文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は「知を創集し道具にする」をミッションに掲げております。世界に遍在する知(データ)を創集し、その集合知を誰にでも使える道具(ツール)へと変え、顧客に届けることで顧客ビジネスの生産性向上および収益成長に貢献してまいります。
(2)経営戦略等
当社が今後更なる成長と発展を遂げるためには、主に「(5)事業上及び財務上の対処すべき課題」に記載の事項へ対応していくことが経営戦略上、重要と認識しております。
デジタル化の加速により、DXに取り組む企業は今後増加が見込まれます。そうした企業の課題に応えられるようサービスを強化し、販売チャネルを強化することで、それらの企業へ自社のサービスを届けます。それにより、顧客基盤の拡大と顧客ごとの収益性の向上を通じて、長期的な企業価値向上を実現します。
サービス強化のための対応策として、①新規商品投入と既存商品を絡めたクロスセルの強化、②Webサイトを中心としたマーケティングのバリューチェーンの前後(集客改善といった前工程や、Webサイトで獲得した見込み顧客の営業といった後工程)への拡張、③新規ソリューション開発のためのパートナー企業との連携の強化の3点を主に推進します。
具体的には以下のような成長戦略を実行します。
A.新ソリューションの投入とクロスセルの強化
当社は、顧客との継続的接点を活かし、顧客に新たに生まれた課題をいち早く捕捉し、その他のソリューションを提供する「クロスセル」を行うこと、またクロスセルを行えるソリューション群を増やすことでLTV(顧客生涯価値)の最大化を進めます。
マーケティング関連の新ソリューションの投入
B.マーケティング周辺領域へのソリューションの拡張
当社は、「AIアナリスト」のアルゴリズムを軸として、インプットするデータの幅を広げることで、アウトプットする改善提案および付随するアクションの幅も広がります。分析ソリューションとして対応する領域を拡張し、「AIアナリスト」の付加価値を高めます。具体的な拡張領域として、SFA/CRM(*1)、MA(*2)ツール、販売管理・在庫管理システムなどが挙げられます。
C.パートナー企業との連携による新規ソリューションの開発
当社は自社開発商品である「AIアナリスト」を顧客に直接提供するだけでなく、同時に保有ビッグデータおよび改善提案アルゴリズムなど、「AIアナリスト」の保有するコア・コンピタンスを切り出し、パートナー企業へ提供しています。それにより、当社のアルゴリズム等の提供を受けたパートナー企業は、自身のソリューションやサービスの中に当社アルゴリズム等を組み込むことが可能です。当社の支援を受けたパートナー企業は、顧客に対してソリューションやサービスの付加価値を高め、競合他社と差別化を行うことが可能となります。
このように当社は、自社のコア・コンピタンスをもとに様々な企業とコラボレーションすることで新たな事業をつくりやすいという特性をもちます。これまでの主な顧客として、広告代理店やWeb制作会社、Webコンサルティング会社、マーケティング・ソリューション提供会社などがあります。
また、提携の型として、ホリゾンタル型(*3)としてパートナー企業サービスへの組み込みによるパッケージ化(リコー株式会社との「BtoBマーケティングドライバー」)や、バーティカル型(*4)としてパートナー企業の業界特化型「AIアナリスト」としてのOEM提供(株式会社JTBコミュニケーションデザインとの「AIアナリスト forツーリズム」)など、自社ケイパビリティのレバレッジを行います。
上記の実現のために、優秀な人材の確保、認知度の向上、新規事業の立ち上げ、開発体制の強化、ビッグデータの蓄積・解析体制の強化、事業パートナーとの提携の強化等により、事業拡大を図る方針です。
(*1)SFAはSales Force Automationの略で、問い合わせなどの接点を得たあとに営業担当が契約に結びつけるまでを担う営業支援システム。そして、CRMはCustomer Relationship Managementの略で、契約後の顧客の契約状況を管理する顧客管理システム。
(*2)マーケティングオートメーション(Marketing Automation)の略で、企業のマーケティング活動において、旧来は人手で繰り返し実施していた定型的な業務や、人手では膨大なコストと時間がかかってしまう複雑な処理や大量の作業を自動化し、効率を高める仕組みのこと。
(*3)ホリゾンタル(Horizontal)とは「水平」を意味する単語で、勤怠管理やMAツールのような業界・業種に関係なく「人事向け」や「マーケ向け」など特定の職種が使用するタイプのもの。
(*4)バーティカル(Vertical)とは「垂直」を意味する単語で、業種ごとに特化した機能を持つもの。その特性から「業界特化型」とも呼ばれる。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は事業進捗の客観的な指標として、売上高、売上高総利益率および営業利益に加え、顧客基盤の広さと当社保有データの量を示すサイト登録数、1顧客から得る売上高である1社あたり理論LTV(顧客生涯価値、1社あたり理論LTV=1社あたりの12ヶ月平均初期売上+1社あたり平均リカーリングレベニュー/社数ベース12ヶ月平均解約率)を重要な経営指標とし、成長性や収益性を向上させていきます。
(4)経営環境
当社が属する国内DX市場の規模は、株式会社富士キメラ総研が2020年9月に公表した「2020 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」によると、2019年に7,912億円となりました。また、当該市場は、企業のDXやそれに伴うアナリティクスおよびAI活用の取り組みの一層の広がりを受け、拡大を見せています。昨今、多くの企業において、データを収集するだけでなく、その利活用を可能とするDXやAIの活用を通じて、その企業活動の生産性を向上させ、競争力を増すことが重要な経営課題となってきているためです。当該市場は、2023年までの間に1兆7,848億円まで拡大し、その年間平均成長率は+22.6%という成長率が見込まれています。
