文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「クリエイティブの最前線で共に未来を描く」をビジョンとして、エンターテイメント業界におけるものづくりの最前線を支えるクリエイターの皆様が自らの夢を実現させ、携わった作品の価値が向上し、所属した組織および業界がさらに発展するような未来を共に描きたいと考え、その実現のためにクリエイター・取引先企業・社会を「信頼」という絆で結ぶことで当社の企業価値の向上と社会への貢献を目指しております。具体的には、クリエイターにはエンターテイメント業界での就業機会を、取引先企業にはクリエイターの労働サービスを提供し、取引先企業がより良い作品を制作することで社会への貢献を果たすという循環を作り、その循環を作り出すための適正な対価を受け取ることで、当社の企業価値の向上を図りたいと考えております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、人材事業・メディア事業の成長による安定的な収益の獲得を実現しながら、両事業のシナジーを活かした新たな価値を提供するサービス・事業を創出し、高い成長率と収益力を継続する方針でおります。具体的には、当社の主力事業となっている人材派遣事業についてゲーム業界のクライアントをより深耕するとともに、周辺のWeb・エンターテイメント領域(*1)にターゲットを拡大しようと考えております。また、人材派遣事業で既にサービスを提供している取引先企業を対象に、クロスセル営業を推進することで人材紹介事業及び受託事業を成長させ、拡大することを目指しております。加えて、フリーランス・マッチング(*2)等の新たなサービスに参入することによって、クライアントの人材ニーズに合わせたサービスの提供を行っていく予定です。
メディア事業では、メディア運営によって蓄積した検索エンジン最適化(SEO)やSNSによる集客ノウハウを利用し、クライアントのプロモーション活動を支援するサービスの提供を検討しております。さらに、人材事業とメディア事業のシナジー効果を発揮するため、メディア事業の集客ノウハウを利用して、潜在的に転職を希望する人材を集めるためのオウンドメディアを立ち上げることを検討しております。
(*1)当社は、周辺のWeb・エンターテイメント領域として、Eコマース、Web広告、映像、アニメーション、テレビ及びe-スポーツに関連する事業を対象にしております。
(*2)フリーランス・マッチングは、「案件を発注したい企業」と「案件を受注したいフリーランス」を繋ぎ合わせ、その対価として、手数料を頂くサービスのことを指しております。
(3)経営環境
人材事業においては、人材派遣業の全体の市場規模は8.6兆円(出典:2020年度厚生労働省による労働者派遣事業報告書の集計結果)まで拡大しておりますが、いわゆる働き方改革や派遣法改正による同一労働同一賃金などの影響から、派遣社員の時給は年々増加傾向にあるとともに、派遣社員への教育訓練の機会提供及びその充実化が求められることで、規制への対応を迫られております。また、新型コロナウイルスの影響により、小売業やサービス業における人材ニーズが減少しているため、人材派遣業の市場規模は短期的には縮小することが想定されます。一方、当社が主にサービスの提供を行っているゲーム業界においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣籠もり需要によって、国内家庭用ゲームのハード・ソフトともに市場規模は拡大している状況にあり、ハードは2,028.7億円で前年対比109.3%増、ソフトは1,585.2億円で前年対比87.2%増(出典:ファミ通ゲームソフト・ハード売上ランキング 2021年年報)となっております。加えて、2021年の世界のモバイルゲーム市場規模は9兆1,697億円で前年対比118.7%増、その中でも日本の市場規模は1兆3,060億円となっております(出典:ファミ通モバイルゲーム白書2022)。そのため、人材派遣業の市場規模が短期的に縮小する中、当社がターゲットとしているゲーム業界向けの人材派遣業の市場は堅調に推移するものと考えております。当社では、2019年3月に経済産業省から発表された「IT人材需給に関する調査報告書」に記載されているとおり、2030年には最大79万人のIT人材の需給ギャップが生じるとされ、ゲーム業界もIT人材に対する需要があることから、中期的なトレンドとして、ゲーム業界は慢性的な人材不足となっており、人材を確保することが困難な状況が継続すると考えております。働き方も多様化してきており、「期間や時間を選べる」「好きな職種や職場を選べる」「パートやアルバイトより給料水準が高い」などの嗜好に合わせて、派遣形態を利用するメリットがあることから、ゲーム業界を含むエンターテイメント業界における人材派遣事業の需要は今後も拡大していくものと推測しております。また、人材紹介事業においては、ゲーム業界の市場拡大に伴い、成長市場で就業したいという求職者が増加すると考えております。さらに、受託事業においては、国内外のゲーム会社の競争が激化しており、クライアント企業はコアとなるゲーム開発にリソースを集中していくことから、ノンコア業務についてはアウトソースの利用が増加するものと考えております。したがって、当社がターゲットとしているゲーム業界又はその周辺領域であるエンターテイメント業界向けの労働市場は益々拡大していくものと考えております。
メディア事業においては、インターネットの普及により世の中に出回る情報量が増えている一方で、個人が読み取ることのできる情報量には限界がきていると認識しており、このような課題を解決していく可能性を秘めているものとして、ユーザーが必要とする情報を取捨選択し、ユーザーにとって最適な情報発信を行うメディアサービスがあります。インターネット広告の国内市場規模は、2021年度は巣ごもり需要など景気回復を背景としたEC市場の成長やユーザーのネット通販利用の増加などにより、広告主企業のインターネット広告へのシフトにより、2021年度のインターネット広告市場は前年度比114.5%の2兆4,370億円まで拡大する見込みであり、2024年度までに3兆円2,740億円まで拡大すると予測されています(出典:矢野経済研究所調べ)。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、主要セグメントである人材事業において、成長性と収益性を評価する指標として、売上高及びその増加率、売上総利益、売上総利益率、セグメント利益を重視しております。特に、取引先企業との契約条件と派遣社員の賃金バランスが重要であると認識していることから、売上総利益率30%の維持を経営指標の数値的な目標として掲げております。また、売上高の大半を占める派遣事業における配属社員数、稼働率及び配属社員1人当たり売上高につきましても、重要な指標として管理しております。メディア事業において、成長性と収益性を評価する指標として、売上高及びその増加率、売上総利益、売上総利益率、セグメント利益を重視しておりますが、経営指標の数値的な目標は掲げておりません。これらを踏まえ、当社グループでは、連結全体における経営指標として売上高及びその増加率、売上総利益、売上総利益率、営業利益及びその増加率、営業利益率を重視し、売上総利益率30%の維持を経営指標の数値的な目標として掲げております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループにおいて収益基盤の更なる拡大及び経営安定化を図っていくうえで対処すべき課題は以下となります。
