第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)企業理念

[社是]

和して拓く

[社訓]

一、社業を通じ社会に奉仕

一、企業の永続と繁栄

一、社員の幸福と人格の向上

[経営理念]

 我が社は、お客様の信頼を得る製品とサービスを創り出し、立ち止まらず、高いモラルを有し、発展し続ける企業を目指します。

 

(2)経営方針

 当社は、「収益を伴う持続的な成長を追求し、全社一丸経営で企業価値の向上を図る」を経営方針としております。

 

(3)経営環境と経営戦略

 わが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響により、世界や日本の経済へのマイナス影響は長期化することが懸念されており、引き続き厳しい状況にあります。

 当社の事業領域である半導体関連事業分野については、2020年は円ベースで前年比△0.6%、2021年は円ベースで同11.8%となりましたが、2022年は円ベースで同5.4%と2年連続プラス成長が予測されております。(出所:WSTS(世界半導体市場統計)2021年春季半導体市場予測について 2021年6月8日発表)

 このような環境の中で当社は、将来拡大が期待される車載関連、5G、ロボット、AI等今後の技術革新であるAI+IoTものづくり戦略と需要拡大に対応するため、「選択と集中を進め、成長戦略を加速させる」をスローガンとして、「成長戦略」「経営体質の強化」「経営品質の向上」「品質と信頼性の追求」を重視し、当社ならではの「新しい価値」を創造し、時代の要求にお応えできる企業であり続けられることを目指しております。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社では、「成長性は売上高」、「収益性は経常利益」、「健全性は自己資本比率」とし、売上高、経常利益の増加、自己資本比率の上昇を重要な経営指標として位置付けております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

① 成長戦略

 成長事業の選定と成長戦略に向けた計画の実行、中核事業の成長加速、新技術や新製品の創出早期化・事業化推進、新市場、グローバル戦略の推進に取り組んでまいります。

② 経営体質の強化

 マネジメント力の向上、営業・サービスの強化、人財育成の強化に取り組んでまいります。また、生産性向上と業務改善の推進、知的財産権戦略の構築により、健全で質の高い経営体質を目指します。

③ 経営品質の向上

 コンプライアンス(倫理・遵法)徹底強化とCSRを推進し、適切な企業統治と情報開示、情報セキュリティ強化に取り組んでまいります。また、「事業経営」と「環境経営」の一体化を推進し、BCPを確立させ、社会から信頼される企業集団を目指します。

④ 品質と信頼性の追求

 顧客最優先と品質至上を徹底し、信頼性を高め、価値ある製品とサービスを提供します。具体的には、設計品質、製造品質、サービス品質の向上を目指します。

 

2【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 当社は、これらのリスク発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。

 なお、以下に記載された事項は、当社の全てのリスクを網羅するものではありません。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1)事業環境に関するリスク

① 景気変動について

 半導体産業は、デジタル家電、モバイル通信端末の成長及び自動車の半導体搭載比率の増加等により、今後も成長が期待されております。一方、半導体業界には、シリコンサイクルと呼ばれる業界特有の景気変動が想定され、その影響を受けることが考えられます。最終製品であるエレクトロニクス製品の需要動向の変動に対し、供給が需要を上回り、価格が低下した場合は半導体メーカーが投資抑制を行うため、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合他社について

 国内外のメーカーとの価格競争の激化により、販売価格が著しく下落する可能性があります。また、高シェア製品でも将来も優位に立てる保証はありません。他社新製品の開発により販売数量が減少するなど、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 顧客の設備投資の変動について

 当社の半導体検査装置は、半導体製造における後工程で主に使用されておりますが、半導体業界は市場動向により需給の変動が激しく、顧客の設備投資の動向も、これに合わせて短期で変動する傾向にあります。当社の想定よりも急激な需給の変動が生じた場合、需要増に対応し切れず、受注機会を逸し、急激な需要減により、受注獲得が困難になる等、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 法的規制等について

 当社では、事業活動を展開するにあたり、種々の法的規制に適切に対応するよう努めております。中でも海外向けの輸出入においては、行政当局等との法令解釈の相違など、意図せぬ形での違反行為を犯すリスクを完全に排除しきれません。違反行為との判断が下された場合、多額の費用負担の発生及び企業イメージに悪影響を与える可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 労働者派遣法改正について

