当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「テクノロジーと人の力を通じて、イノベーションを起こし続ける」ことをミッションとし、加速する技術トレンドを的確に捉え、クラウドインテグレーション、データ分析、AI等に関連するエンジニアの教育・育成、サービスの開発を積極的に行い、システムソリューション及びクラウドインテグレーション等の世の中の技術革新に対応したサービスを提供することを通じて、企業価値の最大化を図ります。
(2)経営戦略等
デジタルトランスフォーメーション事業においては、クラウドインテグレーション等の成長市場で積極的に事業拡大を図るため、引き続きエンジニアの採用・教育を行ってまいります。
プラットフォーム事業においては、主要サービスである「チャットで話せる占いアプリ-ウラーラ」等を今後も継続して運営していくことで、安定的に収益を生み出しながら、新たな事業機会を模索してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重視している経営指標は、当社が事業の拡大及び収益性の向上を特に表す指標と考えている売上高、売上総利益、営業利益、営業利益成長率であります。中期的な事業拡大と収益率向上により企業価値の向上と株主価値の向上を図ってまいります。
(4)経営環境
技術進展が進むIT分野では、少子高齢化が進む中、今後IT人材の不足がますます深刻化し、2030年には45万人程度までIT人材の不足規模が拡大するとの推計結果が出ております。(出所:経済産業省委託事業「IT人材需給に関する調査」)
また、デジタルトランスフォーメーション(DX)のトレンドが進展する中、生産性の向上や業務の効率化を目的
にクラウドファースト戦略を実行する企業は引き続き増加傾向となっております。また企業が従来型ITからクラウドへ移行するクラウドマイグレーションは、対象システム領域の多様化が顕著となっており、WEBシステムや情報系システムから基幹系システムへと対象システム領域が拡大しております。2022年の国内パブリッククラウドサービス市場規模は前年比29.8%増の2兆1,594億円になると見込まれており、また2021年~2026年の年間平均成長率は20.8%で推移して、2026年の市場規模は2021年比2.6倍の4兆2,795億円になると予測されております。(出所:IDCJapan株式会社「国内パブリッククラウドサービス市場 産業分野別予測、2022年~2026年」)
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
1.新技術への対応
当社グループが属するIT業界では技術革新が絶え間なく行われており、近年はAI(人工知能)の活用等により、テクノロジーの進化が進んでおり、併せてユーザーニーズも変化しております。同時に既存ベンダ、他業種からの新規参入、M&A等IT業界全体として、競争が活発化しております。
このような事業環境のもとで、当社グループが継続的に事業を拡大していくためには、新技術に適時に対応していくことが必要であると認識しており、新技術及び新サービスの開発を継続的に行うとともに、優秀な人材の確保に取り組んでおります。
2.海外展開への対応
経済活動のグローバル化に伴い、当社グループにおいても、海外市場への対応が必要であると認識しております。 かかる課題に対して、当社グループでは市場調査を検討しており、デジタルトランスフォーメーション事業においては、当社グループでは、現在ベトナム社会主義共和国にシステム開発を行う子会社を1社有しており、更なる海外における事業体制の強化等を検討しております。
3.人材確保と人材育成
当社グループの企業規模の拡大及び成長のためには、営業力や技術力の強化、生産性の向上による高付加価値なサービスを提供し、継続的に高い顧客満足度を得る必要があると考えております。そのためには、社員全員が経営理念や経営方針を深く理解し、個人を尊重し、強いチームワークを発揮していき、働きがいのある組織風土を醸成していく必要があります。当社グループでは、採用活動を積極的に推進するとともに、社員への教育体制の整備及び強化を進め、チームを構成する個々人の才能を伸ばす取り組みを推進してまいります。
4.内部管理体制の強化
当社グループは、今後より一層の企業規模の拡大及び成長を見込んでおります。そのため、企業規模拡大に応じた内部管理体制の構築を図るために、コーポレート・ガバナンスを重視し、リスクマネジメントの強化、並びに金融商品取引法における内部統制報告制度の適用等も踏まえた内部統制の継続的な改善及び強化を推進してまいります。また、昨今、システム障害、自然災害等による不測の事態による事業の停止や人権への配慮等、企業を取り巻くリスクも多様化しております。そのため、当社の事業に関連する法規制や社会的要請等の環境変化にも対応しつつ、企業としてより一層強靭化をするために、内部管理体制の整備及び改善に努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社グループは「テクノロジーと人の力を通じて、イノベーションを起こし続ける」ことをミッションとし、「テクノロジー」と「人」の2軸で、世の中の社会課題に向き合い、企業や消費者が新たな価値創造へチャレンジするにあたり、テクノロジーを通じてその実現を支援していくこと、社会のパラダイムシフトに対応できる優秀な人材を育成・輩出し、活躍できる場・環境を創出していくことに取り組んでおります。気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然災害等への危機管理などの課題への対応が求められる中、当社グループは、ミッションの実現に向けた事業活動を行い、社会課題の解決に寄与していくことで、社会の持続的な発展に貢献してまいりたいと考えております。
(2)ガバナンス
当社グループでは、現状、サステナビリティ関連のリスク及び機会をその他の経営上のリスク及び機会と一体的に監視及び管理しております。当社グループが置かれている経営環境を踏まえ、サステナビリティに関連するリスク及び機会について、重要性に応じてコンプライアンス委員会で識別・監視し、取締役会に報告を行う体制としております。