①人材事業
a.クリエイター人材の確保
2019年3月に経済産業省から発表された「IT人材需給に関する調査報告書」に記載されているとおり、2030年には最大79万人のIT人材の需給ギャップが生じるとされ、ゲーム業界もIT人材に対する需要があることから、中期的なトレンドとして、人材の売り手市場化が進み、慢性的な人材不足の状態となっているものと認識しており、このような状況は今後も継続するものと考えております。このため、当社では人材の確保及び社員定着率の向上を図ることが重要と考えており、今後、対策として福利厚生、研修制度、社員交流制度等を充実させ、社員のキャリアパスの多様化を実現することで人材の確保に努めてまいります。
b.サービス提供先の拡大
当社グループの人材事業では、ゲーム業界の企業を主要顧客としております。2020年のオンラインゲームの国内市場規模は1兆2,566億円であり、堅調に推移しております(「JOGAオンラインゲーム市場調査レポート2021(一般社団法人日本オンラインゲーム協会)」)。本業界におけるヒットタイトルの盛衰によりゲーム業界での人材需要も大きく変動することから、特定の取引先に依存せず常に取引先を確保し続けることが必要と考えております。当社グループにおいては、ゲーム業界を中心にクライアント企業を拡大し、各クライアントの人材需要の変動に対応できる体制の構築に努めてまいります。また、ゲーム業界の周辺領域分野であるエンターテイメント業界など、クリエイティブスキルを活かせる分野への参入を図ることで、サービス提供先を拡大し、経営の安定化を図ってまいります。
c.収益確保のためのプロセス確立
当社グループにおける人材事業は、業界内の価格抑制圧力と慢性的な人材確保の困難さという側面から収益率停滞のリスクが高まっていると認識しております。その状況に対応するため当社グループにおいては、クリエイター人材の評価、育成、配置転換等のタレントマネジメント機能の強化と営業のゲーム開発プロセスの理解を通じた人材要件定義の精緻化及び交渉能力の向上により、売上総利益率30%の維持に努めてまいります。
②メディア事業
a.メディア運営の人材確保及び組織構築
当社子会社におけるメディア事業は、スマートフォンの普及による情報メディアへの検索ニーズの高まりに対して、検索時に上位に表示される記事作成ノウハウを社内に蓄積し、検索される回数の多いキーワードを選定することによって女性向けメディア「Lovely」や占いメディア「Plush」のページビュー数を安定的に獲得することで、広告収入を得ております。また、現在はSNSの運用代行やゲーム業界のチャネルを活かし、ゲームタイトルのプロモーション受託案件を提供しており、売上拡大を目指しております。しかしながら、変化の速いインターネットメディア業界において持続的成長を目指すにあたり、メディア運営やプロモーションサービスの受託を推進するマネジメント人材が不足すると考えられます。したがって、当社グループではメディア事業の運営を推進するマネジメント人材の育成・採用の強化を図ってまいります。
b.収益構造の転換及び拡大
メディア事業の収益拡大には、当社子会社が運営しているサイトにおけるページビュー数増加に加えて、ページビュー数当たりの単価増加、優良な広告主の獲得、SNSを活用した固定ユーザーの増加が必要であると認識しております。また、SNSの運営代行やゲームタイトルのプロモーション受託案件を増加させるために、既存顧客の維持に加え、新規顧客の開拓が必要となります。これらの課題を解決するために、記事の質を向上する情報収集・記事作成体制の構築、広告単価の最適化を図るとともに、SNS運用代行やプロモーション受託案件のリード獲得の増加を図ることで、メディア事業全体の収益拡大を図ってまいります。
c.検索エンジンのアルゴリズム変更への対処
グーグル検索エンジンの大型アップデートは年に2回から3回実施されており、同アップデートにより検索結果の表示順位が大きく変動する可能性があります。これらの検索結果の表示順位の変動に依存しないサイトへの流入経路を確保するとともに、作成する記事の質を向上することによって、安定的にページビュー数を確保する必要があります。また、アップデートにより影響を受けて一時的にページビュー数が減少した場合においても、早期に既存の記事をリライトし、アップデートの内容に沿った記事に変更できるよう情報収集体制及び記事作成体制の構築を進めてまいります。
③グループ共通
a.内部管理体制の強化
当社グループが急速な事業環境の変化に適応しながら持続的な成長を維持していくためには、各種業務の標準化と効率化を図ることが重要と認識しております。そのためには、全従業員が業務フロー・マニュアル・規程を遵守することを一層徹底させると共に内部管理体制の強化を図って参ります。
e.新型コロナウイルスへの対応
当社グループにおける人材事業は、派遣先の多くをゲーム会社が占めているため、コロナ禍においても在宅勤務によって継続して業務を行うことが出来ることから、当社の派遣社員は就業先で業務を遂行できる状態であり、派遣契約が終了するという状況には陥っておりません。しかしながら、在宅勤務ではゲーム業界の未経験者とコミュニケーションを取りながら業務を進めていくことが難しいことから、ゲーム会社各社の人材の採用基準は厳しくなっており、新たにクリエイターを配属することが以前よりも難しい状況となっております。そのため、ゲーム業界経験者の採用を強化することで、クライアントとクリエイター人材のマッチング精度を上げ、継続してクリエイターを配属できるように努めてまいります。
また、メディア事業においては、当社が運営するサイト「Lovely」を通じたアドネットワーク広告によって収益を得ており、新型コロナウイルスの影響により実体経済が冷え込んだ結果、広告市場が縮小する可能性があります。その結果、アドネットワーク広告における収入が減少する可能性があるため、同広告収入に依存しないようアフィリエイト収入の獲得、SNS運用代行及びプロモーション受託案件によって収益の多角化を目指してまいります。