 当社は無期雇用型技術者派遣事業を行っております。今後新たな法規制が設けられた場合、事業活動に制限を受ける等の影響を及ぼす可能性があり、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 品質管理・製造物責任について

 当社は、品質管理体制を整備してISO9001(品質マネジメントシステム)の認証を取得し、品質管理に万全を期す体制を整備しておりますが、欠陥が発生しない保証はありません。製造物責任賠償保険に加入しておりますが、製造物賠償につながる製品の欠陥は、そのコストや当社に対する評価を著しく低下させ、売上高の減少等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 環境への責任について

 当社は、環境管理体制を整備してISO14001(環境マネジメントシステム)の認証を取得し、環境に関する諸法規に対応した設備を保有し、当該関連諸法規に対応した処理を行っておりますが、関連諸法規の改正による追加の設備投資または人為的ミス等により環境汚染が発生した場合や、関係法令の改正等により新たな設備投資等の必要性が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 資材・供給品の調達について

 当社の生産活動には、資材、部品及びその他の供給品が必要です。当社では、信頼できる仕入・外注先を選定し、十分な受入検査体制をとっておりますが、万が一、欠陥のある原材料、部品及びその他の供給品が納入され、当社製品の信頼性及び評判に悪影響を及ぼした場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)事業内容に関するリスク

① 収益構造が下期偏重となることについて

 当社の主要顧客である企業は3月決算が多く、顧客の予算編成は、通期または半期単位で行われ、特に国内企業は下期偏重の予算執行となる傾向があります。当社製品を顧客が購入する場合においても、この予算執行のタイミング及び顧客の製品開発サイクルに影響される傾向にあります。このため、当社の業績は下期偏重となっております。

 

② 特定顧客との取引について

 当社は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ④ 生産、受注及び販売の実績 c.販売実績」に記載のとおり、特定顧客への依存度が高い状況にあります。当社は、新規事業や新規得意先の開拓により特定の得意先に依存しない収益体制を構築すべく努めているほか、今後においても従来の重要な得意先からの受注獲得に努め、良好な関係を維持していく方針であります。しかしながら、今後も依存の高い顧客から継続的な受注を得られる保証は無く、何らかの理由により顧客との関係に変化が生じた場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 技術革新等への対応について

 当社が製品・サービスを提供する半導体業界は、技術進歩が著しく、また激しいコスト競争に晒されております。当社では、多様化する顧客ニーズを把握するため営業拠点を充実させるとともに、今後予想される技術変革をいち早く予測し、新製品、新技術等の研究開発活動を推進しておりますが、顧客が要求するニーズに対して、競合他社よりも先行対応できなかった場合には、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ ロイヤルティ契約について

 当社は顧客との間において、当社製品を搭載した電子機器または半導体製品などの出荷台数等に応じて、ロイヤルティを受領する契約を締結しております。したがって、当社のロイヤルティによる売上高は、顧客の電子機器または半導体製品などの出荷台数に影響を受けることになります。顧客の販売実績が見込みを下回り、販売時期が計画より変更となった場合、当社の売上高、利益ともに影響を受ける可能性があります。

 

⑤ 為替相場の変動について

 当社は海外においても事業を展開していることから、外国為替相場の大きな変動は当社の外貨建てで取引されている売上高並びに仕入高に影響し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)経営管理体制に関するリスク

① 人材の確保及び育成について

 当社の事業では、電子回路の基礎知識から応用技術までの幅広い知識を有する優れた技術者を確保し維持する必要があります。これらの人材を十分に確保できなかった場合及び将来優秀な技術者が多数離職した場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 情報管理について

 当社では、取引先等の機密情報については、社内規程の整備や従業員への教育等を行うことにより情報漏洩の防止に努めております。しかしながら、万が一、情報漏洩が起きた場合、多額の費用負担の発生及び企業イメージの悪化により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 知的財産権について

 当社では、必要に応じて、製品又はその技術に関して知的財産権の特許出願等を行い、法的保護を受ける方針であります。今後、当社の事業分野における第三者の特許権等が成立し登録された場合もしくは当社が認識していない特許権等が成立している場合等、当該第三者から損害賠償や使用禁止、あるいは当該特許権等に関する対価の支払等の請求を受けた場合は、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)その他のリスク