詳細は、「
(3)戦略
当社グループは「テクノロジーと人の力を通じて、イノベーションを起こし続ける」というミッションの達成のためには、新しいモノ・コトをいち早くキャッチアップしていくこと、自分たちが社会にShareできる形に消化し、提供し続けていくこと、常に高い壁に挑み続け、成長を追い求めていくことが不可欠であり、その最重要キーは「人」であると考えております。当社グループは、以下4つの「コアバリュー」を定め、採用基準の1つとするとともに、人材の多様性の確保を重視し、国籍、年齢、性別等にとらわれることなく、これらの価値観に基づく環境整備、制度構築に取り組んでおります。
(4)リスク管理
当社グループではサステナビリティ関連のリスクを、その他経営上のリスクと一体的に監視及び管理しております。詳細は、「
(5)指標及び目標
前述の戦略に基づき、人材の多様性の確保を重視し、国籍、年齢、性別等にとらわれない人材の多様性を指標として設定しており、その指標と実績は次のとおりです。
なお、当連結会計年度末現在において、一部指標についての目標は設定しておりません。
|
評価指標 |
目標 |
実績(当連結会計年度) |
|
|
グループ全体の全従業員に占める外国籍社員の割合 |
- |
8.1% |
|
|
年代別 |
20代 |
- |
59.1% |
|
30代 |
- |
18.2% |
|
|
40代 |
- |
16.2% |
|
|
50代 |
- |
5.4% |
|
|
60代以上 |
- |
1.0% |
|
|
男女別 |
男性 |
- |
62.8% |
|
女性 |
- |
37.2% |
|
|
全従業員に占める女性管理職の割合 |
3% (男性従業員と同等) |
3.0% |
|
|
管理職に占める女性労働者の割合 |
- |
26.5% |
|
|
男性の平均勤続年数に対する女性の平均勤続年数割合 |
70% |
59.1% |
|
|
労働者の男女の賃金の差異 |
- |
84.9% |
|
※ グループ全体の全従業員に占める外国籍社員の割合につきましては、SHARING INNOVATIONS VIETNAM CO.,LTD.を含めて計算しております。
本書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、リスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下の通り記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)技術革新による影響について
当社グループはインターネット関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、新技術の開発やそれらを利用した新サービスの導入が相次いで行われており、インターネットビジネスの業界環境は変化が激しくなっております。そのため、当社グループは、新技術及び新サービスの開発を継続的に行うとともに優秀な人材の確保に取り組んでおりますが、環境変化への対応が遅れた場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、新技術及び新サービスの開発に対応するために多大な支出が必要となった場合には、当社グループの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、引き続き、優秀な人材の育成と確保を図りながら、新技術への対応を進めて参ります。
(2)デジタルトランスフォーメーション事業に係るリスクについて
1.人材の確保について
デジタルトランスフォーメーション事業は、技術的専門性を有した技術者により支えられており、優秀な人材の確保と育成、また定着率が最も重要な課題となります。人材の確保については、少子高齢化による労働人口の減少、理系離れ等による専門教育を受けた新規学卒者の減少により、中長期的には人材の確保が困難になることが予想され、採用に影響を及ぼす懸念があります。採用において計画通り必要とする人材を確保できない場合や離職により技術者が大幅に減少した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、積極的に優秀な人材の採用を進め、採用した人材及び既存の社員に対し、社内各種制度及び教育制度の充実等の施策を実施しております。
2.同業他社との競合について
デジタルトランスフォーメーション事業における、ツール系アプリ開発、その他各種Webシステム開発については、市場に多数の事業者が存在しますが、将来、社会情勢の変化などにより関連諸法令の変化に伴って業界再編が予想されます。このような環境下において、景気後退、同業他社間における価格競争の結果として取引単価が低迷した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.法的規制について
デジタルトランスフォーメーション事業においては、以下の法的規制を受けております。
①労働者派遣法
デジタルトランスフォーメーション事業においては、労働者派遣法に基づいた運営を行っております。当社グループは関係法令を遵守して運営しておりますが、労働者派遣法に定める派遣事業主としての欠格事由に該当もしくは当局による是正指導に従わない等、法令に違反する事項が発生した場合には、事業の停止や派遣事業者の許可の取り消しをされる可能性があり、その場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、将来これらの法令ならびにその他の関係法令が、労働市場を取り巻く社会情勢の変化などに伴って、改正もしくは解釈の変更などがあった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
②下請代金支払遅延等防止法