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1)人材事業に関するリスク
①人材の確保について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは、クライアントのニーズに対応したクリエイター人材の派遣を主要な事業として手掛けているため、優秀なクリエイター人材の確保が事業拡大の必要条件であります。昨今のゲーム業界における採用市場において、ゲーム業界が堅調に推移していることからクリエイター人材の需要は高い水準で推移しており、各企業とも即戦力人材の採用を積極化していると考えております。当社においては安定的な即戦力人材の確保に向けて、福利厚生、プログラミングやゲーム開発に関する研修制度、社員交流制度等を充実させる対策を講じておりますが、人材の確保が十分に行うことができない場合、顧客企業からの人材ニーズに対応できないことから配属数を伸ばすことが出来ず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②競合の参入について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループが手掛ける人材派遣事業において、厚生労働省より発表された労働者派遣事業報告によると、派遣事業の届出制((旧)特定労働者派遣事業)が廃止され、許可制(労働者派遣事業)に一本化されたことによって報告対象となる労働者派遣事業者が変更となり、統計上、市場の一時的な縮小が発生しているものの、全体の傾向として市場は拡大しているものと考えております。また、ゲーム業界を中心に、エンターテイメント業界の市場も拡大傾向にあることから、これらの業界を対象として今後も多くの競合企業の参入が想定されます。
当社においては、2022年3月時点で、200社を超えるゲーム業界に属する企業との取引関係、ゲーム業界経験者の採用にあたっての量的・質的に十分な母集団形成、クライアントの人材ニーズの把握、これらを背景とした精度の高いマッチングにより、顕在的・潜在的な競合他社に対して優位性を有していると考えております。今後も当社が目標として設定している適正な収益率を維持しながら事業の拡大を図るべく努めておりますが、競合他社の参入により競争が激しくなる中で、人材確保におけるコストの高騰や派遣料金の低下が当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③特定業種への依存リスクについて
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループの主力事業である人材事業は、ゲーム業界を中心とするエンターテイメント業界の企業を主要なクライアントとしており、昨今のオンラインゲーム業界の成長も追い風となり順調に売上を拡大しております。しかしながら、今後、ゲーム業界の市場動向に大きな変化が起き、当社のクライアントの業績が悪化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社はゲーム業界の隣接分野であるIT・Web事業、動画配信事業、ライブ配信事業、AR・VR事業、メタバース関連事業などに人材事業の裾野を拡大することで対応を図りたいと考えております。
④許認可・法的規制について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループの人材派遣サービスは、労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)に基づく労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を受けています。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う事業主が、派遣元事業主としての欠格事由に該当したり、労働者派遣法もしくは職業安定法の規定またはこれらの規定に基づく命令処分に違反したりする場合には、事業の許可を取消され、または事業の全部もしくは一部の停止を命じられる旨を定めております。本許可には有効期限があり、当社の労働者派遣事業許可の有効期限は2022年10月31日となっております。当社は、業務の健全かつ適正な運営の為、コンプライアンス研修の実施によって各種法令の遵守を徹底し、リスク管理委員会によってリスクの識別、評価、対応を検討することで体制を強化し、継続的に内部監査を実施することで法令違反を未然に防ぐよう努めております。
本書提出日現在、本許可が取り消しとなる事由は発生しておりませんが、万一、将来何らかの理由により法令違反に該当し、労働者派遣事業の許可取消しや当該業務の全部または一部の停止の命令を受けた場合や許可の有効期間満了後に許可が更新されない場合には、労働者派遣事業を営むことができず、当社グループの事業運営に重大な影響を与える可能性があります。
また、職業安定法に基づく有料職業紹介についても労働者派遣法と同様の取扱いがあり、有料職業紹介事業者としての欠格事由に該当したり、当該許可の取消事由に該当した場合には、事業の許可を取消され、または事業の全部もしくは一部の停止を命じられる旨を定めております。本許可には有効期限があり、当社の有料職業紹介事業許可の有効期限は2022年10月31日となっております。当社は、業務の健全かつ適正な運営の為、コンプライアンス研修の実施によって各種法令の遵守を徹底し、リスク管理委員会によってリスクの識別、評価、対応を検討することで体制を強化し、継続的に内部監査を実施することで法令違反を未然に防ぐよう努めております。
本書提出日現在、本許可が取り消しとなる事由は発生しておりませんが、万一、将来何らかの理由により法令違反に該当し、事業許可取消しや当該業務の全部または一部の停止の命令を受けた場合や許可の有効期間満了後に許可が更新されない場合には、有料職業紹介事業を営むことができず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑤クライアントの機密漏えいについて
