第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

      文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

  当社は、社名を「株式会社T.S.I(Terminalcare Support Institute)」=「終末期ケアの支援機関」としております。「愛ある日々のお手伝い」を当社グループの経営理念に掲げ、経営理念の浸透、コーポレート・ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底を図り、これらを理解し実現できる管理者の育成、当社グループの経営理念に共感できる介護スタッフの育成を通じて、より質の高い介護サービスを提供するため取り組んでおります。また、長期的なビジョンとしては、全国47都道府県に事業を展開することも視野に入れ、さらなる事業規模の拡大を目指してまいります。

 

 当社グループは、経営理念を最も重視し、以下の経営理念及び指針のもと、介護を必要とする方々やその家族が安心・安全に生活できるよう運営を行っております。

① 経営理念

「愛ある日々のお手伝い」

  私たちは、いつもお客様とその家族や友人のやすらぎと幸福を願います。

  老いて、病にあっても、他の人を思いやり、関心をむけられる愛ある日々を過ごせるようにお手伝いをします。

② 指針

・ 私はお客様の幸福を願います。お客様の立場に立ち、お客様を理解しようと努力します。

・ 私はより良いケアが出来る様に学習をします。お客様から学び続ける姿勢を持ち続けます。

・ 私は多くの人々に喜ばれる仕事が出来たかどうか、日々自分の行動や言動を振り返ります。

  常に心のコントロールを心がけ、愛をもって仕事をします。

・ 私はお客様の心に寄り添い、真のニーズを発見し幸福を広げていきます。

  常に心と身体のバランスを意識して、お客様の幸福に繋がる介護を目指します。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、介護運営会社である当社と、サービス付き高齢者向け住宅の建築を行う連結子会社(株式会社北山住宅販売)による、設計・建築から運営までの一気通貫したサービス提供によって、各地域でのドミナント展開を進めてまいりました。

  また、当社は自社の営業部隊を持ち、新規拠点開設時には各地で経験を積んだ営業部隊を投入し、紹介会社等の力を借りず自社で顧客を獲得できるよう、地域との関係性づくりに注力しております。また、当社は拠点開設当初から積極的に告知活動を行い、顧客の紹介元であるケアマネージャーやソーシャルワーカーとの関係づくりに努めております。具体的には、紹介を受けた入居者の様子を定期的に報告することによって、ケアマネージャーやソーシャルワーカー等、協力者への情報共有を続けております。また、当社が運営する施設以外のサービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホーム、介護老人保健施設などでの受け入れ困難な方についても相談を受け、可能な限り受け入れを行っております。これらの活動の結果、現在は開設後1年以上経過した拠点の平均稼働率は97.2%(第11期第3四半期連結会計期間末時点)であります。

 従来は、当社の信用力で当社が一括借上げを行うことに不安を感じるオーナーや、オーナー又は当社の信用力の問題でオーナーにファイナンスがつかないという事情で新規開設案件が頓挫したこともありますが、新規上場により資金調達力と信用力をつけることで、開設予定候補地域で土地を買い付け、サービス付き高齢者向け住宅を建築し、事業運営することや、他の事業者に売却することが可能になると見込んでおります。自社保有する「アンジェス」の売却については、当社に介護運営を残した状態で所有権を外部オーナーへと売却し、当社グループではその売却資金を使って新規に「アンジェス」を自社建築して運営棟数を増やしていくことで、財務健全性を維持しながら新規開業資金を確保していくことも考えております。

 2020年11月には初の神奈川県での開設をしており、今後も関東エリアの開設を進めていく方針であります。また2021年には9月に愛知県にアンジェスみよし、滋賀県にアンジェス神照を、10月に滋賀県にアンジェス瀬田を、11月に静岡県にアンジェス浜松佐鳴台を新規開設の予定としており、既存の拠点があるエリア展開の深耕が進んでおります。このように2021年は4棟の新規開設となっており、2022年以降も毎年5棟もしくは150室の開設を目標に設定しております。

 加えて、介護業界における大きな課題である人材確保に対しては、求職者支援訓練の事業化も検討するなど、介護人材の供給側へ進出することで人材不足の解消と収益化を図ります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  当社グループは、持続的な成長による企業価値の向上を目的として、業績の拡大に向けて重要な指標となる毎年の新規開設居室数、並びに収益力の向上及び経営の効率化において重要な指標となる売上高経常利益率を経営上の目標の達成状況を判断するための重要な指標と位置づけ、各経営課題の改善に取り組んでおります。

また、当社グループは、サービス付き高齢者向け住宅の運営においては、各部門の適正な運営の数値化を図って指導し、経営の安定化を図っております。そのため、訪問介護の利用単価(訪問介護の年間売上額÷年間の延べ賃貸借数)、稼働率(賃貸借契約数÷総提供可能居室数)、人件費率(労務費÷介護収入(介護保険関連収入+サービス付き高齢者向け住宅における生活支援関連収入))についても経営上の重要指標と認識しております。

 

(4)経営環境

 当社グループが所属する国内の介護業界におきましては、高齢化がさらに進み、介護サービスの需要は高まっているもののサービスを担う人材の十分な確保が難しく、2020年上半期の介護事業所の倒産件数は過去最高を更新するなど、人材確保が介護事業者の大きな経営課題になっております。これら介護人材の不足に対しては、国の施策として2019年10月の消費税増税に合わせ「介護職員等特定処遇改善加算」が創設され、介護スタッフへのさらなる処遇の改善が図られております。当社も管理者を中心に還元の強化や賞与回数4回を維持し、人材確保と定着のための環境を整備することに努めております。