また、当社の提供する「AIアナリスト」が属する国内AIシステム市場はさらに大きく成長しています。IDC Japan株式会社が2020年6月に公表した「国内AIシステム市場予測」によると、AIによる様々な効果測定の指標を設定したことや、これらの指標を用いてプロジェクトに経営層を巻き込むなどの取り組みが功を奏する事例が増えており、2019年の市場規模(エンドユーザー支出額ベース)は818億円と前年比成長率は+56.0%となりました。同社は2024年まで年平均成長率は+33.4%で推移し、2024年には3,459億円になると予想しています。
また、そういったDXを実現するソフトウェアの中でも、多くの企業はパッケージ型ではなく、SaaS型のソフトウェアを選択する割合が増えています。SaaSは、システムを短期間かつ低初期コストで導入できることや、APIにより他システムとの連携が容易であることなどにより導入が増えており、ソフトウェア市場の拡大をけん引しています。特に、業務自動化やコミュニケーション効率化などを目的とした製品需要が増えており、中でも、パッケージからSaaSへと移行が進むグループウェア、新たなコミュニケーションの手段として導入が進むビジネスチャットなどのコラボレーションソフトウェア、また、顧客接点を強化するCRM(営業系)、マーケティングオートメーションなどの伸長をベースとして、2019年度には5,646億円あったSaaS市場は、2023年度には8,174億円と年平均成長率9.7%(株式会社富士キメラ総研 「ソフトウェアビジネス新市場2019年版」2019年10月)の拡大が見込まれています。
当社は、アナリティクスソフトウェアをSaaSという形で提供することで、顧客と継続的な接点をもっています。これにより、当社は顧客ロイヤルティを高めつつ、顧客のデータを長く蓄積することで、他社に対して参入障壁を築いています。また同時に、先行して多くの企業の利用データを集めているため、その集合知によるソフトウェアの改善が可能であることが、提供価値の点においても先行優位性を活かした参入障壁の構築に活きています。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
①新規事業の立ち上げ・新規機能の開発
当社が提供する既存サービスは継続的な取引を行う顧客基盤を確立しており、安定的な月額利用料収益を得ております。
近年のAIやデータアナリティクス、SaaSに対する関心の高まりに象徴されるように、当社の提供するサービスが属する各市場は今後ますます市場成長が見込まれており、市場のニーズにあった機能およびサービスをいち早く投入し、新規事業を立ち上げ続けることが重要な課題と認識しております。
特に「AIアナリスト」をプラットフォームとしたストック型の収益を安定的に獲得することができるサービスの開発を継続的に行い、さらなるステップアップを視野に入れた事業の収益性向上を目指してまいります。
当社は、大企業を中心にWACULコンサルティングのサービス提供や、アカデミアおよびビジネスの先端をいく人材を顧問とする社内研究所である「WACUL テクノロジー&マーケティングラボ」を通じて、PoC(Proof of Concept:新規アイディアの検証・実証)を積極的に行い、そこで得られた知見をソリューションに落とし込む形で新規事業の立ち上げおよび「AIアナリスト」の新規機能開発をより一層推進し、社会に普及させていきます。
②優秀な人材の確保
当社は専門性の高い優秀な人材の確保及び在籍する人員の育成に注力し、少人数での効率的な事業運営を意識しつつ、事業規模に応じた組織体制の整備を進めてまいりました。
今後のDX市場の拡大に伴う事業拡大及び収益基盤の強化を図るにあたり、引き続き優秀な人材を確保・育成することは当社の事業展開を図る上で重要と認識しておりますが、優秀な能力を持つ人材獲得は、他社とも競合し、安定した人材確保が容易ではない状況が今後も継続すると考えております。これまで同様、効率的な事業運営を意識しつつ、事業規模に応じた優秀な人材の組織体制の整備を進めることが課題であると認識しております。
開発部門においては、サービスの利便性及び機能の向上ならびに新規サービス開発のため、優秀なエンジニアの継続的な採用を継続的に行ってまいります。また、営業・マーケティング部門においては、収益基盤の強化と合わせて適時に採用を行ってまいります。
③認知度の向上
当社は、これまで広告宣伝活動に頼らず、当社が持つWebマーケティング技術及び提供サービスの機能優位性に拠る形での顧客の獲得を図って参りました。その結果として、現在、幅広い業種の企業に当社サービスを導入頂き、継続的な取引による顧客基盤の構築を実現することができていると考えております。
しかしながら、事業の更なる拡大を図るにあたり、当社ブランド及びサービスのより一層の確立が重要となるため、広告宣伝及びプロモーション活動による認知度の向上が重要な課題であると認識しております。
④開発体制の強化
当社のサービスは高度な処理能力などが求められるため、専門性の高い優秀な開発部門の人材の確保及び育成をすることで、サービスの品質向上に取り組んでまいりました。
しかしながら先進的な技術開発力を継続して持ち続けることは容易ではなく、継続的な人材の確保及び開発プロセスの改善、社内におけるノウハウの共有や教育訓練等が重要な課題と認識しております。
⑤ビッグデータの蓄積・解析体制の強化
当社のサービスに連携された顧客のGoogleアナリティクスのデータは日々データベースに蓄積され、それらを解析することで顧客へ高品質なサービスを提供しております。
顧客へさらなる付加価値及び新たなサービスを提供するためには、それらのビッグデータに基づき、AI技術を駆使したより高度なデータ活用を行っていくことが重要な課題と認識しております。
引き続き、有識者と顧問契約を締結し、適宜情報交換を行うことでビックデータの蓄積・解析体制の強化に努めてまいります。
⑥事業上のパートナー企業との提携の強化
当社は、提供サービス「AIアナリスト」を自社の販売部門から直販することで顧客基盤を構築してまいりました。