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループが行う人材事業は、顧客企業における新製品開発等の機密情報に触れる事業であるため、社員入社時に企業機密保持の重要性を認識させるための指導・教育を行っております。また、入社後につきましても、社内研修を通じて継続的に企業機密保持の重要性について指導・教育を行っております。しかしながら、万が一、当社社員が原因となり当該情報が外部に流出することがあった場合、当社グループの社会的信用を失墜させることになるだけでなく、漏えいによる取引解消及び損害賠償請求等の恐れがあります。このような場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥当社社員の派遣先での業務遂行について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社社員が派遣先での業務遂行に際して、スタッフの過失による事故や顧客企業との契約違反またはスタッフの不法行為により訴訟の提起またはその他の請求を受ける可能性があります。当該リスクへの対応策として、当社グループでは、当社社員に対して社内研修を通じ、派遣先での就業における注意事項の周知を行っております。また、法務担当者を配して法的な側面からの危機管理に対処する体制を整えております。しかしながら、訴訟の内容及び金額によっては当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2)メディア事業に関するリスク
①メディア業界の成長性について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社子会社が手掛けるメディア事業はスマートフォン普及率の拡大やデバイスの進化により外出先等での手軽な情報収集手段としてニーズが高まっており、当社グループが運営しているメディアにおいても月間1,100万を超えるページビュー数を獲得しております(2022年3月期の平均月間ページビュー数)。当社子会社においては、閲覧数や滞在時間等の各種指標について分析ツールを利用して毎日分析し、記事投稿数の増加や記事品質の向上等の施策を常に行っております。しかしながら、通信キャリア、インターネット検索プラットフォーマーの施策により、市場動向や検索順位が上位に表示されるルールが大きく変化する可能性があり、ページビュー数が減少することによって、当社子会社の事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。
②競合について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社子会社が手掛けるメディア事業は、独自の開発機材や大規模な設備投資が必要ないことから、比較的参入障壁が低いため、新規事業者の参入が活発であります。当社子会社においては競合会社によるサイトの乱立や他社サイトとの比較による人気の低下によって、閲覧数の減少や広告単価減少等が発生しないよう、自社メディアと競合メディアの主要な数値を常に注視し、スピーディな意思決定と施策実行を行っております。また、特定サイトの停滞が事業全体の収益に与える悪影響を最小限に抑えるため、ゲーム情報サイト(GAMEMO)や占いサイト(Plush)を立ち上げ、別領域に特化したサイトの運営を行うことでリスク分散を図っております。しかしながら、競合の乱立によりユーザーの検索動向が大きく変化し、当社メディアの閲覧数・広告収益が悪化することで当社事業や業績に影響を与える可能性があります。
③法的規制について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
メディア事業は、情報の配信において虚偽の情報や公序良俗に反する表現がないこと、電気通信事業法、著作権法、景品表示法、医薬品医療機器等法などの各種法令に抵触する事がないことが求められる事業であるため、当社グループでは、関連法令に抵触することがないよう記事作成者に対して法令違反を起こさないためのチェックリストを含んだマニュアルを配布し、当該マニュアルに沿って記事作成が行われ、記事作成後に別の担当者がマニュアルに沿って記事作成が行われていることを確認することによって関係法令の遵守に努めております。また、当社子会社が運営するウェブサイトに掲載する記事や当社子会社が直接契約を締結して掲載する広告に、虚偽の情報や公序良俗に反する表現がないことを担当者の他、管理本部の担当者がチェックリストによる確認を行っております。さらに、業務の健全かつ適正な運営のため、業務実態の内部監査を実施しており、各種法規の遵守について社内への指導を徹底し、違反がないかを常に調査しております。しかしながら、万が一、法令に抵触するような事象が発生した場合、訴訟を受けることによって当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)M&Aや資本提携に関するリスク
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループでは、通常の営業活動による取引規模の拡大や新規事業の推進に加え、事業の拡大への経営資源を獲得し、既存事業とのシナジー効果を得るために、M&Aによる企業買収や資本提携等を活用することを検討しております。それらを実施する場合、子会社である株式会社Dolphinの買収にあたって短期間でのれんを減損したことを踏まえ、対象企業の属する業界の市場規模、業界環境及び対象企業の競争力の源泉を調査し、財務内容や事業についてデューデリジェンスを行うことに加えて、対象企業の株主を慎重に調査することで、事前に投資リスクを把握し、対象となる企業の収益性や投資の回収可能性について慎重に検討することとしております。
しかしながら、国内外の経済環境の変化や対象企業の属する業界の市場規模が想定よりも拡大しない場合や対象企業の競争力の源泉が衰えた場合等の理由から、当社グループがM&Aや資本提携等を行った企業の経営、事業、資産等に対して、十分に活用することが出来ない可能性があります。また、買収した企業の人材や顧客基盤が流出する可能性もあり、当初に期待したシナジーを得られない可能性もあります。これらの場合、当社グループの投資額を十分に回収できないリスクが存在し、当初の期待どおりに事業を展開できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社グループがビジネスパートナーと事業提携等を行う場合において、当社グループが投資先と期待した協業関係を築くことが出来ないことによって、重要な意思決定を迅速に行うことが難しい、または当社グループの意思決定を経営に反映することが出来ないリスクが存在し、当初の期待どおりに事業を展開できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)当社の資本政策に関するリスク
①新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:1年から3年以内、影響度:中)