 65歳以上の高齢者人口は2020年時点(9月15日時点推計)で3,617万人、75歳以上の後期高齢者人口は2025年には2,180万人となる見込みですが、65歳以上の高齢者のみの単独世帯、いわゆる独居老人の世帯数は736万9千世帯、要介護者と同居している全世帯のうち、要介護者と介護者の双方が65歳以上の世帯、いわゆる老老介護世帯の割合は59.7%となっております(出典:「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」(総務省統計局)令和2年9月20日、「令和2年版高齢社会白書」(内閣府)、「2019年 国民生活基礎調査の概況」(厚生労働省))。また、要介護(要支援)認定者数は、2018年には658万人となっており、介護需要はますます高まる見込みです(出典:「平成30年度 介護保険事業状況報告」(厚生労働省))。そのような中でも、2018年の施設・住宅供給数は約172万人分と現時点でも不足感がある中で、今後、さらに需給ギャップが広がった場合、多くの独居高齢者が出てくることが予見されます(出典:「介護サービス基盤と高齢者向け住まい」(厚生労働省老健局)令和元年10月28日)。

 上記のような環境が予想される中、当社は、「愛ある日々のお手伝い」を経営理念とし、高齢者が終末期まで暮らせる住居と介護サービスを提供してまいります。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

①新規拠点数の確保

 当社グループでは、継続的に新規拠点を開設し、運営棟数を増加させていくことが業績拡大のための課題であると認識しております。新規拠点の開設が決まれば、当社の営業部隊を投入して稼働率を高めていくことは、過去実績からも可能であると考えており、まずは新規拠点開設を行っていくことが重要であると考えております。

 株式会社北山住宅販売での毎年の安定的な受注に加え、他社との提携も模索し、新規拠点の開設及び運営棟数の増加に努めてまいります。

 

②人材の確保と従業員育成

今後、さらなる事業規模拡大を図る上では、主任ケアマネージャー、サービス提供責任者等の責任者や、現場スタッフにおける有資格者の適時適切な採用及び配置が求められ、人材確保がますます重要な課題となってまいります。

現在、育成部門も兼ねた新規開拓部隊の創設、介護スタッフの待遇改善、資格取得の助成制度の導入や、全国転勤可能な社員の募集強化、拠点の統廃合の検討等を行っており、引き続き、全国規模での新規拠点開設を見据えた人員体制づくりに努めてまいります。

 

③リスク管理・コンプライアンスの徹底、スタッフ教育の強化

 介護業界においては、リスク管理・コンプライアンスの徹底とスタッフ教育が最重要課題の一つであります。高齢者虐待という痛ましい事件や不祥事を絶対に起こさないために、「リスク・コンプライアンス委員会」におけるリスクの抽出や適切な対応策の検討、介護技術主任による虐待防止研修をはじめとした各種研修の実施等、リスク管理・コンプライアンスの徹底に向けた対策とスタッフ教育の強化は、引き続き実施してまいります。

 

④内部管理体制の強化

質の高いサービスを提供するためには社員・スタッフ1人1人の意識向上を図ること、また安定的に事業を拡大するためには内部管理体制のさらなる強化が必要不可欠であると考えております。今後も引き続き、内部通報制度の運用や、内部監査実施等によりコーポレート・ガバナンスを強化するとともに、情報セキュリティ、労務管理、事故防止をはじめとするコンプライアンスを含めた内部管理体制の強化に取り組んでまいります。

2【事業等のリスク】

  本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には、以下のようなものがあります。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)人員の確保について

当社グループが事業規模を拡大していくためには、新エリアへの進出を続けていく必要がありますが、新エリアへ進出するためには、管理者、現場の介護スタッフを確保する必要があります。介護業界は慢性的に人手不足といわれ、有効求人倍率も高い状況にあります(2020年11月の介護サービスの有効求人倍率は3.27倍。全職業平均は1.00倍。出典:「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」(厚生労働省))。そのため、当社は、介護スタッフの待遇改善、全国転勤や全国の宿泊出張可能な社員の確保に取り組んでおります。また、経験の浅い介護スタッフでも安心して継続して働けるように、定期的な教育・研修の場を設けて、スタッフ定着率の向上に努め、未経験の無資格者に対しても、雇用後、資格取得支援を行い戦力化を図っております。

 新規開設後、近隣で近い時期に複数拠点を開設するドミナント展開を行うことでオープニングスタッフを中心に人員をエリア単位で充足させ、その中から次期管理者候補を発掘し、次の開設へ繋げていくなど、ドミナント展開を行いながら人員確保におけるリスクをコントロールしております。また、開設時期が毎年異なり、中途採用者がメインとなっていることから、2019年4月から新卒採用を開始し、中長期的な人材育成にも取り組んでおります。しかしながら、十分に介護スタッフが確保できず、人員不足によって新規拠点の開設時期が遅れることや、開設後に入居受け入れを止める事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当該リスクは、エリアや拠点展開先の地域によって程度に差はありますが、基本的には1拠点単位で発生するリスクであります。また、現時点では、求人活動及びその状況によって、近隣拠点からの応援体制によりカバーすることが可能であり、当該リスクへの対応策に取り組んでおります。

 

(2)介護保険法の改正について

  訪問介護事業、居宅介護支援事業は介護保険法に基づき事業を行っております。介護保険法及び介護報酬は3年ごとに改定されます。前回の介護報酬改定は2018年4月であり、次回改定は2021年4月となっております。当社で現在取得している「介護職員処遇改善加算(Ⅰ)」「介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)」は従業員の処遇改善に直結しております。今後の改正において、これら処遇改善加算が減額される方向となり、当社持ち出しによる人件費の増加が発生した場合、また、基本報酬の大幅減額が実施される場合、新たな減算が開始される場合、介護保険サービスの利用方法に制限がかけられる場合、新たな規制が発生した場合や人員基準変更等で有資格者の雇用が義務付けられる場合など、法改正の動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクは当社の介護事業の売上の約55%を占める介護保険収入に関連するものであることから、当社グループ全体の業績に影響を与えますが、当社では収益の分散化によってリスク低減を図っております。また、当社は一定の規模に成長してきたことで、業務標準化による効率的な運営等が行える体制を目指しており、今後も継続して取り組んでまいります。