今後「AIアナリスト」及びその周辺サービスをさらに拡販・成長するためには、事業パートナーとの提携の強化が重要な課題と認識しております。具体的には、当社がまだリーチできていない顧客層をすでに保有している販売パートナーや、「AIアナリスト」の機能で提案されるサイトの改善提案を元に実装・実行等を行うソリューションやサービスを持つパートナーとの提携強化に努めてまいります。
以下には、当社が事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項について記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生する可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。また当社のコントロールできない外部要因や必ずしもリスク要因に該当しない事項についても記載しております。当社はこれらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、リスク回避あるいは発生時に迅速に対応する所存ですが、当社の経営状況、将来の事業についての判断及び当社株式に対する投資判断は、本項記載内容を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
(1)市場など自社を取り巻く環境に関するリスク
①業界市場について
当社が事業を展開する国内DX市場及び国内AIシステム市場は成長を続けております。当社はこの市場成長傾向は継続するものと見込んでおり、その中で一定のシェアを獲得するべく、サービスの提供・拡販を図っております。
しかしながら、市場の成長ペースが大きく鈍化した場合には、当社の事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。また、市場の拡大が進んだ場合であっても、当社が同様のペースで順調に成長しない可能性があります。さらに、市場が成熟していないため、今後、大手企業による新規参入等により市場シェアの構成が急激に変化した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②競争環境の激化について
当社は、新規参入や新製品の普及など競争環境の激化を重要な課題として認識しております。DX市場の拡大に伴い、当社の属する市場に新規参入者が増えた場合には当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。当社は独自データの蓄積などを通じて、こうした脅威の軽減を図っています。具体的には、Googleアナリティクスを通じたアクセス解析データ等のビッグデータと、その分析から生まれる改善施策の成否といったノウハウを蓄積しております。
③Google Inc.の動向について
当社の「AIアナリスト」等はGoogle Inc.が提供するGoogleアナリティクスと連携してサイトデータを取得し、データ解析をするサービスとなっております。当社は、継続的により良好な関係の維持に努めておりますがGoogle Inc.の事業戦略の転換並びに動向によっては、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④法的規制について
現在のところ当社の事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、近年インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されてきております。今後、Cookieの使用の制限など、インターネットの利用や関連するサービス及びインターネット広告を含むインターネット関連事業を営む事業者を規制対象とする新たな法令等の規制や既存法令等の解釈変更がなされた場合には、事業運営に制約を受けることで、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤技術革新等について
当社が事業展開しているインターネット関連市場では、情報技術の進化とそれに伴う市場ニーズの変化に迅速に対応することが求められております。当社としても、技術革新に応じたシステムの拡充・改善及び事業戦略の修正などを迅速に行う必要があるものと考えております。そのため、当社はアジャイル開発(*)を行うことで、迅速にシステム開発を行い機能の追加及びユーザビリティを強化する体制を敷いております。
しかしながら、予期しない技術革新等があった場合、その対応に係る追加のシステム開発費用が発生する可能性がありますが、システム開発等の適切な対応に支障が生じた場合には、各サービスにおける競争力の低下及び顧客の流出等を招く可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
*アジャイル開発とは、少人数の開発チームが特定機能の開発といった小さく切り分けたゴールの達成のために作業を進める体制をとり、納品を繰り返す開発スタイル。これまでのウォーターフォール型の開発では、最初に仕様を事細かに決めるので、開発を開始したのちの仕様変更には柔軟に対応できなかった。
⑥システム障害・不具合について
当社の事業はインターネットを利用しているため、自然災害、事故、不正アクセスなどによって通信ネットワークの切断、サーバー等ネットワーク機器に作動不能などのシステム障害が発生する可能性があります。当社は、システム障害の発生防止のために、システムの冗長化、脆弱性検査、不正アクセス防御等の対策を講じておりますが、これらの対策を講じているにも拘らず、障害が発生した場合には、当社に直接的損害が生じるほか、当社のサーバーの作動不能や欠陥等に起因する取引の停止等については、当社のシステム自体への信頼性の低下を招きかねず、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)ビジネスモデル等の自社の事業に起因するリスク
①特定経営者への依存について