当社は、当社取締役、従業員等に対し、長期的な企業価値向上等に対するインセンティブを目的とし、ストック・オプションを付与しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合には、保有株式の価値が希薄化する可能性があります。2022年5月31日現在、これらのストック・オプションによる潜在株式数は263,000株であり、発行済株式総数4,580,800株の5.7%に相当しております。
②配当政策について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、株主還元を適切に行っていくことが重要であると認識しており、剰余金の配当については、内部留保とのバランスを考慮して適切に実施していくことを基本方針としております。具体的には、当面、配当性向は30%、DOE(株主資本配当率)は10%を目安とする配当方針を掲げております。しかしながら、成長事業への投資を行うことが株主利益に適うと判断した場合には、現在の配当方針を変更する場合があります。
(5)組織体制及び外部環境に関するリスク
①代表取締役への依存について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社代表取締役社長澤岻宣之は人材事業における豊富な経験を有し、2015年8月の就任以来、事業を牽引し、2016年3月期の売上高188百万円(単体)から2022年3月期の売上高4,425百万円(連結)に大きく成長をさせて参りました。現在も当社グループの経営戦略、各事業の連携、組織運営の推進において重要な役割を担っておりますが、当社グループにおいては、以前より組織体制の整備、業務の標準化及びマネジメント機能の強化を図るなど、特定の経営者に過度に依存しない体制の確立に努めております。しかしながら、何らかの理由により、同氏が当社グループの業務を継続することが困難になった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
②当社の大株主について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の筆頭株主である株式会社アミューズキャピタルインベストメントは発行済株式総数の34.58%を保有しており、同社、株式会社アミューズキャピタル(保有比率17.55%)及び中山隼雄氏(保有比率10.89%)を支配株主グループ(合計で63.03%)と認識しており、株式会社アミューズキャピタルインベストメントは中山晴喜氏の資産管理会社、株式会社アミューズキャピタルは中山隼雄氏の資産管理会社であります。また、株式会社アミューズキャピタルの取締役である藤森健也氏が当社の監査役となっております。
株式会社アミューズキャピタルインベストメント、株式会社アミューズキャピタル及び中山隼雄氏は、現時点では、当社株式を純投資として中長期的に保有する方針と理解しておりますが、今後の株価の推移によって売却を行う可能性があり、その場合には、当社株式の市場価格に影響を及ぼす可能性があります。議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針であると理解しております。また、市場での売却ではなく特定の相手先への譲渡を行った場合には、当該譲渡先の保有株数や当社に対する方針によって、当社グループの事業戦略等に影響を与える可能性があります。なお、株式会社アミューズキャピタルインベストメント、株式会社アミューズキャピタル及び中山隼雄氏のいずれかが主要株主となっている会社との取引において、当社の売上高の10%を超える取引を行っている会社はありません。
③個人情報管理について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社グループは主力である人材事業において膨大な個人情報を取り扱うため、「個人情報の保護に関する法律」に従い、個人情報に触れ、取得した担当者は、被取得者に対して利用目的の特定と明示を行い、そのうえで、個人情報が漏洩しないように取扱部署毎に保存・管理しております。また、「個人情報保護基本規程」を定め、教育研修等を実施して漏洩防止に努めております。しかしながら、このような対策にも関わらず、万が一、個人情報の漏洩や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求等の金銭補償や企業イメージの悪化等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④自然災害、事故等について
(発生可能性:低、発生する可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社グループでは自然災害、事故等発生時には、速やかに対策本部を設置し、事業継続に向けて対応をするよう準備を行っておりますが、本社所在地である関東圏において、大地震、台風等の自然災害や事故等により設備の損壊や電力供給の制限等の事業継続に支障をきたす事象が発生した場合、本社における事業運営が出来なくなる可能性や当社社員の就業先での勤務が困難になる可能性があることから当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
⑤新型コロナウイルス感染症等によるパンデミック発生について
(発生可能性:中、発生する可能性のある時期:1年から2年、影響度:中)
当社グループではパンデミック発生に備え、本社勤務の社員はテレワークによる就業が可能となっており、また、派遣社員は派遣先企業と協力し、多くの就業先でテレワークが出来るように環境を整えることで、新型コロナウイルス感染症の蔓延により労働環境が変化した場合においても継続して事業を行うことができるように体制整備を行っております。しかしながら、新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大することで、主要顧客が営業を停止する場合や当社社員が大量に感染した場合には、人材サービスの提供が困難になることから当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、メディア事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響によって実体経済が冷え込み、広告費が縮小したことにより、足下のアドネットワーク収入の単価が下落しました。新型コロナウイルス感染症の拡大が継続した場合、一層の広告費の縮小が見込まれ、その結果アドネットワーク収入の単価がさらに下落する可能性があり、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が長期化する中、政府による段階的な経済活動の再開や、全国的なワクチン接種の促進などにより経済水準が持ち直しの傾向にあるものの、世界的な新型コロナウイルスの変異株による感染症拡大やロシアによるウクライナへの軍事侵攻が開始されるなどの社会情勢不安もあり、国内外における経済の見通しは依然として不透明な状況が続いております。