 

(3)食中毒や感染症について

 当社の運営する建物内では、日ごろから、換気・手洗い・手指消毒の励行等の感染防止対策をとっておりますが、外部からの訪問者によって、新型コロナウイルス、インフルエンザやノロウイルス等を持ち込まれてしまい「アンジェス」において利用者や従業員の間で集団感染が発生する可能性があります。また、当社が運営するサービス付き高齢者向け住宅においては、利用者に対し食事を提供しておりますが、厨房の整理・整頓及び食材の安心・安全な調達・調理に取り組んでいるものの、万が一、喫食された利用者の中から食中毒が発生した場合や、集団感染が広がった場合には、営業停止等の行政処分や顧客離れ等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクは、事業への影響としては、1拠点単位の収益に影響を及ぼすものであります。特に、近況においては新型コロナウイルス感染症が拡大しておりますが、万一、当社が運営するサービス付き高齢者向け住宅でクラスターが発生した場合は、その拠点については、終息するまでの一定期間、売上が減少する可能性があり、その後の営業活動に際しては風評リスクが発生する可能性が生じます。

 なお、当社では、訪問介護部による感染予防のための研修、全社統一の感染予防対策をとるなど、これら感染症対策については既に可能な限りの予防策を講じております。

 

(4)事業のための指定等について

  当社が行っている介護事業は、主に介護保険法に基づく介護サービスが中心であり、同法及び関連諸法令の規制を受けます。介護サービスを行うには、サービス毎に都道府県等自治体の指定を受ける必要があります。介護事業の運営を続けていく上では、常時、運営基準・設備基準・人員基準等の各種基準を充足しておく必要があります。また、サービス付き高齢者向け住宅の登録・更新にも要件があります。

 これらが遵守できていないと行政に判断された場合、介護報酬の返還又は減額、新規受け入れ停止、最も厳しい処分としては指定取消が行われる可能性があります。当社では、内部監査での確認、各部門上長による書類の確認、定期的な研修等で法令遵守に注力しておりますが、行政によって法や基準への判断・解釈が異なる、いわゆる「ローカルルール」が存在するため、当社で実施するリスクコントロールが機能せず、運営に不備があり何らかの指摘や指導を受けることとなった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 具体的な各サービスと根拠法令、主な指定・登録取消事由については下記の一覧をご参照下さい。

サービス名

所管官庁等

根拠法令等

有効期間

主な指定・登録

取消事由

訪問介護

厚生労働省

・介護保険法

都道府県、政令指定都市及び中核市が事業の指定権者となります。

6年間

介護保険法第77条(指定の取消し等)

居宅介護支援

厚生労働省

・介護保険法

都道府県、政令指定都市及び中核市が事業の指定権者となります。

なお、居宅介護支援については、2018年4月以降の指定権者は市区町村になっております。

6年間

介護保険法第84条(指定の取消し等)

介護予防・日常生活支援

厚生労働省

・介護保険法

市区町村が事業の指定権者になります。

6年間

介護保険法第115条の45の9

(指定事業者の指定の取消し等)

サービス付き高齢者向け住宅

国土交通省

・高齢者住まい法

都道府県、政令指定都市及び中核市が登録先となります。

5年間

高齢者住まい法第26条

(登録の取消し)

 

 また、不動産事業に係る許認可は以下のとおりであります。

許認可等の名称

有効期間

規制法令

主な免許・登録等取消事由

特定建設業(建築工事業許可)

京都府知事(特-29)第34856号

2017年5月1日~2022年4月30日

建設業法

第29条

宅地建物取引業(免許)

国土交通大臣(5)第6098号

2020年12月5日~2025年12月4日

宅地建物取引業法

第66条

一級建築士事務所(登録)

京都府知事登録第03136号

2020年7月3日~2025年7月2日

建築士法

第26条

 なお、当社では、これまで行政処分を受けた事実はなく、これらのリスクコントロールに取り組んでまいりました。当該リスクは基本的には1拠点単位で発生するリスクであり、事業への影響は限定的であります。

 

(5)その他の法改正について

  当社は、従業員数が多く24時間365日運営を行う労働集約型の事業形態であり、「労働基準法」の改正による影響を強く受けるものであります。また、高齢者住宅事業に関しては、関連法令が「介護保険法」、「高齢者住まい法」、「老人福祉法」、「消防法」、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」等の多岐にわたります。行政から何らかの指導を受ける事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)競合について

  日本において高齢者数は増え続けており、介護関連ビジネス市場は今後も拡大が予測されております。また、サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者の住居の供給確保のため、期間が限定された建築への補助金も導入されており、有望事業と目されております。そのため、同業事業者や異業種企業からの新規参入が多く、今後も増加傾向が続くと予想されます。当社が拠点開設したエリアで、このような新規参入と既存事業者の施設増設による競合が激化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)顧客が高齢者であることについて

  当社の顧客は、主として要介護認定、要支援認定を受けている高齢者であり、例えば、入居者の一人に急病による入院、急逝、居室内での転倒骨折による入院や、要介護度の変化による特養への転居などが発生した場合、当該入居者へ一時的にサービス提供が行えなくなり、入院であれば退院まで、退去であれば次の顧客のサービス利用開始までの間の売上が発生しなくなる場合があります。これらの事態については、過年度の発生状況を考慮に入れた事業計画を策定しておりますが、想定以上に多くの事態が重なった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)訴訟リスクについて