① 固定資産の減損について

 当社では、土地、建物、機械設備等多くの固定資産を保有しています。管理会計上の区分を基準に、事業用資産は事業本部別、賃貸用資産は個別資産ごとにグルーピングしておりますが、各事業本部の収益性の低下に伴う将来キャッシュ・フローの悪化により、固定資産の減損処理を行う必要性が生じた場合に、当社の財政状況及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 株式価値の下落について

 当社は、投資有価証券の一部として国内上場企業等の株式を保有していますが、株式価値の下落により保有株式の評価損を計上し、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 自然災害等について

 当社の事業拠点は、主に富山県魚津市、大阪府大阪市、東京都港区、福岡県福岡市・北九州市に立地しており、当地及びその周辺で地震、台風等の自然災害、事故または当社がコントロールできない事象が発生した場合、操業の停止等様々な損害を受ける可能性があります。当社はBCP(事業継続計画)活動に取り組んで上記損害の影響軽減に努めており、さらに損害保険にも加入しておりますが、考えうるすべての損失について保険に加入しているわけでなく、当社の受ける損失すべてが保険により補填される保証はありません。そのため、上記のような事象が発生した場合、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 新型コロナウイルス感染症について

 2020年1月に顕在化した新型コロナウイルスの感染拡大は、事業活動に大きな影響を及ぼす可能性があると認識しております。当社は、お取引先様、従業員とその家族の感染防止、安全確保、事業の継続に向けて処置・対策を講じております。感染予防・拡大の防止策として衛生管理(マスク着用、検温、アルコール消毒等)の徹底や、時差出勤、在宅勤務、Web会議等の働く環境における3密防止策等、従業員等の健康・安全確保、顧客への供給責任を果たすための取り組みを継続しております。収束まで長期化が予想される中、当社は継続する事業活動へのリスクに対応するために、引き続き従業員等の感染防止・安全確保を優先とし事業継続に向けた取り組みに注視してまいります。

 また、感染拡大の長期化や再発が繰り返されるような事態が生じた場合、半導体市場においても国内外顧客工場の稼働率低下や設備投資の一時凍結等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ ストック・オプションの行使による株式価値の希薄化について

 当社は、取締役及び従業員に対してストック・オプションとしての新株予約権を付与しております。期末日現在、ストック・オプションによる潜在株式総数は120,000株であり、発行済株式総数4,150,000株の2.9%に相当しております。

 これらは、当社事業の発展と企業価値の向上を目的として、優秀な人材の確保のためのインセンティブとして付与されたものであり、既存株主の利益を損なうものではないと考えておりますが、当社の株価が行使価額を上回り、かつ権利行使についての条件が満たされ、これらの新株予約権が行使された場合は、当社株式の一株当たりの株式価値が希薄化することになります。

 

⑥ 配当政策について

 当社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つと考え、将来の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としております。しかしながら経営環境の変化等に伴い業績や財政状態が悪化した場合には、当該基本方針どおりに配当を実施することができなくなる可能性があります。

 

⑦ 資金使途について

 当社の公募増資による資金調達の使途については、全社基幹システム(ERP)、新製品開発費、人材採用費及び人件費に充当する計画であります。しかしながら、経営環境等の変化に対応するため、具体的な充当時期までは安全性の高い金融商品等で運用し、調達資金を計画以外の使途に充当する可能性があります。上記資金使途とは異なる使途に充当する必要性が生じた場合には、速やかに開示いたします。また、計画どおりに使用された場合でも、想定どおりの成果をあげられない可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態の状況

(資産)

 当事業年度末における資産合計は、3,618,880千円となり、前事業年度末に比べ、410,246千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が353,393千円、原材料及び貯蔵品が106,985千円、製品が67,406千円増加した一方、売掛金が54,055千円、電子記録債権が36,887千円、受取手形が34,120千円減少した影響によるものであります。

(負債)

 当事業年度末における負債合計は、2,392,011千円となり、前事業年度末に比べ、139,321千円減少いたしました。これは主に、退職給付引当金が66,572千円、買掛金が54,391千円、未払法人税等が48,581千円増加した一方、長期借入金が91,722千円、支払手形が51,310千円、短期借入金が50,000千円減少した影響によるものであります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産合計は、1,226,868千円となり、前事業年度末に比べ、549,567千円増加いたしました。これは主に、新株発行により資本金及び資本準備金がそれぞれ206,310千円増加したことに加え、当期純利益の計上により繰越利益剰余金が113,262千円増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は33.9%(前事業年度は21.1%)となりました。

 