当社が主にサービス提供を行っているゲーム業界においては、国内家庭用ゲームのハード市場の規模は拡大している一方で、ソフト市場は若干縮小しており、ハードは2,028.7億円で前年対比109.3%、ソフトは1,585.2億円で前年対比87.2%、ハード・ソフト合計では3,613.9億円と前年対比98.4%(出典:ファミ通ゲームソフト・ハード売上ランキング 2021年年報)となっており、合計ではほぼ前年並みの規模を維持しております。加えて、2021年の世界のモバイルゲーム市場規模は9兆1,697億円で前年比118.7%、その中でも日本の市場規模は1兆3,060億円で前年比107.8%となっております(出典:ファミ通モバイルゲーム白書2022)。これらのゲーム市場の規模拡大により、ゲーム会社各社の業績は堅調に推移しております。
このような環境の中、当社グループでは、人材事業については、主力のゲーム会社向け派遣事業において配属者数を拡大するため、新規取引先の開拓のみならず、既存取引先のさらなる深耕に取り組んだことにより、派遣事業の業績は堅調に推移しました。メディア事業については、当連結会計年度においてページビュー数に大きな変化はなく、ほぼ横ばいの結果となった一方で、ページビュー数当たりの単価は前連結会計年度と比較して下落しており、アドネットワーク事業による売上高は減少しております。アドネットワーク事業による売上高の減少を補うべく、SNSの運用代行やゲーム会社向けのプロモーション支援サービスの案件数の増加に努めております。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、ゲーム会社向けの人材派遣の配属者数が増加したことから、売上高は4,425,005千円(前期比24.0%増)、営業利益745,482千円(前期比23.3%増)、経常利益737,809千円(前期比22.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益530,973千円(前期比32.9%増)となり、全ての項目において、過去最高の業績となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<人材事業>
人材事業においては、主力のゲーム会社向け派遣事業に加え、ゲーム会社向け及びIT・Web業界向け人材紹介事業並びにゲーム会社を中心とした顧客からの受託業務を展開しております。
人材派遣事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大が継続している中でもゲーム会社のクリエイター需要は継続しており、新規取引先の開拓に加え、既存取引先の部署別・タイトル別開拓を行うことにより、受注案件数を拡大しております。クリエイターの採用市場においては、採用媒体の選定や採用広告の出稿配分を最適化することにより、ゲーム会社からの需要に応えられるクリエイターを採用することが出来ております。その結果、配属者数は前連結会計年度末から順調に増加しており、クリエイターの稼働率は高い水準で推移しております。派遣先企業へのクリエイター配属数は以下の通りとなります。
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2019年3月末 |
2020年3月末 |
2021年3月末 |
2022年3月末 |
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クリエイター配属数 |
345名 |
494名 |
620名 |
740名 |
人材紹介事業においては、新型コロナウイルス感染症拡大による巣籠もり需要によって、ゲーム業界の人材需要は高まっており求人数は増加傾向にあります。しかしながら、我が国経済の先行きが不透明であることを懸念し、求職者の転職動向は消極的なものとなっており、また、リモートワーク中心の就業状況が続いているため、オンラインでのコミュニケーションによる就業が可能な人材を求める傾向にあり、求人企業が求める求職者に対するハードルが高まっております。これらを背景に、紹介人数の実績は伸び悩んでいる状況にあります。これらの対策として、人材派遣事業との連携による求人企業のチャネルや案件増加、求職者の募集強化及び求職者と求人のマッチング精度向上を図り、紹介人数の増加に取り組んでおります。
受託事業においては、主にゲームタイトルのデバッグ業務を受託しております。ゲームタイトルのデバッグ業務は守秘性が高いことから、2020年4月に新宿区に専用オフィスを立ち上げ業容拡大の準備を整えるとともに、営業・管理体制の強化を図りました。現在稼働中の案件は安定的に推移しており、人材派遣事業との連携を図り、新規案件のリード獲得数増加に努めております。
この結果、当セグメントの売上高は4,353,911千円(前期比24.5%増)、セグメント利益は1,166,027千円(前期比24.4%増)となりました。
<メディア事業>
メディア事業において、当社グループが運営する女性向けメディア「Lovely」は、ページビュー数は安定的に推移しているものの、前年から続く企業の広告宣伝費の縮小に伴い、ページビュー数当たりの単価が下落していることから、アドネットワーク広告による売上高が低迷しております。また、2021年3月に立ち上げを行った占いメディア「Plush」は、立ち上げ直後にも関わらずページビュー数は拡大しておりますが、規模が小さく売上への寄与度は限定的なものとなっております。現在は、SNSの運用代行やゲーム業界のチャネルを活かし、ゲームタイトルのプロモーション受託案件の増加を図り、ゲーム会社からの引き合いが増加しているため、「Lovely」の運営に加えて、プロモーション受託案件に注力することで売上拡大を図っております。
この結果、当セグメントの売上高は77,165千円(前期比6.6%増)、セグメント利益13,525千円(前期比3.1%増)となりました。
当社グループの当連結会計年度の財政状態につきましては以下のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて884,358千円増加し、2,437,559千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べて849,427千円増加し、2,268,262千円となりました。これは主に、公募増資及び営業債権回収の増加による現金及び預金の増加784,520千円及び売上高の増加に伴う売掛金の増加69,800千円によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて34,930千円増加し、169,297千円となりました。これは主に、事務所移転に伴う差入保証金の増加40,406千円によるものであります。