 当社は、本書提出日現在において提起されている訴訟はありません。今後も、細心の注意を払いリスク管理体制の整備と改善に努めてまいりますが、当社が主とする事業である介護事業においては、どれだけの注意を払っても介護事故は一定の確率で発生します。当社で加入している「包括職業賠償責任保険」にて対応可能と考えてはおりますが、万が一、介護中の事故による死亡事故等が発生し、遺族による損害賠償請求が提訴された場合には、社会的な評価の低下、訴訟に係る費用の発生、事業の全部又は一部の継続が困難になる等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)自然災害について

 当社は、京都府、滋賀県、岡山県、静岡県、兵庫県を中心にドミナント戦略による拠点展開を行っており、有事に備えた危機管理体制の整備に努め対策を講じております。しかしながら万が一、特定の地域で大規模な地震、台風等の災害により、当社の運営する建物や従業員及び利用者が損害を被った場合、また子会社が保有する建物に大規模な修繕が必要となり多額の費用が必要となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)情報管理及び個人情報の漏洩について

当社は事業を運営するにあたり、利用者あるいはその家族の重要な個人情報を取り扱っており、管理部門においては経営情報等の内部情報を保有しております。当社は、個人情報をはじめとした情報の適正な取得及び厳重な管理のために、各種規程や研修等を通じて、情報漏洩の防止に取り組んでおります。パソコンの管理にあたっては、ウイルス対策ソフトによる保護を実施するほか、一部の部門及び一部の役職者を除き、原則としてノートパソコンなどの電子機器の持ち出しを禁止しております。また、パソコンや各種システムには起動時のパスワード管理を実施しており、第三者が容易に起動させることができない設定となっております。しかしながら、万が一、システム等から個人情報が外部に漏洩する等のトラブルが発生した場合、損害賠償請求や信用力の低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)テナントの賃貸借契約について

 当社が運営するサービス付き高齢者向け住宅は、オーナーが建設する物件を当社が一括借り上げして、入居者に転貸するサブリース契約による方式、日本管理センター株式会社がオーナーから一括借り上げを行い、当社が介護運営会社としてテナントで入る方式の2方式があります。当社が一括借り上げを行う場合、オーナーとの賃貸借契約期間は主として25年間となっております。この間は安定的かつ継続的に事業を運営できるメリットがある反面、解約には一定の制約があるため、稼働率が著しく低下した場合や、近隣の賃貸住宅の家賃相場が下落し、当社の募集賃料にも何らかの影響が及んだ場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、解約不能期間を経過したのちには、何らかの理由により、オーナー側から賃貸借契約書の規定に基づき賃貸解除を申し出られる可能性もあります。そうなった場合、当社の運営棟数が減少する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、リース会計に係る会計基準の変更や当該会計基準変更にあたっての当社の該当の有無により、建物部分に係る残リース相当額の貸借対照表への計上に伴う財務比率の悪化や、計上したリース資産の減損処理による利益の減少又は損失及びそれに伴う財務数値の大幅な変動が発生する可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)特定経営者への依存について

  当社の創業者であり代表取締役社長である北山忠雄は、当社グループの経営方針や事業戦略の立案・決定における中枢として重要な役割を果たしております。役員への情報共有や権限委譲を進める等、組織体制の強化を図りながら、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めております。しかしながら、何らかの理由で同氏が当社の業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)風評等の影響について

 当社では、経営理念と指針を最も重要なものと位置づけ、理念研修、介護研修、人事考課等、様々な機会を通じて従業員への経営理念等の浸透に努めております。また、利用者本人に加え、その家族、地域の介護事業者、行政、近隣の医療機関等とも密に連携し、交流を図っていることが業績向上にとって重要なものであると認識しております。従業員教育や内部監査等で細心の注意を払い、施設及び事業の運営をしておりますが、従業員の不祥事等何らかの事象が発生したり、当社に関する不利益な情報及び風評が広まった場合には、利用者及びその家族、行政、医療機関等からの評判・評価が落ち、入居紹介が止まるなどの事態により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)有利子負債について

 第10期連結会計年度末時点における有利子負債残高(リース債務を含む)は1,492,246千円、有利子負債依存度は72.2%となっており、第11期第3四半期連結会計期間末時点における有利子負債残高(リース債務を含む)は1,456,208千円、有利子負債依存度は71.5%となっており、本書提出日現在においても有利子負債依存度が高い状況となっております。当社グループでは、第11期第3四半期連結会計期間末時点において株式会社北山住宅販売で「アンジェス」を6棟保有しており、その資金は長期借入金でまかなっております。その結果、総資産に対する有利子負債の割合が高い水準で推移しております。今後は、株式会社北山住宅販売で1棟保有を増やすたびに既に保有している1棟を売却するなど当社グループでの総保有棟数は増やさない方針であり、時間の経過とともに相対的な数値は改善していく見通しでありますが、今後も一定期間は有利子負債は比較的高い水準で推移していく可能性があります。また、事業計画どおりに売却が進まない場合においては、有利子負債の削減が遅れる可能性があります。なお、財務制限条項付きの借入はありません。

 