当社グループが委託先に対して業務の一部を外注する場合は、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」という。)の適用を受け、3条書面の交付、5条書類の作成等、下請代金支払遅延の防止が求められます。下請法に違反した場合、公正取引委員会による勧告・指導に加え、罰金刑が科される虞があります。
当社グループでは、上記の各種法的規制に抵触しないように、コーポレートマネジメント事業本部にて、コンプライアンス規程を制定し、当社グループの役職員が順守すべき法的規制の周知徹底を図り、内部通報制度の導入等によって速やかに法令違反行為等の情報を収集する体制を構築しております。
しかしながら、上記の対策を講じているにもかかわらず、各種法的規制についての違反が生じた場合、刑事罰を含めた罰則の適用、損害賠償請求等の金銭補償や企業イメージの悪化等により、当社グループの事業活動並びに財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
4.システム開発プロジェクトに関する採算性等について
当社グループでは、顧客企業の各種情報システムの受託開発業務を行っております。プロジェクトごとに要員管理・進捗管理・予算管理を行っておりますが、当初想定できなかった事象等の発生による追加コストの発生、当社の過失による納期遅延又はシステムの不具合による損害賠償が発生した場合等には、当初見込みからプロジェクトの採算が悪化するほか、当社の社会的信用が低下し、当社の経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5.委託先管理について
当社グループが受注する業務の一部では、人的資源の制約から外部協力企業に対し、再委託をすることがあります。当社では委託先の選定に当たって、プロジェクト遂行能力等を勘案し選定しておりますが、委託先のプロジェクト管理が適切に行われない場合には、コストの増加や納期遅延あるいは品質の低下等を招く可能性があります。当社グループでは、役職者によるレビューにより早期の問題の顕在化及び対処を行っておりますが、不測の事態によりそのような問題の早期発見や対処を適切に行うことができない場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
6.のれんの減損について
当社グループは、企業買収に伴い発生した相当額ののれんを連結貸借対照表に計上し、原則としてのれんの発現する期間にわたって償却しておりますが、事業環境の変化等により期待する成果が得られない場合は、当該のれんについて減損損失を計上することになり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
7.今後の成長戦略におけるSalesforceへの依存について
当社グループが今後注力していくクラウドインテグレーションサービスの大部分は、Salesforceに特化したインテグレーションであるため、当社グループの成長はSalesforceの市場の拡大やsalesforce.com社の経営戦略に大きく依存しております。また、当社は株式会社セールスフォース・ジャパンからクライアントの紹介を受けているため、当社と株式会社セールスフォース・ジャパンとの関係が悪化した場合やSalesforceの市場規模が縮小するような場合、あるいはsalesforce.com社の経営戦略に変更があるような場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)プラットフォーム事業に係るリスクについて
1.ユーザーの嗜好の変化に係るリスクについて
当社グループは、様々なアプリの企画・開発・運営を行っており、新規コンテンツの開発、既存サービスの機能拡充を図り、当社グループが提供するアプリのユーザー満足度を訴求していく方針であります。
しかしながら、当サービスにおいてはユーザーの嗜好の変化が激しく、ユーザーニーズの的確な把握やニーズに対応するコンテンツの導入が何らかの要因により困難となった場合には、ユーザーへの訴求力の低下等から当社グループの事業活動並びに業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
2.競合について
プラットフォーム事業において提供する占いアプリに関しては、多くの企業が事業展開していることに加え、多種多様なアプリ提供の可能性があり、全体として参入障壁も低く、競合が激しい状況にあります。当社グループでは、顧客の利用動向、嗜好に係るデータを収集・分析し、顧客の嗜好に合致したニーズの高いコンテンツを提供することによって競合他社との差別化に努めていますが、顧客獲得のための競争の激化等により収益性の低下等を招き、当社グループの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.広告による集客効果について
プラットフォーム事業においては、広告の費用対効果を検証しながら、最適な広告方法及び出稿媒体等を選択し、新規顧客獲得に努めています。
しかしながら、広告による新規顧客獲得数が当社グループの予想を下回る場合や、競合他社との広告枠の獲得競争激化等によるコスト増が生じた場合、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.コンテンツ提供に係る契約の継続性について
プラットフォーム事業において占いチャットアプリ「ウラーラ」を提供しておりますが、占いアプリについては外部から使用コンテンツの提供を受けております。これらコンテンツ提供元との良好な関係の維持には十分留意しておりますが、各社の事業方針の変更や契約の更新内容、また契約の更新ができなかった場合等には、当社グループの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
5.法的規制について
プラットフォーム事業においては、以下の法的規制を受けております。
①消費者保護法、不当景品類及び不当表示防止法
プラットフォーム事業で行われる課金を伴う占いサービスについて「絶対当たる」等、優良表示が行われるような場合は、優良誤認や不実告知に該当し、同法違反に問われるリスクがあります。