② 経営成績の概況

 当事業年度の世界半導体市場は、年初は2019年の低迷から回復基調にありましたが、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、自動車業界をはじめ世界経済悪化の影響を受けました。片や、5Gスマートフォン需要の増加や感染症対策としてのテレワークやオンライン会議の広がりによるライフスタイルの変化に伴う「巣籠り需要」で一部の民生機器市場に恩恵がありました。このため、世界経済の状況に比べて半導体市場は堅調に推移していると考えられていますが、現在は半導体各社が生産をフル稼働させても供給不足の状態にあり、先行きに懸念を残しています。

 このような環境の中、当社は電子システム事業においては、2019年度に落ち込んだ半導体の後工程商材(バーンインボード等)が回復基調になったところに新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けた結果となりました。加えて、得意技術の「専用計測器」においても主要顧客の生産調整による影響を受けました。期中の発注予定が翌期にスライドした影響も大きく、装置の保守・メンテナンス体制・設備強化による売上増加はあったものの、ものづくり部門の売上が低調に推移しました。
 マイクロエレクトロニクス事業においては、車載、産業機器分野の顧客をターゲットに高速I/F、画像処理、CMOSセンサー、FPGAの設計技術力向上に取り組み、この分野での売上増加を目論見ましたが、米中摩擦、コロナ禍の影響を受けた主要顧客との取引減少の影響を受けた結果となりました。また、IP関連事業は、産業機器、カメラ機器をターゲットとしたFPGAユーザーへの営業強化を継続してまいりました。また、海外への販路拡大を目指しましたが、コロナ禍においては海外営業もままならず、その影響を受ける結果となりました。
 製品開発事業においては、産業機器分野、医療分野への取組強化策として、産学連携や商社との連携を強化し、併せて販売の効率化の取り組みを進めてきました。また、開発面においては、医療・介護向けカメラシステム開発に着手し、新しい収益モデルを目指すとともに、AIシステム向けカメラへの布石を打ってきました。

 当期の取り組みとしては、当社の中核となる事業の競争力を強化するとともに、新技術・新商品の開発に注力し、新市場への進出を推進してきました。また、品質至上主義を徹底するとともに生産性向上にも取り組み、経営品質の向上と経営体質の強化を図りながらお客様の信頼性を高める施策を実施してきました。

 この結果、当事業年度の経営成績は、売上高4,425,524千円(前期比2.3%減)となり、経常利益は209,266千円(同11.1%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

a.電子システム事業

 電子システム事業は、期初から新型コロナウィルスの影響を受け、回復基調であった半導体主要顧客の生産調整による影響を受けた結果、新規設備導入抑制が影響し、半導体信頼性商材の受注が前期に続き、さらに下回りました。同じく新型コロナウィルスの影響を受けた産業用専用計測器商材は、車載製品を扱う顧客の生産調整により前期を大きく下回りました。半導体顧客、産業顧客ともに海外拠点への出張ができず、大きなマイナス影響となりました。一方で、新規顧客開拓及びバーンイン装置中古市場への参入準備を図るとともに、保守・メンテナンスでは、協力企業との連携強化により、受注量増加と範囲拡大に取り組みました。

 これらの結果、売上高は1,593,297千円(前期比10.3%減)、セグメント損失は10,586千円(前事業年度はセグメント利益45,996千円)となりました。

 

b.マイクロエレクトロニクス事業

 マイクロエレクトロニクス事業は、LSI受託開発関連において低迷した車載、産業機器分野の中でも5G通信に対応したサーバの高速I/Fに注力したアナログ、デジタルの一括受注が功を奏しました。IP販売関連においては、海外の取引先拡大を目指し、海外IPポータルサイトの活用強化に取り組みました。

 これらの結果、売上高は1,775,514千円(前期比3.7%減)、セグメント利益は235,540千円(同4.4%減)となりました。

 

c.製品開発事業

 製品開発事業は、ビューカメラ、センシングカメラを成長中の医療関連機器・産業機器市場を中心に既存取引先の水平展開、商社との連携強化による新規案件増加に積極的に取組み、マイナンバーカード応用機器等のインフラ機器市場への出荷が当初見通しよりも大幅に上回り、コロナ影響での減少をカバーしました。