(15)新規拠点の開設、受注について

 当社グループは、自社グループのみならず、広く新規拠点開設のための情報を収集し、常に新規案件のための情報を入手しておりますが、利用者がいる限り、一度開設すると簡単には撤退できないことから、開設の可否判断については、社内規程に基づき慎重に見極めております。上場後は、株式会社北山住宅販売を通じて土地を購入し、当社が建築を行い、完成後、満室稼働にしたのちに販売するという事業スキームも含めて拠点数を増やしていく方針ではありますが、新規拠点の開設については、オーナーの意向、融資を実施する金融機関の動向等にも影響されることから、新規拠点の開設・受注ができない、又は、新規拠点数が計画よりも下回って推移する可能性があり、将来の運営棟数が当社の目標よりも下回った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)サービス付き高齢者向け住宅建築補助金の廃止・制度変更について

 サービス付き高齢者向け住宅に関しては、本書提出日現在、建築費の約1割が補助金として建築主に交付される政策的優遇措置が取られておりますが、これは毎年予算編成によって上限や継続が判断されます。2025年度までの制度の延長と、1戸あたりの補助額の減額が決定されましたが、将来、本補助金が廃止・制度変更となった場合、進行中の案件が一部、オーナーの方針で中止となるリスクがあります。しかし当社グループの建築においては、本補助金が廃止・制度変更となった場合でも、受注価格が安価なため、2025年度までの間は影響は限定的であると考えているほか、サービス付き高齢者向け住宅の提案から住宅型有料老人ホームへの提案へと切り替えることで、リスク回避をすることが可能であると考えております。しかしながら、本補助金の廃止・制度変更が発生した場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)建築及び不動産販売の期ずれについて

 当社グループの株式会社北山住宅販売は、主としてサービス付き高齢者向け住宅の建築及び自社物件の「アンジェス」を外部オーナーに販売する不動産販売を行っております。建築における売上計上にあたっては、連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については、工事完成基準を適用しております。工事完成基準を適用している案件については、事故、天災、建築資材が入手できない、検査上の不備が発生する等の事情により建築が遅れ、完成時期が遅れる場合、売上計上が期ずれとなる可能性があります。また、不動産販売においても、オーナーの事情等で当初計画よりも販売時期が遅れた場合、売上計上が期ずれとなる可能性があり、これらの事象が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)新規拠点の単一年度への開設集中について

 当社グループは、拠点数を増やして事業を拡大するビジネスモデルをとっております。新規拠点を開設する際には、一定の期間は費用先行となる赤字期間が生じることとなります。そのため、単一年度に多数の拠点の開設が重なった場合は業績の下押し圧力となり、その年度の当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(19)固定資産の減損等について

当社グループは、業績動向によっては、固定資産の減損会計の適用に伴う損失処理が発生することがあり、その場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。減損処理が発生しないよう拠点単位での収益管理を行い、施設長に収支の責任を持たせ、収益性が悪化している拠点については積極的に対策を講じますが、万が一、不採算拠点の増加や閉鎖が集中した場合や、また、株式会社北山住宅販売が保有する「アンジェス」の減損処理が必要となり多額の減損損失が発生した場合は、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(20)支配株主との関係について

 当社の支配株主である北山忠雄は、当社の創業者であり代表取締役社長であります。本書提出日現在、北山忠雄並びに同氏の二親等内の親族の所有株式数を含めると発行済株式総数の89.7%を所有しております。また、当社の支配株主である北山優吾は、当社の専務取締役であり、北山忠雄の子であります。北山優吾並びに同氏の二親等内の親族の所有株式数を含めると発行済株式総数の88.4%を所有しております。

 また、北山忠雄及び北山優吾の三親等内の親族が4名、当社従業員として勤務しており、それぞれ経理、総務、広報業務に従事しております。

 北山忠雄及び北山優吾は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しておりますが、何らかの事情によりこれらの当社株式が売却され、両氏の持分比率が低下した場合には、当社株式の市場価格及び議決権行使の状況等に影響を及ぼす可能性があります。なお、北山優吾は300,000株の公募増資により当社の発行済株式総数が増加した場合、主要株主から外れるため支配株主に該当しなくなる見込みであります。

 

(21)その他のリスクについて

 上記のほか、外部からの犯罪行為、SNSへのネガティブな書き込み等が発生することで、社会的信頼が失墜し、その対応のためのコストの発生により、当社グループの業績又は株価に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

第10期連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)

 当連結会計年度における我が国経済は、雇用環境の変化による労働力不足が足かせとなる中、企業業績の持続的な改善に加え、個人消費の持ち直し、内需の拡大に支えられ景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、世界経済においては、米国経済が回復を継続しており、中国経済に減速が見られるものの、全体的には緩やかな回復傾向が継続いたしました。しかし世界において米中の貿易摩擦の長期化や中東情勢の緊迫化、日本においては相次ぐ自然災害による影響、東京五輪特需も峠を越えつつあり、見通しが悪化しつつありました。

 介護業界におきましては、高齢化がさらに進み、介護サービスの需要は高まっているもののサービスを担う人材の十分な確保が難しく、人材確保が介護事業者の大きな経営課題になっております。これら介護人材の不足に対しては、国の施策として2019年10月の消費税増税に合わせ「介護職員等特定処遇改善加算」が創設され、介護スタッフへのさらなる処遇の改善が図られました。当社も事業所の管理者を中心に還元の強化や賞与回数を増やし、人材確保と定着のための環境を整備することに努めてまいりました。

 このような状況の下、当社グループは当連結会計年度において内部管理体制を強化し、経営基盤の構築に努めてまいりました。

 また、当連結会計年度末時点のサービス付き高齢者向け住宅の運営状況につきましては、2019年12月に兵庫県加古川市に69室の大型物件(アンジェス加古川)を開設するも、20棟630室の全社稼働率は90.5%、開設後1年以上経過拠点に限っては稼働率が97.3%となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