当社の代表取締役社長である大淵亮平は、当社設立以来、当社の事業に深く関与し、デジタルマーケティングに関する豊富な知識と経験を有しており、経営戦略の構築やその実行に際して重要な役割を担っております。当社は、特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の当社における業務執行が困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
同様に当社の取締役インキュベーション本部長である垣内勇威は、創業初期から当社の事業に深く関与し、デジタルマーケティングに関する豊富な知識と経験を有しており、研究開発および新規事業の立案やその実行に際して重要な役割を担っております。当社は、特定の人物に依存しない体制を構築すべく組織体制の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏の当社における業務執行が困難になった場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②新規事業について
当社では今後、市場のニーズにあったサービスをいち早く投入し、新規事業を立ち上げ続けることが重要な課題と認識しており、特に「AIアナリスト」をプラットフォームとしたストック型の収益を安定的に獲得することができるサービスの開発を継続的に行い、さらなるステップアップを視野に入れた事業の収益性向上を目指してまいります。
しかしながら、各新規事業・サービスは構想段階であり、結果的に実現しない又は実現したとしても十分な収益が獲得できず撤退する可能性があります。当社といたしましては事前に十分な検証を行った上で開発等を開始する方針ではありますが、結果的に新規事業に失敗した場合、コストのみが計上されることから当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③単一事業であることについて
当社の売上は、「AIアナリスト」並びにその関連サービスで構成されており、単一事業となっております。当社が属するDX市場の成長傾向は継続するものと見込んでおりますが、当該市場の成長が鈍化するような場合、事業環境の変化等への対応が適切でない場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④特定サービスへの依存について
当社の売上高全体に占める「AIアナリスト」並びにその関連サービスを含むプロダクト事業の占める割合が2020年2月期に約9割と高く、その販売を拡大させることによって当社の業績が向上する見通しであり、同サービスに依存しております。
収益源の多様性を持つことにより、より安定した体制の構築を目指すべく、サービスの拡大や、新たに当社の柱となる新規サービス、事業の開発に向け積極的に取り組んでおりますが、同サービスが顧客のニーズと乖離した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤LTV(顧客生涯価値)について
当社はDXプラットフォームを提供するため、顧客が当社のプラットフォーム上で当社に対して生み出す収益が、当社がその顧客を獲得するのに費やすコストをどれだけ上回るかが投資リターンを図るうえで重要であると認識しています。そのため、顧客1社あたりの累積売上高であるLTV(顧客生涯価値)が重要と認識しております。当社は、新規サービスの投入および既存サービスの機能強化を通じて、アップセル・クロスセルによる特定期間における売上高の増大および契約継続率などを見ながら、LTV(顧客生涯価値)の維持・向上を図っていきます。しかしながら、何らかの施策の見誤りやトラブル等で特定期間の売上高または契約継続率が著しく低下した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
LTV(顧客生涯価値)の推移
⑥プラットフォームビジネスにおける先行投資について
当社が展開する「AIアナリスト」を中心としたプラットフォームビジネスは、開発人員及び営業人員の採用、広告宣伝活動等の先行投資を必要とする事業であり、結果として当社は創業以来営業損失を継続して計上しております。
今後も、より多くの顧客の獲得をめざし、開発や営業などにおける優秀な人材の採用・育成を計画的に行うとともに、知名度と信頼度の向上のための広報・プロモーション活動、顧客獲得のためのマーケティングコスト投下などを効果的に進め、売上高拡大及び収益性の向上に向けた取り組みを行っていく方針であります。しかしながら、想定どおりの採用・育成が進まない場合、マーケティングPR等活動の効果が得られない場合等には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ストック・オプション行使による株式価値の希薄化について
当社では、役員、従業員、社外協力者等に対するインセンティブ等を目的としたストック・オプション制度を採用しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、現在付与している新株予約権に加え、今後付与される新株予約権について行使が行われた場合には、既存株主が保有する株式の価値が希薄化する可能性があります。なお、本書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は808,500株であり、発行済株式総数6,792,000株の11.9%に相当しております。
⑧情報管理体制について
当社では、業務に関連して多数の顧客の情報資産を取り扱っております。そのため当社は、「情報セキュリティ管理規程」を制定し、アドミニストレーション統括部の管掌のもと、情報の秘密区分指定と区分ごとの保管方法等を定めるほか、役職員に対する情報セキュリティに関する定期的な教育研修を実施する等、情報管理体制の強化に努めております。また、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の国際規格であるISO27001の認証を取得しており、これに沿って、情報セキュリティ基本方針を策定するとともに、情報セキュリティ委員会を定期的に開催しISMSの適切な構築・運用についての審議を行っております。