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて133,667千円減少し、782,152千円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べて42,635千円減少し、759,652千円となりました。これは主に、前連結会計年度において、事業拡大等により中間納付を控除した期末法人税納付額が一時的に増加したことによる未払法人税等の減少56,133千円、派遣先企業へのクリエイター配属数の増加に伴う人件費の増加による未払費用の増加33,747千円、未払消費税等の減少16,229千円によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて91,031千円減少し、22,500千円となりました。これは主に、銀行借入の返済に伴う借入金の減少90,000千円によるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,018,026千円増加し、1,655,407千円となりました。これは主に公募増資及び新株予約権の権利行使により資本金及び資本剰余金がそれぞれ239,884千円増加したものと親会社株主に帰属する当期純利益530,973千円によるものであります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の41.0%から67.6%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて784,520千円増加し、1,724,844千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、前連結会計年度に比べて24,729千円減少し、461,587千円となりました。主な増加要因として、税金等調整前当期純利益733,074千円(前年同期は税金等調整前当期純利益601,429千円で131,645千円増加)、主な減少要因として、法人税等の支払額267,749千円(前年同期は176,412千円で91,337千円増加)によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、前連結会計年度に比べて55,302千円増加し、64,879千円となりました。これは主な増加要因として、前連結会計年度は発生がなかった敷金及び保証金の差入による支出が47,342千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は、前連結会計年度に比べて533,811千円増加し、387,811千円の収入となりました。この主な増加要因は、株式発行による収入473,759千円及び前連結会計年度において連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出56,000千円であったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
最近2連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:千円)
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セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
人材事業 |
3,496,812 |
4,347,840 |
24.3 |
|
メディア事業 |
72,395 |
77,165 |
6.6 |
|
合計 |
3,569,208 |
4,425,005 |
24.0 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
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|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
株式会社バンダイナムコスタジオ |
364,450 |
10.2 |
476,054 |
10.8 |
|
株式会社セガ |
339,494 |
9.5 |
466,104 |
10.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。
繰延税金資産
当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は各社、各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されております。
経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社、各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定する可能性があります。
②経営成績の状況に関する分析・検討内容
(目標とする経営指標の達成状況)
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標」に記載の経営指標の達成状況は以下のとおりです。
当連結会計年度におきましては、連結及び人材事業における経営指標である売上総利益率30%の維持を達成しております。これは、主力の人材派遣事業において、採用部門が求職者を、営業部門が求人数を最大化して相互に連携することで短期間のうちにクリエイターのレベルに応じた配属先を選定し、クライアントに対する請求単価を維持することが出来る社内体制を構築したことにより、現在の収益性の高さを維持することが出来ていると評価しております。
<連結>
|
|
2021年3月期 |
2022年3月期 |
|
売上高(千円) |
3,569,208 |
4,425,005 |
|
売上高の増加率(%) |
37.0 |
24.0 |
|
売上総利益(千円) |
1,236,368 |
1,528,528 |
|
売上総利益率(%) |
34.6 |
34.5 |
|
営業利益(千円) |
604,578 |
745,482 |
|
営業利益の増加率(%) |
80.2 |
23.3 |
|
営業利益率(%) |
16.9 |
16.8 |
<人材事業>
|
|
2021年3月期 |
2022年3月期 |
|