ⅰ.資産

 当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ5億23百万円増加し、20億67百万円となりました。

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ1億55百万円増加し、8億17百万円となりました。これは主として、販売用不動産の減少75百万円があったものの、現金及び預金の増加1億50百万円、売掛金の増加31百万円及びその他の増加45百万円があったことによるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ3億68百万円増加し、12億49百万円となりました。これは主として、建物及び構築物(純額)の増加3億14百万円、土地の増加74百万円等があったことによるものであります。

 

ⅱ.負債

 当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ4億47百万円増加し、19億32百万円となりました。

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ70百万円増加し、6億31百万円となりました。これは主として、短期借入金の減少70百万円があったものの、前受金の増加49百万円、未払法人税等の増加27百万円及び賞与引当金の増加15百万円があったことによるものであります。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ3億76百万円増加し、13億1百万円となりました。これは主として、長期借入金の増加3億91百万円があったことによるものであります。

 

ⅲ.純資産

 当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ76百万円増加し、1億35百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加76百万円によるものであります。

 

b.経営成績

 当連結会計年度における売上高は、23億85百万円(前年同期比9.8%増)、営業利益は1億11百万円(同63.9%増)、経常利益は1億7百万円(同76.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は76百万円(同2.3%減)となりました。

 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

ⅰ.介護事業

 介護事業におきましては、当連結会計年度において、兵庫県に1拠点を開設いたしました。当社が運営するサービス付き高齢者向け住宅では、過去最大規模の69室モデルとなります。当連結会計年度は新規開設を1棟に抑え、翌連結会計年度以降の新規開設に向けた社内体制整備と、既存拠点の稼働率・収益力向上に努めました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は19億62百万円(前年同期比24.7%増)、セグメント利益は1億43百万円(同215.6%増)となりました。

ⅱ.不動産事業

 不動産事業におきましては、当連結会計年度において、2棟のサービス付き高齢者向け住宅の建築を完成させ、当初は販売目的で建築を行っていた1棟を自社保有することといたしました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は4億22百万円(前年同期比29.3%減)、セグメント利益は19百万円(同70.5%減)となりました。

 

第11期第3四半期連結累計期間(自 2020年1月1日 至 2020年9月30日)

 当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言が解除された後においても、雇用情勢の悪化と共に個人消費も減少が続きました。また、新型コロナウイルス感染第2波により、さらに景気が急速に悪化する状況に陥り、介護事業所の倒産も増加する状況が続きました。一方、世界経済においても同様に、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、多くの国で移動制限、活動制限が実施され、輸出入、企業活動、個人消費などの経済活動全般に停滞が見られました。

一方、感染に縮小傾向が見られ始めた国や地域では、経済活動を優先させるために制限解除が進められたことに加え、我が国では企業に対して大きな財政・金融政策が、個人消費に対しては旅行支援が実施され、経済の持ち直しが図られました。

 介護業界におきましては、高齢化がさらに進み、介護サービスの需要は高まっているもののサービスを担う人材の十分な確保が難しく、引き続き、人材確保が介護事業者の大きな経営課題になっております。これら介護人材の不足に対しては、2019年10月に国の施策として創設された「介護職員等特定処遇改善加算」により、引き続き、介護職員への処遇の改善が図られております。当社も事業所の管理者を中心に引き続き還元の強化を実施し、人材確保と定着のための環境を整備することに努めてまいりました。

また、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、多くの企業で営業自粛が求められましたが、介護業界では利用者やその家族が健やかに生活を送る上で必要不可欠なサービスであることから、政府・自治体より事業継続要請が出ておりました。当社も事業継続及び感染予防を強化しており、衛生用品の確保、面談の自粛等、持ち込ませない・持ち込まないための対策に、最善を尽くしてまいりました。

 

 当第3四半期連結会計期間末時点のサービス付き高齢者向け住宅の運営状況につきましては、2020年3月に静岡県焼津市に拠点を開設し、さらに2020年6月に愛知県一宮市に開設した拠点では事業計画値を上回る入居ペースで推移しております。また、当第3四半期連結累計期間において、営業体制の立て直し、経営上の重要指標の強化等を行い、経営成績は計画を上回る形で着地いたしました。稼働率も当第3四半期連結会計期間末時点での22棟688室の全社稼働率は92.6%、開設後1年以上経過拠点に限っては稼働率が97.2%となっております。

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

ⅰ.資産

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計は20億36百万円となり、前連結会計年度末に比べて30百万円減少しました。これは主に、現金及び預金が71百万円、売掛金が36百万円増加した一方で、未成工事支出金が47百万円、建物及び構築物(純額)が44百万円減少したこと等によるものであります。

 

ⅱ.負債

 当第3四半期連結会計期間末における負債合計は18億19百万円となり、前連結会計年度末に比べて1億12百万円減少しました。これは主に、工事未払金が23百万円、短期借入金が20百万円増加した一方で、前受金が82百万円、未払法人税等が15百万円、長期借入金が58百万円減少したこと等によるものであります。

ⅲ.純資産

 当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ81百万円増加し、2億16百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加81百万円によるものであります。

 

b.経営成績

 当第3四半期連結累計期間における売上高は22億43百万円、営業利益は89百万円、経常利益は1億18百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は81百万円となりました。

 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

ⅰ.介護事業

 介護事業におきましては、当第3四半期連結累計期間においては、アンジェス西焼津、アンジェス一宮奥町が新規開設しております。その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は17億79百万円、セグメント利益は1億7百万円となりました。

ⅱ.不動産事業

 不動産事業におきましては、当第3四半期連結累計期間において、大阪府岸和田市、神奈川県相模原市の2つの建築が完成し、引渡しを行いました。その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は4億63百万円、セグメント利益は21百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