しかしながら、何らかの理由により重要な情報資産が外部に漏洩するような場合には、当社の社会的信用の失墜、損害賠償責任の発生等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨システム開発について
当社は、システムに関わる投資・開発を継続的に行っております。当社の開発したサービスに不具合が生じた場合や、連携しているツールの仕様が大きく変わった場合、開発人員の獲得が進まないために開発が予定どおりに進まない場合など、利用者が損害を被った場合は、損害賠償の支払などにより、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩知的財産権について
当社による第三者の知的財産権侵害の可能性については、専門家と連携を取り調査可能な範囲で対応を行っておりますが、当社の事業領域に関する第三者の知的財産権の完全な把握は困難であり、当社が認識せずに他社の知的財産権を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合、損害賠償請求や使用差止請求等により、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪内部管理体制の強化について
当社は、今後の事業拡大に対応するため、内部管理体制をさらに強化する必要があると認識しております。今後は人材採用及び育成を行うこと等により内部管理体制の強化を図っていく方針であります。しかしながら、事業の拡大ペースに応じた内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫コンプライアンス体制について
当社は、今後企業価値を高めていくためにはコンプライアンス体制が有効に機能することが重要であると考えております。そのため当社は、「リスク・コンプライアンス管理規程」を制定し、当該規程に基づきリスク・コンプライアンス委員会を定期的に開催して全社的なコンプライアンスに関する事項の審議・検討を行うほか、定期的に社内研修を実施し、コンプライアンスに関する役職員の意識向上を図っております。しかし、これらの取り組みにも関わらずコンプライアンス上のリスクを完全に解消することは困難であり、今後の当社の事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬配当政策について
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題として認識しております。しかしながら、現在当社は成長過程にあると考えており、内部留保の充実を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当することにより、更なる事業拡大を目指すことが株主に対する利益還元につながると考えております。
将来的には、各期の経営成績及び財政状態を勘案しながら株主に対して利益還元を実施していく方針ではありますが、現時点において配当実施の可能性及びその実施時期等については未定であります。
⑭新型コロナウイルス等の感染症の蔓延に関するリスク
当社は、新型コロナウイルス等の感染症の蔓延によるDXの重要性が増すことにより、中長期的には恩恵を享受する事業を展開しております。しかし、そうした感染症の蔓延により、国内の経済活動の停滞に伴い、店舗の休業などを余儀なくされるなど事業に甚大な影響を受ける顧客が一部おり、そうした顧客の減少により、一時的に当社の成長スピードが鈍化する可能性があります。特に「AIアナリストAD」については、企業のマーケティングコストの予算に係る影響を受けるため、景気の低迷に伴う予算削減当により、当社の成長スピードが鈍化する可能性があります。
また、この新型コロナウイルス感染症の収束時期や新たな感染症の蔓延を正確に予測することは困難であり、感染症の蔓延が長期化または頻発した場合には、当社の事業への影響が長期化する可能性があります。
⑮ベンチャーキャピタル等の株式所有割合に伴うリスク
当社の発行済株式に対するベンチャーキャピタル及びベンチャーキャピタル等が組成した投資事業組合(以下「ベンチャーキャピタル等」という。)の所有割合は本書提出日現在41.2%であります。
一般的に、ベンチャーキャピタル等の株式の所有目的は、上場後に所有株式の全部又は一部を売却してキャピタルゲインを得ることであり、当社についても今後ベンチャーキャピタル等が所有する株式の全部又は一部が売却されることが想定されます。なお、ベンチャーキャピタル等は、当社株式の上場時において、所有する当社株式の一部を売却する予定であり、また、売却しない当該保有株式についてはロックアップの合意を行っておりますが、当社株式の上場後においても相当数の当社株式を保有する場合には、ロックアップの解除後に、当該株式を売却することにより、株式市場における当社株式の需給バランスの悪化が生じ、当社株式の市場価格形成に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態の状況
第10期事業年度(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)
(資産)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末と比較して31,684千円減少し、504,512千円となりました。これは、流動資産が56,694千円減少したこと、固定資産が25,009千円増加したことによるものであります。流動資産の減少は、主に業務拡大により売掛金が17,027千円増加した一方で、現金及び預金が73,641千円減少したことによるものであります。固定資産の増加は、主に既存サービスの改良完了及び公開によりソフトウエアが37,563千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末と比較して108,120千円増加し、218,222千円となりました。これは、主に固定負債が87,440千円増加したことによるものであります。固定負債の増加は、借入により長期借入金が87,440千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末と比較して139,804千円減少し、286,290千円となりました。これは主に、欠損填補を目的とした減資により資本金が151,937千円、資本剰余金が575,842千円減少したこと、利益剰余金が585,775千円増加したことによるものであります。なお、利益剰余金の内訳は欠損填補による繰越利益剰余金の増加が727,779千円、当期純損失が142,004千円であります。