売上高(千円) |
3,496,812 |
4,353,911 |
|
売上高の増加率(%) |
42.3 |
24.5 |
|
売上総利益(千円) |
1,186,059 |
1,481,882 |
|
売上総利益率(%) |
33.9 |
34.0 |
|
セグメント利益 |
937,526 |
1,166,027 |
|
配属社員数(人) |
620 |
740 |
|
稼働率(%) |
98.8 |
99.7 |
|
配属社員1人当たり売上高(千円) |
5,640 |
5,883 |
<メディア事業>
|
|
2021年3月期 |
2022年3月期 |
|
売上高(千円) |
72,395 |
77,165 |
|
売上高の増減率(%) |
△51.1 |
6.6 |
|
売上総利益(千円) |
50,309 |
46,646 |
|
売上総利益率(%) |
69.5 |
60.4 |
|
セグメント利益 |
13,118 |
13,525 |
(売上高)
当連結会計年度における売上高は4,425,005千円(前年同期比24.0%増)となり、前連結会計年度と比べて855,797千円増加いたしました。これは、配属社員数が620人から740人に増加したことが主な要因となります。配属社員数増加の要因は、取引先社数が102社から121社に増加したこと及び1社当たりの平均配属数が5.77人から6.11人に増加したことによります。これは、新規取引先を開拓するとともに、顧客ニーズを識別し、顧客深耕を行うことで1社あたり配属数を増加させる施策の結果であります。
セグメント別の変動要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価・売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は2,896,477千円(前年同期比24.2%増)となり、前連結会計年度と比べて563,637千円増加いたしました。これは、配属社員数が620人から740人に増加したことが主な要因となります。
この結果、売上総利益は292,159千円増加し、1,528,528千円(前年同期比23.6%増)となりました。
(販売費及び一般管理費・営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は783,046千円(前年同期比23.9%増)となり、前連結会計年度と比べて151,255千円増加いたしました。これは、本社スタッフの増員による給与手当の増加46,778千円、外部業者への支払手数料の増加34,689千円及び事務所移転による減価償却費、保証金償却額の見直しによる増加20,433千円等が主な要因であります。上場費用および事務移転関連費用等の増加があったものの、人材派遣事業において、従前からのオンラインゲーム市場の旺盛な人材ニーズを背景に、クリエイターの人材募集に係る採用広告費が従前と同水準を維持したことから、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は17.7%と、前連結会計年度と同水準となっております。
この結果、営業利益は140,903千円増加し、745,482千円(前年同期比23.3%増)となりました。
(営業外損益・営業外費用・経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は14千円(前年同期は1,680千円)となり、前連結会計年度と比べて1,666千円減少いたしました。これは前連結会計年度において、助成金収入1,663千円が発生していることよるものです。
当連結会計年度における営業外費用は7,687千円(前年同期比152.8%増)となり、前連結会計年度と比べて4,647千円増加いたしました。これは主に株式交付費6,008千円によるものであります。
この結果、経常利益は134,590千円増加し、737,809千円(前年同期比22.3%増)となりました。
(特別損益・税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度における特別損失は4,734千円(前年同期は1,789千円)となり、前連結会計年度と比べて2,944
千円増加いたしました。本社移転に係る事務所移転関連費用4,734千円が生じていることによるものであります。
この結果、税金等調整前当期純利益は131,645千円増加し、733,074千円(前年同期比21.9%増)となりました。
(法人税等(法人税等調整額を含む)・親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における法人税等(法人税等調整額を含む)は202,101千円(前年同期比0.3%増)となり、前連結会計年度と比べて538千円増加いたしました。これは、主に剰余金の配当を決議したことにより留保金課税額が減少したことにより、前連結会計年度と比べて法人税、住民税及び事業税が7,886千円減少し、税務上の一時差異の増加により法人税等調整額が8,424千円減少したことによるものであります。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は131,437千円増加し、530,973千円(前年同期比32.9%増)となりました。
③財政状態の分析
財政状態の状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
④キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(3)資本の財源及び資金の流動性
①資金需要
当社グループの主な資金需要は、事業活動の維持・拡大を図っていく運転資金や法人税及び配当金の支払いであります。また、一時的な資金需要として、本社事務所の移転や営業拠点の新設等に係る設備投資資金、自社メディア運営の初期投資資金等を想定しております。
②財務政策
当社グループは、運転資金の資金調達については自己資金による充当を基本としておりますが、事業規模の変動等に伴い運転資金が必要となる場合や新規事業に係る資金需要が生じた場合には、銀行借入や新株発行により調達する方針であります。また、新型コロナウイルスの影響による足元の資金不足は発生しておらず、引き続き、運転資金は自己資金による充当を基本としております。なお、当社の成長に必要な人材採用関連投資や設備投資は引き続き行っていく予定でございますが、手元資金に余剰感があり、株主の期待収益率を上回る投資が見つからない場合には、配当や自己株式の取得により株主への還元を行っていく予定であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。