消費者保護法に違反した場合、契約条項の無効、契約の取り消しが利用者から請求される虞があり、当社が利用者に対し、返金義務を負う可能性があります。また、不当景品類及び不当表示防止法に違反した場合には、行政からの指導、措置命令(不当表示により一般消費者に与えた誤認の排除、再発防止策の実施、今後同様の違反行為を行わない等)が課され、課徴金の納付が命じられる虞があります。
②個人情報保護法
同法に違反した場合、懲役刑を含む刑事罰に加え、民事の損害賠償、信用低下、システムの改善・復旧コスト等、多大な損害が生じる可能性があります。
当社グループでは、上記の各種法的規制に抵触しないように、コーポレートマネジメント事業本部にて、コンプライアンス規程を制定し、当社グループの役職員が順守すべき法的規制の周知徹底を図り、内部通報制度の導入等によって速やかに法令違反行為等の情報を収集する体制を構築しております。
しかしながら、上記の対策を講じているにも拘わらず、各種法的規制に抵触する事態が生じた場合、刑事罰を含めた罰則の適用、損害賠償請求等の金銭補償や企業イメージの悪化等により、当社グループの事業活動並びに財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4)経営管理体制について
1.人材確保・定着及び育成について
当社グループは、競争力の向上及び今後の事業展開のため、優秀な人材の確保・定着及び育成が重要であると考えております。しかしながら、優秀な人材の確保・定着及び育成が計画通りに進まない場合や優秀な人材の社外流出が生じた場合には、競争力の低下や事業規模拡大の制約要因になる可能性があり、当社グループの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、当該リスクへの対応策として、積極的に優秀な人材の採用を進め、採用した人材及び既存の社員に対し、社内各種制度及び教育制度の充実等の施策を実施しております。
2.個人情報等の情報管理について
当社グループは、当社グループが運営するアプリ利用者の個人情報の取得や、顧客企業の製品開発やシステム開発業務への従事により、顧客企業の機密情報に接する場合があります。当社グループでは、「個人情報の保護に関する法律」に従い、個人情報の管理や、機密情報の取扱いに関する社内研修を行うなど啓発活動を行っておりますが、このような対策にも関わらず、個人情報や顧客企業の機密情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求等の金銭補償や企業イメージの悪化等により、当社グループの事業活動並びに財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
3.知的財産権について
本書提出日現在、第三者より知的財産権の侵害に関する指摘等を受けた事実はありません。今後においても、侵害を回避すべく監視及び管理を行っていく方針でありますが、当社グループの事業分野で当社グループの認識していない知的財産権が既に成立している可能性又は新たに第三者の知的財産権が成立する可能性もあり、当該侵害のリスクを完全に排除することは極めて困難であります。
万が一、当社グループが第三者の知的財産権等を侵害した場合には、損害賠償請求、差止請求や知的財産権の使用に関する対価等の支払い等により、当社グループの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは必要に応じて商標権等の知的財産権の申請を行っておりますが、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間や費用を要する等により、当社グループの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.システム障害について
当社グループは、主にインターネット通信を利用してサービスを提供しておりますが、人為的ミス、通信ネットワーク機器の故障、アクセス数の急激な増大、ソフトウエアの不具合、コンピュータウィルス、停電、自然災害、事故等により、システム障害が発生する可能性があります。
当社グループでは、定期的なバックアップや稼働状況の監視により事前防止又は回避に努めておりますが、こうした対応にも関わらず、システム障害が発生し、サービス提供に障害が生じた場合、当社グループの事業活動並びに財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
5.訴訟について
当社グループは、本書提出日現在、損害賠償を請求されている事実や訴訟を提起されている事実はありません。また、当社グループは、法令違反となるような行為を防止するための内部管理体制を構築するとともに、取引先、従業員その他第三者との関係において、訴訟リスクを低減するよう努めております。しかしながら、知的財産権の侵害等の予期せぬトラブルが発生した場合、取引先等との関係に何らかの問題が生じた場合等には、これらに起因する損害賠償を請求される、あるいは訴訟を提起されるリスクがあります。かかる損害賠償の金額、訴訟の内容及び結果によっては、当社グループの社会的信用、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
6.親会社との関係について
①親会社が株主総会の決議事項に関する支配権又は重大な影響力を有することについて
当社の親会社である株式会社Orchestra Holdingsは、当社発行済株式総数の半数以上を保有しております。したがって、株式会社Orchestra Holdingsは、株主総会の特別決議を要する事項(例えば吸収合併、事業譲渡、定款変更等を含みますが、これらに限りません。)に関する重大な影響力を有するとともに、株主総会の普通決議を必要とする事項(例えば、取締役の選解任、剰余金の処分や配当等を含みますが、これらに限りません。)に関する決定権及び拒否権を有することになります。したがって、株主総会の承認を必要とする事項に関し、株式会社Orchestra Holdingsが影響を及ぼす可能性があります。