第11期第3四半期累計期間(自 2020年3月1日 至 2020年11月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における資産合計は、前事業年度末と比較して20,086千円増加し、524,599千円となりました。これは、流動資産が25,171千円減少したこと、固定資産が45,257千円増加したことによるものであります。流動資産の減少は、業務拡大により売掛金が25,544千円増加した一方で、主に人件費や収益獲得を目的とした広告宣伝費の投資に伴い現金及び預金が41,368千円減少したこと、その他流動資産が9,547千円減少したことによるものであります。固定資産の増加は、主に既存サービスの改良制作に伴いソフトウエア仮勘定が54,726千円増加した一方で、減価償却によりソフトウエアが9,390千円減少したことによるものであります。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債合計は、前事業年度末と比較して16,935千円減少し、201,286千円となりました。これは、流動負債が8,514千円増加したこと、固定負債が25,450千円減少したことによるものであります。流動負債の増加は、主に借入金の返済に伴い1年内返済予定の長期借入金が17,510千円減少した一方で、人員数の増加に伴い賞与引当金が9,418千円増加したこと、未払法人税等が3,599千円増加したこと、その他流動負債に含まれる未払消費税等が13,909千円増加したことによるものであります。固定負債の減少は、借入金の返済に伴い長期借入金が25,450千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は、前事業年度末と比較して37,022千円増加し、323,312千円となりました。これは、四半期純利益の計上により利益剰余金が37,022千円増加したことによるものであります。
②経営成績の状況
第10期事業年度(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)
当事業年度におけるわが国経済は、政府による雇用・所得環境の改善が続く中で、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、米中貿易摩擦の長期化や英国のEU離脱問題などによる海外経済の不確実性が増しており、また、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が世界経済に及ぼす影響が懸念されるなど、今後の動向は依然として不透明な状況が続いております。
このような経営状況のもとで、当社が属するAIを用いたDX市場は、企業のビジネス活動のデジタル化やそれに伴うアナリティクスおよびAI活用の取り組みの一層の広がりを受け、拡大を見せております。当社は「AIアナリスト」シリーズを軸として、DX市場の成長を追い風に、順調な事業拡大を進めてきました。
当社は「AIアナリスト・シリーズ」を軸とするアナリティクスソフトウェアやソリューションを、顧客に継続的かつ複合的に提供することで、顧客のDX実現を支援しております。そうした取り組みにより、当社は1顧客から得る売上高である1社あたりの理論LTV(顧客生涯価値、1社あたりの12ヵ月平均初期売上+1社あたり平均リカーリングレベニュー/社数ベースの12ヶ月平均解約率)の拡大を推進してきました。
当事業年度においては、市場拡大をもとにさらなる事業拡大を進めることで企業価値を向上すべく、自社ケイパビリティの強化を進めてきました。
「AIアナリスト」および「AIアナリスト・シリーズ」を主体としたプロダクト事業では、DX市場において広がるニーズに応えるべく「AIアナリスト」の機能強化や新規機能の開発および「AIアナリスト」シリーズである「AIアナリストSEO」の拡販や「AIアナリストAD」の新規投入(2019年5月)を行いました。また、将来にわたって事業を加速するプロフェッショナル人材の獲得など、積極的な先行投資を行ってまいりました。
また、コンサルティングなどのインキュベーション事業では、アカデミアおよびビジネスの両分野で先端をいく人材を顧問として迎えた社内研究所「WACUL テクノロジー&マーケティングラボ」を通じて、DXの実現に向けたノウハウの高度化を目指しています。当事業年度では、大企業向けにPoC(新規アイディアの検証・実証)およびコンサルティングを提供することで、新たな知見の獲得を進め、それらをソリューションに落とし込む形で、顧客のWebサイトに類似したWebサイトとの比較から顧客が自社のWebサイトの現状を把握するサービスであるベンチマーキングや、類似したWebサイトにおいて改善効果が高かった改善手法を顧客に提案するサービスであるベストプラクティスをオプションとして2019年8月から拡販するなど、新規事業の立ち上げおよびサービスラインナップの拡張を実現しました。
さらに、AIによるデータ分析と改善提案という当社コア・コンピタンスを最大限レバレッジすべく、株式会社リコーや株式会社電通デジタル、ランサーズ株式会社の子会社であるシクロマーケティング株式会社と協業を行うなど、パートナー企業との連携によるサービス拡張にも注力してまいりました。
また、パートナー企業との連携にとどまらず、展示会やセミナーなど、デジタルに閉じないリアルのチャネルでこれまでリーチできなかった顧客の新規獲得にも力を入れており、2019年10月18日には「AIアナリスト」の登録サイト数が30,000サイトを突破し、月間40億セッション以上のビッグデータを保有するに至りました。こうして得られたビッグデータをもとに新たなベストプラクティスの発見を行い、それらを研究所からレポートとしてまとめて発表することで、さらなる新規顧客獲得および自社ブランディングに活かすという好循環を生んでいます。
