行済株式総数とし、17,742,456株となりました。

④ 本株式交換に伴う新株予約権に関する取扱い

株式会社LITALICO(E32144)が発行している新株予約権について、当社は、当該新株予約権の新株予約権者に対し、その有する当該新株予約権に代えて、当該新株予約権と同等の内容かつ同一の数の当社新株予約権を交付し、割り当てております。

なお、株式会社LITALICO(E32144)は、新株予約権付社債を発行しておりませんので、該当事項はありません。

 

⑤ 当社の新規上場に関する取扱い

本株式交換に伴い、完全子会社となる株式会社LITALICO(E32144)の普通株式は、2021年3月30日付で上場廃止となり、同年4月1日付で当社株式は東京証券取引所市場第一部にテクニカル上場いたしました。

 

(3) 株式交換の当事会社の概要(2021年3月31日現在)

株式交換完全親会社

① 名称         株式会社LITALICOメディア&ソリューションズ(当社)

            (現:株式会社LITALICO)
② 所在地        東京都目黒区上目黒二丁目1番1号
③ 代表者の役職・氏名  代表取締役社長 長谷川 敦弥
④ 事業内容       福祉領域におけるインターネットプラットフォーム事業
⑤ 資本金        10,000千円
⑥ 設立年月日      2020年4月1日
⑦ 発行済株式数     200株
⑧ 決算期        3月31日

 

株式交換完全子会社

① 名称         株式会社LITALICO

            (現:株式会社LITALICOパートナーズ)
② 所在地        東京都目黒区上目黒二丁目1番1号
③ 代表者の役職・氏名  代表取締役 長谷川 敦弥
④ 事業内容       福祉サービス事業
⑤ 資本金        45,762千円
⑥ 設立年月日      2005年12月26日
⑦ 発行済株式数     17,742,456株
⑧ 決算期        3月31日

 

 

(吸収分割)

当社は、2021年4月1日、当社を吸収分割承継会社とし、株式会社LITALICO(E32144)を吸収分割会社とする、LITALICOグループ内での吸収分割(以下「本吸収分割」といいます。)により、当社は、株式会社LITALICO(E32144)より、LITALICOワンダー事業及びLITALICOジュニア学習教室事業、LITALICOグループ経営管理事業及び子会社管理事業の一部に関して有する権利義務を承継いたしました。本吸収分割の概要は次のとおりであります。

(1) 本吸収分割の目的

2021年4月1日付株式交換により、当社はLITALICOグループにおける連結親会社となることから、当該時点まで連結親会社であった株式会社LITALICO(E32144)の、経営管理事業及び子会社管理事業等を承継するとともに、当社LITALICOプラットフォーム事業とのシナジーを追及する目的で、LITALICOワンダー事業及びLITALICOジュニア学習教室事業に係る権利義務を2021年4月1日付で承継いたしました。

(2) 吸収分割の要旨

① 吸収分割の日程

吸収分割契約の締結        2021年2月22日(月)

効力発生日            2021年4月1日(木)

② 吸収分割の方式

当社を吸収分割承継会社、株式会社LITALICO(E32144)を吸収分割会社とする、完全親子会社間における、無対価吸収分割(簡易吸収分割)です。

③ 吸収分割に係る割当ての内容

  無対価吸収分割

④ 承継資産・負債に関する事項

当社は、株式会社LITALICO(E32144)の保有する、LITALICOワンダー事業及びLITALICOジュニア学習教室事業、LITALICOグループ経営管理及び子会社管理事業の一部に関して有する権利義務を、2021年2月22日締結の吸収分割契約に従い承継いたしました。

(3) 吸収分割の当事会社の概要(2021年3月31日現在)

吸収分割承継会社

① 名称         株式会社LITALICOメディア&ソリューションズ(当社)

            (現:株式会社LITALICO)
② 所在地        東京都目黒区上目黒二丁目1番1号
③ 代表者の役職・氏名  代表取締役社長 長谷川 敦弥
④ 事業内容       福祉領域におけるインターネットプラットフォーム事業
⑤ 資本金        10,000千円
⑥ 設立年月日      2020年4月1日
⑦ 発行済株式数     200株
⑧ 決算期        3月31日

 

吸収分割会社

① 名称         株式会社LITALICO

            (現:株式会社LITALICOパートナーズ)
② 所在地        東京都目黒区上目黒二丁目1番1号
③ 代表者の役職・氏名  代表取締役 長谷川 敦弥
④ 事業内容       福祉サービス事業
⑤ 資本金        45,762千円
⑥ 設立年月日      2005年12月26日
⑦ 発行済株式数     17,742,456株
⑧ 決算期        3月31日

 

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。