第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第2四半期累計期間において、新たな事業等のリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当社の財政状態、経営成績(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

(資産)

 当第2四半期会計期間末における資産合計は、5,283,796千円となり、前事業年度末に比べ、103,201千円増加いたしました。これは主に、建物が148,695千円、電子記録債権が97,982千円、原材料及び貯蔵品が68,962千円、流動資産のその他が62,065千円、製品が58,416千円増加した一方、現金及び預金が245,118千円、受取手形、売掛金及び契約資産が67,540千円減少した影響によるものであります。

(負債)

 当第2四半期会計期間末における負債合計は、3,005,774千円となり、前事業年度末に比べ、93,899千円減少いたしました。これは主に、短期借入金が100,000千円増加した一方、流動負債のその他が144,439千円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が78,314千円減少した影響によるものであります。

(純資産)

 当第2四半期会計期間末における純資産合計は、2,278,022千円となり、前事業年度末に比べ、197,101千円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が176,639千円増加したことによるものであります。

 これらの結果、自己資本比率は43.1%(前事業年度は40.2%)となりました。

 

② 経営成績の状況

 10月に公表された日銀短観(9月調査)では日本経済の堅調さが示されたが、米中の景気減速など不安材料は多く、先行きは楽観視できない状況であるとの見方があります。その背景としてあるのは、①輸出先の欧米で、これまで進めてきた利上げ影響の懸念、②中国経済では、不動産部門の不況が更に悪化する可能性が否定できないことがあるようです。

 国内においては、新型コロナウイルス禍からの経済活動の正常化が進み、円安がもたらす輸出の採算改善、インバウンドの回復も景況感を押し上げる要因となっています。しかし、円安は足元で企業業績の押し上げに先行して効いていますが、先行きは輸入物価の上昇を通じたコスト高として意識されており、日本経済の重荷になりかねない反面もあります。製造業では、車載半導体などの部品不足が和らいだ自動車が生産回復を続けており、幅広い業種の景況感を下支えしました。コストが増えた分を販売価格に転嫁できた大企業は採算が改善しているが、一方で価格交渉力が相対的に弱い中小企業は転嫁が遅れて収益を圧迫している現状が見て取れます。また、人手不足も深刻な問題であり、賃上げへの前向きな対応の可否によって競争力格差に拍車が掛かっています。

これらの要因にロシア・ウクライナ問題の長期化も加わって、企業の設備投資意欲の減退や計画の先送りにつながる要因は多く、設備投資が計画よりも下振れするリスクがある点には、引き続き注意を要すると考えられます。

 このような環境の中、電子システム事業においては、主要顧客の半導体後工程商材への設備投資、車載機器向け専用計測器で受注が継続して増加しました。また、稼働開始した第二工場においてセキュリティルームの整備が完了し、顧客の来訪確認、受託試験所認定の取得作業を開始しました。

 マイクロエレクトロニクス事業においては、アナログLSI設計受託売上の安定化に向けて、回復の遅れているスマートフォン向けセンサー半導体に対する要素開発設計に注力するとともに、自動車分野等の電源、組み込みメモリ設計をターゲットにした新規顧客開拓を続けています。デジタルLSI設計受託については、DSC向け画像処理分野の設計受託のピークアウトを見据え、自動車分野向けデジタル設計の新規顧客開拓に注力しています。一方、業界における旺盛な半導体需要のために設計人材の確保が難しい状況は続いています。

 製品開発事業においては、銀行向け金銭機器用カメラの開発が完了し、初回量産品を出荷しました。医療・介護向けカメラシステムの開発は試作機が完成し、今後市場評価を進めてまいります。堅調なインフラ機器、産業機器に加え、部材入手状況が改善した医療機器向け製品の出荷再開など、生産も順調に推移し売上に貢献しました。

 これらの結果、当第2四半期累計期間の経営成績は、売上高3,499,921千円(前年同四半期比19.4%増)となり、営業利益は348,944千円(前年同四半期比47.7%増)、経常利益は355,428千円(前年同四半期比47.1%増)、四半期純利益は248,128千円(前年同四半期比51.3%増)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

a.電子システム事業

 電子システム事業においては、一部車載半導体の生産増加対応を目的としたバーンイン関連の設備投資及び、新製品用カスタムバーンイン装置の受注が増加しました。新型コロナウイルス感染症の影響で悪化していた部材調達状況の改善がみられ、車載機器向け専用計測器では納期調整の改善につながり、前年同四半期を上回りました。当社調達における一部部材入手難は残る一方、新規顧客開拓や長期視点での取組み商材の具体化、外注先開拓による製造キャパアップに取組みました。

 これらの結果、電子システム事業は、売上高は1,723,135千円(前年同四半期比34.7%増)、セグメント営業利益は247,943千円(前年同四半期比120.7%増)となりました。

 

b.マイクロエレクトロニクス事業

 マイクロエレクトロニクス事業においては、旺盛な半導体需要に支えられ半導体の設計需要が堅調に推移しました。アナログLSIにおいては、自動車向けのパワー半導体や高速インターフェースを主体としたアナログ設計受託が順調でした。また、デジタルLSIにおいては、ピークアウトを想定していたDSC向け画像処理関連のデジタル設計受託が継続となりました。さらに、自動車向けのデジタル設計受託は堅調に増加しました。IPについては、当初計画されていたライセンス計画に遅延が発生しました。

 これらの結果、マイクロエレクトロニクス事業は、売上高は1,045,772千円(前年同四半期比0.9%増)、セグメント営業利益は122,139千円(前年同四半期比18.4%減)となりました。

 

c.製品開発事業

 製品開発事業においては、海外ATM向けカメラ製品の継続受注、新規国内向けATMの量産開始など、インフラ向けカメラ製品が順調に推移しました。また、医療検体機向け製品の復調などにより販売は順調に推移しました。

 これらの結果、製品開発事業は、売上高は731,013千円(前年同四半期比18.9%増)、セグメント営業損失は21,138千円(前年同四半期はセグメント営業損失25,875千円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当第2四半期会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、284,579千円となり、前事業年度末に比べて245,118千円減少いたしました。

 当第2四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、獲得した資金は100,670千円(前年同四半期に使用した資金は238,465千円)となりました。これは主に、税引前四半期純利益355,428千円、棚卸資産の増加額118,429千円及び法人税等の支払額80,074千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は268,086千円(前年同四半期に使用した資金は215,271千円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出134,192千円、無形固定資産の取得による支出128,459千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は77,703千円(前年同四半期に獲得した資金は649,472千円)となりました。これは主に、短期借入金による純増加額100,000千円、長期借入金の返済による支出78,314千円、配当金の支払額65,913千円、自己株式の取得による支出33,227千円等によるものであります。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第2四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第2四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第2四半期累計期間における、当社の研究開発活動の金額は130,388千円であります。

 なお、当第2四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第2四半期会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。