この結果、当事業年度の経営成績は以下の通りとなりました。なお、当社はDX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(売上高)
売上高は485,984千円(前年同期比31.0%増)となりました。これは、1顧客から得る売上高である1社あたり理論LTV(顧客生涯価値、1社あたりの12ヵ月平均初期売上+1社あたり平均リカーリングレベニュー/社数ベースの12ヶ月平均解約率)の増加と顧客数の増加が主な要因となります。
LTV(顧客生涯価値)は、2019年2月には1,920千円だったものから2020年2月には2,480千円に増加しております。LTV(顧客生涯価値)増加の要因は、クロスセルへの取組み強化と解約率の低減になります。クロスセルは、2019年2月期に「AIアナリストAD」の販売を開始したことに加え、主に「AIアナリストSEO」の新規顧客に対する販売体制の強化、既存顧客に対する利用を促進する営業活動を行う等の取組みを行っております。解約率は、プロダクト開発による機能向上が功を奏したこと、カスタマーサクセスによるサポート強化を行った結果、低減しています。
顧客数の増加は、登録サイト数が2019年2月末時点で27,059サイトに対し、2020年2月末時点で31,480サイトまで増加したことが要因になります。
※ 登録サイト数とは、有料版/無料版を問わず、当社「AIアナリスト」にGoogleアナリティクスが連携された数を示しています。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は56,262千円(前年同期比23.2%減)となりました。売上高の伸長と比較して売上原価が減少した理由は、「AIアナリスト」の安定稼働に伴う保守開発工数が減少したこと、売上原価の多くは通信費などのほぼ固定費で構成されることにより売上高の伸長に比例しないことによるものであります。
その結果、売上総利益は429,722千円(前年同期比44.4%増)、売上高総利益率は前会計年度80.3%から88.4%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業損失)
販売費及び一般管理費は570,701千円(前年同期比57.4%増)となりました。これは、従業員の増加に伴う人件費が増えたこと、更なる収益獲得を目的として広告宣伝費が増えたことによるものであります。
その結果、営業損失は140,979千円(前事業年度は営業損失64,976千円)となりました。
(営業外損益、経常損失)
営業外収益は6千円、営業外費用は742千円となりました。
その結果、経常損失は141,715千円(前事業年度は経常損失67,456千円)となりました。
(特別損益、税引前当期純損失)
特別損益は計上しておりません。
その結果、税引前当期純損失は141,715千円(前事業年度は経常損失67,456千円)となりました。
(法人税等、当期純損失)
法人税等は289千円(前年同期比87.4%減)となりました。
その結果、当期純損失は142,004千円(前事業年度は当期純損失69,746千円)となりました。
第11期第3四半期累計期間(自 2020年3月1日 至 2020年11月30日)
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大の懸念が台頭するなか、対面によるマーケティング及びセールスの活動が制約され、多くの企業が新しい社会への対応を迫られています。当社ではその変化に各企業が対応できるよう、マーケティング及びセールスのDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現の支援を進めております。
当社では、企業のDXの実現性を高めるために、「AIアナリスト」や「AIアナリストSEO」「AIアナリストAD」などを含む「AIアナリスト・シリーズ」を組み合わせ、顧客にワンストップで課題解決のためのソリューションを展開して参りました。また、DX実現に向けて情報を求める企業に向けて、DX実現の手法に関する調査・提言等を書籍の出版や大手メディアへの寄稿、自社主催の大型オンラインイベントなど多面的に発信するなど、積極的な営業・マーケティング活動を行いました。
また、「DXコンサルティング」は、コロナ禍により、デジタルトランスフォーメーションを本格的に取り組みたいという企業に対して戦略立案フェーズから支援を行う案件が増加しました。
当第3四半期累計期間には、マーケティング及びセールスの領域のバリューチェーンにおいて、当社プロダクト「AIアナリスト」のもつWebサイト内のデータに加え、その前段階となる集客領域であるWeb広告データの保有・分析を強化しております。そのひとつとして「AIアナリスト」は、Googleの検索連動型広告等の出稿が行える「Google広告」やGoogle、Yahoo! JAPAN、Facebook等のWeb広告媒体向けの出稿を横断的に管理できるツール「Shirofune」との連携を開始しました。また、「Go To トラベル事業」への対応などからより一層DXの推進の必要性が高まった観光業向けに、ポストコロナと観光業におけるDXを見据え、株式会社JTBコミュニケーションデザインと当社の共同開発で、「AIアナリスト」の分析内容などを観光業に特化したものに変更した「AIアナリスト forツーリズム」を提供開始しました。
また、ビッグデータを分析するにあたり、より「AIアナリスト」からの改善施策提案の質向上のために行う、類似ページをグルーピングする機能について、その設定を人にかわりAIを活用して自動で行う機能の実装を行いました。
この結果、当第3四半期累計期間の経営成績は以下の通りとなりました。
なお、当社はDX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(売上高)