第10期連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1億49百万円増加し、4億9百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、1億92百万円(前年同期は42百万円の使用)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益1億6百万円、仕入債務の増加額15百万円、減価償却費55百万円、前受金の増加額49百万円等の増加要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、3億60百万円(前年同期は3百万円の使用)となりました。これは主として有形固定資産の取得による支出3億64百万円等の減少要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果得られた資金は、3億17百万円(前年同期は43百万円の獲得)となりました。これは主として長期借入れによる収入5億7百万円という増加要因、長期借入金の返済による支出1億4百万円、短期借入金の純減額70百万円等の減少要因によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループでは生産活動を行っていないため、該当事項はありません。

 

b.受注実績

 第10期連結会計年度及び第11期第3四半期連結累計期間の不動産事業の建築請負業務における受注実績は次のとおりであります。

 

セグメントの名称

第10期連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

第11期第3四半期

連結累計期間

(自 2020年1月1日

至 2020年9月30日)

受注高

(千円)

前年同期比(%)

受注残高

(千円)

前年同期比(%)

受注高

(千円)

受注残高

(千円)

不動産事業

598,125

20.7

386,863

132.9

33,237

18,050

合計

598,125

20.7

386,863

132.9

33,237

18,050

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

    2.上記の業務以外については、受注実績の記載になじまないため、記載をしておりません。

 

c.販売実績

 第10期連結会計年度及び第11期第3四半期連結累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

第10期連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

第11期第3四半期

連結累計期間

(自 2020年1月1日

  至 2020年9月30日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

販売高(千円)

介護事業

1,962,572

124.7

1,779,891

不動産事業

422,903

70.7

463,920

合計

2,385,476

109.8

2,243,812

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度及び第11期第3四半期連結累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

第9期連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

第10期連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

第11期第3四半期

連結累計期間

(自 2020年1月1日

至 2020年9月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

滋賀県国民健康保険団体連合会

353,695

16.3

378,828

15.9

300,493

13.4

プロスモンテ株式会社

223,646

10.3

3.プロスモンテ株式会社は完成工事売上のため、第10期連結会計年度及び第11期第3四半期連結累計期間においては販売実績がありません。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りが必要であり、これらの見積りは、合理的な基準に基づいて実施しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態に関する認識及び分析・検討内容

 「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績に関する認識及び分析・検討内容

第10期連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)

(売上高)

 当連結会計年度における売上高は23億85百万円(前連結会計年度は21億72百万円)となりました。介護事業においては、前連結会計年度中に開設した3拠点の稼働率向上による売上増加、既存拠点の営業強化による稼働率の向上、2019年10月から開始された新加算である「介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)」の取得による訪問介護売上の増加によるものであります。不動産事業においては、2棟のサービス付き高齢者向け住宅及び1棟の戸建住宅の建築請負工事が完成しております。

 

(売上原価、売上総利益)

 当連結会計年度における売上原価は19億83百万円(前連結会計年度は18億83百万円)となりました。これは主に、入居者数の増加による売上高の増加に伴う労務費の増加等によるものであります。この結果、売上総利益は4億1百万円(前連結会計年度は2億89百万円)となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は2億89百万円(前連結会計年度は2億20百万円)となりました。これは主に、上場準備に伴う費用、管理部門の強化による人件費等の増加によるものであります。この結果、営業利益は1億11百万円(前連結会計年度は68百万円)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 当連結会計年度における営業外収益は29百万円(前連結会計年度は17百万円)となりました。これは主に、拠点数拡大のための人員増加による助成金収入の増加、建築遅延に伴う損害賠償金収入によるものであります。営業外費用は33百万円(前連結会計年度は25百万円)となりました。これは主に、銀行からの融資に伴う支払手数料の増加によるものであります。この結果、経常利益は1億7百万円(前連結会計年度は60百万円)となりました。

 

(特別利益、特別損失)

 当連結会計年度において特別利益の計上はなく(前連結会計年度は0百万円)、特別損失は0百万円(前連結会計年度は計上なし)となりました。これは、連結子会社の遊休土地の減損損失の計上によるものであります。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度における法人税等は30百万円(前連結会計年度は△16百万円)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は76百万円(前連結会計年度は78百万円)となりました。

 

第11期第3四半期連結累計期間(自 2020年1月1日 至 2020年9月30日)

(売上高)

 当第3四半期連結累計期間における売上高は、22億43百万円となりました。介護事業において、2019年12月開設の「アンジェス加古川」が当第3四半期連結累計期間の収益に寄与したこと、既存拠点の稼働率向上、2019年10月から開始された「介護職員等特定処遇改善加算(Ⅰ)」による訪問介護売上の増加等によるものであります。また、不動産事業においても前年同期と比較して大型の受注案件があり売上高に寄与いたしました。

 

(売上原価、売上総利益)

 当第3四半期連結累計期間における売上原価は、18億88百万円となりました。これは主に売上の増加に伴う労務費、地代家賃等の経費の増加等によるものであります。この結果、売上総利益は3億54百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当第3四半期連結累計期間における販売費及び一般管理費は、2億65百万円となりました。これは主に、管理部門の強化による人件費等の増加によるものであります。この結果、営業利益は89百万円となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

 当第3四半期連結累計期間における営業外収益は47百万円となりました。これは主に「アンジェス加古川」の建築に係る補助金収入29百万円等によるものであります。営業外費用は18百万円となりました。これは主に、支払利息17百万円によるものであります。この結果、経常利益は1億18百万円となりました。

 

(特別利益、特別損失)

 当第3四半期連結累計期間において特別利益及び特別損失は発生しておりません。

 

(親会社株主に帰属する四半期純利益)

 当第3四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益は、81百万円となりました。

 

c.キャッシュ・フローに関する認識及び分析・検討内容

 「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 ③経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照下さい。

 

