第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当中間会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、緩やかな回復が続きました。一方で、欧米の高金利の継続や中国の不動産市場の停滞など、海外経済の減速が景気の下振れ要因となっています。さらに、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

当社が主に事業を展開する日本のモバイルオンラインゲーム市場は、2012年より市場が拡大し2024年には1兆7,290億円となり、成長は鈍化傾向にあるものの(注1)、安定した市場規模を維持しております。また、2023年には国内モバイルゲームユーザーは女性ユーザーが半数以上を占め、当社のメインターゲットとなる層のユーザー数は増加し続けております(注2)。しかし、海外ディベロッパーのモバイルオンラインゲームをはじめとした高品質な商品の台頭や、開発の長期化や開発費の高騰のほか、ユーザー様の可処分時間および支出の獲得競争が継続しており、市場環境は厳しさを増しています。一方で、2024年のキャラクタービジネスの推定市場規模については前年を上回る見込みであり、底堅く推移しております。特に、女性向けエンタメ市場では、キャラクター性・ストーリー性を重視したIPコンテンツへの需要が引き続き堅調に推移しており、モバイルオンラインゲームを起点としたメディアミックス展開が末永くIPを継続させる重要な要素となっております。

このような市場環境を受け、当社では自社開発のオリジナルIPを保有する強みを活かし、モバイルオンラインゲーム領域のみならず、グッズ、リアルイベント、飲食、音楽、舞台、アニメ等を含む複数のチャネルで展開し続けることでIPを盛り上げ、末永くユーザー様に楽しんでいただけるIP運営を目指しました。

モバイルオンラインゲーム事業については、前期にリリースしたオリジナルIPタイトル『ブレイクマイケース』が売上増加に寄与し、売上高は前年同期を上回りました。2025年5月の1周年イベントでは、『ブレイクマイケース』売上としては過去最高を計上し、周年以降のゲーム内イベントも引き続き好調に推移しました。『魔法使いの約束』につきましては2025年1月から3月までのTVアニメ放映が引き続き影響し、MAUは堅調に推移し、売上は堅調に推移しました。『スタンドマイヒーローズ』につきましては、8周年以降、10周年を見据えた今後の展開を発表し多くの反響をいただいております。引き続き、各IPにおいてユーザー様にとって魅力のある運営を実施しながら、舞台やキャストイベント等のリアルイベントやグッズ等を絡めつつ、ゲームだけでなくIPとしての成長を目指してまいります。同時に、大手エンターテインメント企業との協業案件やその他新規タイトル等の、新たなIPの創出・新たなゲームの開発を進行し、安定成長のための準備をすすめてまいります。

メディア事業においては、前述のとおりTVアニメ『魔法使いの約束』の放映や、『ブレイクマイケース』や『スタンドマイヒーローズ』の舞台化の準備等、メディアミックスをすすめたほか、各タイトルでのグッズ販売が好調に推移しました。また、異業種とのコラボレーション、「coly cafe! 池袋PARCO店」での期間限定カフェの開催等、ユーザー様とのタッチポイントを創出し、多方面から当社作品に触れる機会を提供し続け、売上高は前年同期を上回りました。

以上により、売上高につきましては、前年同期比で増加しました。売上高の増加に加え、Web上でゲーム内アイテムを販売する『coly ID』を推進したことにより手数料の圧縮が想定以上に進捗し、売上総利益についても前年同期比で増加しました。販売費及び一般管理費につきましては、大手エンターテインメント企業との協業案件の費用が先行したものの、前年同期比で減少いたしました。

その結果、当中間会計期間の業績につきましては、売上高3,378,724千円(前年同期比23.5%増)、営業損失95,586千円(前年同期は営業損失670,073千円)、経常損失85,484千円(前年同期は経常損失661,477千円)、中間純利益9,862千円(前年同期は中間純損失687,322千円)となりました。

 

当社の主な提供タイトルごとのモバイルオンラインゲーム売上高は、次の通りであります。

(単位:千円)

回次

第11期

中間会計期間

第12期

中間会計期間

 

第11期

タイトル名

自 2024年2月1日
至 2024年7月31日

自  2025年2月1日
至  2025年7月31日

自  2024年2月1日
至  2025年1月31日

ドラッグ王子とマトリ姫

5,507

3,829

12,653

スタンドマイヒーローズ

330,422

261,967

763,969

魔法使いの約束

775,758

792,490

1,778,532

ブレイクマイケース

598,411

927,909

1,299,467

 

 

なお、当社はコンテンツ事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。

 

 (注1)出典:株式会社角川アスキー総合研究所「ファミ通モバイルゲーム白書2025」

 (注2)出典:一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会「CESAゲーム産業レポート2024」

 

(2) 財政状態の状況

(資産の部)

当中間会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べて322,080千円増加し、6,605,302千円となりました。これは主に現金及び預金476,453千円が減少した一方で投資有価証券337,679千円が増加したことによるものです。

 

(負債の部)

当中間会計期間末における負債は、前事業年度末に比べて269,084千円増加し、1,298,164千円となりました。これは主に1年内返済予定長期借入金が150,000千円増加したことに加えて長期借入金が94,996千円増加したことによるものです。

 

(純資産の部)

当中間会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べて52,996千円増加し、5,307,137千円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金が43,274千円増加したことによるものです。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末と比べ576,453千円減少し、2,781,102千円となりました。

営業活動の結果支出した資金は、383,869千円となりました。これは主に、前払費用の増加290,755千円や未払金の減少137,119千円などがあったことによるものです。

投資活動の結果支出した資金は、504,938千円となりました。これは主に、投資有価証券の取得276,440千円や有形固定資産の取得110,289千円があったことによるものです。

財務活動の結果獲得した資金は312,355千円となりました。これは主に長期借入による収入300,000千円があったことによるものです。

 

(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計方針及び見積りに用いた仮定の記載に重要な変更はありません。

 

(5) 経営方針・経営戦略等

当中間会計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7) 研究開発活動

当中間会計期間の研究開発費の総額は496,423千円であります。

なお、当中間会計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(8)主要な設備

当中間会計期間において、本社の移転に伴い有形固定資産を190,535千円取得しております。

なお、本社は2025年6月23日に移転を完了しております。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。