売上高は497,834千円となりました。これは、1顧客から得る売上高である1社あたり理論LTV(顧客生涯価値、1社あたりの12ヵ月平均初期売上+1社あたり平均リカーリングレベニュー/社数ベースの12ヶ月平均解約率)の増加と顧客数の増加が主な要因となります。
LTV(顧客生涯価値)は、2020年2月には2,480千円だったものが2020年11月には3,254千円まで増加しております。LTV(顧客生涯価値)増加の要因は、クロスセルへの取り組み強化と解約率の低減になります。クロスセルは、主に「AIアナリストAD」、「AIアナリストSEO」の新規顧客に対する販売体制の強化、既存顧客に対する利用を促進する営業活動を行う等の取組みを行っております。解約率は、プロダクト開発による機能向上が功を奏したこと、顧客のニーズに合わせたプラン提供への取り組みの結果、低減しています。
顧客数の増加は、登録サイト数が2020年2月末時点で31,480サイトに対し、2020年11月末時点で34,134サイトまで増加したことが要因になります。
※ 登録サイト数とは、有料版/無料版を問わず、当社「AIアナリスト」にGoogleアナリティクスが連携された数を示しています。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は66,885千円となりました。
その結果、売上総利益は430,949千円、売上高総利益率は前会計年度88.4%から86.6%となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は387,117千円となりました。これは、主に人件費や収益獲得を目的とした広告宣伝費によるものであります。
その結果、営業利益は43,832千円となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は2,091千円、営業外費用は3,026千円となりました。営業外収益は事業継続緊急対策(テレワーク)助成金による収入があったこと、営業外費用は主に上場関連費用であります。
その結果、経常利益は42,897千円となりました。
(特別損益、税引前四半期純利益)
特別損益は計上しておりません。
その結果、税引前四半期純利益は42,897千円となりました。
(法人税等、四半期純利益)
法人税等は5,874千円となりました。
その結果、四半期純利益は37,022千円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
第10期事業年度(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ83,641千円減少し、363,921千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は169,874千円(前事業年度は72,066千円の支出)となりました。これは主に、税引前当期純損失が141,715千円計上されたこと、売上の増加に伴い売上債権の増加額が17,027千円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は36,847千円(前事業年度は10,984千円の支出)となりました。これは主に、「AIアナリスト」のツール開発・拡張にかかる無形固定資産(ソフトウエア)の取得による支出が36,609千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は123,080千円(前事業年度は498,930千円の獲得)となりました。これは主に、資金調達をしたことにより長期借入れによる収入が150,000千円あった一方で、長期借入金の返済による支出が29,120千円あったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
第10期事業年度及び第11期第3四半期累計期間の販売実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
第10期事業年度 (自2019年3月1日 至2020年2月29日) |
第11期第3四半期累計期間 (自2020年3月1日 至2020年11月30日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
販売高(千円) |
|
|
DX事業 |
485,984 |
131.0 |
497,834 |
(注)1.当社の事業セグメントは、DX事業の単一セグメントであります。
2.最近2事業年度及び第11期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況 ②経営成績の分析 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
③資本の財源及び資金の流動性
当社の資金需要として主なものは、事業の拡大に伴う人件費、プロダクトの開発費、顧客獲得や認知度向上のための広告宣伝費等であります。財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。
該当事項はありません。
第10期事業年度(自 2019年3月1日 至 2020年2月29日)
当社はデータ分析に基づいたデジタルマーケティングをワンストップで実行できるプラットフォームとして「AIアナリスト・シリーズ」を提供しているため、デジタルマーケティング手法を研究し、顧客に提供するツールの機能改善を行うことが事業展開上の主要課題として認識しております。社内体制としては、インキュベーション本部及び機械学習やDeep learningなどのAI分野プログラミング言語等を駆使する開発部門のメンバーが中心となって研究開発活動を行っております。
当事業年度は「AIアナリスト」の更新率向上に寄与する機能開発の研究を目的とした研究開発に取り組んでおり、研究開発活動の総額は
なお、当社の事業は、DX事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
第11期第3四半期累計期間(自 2020年3月1日 至 2020年11月30日)
当第3四半期累計期間において、該当事項はありません。