そのため、何らかの理由により株式会社Orchestra Holdingsとの関係が悪化した場合には、当社グループの事業展開、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②親会社グループにおける当社の位置付けについて
当社は、親会社である株式会社Orchestra Holdingsを中心とする企業グループに属しております。親会社企業グループの事業は、報告セグメント上、「デジタルマーケティング事業、デジタルトランスフォーメーション事業、その他」に区分されており、その中でもデジタルマーケティング事業が主たる事業となっております。当社は、デジタルトランスフォーメーション事業の主導的な存在となっております。また、親会社企業グループ内に、当社と類似した事業を営んでいる会社はございません。
しかしながら、将来において同社グループの事業戦略や当社の位置付け等に著しい変更が生じた場合には、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社としては、デジタルトランスフォーメーション事業の競合に多くの有名企業・上場企業が名を連ねている中で、当社自体の知名度・信頼性を向上させるため、株式上場しております。
③親会社からの独立性の確保について
当社の役員には、上場取引所の定めに基づく独立役員として指定する独立社外取締役2名及び独立社外監査役2名が就任しており、取締役会における審議に当たっては、より多様な意見が反映され得る状況にあり、事業運営の独立性が確保されていると認識しております。
④取引関係について
当社と親会社グループとの間では顧客企業紹介などの業務委託等の取引を行っております。親会社グループとの取引については、一般株主との間に利益相反リスクが存在しますが、当社グループは「関連当事者取引管理規程」に則り、取引開始前に取締役会にて関連当事者取引の合理性や取引条件の妥当性を検討し、取引を承認するなどのガバナンス体制を構築することによって、一般株主の利益に十分配慮した対応を実施しております。
(5)その他
1.配当政策について
株主に対する利益還元を重要な経営課題と認識しておりますが、当社は成長過程にあるため、人材確保・育成、サービス強化のための投資、営業強化のための広告宣伝や販売促進、その他成長投資に対して迅速に対応することが重要であると考えております。そのため、現在まで配当を実施しておらず、今後においても当面はこれら成長投資に備え、内部留保の充実を図る方針であります。
将来的には、財政状態及び経営成績、事業展開に備える内部留保とのバランスを勘案し、株主への利益還元を検討してまいりますが、配当実施の可能性及びその実施時期等については、現時点において未定であります。
2.新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、役員及び従業員に対して、ストック・オプションとして新株予約権を付与しております。また、今後においてもストック・オプション制度を活用していくことを検討しており、これらの新株予約権が権利行使された場合、当社の株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べて289,650千円増加し、2,318,619千円となりました。主な要因は、のれんが144,017千円、受取手形、売掛金及び契約資産が83,062千円、現金及び預金が70,235千円増加したこと等によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べて255,052千円増加し、870,041千円となりました。主な要因は、長期借入金が202,320千円、1年内返済予定の長期借入金が35,760千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べて34,597千円増加し、1,448,577千円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が34,013千円増加したこと等によるものであります。
② 経営成績の状況
当連結会計年度の売上高は5,057,617千円(前年同期比2.5%減)、営業利益124,152千円(同26.5%減)、経常利益126,392千円(同27.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益34,013千円(同64.8%減)となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
a.デジタルトランスフォーメーション事業
当事業においては、事業開始時からM&Aを推進し、同時にIT人材の採用を行うことで開発体制の拡充を進めてまいりました。IT利活用の多様化・高度化に伴い拡大するIT需要を取り込み、各種Webシステム開発、スマホアプリ開発、クラウドインテグレーション等の案件を受注しております。
以上の結果、売上高は4,670,788千円(同2.8%減)、セグメント利益(営業利益)は328,630千円(同10.8%減)となりました。
b.プラットフォーム事業
プラットフォーム事業においては、「チャットで話せる占いアプリ-ウラーラ」を主力としたスマートフォン向けアプリの企画・開発・運営などに取り組んでおります。
以上の結果、売上高は414,825千円(同3.0%増)、セグメント利益(営業利益)は57,693千円(同2.3%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ70,224千円増加し、822,443千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は64,227千円(前年同期比32,388千円減)となりました。これは主にのれん償却額が89,477千円あった一方で、法人税等の支払額18,350千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は231,771千円(前年同期比112,568千円増)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出227,987千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は237,318千円(前年同期は179,173千円の使用)となりました。これは主に長期借入れによる収入が250,000千円あった一方、長期借入金の返済による支出13,832千円等があったことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