 これらの結果、売上高は1,056,711千円(前期比15.9%増)、セグメント損失は21,694千円(前事業年度はセグメント損失56,754千円)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、576,565千円となりました。前事業年度末に比べて391,515千円増加いたしました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、獲得した資金は215,465千円(前期比30.3%減)となりました。これは主に、税引前当期純利益209,266千円及び減価償却費95,909千円により資金が増加したためであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は38,865千円(同30.4%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出73,477千円により資金が減少したためであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、獲得した資金は214,989千円(前事業年度は234,641千円の支出)となりました。これは主に、株式の発行による収入407,341千円により資金が増加したためであります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

電子システム事業(千円)

1,580,912

89.5

マイクロエレクトロニクス事業(千円)

1,784,137

97.2

製品開発事業(千円)

1,125,088

122.6

合計(千円)

4,490,138

99.4

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

電子システム事業

1,414,717

75.7

256,143

60.5

マイクロエレクトロニクス事業

1,810,671

97.7

451,233

108.7

製品開発事業

1,388,793

139.2

639,704

212.4

合計

4,614,182

97.8

1,347,081

118.2

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

電子システム事業(千円)

1,593,297

89.7

マイクロエレクトロニクス事業(千円)

1,775,514

96.3

製品開発事業(千円)

1,056,711

115.9

合計(千円)

4,425,524

97.7

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去項目はありません。

2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社デンソー

898,269

19.8

699,351

15.8

ソニーLSIデザイン株式会社

591,686

13.1

676,982

15.3

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当事業年度の業績は、売上高は4,425,524千円(前期比2.3%減)、営業利益は203,259千円(同13.8%減)、経常利益は209,266千円(同11.1%減)、当期純利益は113,262千円(同0.6%減)となりました。

 当事業年度における総資産は3,618,880千円となり、前事業年度末に比べ410,246千円増加いたしました。当事業年度における負債合計は2,392,011千円となり、前事業年度末に比べ139,321千円減少いたしました。当事業年度における純資産合計は1,226,868千円となり、前事業年度末に比べ549,567千円増加いたしました。

 なお、財政状況の詳細においては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。

 当社の経営成績に重要な影響を与える主要因として、主要顧客の受注状況、販売状況が挙げられます。その対応の詳細については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境と経営戦略」に記載しております。

 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、前述の「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の概況」に記載のとおりです。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b.資金需要

 当社の運転資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料仕入、外注費の支払及び製造費用並びに販売費及び一般管理費等によるものであります。また設備資金需要のうち主なものは、生産並びに生産技術効率の向上のための設備投資であります。

 

c.財務政策

 当社の主たる市場である半導体に関連する事業分野は特有の急激な需要変動が生じやすいため、このような経営環境に対応すべく自己資本比率の向上により強固な財務体質の強化・維持に努めております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりまして、その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

a.たな卸資産

 当社は、たな卸資産については、在庫の回転率に応じて収益性の低下に基づく簿価切下げ額の測定を行っております。将来、滞留在庫が増加し、在庫の回転率が悪化した場合、追加の評価減が必要になる場合があります。

 

b.受注損失引当金

 第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります

 

c.繰延税金資産

 当社は、繰延税金資産については、将来の課税所得の見積りにより回収可能性の評価を行っております。繰延税金資産の回収可能性に影響を与える要因の発生が予測される場合には、繰延税金資産の計上金額に影響を及ぼします。なお、新型コロナウイルス感染症の影響を加味した見積りについては、 第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)に記載の通りであります。

 

d.固定資産の減損会計

 当社は、資産を用途により事業用資産、賃貸用資産に分類しております。また、管理会計上の区分を基準に、事業用資産は事業本部別、賃貸用資産は個別資産ごとにグルーピングしております。

 減損の対象となった固定資産は、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った差額を減損損失としております。将来、この回収可能価額が減少した場合、減損損失が発生する可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響を加味した見積りについては、 第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)に記載の通りであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 特記すべき事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社は、半導体産業の技術革新に対応していくため、マイクロエレクトロニクス事業、製品開発事業において新技術等の研究開発に取り組んでおり、当事業年度の研究開発費の総額は83,750千円となっております。

 主な研究開発成果及び進行状況は次のとおりであります。

(1)マイクロエレクトロニクス事業

 IPコアの研究開発に取り組みました。当事業年度における研究開発費の金額は36,727千円であります。

(2)製品開発事業

 カメラ関連の開発及びシステム開発に取り組みました。当事業年度における研究開発費の金額は47,022千円であります。