 ④資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、拠点開設の際の初期費用及び設備資金であります。運転資金のうち主なものは、売上原価に計上している拠点従業員の労務費等であります。運転資金及び拠点開設の際の初期費用は自己資金で、新規拠点の土地・建物取得のための設備資金については長期借入金で調達することを基本としております。なお、当社グループは第10期連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4億9百万円であり十分な資金流動性を有していると判断しております。

 

 ⑤経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の分析

 当社グループは、新規開設居室数、売上高経常利益率、訪問介護の利用単価、稼働率及び人件費率を経営成績に影響を与える重要な経営指標として捉えております。

 

a.新規開設居室数

第10期連結会計年度における新規開設居室数は69室(前連結会計年度は86室)、第11期第3四半期連結累計期間における新規開設居室数は58室となりました。

新規拠点を開設し運営居室数を増やすことが当社グループの業績拡大に重要であることから、新規開設居室数を重要な経営指標として捉えており、毎年5棟もしくは150室の開設を目標としております。

 

b.売上高経常利益率

 第10期連結会計年度における売上高経常利益率は4.5%(前連結会計年度は2.8%)、第11期第3四半期連結累計期間における売上高経常利益率は5.3%となりました。前連結会計年度以前に開設した拠点の稼働率が向上したこと、第10期連結会計年度は新規開設が兵庫県加古川市1拠点で初期投資が少なかったことで、当社グループ全体として売上高経常利益率が向上しました。

 当社の事業は労働集約型であり、助成金等を活用した営業外収益が上がることや、連結子会社が賃貸物件を保有しており営業外費用として利息が発生していることを踏まえ、売上高経常利益率を重要な経営指標として捉えております。

 

 c.訪問介護の利用単価

 第10期連結会計年度における訪問介護の利用単価は158,344円(前連結会計年度は148,858円)、第11期第3四半期連結累計期間における訪問介護の利用単価は167,926円となりました。2019年10月から「介護職員等特定処遇改善加算」の制度が開始されたことが主な要因であります。訪問介護の利用単価は、月額にて「訪問介護の年間売上額÷年間の延べ賃貸借数」で計算しております。

 介護事業の売上の約52%が訪問介護収入であり、この売上額について、年度毎や拠点毎の単価の推移を見ていくことが当社グループにとって重要であると考えていることから、訪問介護の利用単価を重要な経営指標として捉えております。

 

 d.稼働率

 第10期連結会計年度末における開設後1年以上経過した拠点の平均稼働率は97.3%(前連結会計年度末は96.0%)と、前年比で1.3ポイント改善しております。また、第11期第3四半期連結会計期間末における開設後1年以上経過した拠点の平均稼働率は97.2%となっております。経営理念に基づき看取りまで行う介護運営を続け、入居者の紹介元に対して継続的に挨拶回りを行っており、当社の特徴である営業活動の成果を測る上で重視しております。稼働率は、「賃貸借契約数÷総提供可能居室数」で算出しております。

 稼働率が売上に直結し、利益を上げるための重要なポイントであることから、稼働率を重要な経営指標として捉えております。

 

 e.人件費率

 第10期連結会計年度における人件費率は64.0%(前連結会計年度は69.3%)と、前年比で5.3ポイント改善しております。これは、年度の新規開設拠点数が減少したことによる初期投資の減少に加え、拠点の人件費最適化の活動によるものです。人件費率は、「労務費÷介護収入(介護保険関連収入+サービス付き高齢者向け住宅における生活支援関連収入)」で算出しております。

 また、第11期第3四半期連結累計期間における人件費率は64.1%となりました。

 当社の事業は労働集約型であり、効率的に人件費が売上を生んでいることが経営上重要であることから、人件費率を重要な経営指標として捉えております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、介護事業、不動産事業それぞれにおいて、日本管理センター株式会社のパートナー制度に加入しております。また、当社がサービス付き高齢者向け住宅「アンジェス」シリーズを展開する上で、土地・建物について、当社が一括借上げを行う場合と、日本管理センター株式会社が一括借上げを行い、当社が転貸を受ける場合があります。

 日本管理センター株式会社との各契約の概要は次のとおりであります。

 

契約会社名

相手方の名称

契約書名

契約期間

契約内容

解約に関する事項

株式会社T.S.I

日本管理センター株式会社

JPMCふるさぽパートナー加入契約書

2012年4月1日から2017年3月31日

(それ以後は5年毎の自動更新)

高齢者住宅を運営するにあたり「高齢者専用賃貸住宅一括借上システム」を当社が利用する権利の許諾

6ヶ月前申出で解約可能

ただし、当社運営の当該システム適用のサービス付き高齢者向け住宅の賃貸借契約期間中は、本契約は解約できない

株式会社北山住宅販売

日本管理センター株式会社

JPMCシルバーパートナー加入契約書

2011年4月1日から2016年3月31日

(それ以後は5年毎の自動更新)

「高齢者専用賃貸住宅一括借上システム」契約物件の建築を株式会社北山住宅販売が受注する権利の許諾

3ヶ月間の予告期間をもって解約を申し出ることで、解約可能

株式会社T.S.I

日本管理センター株式会社

土地建物賃貸借契約書

(注)

各引渡日から25年6ヶ月間

各「アンジェス」の転貸契約

6ヶ月前又は12ヶ月前申出で解約可能

(注)上記の「土地建物賃貸借契約書」を結んでいる拠点(「アンジェス」)は、本書提出日現在で「中庄」「大元」「彦根城」「北畝」「篠」「長浜」「浜松中沢」「長田」「静岡東新田」「宇治木幡」「姫路」「加古川」「西焼津」「一宮奥町」「相模原」の15拠点であります。解約時期は契約時期によって異なります。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。