デジタルトランスフォーメーション事業 |
4,645,602 |
△3.9 |
167,870 |
1.7 |
(注)プラットフォーム事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略して
おります。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自2023年1月1日 至2023年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
デジタルトランスフォーメーション事業(千円) |
4,642,791 |
△3.0 |
|
プラットフォーム事業(千円) |
414,825 |
3.0 |
|
合計(千円) |
5,057,617 |
△2.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自2022年1月1日 至2022年12月31日) |
当連結会計年度 (自2023年1月1日 至2023年12月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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シンプレクス株式会社 |
526,468 |
10.2 |
- |
- |
※最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先
につきましては記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
①財政状態
財政状態の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に記載のとおりであります。
②経営成績
(売上高)
売上高の詳細については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、4,041,870千円(前年同期比3.0%減)となりました。主な要因は、デジタルトランスフォーメーション事業における外注費の減少によるものであります。
以上の結果、売上総利益は1,015,746千円(前年同期比0.6%減)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、891,593千円(前年同期比4.6%増)となりました。これは主に事業拡大に伴う人件費の増加によるものです。
以上の結果、営業利益は124,152千円(前年同期比26.5%減)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は4,462千円となりました。これは主に特定求職者雇用開発助成金の受給等による補助金収入2,529千円、業務受託料1,800千円等があったことによるものであります。また、営業外費用は、2,222千円となりました。これは支払利息1,018千円、為替差損1,204千円によるものであります。
以上の結果、経常利益は126,392千円(前年同期比27.0%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別損失は、貸倒引当金繰入額の計上により29,524千円となりました。
法人税等を62,854千円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は34,013千円(前年同期比64.8%減)となりました。
③キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループではクラウドインテグレーションを始めとした成長分野へ積極的に挑戦し、企業価値の継続的な向上を目指しております。
当社グループが、将来にわたる持続的な企業価値創造を実現していくためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の課題に対処していく必要があると認識しております。経営者は常に事業環境の変化に応じて経営資源を最適に配分し、様々な課題に適時適切に対処できるような組織体制を構築して参ります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費、外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。当社グループは、財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて柔軟に検討を行う予定であります。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中長期的な事業拡大と収益率向上による企業価値の向上と株主価値の向上を目指しており、重要な経営指標を売上総利益、営業利益、営業利益成長率としております。営業利益成長率は、クラウドインテグレーションが属する市場である国内パブリッククラウド市場の年間平均成長率20.8%と同程度の成長率を目標としております。
当連結会計年度における経営指標は、売上高5,057,617千円(前年同期比2.5%減)、売上総利益1,015,746千円(前年同期比0.6%減)、営業利益124,152千円(前年同期比26.5%減)、営業利益成長率は26.5%の減少であり、引き続き当該指標の向上に邁進していく所存であります。
⑤ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。